JP2013248052A - 歯科インプラント - Google Patents

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Abstract

【課題】インプラント周囲炎を予防することができ、かつ、顎骨に埋入される顎骨埋入部の顎骨に対する親和性を阻害しない歯科インプラントを提供する。
【解決手段】歯科インプラント10の歯肉接触部12の歯肉Dと接触する領域12aにポリペプチドまたは蛋白質のコーティング処理を施すともに、当該領域12aの算術平均粗さRaを2μm以下とする。歯肉接触部12の歯肉Dと接触する領域12aは、歯肉細胞が接着して増殖・成長し易い環境となるから、歯肉Dと歯肉接触部12との隙間が早期に閉塞される。また、細菌が付着・残留しにくくなるから、インプラント周囲炎の予防効果に優れる。顎骨埋入部11については、顎骨Gとの親和性を阻害しないようにして、顎骨埋入部と顎骨Gとの結合強度が損なわれないようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、義歯などの歯科補綴物を口腔内に固定するため、顎骨に埋入される歯科インプラントに関する。
歯を喪失した場合に、その機能を補うため、顎骨に歯科インプラントを埋入し、これに歯科補綴物を固定するインプラント手術が実用化されている。
ところで、歯科インプラントの施術後、天然歯の歯周炎によく似た症状のインプラント周囲炎が発症することが知られている。その原因は、口腔内の細菌が歯肉と歯科インプラントとの隙間に侵入し、感染巣(細菌叢)を形成する結果、炎症が引き起こされるためと考えられる。症状が進行すると、歯科インプラントに接触している顎骨が溶解し、やがて、歯科インプラントを支えている周囲の顎骨が消失して、歯科インプラントを顎骨から脱落させるという問題を招くおそれがあった。
そこで従来、インプラント周囲炎を予防するための手段が、いくつか提案されている。たとえば特許文献1には、細菌の繁殖を抑制する作用と細菌による炎症を緩和する作用とを併せ持つラクトフェリンで歯科インプラントの表面を被覆したり、ラクトフェリンを歯科インプラントに含浸したりすることが記載されている。
また特許文献2には、歯科インプラントの顎骨埋入部であるインプラントフィクスチャーのねじ形状を工夫して、顎骨との密着性を高めることにより、仮に、歯肉と歯科インプラントとの隙間に細菌が侵入したとしても、顎骨深部への細菌感染を抑止することが記載されている。
特表2011−527205号公報 特開2010−188062号公報
特許文献1に記載のラクトフェリンは、体内に拡散しやすい性質を有している。そのため、歯科インプラントに結合させたラクトフェリンが、時間経過に伴って次第に減少し、消失するに至る。したがって、特許文献1の技術には、細菌繁殖を抑制する作用や炎症を緩和する作用を、長期間にわたっては保持できないという問題が有る。また、ラクトフェリンは歯科インプラントと顎骨との親和性を低下させるおそれがあるので、ラクトフェリンで歯科インプラントの全体をコーティング処理すると、歯科インプラントの顎骨埋入部と顎骨との親和性が損なわれて、結合強度を低下させる可能性がある。
特許文献2に記載の技術は、歯科用インプラントフィクスチャーのねじ形状を工夫するものであるが、この技術だけでは、実際に、歯肉と歯科インプラントとの隙間に侵入した細菌が顎骨内へ感染するのを阻止することが難しい。すなわち特許文献2の技術は、インプラント周囲炎の予防手段として十分に有効とは言えない。
本発明の目的は、歯科インプラントを顎骨に埋入する施術を行なった場合に発症するインプラント周囲炎の予防効果に優れ、かつ、顎骨に埋入される顎骨埋入部の顎骨に対する親和性を阻害しない歯科インプラントを提供することにある。
本発明は、顎骨との親和性を有する顎骨埋入部と、前記顎骨埋入部に連設され歯肉に挿通される歯肉接触部であって、前記顎骨埋入部の顎骨との親和性を阻害しないように、歯肉と接触する領域にポリペプチドまたは蛋白質によるコーティング処理を含む細胞接着性を向上させる処理が施された歯肉接触部と、を有していることを特徴とする歯科インプラントである。
また本発明は、前記歯肉接触部に対する細胞接着性を向上させる処理が、前記歯肉接触部の歯肉と接触する領域の外表面の算術平均粗さRaを2μm以下にする処理をさらに含むことを特徴とする。
また本発明は、前記顎骨埋入部と前記歯肉接触部とが別個に製作されたものであることを特徴とする。
また本発明は、前記顎骨埋入部の顎骨と接触する外表面の算術平均粗さRaを2μm以上としたことを特徴とする。
また本発明は、前記顎骨埋入部の顎骨と接触する外表面にアパタイトコーティング処理またはアルカリ加熱処理を施したことを特徴とする。
本発明によれば、顎骨埋入部と歯肉接触部とを有する歯科インプラントにおいて、歯肉接触部の歯肉と接触する領域にポリペプチドまたは蛋白質によるコーティング処理を含む細胞接着性を向上させる処理を施したので、当該領域に歯肉細胞が接着し易くなり、歯肉と歯肉接触部との間に隙間が形成されにくくなる。その結果、歯肉と歯肉接触部との間への細菌の侵入が抑止されるから、インプラント周囲炎の発症を予防できる。
前記歯肉接触部に対する細胞接着性を向上させる処理を、歯肉と接触する領域に対するポリペプチドまたは蛋白質によるコーティング処理を含むものとしたので、歯肉細胞との親和性が良好であり、歯肉細胞の増殖・成長を促進する。その結果、歯肉と歯肉接触部との隙間を短期間で閉塞することが可能である。
また、ポリペプチドや蛋白質は人体に対する悪影響が無いから、使用時の安全性が保証される。
また、歯肉接触部に対する細胞接着性を向上させる処理は、顎骨埋入部の顎骨との親和性を阻害しないものとしたから、顎骨埋入部と顎骨との結合強度を低下させるおそれがない。
また本発明は、前記歯肉接触部の歯肉と接触する領域の外表面の算術平均粗さRaを2μm以下としたので、当該領域が滑らかな表面性状となり、歯肉細胞が接着しやすくなる。当該領域には、細胞接着性を向上させる処理が施されているから、歯肉細胞の増殖・成長に適した環境となり、歯肉と歯肉接触部との隙間の閉塞が促進される。
また、歯肉接触部の歯肉と接触する領域を滑らかな表面とすることにより、当該領域に細菌の付着および残留が生じにくくなるから、インプラント周囲炎の予防効果が向上する。
また本発明によれば、前記顎骨埋入部と前記歯肉接触部とを別個に製作されたものとしたので、顎骨埋入部と歯肉接触部それぞれに対し、異なる表面処理を実施するのが容易である。
また本発明によれば、前記顎骨埋入部の顎骨と接触する外表面の算術平均粗さRaを2μm以上としたので、顎骨埋入部と顎骨との密着性が向上し、両者間の機械的結合強度を増大させることができる。
また本発明によれば、前記顎骨埋入部の顎骨と接触する外表面にアパタイトコーティング処理またはアルカリ加熱処理を施したので、顎骨埋入部と顎骨との親和性が向上し、両者間の化学的結合強度を増大させることができる。
本発明の一実施形態に係る歯科インプラント10の使用状況を例示する一部断面図である。 本発明の一実施形態に係る歯科インプラント10を示すものであって、別個に製作した顎骨埋入部11と歯肉接触部12とを分離して示す正面図である。 本発明の一実施形態に係る歯科インプラント10を示すものであって、別個に製作した顎骨埋入部11、歯肉接触部12、および、これらを連結するボルト40を分離して示す正面断面図である。 本発明の一実施形態に係る歯科インプラント10を示すものであって、別個に製作した顎骨埋入部11と歯肉接触部12とを、ボルト40により連結した組付け状態を示す正面断面図である。 本発明の異なる実施形態に係る歯科インプラント20を示すものであって、顎骨埋入部21と歯肉接触部22とを一体に製作した場合の正面図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る歯科インプラント10の使用状況を例示する一部断面図である。同図に示すように、歯科インプラント10は、義歯などの歯科補綴物30を口腔内に固定するために使用されるものであって、骨との親和性に優れ、かつ十分な強度を持つ素材で製造され、たとえばチタンやチタン合金、セラミックスなどで製造される。
図1に示すごとく、本実施形態の歯科インプラント10は、顎骨Gに埋入されて顎骨Gと接触する顎骨埋入部11と、顎骨埋入部11の一端に連設されて歯肉Dに挿通される歯肉接触部12と、義歯などの歯科補綴物30が装着され、これを支持する補綴物支持部13とを有している。
顎骨埋入部11は、顎骨G内へ埋入したときに主として顎骨Gの表層部分を構成する皮質骨Hに接触する基端側部位11bと、主として顎骨Gの内部を構成する海綿骨Kに接触する先端側部位11aとから成る。そして、先端側部位11aの外周面には、顎骨Gへ強固に固定するための雄ねじが形成される。
顎骨埋入部11、歯肉接触部12、および補綴物支持部13は、全体を一体に製作することもできるが、各部を別個に製作し、使用時に組み合わせる態様も可能である。さらには、顎骨埋入部11と歯肉接触部12とを一体に製作し、これを別個に製作した補綴物支持部13に組み付ける態様、あるいは、歯肉接触部12と補綴物支持部13とを一体に製作し、これを顎骨埋入部11に組み付ける態様も、状況に応じて採用可能である。
図2は、本発明の一実施形態に係る歯科インプラント10を示すものであって、別個に製作した顎骨埋入部11と歯肉接触部12とを分離して示す正面図、図3は、本発明の一実施形態に係る歯科インプラント10を示すものであって、別個に製作した顎骨埋入部11、歯肉接触部12、および、これらを連結するボルト40を分離して示す正面断面図、図4は、本発明の一実施形態に係る歯科インプラント10を示すものであって、別個に製作した顎骨埋入部11と歯肉接触部12とを、ボルト40により連結した組付け状態を示す正面断面図である。
図2に示すように、本実施形態の歯科インプラント10は、歯肉接触部12と補綴物支持部13とが一体に製作され、これを顎骨埋入部11へ組み付けるように構成される。かかる構成の歯科インプラント10については、図3および図4に示されるとおり、歯肉接触部12および補綴物支持部13の内部を貫挿させたボルト40により、顎骨埋入部11と歯肉接触部12とを連結する構造を採用できる。
すなわち、顎骨埋入部11の基端側部位11bの端面側に、歯肉接触部12を接合させる凹部11dと、ボルト40の雄ねじ部40bを螺合させる雌ねじ部11eとを形成する。他方、歯肉接触部12の一端に、顎骨埋入部11の凹部11dに嵌合する挿入部12bを設ける。また、一体に製作した歯肉接触部12および補綴物支持部13に、ボルト40を貫挿させる貫通孔14を形成するとともに、その途中に、ボルト40の雄ねじ部40bは通過させるが、ボルト40の頭部40aの通過は阻止する段部15を設ける。
そして、図4に示すごとく、顎骨埋入部11の凹部11dに、歯肉接触部12の挿入部12bを嵌合させ、歯肉接触部12および補綴物支持部13の貫通孔14内へボルト40を挿通させ、その雄ねじ部40bを、顎骨埋入部11の雌ねじ部11eに螺合させて締め付ける。これにより、ボルト40の頭部40aが貫通孔14内の段部15に係合して、歯肉接触部12の挿入部12bを顎骨埋入部11の凹部11dへ圧接し、両者を一体に連結する。
本発明は、インプラント周囲炎を予防するため、歯肉接触部12の歯肉Dと接触する領域12aに、ポリペプチドまたは蛋白質によるコーティング処理を含む細胞接着性を向上させる処理を施したことを特徴とする。
また本実施形態では、歯肉接触部12にポリペプチドまたは蛋白質によるコーティング処理を施すのと同時に、歯肉接触部12の歯肉Dと接触する領域12aの算術平均粗さRaを2μm以下、望ましくは1μm以下、さらに望ましくは0.5μm以下とする構成を採用する。ここで算術平均粗さRaとは、JIS B0601に規定される算術平均粗さRaを指す。
なお図2に示す歯科インプラント10のごとく、顎骨埋入部11と歯肉接触部12とが別体に構成され、歯肉接触部12と補綴物支持部13とが一体に製作されている場合、顎骨埋入部11に嵌合させる挿入部12bや、歯科補綴物30(図1参照)が装着される補綴物支持部13など、歯肉Dと接触することのない部位については、細胞接着性を向上させる処理を施す必要はなく、また表面粗さを限定する必要もない。
顎骨埋入部11については、顎骨Gに対する親和性を阻害しないようにするため、細胞接着性を向上させる処理を施さない。ただし顎骨埋入部11の端縁部11c(図2参照)などの、顎骨Gと歯肉Dとの境界部に臨み、歯肉Dと接触する可能性のある部位については、細胞接着性を向上させる処理を施してもよい。
歯肉接触部12に対して施す細胞接着性を向上させる処理は、細胞との親和性を良好にでき、かつ、人体に対し悪影響を与えない手段が選択される。具体的には、ポリペプチドまたは蛋白質を用いて、歯肉接触部12の歯肉Dと接触する領域12aをコーティング処理する方法が含まれる。
使用するポリペプチドおよび蛋白質は、合成されたものでも天然由来のものであってもよい。細胞接着性を有するポリペプチドの例としては、Arg−Gly−Asp配列、Tyr−Ile−Gly−Ser−Arg配列、Ile−Lys−Val−Ala−Val配列のうち、いずれか1つの配列を含む合成ポリペプチドが挙げられる。
また、使用される蛋白質としては、糖蛋白質も含まれ、例えば、コラーゲン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、フィブリノーゲン、ラミニン、カドヘリン等が挙げられる。
細胞接着性を有するポリペプチドにより歯科インプラントをコーティング処理する方法については、たとえば、特開2004−471号公報(以下、参考文献1という)や、特開2009−7339号公報(以下、参考文献2という)に開示されており、本実施形態では、これらの技術を利用することが考えられる。すなわち、参考文献1又は2に記載の技術に基づき、細胞接着性を有する特定のアミノ酸配列を含んだ人工ポリペプチドにより、人工歯根などの歯科インプラントの表面を、噴霧・浸漬・塗布などの方法を用いて被覆することができる。
コーティングに用いるポリペプチド材料または蛋白質材料は、溶液や分散液の形態で準備される。さらに、歯肉接触部12がチタンまたはチタン合金などの金属性材料や、セラミックス材料で製作されている場合は、歯肉接触部12とポリペプチドまたは蛋白質との結合力を高めるため、シランカップリング剤・チタンカップリング剤の一方または両方を併用することが望ましい。この場合、シランカップリング剤・チタンカップリング剤は、ポリペプチドまたは蛋白質を含んだコーティング用材料に含有させて使用することができる。あるいは、コーティング処理に先立ち、歯肉接触部12の歯肉Dと接触する領域12aの表面を、シランカップリング剤かチタンカップリング剤のいずれか一方または両方で前処理する使用方法も採用可能である。
シランカップリング剤は一般に、分子の一端に無機物質と結合可能な反応基を有し、他端に有機物質と結合可能な反応基を有している。それ故、ポリペプチドまたは蛋白質を用いた歯肉接触部12のコーティング処理に際し、シランカップリング剤を導入すると、シランカップリング剤の一端の反応基が、金属またはセラミック等の無機物質から成る歯肉接触部12の表面に結合し、他端の反応基が、有機物質であるポリペプチドまたは蛋白質の官能基に結合する。その結果、歯肉接触部12の表面に、ポリペプチドまたは蛋白質が強固に結合したコーティング層を形成することが可能である。
使用可能なシランカップリング剤の例としては、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
なお、コーティングを施すための具体的な手法は、参考文献1,2に記載の技術に限定されるものではなく、前述した以外のポリペプチドや蛋白質によるコーティング処理を採用することも可能である。
本発明では、歯肉接触部12の歯肉Dと接触する領域12aの外表面の算術平均粗さRaを2μm以下(好ましくは1μm以下、さらに好ましくは0.5μm以下)としたことにより、当該領域12aの表面性状を滑らかにして、歯肉細胞が接着して増殖および成長がし易い環境を与えている。算術平均粗さRaを2μm以下とする手段は、当該領域12aに対し、研磨などの物理的処理を施す方法のほか、適宜の表面処理を施して表面粗さを調整する手法が考えられる。さらには、本発明で行なうコーティング処理を施すことによって、当該領域12aの表面粗さを所要の値以下に調整することも可能である。
図1〜4に例示する本実施形態の歯科インプラント10は、顎骨埋入部11と歯肉接触部12とを別体としたので、それぞれに対し異なる処理を施すのが容易である。
ただし、顎骨埋入部11と歯肉接触部12とを連結する構造の歯科インプラント10の場合、顎骨埋入部11と歯肉接触部12との接合部は、できるだけ隙間が生じない構造とする。
また、図3において、顎骨埋入部11の凹部11dの内表面と、歯肉接触部12の挿入部12bの外表面とに、抗菌処理を施して、両者の接合部に細菌が侵入したとしても、その繁殖を抑制できるように処置してもよい。
顎骨埋入部11については、必要に応じ、顎骨Gとの結合強度を向上させるための従来公知の手段を適用することができる。例えば、顎骨埋入部11の顎骨Gと接触する外表面に対し、その算術平均粗さRaを2μm以上とする処理や、アパタイトコーティング処理またはアルカリ加熱処理を施すことが考えられる。
顎骨埋入部11の外表面の算術平均粗さRaを2μm以上とすることにより、顎骨埋入部11の顎骨Gに対する優れた密着性が得られ、大きな物理的結合強度を発揮することができる。算術平均粗さRaを2μm以上にする手段は、サンドブラストなどの機械的粗面化処理、薬品による化学的粗面化処理などが考えられる。
顎骨埋入部11の外表面にアパタイトコーティング処理またはアルカリ加熱処理を施すと、顎骨埋入部11の顎骨Gに対する親和性が向上し、優れた化学的結合強度が得られる。アパタイトコーティング処理またはアルカリ加熱処理を実施する方法は、たとえば特許第2775523号公報(以下、参考文献3という)に記載されており、本実施形態では、これを利用することが考えられる。すなわち、参考文献3の記載に基づき、チタンまたはチタン合金よりなる歯科インプラント10を、アルカリ液中に浸漬した後、これをチタンの転移温度以上に加熱することにより、歯科インプラント10の表面に、骨との親和性に優れた酸化チタン相および非晶質アルカリチタン酸塩相よりなる皮膜を形成することができる。
また、前記処理により、表面に酸化チタン相および非晶質アルカリチタン酸塩相よりなる皮膜が形成された歯科インプラント10を、さらにアパタイトの溶解度以上のカルシウムおよびリンを含む水溶液中に浸漬することにより、歯科インプラント10の表面に、骨との親和性がより優れたアパタイト層を析出形成することができる。
図5は、本発明の異なる実施形態に係る歯科インプラント20を示すものであって、顎骨埋入部21と歯肉接触部22とを一体に製作した場合の正面図である。図5に示すように、顎骨埋入部21が、主として海綿骨Kに接触する先端側部位21aと、主として皮質骨Hに接触する基端側部位21bとから成り、先端側部位21aの外周面に雄ねじが形成されているのは、図1〜4に示す前記実施形態と共通である。また、この例では、補綴物支持部(図示せず)が別体に製作され、歯肉接触部22に連結して使用される。
本実施形態では、歯肉接触部22にのみ、ポリペプチドまたは蛋白質のコーティング処理などの、細胞接着性を向上させる処理が施され、顎骨埋入部21に対しては、このような処理を施さない。また必要に応じ、顎骨埋入部21の顎骨Gと接触する外表面に対し、その算術平均粗さRaを2μm以上とする処理、アパタイトコーティング処理またはアルカリ加熱処理が施される。さらに所望により、歯肉接触部22と補綴物支持部(図示せず)との接合部に、抗菌処理を施すことも可能である。
本実施形態の歯科インプラント20は、顎骨埋入部21と歯肉接触部22との間に隙間がないので、感染巣が形成されにくく、インプラント周囲炎を発症させにくい効果を有する。
10 歯科インプラント
11 顎骨埋入部
12 歯肉接触部
12a 歯肉と接触する領域
12b 挿入部
13 補綴物支持部
20 歯科インプラント
21 顎骨埋入部
22 歯肉接触部
30 歯科補綴物
40 ボルト
D 歯肉
G 顎骨

Claims (5)

  1. 顎骨との親和性を有する顎骨埋入部と、
    前記顎骨埋入部に連設され歯肉に挿通される歯肉接触部であって、前記顎骨埋入部の顎骨との親和性を阻害しないように、歯肉と接触する領域にポリペプチドまたは蛋白質によるコーティング処理を含む細胞接着性を向上させる処理が施された歯肉接触部と、
    を有していることを特徴とする歯科インプラント。
  2. 前記歯肉接触部に対する細胞接着性を向上させる処理は、前記歯肉接触部の歯肉と接触する領域の外表面の算術平均粗さRaを2μm以下にする処理をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の歯科インプラント。
  3. 前記顎骨埋入部と前記歯肉接触部とが別個に製作されたものであることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の歯科インプラント。
  4. 前記顎骨埋入部の顎骨と接触する外表面の算術平均粗さRaを2μm以上としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の歯科インプラント。
  5. 前記顎骨埋入部の顎骨と接触する外表面にアパタイトコーティング処理またはアルカリ加熱処理を施したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の歯科インプラント。
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