JP2013245842A - 保冷庫 - Google Patents

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和広 出口
Tetsuya Ide
哲也 井出
Yasuyuki Umenaka
靖之 梅中
Tomohisa Miyatani
知久 宮谷
Takashi Yamashita
山下  隆
Akio Miyata
昭雄 宮田
Yuka Utsumi
夕香 内海
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【課題】本発明は圧縮機を高効率で駆動させて、省電力化を図ることができる保冷庫を提供することを目的とする。
【解決手段】冷蔵庫1は、冷蔵室20と、定常運転時に一定の消費電力で空気を冷却する冷却機構80と、冷却された空気を冷蔵室20内に導入する第1流路60と、冷蔵室20内の空気を冷却機構80に導出する第2流路62と、第1流路61、冷蔵室20、及び第2流路62間で空気を循環させる第1送風装置61と、冷蔵室20内の温度が所定温度未満の場合は、冷却された空気により冷却されて冷熱を蓄熱し、冷蔵室20内の温度が所定温度以上の場合は、蓄熱した冷熱を冷蔵室内へ放熱する蓄熱部材110とを有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、保冷庫に関し、特にファン式の保冷庫に関する。
従来、保冷庫として、ファン式(間冷式)の冷蔵庫が知られている。ファン式の冷蔵庫は、冷却器で生成した冷気を冷蔵室につながる流路中にファンにより送風し、冷蔵室に冷気を導いて冷蔵室内を冷却する(特許文献1参照)。冷蔵室内の温度制御は、冷却機構を構成する冷凍機の圧縮機の出力を制御することにより行われる。圧縮機の出力制御は、圧縮機内の電動機の回転数を制御して行われる。オン/オフ制御の場合は、オン制御で電動機を所定回転数で所定時間回転させて圧縮機を高出力で駆動し、オフ制御で電動機の回転を停止させて圧縮機の運転を停止させる。インバータ制御の場合は、冷蔵室内の温度変化に基づいて電動機を停止状態から高回転まで回転数を多段階又は連続的に変化させて圧縮機の出力を制御する。
稼働中の冷蔵庫の扉を開くと、冷蔵室内の冷気が外部に放出され、温度の高い外気が冷蔵室内に流入する。このため、扉を閉じた後も冷蔵室内の温度は設定温度よりも高くなる。冷蔵室内の温度上昇を検出すると、冷蔵庫の制御系は圧縮機の電動機の回転数を相対的に高くして圧縮機の出力を上昇させる。このように、従来の冷蔵庫では、扉の開閉による冷蔵室内の温度変化に対応させて圧縮機の出力を変化させている。
特開2011−52907号公報
しかしながら、圧縮機の電動機を停止状態又は低回転状態から高回転状態に移行させる際には相対的に大きな負荷トルクが作用する。このため、電動機の消費電力が増大してしまう。また、圧縮機の電動機の回転数が高くなるほど冷凍機内で発生する損失は増大する。このため、電動機の高回転時、すなわち圧縮機の高出力時での冷凍機の成績係数(COP)が低くなってしまう。このため、扉の開放により冷蔵室内の温度が上昇すると、圧縮機は、出力を高くし、高効率で駆動することがでない。このように、従来の冷蔵庫では、圧縮機を高効率で駆動させることができず、省電力化(省エネルギー化)を図ることができないという問題がある。
本発明の目的は、圧縮機を高効率で駆動させて、省電力化を図ることができる保冷庫を提供することにある。
上記目的は、保冷室と、定常運転時に一定の消費電力で空気を冷却する冷却機構と、冷却された前記空気を前記保冷室内に導入する第1流路と、前記保冷室内の空気を前記冷却機構に導出する第2流路と、前記第1流路、前記保冷室、及び前記第2流路間で前記空気を循環させる第1送風装置と、前記保冷室内の温度が所定温度未満の場合は、前記冷却された空気により冷却されて冷熱を蓄熱し、前記保冷室内の温度が前記所定温度以上の場合は、蓄熱した前記冷熱を前記保冷室内へ放熱する蓄熱部材とを有することを特徴とする保冷庫によって達成される。
上記本発明の保冷庫であって、前記冷却された空気を前記保冷室内に導入可能な第3流路と、前記保冷室内の空気を前記第3流路に導出可能な第4流路と、前記第3流路と前記第4流路との接続部に配置され、前記第3流路を流れる前記冷却された空気の送風量と、前記第4流路から流入して前記第3流路を流れる前記保冷室内の空気の送風量とを調節する風量調節機構と、前記第3流路、前記保冷室、及び前記第4流路間で前記空気を循環させる第2送風装置とをさらに有し、前記蓄熱部材は、前記風量調節機構と前記保冷室との間の前記第3流路内に配置されており、前記風量調節機構は、前記保冷室内の温度が所定温度未満の場合には、前記第3流路を流れる前記冷却された空気の送風量が、前記第4流路から流入して前記第3流路を流れる前記保冷室の空気の送風量より多くなるように調節し、前記保冷室内の温度が前記所定温度以上の場合には、前記第4流路から流入して前記第3流路を流れる前記保冷室内の空気の送風量が、前記第3流路を流れる前記冷却された空気の送風量より多くなるように調節することを特徴とする。
上記本発明の保冷庫であって、前記第3流路は、前記第1流路から分岐していることを特徴とする。
上記本発明の保冷庫であって、前記保冷室内の温度を計測する温度計測部をさらに有し、前記風量調節機構は、前記温度計測部で計測された前記保冷室内の温度に基づいて送風量を調節することを特徴とする。
上記本発明の保冷庫であって、前記蓄熱部材は、前記保冷室内であって、前記第1流路から前記保冷室内に流入した前記冷却された空気と熱交換可能な位置に配置されていることを特徴とする。
上記本発明の保冷庫であって、前記保冷室内の空気を導出して前記保冷室内の前記蓄熱部材の近傍に戻す第5流路と、前記第5流路から前記保冷室に前記空気を循環させる第3送風装置とをさらに有し、前記第3送風装置は、前記保冷室内の温度が所定温度未満の場合には、送風を停止し、前記保冷室内の温度が前記所定温度以上の場合には、送風を開始することを特徴とする。
上記本発明の保冷庫であって、前記保冷室内の温度を計測する温度計測部をさらに有し、前記第3送風装置は、前記温度計測部で計測された前記保冷室内の温度に基づいて送風を開始又は停止することを特徴とする。
上記本発明の保冷庫であって、前記蓄熱部材は、前記第1流路内に配置されていることを特徴とする。
上記本発明の保冷庫であって、前記保冷室内の空気を導出し前記第1流路内の前記蓄熱部材の近傍に戻す第6流路と、前記第6流路から前記蓄熱部材に前記空気を送風する第4送風装置とをさらに有し、前記第4送風装置は、前記保冷室内の温度が所定温度未満の場合には、送風を停止し、前記保冷室内の温度が前記所定温度以上の場合には、送風を開始することを特徴とする。
上記本発明の保冷庫であって、前記保冷室内の温度を計測する温度計測部をさらに有し、前記第4送風装置は、前記温度計測部で計測された前記保冷室内の温度に基づいて送風を開始又は停止することを特徴とする。
上記本発明の保冷庫であって、前記蓄熱部材は、ヒートシンクを有することを特徴とする。
上記本発明の保冷庫であって、前記蓄熱部材は、潜熱蓄熱材を有することを特徴とする。
上記本発明の保冷庫であって、前記潜熱蓄熱材は、前記保冷室の平均温度より低い相変化温度を有することを特徴とする。
上記本発明の保冷庫であって、前記冷却機構は、圧縮機を備えた冷凍機を有していることを特徴とする。
上記本発明の保冷庫であって、前記圧縮機は、前記定常運転時には一定の回転数で運転されることを特徴とする。
本発明によれば、圧縮機を高効率で駆動させて、省電力化を図ることができる。
本発明の第1の実施の形態による冷蔵庫1の構成を示す模式図である。 本発明の第1の実施の形態による冷蔵庫1の外観構成を示す正面図である。 本発明の第1の実施の形態による冷蔵庫1の庫内の概略構成を示す正面図である。 本発明の第1の実施の形態による冷蔵庫1の庫内の概略構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態による冷蔵庫1の第3流路64と第4流路66の接続部近傍の拡大図である。 定格容積が440リットルである冷蔵庫において、0.5時間(30分)の間で約0.14時間(約8分)毎に冷蔵室の扉部材を約10秒間開いたときの冷蔵室内の温度変化を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態による冷蔵庫1の動作を示す模式図である。 本発明の第1の実施の形態による冷蔵庫1の動作を示す模式図である。 比較例による冷蔵庫300の動作を示す模式図である。 図10(a)は比較例による冷蔵庫300の冷凍機380の冷凍能力の変化を示すグラフであり、図10(b)はCOP(成績係数)の圧縮機の回転数との依存性を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態による冷蔵庫1の冷凍能力を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態による冷蔵庫1の蓄熱部材110近傍を流れる空気を示す模式図である。 本発明の第2の実施の形態による冷蔵庫3の構成を示す模式図である。 本発明の第2の実施の形態による冷蔵庫3の庫内の概略構成を示す正面図である。 本発明の第2の実施の形態による冷蔵庫3の庫内の概略構成を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態による冷蔵庫3の動作を示す模式図である。 本発明の第2の実施の形態による冷蔵庫3の動作を示す模式図である。 本発明の第3の実施の形態による冷蔵庫5の構成を示す模式図である。 本発明の第3の実施の形態による冷蔵庫5の庫内の概略構成を示す正面図である。 本発明の第3の実施の形態による冷蔵庫5の庫内の概略構成を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態による冷蔵庫5の動作を示す模式図である。 本発明の第3の実施の形態による冷蔵庫5の動作を示す模式図である。 本発明の第4の実施の形態による冷蔵庫に設けられる蓄熱部材117の断面図である。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態によるファン式の冷蔵庫1について、図1乃至図12を用いて説明する。本実施の形態及び後述する第2乃至第4の実施の形態では、保冷庫として冷蔵庫を例にとって説明する。なお、以下の全ての図面においては、理解を容易にするため、各構成要素の寸法や比率などを適宜異ならせて図示している。図1は、本実施の形態による冷蔵庫1の構成を模式的に示している。
図1に示すように、冷蔵庫1は、保冷室として冷蔵室20と、冷蔵室20を冷却するための冷却機構として、蒸気圧縮式の冷凍機80とを有している。冷凍機80は、冷媒を圧縮する圧縮機82と、圧縮された冷媒を凝縮させて外部に放熱する凝縮器84と、凝縮した冷媒を膨張させる膨張器86(例えば、キャピラリーチューブ)と、膨張した冷媒を蒸発させて外部から吸熱する冷却器(蒸発器)88とを有している。圧縮機82と、凝縮機84とは冷媒配管83により接続されている。凝縮機84と、膨張器86とは冷媒配管85により接続されている。膨張器86と、冷却器88とは冷媒配管87により接続されている。冷却器88と、圧縮機82とは冷媒配管87により接続されている。冷凍機80により、蒸気圧縮式冷凍サイクルが実現される。
圧縮機82は、冷蔵庫1が電源投入されて冷蔵室20内の温度が設定温度になった後の定常運転時には、ほぼ一定の出力を維持するように駆動される。定常運転時とは、冷蔵庫1の電源投入時から冷蔵室20内の温度が設定温度になる前の期間を含まず、冷蔵室20内の温度が設定温度になってからの冷蔵庫1の運転時をいう。圧縮機82には、不図示の電動機が内蔵されている。圧縮機82の出力を一定に維持するために、電動機は、一定の回転数で、一定の消費電力で駆動される。このため、冷凍機80は、定常運転時に一定の消費電力で圧縮機82を運転し、冷却器88により空気を冷却する。
冷蔵庫1は、冷却された空気を冷蔵室20内に導入する第1流路60と、冷蔵室20内の空気を冷却器88に導出する第2流路62とを有している。これにより、冷却器88で冷却された空気は、第1流路60を介して冷蔵室20内に導入される。また、冷蔵室20内の空気は、第2流路62を介して冷却器88に導出される。第1流路60には、第1送風装置としてファン61が配置されている。ファン61を作動させることにより、冷却器88から第1流路60、冷蔵室20内、第2流路62を介して冷却器88に戻るように空気が冷蔵庫1内を循環する。
ファン61と冷蔵室20との間の第1流路60から分岐して、冷却された空気を冷蔵室20内に導入可能な第3流路64が配置されている。第3流路64は、第1流路60に接続されて、冷蔵室20まで延伸している。このため、第3流路64は、冷却器88により冷却された空気を冷蔵室20内に導入することができる。
第3流路64の途中には開口が設けられ、当該開口には冷蔵室20内の空気を第3流路64に導出可能な第4流路66が接続されている。第3流路64と第4流路66との接続部には、第3流路64を流れる冷却された空気の送風量と、第4流路66から流入して第3流路64を流れる冷蔵室20内の空気の送風量とを調節する風量調節機構として、ダンパ65が配置されている。第4流路66には第2送風装置として、ファン63が配置されている。
冷蔵庫1は、CPU、ROM、RAM、入出力ポート等を備え、冷蔵庫1の全体を制御する制御部200を有している。また、冷蔵庫1は、冷蔵室20内の温度を計測する温度計測部202を有している。温度計測部202は、冷蔵室20内の上部壁面近傍の温度を計測する温度センサ202aを有している。制御部200には、温度計測部202からの冷蔵室20内の温度検出信号が入力される。制御部200は、当該温度検出信号に基づき、ファン61の出力制御と、ファン63のオン/オフ制御と、ダンパ65の駆動制御とを行う。また、制御部200は、定常運転時に圧縮機82の出力がほぼ一定になるように圧縮機82を制御する。
ダンパ65は、制御部200により制御されて、第1流路60から第3流路64に流通する冷却された空気を冷蔵室20内に導入可能な状態と、第4流路66と第3流路64とを導通させる状態とに切換え可能になっている。
ダンパ65により第3流路64と第4流路66の接続部の開口が閉鎖され、第1流路60側の第3流路64が開放されると、冷却器88により冷却された空気が、第1流路60から第3流路64に流通し、冷蔵室20内に導入される。ファン61は、定常運転時にはほぼ一定の出力で作動し続ける。ファン61による送風により、冷却器88から第1流路60と第3流路64、冷蔵室20内、第2流路62を介して冷却器88に戻るように空気が冷蔵庫1内を循環する。このように、定常運転時において、第3流路64は、第1流路60の迂回経路とすることができる。
ダンパ65と冷蔵室20との間の第3流路64内には、蓄熱部材110が配置されている。蓄熱部材110は、潜熱蓄熱材120(図1では不図示)を有している。潜熱蓄熱材120は、冷蔵室20内の平均温度よりも低い、固相及び液相間の相変化が可逆的に生じる相変化温度を有している。本実施の形態では、冷蔵室20内の所望の設定温度の平均温度は約5℃であり、潜熱蓄熱材120の相変化温度は約4℃である。潜熱蓄熱材120の相変化温度は、約4℃に限られず、冷蔵室20内の平均温度よりも低く、かつ、冷却器88により生成され、第3流路64内を流通する空気の温度より高ければよい。潜熱蓄熱材120の相変化温度は、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定することができる。
冷却器88により冷却された空気が第1流路60及び第3流路66を介して冷蔵室20内に導入される際に、冷却された空気により蓄熱部材110は冷却される。蓄熱部材110近傍を流通する空気の温度は、潜熱蓄熱材120の相変化温度よりも低い。このため、潜熱蓄熱材120は、冷却された空気により冷却され続けられて固相状態になる。
ダンパ65により第1流路60側の第3流路64が閉鎖されると、第4流路66と第3流路64とが導通する。これにより、冷蔵室20内の空気を第4流路66を介して第3流路64内に導入することができる。
ダンパ65により第4流路66と第3流路64とが導通している状態でファン63が作動すると、冷蔵室20内の空気は、第4流路66内に流入し、第3流路64を介して冷蔵室20内に戻される。このように、冷蔵室20と、第4流路66と、ダンパ65と冷蔵室20との間の第3流路64とで空気を循環させることができる。
制御部200は、温度計測部202の温度センサ202aで計測された冷蔵室20内の温度に基づいてダンパ65の停止位置を制御する。冷蔵庫1の定常運転時において、温度計測部202からの温度検出信号に基づき冷蔵室20内の温度が所定温度未満であると制御部200が判断すると、制御部200はダンパ65を制御して、第3流路64と第4流路66との接続部の開口を閉鎖し、第1流路60、第3流路64、冷蔵室20を導通させる。これにより、冷却器88で冷却された空気が第1流路60及び第3流路64を介して冷蔵室20内に導入され、冷蔵室20が冷却される。また、第3流路64内に配置される蓄熱部材110は冷却される。これにより、蓄熱部材110に備えられた潜熱蓄熱材120は、冷熱を蓄熱して固相状態に変化するか、すでに固相状態の場合は固相を維持しつつ顕熱蓄熱をする。
温度計測部202からの温度検出信号に基づいて冷蔵室20内の温度が所定温度以上になったと制御部200が判断すると、制御部200は、ダンパ65を制御して、第4流路66と第3流路64とを導通させ、第1流路60側の第3流路64を閉鎖させる。また、制御部200は、ファン63を制御してファン63を作動させる。これにより、冷蔵室20内の空気が、第4流路66を介して第3流路64に導入され、蓄熱部材110と熱交換する。熱交換された空気は、冷えて第3流路64から冷蔵室20内に再び導入される。また、冷却器88により冷却された空気は、第1流路60から冷蔵室20内に導入されている。ダンパ65により第4流路66と、ダンパ65と冷蔵室20との間の第3流路64とが導通している状態では、冷蔵室20は、第1流路60から導入される冷却された空気と、第3流路64から導入される空気とで冷却される。
このように、蓄熱部材110は、冷蔵室20内の温度が所定温度未満以下の場合は、冷却された空気により冷却されて冷熱を蓄熱し、冷蔵室20内の温度が所定温度以上になった場合は、蓄熱した冷熱を冷蔵室20内へ放熱するように配置されている。
次に、図2乃至図5を用いて、本実施の形態による冷蔵庫1の具体的な構成についてより詳細に説明する。図2は、冷蔵庫1の外観構成を示す正面図である。図3は、図2に示すのと同じ方向から見た冷蔵庫1の内部構造を示した概略図である。図4は、図3のA−A線で切断した冷蔵庫1の概略の断面図である。図3及び図4中における実線又は破線の矢印は、冷気の流れる方向を表している。図5は、第3流路64と第4流路66の接続部近傍の拡大図である。なお、以下の全ての図面においては、冷蔵庫1及び後述する冷蔵庫3、5の構成要素間の位置関係は、冷蔵庫1、3及び5を示す正面図の紙面に向かって、手前側を「前」と表記し、奥側を「奥」と表記し、相対的に上の位置を「上」と表記し、当該「上」より下の位置を「下」と表記し、相対的に左の位置を「左」と表記し、当該「左」より右の位置を「右」と表記する。
図2及び図3に示すように、冷蔵庫1は、一面に開口部が形成された縦長直方体形状の冷蔵庫本体10を有している。冷蔵庫本体10は、例えば金属薄板により形成された外壁と、例えばABS樹脂により形成された内壁と、外壁と内壁との間の空間に充填された断熱材とを有している。すなわち冷蔵庫本体10は、外壁、断熱材及び内壁からなる層構造を有している。断熱材としては、繊維系断熱材(例えばグラスウール)、発泡樹脂系断熱材(例えばポリウレタンフォーム)などが用いられる。冷蔵庫本体10の内側上段には、冷蔵室20が設けられている。
冷蔵室20の開口端右側には、冷蔵室20の開口部右側を開閉可能な扉部材23aが設けられている。また、冷蔵室20の開口端左側には、冷蔵室20に開口部左側を開閉可能な扉部材23bが設けられている。図2では、扉部材23a、23bが開放されている状態を示している。扉部材23a、23bは、不図示のヒンジ部を介して冷蔵庫本体10に対して回転可能に取り付けられている。閉状態の扉部材23a、23bは、不図示のパッキンを介して冷蔵室20の開口端に当接するようになっている。また、扉部材23aと扉部材23bとは、閉状態において、互いに不図示のパッキンを介して当接するようになっている。扉部材23a、23bは、例えば金属薄板により形成された外壁と、例えばABS樹脂により形成された内壁と、外壁と内壁との間の空間に充填された断熱材とを有している。すなわち扉部材23a、23bは、冷蔵庫本体10と同様の層構造を有している。扉部材23a、23bが閉じられた状態では、断熱材によって囲まれた冷蔵室20は外部から断熱された断熱空間となる。
図2に示すように、扉部材23aの内側には、貯蔵物を収納する扉収納部26a、26b、26cが設けられている。また、扉部材23bの内側には、貯蔵物を収納する扉収納部26d、26e、26fが設けられている。
冷蔵室20内には、貯蔵物を載置する棚22と複数の棚24とが設けられている。また冷蔵室20内のうち下方右寄りには、チルド室21が設けられている。チルド室21には前後方向にスライド可能なチルド室トレイ25が設けられている。冷蔵室20内において、チルド室21とその他の部分との間は棚22及びチルド室トレイ25等によって仕切られている。
冷蔵室20内のうち下方左寄であってチルド室21の隣には、小物収容部27が設けられている。小物収容部27の上段には、前後方向にスライド可能な上段小物ケース28が収容されている。また、小物収容部27の下段には、前後方向にスライド可能な下段小物ケース29が収容されている。
冷蔵室20内のうち小物収容部27の左隣には、取り出し可能な給水タンク19が設けられている。冷蔵庫1は、給水タンク19に貯められている水から氷を生成して、後述する貯氷室32に生成した氷を貯蔵するように構成されている。
冷蔵庫本体10の中段には、冷凍室30が設けられている。冷凍室30は、上段右寄りに設けられた上段冷凍室31と、上段左寄りに設けられた貯氷室32と、下段に設けられた下段冷凍室33とに分けられている。上段冷凍室31には扉部材34が設けられ、貯氷室32には扉部材35が設けられ、下段冷凍室33には扉部材36が設けられている。扉部材34、35、36は、いずれも前方に引き出し可能になっている。扉部材34、35、36の前面上方には、把手34a、35a、36aがそれぞれ設けられている。図2では、扉部材34、35、36がいずれも閉じられた状態を示している。閉状態の扉部材34、35、36は、不図示のパッキンを介して冷凍室30の開口端に当接する。扉部材34、35、36は、冷蔵庫本体10と同様に、外壁、内壁及び断熱材を含む層構造を有している。扉部材34、35、36が閉じられた状態では、断熱材によって囲まれた冷凍室30は外部から断熱された断熱空間となる。
冷蔵庫本体10の内側下段には、野菜室40が設けられている。野菜室40には、扉部材41が設けられている。扉部材41は、前方に引き出し可能になっている。扉部材41の前面上方には、把手41aが設けられている。図2では、扉部材41が閉じられた状態を示している。閉状態の扉部材41は、不図示のパッキンを介して野菜室40の開口端に当接する。扉部材41は、冷蔵庫本体10と同様に、外壁、内壁及び断熱材を含む層構造を有している。扉部材41が閉じられた状態では、断熱材によって囲まれた野菜室40は外部から断熱された断熱空間となる。
冷蔵庫1において、各室内の設定温度は、冷凍室30内の温度が冷蔵室20内の温度よりも低く、冷蔵室20内の温度が野菜室40内の温度よりも低くなるように設定されている。チルド室21の温度は、冷蔵室20内で最も低温となるように設定されている。
具体的には、野菜室40の室内温度は、野菜の貯蔵に適した温度であって、例えば約3℃〜8℃である。冷蔵室20の室内温度は、野菜室40の室内温度よりも低い温度であって、例えば約0℃〜7℃である。冷凍室30の室内温度は、冷蔵室20の室内温度よりも低い温度であって、例えば約−20℃〜−17℃である。
さらに冷蔵室20内の室内温度は、例えば、チルド室が約0℃〜2℃、扉収納部26a、26b、26c付近が約3℃〜7℃、その他の部分が約2℃〜5℃である。ここで、上記の各室内温度の範囲は、各室内の空間的な温度分布と、時間的な温度変化とが反映されている。
次に、図2を参照しつつ、図3乃至図5を用いて、冷蔵庫1の内部構造についてより詳細に説明する。冷蔵室20と冷凍室30との間は、断熱材を用いて形成された仕切り壁50によって仕切られている。冷凍室30と野菜室40との間は、断熱材を用いて形成された仕切り壁51によって仕切られている。冷蔵室20の上側内壁面のほぼ中央には、温度センサ202aが配置されている。
上段冷凍室31には、冷凍室トレイ37が設けられている。扉部材34を前方に引き出すと、冷凍室トレイ37も共に前方に引き出せることができる。貯氷室32には、生成した氷を貯めておく貯氷室トレイ38が設けられている。扉部材35を前方に引き出すと、貯氷室トレイ38も共に前方に引き出せることができる。下段冷凍室33には、冷凍室トレイ39が設けられている。扉部材36を前方に引き出すと、冷凍室トレイ39も共に前方に引き出せることができる。冷凍室30の左上部には、冷凍室30内の温度を検出して温度検出信号を出力する温度計測部204が設けられている。
野菜室40には、野菜室トレイ48が設けられている。扉部材41を前方に引き出すと、野菜室トレイ48も共に前方に引き出せることができる。本例では、野菜室40内には温度センサが設けられていないが、野菜室40内に温度センサを設けるようにしてもよい。
冷凍機80は、冷凍室30や野菜室40の背後に配置されている。例えば、圧縮機82は野菜室40の背後であって断熱空間の外側に配置されており、冷却器88は後述する冷気通路90内に配置されている。
冷凍室30の奥側には、冷却器88を収容するとともに、冷却器88との熱交換により冷却された空気(以下、冷却された空気を「冷気」という場合がある)を冷凍室30に導く冷気通路90が設けられている。冷気通路90の下端は、野菜室40の上部に設けられた吸気口91や、冷凍室30に設けられた吸気口(不図示)に接続されている。冷気通路90内であって冷却器88の上側には、冷凍室30に冷気を送風するファン92が設けられている。冷気通路90の上方は、冷凍室30の上部に設けられた吹出口93a、93bに接続されている。冷凍室30は、吹出口93a、93bから吹き出された冷気によって保冷される。
冷蔵室20の奥側には、冷気通路90内の冷気の一部を冷蔵室20に導く冷気通路94が設けられている。冷気通路94の下端は、冷気通路90に接続されている。冷却器88の収容箇所から上方の冷気通路90と、冷気通路94とで第1流路60が構成される。また冷気通路94には、冷蔵室20に冷気を送風するファン61が設けられている。冷気通路94は、冷蔵室20の左上部に向かって延伸する延伸部94aを有している。延伸部94aは、冷蔵室20の上側内壁面左寄りに設けられた吹出口94bと、冷蔵室20の奥側内壁面に設けられた吹出口94c、94dとに接続されている。冷蔵室20は、吹出口94b、94c、94dから吹き出された冷気によって保冷される。なお、第2流路62については後述する。
図3及び図4に示すように、冷蔵室20の右奥側には、冷気通路94から分岐する第3流路64が設けられている。第3流路64は、冷蔵室20の右上部に向かって延伸する延伸部64aを有している。延伸部64aは、冷蔵室20の上側内壁面右寄りに設けられた吹出口64bと、冷蔵室20の奥側内壁面に設けられた吹出口64c、64dとに接続されている。第3流路64内を流通する冷気は、吹出口64b、64c、64dから冷蔵室20内へ吹き出される。
第3流路64内の延伸部64a内には、蓄熱部材110が配置されている。蓄熱方式としては、顕熱蓄熱、潜熱蓄熱、化学蓄熱等があるが、本実施の形態では、潜熱蓄熱を利用する。潜熱蓄熱は、物質の潜熱を利用して、物質の相変化の熱エネルギーを蓄える。蓄熱密度が高く、出力温度が一定である。潜熱蓄熱材としては、氷(水)、パラフィン、無機塩などが用いられる。
蓄熱部材110は、潜熱蓄熱材120を有している。蓄熱部材110は、潜熱蓄熱材120を、ABSやポリカーボネート等、樹脂製のフィルムまたは薄い板で包んで構成される。
潜熱蓄熱材120は、例えばパラフィンを含んでいる。パラフィンは、一般式C2n+2で表される飽和鎖式炭化水素の総称である。単一のパラフィンを用いる場合、潜熱蓄熱材120の相変化温度はパラフィンの炭素数nによって異なる。2種以上のパラフィンの混合物を用いる場合、混合比を変えることによって潜熱蓄熱材120の相変化温度を調整することが可能である。本実施の形態では、潜熱蓄熱材120として例えばn−テトラデカン(分子式:C1430)が用いられる。n−テトラデカンを用いた潜熱蓄熱材120の相変化温度は4℃〜6℃程度である。潜熱蓄熱材120としては、相変化温度が冷蔵室20の室内平均温度より低く、かつ、冷却器88により生成された冷気の温度より高ければ、パラフィン以外の材料を用いることもできる。
また、本実施の形態の潜熱蓄熱材120はゲル状である。すなわち、本実施の形態の潜熱蓄熱材120には、パラフィンをゲル化(固化)するゲル化剤が含有されている。ゲルとは、分子が架橋されることで三次元的な網目構造を形成し、その内部に溶媒を吸収し膨潤したものをいう。ゲル化剤はパラフィンに対して数重量%含有させるだけでゲル化の効果を生じる。ゲル化した潜熱蓄熱材120は、固相と液相との間で相変化しても全体として固体状態を維持し、流動性を有しない。ゲル状の潜熱蓄熱材120は、相変化の前後で全体として固体状態を維持できるので取扱いが容易である。
図3に示すように、冷蔵室20の右奥側であって、第3流路64より右側には、第4流路66が設けられている。第4流路66は、蓄熱部材110の配置箇所より下方で第3流路64に接続されている。第4流路66は、冷蔵室20の左端上部に向かって延伸し、冷蔵室20の上側内壁面右端に設けられた吸気口66bに接続されている。第4流路66内には、ファン63が配置されている。ファン63は、制御部200によって制御される。
次に図3を参照しつつ、図5を用いて、第3流路64と第4流路66との接続部近傍の構成について説明する。第3流路64と第4流路66とは、延伸部64aの下端口64eの上方の右側面と、第4流路66の接続口66eとで接続されている。延伸部64aの下端口64eは、冷蔵庫1の奥行き方向が長手方向となる長方形に開口されて形成されている。第4流路66の接続口66eは、冷蔵庫1の奥行き方向が長手方向となる長方形状に開口されて形成されている。下端口64eと接続口66eとは、ほぼ同じ大きさに形成されている。
第3流路64と第4流路66との接続部には、ダンパ65が配置されている。ダンパ65は、例えば樹脂製である。ダンパ65は、下端口64e及び接続部66eとほぼ同じ大きさの長方形平板形状を有している。ダンパ65の長辺の一端部は、接続口66eの一部に設けられた不図示のヒンジ部を介して、図5中の矢印の指す方向に回転可能に取り付けられている。図3及び図5では、ダンパ65は、接続口66eを塞いでいる。このため、図3及び図5に示す状態では、冷気通路94から第3流路64に流通してくる冷気は、第4流路66内には流入せずに、第3流路64内を流通して、吹出口64b〜64dから冷蔵室20内に導出される。
ダンパ65は、不図示の駆動機構により開閉駆動されるようになっている。この駆動機構は、後述する制御部200によって制御される。したがって、ダンパ65は、接続口66eを塞ぐ状態と、下端口64eとを塞ぐ状態とに切換え可能になっている。ダンパ65は、下端口64eを塞ぐ状態の場合に、冷気通路94から第3流路64へ流通してくる冷気を遮断して、第3流路64及び第4流路66間を導通させることができる。
図3及び図4に戻り、冷気通路94のうちファン61の上側には、チルド室21に冷気を直接送風する吹出口96a、96bが接続されている。チルド室21には、冷気が延伸部94aを介さずに直接供給される。このため、チルド室21は、冷蔵室20の他の部分よりも低温に維持される。また、冷凍室30の奥側であって正面から見て右寄りには、冷蔵室20(本例ではチルド室21)内の冷気を野菜室40に導く冷気通路100が設けられている。冷気通路100の一端は、チルド室21の下部に設けられた吸気口101に接続され、冷気通路100の他端は、野菜室40の奥側内壁面の右上部に備えられた吹出口102に接続されている。
吹出口102から吹き出された冷気は、野菜室トレイ48の周囲に沿って流通し、吸気口91に吸い込まれる。吸気口91は、冷気通路90の上流端に接続されている。冷蔵室20内の空気は、冷気通路100、野菜室40を流通し、冷気通路90内の冷却器88に導入される。冷気通路100と、野菜室40と、冷却器88の収容箇所から上流側の冷気通路90とで冷蔵室20内の空気を冷却器88に導出する第2流路62が構成される。
図4に示す制御部200には、温度計測部202からの冷蔵室20内の温度検出信号、及び温度計測部204からの冷凍室30内の温度検出信号等が入力される。本実施の形態の制御部200は、温度計測部202、204から入力した温度検出信号に基づき、ファン63のオン/オフ制御と、ダンパ65の駆動制御とを行う。
図6は、定格容積が440リットルである冷蔵庫において、0.5時間(30分)の間で約0.14時間(約8分)毎に冷蔵室の扉部材を約10秒間開いたときの冷蔵室内の温度変化を示している。図6の横軸は経過時間(h)を示し、縦軸は冷蔵室内の温度(℃)を示している。図6では、冷蔵庫の設置場所の外気温度を30℃とし、冷蔵室の設定温度を約2℃〜5℃としている。
図6に示すように、0.5時間の間で約0.14時間毎に冷蔵室の扉部材を約10秒間開くと、冷蔵室内の温度が6℃以上に上昇する。当該冷蔵庫は、冷蔵室の温度が上昇したと感知すると、圧縮機の出力を高くし、冷蔵室内が設定温度以下になるように冷却する。当該冷蔵庫は、冷蔵室の扉が閉じられてから約2分程度で、冷蔵室内を設定温度以下に冷却する。当該冷蔵庫は、冷蔵室内の温度が設定温度以下になったことを感知すると圧縮機の出力を低くする。
当該冷蔵庫では、冷蔵室の扉部材が開閉されて冷蔵室内の温度が変化すると、圧縮機の出力を変動させる必要がある。このため、当該冷蔵庫では、圧縮機を常に高効率で運転させることができず、消費電力が増大してしまう。
次に、図7及び図8を用いて、扉部材23a、23bを開閉した場合の冷蔵室20の温度変化及び冷蔵庫1の動作について説明する。図7は、温度センサ202aが検出する冷蔵室20の温度が6℃(所定温度)未満の場合の冷蔵庫1の動作を模式的に示している。図7では、冷蔵庫1内の空気の流れを矢印で示している。制御部200は、定常運転時には一定の回転数で運転するように圧縮機82を制御する。冷却器88で生成された冷気は、ファン61より送風されて第1流路60を介し冷蔵室20内へ導入される。また、制御部200は、ダンパ65を制御して、第3流路64と第4流路66の接続部開口を閉鎖する。このため、第1流路60を流通してくる冷気は、第4流路66内には流入せずに、第3流路64を介して冷蔵室20内に導出される。
また、第3流路64を流通する冷気により蓄熱部材110が冷却される。本例では、蓄熱部材110が備える潜熱蓄熱材120は、冷蔵室20内の平均温度(例えば、5℃)よりも低い例えば4℃の相変化温度を有している。第3流路64内を流通する冷気の温度は、冷蔵室20内の平均温度よりも低いので、潜熱蓄熱材120は冷熱を蓄熱し凝固する。
次に、図8を用いて、さらに冷蔵庫1の動作について説明する。図8では、扉部材23a、23bが10秒間開放状態になって、温度センサ202aが6℃(所定温度)以上の値を検出した場合について説明する。図8では、冷蔵庫1内の空気の流れを矢印で示している。制御部200は、温度計測部202から入力された温度検出信号に基づき、冷蔵室20内の温度が閾値(例えば、6℃)以上になったと判定すると、ダンパ65を制御して、第1流路60側の第3流路64を閉鎖して第1流路60から第3流路64へ流通してくる冷気を遮断して、第3流路64及び第4流路66間を導通させる。また、制御部200は、ファン63を作動させる。また、図7に示す場合と同様に、制御部200は、一定の出力で圧縮機82が駆動するように制御している。
冷却器88により生成された冷気は、第1流路60のみを介して冷蔵室20内に導入される。また、ファン63は、第4流路66から第3流路64に向けて、強制的に空気を送風する。このため、冷蔵室20内の相対的に温度の高い空気が、第4流路64内に流入し、第3流路64に導出される。当該空気が第3流路64内に導出されると、蓄熱部材110の潜熱蓄熱材120が冷熱を放出して当該空気を冷却する。冷却された空気は、冷蔵室20内に再び導入される。冷蔵室20は、第1流路60を介して導入される冷気と、第3流路64を介して導入される冷気とで再び所定温度未満に冷却される。
本実施の形態による冷蔵庫1は、定常運転時には一定の回転数で圧縮機を運転させる。冷蔵庫1は、温度検出センサ202aの検出温度が所定温度(例えば、6℃)未満である場合には、生成した冷気で蓄熱部材110を冷却し、冷熱を蓄熱させる。扉部材23a、23bが開かれて温度検出センサ202の検出温度が所定温度以上になった場合は、蓄熱部材110に蓄熱した冷熱を冷蔵室20内へ放熱する。
次に図9を用いて、比較例による冷蔵庫301について説明する。図9は、比較例による冷蔵庫301を模式的に示している。冷蔵庫301は、冷凍機380を有している。冷凍機380は、冷媒を圧縮する圧縮機382と、圧縮された冷媒を凝縮させて外部に放熱する凝縮器384と、凝縮した冷媒を膨張させる膨張器386と、膨張した冷媒を蒸発させて外部から吸熱する冷却器388とを有している。圧縮機382と、凝縮機384とは冷媒配管383により接続されている。凝縮機384と、膨張器386とは冷媒配管385により接続されている。膨張器386と、冷却器388とは冷媒配管387により接続されている。冷却器388と、圧縮機382とは冷媒配管387により接続されている。
冷却器388により生成された冷気は、ファン361により冷風通路360を介して冷蔵室320に導入される。これにより、冷蔵室320は冷却される。冷蔵室320内の空気は、流路362内を流通し、冷却器388に導入される。このようにして、冷気は、冷却器388と冷蔵室320間を循環している。
図10(a)は、冷蔵庫301の冷凍機380に必要な冷凍能力の変化を示している。図10(a)では、冷凍機380の冷凍能力は、圧縮機382の圧縮動力にCOP(成績係数)をかけた値と等しいとして説明する。図10(a)の横軸は時間(h)を示し、縦軸は冷凍能力(W)を示している。図10(a)では、冷蔵庫1が設置される場所の外気温度を例えば20℃として冷凍能力を算出している。また図10(a)では、圧縮機388を、低負荷時には1300r.p.m(毎分回転数)の回転数で運転し、高負荷時には2000r.p.mの回転数で運転した場合を想定している。また、冷蔵庫301の定格内容積は440リットルである。
冷蔵室320の扉部材の閉鎖状態では、冷蔵室320内に外気が流入することがない。このため、冷蔵庫301は、圧縮機388を低負荷時の回転数で運転すれば冷蔵室320内を所定温度に保冷することができる。この場合の冷凍機380の冷凍能力は、図10(a)に示すように、71Wである。
冷蔵室320の扉部材が開かれると、冷蔵室320内に外気が流入し、冷蔵室320内の温度が上昇して所定温度を超える。このため、冷蔵庫301は、圧縮機388を高負荷時の回転数で運転し、冷蔵室320が所定温度になるまで冷却する。この場合の冷凍機380の冷凍能力は、図10(a)に示すように、92Wである。高負荷時において、冷蔵庫300の冷凍機380の冷凍能力は低負荷時と比較して1.3倍になる。
図10(b)は、COP(成績係数)の、圧縮機の回転数に対する依存性を示している。図10(b)の横軸は毎分回転数(r.p.m)を示し、縦軸はCOPを示している。図10(b)に示すように、圧縮機288を高負荷時の2000r.p.mの回転数で運転すると、最高のCOP値となる1500r.p.mの回転数で運転した場合と比較して、COP値が約0.25低くなる。このため、圧縮機388を2000r.p.mの回転数で運転すると、1500r.p.mの回転数で運転した場合よりもエネルギー消費効率が低くなる。
図11は、本実施の形態による冷蔵庫1の冷凍能力を示している。図11では、冷凍機80の冷凍能力は、圧縮機82の圧縮動力にCOPをかけた値と等しいとして説明する。図11の横軸は時間(h)を示し、縦軸は冷凍能力(W)を示している。図11に示す棒グラフにおいて、右上がり線のハッチングで示す棒グラフは冷蔵室20を冷却するための冷凍機80の冷凍能力を表し、縦線のハッチングで示す棒グラフは蓄熱部材110を冷却するための冷凍機80の冷凍能力(蓄熱部材110の蓄熱量)を表し、横線のハッチングで示す棒グラフは冷蔵室20を冷却する蓄熱部材110の冷凍能力(冷蔵室20への蓄熱部材110の放熱量)を表している。図11では、冷蔵庫1が設置される場所の外気温度を例えば20℃として冷凍能力を算出している。また図11では、圧縮機88は、1500r.p.mの一定速の回転数で運転した場合を想定している。また、冷蔵庫1の定格内容積は440リットルである。
冷蔵室20の扉部材23a、23bの閉鎖状態では、冷蔵室20内に外気が流入することがない。この場合には、冷蔵庫1の冷凍機80は71Wの冷凍能力で冷蔵室20を冷却し、10.5Wの冷凍能力で蓄熱部材110を冷却する。蓄熱部材110は、10.5Wの冷凍能力で冷却されて冷熱を蓄熱する。すなわち、冷蔵庫1は、10.5Wの冷熱を蓄熱部材110に蓄熱する。冷蔵庫1の低負荷時の合計の冷凍能力は81.5Wである。
冷蔵室20の扉部材23a、23bが開放されると、冷蔵室20内に外気が流入し、冷蔵室20内の温度が上昇して所定温度以上になる。蓄熱部材110は、10.5Wの冷熱を冷蔵室20へ放熱する。圧縮機82の圧縮動力は一定の81.5Wであるので、高負荷時の冷蔵庫1の合計の冷凍能力は、92Wになる。
このように、本実施の形態による冷蔵庫1は、冷蔵室20内の温度が上昇した場合であっても、圧縮機82の圧縮動力を大きくすることなく、蓄熱部材110の冷凍能力を加えることで、冷蔵庫1の全体としての冷凍能力を高くすることができる。このため、冷蔵庫1は、扉23a、23bが開放され温度が上昇した冷蔵室20を所定温度以下に冷却することができる。
また、本実施の形態による冷蔵庫1では、定常運転時に圧縮機82を1500r.p.mの一定速の回転数で運転することができる。圧縮機82の回転数が1500r.p.mの場合には、図10(b)に示すように、回転数2000r.p.mと比較して高効率で運転することができる。このため、冷蔵庫1は冷蔵庫201と比較して、約3%程度消費電力を低減させることができる。
次に、図12を用いて、蓄熱部材110が10.5Wの冷凍能力を発揮できることについて説明する。図12(a)、12(b)は、第3流路64の延伸部64bの拡大断面図である。図12(a)は、蓄熱部材110が冷熱を蓄熱する場合を示している。図12(b)は、蓄熱部材110が冷熱を放熱する場合を示している。図12(a)、図12(b)にそれぞれ示す矢印130、132は空気の流れを示している。また、図12(a)、図12(b)にそれぞれ示す3本並んだ矢印は熱の移動を示している。
本実施の形態では、蓄熱部材110は第3流路64の延伸部64a内に配置されている。蓄熱部材110が冷熱を蓄熱する際に、延伸部64a内を流通する冷気から蓄熱部材110への伝熱量Q(W)は、対流熱伝達率h(W/m・K)とし、蓄熱部材110の伝熱面積(表面積)をA(m)とし、蓄熱部材110の表面温度をTw(K)とし、冷気温度をTa(K)とすると、次式(1)によって求めることができる。
Q=hA(Tw−Ta) ・・・(1)
ここで、蓄熱部材110の表面にはポリカーボネート製のカバー材111が設けられているとして、熱伝導率k=0.19(W/(m・K))とする。
本実施の形態では、例えば、空気の流れる速度を1.2m/sとして対流熱伝達率h=8.2(W/m・K)とし、蓄熱部材110の伝熱面積を0.1(m)とし、蓄熱部材110の表面温度を潜熱蓄熱材120の相変化温度としてTw=281(K)(4℃)とし、冷気温度をTa=263(K)(−10℃)とすると、(1)式より、Q=11.0(W)となる。このため、蓄熱部材110に10.5W以上の冷熱を移動させることがでる。このため、蓄熱部材110は、10.5W以上の冷熱を蓄熱することができる。
蓄熱部材110が冷熱を放熱する際には、図12(b)に示すように、冷蔵室20から流入した温度約10℃の空気が延伸部64a内を流通する。この空気は、ファン63により、例えば、3.5m/sで送風されている。当該空気から蓄熱部材110への伝熱量は、上記(1)式により求めることができる。例えば、空気の流れる速度を3.5m/sとして対流熱伝達率h=20.0(W/m・K)とし、蓄熱部材110の伝熱面積を0.1(m)とし、蓄熱部材110の表面温度を潜熱蓄熱材120の相変化温度としてTw=281(K)(4℃)とし、当該空気温度をTa=287(K)(10℃)とすると、上記(1)式より、Q=−10.8(W)となる。このように、蓄熱部材110は、10.5W以上の熱を当該空気から奪うことができる。このため、蓄熱部材110は、10.5W以上の冷熱を冷蔵室20へ放出することができる。
ところで、特許第3313763号公報には、冷凍機中に蓄冷材を備えた蓄冷型冷蔵庫が記載されている。この蓄冷型冷蔵庫は、冷却器と圧縮機との間に配置され、冷却器に冷媒管で直列に接続され、蓄冷材を備えた蓄冷器が設けられている。この蓄冷型冷蔵庫では、蓄熱器を冷媒配管で冷却器に接続するため、冷凍機の構造が複雑になる。また、この蓄冷型冷蔵庫では、冷凍機による冷蔵室の冷却と、蓄冷材による冷蔵室の冷却とを組み合わせていない。このため、蓄冷材が冷凍機の行う冷蔵室の冷却を補助するわけではないので、冷蔵室の温度上昇時に圧縮機の出力を大きくする必要がある。このため、この蓄冷型冷蔵庫では、冷蔵室の温度上昇時の省電力化を図ることができない。
また、特開平6−123537号公報には、冷凍機内に蓄冷材を備えた蓄熱式冷凍冷蔵庫が記載されている。この蓄熱式冷凍冷蔵庫では、冷却器や圧縮機と蓄冷材を備えた蓄熱器とを冷媒配管により接続するため、冷凍機の構造が複雑になる。また、この蓄熱式冷凍冷蔵庫では、冷凍機による冷蔵室の冷却と、蓄冷材による冷蔵室の冷却とを組み合わせていない。このため、蓄冷材が冷凍機の冷蔵室の冷却を補助するわけではないので、冷蔵室の温度上昇時に圧縮機の出力を大きくする必要がある。このため、この蓄熱式冷凍冷蔵庫では、冷蔵室の温度上昇時の省電力化を図ることができない。
本実施の形態による冷蔵庫1では、蓄熱部材110と冷凍機80とを冷媒配管により接続しない。このため、本実施の形態による冷蔵庫1によれば、冷凍機80の構造を単純にすることができる。また、本実施の形態による冷蔵庫1によれば、冷蔵室20内の温度上昇時には、冷凍機80の行う冷蔵室20の冷却を蓄熱部材110が補助することができる。このため、本実施の形態による冷蔵庫1によれば、圧縮機82の出力(圧縮動力)を高くすることなく、全体としての冷凍能力を高めることができる。したがって、本実施の形態による冷蔵庫1によれば、常に圧縮機82を高効率で運転することができるので、電力消費を低減することができる。
本実施の形態による冷蔵庫1のダンパ65は、第3流路64と第4流路66との接続部の開口を閉鎖する、又は、第1流路60側の第3流路64を閉鎖するように動作する。しかしながら、ダンパ65の動作はこれに限定されない。例えば、ダンパ65は、第3流路64を流れる冷却器88により冷却された空気の送風量と、第4流路66から流入して第3流路64を流れる冷蔵室20の空気の送風量とを調節できればよい。したがって、ダンパ65は、冷蔵室20内の温度が所定温度未満の場合には、第3流路64を流れる冷却された空気の送風量が、第4流路66から流入して第3流路を流れる冷蔵室20の空気の送風量より多くなるように調節できればよい。また、ダンパ65は、冷蔵室20内の温度が所定温度以上の場合には、第4流路66から流入して第3流路64を流れる冷蔵室20内の空気の送風量が、第3流路54を流れる冷却された空気の送風量より多くなるように調節できればいよい。
また、本実施の形態による冷蔵庫1は、風量調節機構として、第3流路64と第4流路66との接続部にダンパ65を1個配置しているが、これに限られない。例えば、冷蔵庫1は、第1流路60側の第3流路64内にさらにダンパを配置してもよい。この場合には、ダンパ65は、第3流路64と第4流路66との接続部の開口の開放と閉鎖ができればよい。ダンパ65が当該接続部の開口の閉鎖する場合には、第1流路60側の第3流路64内に配置されるダンパは、当該第3流路64を開放するようにする。ダンパ65が当該接続部の開口の開放する場合には、第1流路60側の第3流路64内に配置されるダンパが当該第3流路64を閉鎖するようにする。
また、本実施の形態による冷蔵庫1の制御部200は、温度計測部202から入力される温度検出信号に基づいて、送風機63のオン制御と、ダンパ65の駆動制御を行っているが、制御部200の制御方法はこれに限られない。例えば、扉部材23a又は23bが開放されたことを検出するセンサを設けておき、制御部200は、当該センサが扉部材23a、23bの開放を検出したことに基づき、送風機63のオン制御と、ダンパ65の駆動制御を行ってもよい。この場合には、扉部材23a、23bが開放されると、制御部200は、送風機63の送風を開始し、ダンパ65により第1流路60側の第3流路64を閉鎖する。これにより、蓄熱部材110から冷蔵室20内に冷熱が放熱される。制御部200は、温度計測部202から入力される温度検出信号に基づいて、冷蔵室20内の温度が所定温度未満になったと判断すると、送風機63の送風を停止し、ダンパ65駆動して、第1流路60側の第3流路64を開放し、第3流路64と第4流路66との接続部の開口を閉鎖する。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態によるファン式の冷蔵庫3について、図13乃至図17を用いて説明する。本実施の形態による冷蔵庫3の概略構成は第1の実施の形態による冷蔵庫1と同様であるので、その説明を省略する。なお、第1の実施の形態と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。冷蔵庫3は、第3流路64及び第4流路66を備えておらず、後述する第5流路70を備える点と、蓄熱部材113が冷蔵室20内に配置されている点とに特徴を有している。
図13は、本実施の形態による冷蔵庫3の構成を模式的に示している。冷蔵庫3は、蓄熱部材113を有している。蓄熱部材113は、冷蔵室20内に配置されている。蓄熱部材113は、潜熱蓄熱材120(図13では不図示)を有している。蓄熱部材113は、第1流路60から冷蔵室20内に導入される冷気が直接当るように配置されている。このため、第1流路60から冷蔵室20内に流入した冷却された空気と蓄熱部材113とは、互いに熱交換をすることができる。
蓄熱部材113の潜熱蓄熱材120の相変化温度は、冷蔵室20の平均温度の約5℃よりも低く、例えば約4℃である。蓄熱部材113には、第1流路60から導入される冷気が直接当るため、潜熱蓄熱材120を相変化温度よりも低く冷却することができる。このため、潜熱蓄熱材120は、冷熱を蓄熱して固相状態に変化するか、すでに固相状態の場合は固相を維持しつつ顕熱蓄熱をする。
冷蔵庫1は、冷蔵室20内の空気を導出して冷蔵室20内の蓄熱部材113の近傍に戻す第5流路70を有している。第5流路70内には、第5流路70から冷蔵室20に空気を循環させる第3送風装置として、ファン71が配置されている。ファン71は、制御部200により制御される。ファン71が作動すると、冷蔵室20内の空気が第5流路71内に導入され、蓄熱部材113の近傍に導出される。
図14は、冷蔵庫3の概略構成を示す正面図である。図15は、図14のB−B線で切断した冷蔵庫3の概略構成を示す断面図である。図14及び図15中における実線又は破線の矢印は、空気の流れる方向を表している。なお、図14及び図15では、棚24の図示を省略している。
図14に示すように、冷蔵室20の奥側には、冷気通路94が配置されている。冷気通路94は、冷蔵室20の左上部に向かって延伸する分岐通路97aと、冷蔵室20の右上部に向かって延伸する分岐通路99aとを有している。分岐通路97aは、冷蔵室20の上側内壁面左寄りに設けられた吹出口97bと、冷蔵室20の奥側内壁面に設けられた吹出口97c、97dとに接続されている。分岐通路99aは、冷蔵室20の上側内壁面右寄りに設けられた吹出口99bと、冷蔵室20の奥側内壁面に設けられた吹出口99c、99dとに接続されている。冷蔵室20は、分岐通路97a、99aを通って吹出口97b〜97d、吹出口99b〜99dから吹き出された冷気によって保冷される。また、第1流路60には、分岐通路97a、99aを備えた冷気通路94が含まれる。
吹出口97c、97dと吹出口99c、99dとの間には、蓄熱部材113が配置されている。吹出口97c、97dと吹出口99c、99dから吹き出ている冷気の温度は、冷蔵室20内の温度よりも低くなっている。吹出口97c、97dと吹出口99c、99dから吹き出ている冷気により、蓄熱部材113は冷却され、潜熱蓄熱材120(図14では不図示)は冷熱を蓄熱する。
冷蔵室20の奥側であって、分岐通路97aと分岐通路99aとの間には、第5流路70が設けられている。第5流路70は、冷蔵室20の上側内壁面中央に設けられた吸気口70aと、蓄熱部材113と水平方向に見て重なり、冷蔵室20の奥側内壁面に設けられた吹出口70bに接続されている。第5流路70内には、ファン71が配置されている。ファン71が作動することにより、第5流路70は、冷蔵室20内の空気を吸気口70aから流入させ、吹出口70bから吹き出すことができる。
次に、図15を用いて、蓄熱部材113と吹出口70bとの配置関係及び第5流路70内を流通する空気の流れについて説明する。蓄熱部材113と、冷蔵室20の奥側内壁面との間には取付部材114a、114bが配置されている。取付部材114a、114bは、直方体形状を有し、長手方向が冷蔵庫3の水平方向になるように配置されている。取付部材114aの前側面は、蓄熱部材113の冷蔵室20の奥側内壁面との対向面上端に接着剤等で張り付けられている。取付部材114bの前側面は、蓄熱部材113の冷蔵室20の奥側内壁面との対向面下端に接着剤等で張り付けられている。取付部材114aの後側の一部は、冷蔵室20の奥側内壁面に設けられた不図示の溝に嵌め込まれている。取付部材114bの後側の一部は、冷蔵室20の奥側内壁面に設けられた不図示の溝に嵌め込まれている。蓄熱部材113は、取付部材114a、114bを介して、冷蔵室20の奥側内壁面に取り付けられている。
蓄熱部材113と冷蔵室20の奥側内壁面との間には、取付部材114a、114bにより、所定間隔の間隙が設けられる。これにより、吹出口70bから吹き出る空気を冷蔵室20内に導入する際に、蓄熱部材113に強制的に吹き付けることができる。
次に、図16及び図17を用いて、本実施の形態による冷蔵庫3の動作について説明する。図16は、温度センサ202aが検出する冷蔵室20内の温度が所定温度(例えば、6℃)未満の場合の冷蔵庫3の動作を模式的に示している。図16では、冷蔵庫3内の空気の流れを矢印で示している。制御部200は、定常運転時には一定の回転数で運転するように圧縮機82を制御する。冷却器88で生成された冷気は、ファン61より送風されて第1流路60を介し冷蔵室20内へ導入される。また、制御部200は、ファン71を停止させる。このように、ファン71は、冷蔵室20内の温度が所定温度未満の場合には、送風を停止する。
また、第1流路60から冷蔵室20内に導入される冷気により蓄熱部材113が冷却される。蓄熱部材113の潜熱蓄熱材120は冷熱を蓄熱する。
次に、図17を用いて、扉部材23a、23bが例えば10秒間開放状態になって、温度センサ202aが所定温度(例えば、6℃)以上の値を検出した場合の冷蔵庫3の動作を説明する。図17では、冷蔵庫3内の空気の流れを矢印で示している。制御部200は、温度計測部202から入力された温度検出信号に基づき、冷蔵室20内の温度が閾値(例えば、6℃)以上になったと判定すると、ファン71を作動させる。ファン71が、作動して送風を開始すると、冷蔵室20内の相対的に温かい空気が第5流路70内に流入する。第5流路70内に流入する空気は、蓄熱部材113に向けて冷蔵室20内へ戻される。この際、当該空気と蓄熱部材113との間で熱交換が行われる。このため、当該空気は、冷却される。
制御部200は、一定の出力で圧縮機82が駆動するように制御している。冷蔵庫3は、冷蔵室20の温度上昇時に、蓄熱部材113から冷熱を放熱させて冷蔵室20内を冷却する。冷蔵室20は、第1流路60を介して導入される冷気と、第5流路70から吹き出された後、蓄熱部材113により冷却された冷気とで再び所定温度未満に冷却される。
このように、本実施の形態による冷蔵庫3は、第1の実施の形態による冷蔵庫1と同様に、圧縮機82を高回転で運転させることなく全体としての冷凍能力を高くすることができる。このため、本実施の形態による冷蔵庫3は、圧縮機82を常に高効率で運転させることができるので、消費電力を低減させることができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態によるファン式の冷蔵庫5について、図18乃至図22を用いて説明する。なお、第1の実施の形態と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。冷蔵庫5は、第3流路64、第4流路66及び第5流路70を備えておらず、後述する第6流路75を備える点と、第1流路60内に蓄熱部材115が配置されている点とに特徴を有している。
図18は、本実施の形態による冷蔵庫5の構成を模式的に示している。冷蔵庫5は、保冷室として冷蔵室55を有している。冷蔵室55の平均温度は例えば約5℃になるように設定されている。冷蔵庫5は、冷蔵室55を冷却するための冷却機構として、蒸気圧縮式の冷凍機80と有している。圧縮機82は、冷蔵庫5が電源投入されて冷蔵室55内の温度が設定温度になった後の定常運転時には、ほぼ一定の出力を維持するように駆動される。冷蔵庫5は、冷却された空気を冷蔵室55内に導入する第1流路60と、冷蔵室55内の空気を冷却器88に導出する第2流路62とを有している。これにより、冷却器88で冷却された空気が第1流路60を介して冷蔵室55内に導入され、冷蔵室55内の空気が第2流路62を介して冷却器88に導出される。第1流路60には、第1送風装置としてファン61が配置されている。ファン61は、定常運転時にはほぼ一定の出力で作動し続ける。ファン61を作動させることにより、冷却器88から第1流路60、冷蔵室55内、第2流路62を介して冷却器88に戻るように空気が冷蔵庫5内を循環する。
冷蔵庫5は、蓄熱部材115を有している。蓄熱部材115は第1流路60内に配置されている。蓄熱部材115は、潜熱蓄熱材122(図18では不図示)を有している。潜熱蓄熱材122は、冷蔵室55内の平均温度よりも低い、固相及び液相間の相変化が可逆的に生じる相変化温度を有している。冷蔵室55内の平均温度は、例えば、約5℃である。
冷蔵庫5は、冷蔵室55内の空気を導出し第1流路60内の蓄熱部材115の近傍に戻す第6流路75を有している。第6流路75内には、第6流路75から蓄熱部材115に冷蔵室55内の空気を送風する第4送風装置として、ファン76が配置されている。ファン76が作動することにより、冷蔵室55内の空気が、第6流路75内に導入され、第1流路内の蓄熱部材115内に向けて強制的に送風される。ファン76は、制御部200により制御され、温度センサ202aの計測する冷蔵室55内の温度に基づいて、送風を開始/停止する。
冷蔵庫5は、冷蔵室55内の温度を計測する温度計測部202を有している。温度計測部202は、冷蔵室55内の温度を計測する温度センサ202aを有している。制御部200には、温度計測部202からの冷蔵室55内の温度検出信号が入力される。制御部200は、当該温度検出信号に基づき、ファン76のオン/オフ制御を行う。
次に、図19及び20を用いて、本実施の形態による冷蔵庫5の具体的構成について説明する。本実施の形態による冷蔵庫5は、オープン型のショーケース冷蔵庫である。オープン型のショーケース冷蔵庫5では、冷蔵室55を開閉する扉部材の代わりにエアカーテン150が用いられる。エアカーテン150は、冷蔵室55の上方から冷気を下方に吹き下ろして、冷蔵室55内外間での空気の流れを遮断するように形成される。このような冷蔵庫5は、冷蔵室55内に貯蔵されている飲食物等を取り出す際に扉部材を開閉する必要がなく、例えば飲食物を取り扱う小売店で好適に用いられる。
図19は、冷蔵庫5の外観構成を示す正面図である。図20は、図19のC−C線で切断した冷蔵庫5の概略の断面図である。図20中における実線の矢印は、冷気の流れる方向を表している。図19及び図20に示すように、冷蔵庫5は、一面に開口部が形成された縦長直方体形状の冷蔵庫本体15を有している。冷蔵庫本体15は、例えば金属薄板により形成された外壁と、例えばABS樹脂により形成された内壁と、外壁と内壁との間の空間に充填された断熱材とを有している。すなわち冷蔵庫本体15は、外壁、断熱材及び内壁からなる層構造を有している。断熱材としては、繊維系断熱材(例えばグラスウール)、発泡樹脂系断熱材(例えばポリウレタンフォーム)などが用いられる。冷蔵庫本体15には、冷蔵室55が設けられている。冷蔵室55内には、貯蔵物を載置する複数の棚24が設けられている。
冷蔵室55の下側内壁面の手前側端部には、吸気口140が設けられている。吸気口140の奥側には、吸気口142が設けられている。吸気口140と吸気口142とは、略同じ大きさに形成されている。
吸気口140は、冷蔵室55の下方に設けられた流路141に接続されている。流路141は、冷蔵室55の奥側下方まで延伸して設けられている。流路141内には、冷却器88が配置されている。流路141内の冷却器88の奥側には、ファン61が配置されている。ファン61の作動中には、冷蔵室55内の空気が吸気口140から流路141に流入する。流路144内に流入した空気は、冷却器88と熱交換して冷却される。流路141は、冷蔵室55の奥側に設けられている流路145に接続されている。流路145は、冷蔵室55の上側端部に設けられている吹出口146に接続されている。ファン61の配置箇所は、流路141内であって、冷却器88の手前側でもよい。
吸気口142は、流路141の上方に設けられた第6流路75に接続されている。第6流路75は、冷蔵室55の奥側まで延伸して設けられている。第6流路75内には、ファン76が配置されている。ファン76を作動させることにより、冷蔵室55内の空気を吸気口140介して第6流路75に流入させることができる。第6流路75は、冷蔵室55の奥側に設けられている流路145に接続されている。流路141と第6流路75とは流路145に合流している。
流路145内であって、流路141と第6流路75との合流点近傍には、蓄熱部材115が配置されている。蓄熱部材115は、潜熱蓄熱材122を有している。潜熱蓄熱材122は、パラフィンやゲル化剤を含んでいる。潜熱蓄熱材122の相変化温度は、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定することができる。
本実施の形態では、潜熱蓄熱材122として例えばn−トリデカン(分子式:C1328)が用いられる。n−トリデカンを用いた潜熱蓄熱材122の相変化温度は約−5℃程度である。潜熱蓄熱材122としては、相変化温度が冷蔵室55の室内平均温度より低く、かつ、冷却器88により生成された冷気の温度より高ければ、パラフィン以外の材料を用いることもできる。本実施例による冷蔵庫5では、冷却器88が生成する冷気の温度は、約−10℃である。また、冷蔵室55内の温度は、約3℃〜7℃になるように設定されている。冷蔵室55内の温度が所定温度(例えば、約3℃〜7℃)未満である場合には、蓄熱部材115近傍を流れる、流路145内の冷気は−5℃よりも低くなっている。このため、蓄熱部材115の潜熱蓄熱材122は、冷却され続け固相状態になり、冷熱を蓄熱する。
流路145を流通し吹出口146から吹き出る冷気により、冷蔵室55内が冷却されるとともに、冷蔵室55内の空気と冷蔵室55外の空気との境界にエアカーテン150が形成される。このエアカーテン150により、冷蔵室55内への外気の流入を防ぎ冷蔵室55内が所定温度未満に保たれる。また、エアカーテン150を形成する冷気は、吸入口140に吸い込まれ、流路141内の冷却器88に導入される。このようにして、冷気が冷蔵庫5を循環している。第1流路60は、冷却器88の配置箇所より奥側の流路141と、流路145とで構成される。第2流路62は、冷却器88の配置箇所より手前側の流路141で構成される。
冷蔵庫5において、冷蔵室55内に手を伸ばして、棚24上に載置されている飲食物等を取り出すと、エアカーテン150に隙間が生じ外気が冷蔵室55内に流入する。このため、冷蔵室55内の温度は上昇する。また、エアカーテン150を形成する冷気の温度も上昇するこのため、吸気口140内に流入する空気の温度は上昇する。
吸気口140と吸気口142との間には、温度センサ202aが配置されている。温度センサ202aは、温度計測部202の一部として構成されている。温度センサ202aの検出した温度は、温度計測部202から温度検出信号として制御部200に入力される。制御部200は、温度センサ202aの検出した温度が所定温度を超えたと判断すると、ファン76による送風を開始させる。ファン76が送風を開始すると、エアカーテン150を形成していた冷気の一部が吸気口142から第6流路75内に流入する。また、ファン61は送風を継続しているので、エアカーテン150を形成していた空気の一部が吸気口140から流路141内に流入する。このように、冷蔵室55内の温度が所定温度以上になると、エアカーテン150を形成していた空気が流路141と第6流路75とに分かれて流入する。
冷蔵室55内の温度が所定温度以上の場合のエアカーテン150の下端部の温度は、冷蔵室55内の温度が所定温度未満の場合のエアカーテン150の下端部の温度よりも相対的に高い。しかしながら、エアカーテン150を形成していた空気が流路141と第6流路75とに分かれて流入するため、流路141内に流入する空気量は相対的に少なくなっている。このため、圧縮機82を高回転で運転し、冷凍機80の冷凍能力を向上させなくても、冷却器88と熱交換する空気の量が減少しているため、流路141内を流通する空気を十分な温度にまで冷却することができる。
また、第6流路75内に流入した空気は、冷却されないまま流路145内に導出される。この際、流路141内を流通してきた冷気と、第6流路75内を流通してきた空気とが混ざって、流路141と第6流路75との合流点の流路145内を流通する冷気の温度が所望の温度よりも上昇してしまう。しかしながら、流路145内を流通する冷気は、蓄熱部材115と熱交換することにより、蓄熱部材115を通過する際には、所望の温度にまで再び冷却される。これにより、冷蔵庫5は、冷蔵室55内の温度が所定温度以上に上昇しても、冷蔵室55内を冷却するのに十分な温度の冷気を生成することができる
次に、図21及び図22を用いて、冷蔵庫5の動作について説明する。図22は、温度センサ202aが検出する冷蔵室55の温度が所定温度未満の場合の冷蔵庫5の動作を模式的に示している。図22では、冷蔵庫5内の空気の流れを矢印で示している。制御部200は、定常運転時には一定の回転数で運転するように圧縮機82を制御する。冷却器88で生成された冷気は、ファン61より送風されて第1流路60を介し冷蔵室55内へ導入される。また、制御部200は、ファン76の送風を停止させている。このため、第1流路60内に相対的に温度の高い空気が流入することなく、蓄熱部材115は冷却され冷熱を蓄熱する。
次に、図22を用いて、温度センサ202aが所定温度以上の値を検出した場合の冷蔵庫5の動作を説明する。図22では、冷蔵庫5内の空気の流れを矢印で示している。制御部200は、温度計測部202から入力された温度検出信号に基づき、冷蔵室55内の温度が所定温度以上に上昇したと判定すると、ファン76による送風を開始する。これにより、第6流路76を介して第1流路61内に冷蔵室55内の空気が導入される。この導入された空気は、冷却器88により冷却された空気と混ざり、さらに蓄熱部材115と熱交換して所望の温度にまで冷却される。この冷却された空気は冷蔵室55内に導入されることにより、冷蔵室55は再び所定温度未満に冷却される。
このように、本実施の形態による冷蔵庫5によれば、冷蔵室55内の温度が上昇しても圧縮機82を高回転で運転させることなく冷蔵室55を所定温度未満にまで冷却することができる。このため、本実施の形態による冷蔵庫5によれば、消費電力を低減させることができる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態による冷蔵庫について、図23を用いて説明する。なお、第1の実施の形態と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態による冷蔵庫が有する蓄熱部材117には、ヒートシンク119が設けられている。図23は、蓄熱部材117の断面図である。蓄熱部材117は、例えばポリカーボネートで形成された容器118と、容器118内に充填された潜熱蓄熱材120と、容器118の表面に設けられたヒートシンク119とを有している。ヒートシンク119としては、例えば、Al押し出しフィン、精密鍛造フィン、スカイブフィン、ロウ付けフィン、ハンダ付けフィン、クリンプフィン等を用いることができる。
ヒートシンク119を備えた蓄熱部材117によれば、蓄熱部材117近傍を流れる空気への伝熱量を大きくすることができる。これにより、蓄熱部材117と空気との間での熱伝達率を向上させることができる。ヒートシンク119を備えた蓄熱部材117によれば、蓄熱部材117の表面積を小さくしつつ、蓄熱部材117近傍を流れる空気への必要な伝熱量を維持することができる。
本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
上記実施の形態では、冷却機構として蒸気圧縮式の冷凍機を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、吸収式の冷却装置やペルチェ効果を用いた電子式の冷却装置等を用いることもできる。
また上記実施の形態では、保冷庫としてファン式の冷蔵庫を例に挙げたが、本発明はこれに限られない。例えば、本発明は、直冷式の冷蔵庫にも適用できる。直冷式の冷蔵庫においては、蓄熱部材を冷却器に接触させて冷蔵室内に配置する。冷蔵室内の温度が所定温度未満の場合には、蓄熱部材は冷却器により冷却されて冷熱を蓄熱することができる。冷蔵室内の温度が所定温度以上になると、蓄熱部材は冷蔵室内へ冷熱を放熱することができる。
また上記実施の形態では、保冷庫の保冷室として冷蔵室を例に挙げたが、本発明はこれに限られない。例えば、本発明は、冷凍室や野菜室を保冷室とする冷蔵庫にも適用できる。
また上記実施の形態では、液相状態で流動性を有しないゲル状の潜熱蓄熱材を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、液相状態で流動性を有する潜熱蓄熱材を用いることもできる。
なお、上記詳細な説明で説明した事項、特に上記実施の形態で説明した事項は組み合わせることが可能である。
本発明は、保冷庫の分野において広く利用可能である。
1、3、5 保冷庫
10 、15保冷庫本体
19 給水タンク
20 、55 冷蔵室
21 チルド室
22、24 棚
25 チルド室トレイ
23a、23b、34、35、36、41 扉部材
26a〜26f 扉収容部
27 小物収容部
28 上段小物ケース
29 下段小物ケース
30 冷凍室
31 上段冷凍室
32 貯氷室
33 下段冷凍室
37、39 冷凍室トレイ
38 貯氷室トレイ
40 野菜室
42、43、44、45、46、47、90、94、100 冷気通路
48、野菜室トレイ
50、51 仕切り壁
60 第1流路
61、63、71、76、92 ファン
62 第2流路
64 第3流路
64b、64c、64d、70b、93a、93b、96a、96b、97b、97c、97d、98d、98e、98f、99b、99c、99d、102、146 吹出口
65 ダンパ
66b、70a、91、101 141、142 吸気口
66 第4流路
70 第5流路
75 第6流路
80 冷凍機
82 圧縮機
83、85、87、89 冷媒配管
84 凝縮機
86 膨張器
88 冷却器
97a、99a 分岐通路
110、113、115、117 蓄熱部材
114a、114b 取付け部材
118 容器
119 ヒートシンク
120、122 潜熱蓄熱材
140、145 流路
150 エアカーテン
200 制御部
202、204 温度計測部
202a 温度センサ

Claims (15)

  1. 保冷室と、
    定常運転時に一定の消費電力で空気を冷却する冷却機構と、
    冷却された前記空気を前記保冷室内に導入する第1流路と、
    前記保冷室内の空気を前記冷却機構に導出する第2流路と、
    前記第1流路、前記保冷室、及び前記第2流路間で前記空気を循環させる第1送風装置と、
    前記保冷室内の温度が所定温度未満の場合は、前記冷却された空気により冷却されて冷熱を蓄熱し、前記保冷室内の温度が前記所定温度以上の場合は、蓄熱した前記冷熱を前記保冷室内へ放熱する蓄熱部材と
    を有することを特徴とする保冷庫。
  2. 請求項1記載の保冷庫であって、
    前記冷却された空気を前記保冷室内に導入可能な第3流路と、
    前記保冷室内の空気を前記第3流路に導出可能な第4流路と、
    前記第3流路と前記第4流路との接続部に配置され、前記第3流路を流れる前記冷却された空気の送風量と、前記第4流路から流入して前記第3流路を流れる前記保冷室内の空気の送風量とを調節する風量調節機構と、
    前記第3流路、前記保冷室、及び前記第4流路間で前記空気を循環させる第2送風装置と
    をさらに有し、
    前記蓄熱部材は、前記風量調節機構と前記保冷室との間の前記第3流路内に配置されており、
    前記風量調節機構は、
    前記保冷室内の温度が所定温度未満の場合には、前記第3流路を流れる前記冷却された空気の送風量が、前記第4流路から流入して前記第3流路を流れる前記保冷室の空気の送風量より多くなるように調節し、
    前記保冷室内の温度が前記所定温度以上の場合には、前記第4流路から流入して前記第3流路を流れる前記保冷室内の空気の送風量が、前記第3流路を流れる前記冷却された空気の送風量より多くなるように調節すること
    を特徴とする保冷庫。
  3. 請求項2記載の保冷庫であって、
    前記第3流路は、前記第1流路から分岐していること
    を特徴とする保冷庫。
  4. 請求項2又は3に記載の保冷庫であって、
    前記保冷室内の温度を計測する温度計測部をさらに有し、
    前記風量調節機構は、前記温度計測部で計測された前記保冷室内の温度に基づいて送風量を調節すること
    を特徴とする保冷庫。
  5. 請求項1記載の保冷庫であって、
    前記蓄熱部材は、前記保冷室内であって、前記第1流路から前記保冷室内に流入した前記冷却された空気と熱交換可能な位置に配置されていること
    を特徴とする保冷庫。
  6. 請求項5記載の保冷庫であって、
    前記保冷室内の空気を導出して前記保冷室内の前記蓄熱部材の近傍に戻す第5流路と、
    前記第5流路から前記保冷室に前記空気を循環させる第3送風装置と
    をさらに有し、
    前記第3送風装置は、
    前記保冷室内の温度が所定温度未満の場合には、送風を停止し、
    前記保冷室内の温度が前記所定温度以上の場合には、送風を開始すること
    を特徴とする保冷庫。
  7. 請求項6記載の保冷庫であって、
    前記保冷室内の温度を計測する温度計測部をさらに有し、
    前記第3送風装置は、前記温度計測部で計測された前記保冷室内の温度に基づいて送風を開始又は停止すること
    を特徴とする保冷庫。
  8. 請求項1記載の保冷庫であって、
    前記蓄熱部材は、前記第1流路内に配置されていること
    を特徴とする保冷庫。
  9. 請求項8記載の保冷庫であって、
    前記保冷室内の空気を導出し前記第1流路内の前記蓄熱部材の近傍に戻す第6流路と、
    前記第6流路から前記蓄熱部材に前記空気を送風する第4送風装置と
    をさらに有し、
    前記第4送風装置は、
    前記保冷室内の温度が所定温度未満の場合には、送風を停止し、
    前記保冷室内の温度が前記所定温度以上の場合には、送風を開始すること
    を特徴とする保冷庫。
  10. 請求項9記載の保冷庫であって、
    前記保冷室内の温度を計測する温度計測部をさらに有し、
    前記第4送風装置は、前記温度計測部で計測された前記保冷室内の温度に基づいて送風を開始又は停止すること
    を特徴とする保冷庫。
  11. 請求項1から10までのいずれか一項に記載の保冷庫であって、
    前記蓄熱部材は、ヒートシンクを有すること
    を特徴とする保冷庫。
  12. 請求項1から11までのいずれか一項に記載の保冷庫であって、
    前記蓄熱部材は、潜熱蓄熱材を有すること
    を特徴とする保冷庫。
  13. 請求項12記載の保冷庫であって、
    前記潜熱蓄熱材は、前記保冷室の平均温度より低い相変化温度を有すること
    を特徴とする保冷庫。
  14. 請求項1から13までのいずれか一項に記載の保冷庫であって、
    前記冷却機構は、圧縮機を備えた冷凍機を有していること
    を特徴とする保冷庫。
  15. 請求項1から14までのいずれか一項に記載の保冷庫であって、
    前記圧縮機は、前記定常運転時には一定の回転数で運転されること
    を特徴とする保冷庫。
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