JP2013251743A - 弾性表面波デバイスとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低価格の材料で十分なキャビティを確保する構造とすると共に、高周波特性を改善した小型・低背なSAWデバイスを提供する。
【解決手段】容器本体1と蓋体10を共にガラス材料の板体で構成した。容器本体1にはSAW素子チップ6を収容して当該SAW素子チップに有する素子電極7との配線を行うための本体電極9を設けた内壁段差2を有する凹底部と、この凹底部を密封封止する蓋体10を固定する開口端面3とからなる二段の凹部を形成してなる。容器本体1の開口端面3と蓋体10とは、フリットガラスと好適とする接合剤を用いて固着する。
【選択図】図1

Description

本発明は、移動通信の基地局など、高度な動作安定性が要求される設備に使用される弾性表面波デバイスとその製造方法に関する。
携帯電話機等の移動通信基地局の機器に使用されるフィルタ等に用いられる弾性表面波デバイス(SAWデバイス)は、櫛歯電極部(IDT電極部)の周囲に所定の空隙(キャビティ)を確保してチップサイズに密封封止される。なお、ここでは、本発明をSAWデバイスとして説明するが、これと同様の構造を有する他の圧電部品にも適用できるものである。
従来のSAWデバイスでは、凹部をもつセラミック基板で容器本体を形成し、この凹部にSAW素子チップをフェースアップでダイボンディングしてその上部にキャビティを形成する。SAW素子チップは、ワイヤボンディング等で基板に設けた電極端子に接続した後、SAW素子チップの上から金属キャップを被せて接合部をシーム溶接または半田で封止してパッケージングしていた。
このようなSAWデバイスの小型化を図るため、最近では、SAW素子チップを金(Au)バンプあるいは半田バンプを用いて、配線基板にフリップチップボンディング(フェースダウンボンディング)し、樹脂等でSAW素子チップ全体を樹脂封止したものもある。
さらに、SAWデバイスの小型化・低背化を図るため、櫛歯電極部(IDT電極部)の周囲に動作に必要な所定のキャビティを形成し、このキャビティを保持したまま、櫛歯電極側の集合圧電基板(マザー基板、ウエハとも称する)全体を樹脂で封止し、表面に外部接続電極(外部端子)を形成した後、所定の切断線に沿ってダイシングにより個々のSAWデバイスに分割してなる超小型化されたチップサイズ・パッケージSAWデバイスが提案されている。なお、この種のSAWデバイスに関連する従来技術を開示したものとしては、特許文献1〜4を挙げることができる。
特開2005−94728号公報
特開2006−238210号公報
特開2009−135635号公報
特開2010−10812号公報
従来は、アルミナを主成分とするセラミックパッケージで形成した凹部をもつ容器本体にSAW素子チップを収容固定した後、凹部の開放端に金属リングを介して金属板(金属蓋体)を溶接することでキャビティを確保したSAWデバイスを得ていた。しかしながら、容器本体にセラミックを用い、金属蓋体で密封封止するものでは、製造は容易であるが、材料費が割高である。また、この種のセラミック材料の誘電率は高周波特性に影響を及ぼす値を持ち、損失(tanδ)も大きいため、SAWデバイスの高周波特性向上に限度がある。
本発明に目的は、低価格の材料で十分なキャビティを確保する構造とすると共に、高周波特性を改善した小型・低背なSAWデバイスを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、容器本体と蓋体を共にガラス材料で形成した板体(ガラス板)で構成した。容器本体にはSAW素子チップを収容して当該SAW素子チップに有する素子電極との配線を行うための本体電極を設けた内壁段差を有する凹底部と、この凹底部を密封封止する蓋体を受けて固定する開口端面とからなる二段の凹部(チップスペース)を形成してなる。容器本体の開口端面と蓋体とは、フリットガラスと称するガラス系封着剤(固着剤)を好適とする接合剤を用いて固着される。なお、近年はエポキシ樹脂などの有機接着剤の耐熱性が向上しているので、ガラス系等の無機接着剤に代えてこの種の有機接着剤を用いることもできる。本発明の代表的な構成を記述すると次のとおりである。
SAW素子チップを収容する容器本体と、前記容器本体と接合して前記SAW素子チップを密封封止する蓋体とからなり、
前記容器本体はガラス材料で形成されており、前記SAW素子チップを収容して当該SAW素子チップに有する素子電極との配線を行うための本体電極を設けた内壁段差を有する凹底部を形成した二段の凹部を有し、
前記二段の凹部の開口端面の厚みと前記内壁段差部分の厚みの差が前記SAW素子チップの表面に有する櫛型電極の動作に必要とするキャビティを構成してなり、
前記本体電極は、少なくとも前記内壁段差から前記開口端面の外縁に亘って形成され、
前記蓋体は前記容器本体と同様のガラス材料で形成されて、前記容器本体の前記開口端面にある前記本体電極と対応する一対の辺に当該本体電極を臨む切り欠きを有し、
前記蓋体の前記容器本体と密封封止される面と反対面に外部端子を有し、前記切り欠きの内壁に前記外部端子と前記本体電極を接続するための接続電極を形成してなり、
前記容器本体の前記開口端面に有する前記本体電極と前記蓋体の前記切り欠きの内壁に有する接続電極とが対向してガラス系封着剤あるいは熱硬化性樹脂で密封封止され、前記SAW素子チップのキャビティを確保すると共に、当該SAW素子チップの前記素子電極と前記外部端子を電気的に接続したことを特徴とする。
ガラス材料はセラミック材料よりも剛性が大であり、それ自体で形状保持性に優れている。より高剛性、より高強度を必要とする場合は、無機や有機のフィラーの混入、あるいは金属原子や非金属の原子を添加したガラスとする。このようなガラスは、ナノガラス、ハイブリッドナノガラスとして知られている。また、ガラス材料は所謂、昇温によりガラス転移現象を示す非晶質固体であるため、金型成型が可能である。また、フッ素ガスやフッ酸溶液などに可溶なため、任意形状の加工が容易である。このようなガラス材料からなるガラス板で容器本体と蓋体を構成することで、所要のキャビティを有し、高周波特性に優れた小型・低背なSAWデバイス等の圧電部品を安価に得ることができる。
本発明に係る実施例1を説明するSAWデバイスの(a)上面図および(b)断面図である。 本発明に係るSAWデバイスの実施例1を構成する容器本体を製造する主たる工程での断面形状の説明図である。 図2の(c)の状態を上面側からみた平面図である。 本発明に係るSAWデバイスの実施例1を構成する容器本体を製造する主たる工程での断面形状の説明図である。 多数の蓋体を個々の蓋体に分割する前のマザーガラス板を容器本体とは反対面からみた平面図である。 貫通孔を形成した蓋体用のガラス板に外部端子を形成するプロセスの説明図である。 本発明に係るSAWデバイスの実施例3を説明する断面図である。
以下、本発明の実施の形態につき、本発明を適用したSAWデバイスの図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係るSAWデバイスの実施例1を説明するSAWデバイスの(a)上面図および(b)断面図である。(b)断面図は同図(a)上面図のA―A線に沿った断面を示す。図1において、符号1は容器本体、同10は蓋体である。容器本体1の開口端面3と蓋体10とはガラス系固着剤であるフリットガラスで固着され、気密に封止されている。この容器本体1に形成した二段の凹部の内壁段差2を有する凹底部にSAW素子チップ6が固着剤5で固定されている。SAW素子チップ6を凹底部に固定する固着剤は、上記のフリットガラスが好適であるが、耐熱組成としたエポキシ系接着剤などの熱硬化性の有機接着剤であってもよい。なお、SAW素子チップは、水晶等の圧電板の表面に金属薄膜の加工で形成した櫛型電極を具備する。
図1の(b)断面図に示したように、SAW素子チップ6の表面(凹底部に固着される面と反対面)には複数の素子電極7を有し、二段の凹部の内底面から内壁段差2をとおり、容器本体1の開口端面3に亘って複数の本体電極9が形成されている。本体電極9は、内壁段差2の内壁部分にも形成されているが、この本体電極9は内壁段差2と開口端面3の部分のみに形成してもよい。SAW素子チップ6の素子電極7と内壁段差2の本体電極9とはボンディングワイヤー8で配線してある。容器本体1の開口端面3には蓋体10が接合材であるフリットガラスで固着され、SAW素子チップ6の上面に有するIDT(櫛型電極)の上空にキャビティを確保して密封封止されている。なお、容器本体1の開口端面3に蓋体10を固着するとき、蓋体10に設けてあるが外部端子13と開口端面の部分にある本体電極9とが切り欠き12の内壁に設けられた接続電極14を介して電気的に接続される。
蓋体10の上面には、図1の(a)上面図にも示したように、外部機器への実装用の複数(本実施例では6個)の外部端子13が設けられている。蓋体10の外部端子13の位置に対応する側壁には、後述する製造プロセスでの貫通孔で形成された切り欠き12を有する。この切り欠き12の内壁には、外部端子13の端縁に接続して容器本体1の開口端面3に露呈する本体電極9と接続する接続電極14が形成されている。本体電極9と接続電極14は、後述するように、電極の成膜とそのパターニングプロセスで同時に形成される。
このSAWデバイスは、容器本体1と蓋体10の略全てをガラス材で構成するため、従来のセラミック材料の本体と金属板の蓋体を用いたものに比べて、材料費が安く、溶接工程もないので加工プロセスも簡素で、容器本体と蓋体との溶接に必要な金属リングが不要になり、全体として低誘電率のガラスで構成されることから、高周波特性に優れたデバイスを実現できる、などの利点を有する。なお、前記二段の凹部の開口端面3の部分の厚み(容器本体の外底面1Bからの寸法)と前記内壁段差2の部分の厚み(同)の差が前記SAW素子チップの表面に有する櫛型電極の動作に必要とするキャビティ6Aを構成する。
ガラス材料からなる二段凹部を持つ容器本体の成型加工、蓋体の成型加工の方法としては、金型成型、ホトリソグラフィーとウエットエッチング加工、あるいはサンドブラスト加工、それらの組み合わせなどが可能である。この加工法は、使用するガラス材の特性、デバイスの要求性能、プロセスコスト等を考慮して、最適な手法を選択する。
ガラス材料に混入する無機、有機のフィラー(定形、不定形の微粒子、あるいはフレーク)、添加する金属、非金属原子の種類でデバイスの機械的強度や高周波特性を調整し、あるいはデバイスの本体、蓋体、もしくは全体を、透明にし、あるいは着色化できる。また、酸化珪素や硼酸を混合したホウケイ酸ガラス(耐熱ガラス)として知られるように、表面と内部の熱膨張率差を小さくして熱衝撃に耐えられるようにすることもできる。
次に、図1で説明した本願発明の実施例1に係るSAWデバイスの製造方法の一例を実施例2として説明する。図2は、本発明に係るSAWデバイスの実施例1を構成する容器本体を製造する主たる工程での断面形状の説明図である。なお、図2は複数のSAWデバイスの容器本体を同時に製作するマザーガラス板を示し、Y−Yは個々のデバイスに分割する第1の仮想切断線である。
図2において、(a)耐熱ガラス板1Aを用意する。耐熱ガラスとしては、ここではホウケイ酸ガラスを用いる。この耐熱ガラス板1Aの一方の面にホトレジストを塗布し、マスク露光とガラスを可溶とするエッチング液に浸漬するウエットエッチングからなるホトリソグラフィー法の加工プロセスを2回施して内壁段差2を有する開口端面を備えた二段の凹部4(以下、チップスペースとも称する)を形成する。一回目のホトリソグラフィー法の加工プロセスではガラス板の開口端面を残して掘り下げ、内壁段差を形成する。そして、二回目ではさらに掘り下げて内底面を形成する。
また、ホトレジストの膜厚を制御したハーフ露光法で一回のマスク露光と現像、およびウエットエッチングで内壁段差を有するチップスペース4を加工してもよい。あるいは、サンドブラストによる加工を用いることもできる。なお、耐熱ガラス板1Aの他方の面にもホトレジストを全面塗布する。このホトレジストはエッチングストッパーとして機能する。
次に、(b)チップスペース4の内面に電極膜を成膜し、ホトレジストの塗布とマスク露光、現像、電極膜を可溶とするエッチング液を用いたウエットエッチング加工で本体電極9をパターニングする。本体電極9を形成する金属膜としては、Cr/Ni,W/Au等、あるいはCr,Ni,W,Au単体の多層蒸着膜、あるいは共蒸着膜が望ましい。この他に、Ti,V,Cu,Ag,Pd,Ta,等の単体、あるいはこれらから選択した合金の薄膜とすることができる。なお、本体電極9は、ホトリソグラフィー法によるチップスペース4の加工プロセス中に成膜工程を2工程挿入する方法に限らず、チップスペース4の加工後にマスクを用いた1階のスパッタ法などの他の成膜法を用いて本体電極9を形成することもできる。
そして、(c)このチップスペース4の内底面に固着剤5でSAW素子チップ6を固定して収容する。この固着には、銀ペースト、あるいは有機接着剤としてシリコン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂など、無機接着剤としてのフリットガラスを用いることができる。SAW素子チップ6の上面(固着面と反対面)には複数(ここでは6個)の素子電極7が形成されている。この素子電極7は容器本体の内壁段差2に形成された本体電極9とボンディングワイヤー8で接続されている。
図3は、図2の(c)の状態を上面側からみた平面図である。図3において、X−Xは図2で説明した第1の仮想切断線Y−Yと交差する第2の仮想切断線である。図2で説明したように、チップスペース4の内壁段差2と開口端面3に形成された本体電極9はSAW素子チップ6の素子電極7のそれぞれとワイヤー8で接続されている。
図4は、本発明に係るSAWデバイスの実施例1を構成する容器本体を製造する主たる工程での断面形状の説明図である。なお、図4は図3に示した複数のSAWデバイスの容器本体に固着する蓋体であり、同時に製作するマザーガラス板を示す。図中、Y−Y線は個々のデバイスに分割する図2、図3で説明したものと同じ第1の仮想切断線である。
図4において、(a)ガラス板10Aを用意する。ガラス板10Aとしては、ここでは、前記した容器本体1と同じホウケイ酸ガラスを用いるのが好適である。(b)このガラス板10Aの一方の面(容器本体とは反対面)と他方の面(容器本体と対向する面)にホトレジスト11を塗布し、一方の面を後述する貫通孔のパターンを有する露光マスクで露光し、現像して、貫通孔12Aの部分のホトレジストのみを除去する。貫通孔12Aのパターンは円形とする。他方の面のホトレジスト11はエッチングストッパーとして機能する。
現像して貫通孔の部分のホトレジストが除去された耐熱ガラス板10Aをエッチング溶液に所定の時間浸漬し、一方の面側から他方の面に至る貫通孔12Aを形成する。ウエットエッチングの特性から、この貫通孔12Aはホトレジストが除去された一方の面側の開口が大きく、他方の面にかけて漸次内径が減少する断面が漏斗状となる。貫通孔12Aの開口サイズはエッチング時間を制御することでコントロールできる。一方の面側の開口はエチング時間を長くしたオーバーエッチングでホトレジスト開口径より大きいものとすることができる。図4(b)はその状態を示す。
そして、(c)一方の面と他方の面にあるホトレジスト11の全てを除去して、貫通孔12Aを有する耐熱ガラス板10Aを得る。ホトレジストの除去は、膨潤剤のスプレーあるいは浸漬と水洗処理工程で行うことができる。貫通孔12Aを通る第1の仮想切断線Y−Yで分離した状態で切り欠き12が形成される。さらに、第2の仮想切断線X−XでここのSAWデバイスに分離される。蓋体10には、以下に説明するように、SAW素子チップ6の素子電極7につながる外部端子13が形成されている。外部端子の形成方法は、図6で後述する。
図5は、多数の蓋体を個々の蓋体に分割する前のガラス板(マザーガラス板)を容器本体とは反対面からみた平面図である。なお、図5は外部端子13が形成された状態で示されている。図示したように、蓋体10の表面には各6個の外部端子13が形成されている。図1に示されたように、この外部端子13は貫通孔12Aの内壁に形成された接続電極14で本体電極9に接続し、ボンディングワイヤー8を通してSAW素子チップ6の素子電極7につながっている。なお、図4の断面は、図5のB−B線に沿った断面の一部に相当する。
図6は、貫通孔を形成した蓋体用のガラス板に外部端子を形成するプロセスの説明図である。なお、図6は6つの外部端子のうちの一個に対応する部分の断面を示す。まず、(a)図4で説明した貫通孔12Aを形成した耐熱ガラス板10Aの一方の面(容器本体とは反対面)の中央部分と隣接する電極同士の間にレジスト11を選択的に塗布するこの塗布には、スクリーン印刷が適しているが、ホトリソグラフィー法、インクジェット直接描画法、その他の選択的に必要な部分にホトレジストを塗布する既知の方法でもよい。
(b)レジスト11を塗布した耐熱ガラス板10Aの一方の面の全面に電極膜13Aを成膜する。この電極膜13Aは、前記した本体電極9を形成する金属膜と同じCr/Ni,W/Au等の多層蒸着膜、共蒸着膜、あるいはスパッタ膜でよい。電極膜13Aは、貫通孔12Aの内壁で接続電極14を構成する。電極膜13Aとしては、Cr/Ni,W/Auの他に、前記したCr,Ni,W,Au単体の多層蒸着膜、あるいは共蒸着膜、Ti,V,Cu,Ag,Pd,Ta,等の単体、あるいはこれらから選択した合金の薄膜とすることができる。
次に、(c)耐熱ガラス板であるガラス板10Aの電極膜13Aを成膜した一方の面にレジスト剥離液をスプレーするか、ガラス板10A全体を剥離液中に浸漬してホトレジスト11をその上にある金属膜と共に剥離して除去する。レジスト剥離液としては過酸化水素水などを用いることができる。その後、水洗等のリンス処理を施し、複数の蓋体10となるマザーガラス蓋体板であるガラス板(耐熱ガラス板)10Aを得る。このガラス板10Aを図3に示したSAW素子チップを収納した複数の容器本体1を形成したマザーガラス板であるガラス板1Aに重ねてフリットガラスで固着する。そして、第1の仮想切断線Y−Yと第2の仮想切断線X−Xに沿って個々のSAWデバイスに分離する。
実施例2の製造方法で製造した実施例1のSAWデバイスは、実施例1の説明にあるように、容器本体と蓋体を全てガラス材で構成するため、従来のセラミック材料の本体と金属板の蓋体を用いたものに比べて、材料費が安く、溶接工程もないので加工プロセスも簡素で、容器本体と蓋体との溶接に必要な金属リングが不要になり、全体として低誘電率のガラスで構成されることから、高周波特性に優れたデバイスを実現できる、などの利点を有する。
図7は、本発明に係るSAWデバイスの実施例3を説明する断面図であり、前記した図1の(b)に相当する。実施例3は、容器本体とSAW素子チップの固定構造部分が相違する。実施例1では、容器本体1の内底面の直接的に固着剤5でSAW素子チップ6を固着している。これに対し、実施例3では、容器本体1の内底面にも電極膜が成膜されており、この上に固着剤5を用いてSAW素子チップ6を固着している。
容器本体1の内底面に成膜された電極膜はSAW素子チップ6の下面を電磁的に遮蔽する底面シールド電極15となる。この底面シールド電極15は本体電極の何れかと電気的に接続するが、接続相手は接地電極とするのがよい。また、底面シールド電極15は、底面の全面に亘って一枚の電極膜に形成するのが遮蔽効果が最も大きいが、本体電極に対応させて、あるいはいづれか数種の電極に対応させ、本体電極のそれぞれと、あるいは適当な電極と電気的に接続した複数の電極とすることもできる。なお、蓋体10には、その表面の大きな面積を外部端子13が占めるため、SAW素子チップ6は上下で電磁的に遮蔽される。また、図7に示したように、容器本体1の内壁にも電極を形成しておくことで、SAW素子チップ6に対する外部電磁界の影響をより抑制し、特に高周波領域での安定動作を図ることができる。
なお、容器本体の内底面へのSAW素子チップの固定と電気的接続は、ワイヤーボンディングに限るものではなく、容器本体の内底面に電極を設け、底面に端子を設けたSAW素子チップを金ボールボンディング、金バンプを介した接続で配線する方法も採用できる。
このように、実施例3の構造としたSAWデバイスによれば、実施例1の効果に加えて、さらに高信頼性の高いSAWデバイスを提供することができる。
本発明のSAWデバイス及びその製造方法は、圧電薄膜フィルタ、FBAR(エフバー;Film Bulk Acoustic Resonator)、MEMS(メムス;Micro Electro Mechanical Systems)等の圧電素子・部品及びそれらの製造に広く利用できる。
1・・・容器本体
1A・・・耐熱ガラス板
1B・・・外底面
2・・・内壁段差
3・・・開口端面
4・・・チップスペース
5・・・固着剤
6・・・SAW素子チップ
6A・・・キャビティ
7・・・素子電極
8・・・ボンディングワイヤー
9・・・本体電極
10・・・蓋体
10A・・・ガラス板(耐熱ガラス板)
11・・・ホトレジスト
12・・・切り欠き
12A・・・貫通孔
13・・・外部端子
13A・・・電極膜
14・・・接続電極
15・・・シールド電極。

Claims (8)

  1. SAW素子チップを内底面に固定して収容する容器本体と、前記容器本体と接合して前記SAW素子チップを密封封止する蓋体とからなるSAWデバイスであって、
    前記容器本体はガラス材料で形成されており、前記SAW素子チップを収容して当該SAW素子チップに有する複数の素子電極との配線を行うための複数の本体電極を設けた内壁段差を有する凹底部を形成した二段の凹部を有し、
    前記二段の凹部の開口端面の厚みと前記内壁段差部分の厚みの差が前記SAW素子チップの表面に有する櫛型電極の動作に必要とするキャビティを構成してなり、
    前記本体電極は、少なくとも前記内壁段差から前記開口端面の外縁に亘って形成され、
    前記蓋体は前記容器本体と同様のガラス材料で形成されて、前記容器本体の前記開口端面にある前記本体電極と対応する一対の辺に当該本体電極を臨む切り欠きを有し、
    前記蓋体の前記容器本体と密封封止される面と反対面に外部端子を有し、前記切り欠きの内壁に前記外部端子と前記本体電極を接続するための接続電極を形成してなり、
    前記容器本体の前記開口端面に有する前記本体電極と前記蓋体の前記切り欠きの内壁に有する接続電極とが対向して封着剤で密封封止され、前記SAW素子チップのキャビティを確保すると共に、当該SAW素子チップの前記素子電極と前記外部端子を電気的に接続したことを特徴とするSAWデバイス。
  2. 請求項1において、
    前記本体電極の前記SAW素子チップを固着する前記内底面を覆って複数の電極膜を有し、前記電極膜の一部または全部は前記本体電極と電気的に接続していることを特徴とするSAWデバイス。
  3. 請求項1において、
    前記本体電極の前記SAW素子チップを固着する前記内底面を覆って単一の電極膜を有し、前記電極膜は前記本体電極の一つと電気的に接続していることを特徴とするSAWデバイス。
  4. 請求項1において、
    前記容器本体と前記蓋体とを接合する前記封着剤はフリットガラスであることを特徴とするSAWデバイス。
  5. 請求項1において、
    前記容器本体と前記蓋体とを密封封止する前記封着剤は熱硬化性樹脂であることを特徴とするSAWデバイス。
  6. SAW素子チップを内底面に固定して収容する容器本体と、前記容器本体と接合して前記SAW素子チップを密封封止する蓋体とからなるSAWデバイスの製造方法であって、
    耐熱ガラス板の一方の面と他方の面にホトレジストを塗布し、前記一方の面に塗布したホトレジストにマスク露光とガラスを可溶とするエッチング液に浸漬するウエットエッチングからなるホトリソグラフィー法の加工プロセスを2回施して内壁段差を有する開口端面を有して前記SAW素子チップを収容して固着するチップスペースである二段の凹部を形成するチップスペース形成工程と、
    前記チップスペースを形成する二段の凹部の内面に電極膜を成膜し、ホトレジストの塗布とマスク露光、現像、電極膜を可溶とするエッチング液を用いたウエットエッチング加工で複数の本体電極を形成する本体電極形成工程と、
    前記チップスペースの内底面に固着剤でSAW素子チップを固定し、当該SAW素子チップの素子電極と前記内壁段差2に形成された本体電極とをボンディングワイヤーで接続するボンディングワイヤー配線工程と、
    を含む容器本体製作工程と、
    耐熱ガラス板の一方の面と他方の面にホトレジストを塗布し、一方の面を後述する貫通孔のパターンを有する露光マスクで露光し、現像して、貫通孔の部分のホトレジストのみを除去し、前記貫通孔の部分のホトレジストが除去された耐熱ガラス板をエッチング溶液に所定の時間浸漬し、一方の面側が径大で他方の面側が径小な断面が漏斗状の貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
    貫通孔を形成した耐熱ガラス板の一方の面の中央部分と隣接する電極同士の間にホトレジストを選択的に塗布し、前記ホトレジストを塗布した耐熱ガラス板の一方の面と前記貫通孔の内壁を含めた全面に電極膜を成膜する電極膜成膜工程と、
    レジスト剥離液を用いて、前記耐熱ガラス板の電極膜を成膜した一方の面のホトレジストをその上にある金属膜と共に剥離し除去して外部電極を形成する外部端子形成工程と、
    を含む蓋体製作工程と、

    前記容器本体製作工程で製作した容器本体ガラス板と、前記蓋体製作工程で製作した蓋体ガラス板を重ね合わせ、固着剤で固着した後、個々のデバイスに分離するデバイス分離工程とを有することを特徴とするSAWデバイスの製造方法。
  7. 請求項6において、
    前記容器本体ガラス板と前記蓋体ガラス板とを固着する固着剤に、フリットガラスを用いることを特徴とするSAWデバイスの製造方法。
  8. 請求項6において、
    前記容器本体ガラス板と前記蓋体ガラス板とを固着する固着剤に、エポキシ樹脂を用いることを特徴とするSAWデバイスの製造方法。
JP2012125189A 2012-05-31 2012-05-31 弾性表面波デバイスとその製造方法 Ceased JP2013251743A (ja)

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