JP2013245370A - 水素吸放出合金、水素吸放出体、及び水素センサー。 - Google Patents

水素吸放出合金、水素吸放出体、及び水素センサー。 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、水素吸蔵・水素放出の間の繰り返し耐久性に優れた水素吸放出合金、水素吸放出体、水素センサーを提供することを目的とする。
【解決手段】イットリウムとマグネシウムとを含有しており、含有するイットリウムとマグネシウムとの原子比が、0.25≦Y/Mg≦3.0の関係を満たすことを特徴とする水素吸放出合金、水素吸放出体、水素センサーを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水素吸放出合金、水素吸放出体、及び水素センサーに関する。
近年、クリーンなエネルギー源である水素を用いた燃料電池が注目されている。しかし、水素は分子が小さいため透過性が高く、さらに爆発の危険性があるため、水素を取り扱う方法が実用化の際重要になる。水素を安全に取り扱う方法として、合金に水素を吸蔵させることが好ましく、このような特性をもつ水素吸蔵合金に関して多くの研究が進められている(例えば、特許文献1、2)。
金属マグネシウムは7.6質量%という大きな水素吸蔵量を示すため、例えば特許文献1に記載されているようにMgとNiとの合金が水素吸蔵合金として利用されている。
そして、水素吸蔵合金は水素を吸蔵・放出した際の特性変化を利用して、水素センサーにも用いられている。例えば、ガラス又はプラスチック等の透明基材の表面にMg−Ni合金等の水素吸蔵層を形成し、この水素吸蔵層にパラジウム等の触媒層を形成した素子が水素センサーとして用いられている。
当該素子は、常温常圧で水素吸蔵層が可逆的に水素吸蔵・水素放出し、その光学的反射率が大きく変化する。そのため、当該素子を用いた水素センサーは、水素吸蔵層の水素化に伴う光学的反射率若しくは光学的透過率の変化を検知することで、常温常圧において雰囲気中の漏洩水素ガスを検出することができ、漏洩水素ガスを安全かつ迅速に検出することができるという特徴を有している。
上記水素吸蔵合金を燃料電池等への水素供給源として使用する目的で取り扱う場合においても、又、水素センサーとして取り扱う場合においても、水素吸蔵・水素放出の間の高い繰り返し耐久性が要求されている。
特開2004−346418号公報 特開2011−219841号公報
しかしながら、これまで開発された水素吸蔵合金は、水素の吸蔵量や取り扱い性の向上や水素放出までの時間短縮を主眼に研究されたものが多く、Mg−Ni合金を含め、水素吸蔵・水素放出の間の高い繰り返し耐久性を有するものの実現には至っていない。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、水素吸蔵・水素放出の間の繰り返し耐久性に優れた水素吸放出合金を提供することを目的とする。
本発明は、イットリウムとマグネシウムとを含有しており、含有するイットリウムとマグネシウムとの原子比が、0.25≦Y/Mg≦3.0の関係を満たすことを特徴とする水素吸放出合金を提供する。
本発明によれば、水素吸蔵・水素放出の繰り返し耐久性に優れた水素吸放出合金を提供することができる。
本発明の第2の実施形態に係る水素吸放出体の断面図 本発明の第3の実施形態に係る水素吸放出体の断面図 本発明の第4の実施形態に係る水素吸放出体の断面図 本発明の実施例1における水素吸放出特性を測定する装置の構成を示す断面図 本発明の実施例1の試料4の水素吸放出体、及び、比較例1の水素吸放出体の水素吸放出の繰り返し特性を示す図 本発明の実施例1の試料3及び実施例2の試料10の水素吸放出体の水素吸放出の繰り返し水素吸放出特性を示す図
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明するが、本発明は、下記の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、下記の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
[第1の実施形態]
本実施形態では、本発明の水素吸放出合金について説明する。
本発明の水素吸放出合金はイットリウムとマグネシウムとを含有しており、含有するイットリウムとマグネシウムとの原子比(物質量比)が、0.25≦Y/Mg≦3.0の関係を満たす水素吸放出合金である。
係る水素吸放出合金はイットリウムとマグネシウムの原子比(物質量比)が上記範囲を満たすことにより、1000回以上の安定した水素吸放出特性(繰り返し耐久性)を示す。
特に、含有するイットリウムとマグネシウムの原子比が0.6≦Y/Mg≦2.5の関係を満たす場合、10000回以上の安定した水素吸放出特性(繰り返し耐久性を)を示すため、より好ましい。
イットリウムとマグネシウム以外の成分としては特に限定されるものではなく、例えば水素吸放出能を有する他の成分や、水素吸放出に作用する成分等を含有することもできる。また、水素吸放出合金として、イットリウムとマグネシウム以外に有効な成分は含まない合金、すなわちマグネシウム・イットリウム合金からなる水素吸放出合金としてもよい。
水素吸放出合金がイットリウム、マグネシウム以外に含有する成分としては、例えば、係る水素吸放出合金にさらにスカンジウムを含有することが好ましい。これは、スカンジウムをさらに含有することにより、水素を放出する速度を早めることができるためである。
この場合、水素吸放出合金は、イットリウム、マグネシウム及びスカンジウム以外に有効な成分を含まない合金、すなわち、マグネシウム・イットリウム・スカンジウム合金からなる構成としてもよく、上記のようにその他に水素吸放出能を有する成分等を含有する構成としても良い。
水素吸放出合金がスカンジウムを含有する際、その含有量は特に限定されるものではなく、要求される水素吸蔵量や水素放出速度等に応じて選択することができる。
特に、水素吸放出合金に含有されるスカンジウムとマグネシウムとの原子比が、Sc/Mg≦3.0の関係を満たすことが好ましく、Sc/Mg≦1.5の関係を満たすことがより好ましく、Sc/Mg≦1であることが特に好ましい。これは、Scの含有量が係る範囲にあることにより、水素吸放出合金の水素吸蔵量が多く、さらに、十分に水素放出速度を高めることができ、水素の繰り返し吸放出特性も優れるためである。
上記水素吸放出合金の作製方法は特に限定されるものではなく、一般的な合金作製方法を用いることができる。例えば、アーク溶解法、メカニカルアロイング法、低圧不活性ガス中での金属の蒸発法等の物理的手法、溶液からの共沈等の化学的手法を用いることができる。
以上に説明してきた水素吸放出合金によれば、従来のマグネシウム・ニッケル系合金等に比べて、水素吸蔵、水素放出の繰り返し耐久性を高くすることができる。特に、水素吸蔵、放出を繰り返し行っても水素放出時間にほとんど変化のないものとすることができる。
そして、当該水素吸放出合金は水素の吸蔵によって金属状態から透明状態に、水素吸蔵状態から水素を放出することにより透明状態から金属状態に可逆的に変化(スイッチング)するクロミック特性を有する。即ち、水素吸放出合金は、水素によって光透過率及び光反射率が変化する機能を有する。この変化を測定することにより、水素の吸蔵量の変化を見積もることができる。このため、係る機能を利用して後述する水素センサー等に好適に用いることができる。
[第2の実施形態]
本実施形態では、本発明の水素吸放出体について説明する。
本発明の水素吸放出体は、第1の実施形態で説明した水素吸放出合金からなる水素吸放出合金層と、前記水素吸放出合金における水素吸蔵および/または水素放出を促進する触媒層とを備え、前記水素吸放出合金層と前記触媒層とが接触した構造を有する水素吸放出体である。
水素吸放出合金層と触媒とが接触するように配置されていればよくその具体的な形状、構成は限定されるものではないが、例えば図1(a)または図1(b)に示す構成とすることができる。図1(a)、(b)は、本実施形態の水素吸放出体の断面図を模式的に示したものである。
図1(a)では、水素吸放出合金からなる水素吸放出合金層10と、触媒層20とを積層した構造を有している。
図1(b)では、水素吸放出合金層を円柱形状または球状の形態とし、その表面を覆うように触媒層20を設けた構造を有している。
水素吸放出合金層10を構成する水素吸放出合金については第1の実施形態で既に説明したため、ここでは省略する。
水素吸放出合金層10の厚さ等のサイズについては特に限定されるものではなく、用途等に応じて選択することができる。例えば、水素吸放出体を燃料電池等への水素供給源として用いる場合には、必要とされる水素貯蔵量等に応じてそのサイズを選択すればよい。また、水素センサーとして使用する場合についても、水素の吸放出による特性の変化を検出器により検出できる程度のサイズを選択すればよい。
前記触媒層20は、水素吸放出合金層10における水素吸放出合金の水素吸蔵および/または水素放出を促進する物質を含有していれば良く、特に限定されるものではない。水素吸放出合金の物性等に応じて選択することができる。
例えば、触媒層20に含まれる触媒として、パラジウム、白金、パラジウム合金、または白金合金から選択されるいずれかの金属からなることが好ましい。特に水素透過性の高いパラジウムからなることがより好ましい。
なお、触媒層20には、触媒層を層状(膜状)等の所定の形状とするために必要な物質等の任意の成分をさらに含むこともできる。
触媒層20は、既述の様に図1(a)に示すように水素吸放出合金層10と接触するように形成され、水素吸放出合金10における水素吸蔵および/または水素放出を促進する機能を有する。
このため、触媒層20を設けることによって、水素吸蔵および/または水素放出の反応をより迅速進めることが可能になる。また、水素吸放出合金層10の少なくとも一部を触媒層20が被覆することとなるため、水素吸放出合金の酸化を抑制することもできる。
触媒層20の形成方法は特に限定されるものではなく、一般的な方法を適用できる。具体的には、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、化学気相蒸着法(CVD)、めっき法、メカニカルアロイング法、溶液からの共沈等の化学的手法等を用いることができる。
以上、説明してきた本実施形態の水素吸放出体は、当該水素吸放出体に水素を晒すことによって、常温、常圧で水素を吸蔵することができる。又当該水素吸放出体を室温以上、100度以下に暖めることにより、当該水素吸放出体から水素は放出され、水素を取り出すことができる。
特に触媒層20を設けているため、水素吸蔵、水素放出が促進され、水素吸放出合金が酸化されることを抑制することができる。
そして、水素吸放出合金層10の水素吸放出合金として、第1の実施形態で説明した材料を用いているため、例えばマグネシウム・ニッケル系合金を用いた場合と比べて、水素吸蔵、水素放出の繰り返し耐久性を高くすることができる。特に、水素吸蔵、放出を繰り返し行っても水素放出時間にほとんど変化のないものとすることができる。
[第3の実施形態]
本実施形態では、第2の実施形態で説明した水素吸放出体にさらに保護層を設けた水素吸放出体について説明する。
本実施形態の水素吸放出体は前記触媒層20の、前記水素吸放出合金層と接する面以外の面の少なくとも一部に、水素透過性および撥水性を有する保護層を備えたものである。
本実施形態の水素吸放出体の構成例を図2に示す。図2は、本実施形態の水素吸放出体の断面図を模式的に示したものである。
本実施形態の水素吸放出体は第2の実施形態で説明した水素吸放出体に保護層30をさらに備えたものであり、保護層30以外の構成は第1の実施形態で説明したものと同様であるので、ここでは説明を省略する。
上記の様に保護層30は触媒層20の水素吸放出合金層10と接する面以外の少なくとも一部に設けられている。
例えば図2(a)、(b)に示すように、触媒層20を基準として水素吸放出合金層10とは反対側に保護層30を設けることができる。すなわち、水素吸放出体の、触媒層20の水素吸放出合金層10とは反対側の面の一部または全部を覆うように設けることができる。
保護層30は水素透過性および撥水性を有する層であり、触媒層20と協働して、水や酸素による水素吸放出合金層10の水素吸放出合金の酸化を防止する機能を有する。
触媒層20は、水素吸放出合金10の酸化を防止する機能も有しているが、触媒層20だけでは酸化防止機能が十分ではない場合があるため、保護層30を形成することによって、水素吸放出合金10の酸化を防止する機能を高めることが可能になる。
保護層30を構成する材料としては、上記のように水素(水素イオン)に対して透過性(水素透過性)を有し、水に対して非透過性(撥水性)を有するものであれば、特に限定されることなく使用できる。
保護層30の具体的な材料としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、酢酸セルロース等のポリマーや、酸化チタン薄膜等の無機薄膜が用いられる。
保護層30の形成方法には、一般的な成膜方法を用いることができる。例えば、ポリマーを分散させた分散液を塗布、乾燥する方法、ポリマーを分散させた分散液へ浸し、乾燥する方法、無機物をスパッタリング法より成膜する方法により保護層30を形成することができる。
保護層30を設けることによって、水や酸素による水素吸放出合金層10の水素吸放出合金の酸化をより抑制することができる。このため、水素吸放出合金10の劣化を防止し、耐久性をより高めることが可能になる。
[第4の実施形態]
本実施形態では、第2の実施形態で説明した水素吸放出体において、さらに基材を備えた水素吸放出体について説明する。
基材は、シートやフィルムや微粒子や繊維状や多孔体の形態であってよく、水素吸放出体の形状等に応じて選択することができる。また、基材を構成する材料としては、これに接する層に対して不活性な物であり、水素吸放出体を使用する環境に対して耐久性を有するものであれば良く、ガラス、セラミック、金属等の無機材料や、プラスチック等の有機材料等を用いることができる。
基材を設ける場所としては特に限定されるものではないが、水素吸放出合金層が露出されている面(部分)がある場合には、該露出されている面の少なくとも一部を覆うように設けることが好ましい。これは、係る構成とすることにより、水素吸放出合金層が水や酸素と接触することによる劣化を抑制し、耐久性を高めることができるためである。
また、特に水素吸放出合金層および触媒層の水素吸蔵および水素放出の経路を妨げないように配置することが好ましい。これは係る構成とすることにより、水素の吸放出速度の低下を抑制することができるためである。
本実施形態の水素吸放出体は第2の実施形態で説明した水素吸放出体に基材をさらに備えたものであり、基材以外の構成は第2の実施形態で説明したものと同様であるので、ここでは説明を省略する。
具体的な構成例を図3(a)、(b)を用いて説明する。図3(a)、(b)は、形状は異なるものの、いずれも基材40上に水素吸放出合金層10、触媒層20の順で積層された構成を有している。
図3(a)においては、第2の実施形態で説明した水素吸放出体の水素吸放出合金層10の、触媒層20と接する面とは反対側の面に、基材40を備えた水素吸放出体を示している。
図3(a)のように水素吸放出合金層10の触媒層20と接していない面を覆うように基材40を配置することにより、水素吸放出合金層10の劣化を抑制することができるため好ましい。また、図3(a)ように配置した場合、水素吸放出合金層10から触媒層20を経由して系外に水素を放出する経路、系外から水素が触媒層20を経由して水素吸放出合金層10に水素が吸蔵される経路を阻害する可能性がないため好ましい。
また、図3(b)のように、基材40を円柱形状または球状の形態とし、その表面を覆うように水素吸放出合金層10、触媒層20を設けた構成とすることもできる。
以上に説明してきたように、本実施形態の水素吸放出体は、基材を備えており、基材は水素吸放出体の土台としての機能を有するため、水素吸放出体全体の強度、耐久性を高めることができる。
また、基材を図3(a)の様に、水素吸放出合金層の露出した面の少なくとも一部を覆うように配置し、基材に、水や酸素の透過を抑制または防止する機能を有する材料を用いた場合、水素吸放出合金層の性能劣化を抑制することが可能になる。
なお、本実施形態では、第2の実施形態で説明した水素吸放出体に基材を備えた例を用いて説明したが、第3の実施形態で説明した水素吸放出体に基材を備えた構成とすることもできる。すなわち、図3の構成において、触媒層20を基準として、水素吸放出合金10とは反対側の面に水素透過性及び撥水性を有する保護層を設けた構成とすることができる。この場合、第3の実施形態で説明したように水素吸放出合金10の劣化をより防止することができ、耐久性をより高めることが可能になるため好ましい。
[第5の実施形態]
本実施形態では、第4の実施形態で説明した水素吸放出体を備えた水素センサーについて説明する。
本発明の水素吸放出合金は水素の吸蔵によって金属状態(反射状態)から透明状態に、水素吸蔵状態から水素を放出することにより透明状態から金属状態に可逆的にスイッチングすることができる。即ち、水素吸放出合金は、水素によって光透過率及び光反射率が変化する機能を有する。
このため、周囲の雰囲気の変化により水素を吸蔵または放出した水素吸放出合金の光透過率または光反射率の変化を測定することにより、雰囲気中の水素を感知することができる。
例えば、図3(a)に示した構成の水素吸放出体を備えた水素センサーの場合、水素吸放出合金層10の光透過率または光反射率の変化を検出方法としては、例えば、基材40側または触媒層20側からの光学的反射光により、もしくは、光学的透過光を用いて検出することができる。
光学的透過光、もしくは、基材40側からの光学的反射光を用いた水素センサーの場合、基材は検出に用いる光について透明である、つまり検出に用いる光が透過することを阻害しない材料であることが望ましい。ただし、触媒層20側からの光学的反射光を用いる場合、基材40の光学的特性は限定されない。
光学的透過光、若しくは、基材40側からの光学的反射光を用いた水素センサーの場合の基材40としては、検出用の光として例えば可視光を用いる場合、可視光を透過するものであれば足り、材料は限定されるものではない。可視光を透過する基材40の材料としては例えばガラス、又はプラスチックを好ましく用いることができる。
ここでプラスチックとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ナイロン、アクリルが好適に用いられる。
なお、本実施形態では、第4の実施形態で説明した水素吸放出体を用いた水素センサーについて説明したが、第3の実施形態で説明した水素吸放出体に基材を備えた水素センサーとすることもできる。すなわち、図3の構成において、触媒層20を基準として、水素吸放出合金10とは反対側に水素透過性及び撥水性を有する保護層を設けたものである。この場合、第3の実施形態で説明したように水素吸放出合金10の劣化をより防止することができ、耐久性をより高めることが可能になるため好ましい。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は係る実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
本実施例では、図3(a)と同様の構成を有した水素吸放出体を用いており、基材40であるガラス基板上に、マグネシウム・イットリウム合金からなる水素吸放出合金層10、触媒層20を順次積層した水素吸放出体を作製し、その評価を行った。当該水素吸放出体は水素センサーとしても機能する。
具体的には、厚さ1mmのガラス基板40(基材)上に、順次、厚さ40nmのマグネシウム・イットリウム合金の薄膜(水素吸放出合金層10)、厚さ7nmのパラジウム薄膜(触媒層20)を成膜した。
具体的な水素吸放出合金層10、触媒層20の成膜条件について説明する。
水素吸放出合金層10のマグネシウム・イットリウム合金の薄膜、触媒層20のパラジウム薄膜の成膜は、多元成膜が可能なマグネトロンスパッタ装置を用いて行った。
3つのスパッタ銃に、ターゲットとしてそれぞれ、金属マグネシウム、金属イットリウム、それに金属パラジウムをセットした。
次いで、基材であるガラス基板を洗浄後、真空装置の中にセットしてチャンバー内の真空排気を行った。
そして、金属マグネシウムと、金属イットリウムのターゲットに同時に電圧を印加してマグネシウム・イットリウム合金薄膜を作製した。
スパッタ中のチャンバー内のアルゴンガス圧は、0.3Paであり、直流スパッタ法によりそれぞれのターゲットに表1に示す所定のパワーを加えてスパッタを行った。なお、この際それぞれのターゲットに印加するパワー(電力)によって、得られる膜(水素吸放出合金)の組成を選択、制御することができる。
本実施例では表1に示すようにイットリウムとマグネシウムの原子比、Y/Mgが0.52、0.83、1.00、1.35、1.67、2.70となるように、各ターゲットに印加する電力を調整して、異なるガラス基板上に試料1〜6を作製した。又、比較例として、イットリウムとマグネシウムの原子比、Y/Mgが0.13となるように比較例1の試料をこれも同じ規格(厚さ1mm)のガラス基板上に作製した。
水素吸放出合金層を形成する際に実際に各ターゲットに印加したパワーの比から、得られる組成のキャリブレーションカーブを膜厚と金属の密度を用いて見積もり、このカーブから作製した試料の組成を見積もった。
それぞれの試料の水素吸放出合金層を作製した際にスパッタターゲットに印加したパワー及び印加したパワーから見積もった作製した試料の組成を表1に示す。
Figure 2013245370
その後、同じ真空条件で、金属パラジウムのターゲットに30Wのパワーを加えてそれぞれの試料について、作製した水素吸放出合金層10上にパラジウム薄膜の蒸着を行った。
以上の手順によって作製した水素吸放出体は、金属光沢の反射状態になっているが、パラジウム薄膜の表面をアルゴンで4体積%に希釈した1気圧の水素ガス(以下、「水素含有ガス」という)にさらすと、いずれの試料についてもマグネシウム・イットリウム合金薄膜が水素を吸蔵することにより水素化し、透明状態に変化した。
この状態を分光エリプソメータで測定したところ、マグネシウム・イットリウム合金は完全に水素化されていることが確認できた。この際の水素化の反応は以下のように表される。
Mg + H → MgH
Y + 3/2H → YH
透明状態に変化した状態で、パラジウム薄膜の表面を大気にさらすと、マグネシウム・イットリウム合金薄膜が水素を放出することにより脱水素化し、反射状態に戻った。この際の脱水素化の反応は以下のように表される。
MgH → Mg + H
YH → YH + 1/2H
このように、作製した水素吸放出体は、水素吸蔵による透明状態と、水素放出による反射状態との間で光透過率が可逆的に変化することで、水素吸蔵・放出特性があることが確認できた。
次いで、得られた水素吸放出体の評価を行うため、発光ダイオード光を用いて光透過率の測定を行った。発光ダイオード光を用いた光透過率の測定には、図4に示すように、各部材を配置して行った。
上記手順により基材40上に、水素吸放出合金層10、パラジウム薄膜層(触媒層20)が形成された各試料の水素吸放出体41のパラジウム薄膜(触媒層)側にスペーサ42を介して、もう1枚のガラス板(厚さ1mm)43を貼り合わせたものを用いた。
基材40(水素吸放出体41)と、ガラス板43の間隙にマスフローコントローラー44により所定量の水素含有ガスを95秒間流し、次いで水素含有ガスのフローを900秒間停止した。水素含有ガスのフローを停止すると、空気が基材40(水素吸放出体41)と、ガラス板43の間隙に流入する。これを1サイクルとする水素含有ガスのフロー制御を所定回数繰り返し行い、その間1秒毎に発光ダイオード光の光透過率を測定した。光源45としては波長940nmの発光ダイオード光を用い、受光素子46としてはシリコンフォトダイオードを用いた。
(試料1〜6及び比較例1について)
試料1〜6について測定を行った。試料4と比較例1の結果を図5に示す。図5(a)が比較例1、図5(b)が試料4の測定結果を示している。
図5に示したいずれのグラフも、横軸に水素供給、停止サイクルの繰り返し回数を、縦軸に発光ダイオード光の透過率を示している。
発光ダイオード光の透過率の下限値である、図中BまたはDで表わした点線部分が水素吸蔵前の反射状態、即ち水素放出状態を表わしている。
比較例1についてのグラフである、図5(a)において点線Bで表わされた水素放出状態での水素吸蔵量は上記化学式および比較例1の組成から0.7質量%であると考えられる。
また、実施例である試料4についてのグラフである図5(b)において点線Dで表わされた水素放出状態での水素吸蔵量は上記化学式および試料4の組成から1.8質量%と考えられる。これらは、上記化学式のようにイットリウムは水素を完全に放出することができず、水素放出反応後も水素を包含しているためである。
上限値が水素吸蔵後の透過状態、即ち水素吸蔵状態を示している。
比較例1についてのグラフである、図5(a)において点線Aで表わされた水素吸蔵後の水素吸蔵量は上記化学式および比較例1の組成から6.3質量%であると考えられる。
また、実施例である試料4についてのグラフである図5(b)において点線Cで表わされた水素吸蔵後の水素吸蔵量は上記化学式および試料4の組成から4.0質量%と考えられる。
そして、上記発光ダイオード光の透過率の上限値と下限値に該当する水素量の差が水素を吸放出する際の水素吸蔵量または水素放出量を表わすこととなる。
このため、図5のグラフにおいて、縦軸側の幅が繰り返し回数によらず安定している場合、水素の繰り返し吸放出特性が安定していることを示しており水素吸放出体として好ましい。
また、縦軸側の幅が繰り返し回数によらず安定して広い場合、水素吸放出体とした場合に安定して多くの水素を吸放出できることになるため好ましい。さらに、当該水素吸放出体を水素センサーとして用いる場合、水素を高感度で感知することができるため好ましい。
図5によると、比較例1では水素供給、停止のサイクルを開始した当初は点線A、Bで挟まれた範囲で変位しているため、約5.6質量%の大きな水素吸蔵・放出量があるが数回の水素吸蔵、水素放出を繰り返した後は水素吸蔵能が低減しており、10回程度の水素吸蔵、水素放出のスイッチングの繰り返し耐久性しか有しない。
これに対し、図5(b)に示した試料4では、点線C、Dの間の差である水素の吸蔵・放出量は比較例より少ない(約2.2質量%)が、少なくとも10000回の繰り返しまでは安定した水素吸蔵、水素放出のスイッチングの繰り返し耐久性、及び広い透過率の変化を有していることが分かる。
試料1〜6についての水素吸蔵、水素放出のスイッチングの繰り返し耐久性及び水素吸蔵量(計算値)をまとめたものを表2に示す。表2中の水素吸蔵量(計算値)は、図5の場合と同様に、上記化学反応式と、各試料の組成から算出した。
Figure 2013245370
これによるイットリウムとマグネシウムの原子比、Y/Mgが増加に伴い、水素の吸蔵・放出量は減少するが、水素吸蔵、水素放出のスイッチングの繰り返し耐久性は著しく向上することが分かる。特に試料2〜5については、10000回以上の水素吸蔵・放出繰り返し耐久性を示すことがわかった。
以上、本実施例の結果からも明らかなように、本発明の水素吸放出体は、高い水素吸蔵・放出のスイッチング繰り返し耐久性能を有していることが分かる。また、高い水素吸蔵・放出のスイッチング繰り返し耐久性能を有しているため、該水素吸放出体は水素センサーとして安定した、高い水素感知性能を有する。
[実施例2]
本実施例では、図3(a)と同様の構成を有した水素吸放出体を用いており、基材40であるガラス基板上に、マグネシウム・イットリウム・スカンジウム合金からなる水素吸放出合金層10、触媒層20を順次積層した水素吸放出体を作製し、その評価を行った。当該水素吸放出体は水素センサーとしても機能する。水素吸放出合金10としてさらにスカンジウムを含有する合金を用いた点以外は実施例1と同様である。
具体的には、厚さ1mmのガラス基板40(基材)上に、厚さ40nmのマグネシウム・イットリウム・スカンジウム合金の薄膜(水素吸放出合金層10)、厚さ7nmのパラジウム薄膜(触媒層20)を順次成膜した。
具体的な水素吸放出合金層10、触媒層20の成膜条件について説明する。
水素吸放出合金層10のマグネシウム・イットリウム・スカンジウム合金の薄膜、触媒層20のパラジウム薄膜の成膜には、多元成膜が可能なマグネトロンスパッタ装置を用いて行った。
4つのスパッタ銃に、ターゲットとしてそれぞれ、金属マグネシウム、金属イットリウム、金属スカンジウム、それに金属パラジウムをセットした。
次いで、ガラス基板を洗浄後、真空装置の中にセットしてチャンバー内の真空排気を行った。
なお、試料7〜10では金属イットリウム、金属スカンジウムの2種類の金属ターゲットを用いたが、試料11については、上記2種類の金属ターゲットにかえて、金属スカンジウム及び金属イットリウムの両金属を含有した金属スカンジウム−金属イットリウムターゲットを用いた。このため、試料11では3つのスパッタ銃にターゲットとしてそれぞれ、金属マグネシウム、金属スカンジウム−金属イットリウム、金属パラジウムをセットした。
そして、金属マグネシウムと、金属イットリウムと、金属スカンジウムとのターゲットに同時に電圧を印加してマグネシウム・イットリウム・スカンジウム合金薄膜を作製した。
スパッタ中のチャンバー内のアルゴンガス圧は、0.3Paであり、直流スパッタ法によりそれぞれのターゲットに表3に示す所定のパワーを加えてスパッタを行った。なお、この際それぞれのターゲットに印加するパワー(電力)によって、得られる膜(水素吸放出合金)の組成を選択、制御することができる。
なお、本実施例ではイットリウムとマグネシウムの原子比、Y/Mgが0.68、1.35、1.35、1.00、1.96、スカンジウムとマグネシウムの原子比、Sc/Mgが0.14、0.21、0.42、0.42、1.39となるように印加する電力(パワー)を調整し、それぞれ試料7〜11を作製した。
水素吸放出合金層を形成する際に実際に各ターゲットに印加したパワーの比から、得られる組成のキャリブレーションカーブを膜厚と金属の密度を用いて見積もり、このカーブから作製した試料の組成を見積もった。
それぞれの試料の水素吸放出合金層を作製する際のスパッタターゲットに印加したパワー及び印加したパワーから見積もった作製した試料の組成を表3に示す。
Figure 2013245370
その後、同じ真空条件で、金属パラジウムのターゲットに30Wのパワーを加えてパラジウム薄膜の蒸着を行った。
以上の手順によって作製した水素吸放出体は、金属光沢の反射状態になっているが、パラジウム薄膜の表面をアルゴンで4体積%に希釈した1気圧の水素ガス(以下、「水素含有ガス」という)にさらすと、いずれの試料についてもマグネシウム・イットリウム・スカンジウム合金薄膜が水素を吸蔵することにより水素化し、透明状態に変化した。この状態を分光エリプソメータで測定したところ、マグネシウム・イットリウム・スカンジウム合金は完全に水素化されていることが確認できた。この際の水素化の反応は以下のように表される。
Mg + H → MgH
Y + 3/2H → YH
Sc + 3/2H → ScH
透明状態に変化した状態で、パラジウム薄膜の表面を大気にさらすと、マグネシウム・イットリウム・スカンジウム合金薄膜が水素を放出することによりの脱水素化し、反射状態に戻った。この際の脱水素化の反応は以下のように表される。
MgH → Mg + H
YH → YH + 1/2H
ScH → ScH + 1/2H
このように、作製した水素吸放出体は、水素吸蔵による透明状態と、水素放出による反射状態との間で光透過率が可逆的に変化することで、水素吸蔵・放出特性があることが確認できた。
次いで、得られた水素吸放出体の評価を行うため、ダイオード光の光透過率を測定した。
ダイオード光の光透過率の測定には、実施例1の時と同様に図4に示す装置を用いた。
基材40(水素吸放出体41)と、ガラス板43の間隙にマスフローコントローラー44により所定量の水素含有ガスを95秒間流し、次いで水素含有ガスのフローを900秒間停止した。水素含有ガスのフローを停止すると、空気が基材40(水素吸放出体41)と、ガラス板43の間隙に流入する。これを1サイクルとする水素含有ガスのフロー制御を所定回数繰り返し行い、その間1秒毎に発光ダイオード光の光透過率を測定した。光源45としては波長940nmの発光ダイオード光を用い、受光素子46としてはシリコンフォトダイオードを用いた。
(試料7〜11について)
試料7〜11について測定を行い、水素吸蔵、水素放出のスイッチングの繰り返し耐久性及び水素吸蔵量(計算値)をまとめたものを表4に示す。水素吸蔵量(計算値)については、実施例1の場合と同様に上記化学反応式及び各試料の組成に基づいて算出した。
Figure 2013245370
これによるイットリウムとマグネシウムの原子比、Y/Mgが増加すると水素の吸蔵・放出量は減少するものの、水素吸蔵、水素放出のスイッチングの繰り返し耐久性は著しく向上することが分かる。
水素吸放出合金中にスカンジウムを含有する効果をイットリウムとマグネシウムの原子比、Y/Mgが等しい実施例1の試料3と実施例2の試料10の測定結果を比較することで確認した。
比較した結果を図6に示す。点線がスカンジウムを含有していない実施例1の試料3、実線がスカンジウムを含有している実施例2の試料10である。
図6は、横軸に水素供給、停止サイクルの繰り返し回数を、縦軸に光の透過率を示したものであり、水素含有ガスのフロー、停止の切り替えの3000回目から3005回目までの間の透過率の変化を示している。
これによると、実施例2の試料10は、上記期間の間、水素吸放出の際の光透過率の変化を示すピークが実施例1の試料3の物と比較して、いずれもシャープになっていることが分かる。これは、脱水素化の際に透明状態から金属状態(鏡の状態)に変化(復帰)する際、即ち、水素吸放出合金が吸蔵した水素を放出する際、実施例2の試料10においては水素放出に要する時間が短くなっていることを示している。つまり、水素吸放出合金の金属薄膜中にスカンジウムを含有することによって水素吸放出合金が吸蔵した水素の放出を早める効果が確認できた。
以上、本実施例の結果からも明らかなように、本実施例に示した水素放出体は、水素吸放出合金にスカンジウムを含有することによって、水素の放出速度を早める効果を有することを確認できた。そして、高い水素吸蔵・放出のスイッチング繰り返し耐久性能も有していることから、水素センサーとして用いた場合には、安定した高い水素感知性能を有することもわかる。
10 水素吸放出合金層
20 触媒層
30 保護層
40 基材

Claims (8)

  1. イットリウムとマグネシウムとを含有しており、
    含有するイットリウムとマグネシウムとの原子比が、0.25≦Y/Mg≦3.0の関係を満たすことを特徴とする水素吸放出合金。
  2. さらにスカンジウムを含有することを特徴とする請求項1に記載の水素吸放出合金。
  3. 前記水素吸放出合金に含有されるスカンジウムとマグネシウムとの原子比が、Sc/Mg≦3.0の関係を満たすことを特徴とする請求項2に記載の水素吸放出合金。
  4. 請求項1乃至3いずれか一項に記載の水素吸放出合金からなる水素吸放出合金層と、前記水素吸放出合金における水素吸蔵および/または水素放出を促進する触媒層とを備え、
    前記水素吸放出合金と前記触媒層とが接触した構造を有する水素吸放出体。
  5. 前記触媒層は、パラジウム、白金、パラジウム合金、または白金合金から選択される少なくとも1種の金属を含有することを特徴とする請求項4に記載の水素吸放出体。
  6. 前記触媒層の、前記水素吸放出合金層と接する面以外の面の少なくとも一部に、
    水素透過性および撥水性を有する保護層を備えることを特徴とする請求項4、5のいずれかに記載の水素吸放出体。
  7. さらに基材を備えたことを特徴する請求項4乃至6いずれか一項に記載の水素吸放出体。
  8. 請求項7に記載の水素吸放出体を備えた水素センサー。
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