JP2013120057A - 炉内核計装装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】中性子検出器からの中性子束信号電流を電圧信号に変換する電流検出抵抗を1つにして選択回路の可動部をなくし、電流検出した電圧を可変的に増幅する回路を有する炉内核計装装置を提供する。
【解決手段】中性子検出器3からの中性子束信号電流を電圧信号に変換し、増幅する増幅ゲインを連続的に可変できる中性子束電流検出回路22を備え、中性子束電流検出回路22は、中性子束信号電流を電圧信号に変換する電流検出抵抗31と、変換された電圧信号を増幅する帰還回路の等価抵抗の値を制御可能な増幅回路32と、帰還回路の等価抵抗333の抵抗値を変更する等価抵抗制御回路34と増幅回路の出力端電圧信号を出力する出力回路35から構成される。
【選択図】図2

Description

この発明は、軽水炉型原子力発電プラントにおける原子炉の中性子監視を行うための炉内核計装装置に関するものである。
従来、加圧水型、沸騰水型原子炉において、原子炉の炉心出力分布測定のために炉内核計装システムが設置されており、炉内核計装装置は炉内の中性子束を測定するために、可動式の中性子検出器を炉内に挿入、設置されたシンブル内を遠隔操作で走らせて炉心の中性子束分布を測定している(例えば、特許文献1参照)。
原子炉内の中性子束のレンジは3〜5桁変化し、かつ検出電流は微少であるため、検出レンジを切り替えるために、多段の電流検出抵抗をリレーで切り替える方式が用いられていた(例えば、特許文献2参照)。
特開2006―145417号公報([0015]〜[0020]および図1) 特開昭61―100661号公報([発明の背景]および図5)
従来の炉内核計装装置では、原子炉内の中性子束を測定するため、複数の電流検出抵抗を使用して検出レンジを切替え、微少電流に対して測定精度を確保するために接触抵抗が小さく、寿命が長い水銀リレーが使用されていたが、現在、水銀リレーの入手が困難となっている。
代替のリレーでは接点の接触抵抗が高く、酸化皮膜も形成されやすいため、安定した使用が困難であり、接点寿命が水銀リレーより短いため、短期間に交換をする必要がある。また、半導体を使用した方式では半導体のON電圧が電流検出精度に影響するため、適用困難であるという問題があった。
さらに、スペースの制限から配置可能な固定抵抗の数が制限されるため、レンジの境界付近の電流計測を実施する場合は、複数検出器のレンジを統一するために、検出分解能が落ちる上位のレンジを使用して測定する必要があった。
この発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、電流検出抵抗を1つにして可動部をなくし、電流検出した電圧を可変的に増幅する回路を有する炉内核計装装置を提供することを目的とする。
この発明に係る炉内核計装装置は、中性子検出器からの中性子束信号電流を電圧信号に変換し、増幅する増幅ゲインを連続的に可変できる中性子束電流検出回路を備え、中性子束電流検出回路の出力電圧信号に基づいて、原子炉の炉心出力分布を測定するものである。
この発明に係る炉内核計装装置は、中性子検出器からの中性子束信号電流を電圧信号に変換し、増幅する増幅ゲインを連続的に可変できる中性子束電流検出回路を備え、中性子束電流検出回路の出力電圧信号に基づいて、原子炉の炉心出力分布を測定するもので
あるから、電流検出レンジの選択回路の可動部がなく、長寿命化が図れ、増幅ゲインを連続的に可変することが可能となり、検出分解能を向上することができる。
この発明の実施の形態1の炉内核計装装置に係るシステム構成図である。 この発明の実施の形態1の炉内核計装装置に係る中性子束計測主要部の構成図である。 この発明の実施の形態1の炉内核計装装置に係る中性子束計測処理フロー図である。
実施の形態1.
実施の形態1は、中性子検出器からの中性子束信号電流を電圧信号に変換する回路に、電流検出レンジの選択用の可動部がなく、増幅ゲインを連続的に可変できる中性子束電流検出回路を備える炉内核計装装置に関するものである。
以下、本願発明の実施の形態1の構成および動作、機能について、炉内核計装装置に係るシステム構成図である図1、中性子束計測主要部の構成図である図2、中性子束計測処理フロー図である図3に基づいて説明する。
まず、本願発明の実施の形態1に係る炉内核計装装置1を含む炉内核計装システムについて、図1に基づいて説明する。
図1は加圧水型原子炉用の炉内核計装システムの概要を示した図である。炉内核計装システムは、炉内核計装装置1を中心として、関連する主要構成設備として、測定対象である原子炉が納められた原子炉容器7および内部に加圧器や一次系冷却材ポンプ等の一次系主要機器(図示なし)が設置されている格納容器8がある。
加圧水型原子炉において、原子炉の炉心出力分布測定は、炉内の中性子束を測定することで行われており、中性子検出器を炉内に挿入して設置されたシンブル内を遠隔操作で走らせて炉心の中性子束分布を測定している。
図1において、炉内核計装装置1は、原子炉容器7内の炉心の中性子束の検出を行う可動式の中性子検出器3と、中性子検出器3からの中性子束信号の検出、監視、データ保存等の処理および可動式の中性子検出器3の走行(挿入、引抜)操作を遠隔で行う炉内核計装盤2と、原子炉容器7の炉心内に挿入して設置された中性子検出器3の通路であるシンブル6と、中性子検出器3をシンブル6内に走行(挿入、引抜)させるための駆動装置4と、どのシンブル6内を走行させるかを選択する通路選択装置5から構成される。ここで、炉内核計装盤2は、格納容器8外に設置されるが、これ以外の駆動装置4等は格納容器8内に設置される。
中性子検出器3として、通常、可動式の核分裂電離箱が使用される。中性子検出器3には、入射中性子により封入ガスを電離させるために直流高電圧が印加されるが、検出電流/中性子束密度が印加高電圧の変動を受けないように中性子検出器3に印加する直流高電圧は、プラトー特性を示す電圧に設定される。
次に、中性子検出器3の原子炉内への挿入、引抜操作について、炉内核計装装置1と中性子検出器3、駆動装置4、および通路選択装置5との信号の授受も含めて説明する。
炉内核計装システムの制御・監視を行う炉内核計装盤2から、駆動装置4および通路選択装置5に対して挿入動作命令10が出力されると、格納容器8内に設置された通路選択装置5は通路の切り替えを行い、駆動装置4は可動式の中性子検出器3を原子炉容器7内に設けられたシンブル6内への挿入操作を行う。通路選択装置5からは、現在どの通路が選択されているかを示す通路選択信号11が炉内核計装盤2に出力されている。
原子炉容器7の炉心に挿入された中性子検出器3からの中性子束信号9は、炉内核計装盤2に入力され、炉内核計装盤2にて信号処理が行われ、炉心内の中性子分布が測定される。
中性子検出器3が炉心内の中性子分布を測定しながら原子炉容器7の炉心内のシンブル6の先端部まで挿入されると、炉内核計装盤2から駆動装置4への引抜動作命令10が出力され、中性子検出器3は原子炉容器7から通路選択装置5まで引き抜かれる。
次に炉内核計装盤2から、駆動装置4および通路選択装置5に対して別のシンブル6への挿入動作命令10が出力されると、格納容器8内に設置された通路選択装置5は通路の切り替えを行い、駆動装置4は可動式の中性子検出器3を原子炉容器7内に設けられた別のシンブル6内に挿入操作を行う。
なお、炉内核計装システムには、中性子検出器3は複数台設置されており、同時に3〜4の中性子検出器3を原子炉内に設置されたシンブル6内を走行させることができる。
次に、図2に基づき炉内核計装装置1に係る中性子束計測主要部の構成および機能、動作について説明する。
まず、中性子束計測主要部の構成について説明する。中性子束計測主要部は、中性子検出器3に直流高電圧を印加する高電圧発生カード21と、中性子検出器3からの中性子束信号電流を電圧信号に変換し、増幅する中性子束電流検出回路22と、中性子検出器3からの中性子束信号に基づき炉心内の中性子束分布の監視および中性子検出器3の炉心内への挿入、引抜操作をオペレータが行う操作用PC23と、中性子検出器3からの中性子束信号の処理や操作用PC23からの中性子検出器3の挿入、引抜操作指示をプログラムされた所定の処理手順に従って、通信カード25を経由して行うCPUカード24と、高電圧発生カード21への直流高電圧設定および中性子束電流検出回路22との後述する信号授受を行うディジタル出力カード(DOカード)26、ディジタル入力カード(DIカード)27から構成される。
図2では、炉内核計装盤2内に高電圧発生カード21、中性子束電流検出回路22、操作用PC23、CPUカード24、通信カード25、ディジタル出力カード26、およびディジタル入力カード27を設けている。しかし、操作用PC23を炉内核計装盤2の盤外、例えば、中央制御盤に設けて、オペレータが中央制御盤で炉心内の中性子束分布の監視および中性子検出器3の炉心内への挿入、引抜操作を行うこともできる。
次に、中性子束電流検出回路22の構成を説明する。中性子束電流検出回路22は、中性子検出器3からの中性子束信号電流を電圧信号に変換する電流検出抵抗31と、この変換された電圧信号を増幅する増幅回路32と、増幅回路32の帰還回路の等価抵抗として機能するDAC(ディジタル・アナログコンバータ)33と、ディジタル出力カード26からの増幅ゲイン制御信号42に基づきDAC33を制御して、増幅回路32の帰還回路の等価抵抗を変化させる等価抵抗制御回路であるDAC制御回路34と、増幅回路32の出力端電圧信号を出力する出力回路であるアナログ・ディジタル変換回路(A/D変換回路)35から構成される。ここで、アナログ・ディジタル変換回路(A/D変換回路)35の出力信号は、中性子検出器3の検出電流を電圧信号に変換し、増幅回路32で増幅した値である。すなわち、この信号は中性子検出器電流値対応信号43である。
以下の説明では、中性子検出器3からの中性子束信号電流を電流検出抵抗31で変換した電圧である入力電圧36をVinとし、増幅回路32の出力端電圧38をVoutとしている。
次に、増幅回路32、帰還回路の等価抵抗として機能するDAC(ディジタル・アナログコンバータ)33および等価抵抗制御回路であるDAC制御回路34の動作について説明する。
操作用PC23からディジタル出力カード26を経由して出力された増幅ゲイン制御信号42に応じて、DAC制御回路34は増幅回路32の帰還回路に設置されたDAC(ディジタル・アナログコンバータ)33の出力である帰還回路の等価抵抗の値を制御し、増幅回路32の増幅ゲインG37を可変的に変更する。電流検出抵抗31にて検出された検出器電流相当値である入力電圧Vin36は、増幅回路32により増幅ゲインG37で、出力端電圧Vout38に増幅される。この出力端電圧Vout38は、A/D変換回路35でアナログ/ディジタル変換され、中性子検出器電流値対応信号43としてディジタル入力カード27で読み込まれて、CPUカード24で処理される。
次に、高電圧発生カード21の動作について説明する。
操作用PC23から入力された直流高電圧設定値を、CPUカード24がディジタル出力カード26を経由して高電圧設定信号41として高電圧発生カード21に出力し、直流高電圧値の設定を行う。高電圧発生カード21は、設定された直流高電圧値を発生し、中性子検出器3にこの直流高電圧を印加する。
図2では、1台の高電圧発生カード21および中性子束電流検出回路22を図示しているが、前述したように複数台の中性子検出器3が同時に駆動され、同時に複数の原子炉内の個所の中性子束信号が測定されるため、この同時駆動可能な複数の中性子検出器3に対応した高電圧発生カード21および中性子束電流検出回路22が炉内核計装盤2内に設置されている。
中性子束電流検出回路22の増幅回路32の増幅ゲインG37は、操作用PC23の画面上で炉内の中性子束分布を監視する際、図3に示す中性子束計測処理フローに従い変更され、決定される。
なお、下記説明で、Voutは図2の増幅回路32の出力端電圧Vout38であり、PC表示フルスケール値は、A/D変換回路35の出力が、例えば8ビットとして表示スケールを0〜4000に対応させた場合、表示フルスケール値は4000となる。
図3の処理フローに基づいて説明する。
出力端電圧信号値であるVoutを表示フルスケール値で割り、この値が予め設定された範囲(0.75〜0.85)に入るように制御する。
処理が開始されると(S101)、ステップS102にて、初期値G=1を設定する。
次に、ステップS103にて、VoutとPC表示フルスケール値を比較し、条件A(Vout≧PC表示フルスケール値×0.75)が成立するかどうか判定する。条件Aが成立すれば、ステップS105へ進む。条件Aが成立しなければ、ステップS104で、ゲインGを0.1増加し、ステップS103へ戻る。
次に、ステップS105にて、VoutとPC表示フルスケール値を比較し、条件B(Vout≦PC表示フルスケール値×0.75)が成立するかどうか判定する。条件Bが成立すれば、処理を終了する(S107)。条件Bが成立しなければ、ステップS106で、ゲインGを0.1減少し、ステップS105へ戻る。
以上の処理で、操作用PC23の表示画面上で、中性子検出器検出電流値が監視し易い表示フルスケールの75%から85%の範囲に表示されるように、中性子束電流検出回路22の増幅回路32の増幅ゲインG37が調整される。
なお、表示目標範囲の下限値75%、上限値85%は例示であり、状況に応じて監視し易い値に下限値、上限値を変更することができる。
複数の中性子検出器3を同時駆動できるため、オペレータは操作用PC23の表示画面で、複数の中性子検出電流を同時に表示して、監視できる。
従来の複数の電流検出抵抗を水銀リレーで切り替える方式では、複数の中性子検出電流をオペレータは操作用PC23の表示画面で同時に表示して監視する場合は、各中性子検出器3の特性の違いにより、検出分解能が落ちる上位のレンジを使用せざるを得ない場合があった。しかし、本発明の炉内核計装装置1では、電流検出抵抗31は1つであり、増幅ゲインを可変的に変更できるため、この問題はない。
以上説明したように、実施の形態1に係る炉内核計装装置1では、中性子検出器からの中性子束信号電流を電圧信号に変換し、増幅する増幅ゲインを連続的に可変できる中性子束電流検出回路を備えているため、電流検出レンジの選択回路の可動部がなく、長寿命化が図れ、増幅ゲインを連続的に可変することが可能となり、検出分解能を向上する効果がある。
なお、炉内核計装装置に係る本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 炉内核計装装置、3 中性子検出器、9 中性子束信号、
22 中性子束電流検出回路、31 電流検出抵抗、32 増幅回路、33 DAC、
34 DAC制御回路、37 増幅ゲインG、38 出力端電圧Vout。

Claims (3)

  1. 中性子検出器からの中性子束信号電流を電圧信号に変換し、増幅する増幅ゲインを連続的に可変できる中性子束電流検出回路を備え、前記中性子束電流検出回路の出力電圧信号に基づいて、原子炉の炉心出力分布を測定する炉内核計装装置。
  2. 前記中性子束電流検出回路は、前記中性子検出器からの中性子束信号電流を電圧信号に変換する電流検出抵抗と、前記電流検出抵抗で変換された前記電圧信号を増幅する帰還回路の等価抵抗の値を制御可能な増幅回路と、前記帰還回路の等価抵抗の抵抗値を変更する等価抵抗制御回路と、前記増幅回路の出力端電圧信号を出力する出力回路とから構成された請求項1に記載の炉内核計装装置。
  3. 前記中性子束電流検出回路は、前記増幅回路の出力端電圧信号の値と前記中性子束信号を監視する範囲のフルスケール値を比較し、(前記出力端電圧信号値/前記フルスケール値)が予め設定された範囲内に入るように前記増幅回路の帰還回路の等価抵抗値を制御する請求項2に記載の炉内核計装装置。
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