以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
なお、本発明の文字入力装置の1つの実施形態として2つ折りタイプの携帯電話機について説明するものの、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置、パーソナルコンピュータ等の、文字入力が可能な文字入力装置であればよい。
図1は、本発明の文字入力装置の実施の形態の一つである携帯電話機1の外観の一例を示している。携帯電話機1は、表示部6及び受話用スピーカ11を有する第1筐体2と入力部3及び送話用マイク12を有する第2筐体3と両筐体を回転可能に連結する連結部を有して構成される。
表示部6は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ(organic electroluminescence display)などの表示器で構成され、所定の文字情報や画像情報等を画面上に表示する。入力部(操作部)3は、ダイヤル発信時や文章作成時などのように数字や記号などを含む文字の入力時に使用するテンキー4と、4方向での入力操作が可能な方向キー5、及び方向キー5の中心に位置する決定キー5a、機能キー5b、5cを備えて構成されている。なお、方向キー5の周囲に配置されている機能キー5b、5cは、メール機能、アドレス帳機能、インターネット接続機能、電源機能などの各種機能が割り当てられて、各種機能の操作時に操作される。また、これら機能キー5b、5cは、決定キー5aとともに、表示部6の画面下方にメニュー項目として表示されるソフトキー8a、8b、8cを選択する際の選択操作キーとして機能する。例えば、図1に示されるように、表示部6の画面下方中央に「決定」の選択項目が表示されている状態では、決定キー5aの押下操作によって決定動作が行われる。
図2は、本実施の形態に係る携帯電話機1の機能的な構成を示すブロック図である。制御部110は、通信部203にアンテナ201を介した他の通信装置との通信を行わせ、音声処理部104にマイク218にて入力された音声の入力処理やスピーカ209からの音声出力処理を行わせ、記憶部108に各種情報を記憶させる。また、制御部110は、記憶部108に記憶されている各種プログラムを起動することにより、メール機能、アドレス帳機能、スケジュール機能、Web接続機能、音楽再生機能などの各種機能を実行可能とされている。そして、表示部6は、通信部203での通信により取得された情報や入力部3により入力された入力情報や記憶部108に記憶されている記憶情報などの情報を表示可能とされ、制御部110は、表示制御部として、表示部6に表示される文字情報や画像情報などの各種情報の表示を制御する。
また、記憶部108は、制御部110によって利用される。例えば、記憶部108は、制御部110によってプログラムが実行されるとき、制御部110によって計算途中のデータ等を記憶する。また、記憶部108は、通信部203が有する受信部と送信部との間でデータ移動するとき、そのデータを記憶する。
記憶部108は、不揮発性のメモリと揮発性のメモリ(いずれも不図示)を有する。不揮発性のメモリは、携帯電話機の電源が切られても、例えば、その直前の設定条件等を記憶することが可能である。そして、不揮発性のメモリは、次に電源が入れられたとき、その設定条件等の情報を制御部110へ渡す。従って、ユーザは、電源が切られたときと同じ設定条件等の情報を、電源が入れられた時に利用することが可能となる。つまり、不揮発性のメモリは、ユーザに対して利便性を提供可能である。また、記憶部108には、表示部6に表示される文字(記号や絵文字などを含む)の異なるフォントや異なるサイズなどの複数の文字種データや文字入力時の単語候補及びフレーズ候補等の入力候補データなどが格納されている。
入力部3は、記号や絵文字などを含む文字の入力操作時に操作されるテンキー4と、選択操作や移動操作時に操作される方向キー5と、決定キー5aと、各種機能キー5b、5cとを備えている。テンキー4には、1つのキーに1つの数字と複数のひらがなと複数のアルファベットとがわりあてられており、例えば、テンキー「2」には、数字の「2」、ひらがなの「か、き、く、け、こ」、アルファベットの「A、B、C」が割り当てられている。これらのテンキー4を用いて文字入力を行う際には、例えば、機能キー5cの押下操作によって入力したい所望の文字種を選択して入力文字種を設定(変更)することが可能となる。そして、連続入力された文字を漢字などに変換する際には、方向キー5での選択操作及び決定キー5aでの決定操作によって変換したい文字を選択することによって入力文字を決定することが出来る。
また、方向キー5は、上述した文字入力時の変換候補の選択操作だけでなく、表示部6に表示されている画面上の選択項目の選択や入力位置の移動などを行う際に操作される。そして、制御部110は、文字の入力処理時に文字の入力位置示すカーソルを表示部6に表示させ、方向キー5の操作によってカーソルの表示位置を方向キー5の操作方向に沿って移動させることにより、文字の入力位置を任意に変更させることが出来る。例えば、図1の示されている方向キー5のうち図面上側を指し示している方向キー5が押下されたとき、カーソルは表示部6の上へ移動する。同様に、方向キー5のうち図面左側を指し示している方向キー5が押下されたとき、カーソルは表示部6の上へ移動する。同じく、方向キー5のうち図面下側または右側を指し示している方向キー5が押下されたとき、カーソルは表示部6の下または右へ移動する。そして、表示されるカーソルによって文字の入力位置が決定された状態で、テンキー4が操作されると、カーソル位置からの文字入力が行われる。
例えば、機能キー5cの操作によって入力文字種として「かな入力」が選択(設定)された状態で、テンキー4が連続押下されることによって「あい」と入力された後、方向キー5の下キーが押下されることによって「藍」「相」「哀」「愛」・・・と未確定状態の変換文字が表示される。そして、ユーザの所望の入力文字(今回の例では「愛」とする)が、未確定状態の変換文字として表示部6へ表示されたとき、決定キー5aが押下されることによって「愛」という文字の入力が確定される。
そして、本実施の形態に係る携帯電話機における文字入力処理では、機能キー5cの操作により、数字、ひらがな、カタカナ、英字などの入力文字種を任意に変更(設定)することができるとともに、表示部6に表示されている文字から少なくとも1つの文字をカーソルで選択した状態でテンキー4を用いて入力した場合に、選択されている文字と同じ文字種の入力を行うことが可能とされている。なお、本実施形態での文字とは、数字、ひらがな、カタカナ、漢字及びアルファベットなどの文字だけでなく、「#」及び「?」といった記号や絵文字なども含むものとする。
図3は、本実施の形態に係る携帯電話機における文字入力処理を示すフローチャートである。
制御部110は、入力部3で所定の操作が行われることによって、例えばメモ帳機能またはメール作成機能等を起動させる。例えば、待ち受け状態での決定キー5aの押下によりメニュー選択機能が実行されて、表示部6に表示されるメニュー画面から方向キー5の操作によって所望の機能が選択されて起動される。または、機能キー5b、5cの押下操作によって所望の機能が起動される。そして、メモ帳機能やメール機能などの文字入力を伴う機能が起動されると、表示部6に文字の入力画面又は編集画面が表示されて、図3〜5に示される文字入力処理が実行される。
まず、入力部3であるテンキー4のいずれかのキーが押下されたか否かを判定する(ステップS301)。いずれのテンキー4も押下されないとき(ステップS301/No)には、ステップS301の判定をテンキー4のいずれかのキーが押下されるまで繰り返す。ステップS301にていずれかのテンキー4が文字入力のために押下されたと判定される(ステップS301/Yes)と、制御部110は、表示部6に表示されている文字入力画面(又は編集画面)上で文字入力位置を示すカーソルによって画面上に表示されている文字が選択されているか否かを判定する(ステップS302)。
制御部110は、テンキー4が押下されたときにカーソルによって表示中のいずれの文字も選択されていないと判定する(ステップS302/Yes)と、カーソルの表示位置を文字入力開始位置として押下されたテンキー4に割り当てられている文字を表示して文字入力を行う。この場合、テンキー4に割り当てられている「数字」、「漢字(かな)」、「全角英字」又は「半角英字」などの複数の文字種のうち、デフォルトで設定されている所定の文字種である「漢字(かな)」の文字がテンキー4の押下に応じて順次表示されて入力される。または、機能キー5cの押下操作によってユーザーにより選択(設定)された所望の文字種の文字が同様に表示されて入力される(ステップS303)。次に、入力された文字に対する変換操作が行われた否かを判定する(ステップS304)。変換操作なしと判定されると、ステップS301に戻り、連続する文字入力のためのテンキー4の押下操作を同様に待つ。逆にステップS304にて、方向キー5の下方向が押下されて入力文字の変換操作がありと判定された場合には、文字変換候補を表示部6の下欄に複数表示する(ステップS305)。次に、文字変換の確定操作が行われたか否かを判定し(ステップs306)、変換確定がなされていないと判定されると、ステップS304に戻り、表示されている文字変換候補の何れかが選択されて決定キー5aの押下操作により文字変換候補が決定されたと判定すると、ステップS307に進み、選択された変換候補を入力文字として確定し、表示部6の画面上に表示した後、ステップS301に戻る。
また、制御部110は、ステップS302で、文字入力操作が行われたときに、カーソルにより表示されている文字の何れかが選択されていると判定されると、ステップS308に進み、選択されている文字が、「漢字(かな)」であるか否かを判定する。このステップS308にて、選択されている文字が「漢字(かな)」であると判定すると、ステップS309に進み、この選択されている文字と同じ文字種である「漢字(かな)」を入力文字の文字種として設定し、カーソルの表示位置を文字入力開始位置として押下されたテンキー4に割り当てられている「漢字(かな)」の文字を表示する。そして、ステップS304に進み、上述したステップS304〜307の変換処理を実行する。
次に、制御部110は、ステップS308にて、選択されている文字が「漢字(かな)」でないと判定すると、図4に示されるステップS310に進む。このステップS310では、選択されている文字が「全角カタカナ」であるか否かを判定する。このステップS310にて、選択されている文字が「全角カタカナ」であると判定されると、ステップS311に進み、この選択されている文字と同じ文字種である「全角カタカナ」を入力文字の文字種として設定し、カーソルの表示位置を文字入力開始位置として押下されたテンキー4に割り当てられている「全角カタカナ」の文字を表示する。そして、ステップS304に進み、上述したステップS304〜307の変換処理を実行する。
次に、制御部110は、ステップS310にて、選択されている文字が「全角カタカナ」でないと判定すると、ステップS312に進み、選択されている文字が「半角カタカナ」であるか否かを判定する。このステップS312にて、選択されている文字が「半角カタカナ」であると判定されると、ステップS313に進み、この選択されている文字と同じ文字種である「半角カタカナ」を入力文字の文字種として設定し、カーソルの表示位置を文字入力開始位置として押下されたテンキー4に割り当てられている「半角カタカナ」の文字を表示する。そして、ステップS304に進み、上述したステップS304〜307の変換処理を実行する。
次に、制御部110は、ステップS312にて、選択されている文字が「半角カタカナ」でないと判定すると、ステップS314に進み、選択されている文字が「全角英字」であるか否かを判定する。このステップS314にて、選択されている文字が「全角英字」であると判定されると、ステップS315に進み、この選択されている文字と同じ文字種である「全角英字」を入力文字の文字種として設定し、カーソルの表示位置を文字入力開始位置として押下されたテンキー4に割り当てられている「全角英字」の文字を表示する。そして、ステップS304に進み、上述したステップS304〜307の変換処理を実行する。
次に、制御部110は、ステップS314にて、選択されている文字が「全角英字」でないと判定すると、図5に示されるステップS316に進む。このステップS316では、選択されている文字が「半角英字」であるか否かを判定する。このステップS316にて、選択されている文字が「半角英字」であると判定されると、ステップS317に進み、この選択されている文字と同じ文字種である「半角英字」を入力文字の文字種として設定し、カーソルの表示位置を文字入力開始位置として押下されたテンキー4に割り当てられている「半角英字」の文字を表示する。そして、ステップS304に進み、上述したステップS304〜307の変換処理を実行する。
次に、制御部110は、ステップS316にて、選択されている文字が「半角英字」でないと判定すると、ステップS318に進み、選択されている文字が「全角数字」であるか否かを判定する。このステップS318にて、選択されている文字が「全角数字」であると判定されると、ステップS319に進み、この選択されている文字と同じ文字種である「全角数字」を入力文字の文字種として設定し、カーソルの表示位置を文字入力開始位置として押下されたテンキー4に割り当てられている「全角数字」の文字を表示する。そして、ステップS304に進み、上述したステップS304〜307の変換処理を実行する。
次に、制御部110は、ステップS318にて、選択されている文字が「全角数字」でないと判定すると、選択されている文字が「半角数字」であると判定し、ステップS320に進み、この選択されている文字と同じ文字種である「半角数字」を入力文字の文字種として設定し、カーソルの表示位置を文字入力開始位置として押下されたテンキー4に割り当てられている「半角数字」の文字を表示する。そして、ステップS304に進み、上述したステップS304〜307の変換処理を実行する。
このように、本実施形態の携帯電話機1における文字入力処理では、テンキー4の押下などにより文字入力操作が行われたときに、表示部6に表示されている文字が選択されているか否かを判定し、表示されている文字がカーソルなどによって選択されていないと判定されると、予め設定されている文字種(例えば、漢字(カナ))や任意に選択された文字種での文字入力を行う。そして、文字入力操作が行われたときに、カーソルなどによって表示部6に表示されている文字が選択されている場合には、この選択されている文字と同じ文字種が自動的に選択されて、カーソルによって選択されている位置から同じ文字種での文字入力が開始されることとなる。
つまり、編集などにより、表示部6に表示されている文字の変更や文字の追加を行う場合には、変更する文字又は追加(挿入)する位置に表示されている文字をカーソルなどにより選択した状態で文字入力を行うことにより、入力文字の文字種がこの選択されている文字と同じ文字種に自動的に設定されて選択されている文字と同じ文字種の文字を容易に入力することができる。よって、従来、表示部6に表示されている文字と同じ文字種の文字を入力する場合には、文字種の設定(変更)操作を行った後に文字入力を行う必要があったが、本実施形態の携帯電話機1では、文字種の設定操作を特に行う必要がなく、使い勝手を向上させることが出来る。
なお、上述した実施形態では、入力文字の複数の文字種として、「漢字(カナ)」、「全角カタカナ」、「半角カタカナ」、「全角英字」、「半角英字」、「全角数字」又は「半角数字」のいずれかであるかを判別するように構成したが、「記号」や「絵文字」などのその他の種類の文字の判別を行うようにしてもよく、選択されている文字の種類(文字種)に応じて入力文字の文字種が設定されるように構成されればよい。また、表示部6に表示されている文字の選択構成として、カーソルにより選択される構成を例として説明したが、それ以外の構成によって表示されている文字を選択できるように構成しても良い。
図6〜図9は、図3〜図5において示した文字入力処理に基づく文字の入力処理を例示している。
図6(a)は、表示部6の画面上に「サイトのURLはhttp://xxx.com」と表示されている状態を示した図である。そして、表示されている各文字のうち、「サイト」は半角カタカナ、「URL」は全角英字、「http://xxx.com」は半角英字でそれぞれ表示(入力)されている。
図6(b)は、「サイトのURLはhttp://xxx.om」と表示されているときの表示部6の様子を示した図である。この状態において、「c(半角英字)」が「.」と「o」の間に挿入されることがユーザに欲される場合を想定する。
先ず、図6(c)に示されるように、「.」と「o」の間に文字を挿入するために、カーソルによって「o」が選択(反転表示)された状態とした後に文字入力を行う。従来では、文字入力を行う際には、「漢字(かな)」などの特定の文字種が予めデフォルト設定されているため、図6(c)の状態において、テンキー4の「2」キーが3回押下されると、図6(d)に示されるように、表示部6のカーソル表示位置にはひらがなの「く」が入力されて表示されるため、機能キー5cの押下操作などにより入力文字の文字種変更設定を別途行った後に文字入力を行う必要がある。
これに対して、本発明にかかる携帯電話機1の文字入力処理では、図6(c)に示されるように表示中の文字「o」が選択された状態でテンキー4を用いた文字入力の入力動作が行われると、選択されている文字「o」と同じ文字種である「半角英字」での文字入力が行われ、テンキー4の「2」キーが3回押下されることにより、図6(e)に示されるように、「.」と「o」の間に選択された文字「o」と同じ文字種である「半角英字」の「c」が挿入により入力されることとなる。
つまり、図3〜図5に示すフローチャートで説明したように、テンキー4(入力部)からの入力が行われた時、制御部110はカーソルが合わせられている(選択されている)文字の種類を識別する。そして、制御部110は、その文字と同種類の文字を表示部6に表示させて入力処理を実行する。図6(c)においては、カーソルが合わせられていた「o」は半角英字なので、制御部110は、テンキー4から受け付けた入力を、文字の種類を半角英字として認識する。つまり、図1を用いて説明すると、テンキー4の「2」キーは、英字の「a」「b」「c」に対応しているため、「2」キーが3回押下されると「c」が表示部6へ表示される。つまり、文字の種類を切り替える動作をユーザが行う必要がなくなる。従って、この構成は、ユーザビリティを向上させるという効果を奏する。更には、図6(d)において示したような入力ミスも防ぐことが可能となる。
図7は、本実施形態の携帯電話機1の、図6とは別の文字入力の処理形態を示した図である。
図7(a)は、「メールアドレスは、abcde@z.com」と表示されているときの表示部6の様子を示した図である。なお、「メールアドレス」は全角カタカナ、「は、」は全角ひらがな、「abcde@z.com」は半角アルファベットでそれぞれ記載されている。
図7(b)は、「メールアドスは、acde@z.com」と表示されているときの表示部6の様子を示した図である。この状態において、「レ(全角カタカナ)」が「ド」と「ス」の間に挿入されることがユーザに欲される場合を想定する。また、「b(半角アルファベット)」が「a」と「c」の間に挿入されることがユーザに欲される場合も併せて想定する。
図7(c)は、従来技術における図7(b)の状態において、テンキー4の「9」キーが4回押下されたときの様子を示した図である。なお、このときカーソルは「ス」に合わせられているとする。なお、この従来技術は、比較することによって本発明にかかる本実施形態の説明を行うために記載したに過ぎない。また、選択されていた文字の種類は、「半角アルファベット」入力であったとする。すると、テンキー4の「9」キーが4回押下を受け付けたとき、表示部6は「z(半角アルファベット)」を表示する。「レ」が「ド」と「ス」の間に入力されるためには、テンキー4の「9」キーが4回押下される前に、入力される文字の種類が変更されなければいけない。例えば、表示部6は、ソフトキー8bに「文字種変更」と表示し、同時に機能キー5bは、ソフトキー8bの入力を受け付けなければならない。その後、表示部6は、「漢字」「全角ひらがな」「半角カタカナ」「全角アルファベット」・・・といった、文字の種類を表示する。そして、入力部3より該当する文字の種類の選択が行われたら、その文字の種類が用いられる。
図7(d)は、本発明にかかる携帯電話機1の実施形態を示した図である。全角カタカナである「ス」にカーソルが合わせられたときの様子を示している。
図7(e)は、図7(d)で示された状態において、テンキー4の「9」キーが4回押下されたあとの様子を示す図である。図3、図4及び図5のフローチャートで示したように、テンキー4(入力部)からの入力が行われた時、制御部110はカーソルが合わせられている文字の種類を識別する。そして、表示部6は、その文字と同種類の文字を出力する。図7(e)においては、カーソルが合わせられていた「ス」は全角カタカナなので、制御部110は、テンキー4から受け付けた入力を、文字の種類を全角カタカナとして認識する。つまり、図1を用いて説明すると、テンキー4の「9」キーは、カタカナの「ラ」「リ」「ル」「レ」「ロ」に対応しているため、「9」キーが4回押下されると「レ」が表示部6へ表示される。つまり、文字の種類を切り替える動作をユーザが行う必要がなくなる。従って、この構成は、ユーザビリティを向上させるという効果を奏する。更には、図7(c)において示したような入力ミスも防ぐことが可能となる。
再び図7(c)の説明を行う。図7(c)は、従来技術における図7(b)の状態において、テンキー4の「2」キーが2回押下されたときの様子を示した図である。なお、このときカーソルは「c」に合わせられているとする。また、選択されていた文字の種類は、「半角数字」入力であったとする。すると、テンキー4の「2」キーが2回押下を受け付けたとき、表示部6は「22(半角数字)」を表示する。「b」が「a」と「c」の間に入力されるためには、テンキー4の「2」キーが2回押下される前に、入力される文字の種類が変更されなければいけない。例えば、表示部6は、ソフトキー8bに「文字種変更」と表示し、同時に機能キー5bは、ソフトキー8bの入力を受け付けなければならない。その後、表示部6は、「漢字」「全角ひらがな」「半角カタカナ」「全角アルファベット」・・・といった、文字の種類を表示する。そして、入力部3より該当する文字の種類の選択が行われたら、その文字の種類が用いられる。
再び図7(d)の説明を行う。図7(d)は、本発明にかかる携帯電話機1の実施形態を示した図である。半角アルファベットである「b」にカーソルが合わせられたときの様子を示している。
図7(e)は、図7(d)で示された状態において、テンキー4の「2」キーが2回押下されたあとの様子を示す図である。図3、図4及び図5のフローチャートで示したように、テンキー4(入力部)からの入力が行われた時、制御部110はカーソルが合わせられている文字の種類を識別する。そして、表示部6は、その文字と同種類の文字を出力する。図7(e)においては、カーソルが合わせられていた「b」は半角アルファベットなので、制御部110は、テンキー4から受け付けた入力を、文字の種類を半角アルファベットとして認識する。つまり、図1を用いて説明すると、テンキー4の「2」キーは、半角アルファベットの「a」「b」「c」に対応しているため、「2」キーが2回押下されると「b」が表示部6へ表示される。つまり、文字の種類を切り替える動作をユーザが行う必要がなくなる。従って、この構成は、ユーザビリティを向上させるという効果を奏する。更には、図7(c)において示したような入力ミスも防ぐことが可能となる。
図8は、本実施形態での携帯電話機1の、図6及び図7とは別の文字入力の処理形態を示した図である。
図8(a)は、「電話番号は、090−1234−88●8」と表示されているときの表示部6の様子を示した図である。なお、「電話番号は、」は全角ひらがな、「090−1234−88●8」は全角ひらがなでそれぞれ記載されている。
図8(b)は、「電話番号、090−134−88●8」と表示されているときの表示部6の様子を示した図である。この状態において、「は(全角ひらがな)」が「号」と「、」の間に挿入されることがユーザに欲される場合を想定する。また、「2(全角数字)」が「1」と「3」の間に挿入されることがユーザに欲される場合も併せて想定する。
図8(c)は、従来技術における図8(b)の状態において、テンキー4の「6」キーが1回押下されたときの様子を示した図である。なお、このときカーソルは「、」に合わせられているとする。なお、この従来技術は、比較することによって本発明にかかる本実施形態の説明を行うために記載したに過ぎない。また、選択されていた文字の種類は、「全角数字」入力であったとする。すると、テンキー4の「6」キーが1回押下を受け付けたとき、表示部6は「6(全角数字)」を表示する。「は」が「号」と「、」の間に入力されるためには、テンキー4の「6」キーが1回押下される前に、入力される文字の種類が変更されなければいけない。例えば、表示部6は、ソフトキー8bに「文字種変更」と表示し、同時に機能キー5bは、ソフトキー8bの入力を受け付けなければならない。その後、表示部6は、「漢字」「全角ひらがな」「半角カタカナ」「全角アルファベット」・・・といった、文字の種類を表示する。そして、入力部3より該当する文字の種類の選択が行われたら、その文字の種類が用いられる。
図8(d)は、本発明にかかる携帯電話機1の実施形態を示した図である。全角ひらがなである「、」にカーソルが合わせられたときの様子を示している。
図8(e)は、図8(d)で示された状態において、テンキー4の「6」キーが1回押下されたあとの様子を示す図である。図3、図4及び図5のフローチャートで示したように、テンキー4(入力部)からの入力が行われた時、制御部110はカーソルが合わせられている文字の種類を識別する。そして、表示部6は、その文字と同種類の文字を出力する。図8(e)においては、カーソルが合わせられていた「、」は全角ひらがなの一種なので、制御部110は、テンキー4から受け付けた入力を、文字の種類を全角ひらがなとして認識する。つまり、図1を用いて説明すると、テンキー4の「6」キーは、ひらがなの「は」「ひ」「ふ」「へ」「ほ」に対応しているため、「6」キーが1回押下されると「は」が表示部6へ表示される。つまり、文字の種類を切り替える動作をユーザが行う必要がなくなる。従って、この構成は、ユーザビリティを向上させるという効果を奏する。更には、図8(c)において示したような入力ミスも防ぐことが可能となる。
再び図8(c)の説明を行う。図8(c)は、従来技術における図8(b)の状態において、テンキー4の「2」キーが1回押下されたときの様子を示した図である。なお、このときカーソルは「3」に合わせられているとする。また、選択されていた文字の種類は、「半角カタカナ」入力であったとする。すると、テンキー4の「2」キーが1回押下を受け付けたとき、表示部6は「カ(半角カタカナ)」を表示する。「2」が「1」と「3」の間に入力されるためには、テンキー4の「2」キーが1回押下される前に、入力される文字の種類が変更されなければいけない。例えば、表示部6は、ソフトキー8bに「文字種変更」と表示し、同時に機能キー5bは、ソフトキー8bの入力を受け付けなければならない。その後、表示部6は、「漢字」「全角ひらがな」「半角カタカナ」「全角アルファベット」・・・といった、文字の種類を表示する。そして、入力部3より該当する文字の種類の選択が行われたら、その文字の種類が用いられる。
再び図8(d)の説明を行う。図8(d)は、本発明にかかる携帯電話機1の実施形態を示した図である。全角数字である「3」にカーソルが合わせられたときの様子を示している。
図8(e)は、図8(d)で示された状態において、テンキー4の「2」キーが1回押下されたあとの様子を示す図である。図3、図4及び図5のフローチャートで示したように、テンキー4(入力部)からの入力が行われた時、制御部110はカーソルが合わせられている文字の種類を識別する。そして、表示部6は、その文字と同種類の文字を出力する。図8(e)においては、カーソルが合わせられていた「3」は全角数字なので、制御部110は、テンキー4から受け付けた入力を、文字の種類を全角数字として認識する。つまり、図1を用いて説明すると、テンキー4の「2」キーは、数字の「2」に対応しているため、「2」キーが1回押下されると「2」が表示部6へ表示される。つまり、文字の種類を切り替える動作をユーザが行う必要がなくなる。従って、この構成は、ユーザビリティを向上させるという効果を奏する。更には、図7(c)において示したような入力ミスも防ぐことが可能となる。
図9は、本実施形態の本実施形態での携帯電話機1の、図6〜図8とは別の文字入力の処理形態を示した図である。図6〜図8にて説明した処理形態では、文字入力モードとして所謂「挿入モード(insert mode)」が設定されている状態での文字入力処理について説明したが、図9に示される処理形態は、文字入力モードとして所謂「上書きモード(overwrite mode)」が設定されている状態での文字入力処理について説明している。制御部110は、文字入力モードとして、「挿入モード」又は「上書きモード」を選択し、選択された入力モードに応じて文字入力処理を行う。この入力モードは、入力部(操作部)3での操作に応じて設定が変更されるように構成されているが、設定変更が行われない場合には、「挿入モード」がデフォルト設定されている。
図9(a)は、「サイトのURLは」と既に入力された後の場合の表示部6の様子を示した図である。なお、「の」及び「は」は、漢字並びにひらがな(全角)で記載されている。また、「サイト」は半角カタカナで記載されている。また、「URL」は、全角アルファベットで記載されている。
図9(b)は、「サイトのVRLは」とすでに入力された後の表示部6を示した図である。なお、「サイト」は半角カタカナ、「の」及び「は」はひらがな、「VRL」は全角英字とする。この状態において、「V」が上書きされて「U」と置換されることがユーザに欲される場合を想定する。
図9(c)は、表示部6の画面上に表示されている「サイトのVRLは」の「V」がカーソル表示などによって選択されている状態を示している。
この図9(c)に示される状態から、テンキー4の「8」キーが2回押下されると、従来では、入力文字の文字種が「漢字(かな)」にデフォルト設定されているため、図9(d)に示されるように、「V」の表示位置に「ゆ」が上書きにより入力されて表示されることとなるが、本実施形態では、選択されている文字の文字種に応じて入力文字の文字種が自動的に設定されるため、テンキー4の「8」キーが2回押下されることにより、選択されていた文字「V」と同じ文字種の全角英字での文字入力が行われて、図9(e)に示されるように「V」の表示位置に「U」が上書きにより入力されて表示される。
具体的には、図3〜図5のフローチャートで示される文字入力処理に基づき、テンキー4(入力部)からの入力が行われた時、制御部110はカーソルにより選択されている文字の種類を識別する。そして、表示部6は、その文字と同種類の文字を入力して表示する。図9(c)においては、カーソルにより選択されていた文字「V」は全角英字の一種なので、制御部110は、テンキー4から受け付けた入力を、文字の種類を全角英字として認識する。つまり、図1を用いて説明すると、テンキー4の「8」キーは、アルファベットの「T」「U」「V」に対応しているため、「8」キーが2回押下されると「U」が表示部6へ表示される。つまり、文字の種類を切り替える動作をユーザが行う必要がなくなる。従って、この構成は、ユーザビリティを向上させるという効果を奏する。更には、図9(d)において示したような入力ミスも防ぐことが可能となる。
以上、説明したように、本実施形態では、文字の入力モードとして「上書きモード」が設定されている場合であっても、表示部6に表示されている文字の種類に応じて入力文字の種類が自動的に設定され、選択されている文字と同じ文字種の入力を容易に行うことができ、ユーザへ効率よく文字入力を行わせることが可能な文字入力装置を提供することが可能となる。特に、表示部6に表示されている文章を編集する際に、編集元の文章の文字種などの表示形態を維持したままでの文字入力を容易に行うことができる。
さらに、表示部6に表示されて選択された文字と同じ種類の文字の入力処理が可能となり、ユーザが文章作成などの文字入力中に文字を間違えて入力してしまったとしても、ユーザは間違って入力された文字を選択して入力操作を行うことにより、所望の文字種での文字入力を容易に行うことができ、従来に比してもより少ない操作での入力修正を行うことが可能となる。
また、制御部110は、方向キー5などの操作によってカーソルが移動されて、表示中の選択される文字が変更された場合でも、変更後の選択された文字の種類を識別して、識別された文字種に応じて入力文字の文字種を設定するように構成すればよい。このように構成されることにより、表示部6は、カーソルが移動されて選択される文字が変更された場合でも、表示中の文字の種類に応じて文字入力を行うことが可能となる。
そして、本実施形態では、表示部6に表示されている文字がカーソルなどによって選択されると、この選択された文字の種類を識別し、図6(c)又は図9(c)に示されるように識別された文字種を表示部6の画面上に形成される報知部8dに表示することにより、ユーザに対して入力可能な文字の種類を報知する。この報知により、選択されている文字の種類を認識して、入力される文字の種類を確認しながら文字入力を行うことができ、入力操作性を向上させることが出来る。なお、本実施形態において報知部8dは、表示部に入力文字の種別情報(「半A」「全A」など)を表示するように構成したが、例えば、文字情報の表示の代わりに、表示部6のバックライトの色及びテンキー4の照明の少なくとも一方を、ひらがなであれば青色、半角数字であれば赤色と変更するようにしてもよい。また、文字情報は、スピーカ209から音声として報知されるように構成してもよい。仮に、入力したい文字種が異なる場合には、機能キー5cなどの操作によって入力文字種の変更を行うことにより、所望の文字種での文字入力を行うことができる。なお、入力文字の種類の報知方法として、表示部6の画面の一部に文字種を表示させる構成としたが、これに限定されることなく、音声などにより文字種を報知する構成としてもよい。
また、上述した実施形態において、選択される文字を表示するカーソルは、四角形状(選択された文字の反転表示)として説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、カーソルは棒状の形状であっても良い。このとき、制御部110によって認識される文字は、棒状のカーソルの右側であっても良いし、左側であっても良い。また、本発明にかかる携帯電話機1は、棒状のカーソルの右側か左側かのどちらかが、あらかじめユーザによって選択可能な手段を有していてもよい。
また、上述した実施形態では、文字の入力モードの設定に関係なく、「挿入モード」であっても「上書きモード」であっても表示部6に表示されて選択されている文字と同じ種類の文字を入力する構成としたが、入力モードとして「上書きモード」が設定されている場合にのみ、選択されている文字の種類に応じた文字種により文字入力を行いように構成してもよい。この場合、上書きにより文章編集時に、編集元の文章の形態を維持したままでの文字入力を容易に行うことができ、従来に比して入力文字種の変更操作を少なくすることができ、入力操作性を向上させることができる。
また、上述した実施形態では、メール機能又はメモ機能における文字入力処理を例に説明したが、ウェブ機能での検索時やアドレス帳機能での登録(編集)時などのように、その他の機能での文字入力時においても同様の文字入力処理を実行可能である。
特に、メール機能における受信メールに対する返信メールの作成時又は転送メールの作成時やスケジュール機能でのスケジュール内容変更時のように、既に作成が完了している文章を引用して文字入力を行う場合に、引用される文章に対する編集を行う際に、引用文書の中で選択された文字の文字種に応じて入力文字の文字種を上述した文字入力処理にて設定するように構成してもよい。従って、ユーザは、引用された文章の体裁に沿った文章作成が従来に比して容易に行うことができる。つまり、元の文章の作成者(例えば、メールの送信者)の意思に合わせた文章作成が可能となり、ユーザビリティが向上するという効果が生じる。
また、上述した実施形態では、表示部6に表示されている文字のうちの1つの文字が選択されている場合での文字入力処理について説明したが、表示されている連続した複数の文字が選択されている場合においても同様の文字入力処理を実行することが可能である。例えば、表示部6に全角ひらがなにて表示されている「あいう」が選択されている状態でテンキー4を用いた文字入力が行われると、選択されている複数の文字「あいう」は全て同じ文字種(全角ひらがな)であるため、選択されている複数の文字の先頭の文字位置から同じ文字種による文字入力が行われるように構成すればよい。仮に、選択されている複数の文字が全て同じ文字種でない場合には、選択されている文字の文字種に関係なく、デフォルト設定や任意の設定によって予め設定されている文字種に応じて、先頭の文字位置から文字入力を行うようにすればよい。或いは、選択されている複数の文字の先頭の文字の文字種と同じ種類の文字入力を行うようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、携帯電話機1での文字入力処理を例にして説明したが、携帯電話機での文字入力に限定されるものではなく、携帯電子機器やパーソナルコンピュータ等の他の電子機器のように、操作キーなどの入力動作が可能な入力部と、この入力部での入力動作に応じて入力される文字を表示する文字を表示する表示部を有する文字入力装置にも適用可能である。
なお、上述した実施形態では、テンキー4などの操作キーでの操作によって文字入力が行われる構成としたが、文字の入力部は操作キーに限定されることなく、その他の入力手段であってもよく、例えば、マイク等を用いた音声入力による文字入力手段であってもよい。
なお、上述した実施形態では、表示部6に表示されている文字が選択されていない状態で文字の入力動作が行われた場合には、デフォルト設定されている文字種「漢字(かな)」での文字入力が行われる構成として説明したが、これは「漢字(かな)」の文字種の使用頻度が一般的に高いと考えられているためである。この文字種のデフォルト設定は、ユーザが任意に変更できるように構成されていてもよい。
なお、本実施形態において、制御部110が認識する文字の種類は、ひらがな、全角カタカナ、半角カタカナ、全角アルファベット、半角アルファベット、全角数字及び半角数字であったものの、本実施形態はこれに限定されない。例えば、絵文字、半角記号及び全角記号であってもよい。