JP2013247466A - フィルタ、分波器及び通信モジュール - Google Patents

フィルタ、分波器及び通信モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】通過帯域幅の縮小を抑制しつつカットオフ特性の急峻性を向上させること、又は、通過帯域の損失の増大を抑制しつつ阻止帯域の抑圧度を向上させる。
【解決手段】入力端子(アンテナ端子Ant)と出力端子(受信端子Rx)との間に接続された複数の弾性波共振器(直列共振器S21〜S24及び並列共振器P21〜P23)と、複数の弾性波共振器のうちの少なくとも一部に対して並列となるように入力接続部21と出力接続部22とが接続されたキャンセル回路20と、を備え、キャンセル回路20は、入力接続部21と出力接続部22との間のノード25とグランドとの間に接続されたキャパシタ27と並列接続の第1弾性波共振器26からなるフィルタである。
【選択図】図10

Description

本発明は、フィルタ、分波器及び通信モジュールに関する。
近年の携帯電話の普及に伴い、無線通信で利用される周波数帯が急拡大している。限られた周波数資源を有効活用するために、1つの通信システムに割り当てられる送信帯域と受信帯域との周波数間隔(ガードバンド)は小さくなってきている。また、異なる通信システム同士の周波数間隔もより小さくなってきている。
このようなことから、携帯電話端末等の無線通信機器に使用されるフィルタや分波器は、通過帯域から阻止帯域に遷移するのに要する周波数を小さくすることが求められている。即ち、急峻なカットオフ特性を有するフィルタや分波器が求められている。フィルタや分波器に弾性波共振器が用いられる場合、電気機械結合係数を小さくすれば、カットオフ特性を急峻にできることが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、送信信号と受信信号、又は他の通信システムとの混信を避けるために、フィルタや分波器の阻止帯域における抑圧度を高くすることも求められている。
特開2002−319842号公報
フィルタや分波器に弾性波共振器が用いられる場合、電気機械結合係数を小さくすれば、カットオフ特性を急峻にすることができる。しかしながら、同時に、通過帯域幅が狭くなるというトレードオフの関係があり、通過帯域幅を確保したまま、カットオフ特性を急峻にすることは難しい。また、阻止帯域の抑圧度と通過帯域の損失とにもトレードオフの関係があり、通過帯域の損失の増大を抑えつつ、阻止帯域の抑圧度を向上させることは難しい。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、通過帯域幅の縮小を抑制しつつカットオフ特性の急峻性を向上させること、又は、通過帯域の損失の増大を抑制しつつ阻止帯域の抑圧度を向上させることを目的とする。
本発明は、入力端子と出力端子との間に接続された複数の弾性波共振器と、前記複数の弾性波共振器のうちの少なくとも一部に対して並列となるように入力接続部と出力接続部とが接続されたキャンセル回路と、を備え、前記キャンセル回路は、前記入力接続部と前記出力接続部との間のノードとグランドとの間に接続された第1弾性波共振器を有することを特徴とするフィルタである。本発明によれば、通過帯域の損失の増大及び通過帯域幅の縮小を抑制しつつ、カットオフ特性の急峻性又は阻止帯域の抑圧度を向上させることができる。
上記構成において、前記第1弾性波共振器は、反共振周波数が前記フィルタの通過帯域と低周波数側の阻止帯域との間である遷移帯域の周波数に設定され、共振周波数が前記遷移帯域の周波数または前記遷移帯域よりも低い周波数に設定されている構成とすることができる。この構成によれば、フィルタの低周波数側のカットオフ特性の急峻性を向上させることができる。
上記構成において、前記キャンセル回路は、前記第1弾性波共振器に対して並列に接続されたキャパシタまたは弾性波共振器を有する構成とすることができる。
上記構成において、前記第1弾性波共振器の共振周波数は、前記フィルタの高周波数側の阻止帯域の周波数に設定されている構成とすることができる。この構成によれば、フィルタの高周波数側の阻止帯域での抑圧度を向上させることができる。
上記構成において、前記第1弾性波共振器の共振周波数は、前記高周波数側の阻止帯域で前記フィルタの通過位相が反転する周波数近傍に設定されている構成とすることができる
上記構成において、前記キャンセル回路は、前記入力接続部と前記出力接続部との間に直列に接続された第2弾性波共振器を有し、前記第2弾性波共振器の反共振周波数は、前記フィルタの低周波数側の阻止帯域の周波数または前記阻止帯域よりも低い周波数に設定されていて、前記第1弾性波共振器の共振周波数は、前記第2弾性波共振器の反共振周波数よりも高い周波数に設定されている構成とすることができる。この構成によれば、フィルタの低周波数側の阻止帯域での抑圧度を向上させることができる。
上記構成において、前記キャンセル回路は、前記入力接続部と前記出力接続部との間に直列に接続されたキャパシタまたは弾性波共振器を有する構成とすることができる。
上記構成において、前記第1弾性波共振器は、複数の共振周波数を有する構成とすることができる。
上記構成において、前記キャンセル回路は、共振周波数が互いに異なる複数の前記第1弾性波共振器を有する構成とすることができる。
上記構成において、前記キャンセル回路は、前記入力端子と前記出力端子との間に接続されている構成とすることができる。
上記構成において、複数の前記キャンセル回路が、前記複数の弾性波共振器のうちの少なくとも一部に対して並列に接続されている構成とすることができる。
本発明は、アンテナ端子と第1端子との間に接続され、複数の弾性波共振器を有する第1フィルタと、前記アンテナ端子と第2端子との間に接続され、複数の弾性波共振器を有し、前記第1フィルタよりも通過帯域が高い第2フィルタと、前記第1フィルタが有する前記複数の弾性波共振器のうちの少なくとも一部または前記第2フィルタが有する前記複数の弾性波共振器のうちの少なくとも一部に対して並列となるように入力接続部と出力接続部とが接続されたキャンセル回路と、を備え、前記キャンセル回路は、前記入力接続部と前記出力接続部との間のノードとグランドとの間に接続された第1弾性波共振器を有することを特徴とする分波器である。本発明によれば、通過帯域の損失の増大及び通過帯域幅の縮小を抑制しつつ、カットオフ特性の急峻性又は阻止帯域の抑圧度を向上させることができる。
上記構成において、前記キャンセル回路は、前記第2フィルタが有する前記複数の弾性波共振器のうちの少なくとも一部に対して並列に接続され、前記第1弾性波共振器は、反共振周波数が前記第1フィルタの通過帯域と前記第2フィルタの通過帯域との間であるガードバンドの周波数に設定され、共振周波数が前記ガードバンドの周波数または前記ガードバンドよりも低い周波数に設定されている構成とすることができる。この構成によれば、第2フィルタの低周波数側のカットオフ特性の急峻性を向上させることができる。
上記構成において、前記キャンセル回路は、前記第1フィルタが有する前記複数の弾性波共振器のうちの少なくとも一部に対して並列に接続され、前記第1弾性波共振器の共振周波数は、前記第2フィルタの通過帯域の周波数に設定されている構成とすることができる。この構成によれば、第2フィルタの通過帯域での第1フィルタの抑圧度を向上させることができる。
上記構成において、前記キャンセル回路は、前記第2フィルタが有する前記複数の弾性波共振器のうちの少なくとも一部に対して並列に接続され、前記入力接続部と前記出力接続部との間に直列に接続された第2弾性波共振器を有し、前記第2弾性波共振器の反共振周波数は、前記第1フィルタの通過帯域の周波数または前記第1フィルタの通過帯域よりも低い周波数に設定され、前記第1弾性波共振器の共振周波数は、前記第2弾性波共振器の反共振周波数よりも高い周波数に設定されている構成とすることができる。この構成によれば、第1フィルタの通過帯域での第2フィルタの抑圧度を向上させることができる。
上記構成において、前記キャンセル回路は、前記アンテナ端子と前記第2端子との間に接続されている構成とすることができる。
上記構成において、前記キャンセル回路は、前記アンテナ端子と前記第1端子との間に接続されている構成とすることができる。
本発明は、上記に記載のフィルタ又は上記に記載の分波器を有することを特徴とする通信モジュールである。
本発明によれば、通過帯域の損失の増大及び通過帯域幅の縮小を抑制しつつ、カットオフ特性の急峻性又は阻止帯域の抑圧度を向上させることができる。
図1は、ラダー型フィルタを示す回路図である。 図2は、多重モード型フィルタを示す回路図である。 図3は、ラダー型フィルタと多重モード型フィルタとを組み合わせたフィルタを示す回路図である。 図4は、多重モード型フィルタと弾性波共振器とを組み合わせたフィルタを示す回路図である。 図5(a)は、弾性表面波共振器を示す平面図、図5(b)は、図5(a)のA−A間の断面図、図5(c)は、ラブ波共振器の断面図、図5(d)は、弾性境界波共振器の断面図である。 図6(a)は、圧電薄膜共振器を示す平面図、図6(b)は、図6(a)のA−A間の断面図である。 図7(a)は、弾性表面波共振器、ラブ波共振器、及び弾性境界波共振器を用いた多重モード型フィルタの平面図、図7(b)は、圧電薄膜共振器を用いた多重モード型フィルタの断面図である。 図8(a)は、比較例1に係る分波器の回路図、図8(b)は、送信フィルタ及び受信フィルタの通過振幅特性のシミュレーション結果、図8(c)は、受信フィルタの通過位相特性のシミュレーション結果である。 図9(a)は、キャンセル回路の一例を示す回路図、図9(b)は、キャンセル回路を通過する信号の振幅特性のシミュレーション結果、図9(c)は、位相特性のシミュレーション結果である。 図10(a)は、実施例1に係る分波器の回路図、図10(b)は、送信フィルタ及び受信フィルタの通過振幅特性のシミュレーション結果である。 図11(a)から図11(e)は、キャンセル回路の変形例1から6を示す回路図である。 図12(a)は、実施例1の変形例1に係る分波器の回路図、図12(b)は、第1弾性波共振器の平面図、図12(c)は、送信フィルタ及び受信フィルタの通過振幅特性のシミュレーション結果である。 図13(a)及び図13(b)は、キャンセル回路の接続例を示す図である。 図14(a)は、比較例1に係る分波器の送信フィルタ及び受信フィルタの通過振幅特性のシミュレーション結果、図14(b)は、比較例1に係る分波器の送信フィルタの通過位相特性のシミュレーション結果である。 図15(a)は、キャンセル回路の一例を示す回路図、図15(b)は、キャンセル回路を通過する信号の振幅特性のシミュレーション結果、図15(c)は、位相特性のシミュレーション結果である。 図16(a)は、実施例2に係る分波器の回路図、図16(b)は、送信フィルタ及び受信フィルタの通過振幅特性のシミュレーション結果である。 図17(a)は、キャンセル回路の他の一例を示す回路図、図17(b)は、キャンセル回路を通過する信号の振幅特性のシミュレーション結果、図17(c)は、位相特性のシミュレーション結果である。 図18(a)は、実施例2の変形例1に係る分波器の回路図、図18(b)は、送信フィルタ及び受信フィルタの通過振幅特性のシミュレーション結果である。 図19は、実施例2に係る分波器に、実施例1のキャンセル回路を接続させた図である。 図20(a)は、キャンセル回路の一例を示す回路図、図20(b)は、キャンセル回路を通過する信号の振幅特性のシミュレーション結果、図20(c)は、位相特性のシミュレーション結果である。 図21(a)は、実施例3に係る分波器の回路図、図21(b)は、送信フィルタ及び受信フィルタの通過振幅特性のシミュレーション結果である。 図22(a)は、実施例3に係る分波器に、実施例1のキャンセル回路を接続させた図、図22(b)は、実施例2のキャンセル回路をさらに接続させた図である。 図23(a)は、比較例2に係る分波器の回路図、図23(b)は、実施例4に係る分波器の回路図である。 図24は、比較例2及び実施例4の送信フィルタチップの平面図である。 図25(a)は、比較例2の受信フィルタチップの平面図、図25(b)は、実施例4の受信フィルタチップの平面図である。 図26(a)から図26(c)は、比較例2及び実施例4の分波器の送信フィルタチップ及び受信フィルタチップが実装される積層基板の平面図である。 図27は、パッケージを示す解体斜視図である。 図28(a)は、比較例2及び実施例4の分波器のフィルタ特性の測定結果、図28(b)は、アイソレーション特性の測定結果である。 図29は、実施例5に係る通信モジュールを示すブロック図である。
まず、携帯電話端末等の無線通信機器に使用されるフィルタや分波器に用いられる、弾性波共振器を用いたフィルタについて説明する。図1は、ラダー型フィルタを示す回路図である。図1のように、ラダー型フィルタ1は、入力端子Tinと出力端子Toutとの間に、弾性波共振器を直列に接続させた共振器S1〜S3と、並列に接続させた共振器P1、P2と、を備える。
図2は、多重モード型フィルタを示す回路図である。図2のように、多重モード型フィルタ2は、弾性波共振器R1〜R3を備える。弾性波共振器R1〜R3は、弾性波の伝搬方向に配列されている。弾性波共振器R2の一端が入力端子Tinに、他端がグランドに接続されている。弾性波共振器R1、R3それぞれの一端が出力端子Toutに、それぞれの他端がグランドに接続されている。
図3は、ラダー型フィルタと多重モード型フィルタとを組み合わせたフィルタを示す回路図である。図3のように、入力端子Tinと出力端子Toutとの間に、ラダー型フィルタ1と多重モード型フィルタ2とが直列に接続されている。
図4は、多重モード型フィルタと弾性波共振器とを組み合わせたフィルタを示す回路図である。図4のように、入力端子Tinと出力端子Toutとの間に、共振器Sと多重モード型フィルタ2とが直列に接続され、共振器Pが並列に接続されている。
携帯電話端末等の無線通信機器に使用されるフィルタや、携帯電話端末等の無線通信機器に使用される分波器の送信フィルタ及び受信フィルタとして、図1から図4で説明したフィルタのいずれかを用いることができる。
次に、フィルタに用いられる弾性波共振器について説明する。図5(a)は、弾性表面波共振器を示す平面図、図5(b)は、図5(a)のA−A間の断面図である。図5(c)は、ラブ波共振器の断面図、図5(d)は、弾性境界波共振器の断面図である。図5(a)及び図5(b)のように、タンタル酸リチウム又はニオブ酸リチウム等の圧電基板3上に、アルミニウム又は銅等の金属膜4が設けられている。金属膜4により、反射器R0、IDT(Interdigital Transducer)IDT0、入力端子Tin、及び出力端子Toutが形成されている。IDT0は、2つの櫛型電極5を備えている。2つの櫛型電極5にはそれぞれ入力端子Tinと出力端子Toutとが接続されている。入力端子Tin及び出力端子Toutは、例えばパッドである。IDT0の弾性波の伝搬方向の両側に反射器R0が配置されている。櫛型電極5及び反射器R0は、弾性波の波長λに対応する間隔に配置された電極指を備えている。IDT0により励振された弾性波は、反射器R0により反射される。これにより、弾性表面波共振器は、弾性波の波長λに対応する周波数において共振する。
ラブ波共振器及び弾性境界波共振器の平面図は、図5(a)と同じであるため説明を省略する。図5(c)のように、ラブ波共振器においては、金属膜4を覆うように誘電体膜6が設けられている。誘電体膜6としては、例えば酸化シリコン膜を用いることができる。図5(d)のように、弾性境界波共振器においては、誘電体膜6上に、さらに誘電体膜7が設けられている。誘電体膜7は、例えば酸化アルミニウム膜を用いることができる。弾性波を誘電体膜6内に閉じ込めるために、誘電体膜7の音速は誘電体膜6よりも速いことが好ましい。
図6(a)は、圧電薄膜共振器を示す平面図、図6(b)は、図6(a)のA−A間の断面図である。図6(a)及び図6(b)のように、シリコン等の基板8上に下部電極9、窒化アルミニウム等の圧電膜10、及び上部電極11がこの順に積層されている。圧電膜10を挟み下部電極9と上部電極11とが重なる領域が共振領域12である。共振領域12においては、圧電膜10内で励振されて上下方向に伝搬する弾性波(厚み縦振動のバルク波)が共振する。共振領域12の下方の基板8には、基板8を貫通する貫通孔13が形成されている。なお、貫通孔13の代わりに、基板8の一部が除去されて空隙が形成されている場合や、基板8と下部電極9との間にドーム型の空隙が形成されている場合や、弾性波を反射する音響多層膜が形成されている場合でもよい。
図1から図4で説明したフィルタの弾性波共振器として、図5(a)から図6(b)で説明した弾性表面波共振器、ラブ波共振器、弾性境界波共振器、及び圧電薄膜共振器の少なくとも1つを用いることができる。
次に、多重モード型フィルタについて詳しく説明する。図7(a)は、弾性表面波共振器、ラブ波共振器、及び弾性境界波共振器を用いた多重モード型フィルタの平面図、図7(b)は、圧電薄膜共振器を用いた多重モード型フィルタの断面図である。図7(a)のように、反射器R0の間に複数のIDT1〜3が弾性波の伝搬方向に配列されている。IDT2の一方の櫛型電極は入力端子Tinに接続されている。IDT1、3それぞれの一方の櫛型電極は共通の出力端子Toutに接続されている。これにより、入力端子Tinに入力された不平衡信号は、不平衡信号として出力端子Toutから出力される。
図7(b)のように、圧電膜10と、圧電膜10を挟む下部電極9及び上部電極11と、を備える複数の圧電薄膜共振器14a〜14dが積層されている。圧電薄膜共振器14aと14bとの間、及び、圧電薄膜共振器14cと14dとの間には、誘電体膜15が設けられている。圧電薄膜共振器14aの上部電極11と圧電薄膜共振器14dの上部電極11とは、それぞれ別々の出力端子Toutに接続されている。圧電薄膜共振器14bの下部電極9と圧電薄膜共振器14cの上部電極11とは共通の電極であり、入力端子Tinに接続されている。これにより、入力端子Tinに入力された不平衡信号は、平衡信号として出力端子Toutから出力される。
なお、弾性表面波共振器、ラブ波共振器、及び弾性境界波共振器を用いた多重モード型フィルタにおいても、不平衡入力−平衡出力とすることができ、圧電薄膜共振器を用いた多重モード型フィルタにおいても、不平衡入力−不平衡出力とすることができる。このように、多重モード型フィルタは、不平衡出力とすることも、平衡出力とすることもできるという特長がある。
以下の実施例1から5においては、図1で説明したラダー型フィルタを用いた分波器の場合を例に説明する。
まず、実施例1に係る分波器を説明する前に、比較例1に係る分波器について説明する。なお、以下の実施例及び比較例で説明する分波器は、送信帯域が1850MHz〜1910MHz、受信帯域が1930MHz〜1990MHzの北米PCS(Personal Communication Service)に用いられる分波器である。図8(a)は、比較例1に係る分波器の回路図、図8(b)は、送信フィルタ及び受信フィルタの通過振幅特性のシミュレーション結果、図8(c)は、受信フィルタの通過位相特性のシミュレーション結果である。図8(a)のように、比較例1に係る分波器は、アンテナ端子Antと送信端子Txとの間に接続された送信フィルタ120、アンテナ端子Antと受信端子Rxとの間に接続された受信フィルタ121、及び整合回路122を備える。送信フィルタ120及び受信フィルタ121には、ラダー型フィルタが用いられている。送信フィルタ120は、直列共振器S11〜S14と、並列共振器P11〜P13と、を備える。受信フィルタ121は、直列共振器S21〜24と、並列共振器P21〜23と、を備える。整合回路122は、アンテナ端子Antとグランドとの間に接続されたインダクタL1を備える。
送信フィルタ120は、送信端子Txから入力された信号のうち送信帯域の信号を送信信号としてアンテナ端子Antに通過させ、他の周波数帯(例えば受信帯域)の信号を抑圧するように設計されている。受信フィルタ121は、アンテナ端子Antから入力された信号のうち受信帯域の信号を受信信号として受信端子Rxに通過させ、他の周波数帯(例えば送信帯域)の信号を抑圧するように設計されている。整合回路122は、送信フィルタ120を通過した送信信号が、受信フィルタ121側に漏れずにアンテナ端子Antから出力するようにインピーダンスを整合させる回路である。
図8(b)のように、受信フィルタ121の通過帯域(受信帯域)よりも低周波数側のカットオフ特性の急峻性が良好でないことが分かる。また、図8(c)のように、受信フィルタ121の通過帯域(受信帯域)と低周波数側の阻止帯域(送信帯域)との間である遷移帯域(ガードバンド)で通過位相が大きく変動していることが分かる。
発明者は、ガードバンドにおいて、図8(b)に示す受信フィルタ121の通過振幅と同程度の大きさの振幅を持ち、図8(c)に示す受信フィルタ121の通過位相とほぼ逆位相を持つ信号パスを作り出せないか検討した。このような信号パスを作り出すことができれば、この信号パスをアンテナ端子Antと受信端子Rxとの間に付加することで、ガードバンドでの受信信号が相殺されて、受信フィルタ121の低周波数側のカットオフ特性を急峻にできると考えられるためである。ガードバンドにおいて受信フィルタと同程度の大きさの振幅で、位相がほぼ逆位相となる信号を意図的に作り出す信号パスをキャンセルパスと呼び、このキャンセルパスを構成する回路をキャンセル回路と呼ぶこととする。
発明者が鋭意検討した結果、キャンセルパスを弾性波共振器を用いて作り出せることを見出した。図9(a)は、キャンセル回路の一例を示す回路図、図9(b)は、キャンセル回路を通過する信号の振幅特性のシミュレーション結果、図9(c)は、位相特性のシミュレーション結果である。なお、図9(b)及び図9(c)では、キャンセル回路を通過する信号の振幅特性及び位相特性を太線で示し、比較のために、比較例1の分波器が有する受信フィルタ121の通過振幅特性及び通過位相特性を細線で示している。図9(a)のように、キャンセル回路20は、入力接続部21と出力接続部22との間に直列に接続されたキャパシタ23、24と、キャパシタ23と24との間のノード25とグランドとの間に接続された第1弾性波共振器26と、第1弾性波共振器26に並列に接続されたキャパシタ27と、を有する。第1弾性波共振器26は、例えば、図5(a)から図5(d)に示した弾性表面波共振器、ラブ波共振器、弾性境界波共振器や、図6(a)及び図6(b)に示した圧電薄膜共振器を用いることができる。
第1弾性波共振器26の共振周波数及び反共振周波数を調整することで、キャンセル回路20を通過する信号の振幅及び位相を調整することができる。つまり、第1弾性波共振器26は、キャンセル回路20を通過する信号の振幅特性及び位相特性を、受信フィルタの低周波数側のカットオフ特性と同程度の大きさの振幅で且つほぼ逆位相とする中心的な役割を担っている。キャパシタ23、24は、キャンセル回路20の入出力インピーダンスを高くして、キャンセル回路20に流れ込む信号量を抑制する役割を担っている。キャパシタ27は、第1弾性波共振器26の共振周波数と反共振周波数との間隔を調整し、キャンセル回路20を通過する信号の振幅特性を、受信フィルタの低周波数側のカットオフ特性の傾きと合わせる役割を担っている。
図9(b)のように、第1弾性波共振器26とキャパシタ27とによる共振周波数frが、ガードバンドよりも若干低い周波数に設定され、反共振周波数faが、ガードバンドの周波数に設定されている。これにより、ガードバンドの低周波数側において、キャンセル回路20を通過する信号の振幅を、受信フィルタ121の通過振幅と同程度の大きさにすることができる。また、図9(c)のように、ガードバンドの低周波数側において、キャンセル回路20を通過する信号の位相を、受信フィルタ121の通過位相に対してほぼ逆位相にすることができる。そこで、このようなキャンセル回路20を、分波器のアンテナ端子と受信端子との間に接続させた実施例1に係る分波器を以下に説明する。
図10(a)は、実施例1に係る分波器の回路図、図10(b)は、送信フィルタ及び受信フィルタの通過振幅特性のシミュレーション結果である。なお、図10(b)では、実施例1の分波器の送信フィルタ及び受信フィルタの通過振幅特性を太線で示し、比較のために、比較例1の分波器の送信フィルタ及び受信フィルタの通過振幅特性を細線で示している。図10(a)のように、実施例1に係る分波器は、アンテナ端子Antと送信端子Txとの間に接続された送信フィルタ28、アンテナ端子Antと受信端子Rxとの間に接続された受信フィルタ29、及び整合回路30を備える。送信フィルタ28、受信フィルタ29、及び整合回路30の構成は、比較例1の図8(a)の送信フィルタ120、受信フィルタ121、及び整合回路122と同じであるため説明を省略する。
受信フィルタ29の共振器のうち最もアンテナ端子Ant側に位置する直列共振器S21とアンテナ端子Antとの間のノードに、キャンセル回路20の入力接続部21が接続されている。受信フィルタ29の共振器のうち最も受信端子Rx側に位置する直列共振器S24と受信端子Rxとの間のノードに、キャンセル回路20の出力接続部22が接続されている。これにより、キャンセル回路20は、アンテナ端子Antと受信端子Rxとの間に、受信フィルタ29に対して並列に接続されている。キャンセル回路20は、図9(a)に示した構成と同じであるため説明を省略する。
図9(b)及び図9(c)で説明したように、キャンセル回路20の第1弾性波共振器26とキャパシタ27とによる共振周波数frはガードバンドよりも若干低い周波数に設定され、反共振周波数faはガードバンドの周波数に設定されている。これにより、ガードバンドの低周波数側において、キャンセル回路20を通過する信号の振幅を受信フィルタ29の通過振幅と同程度の大きさにでき、キャンセル回路20を通過する信号の位相を受信フィルタ29の通過位相に対してほぼ逆位相にできる。このため、図10(b)のように、受信フィルタ29のガードバンドでの受信信号を、キャンセル回路20を通過する信号で相殺することができ、受信フィルタ29の低周波数側のカットオフ特性を急峻にすることができる。
また、図10(b)のように、実施例1と比較例1とでは、送信フィルタ及び受信フィルタの挿入損失及び通過帯域幅はほとんど差がない。つまり、キャンセル回路20を接続させても、挿入損失及び通過帯域幅はほとんど変化しない。挿入損失がほとんど変化しないのは、キャンセル回路20の入力接続部21と出力接続部22との間に、キャパシタ23、24が直列に接続されているため、キャンセル回路20に流れ込む信号量を抑制できるためである。このことから、キャパシタ23、24は、キャンセル回路20に流れ込む信号量を考慮して、容量を決めることが望ましい。また、通過帯域幅がほとんど変化しないのは、受信フィルタ29とキャンセル回路20を流れる信号が互いにキャンセルされる周波数は、ガードバンドの低周波数側のみであり、その他の周波数ではキャンセル条件を満足しないためである。したがって、通過帯域幅を変化させるようなフィルタ特性変化は生じない。
このように、実施例1によれば、受信フィルタ29を構成する複数の共振器のうちの少なくとも一部に対してキャンセル回路20が並列となるように、キャンセル回路20の入力接続部21及び出力接続部22が接続されている。キャンセル回路20には、入力接続部21と出力接続部22との間のノード25とグランドとの間に接続された第1弾性波共振器26が設けられている。このような構成において、第1弾性波共振器26の共振周波数及び反共振周波数を適切に設定することで、図10(b)のように、通過帯域の損失の増大及び通過帯域幅の縮小を抑制しつつ、受信フィルタ29の低周波数側のカットオフ特性を急峻にすることができる。
受信フィルタ29の低周波数側のカットオフ特性を急峻にする観点から、第1弾性波共振器26の共振周波数frと反共振周波数faとは、キャンセル回路20を通過する信号の振幅特性及び位相特性が、受信フィルタ29の低周波数側のカットオフ特性と同程度の大きさの振幅で且つほぼ逆位相とするなるように設定されることが好ましい。例えば、図9(b)で説明したように、第1弾性波共振器26の共振周波数frは、遷移帯域(ガードバンド)の周波数または遷移帯域(ガードバンド)よりも低い周波数に設定されていることが好ましい。反共振周波数faは、遷移帯域(ガードバンド)の周波数に設定されていることが好ましい。
キャンセル回路は、図9(a)に示した構成に限られる訳ではない。図11(a)から図11(e)は、キャンセル回路の変形例1から6を示す回路図である。図11(a)の変形例1のように、ノード25と出力接続部22との間にキャパシタが接続されていない場合でもよい。図11(b)の変形例2のように、ノード25と入力接続部21との間及びノード25と出力接続部22との間の両方にキャパシタが接続されていない場合でもよい。しかしながら、キャンセル回路20に流れ込む信号量を抑制する観点から、図9(a)のように、入力接続部21と出力接続部22との間に直列にキャパシタが接続されている場合が好ましい。特に、ノード25と入力接続部21との間及びノード25と出力接続部22との間の両方にキャパシタが直列に接続されている場合がより好ましい。
図11(c)の変形例3のように、第1弾性波共振器26に並列にキャパシタが接続されていない場合でもよい。しかしながら、キャンセル回路20を通過する信号の振幅特性を、受信フィルタの低周波数側のカットオフ特性の傾きと合わせる観点から、図9(a)のように、第1弾性波共振器26に対して並列にキャパシタが接続されている場合が好ましい。
図11(d)の変形例4のように、入力接続部21と出力接続部22との間のノード25aとグランドとの間に第1弾性波共振器26aを接続させ、ノード25bとグランドとの間に第1弾性波共振器26bを接続させ、ノード31とグランドとの間にキャパシタ27を接続させてもよい。即ち、第1弾性波共振器を複数接続させてもよい。複数の第1弾性波共振器の共振周波数は、互いに同じ場合でも異なる場合でもよい。図11(e)の変形例5のように、入力接続部21と出力接続部22との間に直列に接続されるキャパシタを弾性波共振器32、33とし、第1弾性波共振器26cに並列に接続されるキャパシタを、ノード34とグランドとの間に接続された弾性波共振器35としてもよい。また、第1弾性波共振器26cは、複数の共振周波数を持つように設計されている場合でもよい。
ここで、第1弾性波共振器に複数の共振周波数を持たせることによる効果について説明する。図12(a)は、実施例1の変形例1に係る分波器の回路図、図12(b)は、第1弾性波共振器の平面図、図12(c)は、送信フィルタ及び受信フィルタの通過振幅特性のシミュレーション結果である。なお、図12(c)では、実施例1の変形例1の分波器の送信フィルタ及び受信フィルタの通過振幅特性を太実線で示し、比較のために、実施例1の分波器及び比較例1の分波器の送信フィルタ及び受信フィルタの通過振幅特性を細実線及び細破線で示している。
図12(a)のように、キャンセル回路20aが、アンテナ端子Antと受信端子Rxとの間に、受信フィルタ29に対して並列に接続されている。キャンセル回路20aは、入力接続部21と出力接続部22との間に直列に接続されたキャパシタ23、24と、ノード25とグランドとの間に接続された第1弾性波共振器26dと、を有する。その他の構成については、実施例1の図10(a)と同じであるため説明を省略する。
図12(b)のように、第1弾性波共振器26dは、反射器R0の間にIDT0が設けられている。IDT0は、櫛型電極の電極指の周期や幅が異なる3つの領域36、37、38に分けられている。3つの領域のうちの1つの領域38の共振周波数を受信フィルタ29の通過帯域に比べて十分に高くすることで、領域38の櫛型電極をキャパシタとして機能させることができる。このため、図9(a)等のように、キャパシタ27を別途接続させなくて済み、キャンセル回路の小型化が図れる。また、領域36と37との共振周波数は互いに異なっていて、ガードバンドよりも低い周波数に設定されている。
図12(c)のように、実施例1の変形例1と実施例1とを比べると、受信フィルタ29の低周波数側のカットオフ特性の急峻性は同程度である。しかしながら、受信フィルタ29の低周波数側の阻止帯域(送信帯域)での抑圧度は、実施例1に比べて、実施例1の変形例1はさらに良くなっている。これは、第1弾性波共振器26dが複数の共振周波数を有しているため、第1弾性波共振器26dの共振周波数をガードバンドよりも若干低い周波数に設定することに加えて、さらに低い周波数にも設定することができるためである。このように、第1弾性波共振器26dが複数の共振周波数を有する場合、阻止帯域(送信帯域)の任意の箇所に共振周波数を設定できるため、受信フィルタ29の低周波数側のカットオフ特性を急峻にすることに加え、阻止帯域(送信帯域)での抑圧特性を制御して抑圧度を向上させることができる。このことから、図11(d)のように、複数の第1弾性波共振器が接続される場合には、共振周波数が互いに異なる第1弾性波共振器が接続される場合が好ましい。
実施例1では、図10(a)のように、キャンセル回路20がアンテナ端子Ant(入力端子)と受信端子Rx(出力端子)との間に接続されている場合を例に示したがこれに限られる訳ではない。図13(a)及び図13(b)は、キャンセル回路の接続例を示す図である。図13(a)のように、キャンセル回路20が、受信フィルタ29内の任意のノードと他の任意のノードとの間に接続されている場合でもよい。図13(b)のように、アンテナ端子Antと受信端子Rxとの間に、複数のキャンセル回路20が並列に接続されている場合でもよい。
実施例2は、フィルタの高周波数側の阻止帯域での抑圧度を向上させる例である。図14(a)は、図8(a)の比較例1に係る分波器の送信フィルタ及び受信フィルタの通過振幅特性のシミュレーション結果、図14(b)は、図8(a)の比較例1に係る分波器の送信フィルタの通過位相特性のシミュレーション結果である。図14(a)のように、送信フィルタ120の高周波数側の阻止帯域(受信帯域)での抑圧度が良好でないことが分かる。また、図14(b)のように、受信帯域で、送信フィルタ120の通過位相が大きく変動していることが分かる。
発明者は、受信帯域において、図14(a)に示す送信フィルタ120の通過振幅と同程度の大きさの振幅を持ち、図14(b)に示す送信フィルタ120の通過位相とほぼ逆位相を持つ信号パスを作り出せないか検討した。実施例1を踏まえると、このような信号パスをアンテナ端子Antと送信端子Txとの間に付加することで、受信帯域で送信信号が相殺されて、受信帯域での送信フィルタ120の抑圧度を向上できると考えられるためである。実施例2では、受信帯域において、送信フィルタと同程度の大きさの振幅で、位相がほぼ逆位相となる信号を意図的に作り出す信号パスをキャンセルパスと呼び、このキャンセルパスを構成する回路をキャンセル回路と呼ぶこととする。
発明者が鋭意検討した結果、このようなキャンセルパスを弾性波共振器を用いて作り出せることを見出した。図15(a)は、キャンセル回路の一例を示す回路図、図15(b)は、キャンセル回路を通過する信号の振幅特性のシミュレーション結果、図15(c)は、位相特性のシミュレーション結果である。なお、図15(b)及び図15(c)では、キャンセル回路を通過する信号の振幅特性及び位相特性を太線で示し、比較のために、比較例1の分波器が有する送信フィルタ120の通過振幅特性及び通過位相特性を細線で示している。図15(a)のように、キャンセル回路40は、入力接続部41と出力接続部42との間に直列に接続されたキャパシタ43、44と、キャパシタ43と44との間のノード45とグランドとの間に接続された第1弾性波共振器46と、を有する。
第1弾性波共振器46は、キャンセル回路40を通過する信号の振幅特性及び位相特性を、受信帯域における送信フィルタの通過振幅特性と同程度大きさの振幅で且つ通過位相特性に対してほぼ逆位相とする役割を担っている。キャパシタ43、44は、キャンセル回路40の入出力インピーダンスを高くして、キャンセル回路40に流れ込む信号量を抑制する役割を担っている。
図15(b)及び図15(c)のように、受信帯域であって、送信フィルタ120の通過位相が反転する周波数近傍に、第1弾性波共振器46の共振周波数frが設定されている。つまり、送信フィルタ120を構成する直列共振器S21〜S24の反共振周波数近傍に、第1弾性波共振器46の共振周波数frが設定されている。これにより、受信帯域において、キャンセル回路40を通過する信号の振幅を、送信フィルタ120の通過振幅と同程度の大きさにすることができる。また、受信帯域において、キャンセル回路40を通過する信号の位相を、送信フィルタ120の通過位相に対してほぼ逆位相にすることができる。そこで、このようなキャンセル回路40を、分波器のアンテナ端子と送信端子との間に接続させた実施例2に係る分波器を以下に説明する。
図16(a)は、実施例2に係る分波器の回路図、図16(b)は、送信フィルタ及び受信フィルタの通過振幅特性のシミュレーション結果である。なお、図16(b)では、実施例2の分波器の送信フィルタ及び受信フィルタの通過振幅特性を太線で示し、比較のために、比較例1の分波器の送信フィルタ及び受信フィルタの通過振幅特性を細線で示している。図16(a)のように、実施例2に係る分波器は、アンテナ端子Antと送信端子Txとの間に接続された送信フィルタ47、アンテナ端子Antと受信端子Rxとの間に接続された受信フィルタ48、及び整合回路49を備える。送信フィルタ47、受信フィルタ48、及び整合回路49の構成は、比較例1の図8(a)の送信フィルタ120、受信フィルタ121、及び整合回路122と同じであるため説明を省略する。
送信フィルタ47の共振器のうち最も送信端子Tx側に位置する直列共振器S11と送信端子Txとの間のノードに、キャンセル回路40の入力接続部41が接続されている。送信フィルタ47の共振器のうち最もアンテナ端子Ant側に位置する直列共振器S14とアンテナ端子Antとの間のノードに、キャンセル回路40の出力接続部42が接続されている。これにより、キャンセル回路40は、アンテナ端子Antと送信端子Txとの間に、送信フィルタ47に対して並列に接続されている。キャンセル回路40は、図15(a)に示した構成と同じであるため説明を省略する。
図15(b)及び図15(c)で説明したように、キャンセル回路40の第1弾性波共振器46の共振周波数frは、受信帯域で送信フィルタ47の通過位相が反転する周波数近傍に設定されている。これにより、受信帯域において、キャンセル回路40を通過する信号の振幅及び位相を、送信フィルタ47の通過振幅と同程度の大きさで且つ通過位相に対してほぼ逆位相にすることができる。このため、図16(b)のように、受信帯域での送信信号を、キャンセル回路40を通過する信号で相殺することができ、受信帯域での送信フィルタ47の抑圧度を向上させることができる。
また、キャンセル回路40の入力接続部41と出力接続部42との間に、キャパシタ43、44が直列に接続されているため、送信フィルタ47の挿入損失の増加が抑制されている。さらに、送信フィルタ47とキャンセル回路40を流れる信号が互いにキャンセルされる周波数は受信帯域近傍のみであり、その他の周波数ではキャンセル条件を満足しないため、通過帯域幅を変化させるようなフィルタ特性変化は生じない。したがって、送信フィルタ47の通過帯域幅の縮小が抑制されている。
実施例2によれば、図16(a)のように、送信フィルタ47を構成する複数の共振器のうちの少なくとも一部に対してキャンセル回路40が並列となるように、キャンセル回路40の入力接続部41及び出力接続部42が接続されている。キャンセル回路40には、入力接続部41と出力接続部42との間のノード45とグランドとの間に接続された第1弾性波共振器46が設けられている。このような構成において、第1弾性波共振器46の共振周波数を適切に設定することで、図16(b)のように、通過帯域の損失の増大及び通過帯域幅の縮小を抑制しつつ、送信フィルタ47の高周波数側の阻止帯域(受信帯域)での抑圧度を向上させることができる。
送信フィルタ47の高周波数側の阻止帯域(受信帯域)での抑圧度を向上させる観点から、第1弾性波共振器46の共振周波数は、キャンセル回路40を通過する信号の振幅特性及び位相特性が、送信フィルタ47の高周波数側の阻止帯域(受信帯域)での通過振幅と同程度の大きさの振幅で且つ通過位相とほぼ逆位相となるように設定されることが好ましい。例えば、図15(b)で説明したように、第1弾性波共振器46の共振周波数は、送信フィルタ47の高周波数側の阻止帯域(受信帯域)の周波数に設定されていることが好ましい。特に、第1弾性波共振器46の共振周波数は、阻止帯域(受信帯域)で送信フィルタ47の通過位相が反転する周波数近傍に設定されていることがより好ましい。
図17(a)は、キャンセル回路の他の一例を示す回路図、図17(b)は、キャンセル回路を通過する信号の振幅特性のシミュレーション結果、図17(c)は、位相特性のシミュレーション結果である。なお、図17(b)及び図17(c)では、キャンセル回路を通過する信号の振幅特性及び位相特性を太線で示し、比較のために、比較例1の分波器が有する送信フィルタ120の通過振幅特性及び通過位相特性を細線で示している。図17(a)のように、キャンセル回路40aは、ノード45とキャパシタ44との間に直列に第2弾性波共振器50が接続されている。その他の構成は、図15(a)のキャンセル回路と同じであるため説明を省略する。
図17(b)及び図17(c)のように、第1弾性波共振器46の共振周波数frは、受信帯域であって、送信フィルタ120の通過位相が反転する周波数近傍に設定されている。第2弾性波共振器50の反共振周波数faは、受信帯域の上端付近の周波数に設定されている。このようなキャンセル回路40aを、分波器のアンテナ端子と送信端子との間に接続させた実施例2の変形例1に係る分波器について説明する。
図18(a)は、実施例2の変形例1に係る分波器の回路図、図18(b)は、送信フィルタ及び受信フィルタの通過振幅特性のシミュレーション結果である。なお、図18(b)では、実施例2の変形例1の分波器の送信フィルタ及び受信フィルタの通過振幅特性を太線で示し、比較のために、比較例1の分波器の送信フィルタ及び受信フィルタの通過振幅特性を細線で示している。図18(a)のように、キャンセル回路40aが、アンテナ端子Antと送信端子Txとの間で、送信フィルタ47に対して並列に接続されている。その他の構成については、実施例2の図16(a)と同じであるため説明を省略する。
図17(b)及び図17(c)で説明したように、第1弾性波共振器46の共振周波数frは、受信帯域であって、送信フィルタ47の通過位相が反転する周波数近傍に設定されている。第2弾性波共振器50の反共振周波数faは、受信帯域の上端付近の周波数に設定されている。このような第1弾性波共振器46と第2弾性波共振器50とを有するキャンセル回路40aが接続されることにより、図18(b)のように、受信帯域での送信フィルタ47の抑圧度を、実施例2の図16(b)に比べて向上させることができる。
実施例2の変形例1では、図17(a)のように、キャンセル回路40aは、第1弾性波共振器46に加えて、入力接続部41と出力接続部42との間に直列に接続された第2弾性波共振器50を有する。このような構成において、第2弾性波共振器50の反共振周波数を適切に設定することで、図18(b)のように、送信フィルタ47の高周波数側の阻止帯域(受信帯域)での抑圧度をさらに向上させることができる。第2弾性波共振器50の反共振周波数は、例えば、送信フィルタ47の高周波数側の阻止帯域(受信帯域)の上端付近の周波数に設定することができる。
実施例2では、図16(a)のように、キャンセル回路40が送信端子Tx(入力端子)とアンテナ端子Ant(出力端子)との間に接続されている場合を例に示したがこれに限られる訳ではない。実施例2においても、実施例1の図13(a)及び図13(b)と同様に、キャンセル回路40が、送信フィルタ47内の任意のノードと他の任意のノードとの間に接続されている場合でもよい。送信端子Txとアンテナ端子Antとの間に、複数のキャンセル回路40が並列に接続されている場合でもよい。
また、キャンセル回路40を接続させた分波器に、実施例1で説明したキャンセル回路20をさらに接続させてもよい。図19は、実施例2に係る分波器に、実施例1のキャンセル回路20を接続させた図である。図19のように、アンテナ端子Antと送信端子Txとの間にキャンセル回路40が接続されていることに加えて、アンテナ端子Antと受信端子Rxとの間に、実施例1のキャンセル回路20が接続されている。これにより、送信フィルタ47の高周波数側の阻止帯域(受信帯域)での抑圧度の向上に加えて、受信フィルタ48の低周波数側のカットオフ特性の急峻性を向上させることができる。
さらに、第1弾性波共振器46は、図12(a)で説明したのと同様に、複数の共振周波数を有する場合でもよい。この場合、送信フィルタ47の高周波数側の阻止帯域(受信帯域)での抑圧度をより向上させることができる。
実施例3は、フィルタの低周波数側の阻止帯域での抑圧度を向上させる例である。図14(a)での受信フィルタ121の低周波数側の阻止帯域(送信帯域)での抑圧度を向上させる場合を考える。この場合、実施例2と同様な考えを用いれば、送信帯域において、受信フィルタ121の通過振幅と同程度の大きさの振幅を持ち且つ受信フィルタ121の通過位相に対してほぼ逆位相を持つ信号パスを作り出し、この信号パスをアンテナ端子Antと受信端子Rxとの間に接続すればよい。実施例3では、送信帯域において、受信フィルタと同程度の大きさの振幅で、位相がほぼ逆位相となる信号を意図的に作り出す信号パスをキャンセルパスと呼び、このキャンセルパスを構成する回路をキャンセル回路と呼ぶこととする。
発明者が鋭意検討した結果、キャンセルパスを弾性波共振器を用いて作り出せることを見出した。図20(a)は、キャンセル回路の一例を示す回路図、図20(b)は、キャンセル回路を通過する信号の振幅特性のシミュレーション結果、図20(c)は、位相特性のシミュレーション結果である。なお、図20(b)及び図20(c)では、キャンセル回路を通過する信号の振幅特性及び位相特性を太線で示し、比較のために、比較例1の分波器が有する受信フィルタ121の通過振幅特性及び通過位相特性を細線で示している。図20(a)のように、キャンセル回路60は、入力接続部61と出力接続部62との間に直列に接続されたキャパシタ63、64と、キャパシタ63と64との間のノード65とグランドとの間に接続された第1弾性波共振器66と、ノード65とキャパシタ64との間に直列に接続された第2弾性波共振器67と、を有する。
第1弾性波共振器66及び第2弾性波共振器67は、キャンセル回路60を通過する信号の振幅特性及び位相特性を、送信帯域における受信フィルタの通過振幅特性と同程度の大きさの振幅で且つ通過位相特性に対してほぼ逆位相とする役割を担っている。キャパシタ63、64は、キャンセル回路60の入出力インピーダンスを高くして、キャンセル回路60に流れ込む信号量を抑制する役割を担っている。
図20(b)のように、第1弾性波共振器66の共振周波数frは、受信帯域よりも高い周波数に設定されている。第2弾性波共振器67の反共振周波数faは、送信帯域の周波数に設定されている。これにより、送信帯域において、キャンセル回路60を通過する信号の振幅を、受信フィルタ121の通過振幅と同程度の大きさにすることができる。また、図20(c)のように、第1弾性波共振器66の共振周波数fr以下の周波数の位相特性を利用し、第2弾性波共振器67の反共振周波数faを送信帯域の周波数に設定することで、送信帯域において、キャンセル回路60を通過する信号の位相を、受信フィルタ121の通過位相に対してほぼ逆位相にすることができる。そこで、このようなキャンセル回路60を、分波器のアンテナ端子と受信端子との間に接続させた実施例3に係る分波器を以下に説明する。
図21(a)は、実施例3に係る分波器の回路図、図21(b)は、送信フィルタ及び受信フィルタの通過振幅特性のシミュレーション結果である。なお、図21(b)では、実施例3の分波器の送信フィルタ及び受信フィルタの通過振幅特性を太線で示し、比較のために、比較例1の分波器の送信フィルタ及び受信フィルタの通過振幅特性を細線で示している。図21(a)のように、実施例3に係る分波器は、アンテナ端子Antと送信端子Txとの間に接続された送信フィルタ68、アンテナ端子Antと受信端子Rxとの間に接続された受信フィルタ69、及び整合回路70を備える。送信フィルタ68、受信フィルタ69、及び整合回路70の構成は、比較例1の図8(a)の送信フィルタ120、受信フィルタ121、及び整合回路122と同じであるため説明を省略する。
受信フィルタ69の共振器のうち最もアンテナ端子Ant側に位置する直列共振器S21とアンテナ端子Antとの間のノードに、キャンセル回路60の入力接続部61が接続されている。受信フィルタ69の共振器のうち最も受信端子Rx側に位置する直列共振器S24と受信端子Rxとの間のノードに、キャンセル回路60の出力接続部62が接続されている。これにより、キャンセル回路60は、アンテナ端子Antと受信端子Rxとの間に、受信フィルタ69に対して並列に接続されている。キャンセル回路60は、図20(a)に示した構成と同じであるため説明を省略する。
図20(b)及び図20(c)で説明したように、第1弾性波共振器66の共振周波数frは、受信帯域よりも高い周波数に設定されている。第2弾性波共振器67の反共振周波数faは、送信帯域の周波数に設定されている。これにより、送信帯域において、キャンセル回路60を通過する信号の振幅及び位相を、受信フィルタ69の通過振幅と同程度の大きさで且つ通過位相に対してほぼ逆位相にすることができる。このため、図21(b)のように、送信帯域での受信信号を、キャンセル回路60を通過する信号で相殺することができ、送信帯域での受信フィルタ69の抑圧度を向上させることができる。
また、キャンセル回路60の入力接続部61と出力接続部62との間に、キャパシタ63、64が直列に接続されているため、受信フィルタ69の挿入損失の増加が抑制されている。さらに、受信フィルタ69とキャンセル回路60を流れる信号が互いにキャンセルされる周波数は送信帯域近傍のみであり、その他の周波数ではキャンセル条件を満足しないため、通過帯域幅を変化させるようなフィルタ特性変化は生じない。したがって、受信フィルタ69の通過帯域幅の縮小が抑制されている。
実施例3によれば、図21(a)のように、受信フィルタ69を構成する複数の共振器のうちの少なくとも一部に対してキャンセル回路60が並列となるように、キャンセル回路60の入力接続部61及び出力接続部62が接続されている。キャンセル回路60には、入力接続部61と出力接続部62との間のノード65とグランドとの間に接続された第1弾性波共振器66と、入力接続部61と出力接続部62との間に直列に接続された第2弾性波共振器67と、が設けられている。このような構成において、第1弾性波共振器66の共振周波数及び第2弾性波共振器67の反共振周波数を適切に設定することで、通過帯域の損失の増大及び通過帯域幅の縮小を抑制しつつ、受信フィルタ69の低周波数側の阻止帯域(送信帯域)での抑圧度を向上させることができる。
受信フィルタ69の低周波数側の阻止帯域(送信帯域)での抑圧度を向上させる観点から、第1弾性波共振器66の共振周波数及び第2弾性波共振器67の反共振周波数は、キャンセル回路60を通過する信号の振幅特性及び位相特性が、受信フィルタ69の低周波数側の阻止帯域(送信帯域)での通過振幅と同程度の大きさの振幅で且つ通過位相とほぼ逆位相となるように設定されていることが好ましい。例えば、図20(b)で説明したように、第2弾性波共振器67の反共振周波数は、受信フィルタ69の低周波数側の阻止帯域(送信帯域)の周波数または阻止帯域(送信帯域)よりも低い周波数に設定されていることが好ましい。特に、低周波数側の阻止帯域(送信帯域)の周波数に設定されていることがより好ましい。第1弾性波共振器66の共振周波数は、第2弾性波共振器67の反共振周波数よりも高い周波数に設定されていることが好ましく、受信フィルタ69の低周波数側の阻止帯域(送信帯域)よりも高い周波数に設定されていることがより好ましく、受信フィルタ69の通過帯域(受信帯域)よりも高い周波数に設定されていることがさらに好ましい。
実施例3では、図21(a)のように、キャンセル回路60がアンテナ端子Ant(入力端子)と受信端子Rx(出力端子)との間に接続されている場合を例に示したがこれに限られる訳ではない。実施例3においても、実施例1の図13(a)及び図13(b)と同様に、キャンセル回路60が、受信フィルタ69内の任意のノードと他の任意のノードとの間に接続されている場合でもよい。アンテナ端子Antと受信端子Rxとの間に、複数のキャンセル回路60が並列に接続されている場合でもよい。
また、キャンセル回路60を接続させた分波器に、実施例1で説明したキャンセル回路20及び/又は実施例2で説明したキャンセル回路40をさらに接続させてもよい。図22(a)は、実施例3に係る分波器に、実施例1のキャンセル回路20を接続させた図、図22(b)は、実施例2のキャンセル回路40をさらに接続させた図である。図22(a)のように、アンテナ端子Antと受信端子Rxとの間にキャンセル回路60が接続されていることに加えて、アンテナ端子Antと受信端子Rxとの間に実施例1のキャンセル回路20が接続されている。これにより、受信フィルタ69の低周波数側の阻止帯域(送信帯域)での抑圧度の向上に加えて、受信フィルタ69の低周波数側のカットオフ特性の急峻性を向上させることができる。図22(b)のように、図22(a)の構成に加えて、アンテナ端子Antと送信端子Txとの間に実施例2のキャンセル回路40が接続されている。これにより、送信フィルタ68の高周波数側の阻止帯域(受信帯域)での抑圧度も向上させることができる。
図23(a)は、比較例2に係る分波器の回路図、図23(b)は、実施例4に係る分波器の回路図である。図23(a)のように、比較例2に係る分波器は、送信フィルタ135に4段のラダー型フィルタが用いられ、受信フィルタ136に6段のラダー型フィルタが用いられている。送信フィルタ135は、直列共振器S11〜S13と、並列共振器P11、P12と、を備える。受信フィルタ136は、S21〜S24と、並列共振器P21〜P23と、を備える。直列共振器及び並列共振器には、弾性表面波共振器が用いられている。整合回路137は、アンテナ端子Antとグランドとの間に接続されたインダクタL1を備える。
送信フィルタ135の共振器のうち最も送信端子Tx側の直列共振器S11と送信端子Txとの間のノードと、受信フィルタ136の共振器のうち最も受信端子Rx側の直列共振器S24と受信端子Rxとの間のノードと、の間にアイソレーション用キャンセル回路130が接続されている。アイソレーション用キャンセル回路130は、弾性波共振器131、132と、多重モード型フィルタ133と、が直列に接続されている。弾性波共振器131と多重モード型フィルタ133との間のノードとグランドとの間に弾性波共振器134が接続されている。多重モード型フィルタ133は、3つの弾性波共振器R1〜R3で構成されている。弾性波共振器131、132、134、及びR1〜R3は、弾性表面波共振器が用いられている。アイソレーション用キャンセル回路130は、アイソレーション用キャンセル回路130を通過する信号が、分波器のアイソレーション信号と同程度の大きさの振幅で且つほぼ逆位相となるように設計されている。このようなアイソレーション用キャンセル回路130を接続させることで、アイソレーション特性の向上を図っている。
図23(b)のように、実施例4に係る分波器は、比較例2の送信フィルタ135、受信フィルタ136、及び整合回路137と同じ構成をした送信フィルタ87、受信フィルタ88、及び整合回路89を備える。受信フィルタ88の共振器のうち最もアンテナ端子側の直列共振器S21とアンテナ端子Antとの間のノードと、最も受信端子Rx側の直列共振器S24と受信端子Rxとの間のノードと、の間にキャンセル回路80が接続されている。キャンセル回路80は、入力接続部81と出力接続部82との間に弾性波共振器83とキャパシタ84とが直列に接続されている。弾性波共振器83とキャパシタ84との間のノードとグランドとの間に、弾性波共振器85と第1弾性波共振器86とが接続されている。その他の構成については、比較例2の図23(a)と同じであるため説明を省略する。
弾性波共振器83、85は、受信フィルタ88の受信帯域近傍においてキャパシタとして機能するように、共振周波数が十分高く設定されている。第1弾性波共振器86は、異なる2つの共振周波数を持つように、櫛型電極の電極指の幅や周期が左右の領域で異なるように設計されている。この2つの共振周波数は、受信フィルタ88の低周波数側のカットオフ特性を改善することを目指して、図12(b)で説明したのと同様に、受信帯域と送信帯域との間のガードバンドより低い周波数に設定されている。また、第1弾性波共振器86の反共振周波数は、図9(b)で説明したのと同様に、ガードバンドの周波数に設定されている。
図24は、比較例2及び実施例4の送信フィルタチップの平面図である。図24のように、比較例2の送信フィルタチップと実施例4の送信フィルタチップとは同じ構造をしている。送信フィルタチップ90は、タンタル酸リチウム基板からなる圧電基板91上に、Alからなる金属膜が形成されている。金属膜により各共振器、パッド92、及び配線が形成されている。パッド92上には、バンプ93が形成されている。パッド92は、アンテナ端子に接続されるパッドAnt、送信端子に接続されるパッドTx、グランドに接続されるパッドGnd、及びアイソレーション用キャンセル回路130の多重モード型フィルタ133に接続されるパッドXを含む。各共振器は、図23(a)及び図23(b)の共振器に対応している。
図25(a)は、比較例2の受信フィルタチップの平面図、図25(b)は、実施例4の受信フィルタチップの平面図である。図25(a)のように、比較例2の受信フィルタチップ94は、タンタル酸リチウム基板からなる圧電基板91上に、Alからなる金属膜が形成されている。金属膜により、各共振器、パッド92、及び配線が形成されている。パッド92上には、バンプ93が形成されている。パッド92は、アンテナ端子に接続されるパッドAnt、受信端子に接続されるパッドRx、グランドに接続されるパッドGnd、及びアイソレーション用キャンセル回路130の弾性波共振器131に接続されるパッドYを含む。図24(b)のように、実施例4の受信フィルタチップ94は、圧電基板91上に、さらにキャンセル回路80を構成する共振器等が全て形成されている。キャパシタ84は、配線間に生じる寄生容量を利用している。各共振器は、図23(a)及び図23(b)の共振器に対応している。
このように、キャンセル回路80を構成する共振器やキャパシタは、直列共振器S21〜S24及び並列共振器P21〜P23が形成された圧電基板91上に形成されている。これにより、分波器の小型化が図れる。
図26(a)から図26(c)は、比較例2及び実施例4の分波器の送信フィルタチップ及び受信フィルタチップが実装される積層基板の平面図である。図26(a)は、送信フィルタチップ及び受信フィルタチップがフリップチップ実装されるダイアタッチ層の上面図である。送信フィルタチップ及び受信フィルタチップを透視して図示している。図26(b)は、フットパッド層の上面図である。図26(c)は、フットパッド層を透視した下面図である。図26(a)のように、セラミック等の絶縁体からなるダイアタッチ層95の上面に、銅等の金属からなる配線96が形成されている。送信フィルタチップ90及び受信フィルタチップ94は、バンプ93を用いて配線96にフェースダウン実装されている。送信フィルタチップ90上に設けられた弾性波共振器131と、受信フィルタチップ94上に設けられた多重モード型フィルタ133等とは、キャンセル回路用配線96aによって電気的に接続されている。ビア97は、ダイアタッチ層95を貫通する金属が埋め込まれたビアである。
図26(b)のように、セラミック等の絶縁体からなるフットパッド層98の上面に、銅等の金属からなる配線99が形成されている。ダイアタッチ層95を貫通したビア97が、配線99に電気的に接続されている。ビア100は、フットパッド層98を貫通する金属が埋め込まれたビアである。
図26(c)のように、フットパッド層98を貫通したビア100は、フットパッド層98の下面に形成されたフットパッド101に電気的に接続されている。フットパッド101は、アンテナ端子に接続されるフットパッドAnt、送信端子に接続されるフットパッドTx、受信端子に接続されるフットパッドRx、及びグランドに接続されるフットパッドGndを含む。
図27は、パッケージを示す解体斜視図である。図27のように、ダイアタッチ層及びフットパッド層を含む積層基板102上に、セラミック等の絶縁体からなるキャビティ層103が形成されている。キャビティ層103の中央部分にはキャビティ104が形成されている。積層基板102上に、送信フィルタチップ90及び受信フィルタチップ94をフリップチップ実装する。金属からなるリード105をキャビティ層103上に固着する。これにより、送信フィルタチップ90及び受信フィルタチップ94は、キャビティ104に気密封止される。以上により、送信フィルタチップ90及び受信フィルタチップ94が実装されたパッケージ106が得られる。
図28(a)は、比較例2及び実施例4の分波器のフィルタ特性の測定結果で、図28(b)は、アイソレーション特性の測定結果である。図28(a)及び図28(b)では、比較例2の測定結果を細線で示し、実施例4の測定結果を太線で示している。図28(a)及び図28(b)のように、アンテナ端子Antと受信端子Rxとの間にキャンセル回路80が接続されていることで、実施例4は比較例2に比べて、受信フィルタ88の低周波数側のカットオフ特性の急峻性と、アイソレーション特性のガードバンド低域側の急峻性と、が向上している。
実施例1から4では、送信帯域が1850MHz〜1910MHz、受信帯域が1930MHz〜1990MHzの北米PCSに用いる分波器の場合を例に示した。しかしながら、他の送信帯域及び受信帯域を有する分波器にも適用することができる。例えば、送信帯域が824MHz〜849MHz、受信帯域が869MHz〜894MHzのCellularシステム用の分波器に適用することができる。
また、実施例1から4では、受信帯域が送信帯域よりも高い場合を例に示した。即ち、送信フィルタ及び受信フィルタのうちの通過帯域が低い方を第1フィルタ、通過帯域が高い方を第2フィルタとした場合、実施例1から4では、第1フィルタが送信フィルタで、第2フィルタが受信フィルタである場合を例に示した。しかしながら、送信帯域が受信帯域よりも高い場合、即ち、第1フィルタが受信フィルタで、第2フィルタが送信フィルタの場合でもよい。したがって、第1フィルタがアンテナ端子と第1端子との間に接続され、第2フィルタがアンテナ端子と第2端子との間に接続されているとした場合、実施例1及び3では、キャンセル回路20、60は、アンテナ端子と第2端子との間に接続される。実施例2では、キャンセル回路40は、アンテナ端子と第1端子との間に接続される。
また、実施例1から4では、分波器を構成する送信フィルタ又は受信フィルタに対して、低周波数側のカットオフ特性の急峻性を向上させる場合又は阻止帯域の抑圧度を向上させる場合を例に示した。しかしながら、これ以外のフィルタにも適用することができる。
実施例5は、実施例1から実施例4のいずれかの分波器を備える通信モジュールの例である。図29は、実施例5に係る通信モジュールを示すブロック図である。図29のように、通信モジュールは、アンテナ107、アンテナスイッチ108、分波器バンク109、及びアンプモジュール110を備える。通信モジュールは、例えば携帯電話用のRF(Radio Frequency)モジュールであり、GSM(Global System for Mobile Communication)(登録商標、以下同様)通信方式及びW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)通信方式等、複数の通信方式に対応している。アンテナ107は、GSM方式及びW−CDMA方式のいずれの送受信信号も送受信できる。
分波器バンク109は、複数に分波器109a〜109cを含む。複数の分波器109a〜109cはそれぞれ、複数の通信方式の各々に対応した分波器である。アンテナスイッチ108は、送受信する信号の通信方式に応じて、分波器バンク109が備える複数の分波器から、通信方式に対応する分波器を選択し、アンテナ107と接続させる。各分波器は、アンプモジュール110に接続されている。アンプモジュール110は、分波器109a〜109cの受信フィルタが受信した信号を増幅し、処理部に出力する。また、アンプモジュール110は、処理部により生成された信号を増幅し分波器109a〜109cの送信フィルタに出力する。
分波器109a〜109cの少なくとも1つが、実施例1から4のいずれかの分波器である。これにより、通過帯域の損失の増大及び通過帯域幅の縮小を抑制しつつ、フィルタの低周波数側のカットオフ特性を急峻にできる。または、通過帯域の損失の増大及び通過帯域幅の縮小を抑制しつつ、フィルタの低周波数側又は高周波数側の阻止帯域での抑圧度を向上させることができる。通信モジュールは、例えば無線LAN(Local Area Network)、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)等の電子装置に搭載されていてもよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
20、20a、40、40a、60、80 キャンセル回路
21、41、61、81 入力接続部
22、42、62、82 出力接続部
23、24、27、43、44、63、64、84 キャパシタ
25、45、65 ノード
26、26a〜26d、46、66、86 第1弾性波共振器
28、47、68、87 送信フィルタ
29、48、69、88 受信フィルタ
30、49、70、89 整合回路
32、33、35、83、85 弾性波共振器
50、67 第2弾性波共振器
90 送信フィルタチップ
91 圧電基板
94 受信フィルタチップ
Ant アンテナ端子
Tx 送信端子
Rx 受信端子
S11〜S24 直列共振器
P11〜P23 並列共振器

Claims (18)

  1. 入力端子と出力端子との間に接続された複数の弾性波共振器と、
    前記複数の弾性波共振器のうちの少なくとも一部に対して並列となるように入力接続部と出力接続部とが接続されたキャンセル回路と、を備え、
    前記キャンセル回路は、前記入力接続部と前記出力接続部との間のノードとグランドとの間に接続された第1弾性波共振器を有することを特徴とするフィルタ。
  2. 前記第1弾性波共振器は、反共振周波数が前記フィルタの通過帯域と低周波数側の阻止帯域との間である遷移帯域の周波数に設定され、共振周波数が前記遷移帯域の周波数または前記遷移帯域よりも低い周波数に設定されていることを特徴とする請求項1記載のフィルタ。
  3. 前記キャンセル回路は、前記第1弾性波共振器に対して並列に接続されたキャパシタまたは弾性波共振器を有することを特徴とする請求項1または2記載のフィルタ。
  4. 前記第1弾性波共振器の共振周波数は、前記フィルタの高周波数側の阻止帯域の周波数に設定されていることを特徴とする請求項1記載のフィルタ。
  5. 前記第1弾性波共振器の共振周波数は、前記高周波数側の阻止帯域で前記フィルタの通過位相が反転する周波数近傍に設定されていることを特徴とする請求項4記載のフィルタ。
  6. 前記キャンセル回路は、前記入力接続部と前記出力接続部との間に直列に接続された第2弾性波共振器を有し、
    前記第2弾性波共振器の反共振周波数は、前記フィルタの低周波数側の阻止帯域の周波数または前記阻止帯域よりも低い周波数に設定されていて、
    前記第1弾性波共振器の共振周波数は、前記第2弾性波共振器の反共振周波数よりも高い周波数に設定されていることを特徴とする請求項1記載のフィルタ。
  7. 前記キャンセル回路は、前記入力接続部と前記出力接続部との間に直列に接続されたキャパシタまたは弾性波共振器を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項記載のフィルタ。
  8. 前記第1弾性波共振器は、複数の共振周波数を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項記載のフィルタ。
  9. 前記キャンセル回路は、共振周波数が互いに異なる複数の前記第1弾性波共振器を有することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項記載のフィルタ。
  10. 前記キャンセル回路は、前記入力端子と前記出力端子との間に接続されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項記載のフィルタ。
  11. 複数の前記キャンセル回路が、前記複数の弾性波共振器のうちの少なくとも一部に対して並列に接続されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項記載のフィルタ。
  12. アンテナ端子と第1端子との間に接続され、複数の弾性波共振器を有する第1フィルタと、
    前記アンテナ端子と第2端子との間に接続され、複数の弾性波共振器を有し、前記第1フィルタよりも通過帯域が高い第2フィルタと、
    前記第1フィルタが有する前記複数の弾性波共振器のうちの少なくとも一部または前記第2フィルタが有する前記複数の弾性波共振器のうちの少なくとも一部に対して並列となるように入力接続部と出力接続部とが接続されたキャンセル回路と、を備え、
    前記キャンセル回路は、前記入力接続部と前記出力接続部との間のノードとグランドとの間に接続された第1弾性波共振器を有することを特徴とする分波器。
  13. 前記キャンセル回路は、前記第2フィルタが有する前記複数の弾性波共振器のうちの少なくとも一部に対して並列に接続され、
    前記第1弾性波共振器は、反共振周波数が前記第1フィルタの通過帯域と前記第2フィルタの通過帯域との間であるガードバンドの周波数に設定され、共振周波数が前記ガードバンドの周波数または前記ガードバンドよりも低い周波数に設定されていることを特徴とする請求項12記載の分波器。
  14. 前記キャンセル回路は、前記第1フィルタが有する前記複数の弾性波共振器のうちの少なくとも一部に対して並列に接続され、
    前記第1弾性波共振器の共振周波数は、前記第2フィルタの通過帯域の周波数に設定されていることを特徴とする請求項12記載の分波器。
  15. 前記キャンセル回路は、前記第2フィルタが有する前記複数の弾性波共振器のうちの少なくとも一部に対して並列に接続され、前記入力接続部と前記出力接続部との間に直列に接続された第2弾性波共振器を有し、
    前記第2弾性波共振器の反共振周波数は、前記第1フィルタの通過帯域の周波数または前記第1フィルタの通過帯域よりも低い周波数に設定され、
    前記第1弾性波共振器の共振周波数は、前記第2弾性波共振器の反共振周波数よりも高い周波数に設定されていることを特徴とする請求項12記載の分波器。
  16. 前記キャンセル回路は、前記アンテナ端子と前記第2端子との間に接続されていることを特徴とする請求項13または15記載の分波器。
  17. 前記キャンセル回路は、前記アンテナ端子と前記第1端子との間に接続されていることを特徴とする請求項14記載の分波器。
  18. 請求項1から11のいずれか一項記載のフィルタ又は請求項12から17のいずれか一項記載の分波器を有することを特徴とする通信モジュール。
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