JP5446781B2 - 左右独立駆動車両の駆動ユニット冷却装置 - Google Patents

左右独立駆動車両の駆動ユニット冷却装置 Download PDF

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Description

この発明は、複数の車輪のそれぞれを互いに独立して駆動できる車両、特に前後左右の車輪のそれぞれを独立して駆動することのできる車両において、それらの車輪の駆動ユニットを冷却する装置に関するものである。
この種の車両の一例として前後左右の四輪のそれぞれに対応させてモータを配置し、それらの車輪を個別に駆動できるように構成されたいわゆるインホイールモータ車が知られている。それらの各モータは、基本的には同一仕様とするのが一般的であって、このような構成とすれば一括して制御することができる。特許文献1には、インホイールモータ車に関し、制御性や車両の安全性あるいはフェールセーフの確立などを目的とした発明が記載されている。すなわち、特許文献1には、前後および左右が互いに反対側にある車輪(言い換えれば対角線上に配置されている車輪)のモータ同士をパワーバスによって接続することにより、2系統の電力系統を設け、それぞれの電力系統毎に蓄電装置を設けるとともに、DC/DCコンバータやリレーなどからなる電力切替供給手段によってそれら二つの電力系統を接続した構成の発明が記載されている。
また、電気車の制御装置が特許文献2に記載されており、その電気車の制御装置は、構成の小型化と低コスト化とを目的とするものであって、四つの電動機を二つずつに区分し、その二つの電動機に対して一つのインバータユニットおよび冷却ユニットが設けられている。さらに、この種のモータを冷却するための装置が特許文献3に記載されている。この特許文献3に記載された車両では、各車輪毎のインホイールモータはオイルポンプを内蔵しており、そのオイルポンプで加圧したオイルをモータに供給してその冷却を行うように構成されている。なお、特許文献4には、モータおよびインバータを冷却液によって冷却するように構成された装置が記載されている。
特開2001−333508号公報 特開2009−72049号公報 特開2008−195233号公報 特開2008−256313号公報
車両が走行している場合、車輪には駆動トルクや制動トルクが作用し、また旋回時に横力が作用し、さらには路面の凹凸などによって更に複雑に荷重が作用する。車両が安定して走行するためには、これらの複雑なトルク変化に対応した駆動トルクや制動トルクの制御を行うことが望まれる。上記の特許文献1に記載された装置は、いわゆる対角線上に位置する一対の車輪の駆動トルクあるいは制動トルクを個別に制御できるので、制御性が向上し、また走行状態に適したトルク制御が可能になる。それらのモータあるいはその制御のための電力系統は、不可避的に発熱するから冷却する必要があり、また各モータの負荷あるいはトルク配分比は同一ではなく偏りがあるから、冷却の必要性(あるいは冷却負荷)が異なる。一方、いずれか一つのモータでも冷却が不足すると、車両全体としての安定した走行が難しくなる可能性があるから、負荷の大きいモータに対応して全体の冷却を行うとした場合、冷却装置が大型化したり、冷却効率が低下することが考えられる。これを避けるために、冷却装置の能力に合わせてモータの出力を制御するとすれば、車両の走行性能が損なわれる。
一方、特許文献2に記載されている構成とした場合、四つの電動機のうち二つずつの電動機に対して冷却ユニットを設けているので、電動機についてのより細かい冷却制御が可能になる。しかしながら、四つの電動機のうち組み合わされる二つの電動機が特定されていないので、車両の走行状態に応じた電動機のトルクもしくは負荷を的確に反映した冷却制御を行う点では不十分であり、装置の小型化やエネルギ効率の向上を図る点では未だ改善の余地がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、左右の車輪を独立して駆動する駆動ユニットの冷却性能を損なうことなく、しかも全体としての構成を小型化できる駆動ユニット冷却装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、前後左右の四つの車輪のそれぞれを互いに独立して駆動することのできる駆動ユニットを備えた左右独立駆動車両の駆動ユニット冷却装置において、前記駆動ユニットは、左前輪と左後輪とをそれぞれ独立して駆動することのできる第1駆動ユニットと、右前輪と右後輪とをそれぞれ独立して駆動することのできる第2駆動ユニットとから構成され、前記第1駆動ユニットから熱を奪って第1駆動ユニットを冷却する第1冷却器と、前記第2駆動ユニットから熱を奪って第2駆動ユニットを冷却する第2冷却器とを備えており、前記第1冷却器および第2冷却器は、冷却媒体を前記各駆動ユニットと放熱部との間で循環流動させるように構成され、その冷却媒体を前記第1冷却器と第2冷却器との間で相互に流通させるように各冷却器を連通させ、またその連通を解除する連通切替機構が更に設けられており、前記各駆動ユニットは、前記車輪毎に設けられたモータと、そのモータの電流もしくは電圧を制御するコントローラとを備え、前記連通切替機構は、前記第1駆動ユニットにおけるコントローラに対して入力される電力と、前記第2駆動ユニットにおけるコントローラに対して入力される電力との差が予め定めた所定値以上の場合に前記各冷却器を連通させ、前記電力の差が前記所定値より小さい場合に前記各冷却器の連通を解除して各冷却器を相互に遮断するように構成されていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、前後左右の四つの車輪のそれぞれを互いに独立して駆動することのできる駆動ユニットを備えた左右独立駆動車両の駆動ユニット冷却装置において、
前記駆動ユニットは、左前輪と左後輪とをそれぞれ独立して駆動することのできる第1駆動ユニットと、右前輪と右後輪とをそれぞれ独立して駆動することのできる第2駆動ユニットとから構成され、前記第1駆動ユニットから熱を奪って第1駆動ユニットを冷却する第1冷却器と、前記第2駆動ユニットから熱を奪って第2駆動ユニットを冷却する第2冷却器とを備えており、前記第1冷却器および第2冷却器は、冷却媒体を前記各駆動ユニットと放熱部との間で循環流動させるように構成され、その冷却媒体を前記第1冷却器と第2冷却器との間で相互に流通させるように各冷却器を連通させ、またその連通を解除する連通切替機構が更に設けられており、前記連通切替機構は、前記各駆動ユニットの温度差が予め定めた基準温度以上の場合もしくは前記放熱部からの放熱に異常がある場合に前記各冷却器を連通させ、前記各駆動ユニットの温度差が予め定めた基準温度より低い場合および前記放熱部からの放熱に異常がない場合に前記各冷却器の連通を解除して各冷却器を相互に遮断するように構成されていることを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記車両は、いずれかの駆動ユニットの異常によっていずれかの車輪の駆動トルクを制御できなくなった場合、該いずれかの車輪に対して車両の幅方向で対をなす他の車輪の駆動トルクを、前記車両の駆動のときには低減させるように構成されていることを特徴とする左右独立駆動車両の駆動ユニット冷却装置である。
請求項4の発明は、請求項1または2の発明において、前記車両は、いずれかの駆動ユニットの異常によっていずれかの車輪制動トルクを制御できなくなった場合、該いずれかの車輪に対して車両の幅方向で対をなす他の車輪の制動トルクを、前記車両の緩制動のときには急制動の制動トルクよりも相対的に低減させ、前記車両の急制動のときには緩制動の制動トルクよりも相対的に増加させるように構成されていることを特徴とする左右独立駆動車両の駆動ユニット冷却装置である。
請求項1の発明によれば、車両がほぼ直線的に走行している場合、前二輪でのトルク配分が後二輪でのトルク配分と等しくなり、あるいは前後いずれか一方の二輪のトルク配分が他方の二輪でのトルク配分より大きくなるから、結局、各駆動ユニットにおける一方の車輪と他方の車輪とのトルク配分比は、共に等しくなるか、いずれか一方が小さくなるかのいずれかであり、直線的に走行している場合には両方の車輪のトルク配分比が共に大きくなることはない。各冷却器は、トルク配分比がこのようになる車輪を制御する駆動ユニットを冷却するものであるから、各冷却器に対する冷却負荷が平準化され、その結果、各冷却器を特に大容量もしくは大型化する必要がなく、装置の全体としての構成を、冷却性能を損なうことなく小型化することができる
また、この発明によれば、いずれか一輪がスタックして一方の駆動ユニットの負荷が増大し、それに伴って発熱量が増大するなど、左右いずれか一方の冷却器に対する冷却負荷が増大した場合に、連通切替機構によって各冷却器を連通させて冷却媒体を一方の冷却器から他方の冷却器に流通させることができる。そのため、一方の冷却器に対する冷却負荷の一部を他方の冷却器で受け持たせることができる。すなわち、いずれか一方の冷却器に対する冷却負荷が増大してもその冷却器の冷却容量を特には増大させることなく必要な冷却を行うことができるので、この点においても装置の全体としての構成を、冷却性能を損なうことなく小型化することができる。
また、この発明によれば、いずれか一方の駆動ユニットに供給する電力が他方の駆動ユニットに供給する電力より増大して両者の電力差が大きくなった場合、各冷却器が連通されて冷却負荷が大きくなる一方の冷却器を他方の冷却器が補完することになり、その結果、いずれか一方のみの冷却器に対する冷却負荷が増大する事態を未然に回避もしくは抑制することができる。そのため、装置の全体としての構成を、冷却性能を損なうことなく小型化することができる。
請求項2の発明によれば、車両がほぼ直線的に走行している場合、前二輪でのトルク配分が後二輪でのトルク配分と等しくなり、あるいは前後いずれか一方の二輪のトルク配分が他方の二輪でのトルク配分より大きくなるから、結局、各駆動ユニットにおける一方の車輪と他方の車輪とのトルク配分比は、共に等しくなるか、いずれか一方が小さくなるかのいずれかであり、直線的に走行している場合には両方の車輪のトルク配分比が共に大きくなることはない。各冷却器は、トルク配分比がこのようになる車輪を制御する駆動ユニットを冷却するものであるから、各冷却器に対する冷却負荷が平準化され、その結果、各冷却器を特に大容量もしくは大型化する必要がなく、装置の全体としての構成を、冷却性能を損なうことなく小型化することができる。
また、この発明によれば、いずれか一輪がスタックして一方の駆動ユニットの負荷が増大し、それに伴って発熱量が増大するなど、左右いずれか一方の冷却器に対する冷却負荷が増大した場合に、連通切替機構によって各冷却器を連通させて冷却媒体を一方の冷却器から他方の冷却器に流通させることができる。そのため、一方の冷却器に対する冷却負荷の一部を他方の冷却器で受け持たせることができる。すなわち、いずれか一方の冷却器に対する冷却負荷が増大してもその冷却器の冷却容量を特には増大させることなく必要な冷却を行うことができるので、この点においても装置の全体としての構成を、冷却性能を損なうことなく小型化することができる。
また、この発明によれば、各冷却器に対する冷却負荷に偏りが生じたり、その可能性が高くなった場合に、各冷却器が連通されて冷却負荷が大きくなる一方の冷却器を他方の冷却器が補完することになり、その結果、いずれか一方のみの冷却器に対する冷却負荷が増大する事態を未然に回避もしくは抑制することができる。そのため、装置の全体としての構成を、冷却性能を損なうことなく小型化することができる。
請求項3の発明によれば、いずれかの車輪の駆動トルクを制御できない異常が生じた場合、その車輪に対して左右方向で対となる車輪、すなわち左右の前輪もしくは左右の後輪の一方の駆動トルクを他方に合わせるように制御され、その結果、車両の挙動を安定させることができる。
請求項4の発明によれば、いずれかの車輪の制動トルクを制御できない異常が生じた場合、その車輪に対して左右方向で対となる車輪、すなわち左右の前輪もしくは左右の後輪の一方の制動トルクを他方に合わせるように制御され、その結果、車両の挙動を安定させることができる。
この発明の具体的な一例を模式的に示すブロック図である。 各モータの負荷の大小関係を加速時および減速時についてまとめて示す図表である。 この発明の具体的な他の例を模式的に示すブロック図である。 右前輪のモータのトルクを制御できなくなった場合のトルク配分比を示すブロック図である。 右前輪のモータのトルクを制御できなくなった場合のトルク配分比を示すブロック図であって、(a)は直進加速時、(b)は緩制動時、(c)は急制動時の状態を示している。 連通切替機構としての開閉弁を設けたこの発明の具体例を模式的に示すブロック図である。 その開閉弁の制御例を説明するためのフローチャートである。 オイルポンプを冷却器として用いた例を示すブロック図である。
つぎに、この発明をより具体的に説明する。この発明で対象とする左右独立駆動車両は、左右の前輪および後輪などの各車輪における駆動力や制動力を互いに独立して制御できる車両であり、それらの車輪に対応して駆動力源が設けられている車両がその典型的な例である。なお、その車両は四輪以上の車輪を備えていてもよく、その場合、少なくとも前後左右の四輪を個別にかつ互いに独立して駆動できるように構成されていればよい。その駆動力源は、何らかのエネルギによってトルクを発生する動力装置であればよく、制御性や車載性などの要請からモータが最も一般的である。モータを各車輪毎の駆動力源として用いる場合、要は、前後左右の四輪のそれぞれに対応してモータが設けられ、各モータでそれぞれ一つの車輪を駆動するようになっていればよい。したがってモータを設ける位置やモータと車輪との間の伝動機構は必要に応じて種々の構成のものを採用すればよい。
いわゆるインホイールモータと称される左右独立駆動形式は、タイヤが取り付けられているホイールにトラクションモータを組み込んだ駆動形式であり、この発明を適用することのできる車両の一例である。これを模式的に示すと図1のとおりであり、前後左右の四輪FL,FR,RL,RRを備えており、これらの各車輪FL,FR,RL,RRのそれぞれに走行用のトラクションモータ(以下、単にモータと記す)MFL,MFR,MRL,MRRが設けられている。それらのモータMFL,MFR,MRL,MRRは、トルクを発生して車輪FL,FR,FL,RRを回転させるいわゆるモータとしての機能と、車両の走行慣性力によって強制的に回転させられて電力を発生する発電機としての機能とを備えたものが好ましい。したがって、モータMFL,MFR,MRL,MRRとしては、永久磁石式交流同期電動機を採用することができる。なお、前二輪FL,FRを操舵するための操舵装置、各車輪FL,FR,RL,RRの制動を行うためのブレーキ装置など、走行のために通常の車両に装備されている各種の機器(それぞれ図示せず)は、図1に示す車両においても同様に設けられている。
図1に示す例では、これらの車輪FL,FR,FL,RRおよびモータMFL,MFR,MRL,MRRは二組に分けられており、具体的には、左前輪FLおよびそのモータMFLと左後輪RLおよびそのモータMRLとが、一方の一組となり、右前輪FRおよびそのモータMFRと右後輪RRおよびそのモータMRRとが、他方の一組となっている。すなわち左側の前後二輪およびそれらの駆動系統と、右側の前後二輪およびそれらの駆動系統とが、それぞれ一つの組を構成している。ここで、「組」とは、コントローラおよび冷却器を共通にしていることを意味しており、したがって上記の各組毎にコントローラINV1 ,INV2 が設けられている。すなわち、第1のコントローラINV1 は、左前輪FLのモータMFLおよび左後輪RLのモータMRLを制御し、また第2のコントローラINV2 は右前輪FRのモータMFRおよび右後輪RRのモータMRRを制御するように構成されている。
これらのコントローラINV1 ,INV2 は、バッテリーなどの蓄電装置BATに電気的に接続されている。したがって、各コントローラINV1 ,INV2 は、蓄電装置BATの電力を利用して各モータMFL,MFR,MRL,MRRを駆動し、また各モータMFL,MFR,MRL,MRRで発生した電力を蓄電装置BATに充電する制御を行うように構成されている。各モータMFL,MFR,MRL,MRRが上記のように永久磁石式交流同期電動機によって構成されている場合には、各コントローラINV1 ,INV2 はインバータを主体として構成される。
上記の第1のコントローラINV1 およびこれによって制御される左前輪FLのモータMFLならびに左後輪RLのモータMRLが第1の駆動ユニットDU1を構成し、また第2のコントローラINV2 およびこれによって制御される右前輪FRのモータMFRならびに右後輪RRのモータMRRが第2の駆動ユニットDU2を構成している。そして、各モータMFL,MFR,MRL,MRRの動作が温度によって制限されないようにするために、各駆動ユニットDU1,DU2を冷却するように構成されている。具体的には、第1の駆動ユニットDU1を冷却する第1冷却器CS1と第2の駆動ユニットDU2を冷却する第2冷却器CS2とが設けられている。言い換えれば、左側に位置する一対のモータおよびそのコントローラを一組とするとともに、右側に位置する一対のモータおよびそのコントローラを一組とし、それぞれの組毎に冷却器CS1,CS2が設けられ、各組毎に冷却を行うように構成されている。
これらの冷却器CS1,CS2は、コントローラ(インバータ)INV1 ,INV2 および/またはモータMFL,MFR,MRL,MRRから熱を奪って外部に放出することにより各駆動ユニットDU1,DU2を冷却するように構成されており、例えば冷却風を吹き付ける強制空冷式の冷却器や、潤滑油や適宜の冷却液によって熱を奪う形式の冷却器などを採用することができる。図1には、潤滑油あるいは適宜の冷却液によって熱を奪い、その熱を熱交換器(ラジエータ)Rd1,Rd2によって外気に放出するように構成された冷却器CS1,CS2を示してある。すなわち、左前輪FLのモータMFLおよび左後輪RLのモータMRLの熱やこれらのモータMFL,MRLを制御するコントローラINV1 の熱を第1冷却器CS1から大気に対して放出し、また右前輪FRのモータMFRおよび右後輪RRのモータMRRの熱やこれらのモータMFR,MRRを制御するコントローラINV2 の熱を第2冷却器CS2から大気に対して放出することにより各駆動ユニットDU1,DU2を冷却するように構成されている。
上記のように構成された車両では、各モータMFL,MFR,MRL,MRRがトルクを出力することにより走行し、また減速時には各モータMFL,MFR,MRL,MRRを発電機として機能させ、発電に伴う反力トルクを制動力として機能させ、さらに旋回走行時には、外輪側のモータの出力トルクを内輪側のモータの出力トルクに対して相対的に大きいトルクとして旋回を補助する。これらいずれの場合であっても各モータMFL,MFR,MRL,MRRのコイルに電流が流れるので不可避的に発熱し、また潤滑油の撹拌あるいは剪断によって発熱し、さらには各コントローラINV1 ,INV2 では電気的な制御に伴って発熱する。それらの発熱量は、各モータMFL,MFR,MRL,MRRあるいはコントローラINV1 ,INV2 の負荷(もしくは負荷率)に応じた量になる。そして、その熱は、冷却器CS1,CS2によって大気に放散させられ、各駆動ユニットDU1,DU2は予め定めた温度以上にならないように冷却される。
各冷却器CS1,CS2は車両の左右いずれかの片側に位置する二つのモータMFL,MRL(もしくはMFR,MRR)で発生する熱あるいはその制御によってコントローラINV1 (もしくはINV2 )で発生する熱を奪ってその冷却を行うことになるが、直線的に走行している状態では、各冷却器CS1,CS2が対象とする二つのモータMFL,MRL(もしくはMFR,MRR)の一方の負荷が大きい場合に、他方の負荷が小さくなるので、各冷却器CS1,CS2はこれら二つのモータの負荷の平均値の二倍もしくはそれに近い負荷に対応した冷却能力を備えたものであればよく、前二輪もしくは後二輪のモータを1台の冷却器で冷却する場合に比較して、冷却器を小容量化あるいは小型化することができる。
これを具体的に説明すると、図2は前進走行している状態での加減速時における各モータMFL,MFR,MRL,MRRの負荷の相対的な大小をまとめて示す図表であり、加速時には後輪RL,RRの駆動トルクを前輪FL,FRの駆動トルクより相対的に大きくする。したがって、第1駆動ユニットDU1および第2駆動ユニットDU2での二つのモータのうち、一方のモータの駆動トルクもしくは負荷が大きく、かつ他方のモータの駆動トルク負荷が小さくなる。減速時は、加速時とは反対に、前輪FL,FRでの制動トルクを後輪RL,RRでの制動トルクより相対的に大きくする。各駆動ユニットDU1,DU2における一方のモータは前輪側のモータであり、他方のモータは後輪側のモータであるから、結局、加速時と同様に、第1駆動ユニットDU1および第2駆動ユニットDU2での二つのモータのうち、一方のモータの駆動トルクもしくは負荷が大きく、かつ他方のモータの駆動トルクもしくは負荷が小さくなる。
このようにこの発明に係る構成では、各冷却器CS1,CS2で対象とする二つのモータの一方の負荷が大きい場合には他方のモータの負荷が相対的に小さくなるから、これらの負荷の平均値を二倍にした程度の負荷に対応する冷却能力を備えた冷却器CS1,CS2でよく、各冷却器CS1,CS2を小型化することができる。
なお、この発明に係る駆動ユニット冷却装置は、左前輪FLと左後輪RLとの駆動ユニットを一つの冷却器で冷却し、右前輪FRと右後輪RRとの駆動ユニットを他の一つの冷却器で冷却するように構成されていればよいのであり、したがって二つのモータを一つのコントローラで制御するように構成した車両だけでなく、各モータMFL,MFR,MRL,MRR毎にコントローラを設け、それらのモータMFL,MFR,MRL,MRRおよびコントローラを前述したように二組に分け、各組毎に冷却器を設けてもよい。その例を図3に示してあり、第1のコントローラINV1 は左前輪FLのモータMFLを制御するように構成され、また第2のコントローラINV2 は右前輪FRのモータMFRを制御するように構成され、これに加えて左後輪RLのモータMRLを制御する第3のコントローラINV3 と、右後輪RRのモータMRRを制御する第4のコントローラINV4 とが設けられている。そして、第1冷却器CS1は、左前輪FLと左後輪RLとのモータMFL,MRLおよび/またはコントローラINV1 ,INV3 を冷却するように構成され、また第2冷却器CS2は、右前輪FRと右後輪RRとのモータMFR,MRRおよび/またはコントローラINV2 ,INV4 を冷却するように構成されている。
このように構成した場合であっても、各冷却器CS1,CS2で対象とする駆動ユニットDU1,DU2における二つのモータは、一方の負荷が大きい場合に他方の負荷が小さくなる関係になっているから、上述した具体例と同様に、各冷却器CS1,CS2の冷却負荷が平準化され、その小型化を図ることができる。
上述したように各車輪FL,RL,FR,RRを個別に駆動し、また回生制動するように構成された車両では、いずれかの車輪でのトルクを制御できない事態が生じると、車両の挙動を従前の状態に維持するためには他の車輪でのトルク(もしくはトルク配分)を変化させることになる。その一例を図4に示してあり、ここに示す例は、直線的に力行している際に右前輪FRのモータMFRを制御できないフェールが生じた場合の例である。なお、図4においてカギ括弧を付して記載してある数字は、モータMFL,MFR,MRL,MRRについてはトルク配分比、コントローラINV1 ,INV2 については負荷の相対的な割合、冷却器CS1,CS2については冷却負荷の相対的な割合を示している。
フェールが生じていない状態では、四輪のそれぞれのトルク配分比は「0.5」であるのに対して、右前輪FRのモータMFRにフェールが生じると、右前輪FRのモータMFRのトルクが消失するので、その消失分を右後輪RRのモータMRRで受け持つことになり、したがって右後輪RRのモータMRRでのトルク配分比は「1」になる。こうすることにより、車両の左側のトルク配分比が「1(=0.5+0.5)」であるのに対して、右側のトルク配分比は右後輪RRのモータMRRでのトルク配分比であって「1」となるから、車両の左右両側でのトルクが等しくなり、直進走行状態を安定的に維持することができる。したがって、左右の各コントローラINV1 ,INV2 の相対的な負荷の割合は、共に「1」で等しくなり、また同様に、各冷却器CS1,CS2の冷却負荷も共に「1」となって等しくなる。すなわち、図1に示すように駆動ユニットDU1,DU2および冷却器CS1,CS2を構成すれば、直線的に走行している際にいずれかのモータMFL,MFR,MRL,MRRに異常が生じても、冷却器CS1,CS2の冷却負荷が特には増大することがなく、その結果、フェールが生じたモータと対をなす他のモータのトルク配分比(もしくはトルク)を変更することにより従前の走行状態を維持することができる。言い換えれば、フェールが生じても冷却不足やそれに伴う走行性能の低下が生じることが回避もしくは抑制される。
このような状況は、加速時や制動時においても同様である。具体的に説明すると、図5の(a)は加速時に右前輪FRのモータMFRに異常が生じてそのトルクを制御できない場合の例を示しており、前輪が操舵輪であることにより、右前輪FRに対して車両の左右方向で対をなす左前輪FLのトルクもしくはトルク配分を「0」に制御する。これは、右前輪FRのモータMFRがフェールしたことによる制御であるが、加速時には後輪RL,RRの接地荷重が増大するので、後輪RL,RRでのトルク配分比を「1」に設定し、それに伴い前輪FL,FRでのトルク配分比を「0」に設定することによるものであってもよい。なお、図5においてカギ括弧を付して記載した数字の意味するところは、前述した図4と同様である。
加速時に操舵輪である前輪のいずれかにフェールが生じた場合、上記のように各駆動ユニットDU1,DU2における負荷の相対的な割合は、共に「1」となり、これは、前述した図4に示す場合と同様であるから、各冷却器CS1,CS2の冷却負荷も共に「1」となる。したがって、冷却器CS1,CS2の冷却負荷が特には増大することがなく、加速状態を維持することができ、また操舵輪の負荷を低減できる。言い換えれば、フェールが生じても冷却不足やそれに伴う加速性能の低下や操舵性能の低下が生じることが回避もしくは抑制される。
図5の(b)は比較的ゆっくり減速するいわゆる緩制動時に操舵輪の一方のモータ(例えば右前輪FRのモータMFR)にフェールが生じた場合の例を示してある。駆動力源としてモータを備えた車両では、そのモータを発電機として機能させることができるので、減速時にモータによって発電を行い、それに伴う反力を制動力(回生制動力)とすることができる。したがって、回生効率を向上させるために、減速時に接地荷重が相対的に大きくなる前輪FL,FRでのトルク配分比を後輪RL,RRのトルク配分比より大きくするのが一般的である。しかしながら、図5の(b)に示すように、右前輪FRのモータMFRにフェールが生じて制動トルクを発生させることができない場合には、前輪FL,FRが操舵輪であることをも考慮して、モータにフェールが生じていない左前輪FLでのトルク配分比を「0」にする。すなわち、フェールの生じている右前輪FRに対して車両の左右方向で対となる左前輪FLのトルク配分比(もしくはトルク)を、右前輪FRと同等にする。その結果、前輪FL,FRでの制動トルクが消失するので、これを補うべく後輪RL,RRのトルク配分比を「1」に増大させる。
したがって、回生制動による緩減速時にいずれかの前輪のモータを制御できないフェールが生じた場合においても、左右の駆動ユニットDU1,DU2の負荷およびそれぞれを冷却する左右の冷却器CS1,CS2の冷却負荷の割合が、それぞれ共に「1」となり、冷却器CS1,CS2の冷却負荷を特に増大させることなく、緩制動状態を維持することができ、また操舵輪の負荷を低減できる。言い換えれば、フェールが生じても冷却不足やそれに伴う加速性能の低下や操舵性能の低下が生じることが回避もしくは抑制される。
なお、急制動時には、制動要求を充足することを優先する必要があるので、上記の緩制動時とは異なる制御が実行される。その状況を図5の(c)に示してある。すなわち、急制動が要求されている場合には、通常であれば、四輪FL,FR,RL,RRの全てでのトルク配分比を最大の「1」に設定するところであるが、例えば右前輪FRのモータMFRにフェールが生じていてそのトルクを制御できない場合には、そのフェールの生じている右前輪FRのみのトルク配分比(もしくはトルク)を「0」に設定する。これに替えて、右前輪FRでは油圧ブレーキなどの機械式ブレーキ装置によって、トルク配分比が「1」となる制動トルクを生じさせる。こうすることにより、四輪FL,FR,RL,RRの全てで最大限の制動力を発生させ、必要な制動を行うことができる。
その場合でも、車両の左側および右側のいずれのトルク配分比(もしくはトルク)の合計がそれぞれ「2」となるので、操舵輪に対する負荷を低減できるとともに、車両の挙動の安定性を確保できる。これに対して、右前輪FRは機械式ブレーキ装置で制動を行うから、右側の駆動ユニットDU2に対する負荷は「1」になるが、左側の駆動ユニットDU1での負荷は、左前輪FLおよび左後輪RLの両方で回生制動を行うので、「2」になる。それに伴い第1冷却器CS1の冷却負荷が「2」になり、正常時や緩制動時の2倍の負荷になる。しかしながら、急制動は長い時間継続することがなく、またその頻度が低いので、駆動ユニットDU1の温度が過剰に上昇したり、異常が生じたりすることは回避もしくは抑制することができる。
駆動ユニットDU1,DU2毎に設けた冷却器CS1,CS2の冷却負荷は、上述したように、基本的には平準化されるが、車両の走行状況やフェールの有無などによっては冷却負荷の偏りが生じることがある。これを是正するための構成を以下に説明する。図6は、前述した図1に示す構成に連通切替機構を加えて、各冷却器CS1,CS2の冷却負荷を、より確実に平準化するように構成した例を示しており、ここに示す冷却器CS1,CS2は、各駆動ユニットDU1,DU2と熱交換器Rd1,Rd2との間で水や冷却用オイルなどの適宜の冷却媒体を循環流動させて駆動ユニットDU1,DU2の冷却を行うように構成されている。そして、その冷却媒体を流通させるために第1冷却器CS1における管路と、第2冷却器CS2における管路との間に、これらの管路を選択的に連通させて、各冷却器CS1,CS2の間で冷却媒体を相互に流通させる開閉弁Vc1,Vc2_L,Vc2_Rが設けられている。
すなわち、駆動ユニットDU1,DU2からそれぞれに対応する熱交換器Rd1,Rd2に向けて冷却媒体を流す管路に、電動ポンプPL,PRがそれぞれ設けられており、開閉弁Vc1は、そのポンプPL,PRが設けられている管路同士、および熱交換器Rd1,Rd2から駆動ユニットDU1,DU2に向けて冷却媒体が流れる管路同士を選択的に連通させるように構成されている。また、他の開閉弁Vc2_L,Vc2_Rは、駆動ユニットDU1,DU2からそれぞれに対応する熱交換器Rd1,Rd2に向けて冷却媒体を流す管路のうち前記開閉弁Vc1によって互いに連通されている箇所よりも下流側(熱交換器Rd1,Rd2側)に配置されている。したがって、いわゆる連通用の開閉弁Vc1を開いて、左側(図6における左側。以下、同じ。)の開閉弁Vc2_Lを閉じることにより、左側の冷却器CS1の冷却媒体が右側(図6における右側。以下、同じ。)の冷却器CS2との間で循環し、また右側の開閉弁Vc2_Rを閉じることにより、右側の冷却器CS2の冷却媒体が左側の冷却器CS1との間で循環するように構成されている。これらの開閉弁Vc1,Vc2_L,Vc2_Rがこの発明における連通切替機構を構成している。このように、図6に示す例では、これらの開閉弁Vc1,Vc2_L,Vc2_Rを適宜に開閉することにより、一方の駆動ユニットDU1,DU2で発生した熱を他方の駆動ユニットDU1,DU2についての冷却器CS1,CS2によって外気に放出して当該他方の駆動ユニットDU1,DU2の冷却を行い得るように構成されている。なお、図6に示す構成では、各冷却器CS1,CS2は、それぞれに対応する駆動ユニットDU1,DU2もしくはそのインバータを冷却するのに必要とする最低冷却能力を超える冷却能力を備えている。
したがって、図6に示す構成では、通常時には、いわゆる連通用の開閉弁Vc1を閉じ、かつ他の開閉弁Vc2_L,Vc2_Rを開いて運転され、第1冷却器CS1は左側の駆動ユニットDU1もしくはそのインバータを冷却し、また第2冷却器CS2は右側の駆動ユニットDU2もしくはそのインバータを冷却する。これに対して、フェールなどによっていずれか一方の駆動ユニットDU1,DU2においてそれに対応する冷却器CS1,CS2の冷却能力を超える発熱が生じたり、あるいは各駆動ユニットDU1,DU2の温度差が予め定めた基準温度を超えたりした場合に、開閉弁Vc1が開かれて各冷却器CS1,CS2が連通させられ、かつ冷却を補助するべきいずれかの駆動ユニットDU1,DU2側の開閉弁Vc2_L,Vc2_Rが閉じられる。その結果、発熱量の多い駆動ユニットDU1,DU2を、冷却能力に余裕のある冷却器CS1,CS2をも補助的に使用して冷却することができ、発熱量の多い駆動ユニットDU1,DU2の温度が異常に上昇したり、それに伴ってその動作が制限されるなどの事態を未然に防止もしくは回避することができる。また、発熱量の多い駆動ユニットDU1,DU2に対応する冷却器CS1,CS2の冷却負荷を抑制して冷却負荷を平準化することでき、それに伴っていずれかの冷却器CS1,CS2を大容量化あるいは大型化することを回避できる。
図7は、上記の開閉弁Vc1の制御の一例を説明するためのフローチャートであって、ここに示す制御例では、先ず、冷却媒体LLCのレベル(液量)に不足がないか否かが判断される(ステップS1)。冷却媒体によって冷却を行うように構成された冷却器は、その冷却媒体の量をモニターする検出器を備えているので、その検出器の信号に基づいてステップS1の判断を行うことができる。冷却媒体LLCのレベル(液量)に不足がないことによりステップS1で肯定的に判断された場合には、左右の温度差、すなわち各駆動ユニットDU1,DU2の温度差が予め定めた基準温度である閾値より小さいか否かが判断される(ステップS2)。これは、各駆動ユニットDU1,DU2に温度センサ(図示せず)を設けておき、その検出信号に基づいて行うことができる。また、閾値は、温度の上昇した駆動ユニットDU1,DU2に対応する冷却器CS1,CS2を最大限動作させた場合に生じる温度差に基づいて実験によりあるいはシミュレーションによって定めることができる。
左右の温度差が閾値より小さいことによりステップS2で肯定的に判断された場合には、ファンが正常に動作しているか否かが判断される(ステップS3)。そのファンは、前述した各熱交換器Rd1,Rd2における送風用の電動ファンであって、その正常・異常の判断は、その電動ファンに対する通電の状態に基づいて行うことができる。なお、ステップS1およびステップS3は、要は、放熱の異常の有無を判断していることになる。
ファンが正常に動作していることによりステップS3で肯定的に判断された場合には、開閉弁Vc1が閉じられ(ステップS4)、その後にこのルーチンを一旦終了する。なお、この場合は、他の開閉弁Vc2_L,Vc2_Rは開いておく。すなわち、各冷却器CS1,CS2がそれぞれ単独で対応する駆動ユニットDU1,DU2を冷却する。これに対して、左右の温度差が閾値以上であることによりステップS2で否定的に判断された場合、およびいずれかのファンに異常があって上記のステップS3で否定的に判断された場合には、開閉弁Vc1が開かれる(ステップS5)。その後に、このルーチンを一旦終了する。すなわち、冷却負荷の大きい一方の冷却器CS1から他方の冷却器CS2にその冷却媒体が流通させられ、温度が高くなっている駆動ユニットDU1,DU2についての冷却不足が生じないように制御される。言い換えれば、冷却器CS1,CS2の冷却負荷が平準化される。
また一方、いずれかの冷却器CS1,CS2における冷却媒体LLCのレベル(液量)が不足していることによりステップS1で否定的に判断された場合には、連通用の開閉弁Vc1を開き、かつ冷却媒体LLCのレベル(液量)が不足している冷却器CS1,CS2における開閉弁Vc2_*(*は、LまたはR)を閉じる(ステップS6)。すなわち、冷却媒体LLCのレベル(液量)が不足している一方の冷却器CS1(またはCS2)を他方の冷却器CS2(またはCS1)に連通させて、冷却媒体LLCの不足あるいはそれに伴う冷却能力の不足を補う。そして、冷却媒体LLCのレベル(液量)が不足している一方の冷却器CS1(またはCS2)におけるポンプP*(*は、LまたはR)の出力が低減される(ステップS7)。これは、正常な冷却器CS1(またはCS2)に対する冷却媒体の量が過剰になったり、それに伴ってその正常な冷却器CS1(またはCS2)の負荷が過剰になったりすることを回避するためである。
このように、上記の制御を行うように構成されたこの発明に係る冷却装置では、フェールの内容に応じて、そのフェールによる冷却不足を補完する制御が実行される。具体的には、いずれか一方の熱交換器Rd1,Rd2におけるファンの異常や放熱不足が生じた場合には、各冷却器CS1,CS2で正常な一方の熱交換器Rd1,Rd2を共用するように制御され、またいずれかの一方の冷却器CS1,CS2で冷却媒体LLCの量が不足した場合には、他方の冷却器CS1,CS2で冷却媒体LLCを補完するように制御される。その結果、いずれか一方の冷却器CS1,CS2でフェールが生じても冷却不足を回避できる。
上記の図7に示す制御例は、温度差や放熱の異常の有無に基づいて開閉弁Vc1,Vc2_L,Vc2_Rを制御する例であるが、この発明では、一方の駆動ユニットDU1,DU2での発熱量の増大もしくは温度の上昇を予測して、開閉弁Vc1,Vc2_L,Vc2_Rを制御するように構成することができる。その予測は、例えば各コントローラINV1 ,INV2 に対して入力される電力の差に基づいて行えばよく、その電力差が予め定めた閾値より大きい場合に開閉弁Vc1,Vc2_L,Vc2_Rを開くこととすればよい。
なお、上述した各具体例では、熱交換器(ラジエータ)Rd1,Rd2によって大気中に放熱するように構成した冷却器を用いた例を説明したが、この発明における冷却器は、要は、左側の一対の車輪に配置されたモータを含む駆動ユニットおよび右側の一対の車輪に配置されたモータを含む駆動ユニットのそれぞれに設けられ、かつそれらの駆動ユニット毎に冷却を行うことができる構成であればよく、上述した具体例で示した構成のものに限定されない。例えば図8に示すように、左前輪FLのモータMFLと左後輪RLのモータMRLとに冷却用オイルを循環させて供給する第1のオイルポンプOP1と、右前輪FRのモータMFRと右後輪RRのモータMRRとに冷却用オイルを循環させて供給する第2のオイルポンプOP2とによって冷却器をそれぞれ構成してもよい。なお、図8では駆動ユニットを省略してある。
FL,FR,RL,RR…車輪、 MFL,MFR,MRL,MRR…トラクションモータ(モータ)、 INV1 ,INV2 ,INV3 ,INV4 …コントローラ(インバータ)、 BAT…蓄電装置、 DU1…第1の駆動ユニット、 DU2…第2の駆動ユニット、 CS1…第1冷却器、 CS2…第2冷却器、 Rd1,Rd2…熱交換器(ラジエータ)、 Vc1,Vc2_L,Vc2_R…開閉弁、 OP1…第1のオイルポンプ、 OP2…第2のオイルポンプ。

Claims (4)

  1. 前後左右の四つの車輪のそれぞれを互いに独立して駆動することのできる駆動ユニットを備えた左右独立駆動車両の駆動ユニット冷却装置において、
    前記駆動ユニットは、左前輪と左後輪とをそれぞれ独立して駆動することのできる第1駆動ユニットと、右前輪と右後輪とをそれぞれ独立して駆動することのできる第2駆動ユニットとから構成され、
    前記第1駆動ユニットから熱を奪って第1駆動ユニットを冷却する第1冷却器と、
    前記第2駆動ユニットから熱を奪って第2駆動ユニットを冷却する第2冷却器と
    を備えており、
    前記第1冷却器および第2冷却器は、冷却媒体を前記各駆動ユニットと放熱部との間で循環流動させるように構成され、
    その冷却媒体を前記第1冷却器と第2冷却器との間で相互に流通させるように各冷却器を連通させ、またその連通を解除する連通切替機構が更に設けられており、
    前記各駆動ユニットは、前記車輪毎に設けられたモータと、そのモータの電流もしくは電圧を制御するコントローラとを備え、
    前記連通切替機構は、前記第1駆動ユニットにおけるコントローラに対して入力される電力と、前記第2駆動ユニットにおけるコントローラに対して入力される電力との差が予め定めた所定値以上の場合に前記各冷却器を連通させ、前記電力の差が前記所定値より小さい場合に前記各冷却器の連通を解除して各冷却器を相互に遮断するように構成されている
    とを特徴とする左右独立駆動車両の駆動ユニット冷却装置。
  2. 前後左右の四つの車輪のそれぞれを互いに独立して駆動することのできる駆動ユニットを備えた左右独立駆動車両の駆動ユニット冷却装置において、
    前記駆動ユニットは、左前輪と左後輪とをそれぞれ独立して駆動することのできる第1駆動ユニットと、右前輪と右後輪とをそれぞれ独立して駆動することのできる第2駆動ユニットとから構成され、
    前記第1駆動ユニットから熱を奪って第1駆動ユニットを冷却する第1冷却器と、
    前記第2駆動ユニットから熱を奪って第2駆動ユニットを冷却する第2冷却器と
    を備えており、
    前記第1冷却器および第2冷却器は、冷却媒体を前記各駆動ユニットと放熱部との間で循環流動させるように構成され、
    その冷却媒体を前記第1冷却器と第2冷却器との間で相互に流通させるように各冷却器を連通させ、またその連通を解除する連通切替機構が更に設けられており、
    前記連通切替機構は、前記各駆動ユニットの温度差が予め定めた基準温度以上の場合もしくは前記放熱部からの放熱に異常がある場合に前記各冷却器を連通させ、前記各駆動ユニットの温度差が予め定めた基準温度より低い場合および前記放熱部からの放熱に異常がない場合に前記各冷却器の連通を解除して各冷却器を相互に遮断するように構成されている
    とを特徴とする左右独立駆動車両の駆動ユニット冷却装置。
  3. 前記車両は、いずれかの駆動ユニットの異常によっていずれかの車輪の駆動トルクを制御できなくなった場合、該いずれかの車輪に対して車両の幅方向で対をなす他の車輪の駆動トルクを、前記車両の駆動のときには低減させるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の左右独立駆動車両の駆動ユニット冷却装置。
  4. 前記車両は、いずれかの駆動ユニットの異常によっていずれかの車輪の制動トルクを制御できなくなった場合、該いずれかの車輪に対して車両の幅方向で対をなす他の車輪の制動トルクを、前記車両の緩制動のときには急制動の制動トルクよりも相対的に低減させ、前記車両の急制動のときには緩制動の制動トルクよりも相対的に増加させるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の左右独立駆動車両の駆動ユニット冷却装置。
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