JP2013253822A - 放射線監視装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】放射線検出器4と測定部5からなる放射線モニタ2と試験装置3を備える放射線監視装置1において、測定部5のアップダウンカウンタ13の積算値を強制的に設定する積算値設定回路15を設け、テストモードにおいて、積算値設定回路15によりアップダウンカウンタ13の積算値をスタート計数率に対応する値に設定した後、テストを実行するように構成した。
【選択図】図1
Description
また、テストパルス制御部が、放射線モニタの計数率の今回値と目標値から判断し、加算入力または減算入力のどちらかで動作するようにテストパルスの入力を切換制御する発明が開示されている(例えば、特許文献2)。
特許文献2開示発明でも、特に、低計数率のテスト項目は、時定数が計数率に反比例しかつ積算値が時定数で低下するのを待つ必要がありテストに長時間を要するという問題があった。
この発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、特に低計数率のテスト項目において、試験時間を削減できる放射線監視装置を提供することを目的とする。
実施の形態1は、放射線検出器と測定部からなる放射線モニタと試験装置を備える放射線監視装置において、測定部のアップダウンカウンタの積算値を強制的に設定する積算値設定回路を設け、テストモードにおいて、積算値設定回路によりアップダウンカウンタの積算値をスタート計数率に対応する値に設定した後、テストを実行するように構成した放射線監視装置に関するものである。
以下、本願発明の実施の形態1の構成、動作について、放射線監視装置のシステム構成図である図1、試験時の応答説明図である図2に基づいて説明する。
図1において、放射線監視装置1は、放射線を測定する放射線モニタ2と、放射線モニタ2のテストを行う試験装置3から構成されている。
放射線モニタ2は、放射線を検出して検出信号パルスを出力する放射線検出器4と、検出信号パルスを入力して計数率を測定する測定部5から構成されている。
試験装置3は、テストパルスを発生するテストパルス発生部6と、テストパルス発生部6から出力されるテストパルスの発信周波数を制御するとともに測定部5の入力を切り換えるテストパルス制御部7から構成されている。
測定部5は、試験時に放射線検出器4からの検出信号と試験用のテストパルスを切り換えるために、例えば3ポジションを有する第1の切換スイッチ19と、アップダウンカウンタ13の減算入力13bへ入力される周波数合成回路14からの信号を切り換える2ポジションを有する第2の切換スイッチ20を備える。なお、実施の形態1において、本発明の入力切換手段は、第1の切換スイッチ19と第2の切換スイッチ20が対応する。
測定部5において、第1の切換スイッチ19は、テストパルス制御部7からの切換信号により、放射線検出器4からの検出信号パルス入力、入力断(遮断)、およびテストパルス発生部6からのテストパルス入力のいずれかに切り換える。以下の説明では、各ポジションを「検出信号」、「遮断」、「テスト信号」と記載する。
テストパルス発生部6において、出力されるテストパルスはデジタルパルスであり、その発信周波数すなわち繰り返し周波数はテストパルス制御部7からの制御信号で制御される。このテストパルスは、テストパルス発生部6または測定部5で、例えば微分して波形整形され、検出パルスの模擬パルスとして第1の切換スイッチ19に入力される。
周波数合成回路14は、アップダウンカウンタ13の出力である積算値を入力して、この積算値に基づき、後述の演算部17から入力されるクロックパルスを分周・周波数合成して、フィードバックパルス(デジタルパルス)を生成する。周波数合成回路14は、このフィードバックパルスをアップダウンカウンタ13の減算入力13bに出力する。
積算制御回路16はアップダウンカウンタ13が計数する時の後述する重み付けを行う。
なお、工学値は計数率に単位変換の定数を乗じたものであるので、以後、演算部17の出力が計数率の場合で説明する。
高警報は、例えば、放出管理許容レベルに基づき通常バックグラウンドより高いレベルに設定される。低警報は、例えば、放射線検出器4の故障による検出信号パルスの喪失または検出信号パルスの減少を検知するために、通常バックグラウンドより低いレベルに設定される。
演算部17から得られる計数率は統計的に変動するため、所定の精度で測定するには、次式のように標準偏差σが一定となるように計数率nに基づき時定数τを制御して測定するようになっている。
σ=1/(2nτ)1/2 (1)
τ=1/(2nσ2) (2)
FB(M)に等しくなる。デジタルパルスの周波数FINは、標準偏差σと積算値Mに基づいて次式のように演算され、FB(M)およびnは、次式のようにFINに平衡するように時定数(τ)の一次遅れで追従して応答する。
FIN=FB(M)=n=eγM=2γM/ln2 (3)
γ=2σ2=(1/nτ)=2−λ・ln2 (4)
β=11−λ (5)
ここで、γは重み付け計数の関係因子、βおよびλは零または正の整数である。
(1)式から、標準偏差σはそれぞれ21倍、22倍、23倍となる。(2)式から、時定数τはそれぞれ2−2倍、2−4倍、2−6倍となる。
(3)式に示すように、nが一定の状態でγを2β倍にすると、積算値Mは2−β倍の重み付けで応答する。すなわち、アップダウンカウンタ13の加算入力13aにノイズ弁別除去器12からデジタルパルスが1個入力されると、積算値Mは2βで重み付けされて加算計数する。一方、アップダウンカウンタ13の減算入力13bに周波数合成回路14からデジタルパルスが1個入力されると、積算値Mは2βで重み付けされて減算計数する。結果として、積算値Mは、加算計数と減算計数の差の積算値Nに2βを掛け算した値になる。
テストパルス制御部7において、例えばある計数率の指示精度を確認する目的のテスト項目である指示精度テストの場合を説明する。「指示精度テスト」のボタンを選択し、テストポイントの計数率を入力すると、テストパルス制御部7は、放射線モニタ2の測定部5の演算部17にアクセスしてテスト中警報を発信させる。次に、放射線モニタ2をテストモード状態にし、警報ブロックを「する」「しない」の選択ボタンのどちらかを選択すると、第1の切換スイッチ19の切換が可能な状態になる。さらに、テストパルス制御部7は、演算部17を経由して、第1の切換スイッチ19を「検出信号」から「遮断」ポジションに切り換えるとともに、第2の切換スイッチ20を「通過」から「遮断」ポジションに切り換える。
次に、テストパルス制御部7は、演算部17を経由して、積算値設定回路15に設定積算値信号を出力して、アップダウンカウンタ13の積算値を強制的にスタート計数率に対応する値の設定積算値Msに置き換える。
続いて、テストパルス制御部7は、第1の切換スイッチ19を「遮断」から「テスト信号」ポジションに切り換え、第2の切換スイッチ20を「遮断」から「通過」ポジションに切り換える。
この状態で、アップダウンカウンタ13の加算入力13aにはテストパルスが入力され、減算入力13bにはフィードバックパルスが入力されて、試験が開始される。
試験を終了する場合は、逆の順序で制御動作する。
Ms=ln(n)/γ (6)
図2は、指示精度テストにおける放射線モニタ2のテスト入力に対する計数率の応答を示すもので、図において、aはテストポイント、スタート計数率、目標計数率であり、3者を同じとすることにより、測定状態の計数率から目標計数率に至る時定数による応答時間を省略できる。計数率出力cは、テストパルス入力の繰り返し周波数bに対して、デジタル演算誤差だけシーソーのように上下にゆらいだ応答を示す。テストパルス制御部7は、演算部17から決められた演算周期数の計数率データを入力して、プラスマイナスの最大ゆらぎを偏差とし、目標計数率を基準に精度を求め、テストデータとして保管する。テストデータは、操作部18で表示させて見ることができると共に、モバイルメモリーに取り出すこともできる。演算誤差のゆらぎは、デジタル誤差が最大±2デジット加算されて、長い場合でも0、+1、+2、+1、0、−1、−2、−1の各デジット順で出力されることが考えられるので、8演算周期以上のデータを収集すれば最大と最小の偏差をもれなく評価できる。
従来の放射線監視装置では、試験時間が測定部5の時定数に依存するため、特に低計数率のテスト項目に対し、時間がかかっていた。しかし、本実施の形態1の放射線監視装置1では、強制的に設定計数率からスタートするため、試験時間が時定数依存せず、試験時間を大幅に短縮できる。
実施の形態2の放射線監視装置は、実施の形態1の放射線監視装置の構成の内、アップダウンカウンタの加算入力に入力される検出信号とテスト信号を切り換える切換スイッチの構成を変更したものである。
図3において、図1と同一あるいは相当部分には、同一の符号を付している。
実施の形態1では、第1の切換スイッチ19は、3ポジションを有し、テストパルス制御部7からの切換信号により、放射線検出器4からの検出信号パルス入力、入力断、テストパルス発生部6からのテストパルス入力のいずれかに切り換えられた。
実施の形態2では、放射線監視装置101の構成を示す図3に示すように、測定部105は第1の切換スイッチ19の代わりに、2ポジションを有する第3の切換スイッチ121と、2ポジションを有する第4の切換スイッチ122を備える。
第3の切換スイッチ121は、テストパルス制御部7からの切換信号により、放射線検出器4からの検出信号パルス入力、およびテストパルス発生部6からのテストパルス入力のいずれかに切り換える。以下の説明では、各ポジションを「検出信号」、「テスト信号」と記載する。
第4の切換スイッチ122は、アップダウンカウンタ13の加算入力13aへノイズ弁別除去器12からのデジタルパルスを入力する(通過させる)か、入力断(遮断)にするかを切り換えるもので、テストパルス制御部7からの切換信号で切り換えられる。以下の説明では、各ポジションを「通過」、「遮断」と記載する。
なお、実施の形態1と区別するため、放射線モニタ102、測定部105、演算部117としている。
テストパルス制御部7は、放射線モニタ102の測定部105の演算部117にアクセスしてテストモードを選択し、第4の切換スイッチ122を「通過」から「遮断」ポジションに切り換えるとともに、第2の切換スイッチ20を「通過」から「遮断」ポジションに切り換える。テストパルス制御部7は、演算部117を経由して積算値設定回路15に設定積算値信号を出力してアップダウンカウンタ13の積算値を強制的に目標計数率の設定積算値Msに置き換える。
続いて、テストパルス制御部7は、第3の切換スイッチ121を「検出信号」から「テスト信号」ポジションに切り換え、第4の切換スイッチ122を「遮断」から「通過」ポジションに切り換える。さらに、第2の切換スイッチ20を「遮断」から「通過」ポジションに切り換える。
この状態で、アップダウンカウンタ13の加算入力13aにはテストパルスが入力され、減算入力13bにはフィードバックパルスが入力されて、試験が開始される。
試験を終了する場合は、逆の順序で制御動作する。
第4の切換スイッチ122および第2の切換スイッチ20の切り換えを行って、「遮断」ポジションとする。次に、積算値設定回路15がアップダウンカウンタ13の積算値を目標計数率の設定積算値Msに置き換えると、出力計数率は即座に、設定積算値に対応する設定計数率に変化する。
続いて、第3の切換スイッチ121、第4の切換スイッチ122および第2の切換スイッチ20の切り換えを行う。第3の切換スイッチ121を「テスト信号」ポジション、第4の切換スイッチ122を「通過」ポジションとし、アップダウンカウンタ13の加算入力13aにはテストパルスを入力する。第4の切換スイッチ122および第2の切換スイッチ20を「通過」ポジションとして、アップダウンカウンタ13の減算入力13bには、フィードバックパルスを入力する。
ステップ状のテストパルスが入力されると、出力計数率は、強制的に置き換えられた設定計数率からスタートする。
実施の形態1では、ある計数率の指示精度を確認する目的のテスト項目である指示精度テストにおいて、テストパルス制御部7がテストパルス発生部6、第1の切換スイッチ19、第2の切換スイッチ20、積算値設定回路15を制御してテスト時間を短縮したが、実施の形態3では、測定レンジのデカード毎に予め決められた全てのテストポイントについて、入力に対する出力の直線性(精度)を確認する入出力応答テストを、テストパルス制御部7の制御により連続して実行するようにしたものである。なお、入出力応答テストにおいて、テストパルス発生部6のテストパルスの繰り返し周波数は、テストポイントの計数率を目標計数率とし、それに対応する値にステップ状に変化するステップ入力としてテストパルス制御部7により制御される。
なお、実施の形態3では、実施の形態1に係る放射線監視装置1を使用して入出力テストを実施するため、図1のシステム構成図に基づいて説明する。
ステップS2で第1の切換スイッチ19と第2の切換スイッチ20を切り換えて、両方とも「遮断」ポジションとする。この状態で、アップダウンカウンタ13の加算入力13aおよび減算入力13bへの入力は遮断される。
ステップS3で、積算値設定回路15からアップダウンカウンタ13に設定積算値信号を出力させて積算値を目標計数率の設定積算値Msに置き換えるとともに、テストパルスの繰り返し周波数を目標計数率に相当する値にする。
ステップS4で第1の切換スイッチ19と第2の切換スイッチ20を切り換える。第1の切換スイッチ19を「テスト入力」ポジションとし、第2の切換スイッチ20を「通過」ポジションとして、テストを開始する。
ステップS6で経過演算周期数が設定演算周期数に到達したかどうかを判定する。YESならば、ステップS7で収集した計数率の最大偏差に基づき目標計数率を基準に精度を求め、テストデータとして保管し、ステップS8に進む。ステップS6の判定がNOならば、ステップS5に戻る。
図5は、例えば、直前の測定モードの計数率から、テストモードで測定レンジ下限の指示精度を測定し、そこから順次1デカードずつ高い測定レンジについて指示精度を測定したときの出力計数率の応答を模式的に示したものである。
入出力応答テストにおいて、積算値設定回路15からアップダウンカウンタ13に入力される設定積算値はスタート計数率に対応する値であり、スタート計数率はテストポイントの計数率に合わせるようにしている。また、テストパルス発生部6のテストパルスの繰り返し周波数は、テストポイントの計数率を目標計数率とし、それに対応する値にステップ状に変化する。図中、aは同じ値のテストポイント、スタート計数率、目標計数率である。
なお、入出力応答テストにおいても、実施の形態1で説明したように、演算誤差のゆらぎは、デジタル誤差が最大±2デジット加算されて、長い場合でも0、+1、+2、+1、0、−1、−2、−1の各デジット順で出力されることが考えられるので、8演算周期以上のデータを収集すれば最大と最小の偏差をもれなく評価できる。
実施の形態4は、実施の形態1の放射線監視装置1を適用して、高警報、低警報動作点の計数率の精度を測定する警報テストをシーケンシャルに効率良く行うものである。
なお、実施の形態4では、実施の形態1に係る放射線監視装置1を使用して警報テストを実施するため、図1のシステム構成図に基づいて説明する。
図6のフローチャートに示すように、テストパルス制御部7は、テストパルス発生部6のテストパルスの繰り返し周波数をステップ状に変化させる。続いて警報動作点の計数率の設定値(以降、適宜警報設定値という)をよぎるようにゆるやかにランプ状に変化させる。
テストパルス制御部7は、警報テストをシーケンシャルに行うために、順次、各部の制御・設定及びテストに必要な演算を行う。
警報設定値がバックグラウンド計数率より高いレベルの高警報テストの場合は、テストパルス発生部6のテストパルスの繰り返し周波数をステップ状に変化させ、続いて警報設定点を下からゆるやかによぎるようにランプ状に変化させる。ステップ状入力の繰り返し周波数は、警報設定値未満でかつそれに近接したスタート計数率と同じ値とし、積算値設定回路15の設定積算値はそれに対応する値とする。ランプ状入力は、スタート計数率を起点として演算部17の演算周期毎に、例えば、テストパルスの当該繰り返し周波数における最小変化単位で変化させるようにする。
テストパルス制御部7は、テストパルスを最適に入力するために、テストパルス入力に先だち、警報設定値に基づき上記(6)式で設定積算値を演算する。
σを2.6%とするとλは9であり(4)〜(6)から、5940cpm(スタート計数率=警報設定値−1%)、6000cpm(警報設定値)、6060cpm(高警報動作精度上限計数率=警報設定値+1%)のときの積算値Mはそれぞれ、6418カウント、6425カウント、6432カウントとなり、5秒で1カウントずつ増加するので、35秒程度で警報が発信することになる。
ステップS103で、テストパルス制御部7は、高警報設定値から設定積算値、ステップ状入力(ステップ状に変化する繰り返し周波数)、ランプ状入力(時間と共にランプ状に変化する繰り返し周波数の時間変化率とその上限値)を演算する。
ステップS104で第1の切換スイッチ19と第2の切換スイッチ20を切り換えて、両方とも「遮断」ポジションとする。この状態で、アップダウンカウンタ13の加算入力13aおよび減算入力13bへの入力は遮断される。
ステップS105で積算値設定回路15からアップダウンカウンタ13に設定積算値信号を出力させてアップダウンカウンタ13の積算値を設定積算値Msに置き換える。これにより、演算部17の計数率は当該演算周期内で高警報設定点に近接したスタート計数率に置き換わる。
ステップS107でテストパルス発生部6において、ステップ状入力に対応する繰り返し周波数のテストパルスを発生させる。
ステップS108でアップダウンカウンタ13の加算入力及び減算入力を開始するとともに、テストパルス発生部6のテストパルスの繰り返し周波数をランプ状に変化させる。
ステップS109で測定部5の演算部17から計数率データ(テストモードでは警報発信で計数率はホールドされる)及び高警報データを読み込む。
ステップS110で高警報発信有りかどうかを判定し、YESならばステップS111でテストパルス発生部6のテストパルスの繰り返し周波数をホールドする。
ステップS112で高警報設定値を基準に高警報動作点の精度を求め、ステップS114に進む。
ステップS110でNOならば、ステップS113に進んでテストパルスの繰り返し周波数が上限値になったかどうかを判定する。NOならばステップS109に戻り、YESならば高警報動作異常としてステップS114に進む。
ステップS114でテストデータを保管してステップS115に進む。
ステップS116で、テストパルス制御部7は、低警報設定値から設定積算値、ステップ状入力(ステップ状に変化する繰り返し周波数)、ランプ状入力(時間と共にランプ状に変化する繰り返し周波数の時間変化率とその下限値)を演算する。
ステップS117で第1の切換スイッチ19と第2の切換スイッチ20を切り換えて、両方とも「遮断」ポジションとする。この状態で、アップダウンカウンタ13の加算入力13aおよび減算入力13bへの入力は遮断される。
ステップS118で積算値設定回路15からアップダウンカウンタ13に設定積算値信号を出力させてアップダウンカウンタ13の積算値を設定積算値Msに置き換える。これにより、演算部17の計数率は当該演算周期内で低警報設定点に近接したスタート計数率に置き換わる。
ステップS120でテストパルス発生部6において、ステップ状入力に対応する繰り返し周波数のテストパルスを発生させる。
ステップS121でアップダウンカウンタ13の加算入力及び減算入力を開始するとともに、テストパルス発生部6のテストパルスの繰り返し周波数をランプ状に変化させる。
ステップS122で測定部5の演算部17から計数率データ(テストモードでは警報発信で計数率はホールドされる)及び低警報データを読み込む。
ステップS123で低警報発信有りかどうかを判定し、YESならばステップS124でテストパルス発生部6のテストパルスの繰り返し周波数をホールドする。
ステップS125で低警報設定値を基準に低警報動作点の精度を求め、ステップS124に進む。ステップS123でNOならばステップS126に進んでテストパルスの繰り返し周波数が下限値になったかどうかを判定する。
NOならばステップS122に戻り、YESならば低警報動作異常としてステップS127に進む。
ステップS126でテストデータを保管してステップS128に進む。
ステップS128で第1の切換スイッチ19を「検出信号」ポジションとして、検出信号パルスを入力して、テストを終了する。
まず、図7(a)の高警報の場合を説明する。テストパルス制御部7が、第1の切換スイッチ19と第2の切換スイッチ20の切り換えを行う。次にテストパルス制御部7は演算部17を経由して、積算値設定回路15に設定積算値信号を出力して、アップダウンカウンタ13の積算値を強制的に設定積算値Ms(スタート計数率に対応)に置き換える。
高警報テストは、出力計数率は目標計数率>直前計数率の場合であるから、目標計数率より若干低い設定積算値に対応する設定計数率に即座に変化する。
続いて、テストパルス制御部7は第1の切換スイッチ19と第2の切換スイッチ20の切り換えを行って、ステップ状のテストパルスを出力し、次にランプ状のテストパルスを出力する。
測定部5にステップ状のテストパルスを入力されると、スタート計数率と警報設定値が近接しておりかつテストパルスのランプ入力の傾きがゆっくりのため、出力計数率は、スタート計数率を起点に概ね直線的に警報設定点に向かってゆっくり応答し、出力計数率の変化はランプ入力の傾きで決定される。
テストパルス制御部7が各切換スイッチの切り換えを行って、積算値設定回路15経由でアップダウンカウンタ13の積算値を設定積算値(スタート計数率に対応)に置き換ると、出力計数率は、直前計数率から低警報設定値より若干高いが近接しているスタート計数率に即座に変化する。
続いて、テストパルス制御部7は第1の切換スイッチ19と第2の切換スイッチ20の切り換えを行って、ステップ状のテストパルスを出力し、次にランプ状のテストパルスを出力する。
測定部5にステップ状のテストパルスを入力されると、スタート計数率と警報設定値が近接しておりかつテストパルスのランプ入力の傾きがゆっくりのため、出力計数率は、スタート計数率を起点に概ね直線的に警報設定点に向かってゆっくり応答し、出力計数率の変化はランプ入力の傾きで決定される。
実施の形態5は、実施の形態1の放射線監視装置1において試験を実施する際、テストモードから測定モードへの復帰時間を短縮する構成としたものである。
なお、実施の形態5では、実施の形態1に係る放射線監視装置1を使用して試験を実施するため、図1のシステム構成図に基づいて説明する。
演算部17は、テストモードから測定モードへの復帰時間を短縮するために、測定モードからテストモードに移行する際、直前の測定値の計数率データを記憶する。そして、テストモードから測定モードに移行する際に、テストパルス制御部7は演算部17を経由して、積算値設定回路15に設定積算値信号を出力して、アップダウンカウンタ13の積算値を強制的にテストモードに移行する直前の計数率データに対応する設定積算値Msに置き換える。これにより、アップダウンカウンタ13の積算値、テストモード直前の計数率に近い設定計数率から指示を復帰させる。
ステップS202でテストモードに移行する前の測定モードの直近の出力計数率データを記憶する。
ステップS203で、選択したテスト項目のステップを実施し、選択されたテストが終了したことを判定する。YESの場合は、ステップS205へ進む。NOの場合は、遅延(ステップS204)後、例えば次の演算周期でステップS203へ戻る。
ステップS206で、テストパルス制御部7は演算部17を経由して、積算値設定回路15に設定積算値信号を出力する。これにより、アップダウンカウンタ13の積算値を強制的にテストモードにステップS202で記憶しておいた移行する直前の計数率データに対応する設定積算値Msに置き換える。
ステップS207で第1の切換スイッチ19と第2の切換スイッチ20を切り換えて、第1の切換スイッチ19を「検出信号」ポジション、第2の切換スイッチ20を「通過」ポジションとする。
ステップS208でアップダウンカウンタ13の加算入力に検出信号が入力され、減算入力にフィードバックパルスが入力されるので、通常の測定モードに戻る。
テストパルス制御部7が第1の切換スイッチ19と第2の切換スイッチ20の両方が、「遮断」ポジションで、アップダウンカウンタ13の積算値を設定積算値に設定して置き換えると、出力計数率は即座にテストモード直前の測定モードの計数率に復帰する。
実施の形態6は、実施の形態1の放射線監視装置1および実施の形態2の放射線監視装置101において、波形整形回路を追加する構成としたものである。
図10(a)は、実施の形態1の放射線監視装置1に対応し、図10(b)は、実施の形態2の放射線監視装置101に対応している。
測定部5に波形整形回路131を追加して、テストパルス発生部6から出力され、測定部5に入力されたテストパルスを波形整形する。
テストパルス制御部7は、テストパルス発生部6において出力するテストパルスの波高値を制御する。波形整形回路131から出力されるテストパルスの波高と波形について検出信号パルスを模擬した模擬信号パルスとする。
この結果、パルス増幅部11の周波数特性の変化によるゲインの変化を正確に反映した形で、ノイズ弁別除去器12の弁別レベルの実動作点確認試験にも適用できる。
測定部105に波形整形回路131を追加して、テストパルス発生部6から出力され、測定部5に入力されたテストパルスを波形整形する。
テストパルス制御部7は、テストパルス発生部6において出力するテストパルスの波高値を制御する。波形整形回路131から出力されるテストパルスの波高と波形について検出信号パルスを模擬した模擬信号パルスとする。
この結果、パルス増幅部11の周波数特性の変化によるゲインの変化を正確に反映した形で、ノイズ弁別除去器12の弁別レベルの実動作点確認試験にも適用できる。
実施の形態7は、実施の形態1の放射線監視装置1を、入力に対する出力信号の応答を測定する計数率の時定数応答テストに適用したものである。
なお、実施の形態7では、実施の形態1に係る放射線監視装置1を使用して計数率の時定数応答テストを実施するため、図1のシステム構成図に基づいて説明する。
ステップS302で積算値設定処理をスキップする。本時定数応答テストでは、例えば、実施の形態3(図4参照)におけるステップS3の「アップダウンカウンタの積算値を設定積算値Msに置き換える」処理を実施しない。
ステップS303で第1の切換スイッチ19を「検出信号」から「テスト信号」ポジションに切り換える。
ステップS304でステップ状のテストパルスを入力する。
ステップS305で、ステップ状入力に対する演算部17の出力計数率を読み込む。
ステップS306で出力計数率が所定のレベルに達したかどうかを判定し、YESであれば、応答時間テストを終了する。NOであれば、ステップS305に戻る。
テストパルス制御部7は、積算値設定回路15によるアップダウンカウンタ13に積算値を設定積算値に置き換える操作をスキップする。
次に、第1の切換スイッチ19を「検出信号」から「テスト信号」ポジションに切り換えることで、検出信号入力からテスト信号入力に切り換える。このとき、他の切換スイッチの切換は行わない。
これにより、図12の入出力応答図に示すように、例えばテストパルスのステップ増加入力に対し、テストモードに移行する直前の計数率から指数関数で応答する出力計数率から応答時間を測定することができる。
実施の形態8は、実施の形態1の放射線監視装置1において、複数チャンネルの放射線モニタを設ける構成としたものである。
各放射線モニタ2a〜2iの構成は、実施の形態1の放射線モニタ2と同様で放射線を検出して検出信号パルスを出力する放射線検出器と、検出信号パルスを入力して計数率を測定する測定部から構成されている。
試験装置203は、テストパルスを発生するテストパルス発生部206と、テストパルス制御部207から構成されている。
実施の形態1の放射線監視装置1との相違点は、複数チャンネルの放射線モニタ2a〜2iを備え、試験装置203は複数チャンネルの放射線モニタ2a〜2iのテストを同時に行えるように構成されていることである。
各放射線モニタに対する試験手順、操作は、実施の形態1から7と同様であるため、説明は省略する。
3,203 試験装置、4 放射線検出器、5,105 測定部、
6,206 テストパルス発生部、7,207 テストパルス制御部、
11 パルス増幅部、12 ノイズ弁別除去器、13 アップダウンカウンタ、
13a 加算入力、13b 減算入力、14 周波数合成回路、15 積算値設定回路、16 積算制御回路、17,117 演算部、18 操作部、
19 第1の切換スイッチ、20 第2の切換スイッチ、121 第3の切換スイッチ、122 第4の切換スイッチ、131 波形整形回路。
Claims (12)
- 放射線を測定する放射線モニタと、前記放射線モニタのテストを行う試験装置とから構成され、
前記放射線モニタは、放射線検出器と、前記放射線検出器の検出信号パルスから計数率を測定する測定部を備え、
前記試験装置は、テストパルスを発生するテストパルス発生部と、前記テストパルスの発信周波数(繰り返し周波数)を制御すると共に、前記測定部の測定モードとテストモードを切り換える切換信号を発生するテストパルス信号制御部を備え、
前記測定部は、前記検出信号パルスを増幅すると共に波形を整形するパルス増幅部と、
前記パルス増幅部の出力パルスからノイズを弁別除去してデジタルパルスを出力するノイズ弁別除去器と、前記デジタルパルスを加算入力に入力し、フィードバックパルスを減算入力に入力し、両者の差を積算した積算値を出力するアップダウンカウンタと、前記積算値から前記フィードバックパルスを発生する周波数合成回路と、前記アップダウンカウンタに対し計数時の重み付け指定する積算制御回路と、前記積算値を入力して計数率を算出する演算部と、前記テストパルス信号制御部からの前記切換信号により前記パルス増幅部の入力または前記アップダウンカウンタの加算入力および減算入力を切り換える入力切換手段と、前記テストパルス信号制御部からの設定積算値信号により、前記アップダウンカウンタの前記積算値を強制的にスタート計数率に対応する値に設定する積算値設定回路とを備えた放射線監視装置。 - 前記入力切換手段は、前記パルス増幅部の入力に設けられた第1の切換スイッチと、前記アップダウンカウンタの前記減算入力に設けられた第2の切換スイッチから構成され、
前記テストパルス信号制御部からの前記切換信号により前記第1の切換スイッチは前記パルス増幅部の入力を前記検出信号パルス、入力断、前記テストパルスのいずれかに切り換えると共に、前記第2の切換スイッチは前記アップダウンカウンタの前記減算入力を前記フィードバックパルス、入力断のいずれかに切り換える構成の請求項1に記載の放射線監視装置。 - 前記入力切換手段は、前記パルス増幅部の入力に設けられた第3の切換スイッチと、前記アップダウンカウンタの前記加算入力に設けられた第4の切換スイッチ及び前記減算入力に設けられた第2の切換スイッチをから構成され、
前記テストパルス信号制御部からの前記切換信号により前記第3の切換スイッチは前記パルス増幅部の入力を前記検出信号パルス、前記テストパルスのいずれかに切り換えると共に、前記第4の切換スイッチは前記アップダウンカウンタの前記加算入力を前記デジタルパルス、入力断のいずれかに切り換え、前記第2の切換スイッチは前記減算入力を前記フィードバックパルス、入力断のいずれかに切り換える構成の請求項1に記載の放射線監視装置。 - 前記試験装置は、測定レンジのデカード毎に予め決められたテストポイントで、入力に対する出力の直線性(精度)を確認する入出力応答テストにおいて、前記テストパルスの繰り返し周波数をステップ状に前記テストポイントまで変化させ、前記テストポイントを前記スタート計数率として前記積算値設定回路により前記アップダウンカウンタの積算値を前記スタート計数率に対応する値に設定し、全ての前記テストポイントの入出力応答テストをシーケンシャルに自動で行う構成とした請求項1から請求項3のいずれか1項の記載の放射線監視装置。
- 前記試験装置は、警報動作点の精度を確認する警報テストにおいて、高警報テストの場合、前記アップダウンカウンタの積算値を高警報設定点より若干低い近傍の前記スタート計数率に対応する値に設定し、低警報テストの場合、前記アップダウンカウンタの積算値を低警報設定点より若干高い近傍の前記スタート計数率に対応する値に設定し、前記テストパルスの繰り返し周波数を前記警報設定点の近傍までステップ状に変化させ、続いて前記テストパルスの繰り返し周波数をランプ状に変化させて前記警報動作点の計数率を確認する警報テストを前記高警報テストと前記低警報テストを連続してシーケンシャルに自動的に行うとともに、さらに前記低警報テストの場合は、パルスの繰り返し周波数ゼロまたは低警報設定点より十分低い最小値までステップ状に変化させることができる構成とした請求項1から請求項4のいずれか1項の記載の放射線監視装置。
- 前記テストパルス信号制御部は、前記測定モードから前記テストモードに切り換えるとき、切り換え直前の測定モードの計数率を記憶しておき、前記テストモードから前記測定モードに復帰させるときに、前記積算値設定回路により前記アップダウンカウンタの積算値を記憶した前記切り換え直前の測定モードの計数率に設定する構成とした請求項1から請求項5のいずれか1項の記載の放射線監視装置。
- 前記テストパルス信号制御部は、ある計数率の指示精度を確認する指示精度テストおよび前記入出力応答テストにおいてテスト入力後の前記演算部の8演算周期数の計数率データを読み込んでプラスマイナスの最大ゆらぎを偏差とし、目標計数率を基準に精度を求める構成とした請求項1から請求項6のいずれか1項の記載の放射線監視装置。
- 前記テストパルス信号制御部は、 前記警報テストにおいて前記警報設定点に近接しかつ警報動作精度の許容範囲外を前記スタート計数率とし、1演算周期の積算値の変化が1カウント以下になるようなランプ入力で前記テストパルスを入力すると共に、許容限界値に達すると前記ランプ入力の変化を止めて警報動作異常として次のステップ処理に移行する構成とした請求項1から請求項7のいずれか1項の記載の放射線監視装置。
- 前記測定部は、前記テストパルス発生部の出力に、さらに前記テストパルスを波形整形し、前記検出信号パルスの擬似信号パルスを出力する波形整形回路を設ける構成とした請求項1から請求項8のいずれか1項の記載の放射線監視装置。
- 前記テストパルス信号制御部は、計数率の時定数応答テストを行う場合、前記積算値設定回路による設定を行わず、前記入力切換手段により検出信号パルスからテスト信号パルスに切り換えのみを行う構成とした請求項1から請求項9のいずれか1項の記載の放射線監視装置。
- 前記測定部に操作部を設け、演算部の出力を表示するとともに、試験の操作、試験対象の選択、試験手順、設定値の変更、および目標値の入力を行える構成とした請求項1から請求項10のいずれか1項の記載の放射線監視装置。
- 前記放射線モニタを複数チャンネル備え、前記試験装置は複数チャンネルの前記放射線モニタのテストを行える構成とした請求項1から請求項11のいずれか1項の記載の放射線監視装置。
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