JP2021014162A - 車両用冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラジエータにより冷却される高電圧機器が緊急時において通常以上の冷却容量を必要とする場合であっても、システムを冗長化させることなく簡易にその冷却容量を増大させること。【解決手段】第1ラジエータ11、ファン13、及びその間に配置される第2ラジエータ12を含むラジエータ機構10と、第1ラジエータ11で冷却される第1冷媒が循環することにより、第1グループ機器50aと熱交換を行う第1冷媒循環回路30と、第2ラジエータ12で冷却される第2冷媒が循環することにより、第2グループ機器50bと熱交換を行う第2冷媒循環回路40と、ファン13の回転方向を制御するファンモータ13mと、を備え、ファンモータ13mは、高電圧機器群50の温度に対応する温度関連情報に基づいて、ファン13の回転方向を切り替える、車両用冷却装置。【選択図】図2

Description

本発明は、車両用冷却装置に関する。
近年、環境負荷低減の観点から、トラック等の商用車の分野においても、内燃機関を備えず電動モータのみによって駆動する電動トラックの開発が行われている。このような電動車両に搭載される高電圧機器は、動作に伴う発熱を緩和するため、ラジエータにより冷却した熱媒体が循環する回路からなる車両用冷却装置によりその温度が調節される。ここで、バッテリ、インバータ、モータなどの高電圧機器は、最適な作動温度域がそれぞれ異なるため、車両用冷却装置には、複数のラジエータ及び複数の冷媒循環回路が設けられることがある(例えば特許文献1を参照)。
特開2019−47548号公報
しかしながら、このような車両用冷却装置においては、高電圧機器が通常のシステム設計上の冷却容量よりも多くの容量を必要とする場合がある。例えば、インバータのスイッチング素子等が電気的不具合により通常時よりも高温化する場合や、モータハウジング内のオイル循環経路に不具合が生じてモータ内の油量が過多となり、ロータに過負荷が生じてオーバーヒート状態となる場合等である。
特に、複数のラジエータと1つのファンとが車両長手方向に並べて配置されるシステムの場合、一方の第1ラジエータとファンとの間に配置される他方の第2ラジエータは、第1ラジエータにより熱交換した後の外気と熱交換を行うことになる。このため、第2ラジエータで通常のシステム設計上の冷却容量よりも多くの容量を必要とする場合、その冷却容量を容易に増大させることは技術的に困難である。
このような場合を考慮して、例えばラジエータごとにファンを設けてシステムを冗長化させることで通常時のシステム設計上の冷却容量を増大させることも考えられるが、これは結果としてシステムサイズの増大及びコスト上昇を招く虞が生じる。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ラジエータにより冷却される高電圧機器が緊急時において通常以上の冷却容量を必要とする場合であっても、システムを冗長化させることなく簡易にその冷却容量を増大させることができる車両用冷却装置を提供する。
本発明に係る車両用冷却装置は、車両に搭載された高電圧機器群を冷却する車両用冷却装置であって、第1ラジエータ、前記第1ラジエータに隣接して設けられるファン、及び前記第1ラジエータと前記ファンとの間に配置される第2ラジエータを含むラジエータ機構と、前記第1ラジエータで冷却される第1冷媒が循環することにより、前記高電圧機器群の中の第1グループ機器と熱交換を行う第1冷媒循環回路と、前記第2ラジエータで冷却される第2冷媒が循環することにより、前記高電圧機器群の中の第2グループ機器と熱交換を行う第2冷媒循環回路と、前記ラジエータ機構の前記ファンの回転方向を制御するファン制御部と、を備え、前記ファン制御部は、前記高電圧機器群の温度に対応する温度関連情報に基づいて、前記ファンの回転方向を切り替える。
車両用冷却装置は、第1ラジエータ、第2ラジエータ、及びファンが順に配置されるラジエータ機構において、第2冷媒を介して第2ラジエータにより冷却される第2グループ機器が通常よりも多くの冷却容量を必要とする場合に、緊急措置としてファンの回転方向を逆回転させる。これにより、第2ラジエータは、空気の流れにおいて第1ラジエータよりも上流側となることから、温風が供給されることなく冷却効率を向上させることができる。
また、このとき、ファンをラジエータごとに設ける手段やファンを大型化する手段を採ることなく、第2ラジエータの冷却効率を向上させることができる。従って、本発明に係る車両用冷却装置によれば、ラジエータにより冷却される高電圧機器が緊急時において通常以上の冷却容量を必要とする場合であっても、システムを冗長化させることなく簡易にその冷却容量を増大させることができる。
本発明に係る車両の全体構成を概略的に示す上面図である。 第1冷媒循環回路及び第2冷媒循環回路を示す構成図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下に説明する内容に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において任意に変更して実施することが可能である。また、実施の形態の説明に用いる図面は、いずれも構成部材を模式的に示すものであって、理解を深めるべく部分的な強調、拡大、縮小、または省略などを行っており、構成部材の縮尺や形状等を正確に表すものとはなっていない場合がある。
図1は、本発明に係る車両1の全体構成を概略的に示す上面図である。図1に示すように、本実施形態に係る車両1は、ラダーフレーム2、キャブ3、荷箱4、車輪機構5、駆動ユニット6、インバータ7、バッテリ8、DC−DCコンバータ9、ラジエータ機構10、及びVCU20を備える電動トラックである。尚、図1では、車両1の上面からキャブ3及び荷箱4を透過するように見た場合の上面図として表している。また、車両1は、上記の構成の他、図1では図示を省略する第1冷媒循環回路30及び第2冷媒循環回路40を備える。
本実施形態において、車両1は、走行用駆動源として電動機(後述するモータ6a)を備える電気自動車として想定されているが、エンジンを更に備えるハイブリッド自動車であってもよい。また、車両1は電動トラックに限定されることなく、電動塵芥車などの他の商用車であってもよい。
ラダーフレーム2は、サイドレール2aと複数のクロスメンバ2bとを有する。また、サイドレール2aは、車両1の車両長手方向Xに沿って延在し、互いに車幅方向Yに平行に配置される左サイドレール2L及び右サイドレール2Rからなる。複数のクロスメンバ2bは、左サイドレール2Lと右サイドレール2Rとを連結している。すなわち、ラダーフレーム2は、いわゆる梯子型フレームを構成している。そして、ラダーフレーム2は、キャブ3、荷箱4、駆動ユニット6、インバータ7、バッテリ8、及び車両1に搭載されるその他の重量物を支持する。
キャブ3は、図示しない運転席を含む構造体であり、ラダーフレーム2の前部上方に設けられている。一方、荷箱4は、車両1によって搬送される荷物等が積載される構造体であり、ラダーフレーム2の後部上方に設けられている。
車輪機構5は、本実施形態においては、車両前方に位置する左右の前輪5a、二つの前輪5aの車軸としてのフロントアクスル5b、車両後方に位置し且つ左右に各二つ配置された後輪5c、及び後輪5cの車軸としてのリアアクスル5dから構成される。そして、本実施形態に係る車両1においては、後輪5cが駆動輪として機能するように駆動力が伝達され、車両1が走行することになる。尚、車輪機構5は、図示しないサスペンション機構を介してラダーフレーム2に懸架され、車両1の重量を支持する。
駆動ユニット6は、モータ6a、減速機構6b、及び差動機構6cを有する。モータ6aは、後述するインバータ7から交流電力が供給されることにより、車両1の走行に必要な駆動力を発生させる。減速機構6bは、図示しない複数のギアを含み、モータ6aから入力される回転トルクを減速して差動機構6cに出力する。差動機構6cは、減速機構6bから入力される動力を左右の後輪5cに対して振り分ける。すなわち、駆動ユニット6は、減速機構6b及び差動機構6cを介して、モータ6aの駆動トルクを車両の走行に適した回転速度に減速してリアアクスル5dに駆動力を伝達する。これにより駆動ユニット6は、リアアクスル5dを介して後輪5cを回転させて車両1を走行させることができる。また、モータ6aは、車両1を減速させる場合の補助ブレーキとして、回生制動を行うことができる。
インバータ7は、バッテリ8から供給される直流電力を交流電力に変換してモータ6aへ供給し、車両1に対するアクセル操作に応じてモータ6aの回転速度を制御する。
バッテリ8は、車両1を走行させるためのエネルギー源としてモータ6aに電力を供給する二次電池である。バッテリ8は、車両1に必要とされる電力を蓄えるために比較的大型で大容量のバッテリモジュール(図示せず)を内部に複数備える。また、バッテリ8は、複数の電動補機とそれらに電力を供給する配電ユニットとが車両1に搭載されている場合には(いずれも図示せず)、当該配電ユニットにも電力を供給できるよう構成されていてもよい。更に、バッテリ8は、車両1の制動時にモータ6aが回生制御を行うことにより、当該回生制御により発電される回生電力で充電される。
DC−DCコンバータ9は、バッテリ8から出力される比較的高圧の電力を降圧して、車両1に搭載される低圧機器に電力を供給するための電力変換装置である。
ラジエータ機構10は、本実施形態においては、詳細を後述する第1冷媒循環回路30及び第2冷媒循環回路40を循環するそれぞれの冷媒を冷却するための空冷装置である。本実施形態におけるラジエータ機構10は、第1ラジエータ11、第1ラジエータ11に隣接して設けられるファン13、及び第1ラジエータ11とファン13との間に配置される第2ラジエータ12を含む。
VCU20は、入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM、RAMなど)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタなど(いずれも図示せず)を備え、車両1に搭載される各種コンポーネントの状態監視及び制御を行うことによって車両1の全体を統括制御するための車両制御ユニット(Vehicle Control Unit)である。
図2は、第1冷媒循環回路30及び第2冷媒循環回路40を示す構成図である。第1冷媒循環回路30及び第2冷媒循環回路40からなる冷却機構は、車両1に搭載される高電圧機器群50に冷媒を循環させることで冷却する。尚、図2においては、VCU20と各構成要素との情報の授受を破線で表している。本実施形態においては、ラジエータ機構10、VCU20、第1冷媒循環回路30、及び第2冷媒循環回路40により「車両用冷却装置」が構成される。
ここで、ラジエータ機構10のファン13は、「ファン制御部」としてのファンモータ13mの動力で回転して外気を取り込むことで、当該外気の流路上に設けられた第1ラジエータ11及び第2ラジエータ12を空冷し、それぞれを経由する冷媒を空冷することができる。
第1冷媒循環回路30は、本実施形態においては、高電圧機器群50の中の第1グループ機器50aとして分類されるバッテリ8及びDC−DCコンバータ9に対して、第1ラジエータ11で冷却される第1冷媒を循環させることにより、当該第1グループ機器50aを冷却する。
より具体的には、第1冷媒循環回路30における第1冷媒は、第1ラジエータ11で冷却された後、第1ポンプ31によりバッテリ8及びDC−DCコンバータ9に供給される。このとき、第1冷媒は、第1グループ機器50aとの熱交換により温度が上昇する。そして、第1冷媒は、第1水温センサ32により温度が測定された後、第1ラジエータ11において再び冷却される。尚、第1冷媒循環回路30において第1冷媒が各構成要素を循環する順序は、これに限定されることなく種々の態様を採ることができる。
第2冷媒循環回路40は、本実施形態においては、高電圧機器群50の中の第2グループ機器50bとして分類されるインバータ7及びモータ6aに対して、第2ラジエータ12で冷却される第2冷媒を循環させることにより、当該第2グループ機器50bを冷却する。
より具体的には、第2冷媒循環回路40における第2冷媒は、第2ラジエータ12で冷却された後、第2ポンプ41によりインバータ7及びモータ6aに供給される。このとき、第2冷媒は、第2グループ機器50bとの熱交換により温度が上昇する。そして、第2冷媒は、第2水温センサ42により温度が測定された後、第2ラジエータ12において再び冷却される。尚、第2冷媒循環回路40において第2冷媒が各構成要素を循環する順序は、これに限定されることなく種々の態様を採ることができる。
ここで、第1冷媒及び第2冷媒は、例えば水であってもよく、又は公知の不凍液であってもよい。また、第1冷媒循環回路30及び第2冷媒循環回路40は、例えばバッテリ8を昇温させるPTCヒータや、冷媒の循環制御を行うためのバルブ等の図示しない構成を別途備えてもよい。
そして、当該冷却機構においては、高電圧機器群50に対する冷却制御の要否判断及びその実行がVCU20において管理される。
より具体的には、VCU20は、高電圧機器群50の温度がそれぞれの作動域内となるように、ファンモータ13mを介してファン13の回転数を制御すると共に、第1ポンプ31及び第2ポンプ41を介して第1流体及び第2流体のそれぞれの流量を制御する。
このとき、VCU20は、高電圧機器群50のそれぞれの温度に対応する温度関連情報を取得することにより、高電圧機器群50に対する冷却制御の要否を判断する。ここで、温度関連情報とは、本実施形態においては、第1水温センサ32により取得される第1冷媒の温度情報、及び第2水温センサ42により取得される第2冷媒の温度情報である。ただし、温度関連情報は、高電圧機器群50のそれぞれに温度センサが設けられている場合には、当該温度センサを介して測定される個々の機器温度であってもよい。
ところで、本実施形態のように、第1ラジエータ11、第2ラジエータ12、及びファン13が車両長手方向Xに沿って並べて配置されるラジエータ機構10では、ファン13により取り込まれる外気の流路において、第2ラジエータ12が第1ラジエータ11の下流側となる。このため、第2ラジエータ12は、第1ラジエータ11との熱交換により温度が上昇した後の外気が供給されるため、第1ラジエータ11と比較して冷却容量が相対的に低下することになる。
そのため、第2グループ機器50bにおけるインバータ7やモータ6aが、何らかの不具合により通常のシステム設計上の冷却容量よりも多くの容量を必要とする場合には、上記した通常の冷却動作で対応できない虞が生じる。
そこで、本発明においては、ラジエータ機構10のファンモータ13mを介してファン13の回転方向を切り替えることができる構成とし、上記のように第2グループ機器50bに対する冷却容量が不足する場合には、緊急措置としてファン13を通常の回転方向に対して逆回転させる。すなわち、ファンモータ13mは、高電圧機器群50の温度に対応する上記の温度関連情報に基づいて、ファン13の回転方向を切り替える。
これにより、逆回転したファン13による気流は、第2ラジエータ12及び第1ラジエータ11を介して車両1の外部に排出される。すなわち、この場合には、第2ラジエータ12は、第1ラジエータ11よりも上流側となり、供給される空気の温度が第1ラジエータ11により影響されないため、冷却容量が改善されることになる。
以上のように、本発明に係る車両用冷却装置は、第1ラジエータ11、第2ラジエータ12、及びファン13が順に配置されるラジエータ機構10において、第2冷媒を介して第2ラジエータ12により冷却される第2グループ機器60bが通常よりも多くの冷却容量を必要とする場合に、緊急措置としてファン13の回転方向を逆回転に制御する。これにより、第2ラジエータ12は、空気の流れにおいて第1ラジエータ11よりも上流側となることから、温風が供給されることなく冷却効率を向上させることができる。
また、このとき、ファン13をラジエータごとに設ける手段やファン13を大型化する手段を採ることなく、第2ラジエータ12の冷却効率を向上させることができる。従って、本発明に係る車両用冷却装置によれば、高電圧機器が緊急時において通常以上の冷却容量を必要とする場合であっても、システムを冗長化させることなく簡易にその冷却容量を増大させることができる。
1 車両
10 ラジエータ機構
11 第1ラジエータ
12 第2ラジエータ
13 ファン
13m ファンモータ
30 第1冷媒循環回路
40 第2冷媒循環回路
50 高電圧機器群
50a 第1グループ機器
50b 第2グループ機器

Claims (1)

  1. 車両に搭載された高電圧機器群を冷却する車両用冷却装置であって、
    第1ラジエータ、前記第1ラジエータに隣接して設けられるファン、及び前記第1ラジエータと前記ファンとの間に配置される第2ラジエータを含むラジエータ機構と、
    前記第1ラジエータで冷却される第1冷媒が循環することにより、前記高電圧機器群の中の第1グループ機器と熱交換を行う第1冷媒循環回路と、
    前記第2ラジエータで冷却される第2冷媒が循環することにより、前記高電圧機器群の中の第2グループ機器と熱交換を行う第2冷媒循環回路と、
    前記ラジエータ機構の前記ファンの回転方向を制御するファン制御部と、を備え、
    前記ファン制御部は、前記高電圧機器群の温度に対応する温度関連情報に基づいて、前記ファンの回転方向を切り替える、車両用冷却装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20230032949A1 (en) * 2021-08-02 2023-02-02 Dana Automotive Systems Group, Llc Systems and methods for an electrified vehicle

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