JP2013247768A - モータ搭載自動車の暖房制御装置 - Google Patents

モータ搭載自動車の暖房制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 モータ,インバータの廃熱を車室内の暖房に利用する場合に、通常のモータ駆動等で生じる廃熱の熱量不足を補って暖房用のヒータの省略または小型化が図れるようにする。
【解決手段】 複数台の走行用のモータ5を搭載し、モータ5およびインバータ装置9の両方またはいずれか一方を液冷する冷却装置12と、その冷却液の熱を車室19の暖房に用いる暖房装置18とを備えたモータ搭載自動車に適用する。暖房時に、複数台のモータ5に、互いに車輪回転方向が逆方向の付加トルク指令を暖房促進用として付加して与える暖房促進用トルク付加手段35を設ける。
【選択図】 図1

Description

この発明は、電気自動車やハイブリッド車において、モータやインバータの廃熱を車室内の暖房に利用するモータ搭載自動車の暖房制御装置に関する。
電気自動車の暖房に、エンジンの代わりに走行用のモータやインバータの廃熱を利用することが提案されている(例えば、特許文献1〜4)。廃熱は、モータやインバータを冷却する冷却装置における冷却液から得る。
特開平08−020222号公報 特開平08−020223号公報 特開平08−1200244号公報 特開2000−198347号公報
従来のモータやインバータの廃熱を車室内の暖房に利用する技術では、廃熱の熱量があまり大きくないため、低外気温時に即暖性と暖房能力が不足する問題がある。そのため、冷却液を加熱する大電気容量のヒータが必要となる。
この発明の目的は、モータ,インバータの廃熱を車室内の暖房に利用する場合に、通常のモータ駆動等で生じる廃熱の熱量不足を補って暖房用のヒータの省略または小型化が図れるモータ搭載自動車の暖房制御装置を提供することである。
この発明のモータ搭載自動車の暖房制御装置は、複数台の走行用のモータ5を搭載し、これらのモータ5を個別に制御可能であり、前記モータ5およびこのモータ5を駆動するインバータ装置9の両方またはいずれか一方を液冷する冷却装置12と、この冷却装置12の冷却液の熱を車室19の暖房に用いる暖房装置18とを備えたモータ搭載自動車において、
前記暖房装置12を用いる暖房時に、前記複数台のモータ5に、互いに車輪回転方向が逆方向の付加トルク指令を暖房促進用として付加して与える暖房促進用トルク付加手段35を設けたことを特徴とする。前記複数台のモータ5に与える互いに車輪回転方向が逆方向の付加トルク指令は、相殺される大きさであることが好ましいが、走行形態や停止時等では、必ずしも相殺される大きさでなくても良い。
この構成によると、暖房促進用トルク付加手段35により、複数台のモータ5に、互いに車輪回転方向が逆方向の付加トルク指令を暖房促進用として付加して与える。通常のモータ5の駆動を行う場合のトルク指令に、前記付加トルク指令を加えることにより、モータ5を流れる電流が増え、それだけインバータ装置9の発熱も増える。車輪回転方向が自動車の走行方向と逆となるモータ5は、発電し、回生されることになるが、その発電によって熱を発生する。これらのため、冷却装置12で回収されるモータ5やインバータ9の廃熱の熱量が増え、その冷却液の熱を利用する暖房装置18の発熱量が増える。これにより、暖房用のヒータ21の省略または小型化が図れる。付加トルク指令によってモータ5を流れる電流が大きくなるが、複数のモータ5に与える付加トルク指令は車輪回転方向が互いに逆方向の指令であるため、これら複数のモータ5の駆動力の増減が打ち消し合って、自動車の走行または停止状態に影響を与えることが回避される。
具体的には、前記自動車は、アクセル入力に応答して指令トルクを演算しこの指令トルクを各モータ5に分配して指令するモータ制御手段31を有するが、前記暖房促進用トルク付加手段35は、前記分配する指令に前記付加トルク指令を付加するものであって、前記各モータ5で駆動される各車輪の合計トルクが、前記アクセル入力から演算される前記指令トルクと一致するように前記付加トルク指令を与える。
このように、各車輪の合計トルクが、アクセル入力から演算される指令トルクと一致するように前記付加トルク指令を与えることにより、各モータ5のトルク指令値を変えても、走行や停止状態に影響することが回避される。
前記自動車は、前記モータ5の発電電力をバッテリー8に蓄電する回生ブレーキ11を有することが好ましい。
走行時に逆トルクをかけることは、回生ブレーキ11をかけながら走行することになり、余分にかけたトルクは、損失分を除いてバッテリー8に充電される。そのため、電力消費は損失分のみとなる。
前記暖房促進用トルク付加手段35は、自動で制御するようにしても良いが、所定の暖房用のスイッチ36,37がオン時のみ機能するようにしても良い。これにより、運転者の意思に応じて暖房促進用トルク付加手段35を機能させることができる。前記所定の暖房用のスイッチ36,37は、単に暖房をオンオフするスイッチであっても良く、また急速暖房の操作を行うスイッチであっても良い。
この発明において、前記冷却装置12の前記冷却液の温度を検出または推定する温度検出手段38を設け、前記暖房促進用トルク付加手段35は、前記温度検出手段38で検出された温度が設定温度よりも低いときのみ機能するようにしても良い。冷却液の温度が高い場合は、暖房に充分な廃熱が得られるか、または暖房促進用トルク付加手段35の制御による効果が効果的に発揮できない。そのため、冷却液の温度が設定温度よりも低いときのみ、暖房促進用トルク付加手段35を機能させることにより、無駄な電力消費が避けられる。
なお、前記「温度検出手段38」は、冷却液の温度を直接に検出する手段に限らず、間接的に推定する手段であっても良い。例えば、インバータ装置9のパワー素子近辺の温度やモータ5のステータ等の温度を検出し、その検出温度から冷却液の温度を推定するものであっても良い。
前記の互いに車輪回転方向が逆方向の付加トルク指令を与える形態としては、次のように各種の形態が採れる。
例えば、前記モータ搭載自動車が2台のモータ5で左右の車輪をそれぞれ駆動する2輪駆動である場合、前記暖房促進用トルク付加手段35は、自動車の直進時のみ前記付加トルク指令を付加するようにしても良い。旋回走行時は暖房促進用トルク付加手段35で左右の車輪の駆動力を、絶対値が同じトルクだけ互いに逆方向に付加した場合、自動車の旋回半径に影響する可能性があり、旋回半径に影響しないようにするには制御が複雑になる。そのため、直進時のみ前記付加トルク指令を付加するようにすることで、制御プログラムの複雑化を抑えて暖房能力向上の制御が行える。
前記モータ搭載自動車が、前後の車輪をそれぞれ駆動するモータ5を備えた4輪駆動である場合、前記暖房促進用トルク付加手段35は、前輪の駆動用のモータ5と後輪の駆動用のモータ5とに、前後の車輪の相互間で互いに逆方向となるように前記付加トルク指令を与えるものとしても良い。この場合、左右の車輪のトルクを互いに逆にする場合と異なり、逆トルクをかけることによって走行方向に影響が生じることがより確実に回避できる。
また、前記モータ搭載自動車が、前後の左右の車輪をそれぞれ個別に駆動するモータ5を備えた4輪駆動である場合、前記暖房促進用トルク付加手段35は、対角位置にある車輪を駆動するモータ5の相互間では同じ方向となり、かつ左右の車輪の相互間で逆方向になるように前記付加トルク指令を与えるものであっても良い。この場合も、走行への影響を抑えて暖房促進用トルク付加手段35による暖房能力を向上が図れる。
前記暖房促進用トルク付加手段35は、自動車の旋回走行時に、旋回の内側となる車輪に走行方向に対して逆方向となるように前記付加トルク指令を与えるものであっても良い。
走行方向に対して逆方向となるトルクを車輪に与えると、制動力が発生するため、旋回の外側となる車輪に走行方向と逆方向のトルクを与えると、旋回性が低下することがある。旋回の内側となる車輪に走行方向と逆方向のトルクを与えると、旋回半径が小さくなるため、旋回性を低下させずに、暖房能力の不足が解消できる。
この発明のモータ搭載自動車の暖房制御装置は、複数台の走行用のモータを搭載し、これらのモータを個別に制御可能であり、前記モータおよびこのモータを駆動するインバータ装置の両方またはいずれか一方を液冷する冷却装置と、この冷却装置の冷却液の熱を車室の暖房に用いる暖房装置とを備えたモータ搭載自動車において、前記暖房装置を用いる暖房時に、前記複数台のモータに、互いに車輪回転方向が逆方向の付加トルク指令を暖房促進用として付加して与える暖房促進用トルク付加手段を設けたため、モータ,インバータの廃熱を車室内の暖房に利用する場合に、通常のモータ運転等で生じる廃熱の熱量不足や即暖性の不足を補って暖房用のヒータの省略または小型化を図ることができる。
この発明の一実施形態に係るモータ搭載自動車の暖房制御装置の概念構成を示す説明図である。 (A),(B)は、それぞれ同モータ搭載自動車の停車時および走行時における暖房時のモータ駆動例を示す説明図である。 同モータ搭載自動車の旋回走行時における暖房時のモータ駆動例を示す説明図である。 (A),(B)は、それぞれこの発明の他の実施形態における同モータ搭載自動車の停車時および走行時における暖房時のモータ駆動例を示す説明図である。 同モータ搭載自動車のさらに他のモータ駆動例を示す説明図である。
この発明の一実施形態を図面と共に説明する。図1は、この暖房制御装置を備えたモータ搭載自動車の概念図である。このモータ搭載自動車は、後輪となる左右の車輪1,1がそれぞれモータ5により駆動され、前輪となる車輪2,2が転舵輪とされた2輪駆動の電気自動車である。モータ5は、車輪1を支持する車輪用軸受6と、モータ5の回転を前記車輪用軸受6のハブ兼用の回転側輪となる内輪に減速して伝達する減速機7と共に、インホイールモータ駆動装置4を構成する。各モータ5は、IPM型同期モータ等の交流モータであり、バッテリー8の電力によりインバータ装置9を介して回転駆動される。
インバータ装置9は、スイッチング素子からなる複数のパワー素子で構成されてバッテリー8の直流電力を3相の交流電力に変換するインバータ(図示せず)と、このインバータを制御する駆動制御回路(図示せず)とで構成される。この駆動制御回路は、上位制御手段となるECU(電子制御ユニット)10から与えられた各モータ5の駆動指令に応じてインバータをPWM制御等によって出力制御する。なお、インバータ装置9は、図では1つで代表して示しているが、各モータ5をそれぞれ個別に駆動制御可能なように、2台設けられ、または1台のインバータ装置9の中に、各モータ5を個別に駆動可能なように、前記インバータおよび駆動制御回路が複数設けられている。
インバータ装置9には、制動時のモータ5の発電電力をバーテリ8に充電する充電装置からなる回生ブレーキ11が設けられている。インバータ装置9は、ECU10から負の指令トルクが与えられたときは、回生ブレーキ11を機能させる。
冷却装置12につき説明する。インバータ装置9は、前記パワー素子の発熱が多く、またモータ5も発熱するため、これらインバータ装置9および各モータ5に、ジャケット形式や蛇行流路等からなる冷却流路13,14がそれぞれ設けられている。これら冷却流路13,14と、ラジエータ15と、これらの間で水等の冷却液を循環させる循環路17および循環用のポンプ16とで、液冷式の前記冷却装置12が構成される。
暖房装置18は、冷却装置12で回収されるインバータ装置9およびモータ5の廃熱を利用して車体3の車室19内を暖房する装置であり、前記循環路17にラジエータ15と並列に設けられた暖房用流路17aに、冷却液と車室19内の大気との熱交換を行う熱交換器20が設けられている。暖房用流路17aには、入口にバルブ21が設けられ、バルブ21を開いたときに、熱交換器20へ冷却液が流れる。また、前記循環路17には、インバータ装置9およびモータ5の冷却流路13,14よりも下流側に、冷却液を加熱するヒータ21が設けられている。このヒータ21は必ずしも設けなくても良い。
制御系を説明する。ECU10は、自動車全体の統括制御,協調制御を行う手段であって、マイクロコンピュータとその制御プログラム、および電子回路等で構成されている。このECU10に、前記モータ5を制御するモータ制御手段31が設けられている。モータ制御手段31は、アクセル32の踏み込み量の信号であるアクセル入力に応答して指令トルクを演算する指令トルク演算部31aと、この指令トルクを各モータ5に分配して指令する分配部31bとを有する。指令トルク演算部31aは、より詳しくは、アクセル入力の他に、ブレーキペダル等のブレーキ操作手段33の減速入力をアクセル入力に加味して前記指令トルクを演算する。前記分配部31bは、ステアリング34の操舵角入力により、左右のモータ5,5に対する前記指令トルクの分配量を計算して出力する。分配部31bから出力されたモータ別指令トルクは、インバータ9に入力され、インバータ9で各モータ5の駆動電流に変換される。
この暖房制御装置は、上記構成の暖房装置18が設けられた自動車において、その暖房装置18の発熱量が増大するようにモータ5の駆動を制御する装置であり、ECU10に暖房促進用トルク付加手段35が設けられている。この暖房促進用トルク付加手段35は、前記暖房装置18を用いる暖房時に、前記各モータ5に、互いに車輪回転方向が逆方向の付加トルク指令を暖房促進用として付加して与える手段である。
暖房促進用トルク付加手段35は、具体的には、モータ制御手段31の分配部31bから分配して出力された指令であるモータ別指令トルクに、前記付加トルク指令を付加するものであって、前記各モータ5で駆動される各車輪1,1の合計トルクが、前記アクセル入力から指令トルク演算部31aで演算される前記指令トルクと一致するように前記付加トルク指令を与える。なお、ブレーキ操作手段33からの減速入力がある場合は、前記アクセル入力と減速入力とから演算される演算される前記指令トルクと一致するように前記付加トルク指令を与える。付加トルク指令の与え方の具体例は、後に図2,3と共に説明する。
前記暖房促進用トルク付加手段35は、自動で制御するようにしても良いが、この例では所定の暖房用のスイッチ36,37がオン時のみ機能するようにしている。これにより、運転者の意思に応じて暖房促進用トルク付加手段35を機能させることができる。前記一つの所定の暖房用のスイッチ36は、暖房をオンオフするスイッチである。前記他の所定の暖房用のスイッチ37は、急速暖房の操作を行うスイッチである。この例では、急速暖房の操作用のスイッチ37がオンである場合のみ、暖房促進用トルク付加手段35を機能させるようにしているが、急速暖房の操作用のスイッチ37を設けずに、単に暖房をオンオフするスイッチ36のオン操作によって暖房促進用トルク付加手段35が機能するようにしても良い。また、スイッチ36を、オンオフ以外に暖房の程度を入力するスイッチとし、所定以上の暖房強度の入力によって、暖房促進用トルク付加手段35を機能させるようにしても良い。
また、冷却装置15の冷却液の温度を検出または推定する温度検出手段38を設け、暖房促進用トルク付加手段35は、前記温度検出手段38で検出された温度が設定温度よりも低いときのみ機能するようにしても良い。冷却液の温度が高い場合は、暖房に充分な廃熱が得られるか、または暖房促進用トルク付加手段35の制御による効果が効果的に発揮できない。そのため、冷却液の温度が設定温度よりも低いときのみ、暖房促進用トルク付加手段35を機能させることにより、無駄な電力消費が避けられる。
なお、前記温度検出手段38は、この例では、循環路17における、インバータ装置9およびモータ5の冷却流路13,14よりも下流側に設けた温度センサとしているが、冷却液の温度を直接に検出する手段に限らず、間接的に推定する手段であっても良い。例えば、インバータ装置9のパワー素子近辺の温度やモータ5のステータ等の温度を検出し、その検出温度から冷却液の温度を推定するものであっても良い。
なお、図1は後輪の2輪駆動の例であるが、前輪の2輪駆動の場合は、駆動する車輪が前輪であるか後輪であるかの他は、図1の実施形態と同様である。
また、4輪の全てを個別のモータ5で駆動する4輪駆動の場合は、モータ制御手段31の分配部31は、指令トルクを4輪に分配し、またインバータ装置9は4輪の個々のモータ5に駆動電流を与える構成とされるが、その他の構成については図1の実施形態と同様である。
前記の互いに車輪回転方向が逆方向の付加トルク指令を与える形態の各例を説明する。 図2(A)は、停車時の例である。この例では、左側の車輪1に前進方向に付加トルク指令として所定値(例えば100Nm)のトルクを発生させ、右側の車輪1に後退方向に前記所定値と絶対値が同じで逆向きのトルク(例えば−100Nm)を発生させる。これにより、自動車が停止したままで、モータ5の駆動により冷却水を温めることができる。なお、前記所定値のトルクは、自動車が移動しない範囲で適宜設計した値とする。
図2(B)は、走行時の例を示す。この例は、アクセルからのトルク指令が100Nmである場合に、左側の車輪1に付加トルク指令である100Nmを加えた合計200Nmのトルクを前進方向に発生させ、右側の車輪1に、前記付加トルク指令と同じ大きさで逆方向となる100Nmのトルクを発生させている。これにより、自動車の全体として、ドライバのアクセル32の操作による指令通りに前進方向への100Nmのトルクは維持しつつ冷却水を温めることができる。なお、この制御は、前述のように暖房のスイッチ36(または37)がオンされ、かつ冷却水の温度が不十分であるときのみ行う。
自動車が旋回走行するときは、左右の車輪1,1にトルク差がある場合には旋回性能に影響するため、上記の走行中の暖房促進用トルク付加手段35による制御は、直進時のみに行うようにしても良い。
旋回時にも暖房促進用トルク付加手段35を機能させる場合は、図3に示すように、旋回の内側となる車輪1に走行方向に対して逆方向となるように前記付加トルク指令を与える。
図4は、4輪の個々にモータ5を設けた4輪駆動車の例を示す。4輪駆動の場合は、停止時および走行時とも、左右で逆トルクをかけるのではなく、前後のトルクを逆トルクにする。
図4(A)は停車時の例であり、前輪となる車輪2,2に正の付加トルク指令(+50Nm)を与え、後輪となる車輪1,1に前輪の付加トルク指令と同じ大きさで逆向きの付加トルク指令(−50Nm)を与えている。
図4(B)は走行時の例であり、前輪となる車輪2,2に正の付加トルク指令(+50Nm)を加えて100Nmのトルク指令を与え、後輪となる車輪1,1に前輪の付加トルク指令と同じ大きさで逆向きの付加トルク指令(−50Nm)を与えている。これによりアクセルからのトルク指令(100Nm)と同じトルクが自動車の全体として発生する。
この前後のトルクを逆トルクにする制御は、4輪の個別に駆動する4輪駆動に限らず、前輪の左右2輪を駆動する1台のモータと後輪の左右2輪を駆動する他の1台のモータとを備えた2モータ型であっても適用できる。
4輪を個別に駆動する4輪駆動の場合は、図5に示すように、暖房促進用トルク付加手段35は、対角位置にある車輪1,2を駆動するモータ5の相互間では同じ方向となり、かつ左右の車輪1,1,2,2の相互間で逆方向になるように前記付加トルク指令を与えるようにしても良い。
上記のように、通常のモータ駆動を行う場合のトルク指令に、前記付加トルク指令を加えることにより、モータ5を流れる電流が増え、それだけインバータ装置9やモータ5の発熱も増える。そのため、冷却液の温度が上がり、冷却液の加熱用のヒータ21を無くしたり、小型化することが可能になる。複数のモータ5に与える付加トルク指令は車輪回転方向が互いに逆方向の指令であるため、これら複数のモータ5の駆動力の増減が打ち消し合って、自動車の走行または停止状態に影響を与えることが回避される。
車輪回転方向が自動車の走行方向と逆となるモータ5は、回生ブレーキ11をかけながら走行することになり、余分かけたトルクは、損失分を除いてバッテリー8に充電されるため、電力損失は損失分のみとなる。
なお、上記各実施形態は、主にインホイールモータ駆動装置4を備えた電気自動車に適用した例を説明したが、モータ5は車台等に設置されて駆動シャフトや等速ジョイント等の駆動伝達部品を介して車輪1,2に駆動を伝達する形式の自動車にもこの発明を適用することができる。また、電気自動車に限らず、この発明は、エンジンとモータとを搭載したハイブリッド車においても適用することができる。
1,2…車輪
3…車体
4…インホイールモータ駆動装置
5…モータ
8…バッテリー
9…インバータ装置
10…ECU
11…回生ブレーキ
12…冷却装置
13,14…冷却流路
15…ラジエータ
16…ポンプ
17…循環路
18…暖房装置
19…車室
20…熱交換器
31…モータ制御手段
32…アクセル
35…暖房促進用トルク付加手段
36,37…スイッチ
38…温度検出手段

Claims (9)

  1. 複数台の走行用のモータを搭載し、これらのモータを個別に制御可能であり、前記モータおよびこのモータを駆動するインバータ装置の両方またはいずれか一方を液冷する冷却装置と、この冷却装置の冷却液の熱を車室の暖房に用いる暖房装置とを備えたモータ搭載自動車において、
    前記暖房装置を用いる暖房時に、前記複数台のモータに、互いに車輪回転方向が逆方向の付加トルク指令を暖房促進用として付加して与える暖房促進用トルク付加手段を設けたことを特徴とするモータ搭載自動車の暖房制御装置。
  2. 請求項1において、アクセル入力に応答して指令トルクを演算しこの指令トルクを各モータに分配して指令するモータ制御手段を前記自動車に有し、前記暖房促進用トルク付加手段は、前記分配する指令に前記付加トルク指令を付加するものであって、前記各モータで駆動される各車輪の合計トルクが、前記アクセル入力から演算される前記指令トルクと一致するように前記付加トルク指令を与えるモータ搭載自動車の暖房制御装置。
  3. 請求項1または請求項2において、前記自動車は、前記モータの発電電力をバッテリーに充電する回生ブレーキを有するモータ搭載自動車の暖房制御装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記暖房促進用トルク付加手段は、所定の暖房用のスイッチがオン時のみ機能するモータ搭載自動車の暖房制御装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記冷却装置の前記冷却液の温度を検出または推定する温度検出手段を有し、前記暖房促進用トルク付加手段は、前記温度検出手段で検出または推定された温度が設定温度よりも低いときのみ機能するモータ搭載自動車の暖房制御装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記モータ搭載自動車は、2台のモータで左右の車輪をそれぞれ駆動する2輪駆動であって、前記暖房促進用トルク付加手段は、自動車の直進時のみ前記付加トルク指令を付加するモータ搭載自動車の暖房制御装置。
  7. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記モータ搭載自動車は、前後の車輪をそれぞれ駆動するモータを備えた4輪駆動であり、前記暖房促進用トルク付加手段は、前輪の駆動用のモータと後輪の駆動用のモータとに、前後の車輪の相互間で互いに逆方向となるように前記付加トルク指令を与えるモータ搭載自動車の暖房制御装置。
  8. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記モータ搭載自動車は、前後の左右の車輪をそれぞれ個別に駆動するモータを備えた4輪駆動であり、前記暖房促進用トルク付加手段は、対角位置にある車輪を駆動するモータの相互間では同じ方向となり、かつ左右の車輪の相互間で逆方向になるように前記付加トルク指令を与えるモータ搭載自動車の暖房制御装置。
  9. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記モータ搭載自動車は、自動車の旋回走行時に、旋回の内側となる車輪に走行方向に対して逆方向となるように前記付加トルク指令を与えるモータ搭載自動車の暖房制御装置。
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