JP2004077429A - 多成分系無機化合物のガス反応性判別方法、それに用いる多成分系無機化合物薄膜、および多成分系無機化合物のガス反応性判別装置 - Google Patents

多成分系無機化合物のガス反応性判別方法、それに用いる多成分系無機化合物薄膜、および多成分系無機化合物のガス反応性判別装置 Download PDF

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砥綿 真一
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Abstract

【課題】多成分系無機化合物の種々の組成について、ガスとの反応性を効率良く簡便に判別する方法を提供する。
【解決手段】多成分系無機化合物のガス反応性判別方法を、二以上の成分から構成される無機化合物からなり、平面的に組成が変化している多成分系無機化合物薄膜を準備する多成分系無機化合物薄膜準備工程と、前記多成分系無機化合物薄膜にガスを反応させるガス反応工程と、前記多成分系無機化合物薄膜の表面を走査して該多成分系無機化合物薄膜における各組成ごとの結晶構造を測定する結晶構造測定工程とを含んで構成する。平面的に組成が変化している多成分系無機化合物薄膜を試料として用いることで、種々の組成ごとに試料を作製することなく、各組成のガスに対する反応性を効率よく判別することができる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多成分系無機化合物のガス反応性判別方法、それに用いる多成分系無機化合物薄膜、および多成分系無機化合物のガス反応性判別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、窒素、酸素、水素等の特定のガスと反応する無機化合物の開発が重要となっている。例えば、ある種の金属間化合物は、窒素を固溶すると結晶格子が膨張するため、飽和磁化等の磁気特性が向上することが知られている。また、酸素を可逆的に吸蔵・放出できる無機化合物は、自動車用排ガス触媒の助触媒等として使用されている。さらに、水素を可逆的に吸蔵・放出できる水素吸蔵合金は、ガスと反応する合金の代表例である。水素吸蔵合金は、爆発性のある水素を金属水素化物という安全な固体の形で大量に貯蔵できることから、例えば、自動車に搭載する燃料電池の水素貯蔵源等、輸送可能な新しい貯蔵媒体として期待されている。
【0003】
例えば、水素吸蔵合金を実用化するためには、水素吸蔵量が大きいことや、比較的常温に近い温度でも水素の吸蔵・放出速度が大きいこと等、優れた水素吸蔵・放出特性が要求される。これまで、二成分系の合金について、その水素吸蔵・放出特性が検討されてきた。さらに、水素吸蔵・放出特性の優れた合金を得るべく、三成分以上の水素吸蔵合金の開発が進められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これまで、水素吸蔵合金の開発は、様々な組成の合金を作製し、組成ごとに水素ガスとの反応性を測定することにより行われていた。なかでも、三成分以上の合金は、合金平衡状態図が完成していないため、二成分系合金の経験則に基づいて組成ごとの試料を作製し、その試料ごとに水素ガスとの反応性を測定しているのが現状である。しかし、必ずしも二成分系合金の経験則が適用できるとは限らず、優れた水素吸蔵・放出特性を有する未知の合金を見落としてしまうおそれがある。このため、合金のあらゆる組成について、水素ガスとの反応性を調査することが望まれる。しかしながら、上記従来の方法では、合金のすべての組成について検討することは難しく、効率も極めて悪い。
【0005】
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、合金等の多成分系無機化合物の種々の組成について、ガスとの反応性を効率良く簡便に判別する方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の多成分系合金のガス反応性判別方法は、二以上の成分から構成される無機化合物からなり、平面的に組成が変化している多成分系無機化合物薄膜を準備する多成分系無機化合物薄膜準備工程と、前記多成分系無機化合物薄膜にガスを反応させるガス反応工程と、前記多成分系無機化合物薄膜の表面を走査して該多成分系無機化合物薄膜における各組成ごとの結晶構造を測定する結晶構造測定工程とを含むことを特徴とする。
【0007】
すなわち、本発明の多成分系無機化合物のガス反応性判別方法は、平面的に組成が変化している多成分系無機化合物薄膜を試料として用い、その多成分系無機化合物薄膜にガスを反応させたことによる結晶構造の変化から、多成分系無機化合物の各組成のガスに対する反応性を判別する方法である。ここで、「平面的に組成が変化している」とは、多成分系無機化合物薄膜の表面上の位置によって、多成分系無機化合物を構成する成分の組成比が異なることを意味する。このような多成分系無機化合物薄膜を試料として用いることで、種々の組成ごとに試料を作製することなく、各組成のガスに対する反応性を効率よく判別することが可能となる。
【0008】
また、本発明の多成分系無機化合物のガス反応性判別方法では、ガスを反応させた多成分系無機化合物薄膜の表面を走査して各組成ごとの結晶構造を測定する。ある組成の多成分系無機化合物がガスと反応すれば結晶構造に何らかの変化が生じる。したがって、ガスと反応させる前の結晶構造が既知であれば、ガスと反応したことにより生じた結晶構造の変化から、ガスに対する反応性の有無を判別することができる。このように、本発明の多成分系無機化合物のガス反応性判別方法によれば、多成分系無機化合物の種々の組成におけるガスに対する反応性を、一つの試料によって効率よく簡便に判別することができる。
【0009】
本発明のもう一つの多成分系無機化合物のガス反応性判別方法は、二以上の成分から構成される無機化合物からなり、平面的に組成が変化している多成分系無機化合物薄膜を準備する多成分系無機化合物薄膜準備工程と、前記多成分系無機化合物薄膜の表面を走査して該多成分系無機化合物薄膜における各組成ごとの結晶構造を測定する第一結晶構造測定工程と、前記多成分系無機化合物薄膜にガスを反応させるガス反応工程と、前記多成分系無機化合物薄膜の表面を走査して該多成分系無機化合物薄膜における各組成ごとの結晶構造を測定する第二結晶構造測定工程とを含むことを特徴とする。
【0010】
すなわち、上記本発明の多成分系無機化合物のガス反応性判別方法において、ガス反応工程の前に、予め多成分系無機化合物薄膜における各組成ごとの結晶構造を測定する第一結晶構造測定工程を設けたものである。本発明の多成分系無機化合物のガス反応性判別方法によれば、ガスと反応させる前の結晶構造が未知の場合であっても、ガスと反応させる前後の結晶構造をそれぞれ測定することで、上記同様に、多成分系無機化合物の種々の組成におけるガスに対する反応性を、効率よく簡便に判別することができる。
【0011】
また、本発明の多成分系無機化合物薄膜は、上記二つの本発明の多成分系無機化合物のガス反応性判別方法に用いられ、二以上の成分から構成される無機化合物からなり、平面的に組成が変化していることを特徴とする。すなわち、本発明の多成分系無機化合物薄膜は、上述したように、その表面上の位置によって、多成分系無機化合物を構成する成分の組成比が種々異なるものである。本発明の多成分系無機化合物薄膜を試料として用いることで、種々の組成についてそれぞれ試料を作製することなく、ガスとの反応性を効率よく判別することが可能となる。
【0012】
本発明の多成分系無機化合物のガス反応性判別装置は、二以上の成分から構成される無機化合物からなり、平面的に組成が変化している多成分系無機化合物薄膜にガスを反応させるガス反応手段と、前記多成分系無機化合物薄膜表面を走査して該多成分系無機化合物薄膜における各組成ごとの結晶構造を測定する結晶構造測定手段とを備えることを特徴とする。すなわち、本発明の多成分系無機化合物のガス反応性判別装置は、上記本発明の多成分系無機化合物のガス反応性判別方法を実施できる装置である。本発明の多成分系無機化合物のガス反応性判別装置を用いることで、多成分系無機化合物の種々の組成におけるガスに対する反応性を、効率よく簡便に判別することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の多成分系無機化合物のガス反応性判別方法、それに用いる多成分系無機化合物薄膜、および多成分系無機化合物のガス反応性判別装置について詳細に説明する。なお、本発明の多成分系無機化合物薄膜については、本発明の多成分系無機化合物のガス反応性判別方法の説明において併せて説明する。また、説明する実施形態は一実施形態にすぎず、本発明の多成分系無機化合物のガス反応性判別方法、それに用いる多成分系無機化合物薄膜、および多成分系無機化合物のガス反応性判別装置が下記の実施形態に限定されるものではない。本発明の多成分系無機化合物のガス反応性判別方法、それに用いる多成分系無機化合物薄膜、および多成分系無機化合物のガス反応性判別装置は、下記実施形態を始めとして、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
【0014】
〈多成分系無機化合物のガス反応性判別方法〉
(1)本発明の多成分系無機化合物のガス反応性判別方法は、多成分系無機化合物薄膜準備工程と、ガス反応工程と、結晶構造測定工程とを含む。以下、各工程について順に説明する。
【0015】
(a)多成分系無機化合物薄膜準備工程
本工程は、二以上の成分から構成される無機化合物からなり、平面的に組成が変化している多成分系無機化合物薄膜を準備する工程である。準備する多成分系無機化合物薄膜は、薄膜の表面上の位置によって、無機化合物を構成する成分の組成比が異なるものであれば、その無機化合物の種類が特に限定されるものではない。無機化合物としては、例えば、酸化物、窒化物、ほう化物、炭化物、および合金等が挙げられる。また、成分数も特に限定されるものではない。反応性を判別したいガスとの組み合わせに応じて、二成分系や三成分系等、適宜成分を選択すればよい。なお、本工程で準備する多成分系無機化合物薄膜は、本発明の多成分系無機化合物薄膜となる。
【0016】
例えば、水素ガスとの反応性を判別する場合には、無機化合物として、例えば、Mg−Ni、Mg−Ni−Nd、Mg−Ni−Ca、Mg−Ni−Y、Mg−Ni−Ce等のマグネシウム系合金、V−Ti−Cr等のバナジウム系合金、Ti−Fe、Ti−Cr、Ti−Co等のチタン系合金、Ca−Ni等のカルシウム系合金、Zr−Cr、Zr−Mn等のジルコニウム系合金、La−Ni、Y−Ni等の希土類系合金等を採用すればよい。
【0017】
上記本発明の多成分系無機化合物薄膜を形成するためには、スパッタ法、フラッシュ蒸発法等の既に公知の薄膜形成方法を用いればよい。図1に、スパッタ法により多成分系無機化合物薄膜を形成するための多元スパッタ装置の一例をモデルで示す。図1に示すように、多元スパッタ装置10は、A〜Dの各ターゲットと、基板とを備える。例えば、二成分系の合金薄膜を形成する場合には、合金を構成する各成分元素を、ターゲットAおよびBにそれぞれ配置する。そして、各成分元素を所定の条件で基板表面に同時にスパッタリングする。その結果、形成された合金薄膜の表面の位置によって合金を構成する成分の組成比が異なる合金薄膜が形成される。なお、基板は、反応性を判別するガスと反応し難いものであれば、その材質が特に限定されるものではなく、形成する薄膜に応じて適宜選択すればよい。例えば、シリコン、硼珪酸ガラス、石英ガラス、サファイア等を用いればよい。
【0018】
形成される多成分系無機化合物薄膜の膜厚は、後に結晶構造が測定できれば、特に限定されるものではない。例えば、薄膜の膜厚の均一性を確保するという観点からは、膜厚を20nm以上とすることが望ましい。50nm以上とするとより好適である。また、ガスと反応した場合に基板からの剥離を抑制するという観点からは、膜厚を2000nm以下とすればよい。1000nm以下とするとより好適である。
【0019】
通常、水素吸蔵合金に水素を吸蔵させる前には、合金表面に吸着したガスや合金表面に形成された酸化物被膜を除去するため、水素吸蔵合金に活性化処理が施される。しかし、水素吸蔵合金は、その組成ごとに活性化される条件が異なるため、組成に応じて活性化処理の条件を検討する必要があり煩雑となる。そこで、水素ガスとの反応性を判別する場合には、ガスの吸着や酸化物被膜の形成を抑制し活性化処理を不要とするという観点から、形成された多成分系無機化合物薄膜の表面に、さらに活性化膜を形成しておくことが望ましい。この場合、活性化膜は、水素を解離する触媒機能を果たし、さらに水素透過性の高い物質で形成することが望ましい。このような物質としては、例えば、ニッケルやパラジウム等が挙げられる。活性化膜は、上述した多元スパッタ装置を用い、多成分系無機化合物薄膜を形成した後に、活性化膜の物質をスパッタリングして形成すればよい。また、活性化膜の膜厚は20〜50nm程度とすればよい。
【0020】
(b)ガス反応工程
本工程は、上記多成分系無機化合物薄膜準備工程で準備した多成分系無機化合物薄膜にガスを反応させる工程である。反応させるガスは、例えば、窒素、酸素、水素等、多成分系無機化合物との反応性を判別したいガスを適宜選択すればよい。そして、所定の温度、圧力下で、所定時間ガスを供給して、多成分系無機化合物と反応させればよい。例えば、合金の水素ガスに対する反応性を判別する場合には、本工程にて反応させるガスを水素ガスとすればよい。
【0021】
(c)結晶構造測定工程
本工程は、上記ガス反応工程にてガスを反応させた多成分系無機化合物薄膜の表面を走査して、多成分系無機化合物薄膜における各組成ごとの結晶構造を測定する工程である。結晶構造の測定は、多成分系無機化合物薄膜の表面を走査して行う。ここで、結晶構造の測定は、多成分系無機化合物薄膜の表面を連続的に走査して行ってもよく、また所定の間隔で測定点を指定しておき、その測定点について測定してもよい。結晶構造の測定は、その手段が特に限定されるものではなく、通常結晶構造の測定に用いられるX線回折法、X線透過法等を用いればよい。
【0022】
結晶構造の測定条件は、特に限定されるものではない。但し、多成分系無機化合物薄膜の水素ガスに対する反応性を判別する場合には、室温下、大気中にて測定を行うと無機化合物に吸蔵された水素が放出されてしまうおそれがある。したがって、このような場合には、測定に適した状態となるよう温度、水素圧力等を適宜調整して、結晶構造の測定を行うことが望ましい。例えば、準備した多成分系無機化合物薄膜を、所定の温度、水素圧力に調整された容器内に収容して測定すればよい。なお、容器内に多成分系無機化合物薄膜を収容して結晶構造を測定する場合、容器の外部からX線等を照射すると、測定に必要な入射光の強度が得られない場合がある。入射光の強度を大きくし、精度よく測定を行うという観点から、測定に高輝度X線を用いることが望ましい。
【0023】
また、水素吸蔵合金等のように、ガスを吸蔵・放出する合金を多成分系無機化合物として用いる場合には、反応させたガスを吸蔵するかどうかということに加え、吸蔵したガスを放出するかどうかについても判別することが望ましい。この場合には、本工程の後に、反応させたガスを放出させるガス放出工程を設け、その後、本工程と同様の結晶構造を測定する工程をさらに設ければよい。反応させたガスが放出された場合、結晶構造に何らかの変化が生じる。したがって、ガスを放出させる前後の結晶構造の変化から、ガスを放出するかどうかを判別することができる。
【0024】
(2)もう一つの本発明の多成分系無機化合物のガス反応性判別方法は、多成分系無機化合物薄膜準備工程と、第一結晶構造測定工程と、ガス反応工程と、第二結晶構造測定工程とを含む。ここで、多成分系無機化合物薄膜準備工程、ガス反応工程、および第二結晶構造測定工程は、上述した(a)〜(c)の工程にそれぞれ対応する工程である。よって、上述した(a)〜(c)の各工程に準ずればよい。また、第一結晶構造測定工程は、多成分系無機化合物薄膜にガスを反応させる前に結晶構造を測定する工程である。第一結晶構造測定工程は、実質的に上記結晶構造測定工程と同様である。したがって、上記結晶構造測定工程に準じて行えばよい。
【0025】
〈多成分系無機化合物のガス反応性判別装置〉
まず、本発明の一実施形態である多成分系無機化合物のガス反応性判別装置の構成を説明する。図2に、本実施形態における多成分系無機化合物のガス反応性判別装置の概略を示す。図2に示すように、本発明の多成分系無機化合物のガス反応性判別装置1は、高輝度X線源2と、検出器3と、試料収容容器4と、水素ガス圧力調整器5と、温度調整器6とを備える。
【0026】
試料収容容器4には、試料となる多成分系無機化合物薄膜として合金薄膜41が収容されている。試料収容容器4には、水素ガス圧力調整器5および温度調整器6が接続されている。これら水素ガス圧力調整器5と温度調整器6とにより試料収容容器4の内部の水素圧力および温度が調整される。なお、試料収容容器4および水素ガス圧力調整器5は、本発明のガス反応性判別装置のガス反応手段に含まれる。
【0027】
高輝度X線源2および検出器3は、本発明のガス反応性判別装置の結晶構造測定手段に含まれる。高輝度X線源2は、試料に対して高輝度のX線を照射する。高輝度X線源2は、試料である合金薄膜41の表面を走査して、合金薄膜41におけるX線の照射位置が順次変化するようX線を照射する。検出器3は、試料により回折されたX線の強度を計測し、その計測値を電気信号として計数記録器(図示せず)へ送る。
【0028】
次に、本実施形態における多成分系無機化合物のガス反応性判別の流れを説明する。まず、合金薄膜41を試料収容容器4に収容する。必要に応じて、水素ガスと反応させる前の合金薄膜41の各測定部における結晶構造を測定する。結晶構造の測定は、高輝度X線源2から、高輝度X線を、その照射位置が順次変化するよう合金薄膜41の表面に照射して行う。照射された高輝度X線は、合金薄膜41により回折される。回折された高輝度X線は、その強度が検出器3により計測される。計測された値に基づいて回折パターンが作成される。次に、合金薄膜41に水素ガスを反応させる。具体的には、水素ガス圧力調整器5および温度調整器6により、所定の条件に試料収容容器4内部の水素圧力および温度を調整し、その状態を所定時間保持する。水素ガスを反応させた後、合金薄膜41の各測定部における結晶構造を測定する。結晶構造の測定は、上記同様、高輝度X線源2から、高輝度X線を、その照射位置が順次変化するよう合金薄膜41の表面に照射して行う。照射された高輝度X線は、合金薄膜41により回折される。回折された高輝度X線は、その強度が検出器3により計測される。計測された値に基づいて回折パターンが作成される。
【0029】
【実施例】
上記実施の形態に基づいて、種々の成分からなる本発明の多成分系無機化合物薄膜を作製し、その多成分系無機化合物薄膜の各組成ごとに水素ガスに対する反応性を判別した。多成分系無機化合物薄膜は、二成分系または三成分系の合金薄膜とし、上記図1に示した多元スパッタ装置を用いて作製した。また、水素ガスに対する反応性の判別は、上記図2に示した本発明の一実施形態である多成分系無機化合物のガス反応性判別装置を使用して行った。以下、作製した合金薄膜ごとに、合金薄膜の作製方法、結晶構造の測定および水素ガスに対する反応性の判別結果について説明する。
【0030】
(1)Ti−Cr合金薄膜
(a)Ti−Cr合金薄膜の作製
スパッタ用のターゲットとしてTi、Crを用い、平面的に組成が変化したTi−Cr合金薄膜を作製した。図1に示した多元スパッタ装置におけるターゲットAに円盤状のTi板(純度99.99%、φ5.08cm)を、ターゲットBに円盤状のCr板(純度99.9%、φ5.08cm)をそれぞれ配置した。基板には円盤状のシリコン板(φ10.16cm)を用いた。室温下、約0.4Paのアルゴン雰囲気にて、シリコン基板表面にTi、Crを同時にスパッタリングした。スパッタリングの際の電力は、ターゲットA(Ti)を100W、ターゲットB(Cr)を50Wとした。スパッタリングの時間は1時間とした。作製されたTi−Cr合金薄膜の厚さは約400nmであった。本Ti−Cr合金薄膜を#11のTi−Cr合金薄膜とした。
【0031】
また、表面に活性化膜としてPd膜が形成されたTi−Cr合金薄膜を、上記同様に作製した。上記多元スパッタ装置におけるターゲットCに円盤状のPd板(純度99.9%、φ5.08cm)を配置した。そして、上記Ti−Cr合金薄膜の作製において、TiおよびCrをスパッタリングした後、さらにPdを電力50Wにて1分間スパッタリングした。形成されたPd膜の厚さは約20nmであった。本Ti−Cr合金薄膜を#12のTi−Cr合金薄膜とした。
【0032】
作製された#11および#12のTi−Cr合金薄膜の表面を、X線マイクロアナライザー(EPMA)で分析し、薄膜表面におけるTiおよびCrの含有割合を求めた。EPMAによる分析は、作製された薄膜表面(円形)を、中心から左右の両方向に走査して行った。図3に、#11のTi−Cr合金薄膜の表面におけるTiおよびCrの含有割合を示す。図3より、#11のTi−Cr合金薄膜は、その表面において、Ti、Crの含有割合が連続的に変化していることがわかる。つまり、Ti−Cr合金薄膜は、平面的に組成が変化しており、その位置によってTiとCrとの組成比が異なることが確認された。なお、#12のTi−Cr合金薄膜におけるTiとCrとの組成変化は、#11のTi−Cr合金薄膜と同様であった。
【0033】
(b)結晶構造の測定
図2に示したガス反応性判別装置を使用して、作製した#11および#12のTi−Cr合金薄膜の結晶構造を測定した。結晶構造の測定は、高輝度X線源2から照射された高輝度X線を、試料となる各Ti−Cr合金薄膜41の表面に走査させて行った。#11のTi−Cr合金薄膜については、大気中、室温にて測定した。一方、#12のTi−Cr合金薄膜については、結晶構造の測定前に水素ガスを反応させ、水素圧力0.1MPa、室温にて測定した。なお、#11のTi−Cr合金薄膜についての測定は、水素ガスと反応させる前の結晶構造を測定したことになる。結晶構造の測定結果の一例として、Ti60Cr40、Ti33Cr67、Ti15Cr85の各組成において観測された化合物相を表1に示す。
【0034】
【表1】
Figure 2004077429
【0035】
表1に示すように、#11のTi−Cr合金薄膜では、各組成におけるTi等の含有割合によって若干異なるが、Ti相、TiCr相、Cr相から選ばれる一種以上が観測された。これに対し、水素ガスを反応させた後の#12のTi−Cr合金薄膜については、組成Ti60Cr40ではTiH相、TiCr相、PdH相が、組成Ti33Cr67ではTiCr相、PdH相が、組成Ti15Cr85ではCr相、TiCr相、PdH相がそれぞれ観測された。ここで、化合物相における「H」は、水素が固溶した相を示す。つまり、Ti−Cr合金は、本判別試験の条件では、組成がTi60Cr40の場合に水素化合物を生じ、水素ガスとの反応性が高いことがわかった。そして、#12のTi−Cr合金薄膜は、表面にPd膜が形成されているため、予め活性化処理を行わなくても、水素を吸蔵できることも確認された。
【0036】
(2)Mg−Ni合金薄膜
(a)Mg−Ni合金薄膜の作製
スパッタ用のターゲットとしてMg、Ni、Pdを用い、活性化膜としてPd膜が形成されたMg−Ni合金薄膜(以下、「Pd/Mg−Ni合金薄膜」と表す。)を作製した。図1に示した多元スパッタ装置におけるターゲットAに円盤状のMg板(純度99.9%、φ5.08cm)を、ターゲットBに円盤状のNi板(純度99.9%、φ5.08cm)を、ターゲットCに円盤状のPd板(純度99.9%、φ5.08cm)をそれぞれ配置した。基板には円盤状の硼珪酸ガラス板(φ10.16cm)を用いた。室温下、約0.4Paのアルゴン雰囲気にて、硼珪酸ガラス基板表面にMg、Niを同時にスパッタリングした。スパッタリングの際の電力は、ターゲットA(Mg)を40W、ターゲットB(Ni)を100Wとした。スパッタリングの時間は25分間とした。その後、さらにPdを電力50Wにて1分間スパッタリングした。作製されたMg−Ni合金薄膜の厚さは約500nm、形成されたPd膜の厚さは約20nmであった。Mg−Ni合金薄膜の表面を、Pd膜を介してEPMA分析した結果、薄膜表面におけるMg、Niの含有割合は連続的に変化していることが確認された。
【0037】
(b)結晶構造の測定
図2に示したガス反応性判別装置を使用して、作製したPd/Mg−Ni合金薄膜の結晶構造を測定した。結晶構造の測定は、まず、大気中、室温にて、高輝度X線源2から照射された高輝度X線を、試料となるPd/Mg−Ni合金薄膜41の表面に走査させて行った。次いで、Pd/Mg−Ni合金薄膜に水素ガスを反応させた後、水素圧力0.1MPa、室温にて上記同様に行った。さらに、2時間連続排気を行った後、1Pa、100℃にて上記同様に行った。結晶構造の測定結果の一例として、Mg90Ni10、Mg67Ni33、Mg50Ni50、Mg33Ni67の各組成において観測された化合物相を表2に示す。
【0038】
【表2】
Figure 2004077429
【0039】
表2に示すように、水素ガスと反応させる前のPd/Mg−Ni合金薄膜では、各組成におけるMg等の含有割合によって若干異なるが、Mg相、MgNi相、MgNi相、Pd相から選ばれる一種以上が観測された。これに対し、水素ガスを反応させた後のPd/Mg−Ni合金薄膜については、組成Mg90Ni10ではMgH相、MgNiH相、PdH相が、組成Mg67Ni33ではMgNiH相、PdH相が、組成Mg50Ni50ではMgNiH相、MgNi相、PdH相が、組成Mg33Ni67ではMgNi相、PdH相がそれぞれ観測された。つまり、Mg−Ni合金は、本判別試験の条件では、組成Mg33Ni67を除いた他の三種類の組成においてすべて水素化合物を生じ、水素ガスとの反応性が高いことがわかった。また、上記#12のTi−Cr合金薄膜と同様、表面にPd膜が形成されているため、予め活性化処理を行わなくても水素を吸蔵できることも確認された。
【0040】
さらに、排気を行い水素を放出させた後のPd/Mg−Ni合金薄膜については、組成Mg90Ni10ではMgH相、MgNi相、Pd相が、組成Mg67Ni33ではMgNi相、Pd相が、組成Mg50Ni50ではMgNi相、MgNi相、Pd相が、組成Mg33Ni67ではMgNi相、Pd相がそれぞれ観測された。つまり、上記水素を吸蔵した組成のMg−Ni合金は、組成Mg90Ni10では水素が残存したが、他の二種類の組成では、本判別試験の条件下で水素を放出できることがわかった。
【0041】
(3)Y−Ni合金薄膜
(a)Y−Ni合金薄膜の作製
スパッタ用のターゲットとしてY、Ni、Pdを用い、活性化膜としてPd膜が形成されたY−Ni合金薄膜(以下、「Pd/Y−Ni合金薄膜」と表す。)を作製した。図1に示した多元スパッタ装置におけるターゲットAに円盤状のY板(純度99.9%、φ5.08cm)を、ターゲットBに円盤状のNi板(純度99.9%、φ5.08cm)を、ターゲットCに円盤状のPd板(純度99.9%、φ5.08cm)をそれぞれ配置した。基板には円盤状の硼珪酸ガラス板(φ10.16cm)を用いた。室温下、約0.4Paのアルゴン雰囲気にて、硼珪酸ガラス基板表面にY、Niを同時にスパッタリングした。スパッタリングの際の電力は、ターゲットA(Y)を40W、ターゲットB(Ni)を100Wとした。スパッタリングの時間は50分間とした。その後、さらにPdを電力50Wにて1分間スパッタリングした。作製されたY−Ni合金薄膜の厚さは約500nm、形成されたPd膜の厚さは約20nmであった。Y−Ni合金薄膜の表面を、Pd膜を介してEPMA分析した結果、薄膜表面におけるY、Niの含有割合は連続的に変化していることが確認された。
【0042】
(b)結晶構造の測定
図2に示したガス反応性判別装置を使用して、作製したPd/Y−Ni合金薄膜の結晶構造を測定した。結晶構造の測定は、まず、大気中、室温にて、高輝度X線源2から照射された高輝度X線を、試料となるPd/Y−Ni合金薄膜41の表面に走査させて行った。次いで、Pd/Y−Ni合金薄膜に水素ガスを反応させた後、水素圧力1MPa、室温にて上記同様に行った。結晶構造の測定結果の一例として、Y33Ni67、Y17Ni83の各組成において観測された化合物相を表3に示す。
【0043】
【表3】
Figure 2004077429
【0044】
表3に示すように、水素ガスと反応させる前のPd/Y−Ni合金薄膜では、各組成におけるY等の含有割合によって異なるが、YNi相、YNi相、Pd相から選ばれる一種以上が観測された。これに対し、水素ガスを反応させた後のPd/Y−Ni合金薄膜については、組成Y33Ni67ではYNi相、PdH相が、組成Y17Ni83ではYNi相、PdH相がそれぞれ観測された。つまり、Y−Ni合金は、本判別試験の条件では、上記組成においてすべて水素化合物を生じ、水素ガスとの反応性が高いことがわかった。また、上記#12のTi−Cr合金薄膜と同様、表面にPd膜が形成されているため、予め活性化処理を行わなくても水素を吸蔵できることも確認された。
【0045】
(4)Mg−Ni−Y合金薄膜
(a)Mg−Ni−Y合金薄膜の作製
スパッタ用のターゲットとしてMg、Ni、Y、Pdを用い、活性化膜としてPd膜が形成されたMg−Ni−Y合金薄膜(以下、「Pd/Mg−Ni−Y合金薄膜」と表す。)を作製した。図1に示した多元スパッタ装置におけるターゲットAに円盤状のY板(純度99.9%、φ5.08cm)を、ターゲットBに円盤状のNi板(純度99.9%、φ5.08cm)を、ターゲットCに円盤状のMg板(純度99.9%、φ5.08cm)を、ターゲットDに円盤状のPd板(純度99.9%、φ5.08cm)をそれぞれ配置した。基板には円盤状の硼珪酸ガラス板(φ10.16cm)を用いた。室温下、約0.4Paのアルゴン雰囲気にて、硼珪酸ガラス基板表面にY、Ni、Mgを同時にスパッタリングした。スパッタリングの際の電力は、ターゲットA(Y)を40W、ターゲットB(Ni)を100W、ターゲットC(Mg)を40Wとした。スパッタリングの時間は50分間とした。その後、さらにPdを電力50Wにて1分間スパッタリングした。作製されたMg−Ni−Y合金薄膜の厚さは約1μm、形成されたPd膜の厚さは約20nmであった。Mg−Ni−Y合金薄膜の表面を、Pd膜を介してEPMA分析した結果、薄膜表面におけるY、Ni、Mgの含有割合は連続的に変化していることが確認された。
【0046】
(b)結晶構造の測定
図2に示したガス反応性判別装置を使用して、作製したPd/Mg−Ni−Y合金薄膜の結晶構造を測定した。結晶構造の測定は、まず、大気中、室温にて、高輝度X線源2から照射された高輝度X線を、試料となるPd/Mg−Ni−Y合金薄膜41の表面に走査させて行った。次いで、Pd/Mg−Ni−Y合金薄膜に水素ガスを反応させた後、水素圧力1MPa、室温にて上記同様に行った。結晶構造の測定結果の一例として、Y17Ni66Mg17、YNi15Mg80の各組成において観測された化合物相を表4に示す。
【0047】
【表4】
Figure 2004077429
【0048】
表4に示すように、水素ガスと反応させる前のPd/Mg−Ni−Y合金薄膜では、各組成におけるMg等の含有割合によって異なるが、MgYNi相、Mg相、MgNi相、Pd相から選ばれる一種以上が観測された。これに対し、水素ガスを反応させた後のPd/Mg−Ni−Y合金薄膜については、組成Y17Ni66Mg17ではMgYNi相、PdH相が、組成YNi15Mg80ではMgH、MgNiH相、PdH相がそれぞれ観測された。つまり、Mg−Ni−Y合金は、本判別試験の条件では、上記組成においてすべて水素化合物を生じ、水素ガスとの反応性が高いことがわかった。また、上記#12のTi−Cr合金薄膜と同様、表面にPd膜が形成されているため、予め活性化処理を行わなくても水素を吸蔵できることも確認された。
【0049】
このように、本発明の多成分系無機化合物のガス反応性判別方法によれば、多成分からなる合金の種々の組成における水素ガスに対する反応性を、一つの試料によって効率よく簡便に判別することができる。
【0050】
【発明の効果】
本発明の多成分系無機化合物のガス反応性判別方法は、平面的に組成が変化している多成分系無機化合物薄膜を試料として用い、ガスを反応させたことによる結晶構造の変化から、多成分系無機化合物の各組成のガスに対する反応性を判別する方法である。多成分系無機化合物薄膜を試料として用いることで、種々の組成ごとに試料を作製することなく、各組成のガスに対する反応性を効率よく判別することができる。
【0051】
本発明のもう一つの多成分系無機化合物のガス反応性判別方法は、上記本発明の多成分系無機化合物のガス反応性判別方法において、ガス反応工程の前に、予め多成分系無機化合物薄膜における各組成ごとの結晶構造を測定する第一結晶構造測定工程を設けたものである。本多成分系無機化合物のガス反応性判別方法によれば、ガスと反応させる前の結晶構造が未知の場合であっても、ガスと反応させる前後の結晶構造をそれぞれ測定することで、上記同様に、多成分系無機化合物の種々の組成におけるガスに対する反応性を、効率よく簡便に判別することができる。
【0052】
また、本発明の多成分系無機化合物のガス反応性判別装置は、上記本発明の多成分系無機化合物のガス反応性判別方法を実施できる装置である。本ガス反応性判別装置を用いることで、多成分系無機化合物の種々の組成におけるガスに対する反応性を、効率よく簡便に判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多成分系無機化合物薄膜を形成するための多元スパッタ装置をモデルで示す。
【図2】本発明の一実施形態である多成分系無機化合物のガス反応性判別装置の概略を示す。
【図3】#11のTi−Cr合金薄膜の表面におけるTiおよびCrの含有割合を示す。
【符号の説明】
1:多成分系無機化合物のガス反応性判別装置 2:高輝度X線源
3:検出器 4:試料収容容器 5:水素ガス圧力調整器 6:温度調整器
10:多元スパッタ装置

Claims (8)

  1. 二以上の成分から構成される無機化合物からなり、平面的に組成が変化している多成分系無機化合物薄膜を準備する多成分系無機化合物薄膜準備工程と、
    前記多成分系無機化合物薄膜にガスを反応させるガス反応工程と、
    前記多成分系無機化合物薄膜の表面を走査して該多成分系無機化合物薄膜における各組成ごとの結晶構造を測定する結晶構造測定工程と
    を含む多成分系無機化合物のガス反応性判別方法。
  2. 二以上の成分から構成される無機化合物からなり、平面的に組成が変化している多成分系無機化合物薄膜を準備する多成分系無機化合物薄膜準備工程と、
    前記多成分系無機化合物薄膜の表面を走査して該多成分系無機化合物薄膜における各組成ごとの結晶構造を測定する第一結晶構造測定工程と、
    前記多成分系無機化合物薄膜にガスを反応させるガス反応工程と、
    前記多成分系無機化合物薄膜の表面を走査して該多成分系無機化合物薄膜における各組成ごとの結晶構造を測定する第二結晶構造測定工程と
    を含む多成分系無機化合物のガス反応性判別方法。
  3. 前記無機化合物は、酸化物、窒化物、ほう化物、炭化物、および合金から選ばれる一種である請求項1または請求項2に記載の多成分系無機化合物のガス反応性判別方法。
  4. 前記ガス反応工程において反応させるガスは水素ガスである請求項1または請求項2に記載の多成分系無機化合物のガス反応性判別方法。
  5. 前記結晶構造測定工程において、高輝度X線により前記多成分系無機化合物薄膜における各組成ごとの結晶構造を測定する請求項1に記載の多成分系無機化合物のガス反応性判別方法。
  6. 前記第一結晶構造測定工程および前記第二結晶構造測定工程において、高輝度X線により前記多成分系無機化合物薄膜における各組成ごとの結晶構造を測定する請求項2に記載の多成分系無機化合物のガス反応性判別方法。
  7. 請求項1または請求項2に記載の多成分系無機化合物のガス反応性判別方法に用いられ、二以上の成分から構成される無機化合物からなり、平面的に組成が変化している多成分系無機化合物薄膜。
  8. 二以上の成分から構成される無機化合物からなり、平面的に組成が変化している多成分系無機化合物薄膜にガスを反応させるガス反応手段と、
    前記多成分系無機化合物薄膜表面を走査して該多成分系無機化合物薄膜における各組成ごとの結晶構造を測定する結晶構造測定手段と
    を備える多成分系無機化合物のガス反応性判別装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013245370A (ja) * 2012-05-24 2013-12-09 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 水素吸放出合金、水素吸放出体、及び水素センサー。
JP5761178B2 (ja) * 2010-03-29 2015-08-12 住友大阪セメント株式会社 六ホウ化ランタン焼結体、それを用いたターゲット、六ホウ化ランタン膜、及び該焼結体の製造方法
JP2016223921A (ja) * 2015-05-29 2016-12-28 国立大学法人名古屋大学 水素吸蔵量測定方法および水素吸蔵量測定装置

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