JP2013248778A - 液体容器 - Google Patents

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卓 石澤
Hiroyuki Kawate
寛之 川手
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Abstract

【課題】印刷装置と液体容器との電気的接続を向上させる。
【解決手段】印刷装置に脱着可能な液体容器であって、前記液体容器の本体部の第1の面に配置された回路基板と、前記本体部と前記回路基板とを固定する固定部と、を備え、前記回路基板は、前記液体容器が前記印刷装置に装着された状態において、前記印刷装置の各接触部材と接触する複数の接点を有し、前記固定部は、前記回路基板の表面よりも突出した状態で前記本体部と前記回路基板とを固定し、前記各接点に向けて前記各接触部材が相対的に通過する前記第1の面上の領域は、前記第1の面から前記回路基板の表面までの高さよりも低く、前記複数の接点のうち、前記装着方向における前記固定部の下流側に配置された前記接点が接地点である。
【選択図】図4

Description

本発明は、液体容器に関する。
印刷装置としては、例えば、インクジェットプリンターが知られている。当該インクジェットプリンターでは、例えば、インクジェットプリンターに装着された液体容器(インクカートリッジ)からインクが供給されるように構成されている。また、液体容器の外面に、メモリー等の電気デバイスを有する回路基板が配置されたものが知られている。そして、液体容器をインクジェットプリンターに装着した際、回路基板の端子と印刷装置側の接点機構とが電気的に接続することにより、インクジェットプリンターが、メモリー等に格納されたインクに関する情報を取得するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−198627号公報
ところで、液体容器を印刷装置に装着する際、液体容器の回路基板や外面部等と印刷装置側の接点機構とが接触しながら装着される場合がある。この場合、回路基板等と接点機構との接触により回路基板等の一部が削れて異物が発生し、当該異物が回路基板の端子に付着し、電気的な接続不具合や動作不具合を発生させてしまう可能性があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかる液体容器は、印刷装置に脱着可能な液体容器であって、前記液体容器の本体部の第1の面に配置された回路基板と、前記本体部と前記回路基板とを固定する固定部と、を備え、前記回路基板は、前記液体容器が前記印刷装置に装着された状態において、前記印刷装置の各接触部材と接触する複数の接点を有し、前記固定部は、前記回路基板の表面よりも突出した状態で前記本体部と前記回路基板とを固定し、前記液体容器が前記印刷装置に装着される場合に、前記各接点に向けて前記各接触部材が相対的に通過する前記第1の面上の領域は、前記第1の面から前記回路基板の表面までの高さよりも低く、前記複数の接点のうち、前記装着方向における前記固定部の下流側に配置された前記接点が接地点であることを特徴とする。
この構成によれば、印刷装置に対して液体容器が装着される際、各接触部材が回路基板の一部に接触するまでの間の領域は、回路基板の表面よりも低い。これにより、各接触部材が、回路基板以外のものと接触する機会が低減される。これにより、接触部材にかかる接触による異物等の発生を低減させることができる。また、本体部と回路基板は、固定部により確実に固定される。しかし、当該固定部の頂部は回路基板の表面よりも突出するため、印刷装置に対して液体容器を装着する際、固定部と接触部材とが接触してしまう。そして、当該接触に伴い、固定部の一部が削れて異物が発生し、当該異物が接触部材に付着した状態で端子と接触する可能性がある。ここで、液体容器の装着方向における固定部の下流側の近傍に配置された接点を接地点とした。これにより、万が一、異物が接触部材に付着した状態で接点と接触したとしても、誤ったデータに基づいて動作する可能性を低減することができる。すなわち、動作不具合の発生を低減して液体容器を保護することができる。
[適用例2]上記適用例にかかる液体容器は、光学的に前記液体容器内の液体の残量を検出する液体検出部を備え、前記液体検出部は、前記第1の面と交差する第2の面であって、前記第2の面の端部のうち、前記第1の面側とは反対側の端部に配置されたことを特徴とする。
この構成によれば、液体検出部は、回路基板に対して離れた位置に配置される。これにより、例えば、回路基板と接触部材との接触によって発生した異物が液体検出部に付着し難い状況となる。よって、液体の残量の誤検出を低減することができる。
[適用例3]上記適用例にかかる液体容器では、前記第2の面に設けられ、前記液体容器内の前記液体を前記印刷装置に供給する液体供給口を備え、前記第2の面における前記第1の面側の端部と前記液体供給口との間に第1リブが設けられたことを特徴とする。
この構成によれば、第1リブによって、例えば、回路基板と接触部材との接触によって発生した異物の液体供給口への進入を低減することができる。
[適用例4]上記適用例にかかる液体容器では、前記第2の面における前記第1の面側の端部と前記液体検出部との間に第2リブが設けられたことを特徴とする。
この構成によれば、第2リブによって、例えば、回路基板と接触部材との接触によって発生した異物の液体検出部への進入を低減することができる。
[適用例5]上記適用例にかかる液体容器は、前記液体容器が前記印刷装置に装着される装着方向における前記回路基板の上流端部から前記接地点までの距離が、前記上流端部から他の前記接点までの距離よりも短いことを特徴とする。
この構成によれば、接地点が回路基板の下部端から近い位置に配置されるため、液体容器を印刷装置に装着した際、全ての接点のうち、接地点を最も早く接触部材と接触させることができる。これにより、液体容器の動作不具合の発生を低減することができる。
[適用例6]上記適用例にかかる液体容器は、前記液体容器が前記印刷装置に装着される場合に、前記各接点に向けて前記各接触部材が相対的に通過する前記第1の面上の領域は、平面領域であることを特徴とする。
この構成によれば、第1の面上の領域と接触部材が接触した場合でも、平面であるため削れて異物が発生しにくい。また、液体容器を落下させてしまった場合でも、平面領域があるため、回路基板が直接床等に接触しないので、回路基板の破損を低減することができる。
[適用例7]上記適用例にかかる液体容器は、前記液体容器が前記印刷装置に装着される装着方向における前記回路基板の下流端部の一部をガイドするガイド部が設けられ、側面視において、前記第1の面から前記ガイド部の頂部までの高さは、前記第1の面から前記回路基板の表面までの高さよりも高いことを特徴とする。
この構成によれば、液体容器を落下させてしまった場合でも、ガイド部があるため、回路基板が直接床等に接触しないので、回路基板の破損を低減することができる。
印刷装置の構成を示す概略図。 キャリッジの構成を示す一部拡大図。 接点機構の構成を示す概略図。 インクカートリッジの構成を示す外観斜視図。 インクカートリッジの構成を示す一部拡大図。 回路基板と接触部材との位置関係を示す説明図。 印刷装置に対するインクカートリッジの装着時の動作方法を示す説明図。 印刷装置に対するインクカートリッジの装着時の動作方法を示す説明図。 変形例にかかるインクカートリッジの構成を示す外観図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各部材等を認識可能な程度の大きさにするため、各部材等の尺度を実際とは異ならせて示している。
[印刷装置の構成]
まず、印刷装置の構成について説明する。図1は、印刷装置の構成を示す概略図である。印刷装置1000は、例えば、インクジェットプリンターであり、印刷用紙等に液体としてのインクを吐出して印刷用紙等に画像等を描画する装置である。図1に示すように、印刷装置1000は、副走査送り機構と、主走査送り機構と、ヘッド駆動機構を有している。副走査送り機構は、図示しない紙送りモーターと、その紙送りモーターによって駆動される紙送りローラー10と、を含んでいる。副走査送り機構は、紙送りローラー10を用いて印刷用紙Pを副走査方向に搬送する。主走査送り機構は、キャリッジモーター2の動力を用いて、駆動ベルト1に接続されたキャリッジ3を主走査方向に往復動させる。キャリッジ3は、ホルダー4と印刷ヘッド5とを含んでいる。ヘッド駆動機構は、印刷ヘッド5を駆動してインクを吐出する。吐出されたインクによって、印刷用紙Pにドットが形成される。印刷装置1000は、さらに、上述した各機構を制御する主制御回路40を備えている。主制御回路40は、フレキシブルケーブル37を介してキャリッジ3と接続されている。
主制御回路40は、CPUとメモリー(ROM、RAM等)とを含むコンピューターである。メモリーには、各種コンピュータープログラムが格納されており、CPUが各コンピュータープログラムに基づいて各種処理を実行するように構成されている。
ホルダー4は、後述する液体容器としてのインクカートリッジ100を装着可能に構成され、印刷ヘッド5の上方に配置されている。印刷装置1000の通常使用時(印刷時)には、ホルダー4にインクカートリッジ100が装着される。図1に示す例では、ホルダー4には、6つのインクカートリッジ100が装着可能に構成されている。例えば、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロ、ライトシアン、ライトマゼンタの6種類のインクカートリッジが1つずつ装着される。ホルダー4内には、インクカートリッジ100から印刷ヘッド5にインクを供給するためのインク供給針6が配置されている。なお、図1では、ホルダー4に1つのインクカートリッジ100が装着された例を示している。
図2は、キャリッジの構成を示す一部拡大図であり、図3はキャリッジの接点機構の構成を示す概略図である。なお、図中には、X、Y、Z方向が示されている。以下、X方向を「+X方向」とも呼び、X方向の逆方向を「−X方向」とも呼ぶ。Y方向、Z方向についても、同様である。
図2において、図中のZ方向は、インクカートリッジ100の装着方向を示している。Z方向へのインクカートリッジ100の移動によって、インクカートリッジ100がキャリッジ3に装着される。ホルダー4の底壁4wbには、インク供給針6が配置されている。インク供給針6は、−Z方向に向かって、突出している。また、ホルダー4の前壁4wfには、接点機構400が配置されている。Y方向は、装着方向Zと垂直な方向を示している。本実施形態では、6つのインク供給針6と、6つの接点機構400とが、それぞれ、X方向に沿って(−Xから+Xに向かって)並んで、配置されている。X方向は、装着方向ZとY方向との両方と垂直な方向である。そして、6つのインクカートリッジ100は、X方向に並んで、装着される(図示省略)。
図3に示すように、接点機構400は、支持部材400bと、接触部材とを含んでいる。なお、本実施形態では、9つの接触部材410〜490を備えている。支持部材400bには、第1スリット401と第2スリット402とがX方向に沿って(−Xから+Xに向かって)交互に並んで形成されている。これらのスリット401、402には、各接触部材410〜490が、はめ込まれている。各接触部材410〜490は、それぞれ、導電性と弾性とを有している。各接触部材410〜490には、後述する回路基板200と接触する接触部410c〜490cが示されている。これらの接触部410c〜490cは、印刷装置1000と、回路基板200とを、電気的に接続するための装置側端子として機能する。以下、これらの接触部410c〜470cを、装置側端子410c〜470cとも呼ぶ。
[インクカートリッジの構成]
次に、液体容器としてのインクカートリッジの構成について説明する。図4は、インクカートリッジの構成を示す外観斜視図であり、図5は、インクカートリッジの構成を示す一部拡大図であり、図5(a)は、回路基板を正面側からみた図であり、図5(b)は、回路基板を側面側からみた図である。
インクカートリッジ100が印刷装置1000に装着された装着状態では、Z方向が鉛直下方向となる。なお、装着状態では、印刷装置1000は、X方向とY方向に平行な平面に設置されているものとする。インクカートリッジ100は、外形が略直方体形状の本体部101を有する。そして、インクカートリッジ100は、第1の面101aと、第2の面101bと、第3の面101cと、第4の面101dと、第5の面101eと、第6の面101fとを有する。各面101a〜101fは、インクカートリッジ100の外表面を構成する。第1の面101aと第3の面101cとは互いに対向する。第2の面101bと第4の面101dとは互いに対向する。第5の面101eと第6の面101fとは互いに対向する。そして、本体部101の内部には、インクを収容するインク室120が形成されている。
インクカートリッジ100が印刷装置1000に装着される装着方向と平行な面のうち、第1の面101aには回路基板200が配置されている。また、第1の面101aと交差(本実施例では、実質的に直交)する面のうち、第2の面101bにはインク室120に収容されたインクを印刷装置1000に供給する液体供給口としてのインク供給口140が設けられている。そして、第2の面101bにおける第1の面101a側の端部とインク供給口140との間に第1リブ141が設けられている。
インクカートリッジ100が印刷装置1000に装着される際には、インクカートリッジ100の第1の面101aは、キャリッジ3(図2)の前壁4wfと対向し、また、インクカートリッジ100の第2の面101bは、キャリッジ3の底壁4wbと対向する。すなわち、回路基板200と接点機構400とが接触するとともに、インク供給口140がインク供給針6に接続される。これにより、インク室120に収容されているインクは、インク供給針6を介して、印刷装置1000に供給される。
また、インクカートリッジ100は光学的にインク室120内のインクの残量を検出するのに用いられる液滴検出部としてのプリズム131を含むプリズムユニット130を有する。プリズムユニット130は、例えばポリプロピレン等の合成樹脂により形成された透明な部材である。プリズム131は、接触する流体の種類(屈折率)に応じて光の反射状態が異なる。プリズムユニット130は、プリズム131がインク室120内に位置するように第2の面101bに取り付けられている。さらに、詳細には、プリズムユニット130は、インクカートリッジ100が印刷装置1000に装着された状態において、第1の面101aと交差する第2の面101bであって、第2の面101bの端部のうち、第1の面101a側の端部とは反対側の端部に配置されている。すなわち、本実施形態では、プリズムユニット130は、第2の面101bの端部のうち、第3の面101c側の端部に配置されている。ここで、インク室120のインク残量の検出方法としては、例えば、印刷装置1000に設けられている光学センサーによって、プリズム131に向けて光が射出される。そして、射出された光はプリズム131よって反射され、光学センサーが受け取る光の量に基づいてインク残量状態を印刷装置1000が検出する。これにより、インク室120内のインク残量を検出することができる。また、第2の面101bにおける第1の面101a側の端部とプリズムユニット130との間に第2リブ142が設けられている。なお、本実施形態のプリズム131では、インク残量状態を検出するものとして説明したが、これに限定されず、例えば、インクの有無を検出する場合に適用してもよい。
第1の面101aには、固定部としての突起P1が形成されている。さらに、別の突起P2も形成されている。また、第1の面101aには、ガイド部110が設けられている。これらの突起P1、P2及びガイド部110は、第1の面101aに対して−Y方向に突出している。
図5に示すように、回路基板200には、貫通孔H1と切り欠きH2が形成されている。突起P1、P2と貫通孔H1と切り欠きH2とは、回路基板200を本体部101の第1の面101aに固定する際の位置ずれを防止するためのものある。また、ガイド部110は、回路基板200が配置される位置よりも上方(−Z方向)に備えられ、回路基板200の上端部200c(−Z方向の端部)の一部を案内することができる。
貫通孔H1は、回路基板200の下端部200b(+Z方向の端)の中央部に形成され、切り欠きH2は、回路基板200の上端部200c(−Z方向の端)の中央部に形成されている。回路基板200が第1の面101aに配置された状態では、突起P1が貫通孔H1に、突起P2が切り欠きH2に、それぞれ挿入される。さらに、回路基板200の上端部200c(−Z方向の端)の一部がガイド部110に案内される。第1の面101a上における回路基板200の配置位置は、貫通孔H1が突起P1と接触し、切り欠きH2が突起P2と接触すること、さらに、回路基板200の上端部200cの一部がガイド部110に接触することによって、制限される。そして、回路基板200が第1の面101aに配置された後には、これらの突起P1、P2の先端部が潰される。すなわち、突起P1、P2の先端部に熱をかけこれを潰す、熱かしめにより、突起P1,P2と回路基板200を密着させる。これにより、突起P1が回路基板200の表面200aよりも突出した状態で本体部101と回路基板200とが固定される。
なお、図5(b)に示すように、インクカートリッジ100が印刷装置1000に装着される場合に、各接点(被接触部)としての端子210〜290に向けて各接触部材410〜490が相対的に通過する第1の面101a上の領域は、第1の面101aから回路基板200の表面200aまでの高さよりも低い。本実施形態では、複数の接点としての端子210〜290に向けて各接触部材410〜490が相対的に通過する領域に対応する第1の面101aの領域には、平面領域150を有している。
また、側面視において、第1の面101aからガイド部110の頂部面110aまでの高さは、第1の面101aから回路基板200の表面200aまでの高さよりも高い。これにより、例えば、インクカートリッジ100を落下させてしまった場合、回路基板200が直接床等に接触しないので、破損を低減することができる。
また、図4に示すように、第1の面101aには、係合部材102が設けられている。係合部材102とホルダー4(図2)との係合によって、インクカートリッジ100がホルダー4から意図せずに外れることを低減することができる。
回路基板200は、絶縁体である基板205に接点と記憶装置とを配置したものである。本実施形態では、回路基板200の表面200aに接点としての端子210〜290が形成されている。また、回路基板200の裏面側には記憶装置(図示せず)が配置されている。基板205は、平板であり、その形状は、X方向と平行な辺とZ方向と平行な辺とを有する略矩形状である。端子210〜290は、図示しない導電路によって、記憶装置とそれぞれ接続されている。導電路は、例えば、基板205に開けられたスルーホールと、基板205の表面や内部に形成された導電パターンと、その導電パターンと記憶装置のパッドとを接続するボンディングワイヤと、を含み得る。なお、基板205に固定された記憶装置の表面は、樹脂等で覆われる。
図5(a)に示すように、9つの端子210〜290は、それぞれ、略矩形状に形成されている。なお、本実施形態では、回路基板200の下端部200bに近い側(下段)に5つの端子210〜250がX方向に配列され、当該5つの端子210〜250よりも回路基板200の上端部200cに近い側(上段)に4つの端子260〜290がX方向に配列されている。また、下段に配置された5つの端子210〜250と上段に配置された4つの端子260〜290とは、Z方向において互いに重ならないように配列されている。すなわち、上段の端子260〜290は、下段の端子210〜250に対して、千鳥状に配置されている。なお、下段の端子210〜250は、突起P1が配置された位置よりも回路基板200の上端部200c側に配置される。さらに、突起P1に対して−Z方向の延長線上に端子230が配置されている。すなわち、装着方向(Z方向)における固定部としての突起P1の下流側の近傍に端子230が配置されている。端子210〜290は、電源端子、接地端子、データ端子、リセット端子やクロック端子等として設定可能である。なお、本実施形態では、9つの端子のうち、端子230が、接地端子(接地点)として設定されている。
また、インクカートリッジ100が印刷装置1000に装着される装着方向における回路基板200の上流端部から接地端子230までの距離が、上流端部から他の端子210,220,240〜290までの距離よりも短い。詳細には、接地端子230は、他の下段の端子210,220,240,250が配置された位置よりも回路基板200の下端部200bから近い位置に配置されている。すなわち、図5(a)に示すように、回路基板200の下端部200bから接地端子230との最短距離Dt1は、回路基板200の下端部200bから接地端子230以外の下段の端子210,220,240,250との最短距離Dt2よりも短い。なお、本実施形態では、接地端子230は、接地端子230以外の下段の端子210,220,240,250よりもZ方向における寸法が長く形成されている。
次に、回路基板200と各接触部材410〜490との位置関係について説明する。図6は、回路基板と接触部材との位置関係を示す説明図である。図6に示すように、回路基板200の各端子210〜290と各接触部材410〜490とが接触する際、各端子210〜290の接触部210c〜290cと、各接触部210c〜290cに対応する各接触部材410〜490の接触部410c〜490cが模式的に示されている。これらの接触部210c〜290cは、インクカートリッジ100がホルダー4に正しく(位置ズレ無く)装着された状態で、各接触部材410〜490と接触する部分を示している。本実施形態では、各端子210〜290の中央部に接触部210c〜270cが設定されている。さらに、各接触部210c〜250c及び各接触部260c〜290cはそれぞれX方向に沿って配置されている。
インクカートリッジ100が印刷装置1000に装着される際、各接触部材410〜490の接触部410c〜490cは、各端子の接触部210c〜290cに向けて相対的に直進する。なお、接地端子230と接触部材430との間には突起P1が配置されているため、接地端子230と接触部材430とが接触する場合には、接触部材430の接触部430cが突起P1と接触しながら進み、突起P1を乗り越えた後に互いに接触することになる。
ここで、Z方向に対して下段に配列された接触部材410〜450の接触部410c〜450cにおける−Z方向の端部から接触部460c〜490cにおける−Z方向の端部までの距離Dt3は、接地端子230におけるZ方向の端部から上段側に設けられた他の端子260〜290におけるZ方向の端部までの距離Dt4よりも短い。また、図5に示したように、距離Dt1は距離Dt2よりも短い。従って、インクカートリッジ100が印刷装置1000に装着される過程における各端子210〜290と各接触部材410〜490の接触に関し、接地端子230と接触部材430との接触が、他の端子と接触部材の接触よりも早いタイミングで行われる。
[印刷装置に対するインクカートリッジの装着時の動作方法]
次に、印刷装置に対するインクカートリッジの装着時の動作方法について説明する。図7及び図8は、印刷装置に対するインクカートリッジの装着時の動作方法を示す説明図である。なお、本実施形態では、装着時の説明を容易に行うため、端子230,270と接触部材430,470との接続方法を例に挙げて説明する。また、ガイド部110等の部材を省略して示している。
まず、図7(a)では、印刷装置1000に対してインクカートリッジ100が装着される前の状態を示している。図7(a)に示すように、接触部材430,470の接触部430c,470cの端部は、支持部材400bから+Y方向に突出している。この場合、接触部材430と接触部材470の突出量はほぼ同じである。一方、接触部材430,470の他端は、支持部材400bから−Y方向に突出している。この突出した他端は、基板500に向かって付勢されており、基板500に設けられた端子と接触している。なお、基板500は、フレキシブルケーブル37を介して主制御回路40に接続されている(図1参照)。
次いで、図7(b)では、印刷装置1000に対してインクカートリッジ100の装着が開始され、接触部材470が回路基板200に接触する直前の状態を示している。図7(b)に示すように、接触部材470は、平面領域150を通過する。すなわち、接触部材470は、障害物等に接触することなく、回路基板200に接近する。
次いで、さらに、インクカートリッジ100が装着方向Zに進むと、図7(c)に示すように、回路基板200の下端部200bと接触部材470とが接触する。この接触によって接触部材470は、−Y方向に押される。接触部材470は弾性を有しており、接触部470cは、+Y方向に付勢されている。そして、接触部材470(接触部470c)が回路基板200の表面200aに接した状態で、回路基板200が+Z方向に移動する。
次いで、図8(d)に示すように、回路基板200の下端部200bと接触部材430とが接触する。この接触によって接触部材430は、−Y方向に押される。接触部材430は弾性を有しており、装置側の接触部430cは、+Y方向に付勢されている。なお、接触部材430は、回路基板200の下端部200bと接触するまで間、障害物等に接触することなく、平面領域150を通過して回路基板200と接触する。また、この間、接触部材470(接触部470c)は回路基板200の表面200aに接した状態である。
次いで、図8(e)に示すように、突起P1と接触部材430とが接触する。この接触によって接触部材430は、さらに−Y方向に押される。接触部材430は弾性を有しており、装置側の接触部430cは、+Y方向に付勢されている。なお、接触部材470(装置側の接触部470c)は回路基板200の表面200aに接した状態である。
次いで、図8(f)に示すように、接地端子230と接触部材430とが接触する。詳細には、接地端子230のZ方向の端部と接触部材430とが接触する。なお、この時点において、接地端子230以外の端子210,220,240〜290と当該各端子210,220,240〜290に対応する接触部材410,420,440〜490との接触はない。理由は、図5に示すように、下段に形成された端子210〜250においては、接地端子230が、他の端子210,220,240,250よりも回路基板200の下端部200bに近い位置に形成されているため、接触部材410〜450のうち、接地端子230に対応する接触部材430との接触するタイミングが最も早くなる。また、接地端子230と上段に形成された端子260〜290との関係では、距離Dt3が距離Dt4よりも短いため、接地端子230の端部と接触部材430とが接触したタイミングにおいては、端子260〜290に対応する接触部材460〜490は端子260〜290に到達できないからである。
次いで、さらにインクカートリッジ100が装着方向Zに進み、図8(g)に示すように、各接触部材410〜490(装置側の接触部410c〜490c)と回路基板200の端子210〜270(端子側接触部210c〜290c)とが、それぞれ接触する。以上の動作によって印刷装置1000に対するインクカートリッジ100の装着が完了する。なお、上記のインクカートリッジ100の装着に関する内容は、全ての(6つの)インクカートリッジ100に共通である。
以上、上記実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)印刷装置1000に対してインクカートリッジ100を装着する際、各接触部材410〜490が回路基板200の一部に接触するまでの間、回路基板200の表面200aよりも高いものがない。これにより、各接触部材410〜490は、回路基板200以外のものと接触しない。これにより、異物発生を低減することができる。また、本体部101と回路基板200は、突起P1により確実に固定される。しかし、当該突起P1の頂部は回路基板200の表面200aよりも突出するため、印刷装置1000に対してインクカートリッジ100を装着する際、突起P1と接触部材430とが接触する。そして、当該接触に伴い、突起P1の一部が削れて異物が発生し、当該異物が接触部材430に付着した状態で端子230と接触する可能性がある。ここで、端子230は、接地点として機能する接地端子230である。これにより、万が一、異物が接触部材430に付着した状態で接地端子230と接触したとしても、誤ったデータに基づいて動作する可能性を低減することができる。すなわち、動作不具合が発生する可能性を低減してインクカートリッジ100を保護することができる。
(2)プリズムユニット130は、回路基板200に対して離れた位置に配置される。これにより、例えば、回路基板200と各接触部材410〜490との接触によって発生した異物が付着し難くすることができ、液体の残量を誤検出する可能性を低減することができる。
(3)回路基板200とインク供給口140との間には第1リブ141が配置されるため、例えば、回路基板200と各接触部材410〜490との接触によって発生した異物のインク供給口140への進入を第1リブ141によって低減させることができる。
(4)回路基板200とプリズムユニット130との間には第2リブ142が配置されるため、例えば、回路基板200と各接触部材410〜490との接触によって発生した異物のプリズムユニット130への進入を第2リブ142によって低減させることができる。
(5)接地端子230は、他の端子210,220,240〜290よりも、回路基板200における下端部200bから近い位置に配置されているため、インクカートリッジ100を印刷装置1000に装着した際、他の端子210,220,240〜290よりも早いタイミングで接触部材430と接触することが可能となる。これにより、インクカートリッジ100の動作不具合の発生を低減することができる。
(6)第1の面101aの回路基板200の下端部200bに対応する領域に平面領域150が形成されているため、インクカートリッジ100を落下させてしまった場合でも、回路基板200が直接床等に接触しないので、破損を低減することができる。
(7)側面視においてガイド部110の頂部面110aの高さは、回路基板200の表面200aよりも高いので、例えば、インクカートリッジ100を落下させてしまった場合でも、回路基板200が直接床等に接触しないので、破損を低減することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)上記実施形態では、複数の接点としての端子210〜290に向けて各接触部材410〜490が相対的に通過する領域に対応する第1の面101aの領域には、平面領域150を有したが、この構成に限定されない。図9は、変形例1にかかるインクカートリッジの構成を示す外観図である。図9に示すように、第1の面101aであって、回路基板200の下端部200bに対応する位置にガイド部115を設けてもよい。この場合、第1の面101aからガイド部115の頂部までの高さが、第1の面101aから回路基板200の表面200aまでの高さよりも低くなるように設定する。このようにすれば、印刷装置1000にインクカートリッジ100を装着する際、ガイド部115と各接触部材410〜490とが接触する可能性はあるが、その接触力が小さく抑えられるため、ガイド部115と各接触部材410〜490との接触による異物の発生は少なくて済む。また、ガイド部115の設置により、インクカートリッジ100を落下させてしまった場合、回路基板200が直接床等に接触しないので、破損を防止することができる。また、印刷装置1000にインクカートリッジ100を装着する際、ガイド部115と接触部材410〜490のいずれかが接触し異物が発生した場合であっても、回路基板200の下端部200bとガイド部115との間に設けられている第1の面101aからガイド部115の頂部までの高さよりも低い部分により当該異物をトラップし、回路基板200に異物が到達する可能性を低減することができる。
100…液体容器としてのインクカートリッジ、101…本体部、101a…第1の面、101b…第2の面、110…ガイド部、110a…頂部面、115…ガイド部、120…インク室、130…プリズムユニット、131…液体検出部としてのプリズム、140…液体供給口としてのインク供給口、141…第1リブ、142…第2リブ、150…平面領域、200…回路基板、200a…表面、200b…下端部、200c…上端部、210,220,240〜290…接点としての端子、230…接地点としての接地端子、410〜490…接触部材、1000…印刷装置、P1…固定部としての突起。

Claims (7)

  1. 印刷装置に脱着可能な液体容器であって、
    前記液体容器の本体部の第1の面に配置された回路基板と、
    前記本体部と前記回路基板とを固定する固定部と、を備え、
    前記回路基板は、
    前記液体容器が前記印刷装置に装着された状態において、前記印刷装置の各接触部材と接触する複数の接点を有し、
    前記固定部は、
    前記回路基板の表面よりも突出した状態で前記本体部と前記回路基板とを固定し、
    前記液体容器が前記印刷装置に装着される場合に、前記各接点に向けて前記各接触部材が相対的に通過する前記第1の面上の領域は、前記第1の面から前記回路基板の表面までの高さよりも低く、
    前記複数の接点のうち、前記装着方向における前記固定部の下流側に配置された前記接点が接地点であることを特徴とする液体容器。
  2. 請求項1に記載の液体容器において、
    光学的に前記液体容器内の液体の残量を検出するのに用いられる液体検出部を備え、
    前記液体検出部は、前記第1の面と交差する第2の面であって、前記第2の面の端部のうち、前記第1の面側とは反対側の端部に配置されたことを特徴とする液体容器。
  3. 請求項2に記載の液体容器において、
    前記第2の面に設けられ、前記液体容器内の前記液体を前記印刷装置に供給する液体供給口を備え、
    前記第2の面における前記第1の面側の端部と前記液体供給口との間に第1リブが設けられたことを特徴とする液体容器。
  4. 請求項2または請求項3に記載の液体容器において、
    前記第2の面における前記第1の面側の端部と前記液体検出部との間に第2リブが設けられたことを特徴とする液体容器。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の液体容器において、
    前記液体容器が前記印刷装置に装着される装着方向における前記回路基板の上流端部から前記接地点までの距離が、前記上流端部から他の前記接点までの距離よりも短いことを特徴とする液体容器。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の液体容器において、
    前記液体容器が前記印刷装置に装着される場合に、前記各接点に向けて前記各接触部材が相対的に通過する前記第1の面上の領域は、平面領域であることを特徴とする液体容器。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の液体容器において、
    前記液体容器が前記印刷装置に装着される装着方向における前記回路基板の下流端部の一部をガイドするガイド部が設けられ、
    側面視において、前記第1の面から前記ガイド部の頂部までの高さは、前記第1の面から前記回路基板の表面までの高さよりも高いことを特徴とする液体容器。
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