JPH09135851A - 人工歯根 - Google Patents

人工歯根

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JPH09135851A
JPH09135851A JP7319808A JP31980895A JPH09135851A JP H09135851 A JPH09135851 A JP H09135851A JP 7319808 A JP7319808 A JP 7319808A JP 31980895 A JP31980895 A JP 31980895A JP H09135851 A JPH09135851 A JP H09135851A
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jawbone
mucous membrane
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implant
tooth root
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Takashi Miyazaki
隆 宮崎
Kiyohiro Fujiwara
聖裕 藤原
Kazuaki Koyama
和明 小山
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Ishifuku Metal Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】人工歯根において顎骨内に埋入された顎骨内植
込み部の初期獲得のオセオインテグレーションを確実に
保持し感染を防止し交換等に際し施術がスムーズ、且
つ、確実に容易に行われるようにする。 【解決手段】脚部の顎骨内植込み部2に対し補綴物支持
部4を一体的に有する頸部の粘膜貫通部3を介し頭部の
固定ネジ15で2者一体に連結し、該顎骨内植込み部2
の側面に溝7を軸方向に形成し、該粘膜貫通部3の結合
部10の下部に於て六角形の回転防止構造部11を形成
し、更に、その上部に断面円形の耐力構造部12を形成
する。 【効果】人工歯根の顎骨内に対する埋入の施術がし易く
取り扱いが容易であり、オセオインテグレーション獲得
が早期になされ、一旦獲得された該オセオインテグレー
ションが臨床経過時の咬合圧印加等により喪失されない
ようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】開示技術は、口腔内にて顎骨に対
し埋設するチタンやチタン合金製のインプラントとして
の人工歯根の構造の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】周知の如く、人間の歯は口腔内にて摂
食、発声、表情発現等極めて重要な機能に深くかかわる
ものであり、したがって、該歯が欠損等で喪失すること
はこれらの機能を損うことで致命的な問題となる。
【0003】したがって、旧くからかかる抜け歯等の欠
損を補うために当該欠損した歯に近接した歯に処置等す
ることにより対応するようにしてきたが、近時当該近接
歯の喪失や交通事故や大きな疾患等により隣接する複数
の歯が失われるような場合には、口腔内にて顎骨にチタ
ンやチタン合金製等のインプラントとしての人工歯根を
埋設する技術が開発され、一部では実用化されてはい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる技術について
は、例えば、特開平1−11539号公報(特公平7−
71563号公報)等に開示されている発明のように優
れた技術が開発されてはいるが、当該在来態様の人工歯
根にあっては顎骨に埋入する脚部と上部の補綴物を維持
する頭部と両者の間にあって粘膜を貫通する脚部とが一
体のもの、或いは、当該頸部の一部を頭部として使用出
来るようなものであるがために、次のような問題があ
る。
【0005】而して、顎骨内に埋入するインプラントは
該顎骨との強固な一体結合(オセオインテグレーショ
ン)の獲得が必要不可欠であるが、これまでの臨床上の
データから該オセオインテグレーションの有効な獲得に
は数ヵ月もの長時間を要することが分っており、そのた
め、顎骨内への埋入の初期より該獲得までの長時間の期
間内に摂食や発声等の際の咬合圧が印加されたりするこ
とは骨芽の成育上好ましくはなく、頭部の補綴物の義歯
程度の自重すら好ましくないことが必要となっているこ
とが分ってきており、したがって、インプラントの人工
歯根を顎骨内に埋設する脚部から頭部の補綴物のところ
まで一体構造の態様ではかかる咬合圧の印加等の関係か
ら好ましくないという欠点があった。
【0006】又、強固なオセオインテグレーションの獲
得はインプラントの埋入後の上述構造上の問題ばかりで
なく、何らかの手段により咬合圧を印加しない構造が得
られるとしても、粘膜上にインプラント構造体としての
頭部の補綴物支持部が突出していることは施術後の感染
上の観点からも好ましくない欠点があった。
【0007】即ち、在来態様の一体構造のインプラント
では粘膜を貫通して頭部が一体的に突出している以上、
当該施術後インプラントの頸部を介し下部への感染が避
けられないという難点がある。
【0008】更に、インプラントの埋入を行う手術に際
しては粘膜の切開で始まり、縫合で手術が終了するが、
当該切開手術は感染防止のために極めて重要であり、
又、必然的に2回以上の手術がこれに伴って必要であ
り、感染を防止するにはインプラント埋入部位を避けて
切開を行うことが極めて重要であり、したがって、当然
のことながら、粘膜上に突出する構造物があってはなら
ないことが好ましいこととなる。
【0009】そして、インプラント本来の目的は該イン
プラントを顎骨内に埋入することではなく、それを利用
して補綴物の上部構造物を作製することにあり、しか
も、当該上部構造物は患者によっても異なり、患者によ
って隣接する歯や対合歯によっても異なり、埋入後の時
間の経過、即ち、年齢の増加によっても異なり、そし
て、当該患者の顎骨内に於ける埋入部位やその時期に適
合した「粘膜貫通部、及び、補綴物支持部」が必要であ
る。
【0010】そのためには「顎骨内植込み部」に対し、
「粘膜貫通部、及び、補綴物支持部」が別体に独立した
2つに分割可能にされていなければならず、このような
構造学的、医学的な要望には従来技術の3者が一体構造
のインプラント人工歯根では採用出来ない不都合さがあ
った。
【0011】そして、顎骨内植込み部と粘膜貫通部及び
補綴物支持部との結合構造を、又、患者に適合した最適
な補綴物を臨床経過と共に、早期に選択交換等が出来る
ようにするためにも補綴物支持部が粘膜貫通部と一体で
ありながら交換自在に出来る構造が好ましいものである
にもかかわらず、前述在来態様のインプラントの人工歯
根ではこれに適用出来ないマイナス点があった。
【0012】又、インプラントの人工歯根の「顎骨内の
植込み部」と「粘膜貫通部」、乃至、「補綴物支持部」
の頸部と頭部が脚部に対し分離し得る2体分割方式のイ
ンプラントの人工歯根にあっても上述「顎骨内植込み
部」と「粘膜貫通部、及び、補綴物支持部」とが2分割
されねばならないさまざまな条件には対応出来ない不都
合さがあった。
【0013】そして、先述した特開平1−11539号
公報(特公平7−71563号公報発明)等に開示され
ている在来態様にあっては脚部と頸部、乃至、頭部が所
謂凹凸係合による一体化連結構造であるために、臨床的
に印加される咬合圧に対する対処が不充分であり、該咬
合圧により結合部にぐらつきが生じ、結果的に補綴物が
動揺し、人工歯根としての機能が満足に果せないという
不具合があった。
【0014】
【発明の目的】この出願の発明の目的は上述従来技術に
基づく自然歯欠損に対処する優れたインプラントの人工
歯根の技術が開発されながら構造学的に、又、解剖学的
にも臨床学的にも充分に適用出来ない一体物、乃至、頸
部を介して粘膜貫通部と補綴物支持部とが上下に2分割
にされる構造の人工歯根の問題点を解決すべき技術的課
題とし、術者がインプラントの顎骨内への埋入が容易に
行え、粘膜貫通部の切開も極めてスムーズに行え、感染
の虞も可及的に防止され、埋入後は半永久的に設計通り
の摂食や発生による咬合等も確実に行えるようにして医
療産業に於ける歯科技術利用分野に益する優れた人工歯
根を提供せんとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段・作用】上述目的に沿い先
述特許請求の範囲を要旨とするこの出願の発明の構成
は、前述課題を解決するために、欠損された歯に対する
インプラントの人工歯根を顎骨内に埋設するに際し、人
工歯根の脚部としての顎骨内植込み部と上部の補綴物支
持部と両者の間に後者に一体的に介設され、頸部として
の粘膜貫通部とを相互にネジ結合により、一体連結2体
の分離が自在に行われるようにし、而して、当該顎骨内
植込み部に於てはその側面の表面がワイヤーカット放電
加工によって平均粗さが5μm以上の放電痕等を形成さ
れ、顎骨内への脚部の埋入に際し、確実にオセオインテ
グレーションの獲得が得られるようにし、又、リン酸カ
ルシウム系セラミック被膜を有するようにして顎骨に対
するなじみ性が良く、骨芽の発生を良好にし、又、当該
顎骨内植込み部の側面には先端部に向けて2つ以上のノ
ッチタイプの溝が刻設され、或いは、板状の突起が形成
されて良好なオセオインテグレーションの獲得がなさ
れ、咬合等の印加に際しても埋入後の脚部のぐらつき等
がないようにし、又、当該顎骨内植込み部と粘膜貫通部
との結合はネジ結合としネジ締め付けや解離に際しての
回転トルクによる回転防止のために、当該粘膜貫通部の
底部には3角以上の多角形状にして回転防止構造部とさ
れ、更に、その上部に於ては断面円形に形成することに
より水平応力に対する耐力構造部とし、又、顎骨内植込
み部と粘膜貫通部との結合は二段式のネジの二重構造に
し、該顎骨内植込み部に対する粘膜貫通部の結合に際し
てはネジの締め付け、又は、解離による回転を防止し、
確実に締め付け,解離が行われ、良好なオセオインテグ
レーション獲得と補綴物支持部が患者の臨床経過に合せ
て随時選択的に交換出来るようにし、設計通りの骨芽発
生による良好なオセオインテグレーション獲得が充分に
図れるようにした技術的手段を講じたものである。
【0016】
【実施例】次に、この出願の発明の実施例を図面に基づ
いて説明すれば以下の通りである。
【0017】尚、全図面を通じて同一態様部分には同一
符号を用いて説明するものとする。
【0018】そして、各実施例の態様において人工歯根
の材質はチタン、又はチタン合金製である。
【0019】図1〜図5に示す実施例は基本的な態様で
あり、1はこの出願の発明の要旨の中心を成すインプラ
ントとしての人工歯根であり、該人工歯根1は脚部とし
ての下部の顎骨内植込み部2と中間部の頸部としての粘
膜貫通部3、及び、これに一体の上部の頭部としての補
綴物支持部4との2分割体よりなる棒状体であり、歯肉
5内に埋設され、それぞれネジ結合により2分割体に分
離自在に一体化されるようにされるようにされている。
【0020】そして、顎骨内植込み部2は顎骨6に対し
埋入され、側部の表面全面が平均粗さ5μm以上(理想
的には当該平均粗さが15〜25μmであることが好ま
しいことが実験的に判明している。)のワイヤーカット
放電加工時の放電痕、或いは、リン酸カルシウム系セラ
ミック被膜を有している。
【0021】このように形成することにより、顎骨6に
対する埋入時以降の骨芽の良好な成長による確実なオセ
オインテグレーション獲得が短期間に良好に達成出来る
ことが実験的に分っている。
【0022】そして、該顎骨内植込み部2の中途部分か
ら先端部にかけて周方向に3本のノッチ状の溝7がワイ
ヤーカット放電加工により形成され、該溝7の中途部分
には図4,図5に示す様に、両側からオーバーハング状
のカバー8が一体的に形成されて骨芽の成長に伴う顎骨
6との強固な一体化がなされ、回転応力や水平応力や垂
直応力に対する強度を増加することが出来、又、顎骨6
に対する接触面積も増加し、初期の有効なオセオインテ
グレーションを極めて容易に獲得することが出来るよう
にされている。
【0023】尚、顎骨6との強固なオセオインテグレー
ションの獲得には該顎骨6に対して局部的応力集中のな
い構造が必要であり、当該溝7は長手方向に段階的な構
造ではなく、先端部に漸近的に集中するような形状に形
成されている。
【0024】そして、粘膜9に対する該粘膜貫通部3の
底部に於ては顎骨内植込み部2に対しての結合部10に
於て図2〜図4に示すように先端部が六角形状の臨床的
に印加される咬合圧のうちの回転応力に対する回転防止
構造部としての多角形状部11とその上部の当該咬合印
加時の水平方向の分力に対する耐力構造部としての断面
円形部12が一体的に形成され、そして、その上部には
ストレート状の粘膜貫通部本体13が形成され、更にそ
の上部にはテーパー状の補綴物支持部4の側面にはネジ
結合時における回転トルク発生に対処するための平面状
の大小の削り部7' ,7' が図2に示す様に、周方向に
6面形成されている。
【0025】そして、当該粘膜貫通部3には同心的に顎
骨内植込み部2に対する結合部10に於ける固定ネジ1
5に対するネジ孔16が刻設されている。
【0026】尚、18は補綴物としてのセメント固定形
成物である。
【0027】又、削り部7' は補綴物支持部4の上部に
対する人工歯根締め付けのための図示しないロックネジ
による回転防止のためのレンチ係合用のフラットな削り
部を兼ねているものである。
【0028】上述構成において、手術者により粘膜9に
対する切開部を介し顎骨6に予め形成しておいた埋入孔
に棒状の顎骨内植込み部2を挿入し、顎骨6内との初期
のオセオインテグレーションを獲得後、顎骨内植込み部
2に粘膜貫通部3をその結合部10によりセットされて
いる固定ネジ15を介し連結して両者を一体化する。
【0029】この時、図1に示す様に、固定ネジ15は
顎骨内植込み部2の上部と粘膜貫通部3の下端部とにネ
ジ螺合して二段的に確実に連結されるようにされている
ために、手術後の経時的な臨床的咬合印加によっても歪
んだりすることはなく、したがって、オセオインテグレ
ーション獲得を充分に保証することが出来る。
【0030】或いは、先に1回目の手術を行って粘膜9
を切開し、顎骨6に穿設した埋入孔に埋入した顎骨内植
込み部2に対し粘膜貫通部3を固定ネジ15により二段
的に螺合連結する。
【0031】この際、固定ネジ15は粘膜貫通部3と顎
骨内植込み部2との結合部10に於て二段的にネジ螺合
されるために連結は緊結状態になされ、埋入後の臨床経
過における咬合等の応力が印加されても結合部10に於
ける緩みやガタツキ等が防止される。
【0032】又、顎骨内植込み部2に於ける溝7,7,
7がその顎骨6に対する接触面積を大きくし、又、カバ
ー8,8が顎骨6に食い込むようにされるために、埋入
後の顎骨6に於ける骨芽の初期発生が良好に行われ、オ
セオインテグレーション獲得において良好に果されるこ
とになる。
【0033】このようにして頸部内植込み部2と補綴物
支持部4を一体に有する粘膜貫通部3の2分割体が一体
連結された状態で歯肉5に対する埋設が終了し、図1に
示す様に、粘膜貫通部3と補綴物支持部4にかけて補綴
物としてのセメント固定形成物18を所定にセットし、
人工歯根1の施術を終了する。
【0034】そして、摂食や発声等の際に咬合圧が印加
され、又、患者の歯ぎしり現象等が生じても、補綴物支
持部4と粘膜貫通部3と顎骨内植込み部2とが一体的に
固定ネジ15を介し強固に連結されているために緩みや
ガタツキが生ぜず、初期のオセオインテグレーションが
有効に図られる。
【0035】又、咬合圧の印加や歯ぎしり等の際に、顎
骨内植込み部2と粘膜貫通部3との結合部10に対する
回転力が印加されても六角状の回転防止構造部11によ
り回転による応力は阻止され、又、これに伴う、或い
は、独立して印加される水平力は断面円形状の耐力構造
部12により平均に応力分散がされて獲得されたオセオ
インテグレーションが確実に保持される。
【0036】又、不測にして補綴物のセメント固定形成
物18を交換等するに際し、粘膜貫通部3、顎骨内植込
み部2から取り外すような場合においても、固定ネジ1
5の取り外し,再装着等のネジ締め付けや解離が獲得さ
れたオセオインテグレーションを失うことなくスムーズ
に行われる。
【0037】そして、当該実施例においては顎骨内植込
み部2と粘膜貫通部3とが固定ネジ15を介し二段的に
強固に一体的に連結されているために手術の際の切開が
粘膜9に対する最適部位で行われることにより先述した
感染等の虞も生じない。
【0038】このようにして顎骨内植込み部2と粘膜貫
通部3が固定ネジ15による連結を介し強固に一体連結
され、しかも、ネジの締め付けや解離に際して回転トル
クの印加作用が阻止されるために、当該ネジの締め付
け、或いは、解離に際しての応力作用が阻止されるため
に、初期に良好に獲得されたオセオインテグレーション
が損われることがなく、又、顎骨内植込み部2の側面に
は溝7が周方向に形成されているために、顎骨6との接
触面積が多くなり、骨芽の初期の形成が良好に行われ、
又、該溝7は周方向に沿って均等に形成されているため
に、顎骨6の骨芽の形成が応力集中のない構造によって
安定して行われる。
【0039】又、人工歯根1は材質的にチタン、或い
は、チタン合金製であるために、施術後の臨床経過にお
いて変質することがなく、為害作用等は生じない。
【0040】そして、このことは生物学的試験や動物学
的実験や臨床試験の結果データからも充分に保証されて
いる。
【0041】そして、更に顎骨内植込み部2の表面平均
粗さ5μm以上、好ましくは15〜25μmであるよう
にワイヤーカット放電加工によって放電痕が形成され、
或いは、リン酸カルシウム系セラミック被膜を有するよ
うに形成されているために、該材質は骨成分に類似して
いることにより、顎骨6との初期のオセオインテグレー
ション獲得が極めて短期間に良好に達成出来ることが実
験的なデータからも分っている。
【0042】次に、図6に示す実施例は顎骨内植込み部
2と粘膜貫通部3とが1本の固定ネジ15' で連結一体
化され、更に、該粘膜貫通部3とその上部の補綴物支持
部4とが該固定ネジ15' に対するロック用の1本の固
定ネジ17でネジ締め固定されるようにされている態様
であり、したがって、構造が簡単で手術時の人工歯根1
' の連結状態が保持され、該粘膜貫通部3に対する補綴
物のセメントの固定形成物18の交換の際の施術がより
し易く、該施術が極めて容易であり、スムーズに行われ
るようにしたメリットを有するものである。
【0043】又、当該実施例においては顎骨内植込み部
2に対する粘膜貫通部3を連結する固定ネジ15' を当
該粘膜貫通部3に対するロック用の固定ネジ17を一種
のロックナット的に二重連結にすることにより、固定ネ
ジ15' 、即ち、顎骨内植込み部2に対する補綴物貫通
部3の緩みを確実に防止することが出来るメリットもあ
る。
【0044】そして、図7に示す実施例は補綴物のセメ
ントの固定形成物18' が異形物であるのに適合した上
部を斜切した傾斜型の粘膜貫通部3' を有するようにし
た態様であり、顎骨内植込み部2に対する粘膜貫通部3
' の連結用の固定ネジ15'に対しロック用ネジ15''
を螺合する態様であり、傾斜型の粘膜貫通施術がより更
にスムーズに行われるようにした態様である。
【0045】尚、この出願の発明の実施態様は上述各実
施例に限るものでないことは勿論であり、例えば、溝に
ついては溝とは逆に板状の突起体を一体的に設けること
等種々の態様が採用可能である。
【0046】
【発明の効果】以上、この出願の発明によれば、基本的
に在来開発されて実用化されているインプラントとして
の人工歯根のメリットをフルに生かしながら、顎骨内に
埋入する脚部としての植込み部と頸部としての粘膜貫通
部、及び、補綴物支持部を一体にして2分割体としネジ
連結を介し一体化出来るようにしたことにより、2回の
手術にも充分に適用出来、就中、粘膜の2回の切開を確
実に行うことが出来、患者によって隣接歯、対合歯によ
り臨床経過が異なる態様に対処して充分に最適な切開を
行うことが出来、したがって、切開に伴う感染をも充分
に確実に防ぐことが出来るという優れた効果が奏され
る。
【0047】そして、粘膜貫通部に対し頭部としての補
綴物支持部が一体化されていることにより、臨床経過に
伴い補綴物の交換等に際し補綴物支持部を粘膜貫通部と
共に顎骨内植込み部から簡単に取り外すことが出来るた
めに、その施術がスムーズに、且つ、容易に行われると
いう優れた効果が奏される。
【0048】又、当該補綴物支持部の顎骨内植込み部に
対するネジ締め付けや解離を行うに顎骨内植込み部の底
部に回転防止構造部を形成させたことにより、当該補綴
物支持部のネジによる締め付け,解離作用に伴って印加
される回転トルクによる顎骨内植込み部の回転を防止出
来、確実に粘膜貫通部に対する補綴物支持部の装着,固
定,解離が行われるという優れた効果が奏される。
【0049】又、顎骨内植込み部に対する粘膜貫通部の
接合部に於て1本の固定ネジにより連結したことによ
り、臨床経過時の咬合圧印加によっても緩みやガタが生
ぜず、一旦獲得された初期のオセオインテグレーション
の消失が防止され設計通りの人工歯根の機能が維持され
るという効果がある。
【0050】又、顎骨内植込み部に対する粘膜貫通部、
或いは、補綴物支持部に印加される咬合圧のうち回転ト
ルクは該粘膜貫通部の下部の三角以上の断面多角形の回
転防止構造部分により、該回転トルクによる応力印加が
生ぜず、又、多角形部の上部に断面円形の耐力構造部分
が形成されていることにより歯ぎしりや咬合力印加時の
水平応力が平均して分散されることにより、顎骨内植込
み部の顎骨に対する初期形成のオセオインテグレーショ
ンが消失されない点から、確実に該オセオインテグレー
ションの獲得状況が維持されるという優れた効果が奏さ
れる。
【0051】そして、顎骨内植込み部の側面にはその軸
方向に沿って複数の溝が形成されていることにより該溝
が顎骨内植込み部の側面の顎骨に対する接触面積を大き
くし、獲得された良好なオセオインテグレーションを充
分に維持することが出来るという優れた効果が奏され
る。
【0052】又、該溝が軸方向に沿って滑らかに形成さ
れている設計とすることにより、顎骨に対する局部的応
力集中がない効果があり、この点からも一旦獲得された
オセオインテグレーションが確実に維持されるという優
れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の1実施例の概略断面図であ
る。
【図2】粘膜貫通部の概略側面図である。
【図3】同、平面図である。
【図4】顎骨内植込み部の概略斜視図である。
【図5】図5のV −V 部分断面図である。
【図6】図1相当他の実施例の概略断面図である。
【図7】同、更に別の実施例の概略断面図である。
【符号の説明】
6 顎骨 1,1' ,1'' 人工歯根 2 脚部(顎骨内植込み部) 3 頸部(粘膜貫通部) 4 頭部(補綴物支持部) 9 粘膜 11 回転防止構造部 12 耐力構造部 15,15' ,15'',17 固定ネジ 7 溝 8 カバー 7' 受け部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】顎骨に対して埋設する下部の顎骨内植込み
    部、上部の補綴物支持部及び両者間の粘膜貫通部より成
    る人工歯根において、該補綴物支持部と粘膜貫通部とが
    一体であり該顎骨内植込み部と粘膜貫通部とが2体に分
    離自在な一体構造体であって、該顎骨内植込み部と粘膜
    貫通部との結合部の構造が顎骨内植込み部が凹状で粘膜
    貫通部が凸状で回転防止構造部及び水平応力に対する耐
    力構造部を有し、更に両者が固定ネジにより固定される
    構造であることを特徴とする人工歯根。
  2. 【請求項2】上記回転防止構造部が、上記粘膜貫通部の
    底面部にてその横断面形状が3角形以上の多角形であっ
    て、更に上記水平力に対する耐力構造部がその横断面形
    状を円形状にされていることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の人工歯根。
  3. 【請求項3】上記顎骨内植込み部の側面にはその先端に
    向けて2つ以上の溝が形成され、又は1以上の板状の突
    起が形成されていることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項又は第2項いずれか記載の人工歯根。
  4. 【請求項4】上記粘膜貫通部の補綴物支持部側にメネジ
    構造を設け、該補綴物支持部をオネジにより固定出来る
    構造を有することを特徴とする特許請求の範囲第1項乃
    至第3項いずれか記載の人工歯根。
  5. 【請求項5】上記顎骨内植込み部と粘膜貫通部との固定
    ネジ頭部が別の固定ネジで二重固定されていることを特
    徴とする特許請求の範囲第1乃至第4項いずれか記載の
    人工歯根。
  6. 【請求項6】上記顎内植込み部、粘膜貫通部及び補綴物
    支持部がチタン又はチタン合金であることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項乃至第5項いずれか記載の人工歯
    根。
  7. 【請求項7】上記顎骨内植込み部がチタン又はチタン合
    金であってその側面の表面が平均粗さ5μm以上の放電
    痕又はリン酸カルシウム系セラミック被膜を有すること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項乃至第6項いずれか
    記載の人工歯根。
  8. 【請求項8】上記粘膜貫通部の側面にネジを締め付ける
    固定時の回転トルク受け部が形成されていることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項乃至第7項いずれか記載の
    人工歯根。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013248052A (ja) * 2012-05-30 2013-12-12 Kyocera Medical Corp 歯科インプラント
JP2014168592A (ja) * 2013-03-04 2014-09-18 Akira Takebayashi デンタルインプラント、並びに、デンタルインプラントに使用するアバットメント、締結ねじ、及び弛緩防止ねじ
CN107374759A (zh) * 2017-07-19 2017-11-24 南京市口腔医院 一种种植牙稳固连接装置及方法

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