JP2013245120A - 酸化物単結晶育成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】サファイア単結晶育成装置において、育成後における熱反射板を含む構成部材の分解作業を容易にする構造を提供する。
【解決手段】カーボン製の断熱材6aと、カーボン製の断熱材6aに取り付けられ、モリブデン製の熱反射板13aとを備える。カーボン製の断熱材6aに取り付けられたカーボン製の支持部材21と熱反射板13aの接続部に、これらの構成部材同士が接触しないように配置された、炭化タンタル製の接続部材22、23、24を配置する。もしくは、モリブデン製の熱反射板の表面に炭化タンタルの被覆層を設けた上で、断熱材6aに取り付ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、酸化物単結晶、特にサファイア単結晶の結晶育成装置における、反射板などの構成部材を設置するための構造に関する。
サファイア単結晶は、酸化アルミニウムのコランダム構造を有する結晶体であり、優れた機械的および熱的特性、化学安定性、光透過性を有することから、多くの分野ですでに利用されている。特に、サファイア単結晶は、光学分野における発光ダイオードの発光層を成長させるための基板として、あるいは、半導体分野におけるシリコン・オン・サファイア(SOS)デバイス用の基板として用いられており、これらの用途の重要性が高まるに応じて、その需要が飛躍的に伸びてきている。
サファイア単結晶を製造する主な方法として、サファイア原料を坩堝内で融解し、その原料融液表面に種結晶を接触させて徐々に引き上げることにより単結晶を育成するチョクラルスキー法(Cz法)やカイロポーラス法(Kyropulous法)などが知られている。なお、育成されたサファイア単結晶は、基板状に加工され、表面を研磨することによりサファイア基板とされる。
サファイア原料融液からチョクラルスキー法によりサファイア単結晶を製造するには、図4に示すようなサファイア単結晶育成装置が用いられる(たとえば、特開2011−195423号公報参照)。このサファイア単結晶育成装置は、炉体7により形成されるチャンバ内に、サファイア原料が充填される坩堝1と、坩堝1の外周面を加熱する円筒状ヒータ部3並びに坩堝1の底面を加熱する円盤状ヒータ部4を有するカーボン製ヒータ30a、30bが配置される断熱空間15を構成するカーボン製の断熱材6とを備える。また、断熱材6の底面部60に設けられた開口に嵌入された酸化アルミニウム製の絶縁筒8を介して、断熱空間15の外側から内側に延在し、円筒状ヒータ部3および円盤状ヒータ部4のそれぞれに接続され、電力を供給するための2つの円筒状ヒータ電極5a、5bと、断熱材6の底面部60と円盤状ヒータ部4の開口を貫通して、坩堝1を支持する支持軸2が設けられている。さらに、断熱材6の上面部61に設けられた開口を通じて、先端に種結晶11が取り付けられた引き上げ軸9が挿入され、育成時に、坩堝1内の原料融液10からチョクラルスキー法によりサファイア単結晶12を育成できるようになっている。
育成に際しては、上面部61が除去されている状態で、サファイア原料が充填された坩堝1を上方から配置し、その後上面部61を設置して、断熱空間15を形成し、引き上げ軸9により種結晶11をサファイア原料融液10に接触させ、育成を開始する。そして、育成後に、上面部61を再度除去し、上方より育成後のサファイア単結晶を取り出す必要がある。
ところで、融点が2040℃であるサファイアをはじめ、2000℃を超える高い融点を有する酸化物単結晶をチョクラルスキー法により育成する場合、炉内は同様に2000℃を超える高温環境となる。このため、酸化物単結晶育成装置の構成部材は、このような高温環境に耐性を有する材料により形成する必要がある。たとえば、坩堝1には、モリブデン、タングステン、あるいはこれらの合金といった材料が使用される。また、断熱材6として、ジルコニア断熱材を採用すると、ジルコニアが高温で分解して酸素を発生し、この酸素が坩堝1を構成するモリブデンやタングステンを酸化させ、結晶や原料融液10の汚染につながることから、高温環境でも安定なカーボン製の断熱材6が採用されている。また、ヒータについても、タングステン製ヒータを構成するタングステンが脆くて高価なことから、断熱材6と同様に、カーボン製ヒータが採用される。
また、2000℃を超える高融点の酸化物単結晶の育成では、育成された単結晶からの輻射による熱放出や原料融液の高い粘度に起因して、融液内の温度勾配の適正化が困難なものとなっている。特に、サファイア単結晶は、融液内で結晶成長が進行するという特性を有するため、得られるサファイア単結晶の品質がこの融液の温度勾配の影響を受けやすくなっている。このため、サファイア単結晶を収率よく得るためには、適正な温度勾配を形成することで結晶成長を制御する必要があり、これによって、熱応力による単結晶内部の歪みの発生を抑制し、格子欠陥の発生を防止することができる。
さらに、サファイア単結晶の育成においては、その初期段階での原料融液の温度勾配の制御が適正に行われず、低温度勾配下で融液温度が低くなりすぎると、育成開始から短時間で育成結晶の肩部が形成されてしまい、固液界面が結晶側に凹んだ凹界面となってしまうことに起因して、結晶欠陥(ボイド、多結晶化)の問題が生ずる場合もある。したがって、サファイアの収率を向上させるには、温度勾配と融液温度を高い精度で制御する必要がある。
このように、サファイア単結晶などの高融点の酸化物単結晶の育成では、原料融液を含めて、炉内全体の温度分布を制御し、適正な温度勾配を形成することが重要となるが、このような環境を実現するための手段の一つとして、融液から放出される輻射熱を融液に戻すための熱反射板13を設けることが提案されている(特開2007−223830号公報参照)。
育成の高温環境下で使用される、このような熱反射板13を含む、炉内全体の温度分布を制御するための構成部材の材料も、高温耐性のあるモリブデンやタングステンに限られてしまう。使用時には、これらの構成部材は、通常、カーボン製の断熱材6に支持される。
特開2011−195423号公報 特開2007−223830号公報
このように2000℃を超える融点を有するサファイア単結晶などの酸化物単結晶の育成において、熱反射板などの構成部材の原料は、モリブデンやタングステンといった材料に限られるが、これらの構成部材を支持する支持部材であるカーボン製の断熱材とが、2000℃を超える高温環境では反応してしまい、これらの構成部材は炭化し、融着してしまう。さらに炭化反応が進めば、構成部材が脆化し、落下する場合もある。また、融着が起これば、育成終了後に、チャンバ内から単結晶インゴットを取り出す際、熱反射板とカーボン製の断熱材を破壊する必要が生じる。この破壊作業は困難であり、生産性を悪化させる上に、破壊した構成部材は再利用することができないので、育成コストの高騰を招いている。また、構成部材が脆化し落下すれば、育成結晶にクラックを発生させるなどの収率低下の要因となるばかりでなく、落下物によって坩堝内に残った原料が汚染される。この場合、次回育成時に、汚染された原料を坩堝ごと交換しなければならず、育成コストが、ますます高騰するなどの問題が生じている。
本発明は、このような問題に鑑み、チョクラルスキー法によるサファイア単結晶の結晶育成において、構成部材同士の炭化反応により、その構成部材のもたらす効果を減殺させることなく、必要な構成部材の設置を可能とする構造を提供することを目的としている。
本発明の酸化物単結晶育成装置は、従来の育成装置と同様の基本構造を有するとともに、カーボン製の構成部材と、該カーボン製の構成部材に取り付けられ、モリブデン、タングステン、または、モリブデンもしくはタングステンの少なくとも一方を主成分として含む合金からなる金属製の構成部材とを備える。
前記カーボン製の構成部材としては、坩堝の周囲に配置される断熱材もしくは該断熱材に支持された支持部材を挙げることができるが、これには、カーボン製のヒータも含められる。一方、前記金属製の構成部材としては、坩堝の上方に配置され、融液から放出される輻射熱を融液に戻すための熱反射板などを挙げることができる。
本発明の一態様では、前記カーボン製の構成部材と前記金属製の構成部材の接続部に、これらの構成部材同士が接触しないように配置され、炭化タンタルまたは炭化タンタルを主成分とする炭化物により構成されている接続部材を配置することを特徴とする。
また、別の態様では、接続部材を備えることに代替して、前記金属製の構成部材の表面のうち少なくとも前記カーボン製の構成部材との接続部を、炭化タンタルまたは炭化タンタルを主成分とする炭化物により被覆していることを特徴とする。なお、この金属製の構成部材の全面を被覆してもよい。
本発明の酸化物単結晶育成装置は、融点が2000℃を超える酸化物単結晶の育成、特に、サファイア単結晶の育成に好適に用いられる。
本発明によれば、サファイア単結晶の育成における高温環境下においても、モリブデンまたはタングステン系の熱反射板とカーボン製のその支持部材とが反応することがない。よって、炭化反応により支持部材などが脆化することがないため、育成中に、これらの支持部材が融液に落下することもない。また、育成終了後に育成結晶を取り出す際に、熱反射板と支持部材との分解作業を容易にすることができ、生産効率を改善することができるため、その工業的意義はきわめて大きい。
図1は、本発明の酸化物単結晶育成装置において、モリブデン製の熱反射板を、カーボン製の断熱材に取り付けられたカーボン製の支持部材に対して、炭化タンタル製の接続部材を介して取り付けた構造を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の酸化物単結晶育成装置において、モリブデン製の熱反射板を、カーボン製の断熱材に、炭化タンタル製の接続部材を介して取り付けた構造を模式的に示す断面図である。 図3は、本発明の酸化物単結晶育成装置において、炭化タンタルにより被覆されたモリブデン製の熱反射板を、カーボン製の断熱材に取り付けた構造を模式的に示す断面図である。 図4は、従来技術のサファイア単結晶育成装置を模式的に示す断面図である。
サファイア単結晶をチョクラルスキー法により育成する場合、サファイア単結晶の融点が2000℃以上であることから、断熱空間15の温度も2000℃を超えるものとなる。このような高温環境下では、モリブデン(Mo)またはタングステン(W)などからなる熱反射板と、これを支持するカーボン(C)製の断熱材6aまたは支持部材21が部分的に反応してしまい、育成終了後の熱反射板と支持部材との分解作業がきわめて困難となり、サファイア単結晶育成の生産効率を妨げる一因となっている。
本発明者らは、このような問題を解決するため、高融点を有し、かつ、高温環境下においてもカーボンと反応することなく、熱反射板などの金属製の構成部材を安定して、カーボン製の断熱材や支持部材などに支持することを可能とする、剛性を有する部材について鋭意研究を重ねた。このような条件を満たし、かつ、工業的に利用できる部材として、炭化タンタル(TaC)に着目して鋭意研究を行ったところ、炭化タンタルは、サファイア単結晶の育成下における高温耐性を有し、かつ、カーボンと反応することがなく、そのような接続部材として最適であるとの知見が得られたのである。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、サファイア単結晶などの高融点の酸化物単結晶の育成装置における高温環境で使用されるカーボン製の構成部材と金属製の部材が接触しないように、これらの構成部材の接続部に接続部材を設けるとともに、この接続部材を、炭化タンタルにより構成していることを特徴としている。
接続部材は、炭化タンタルのみならず、炭化タンタルを主成分とする炭化物により構成することもできる。すなわち、炭化タンタル自体の硬度は非常に高く(モース硬度9〜10)、炭化タンタルのみから構成した場合には、接続部材を所望の形状に加工することが困難となる場合もあることから、ニオブ、モリブデンといった金属またはこれらの炭化物を含有させて、高温環境下での強度などの高温耐性およびカーボンとの反応可能性を除去しつつ、硬度などの加工性を改善することもできる。なお、この場合、接続部材を構成する材料のうちの炭化タンタル以外の金属または炭化物の含有量を50質量%以下、好ましくは10質量%以下とする。
なお、このような炭化タンタルおよび炭化タンタルを主成分とする炭化物からなる接続部材は、原料粉末を所定の形状に成形し、得られた成形物を焼結させることにより得ることができる。
図1は、このような接続部材を用いた、本発明の一態様の酸化物単結晶育成装置における、熱反射板の取り付け構造を模式的に示している。熱反射板13aは中央部が開口する円盤状の形状を有している。図1の例では、この熱反射板13aを上下方向(引き上げ軸9の軸方向)に2枚離隔して配置し、これらを支柱14により支持している。これらの熱反射板13aおよびその支柱14は、モリブデン(Mo)、タングステン(W)またはMoもしくはWを主成分とする合金から構成されている。
一方、断熱材6aの径方向複数箇所には、熱反射板13aを支持した支柱14を支持するための支持部材21が、その内壁から径方向に突出するように、固定されている。これらの支持部材21は、断熱材6aと同様に、カーボン(C)材により構成されている。
本発明者らの知見によれば、モリブデンまたはタングステンとカーボンとは、サファイアの育成温度である2000℃を超える高温環境下では容易に反応して、これらの接触部分が炭化モリブデンまたは炭化タングステンに変化し、その接触部分で部材相互が融着してしまうことになる。この場合、育成終了後に、育成結晶を炉内から取り出す際に、支柱14を支持部材21から取り外し、熱反射板13aとともに、断熱空間15から除去する必要があるが、その取り外しが非常に困難なものとなる。
そこで、この態様では、支柱14と支持部材21との接続部を構成するナット22、ワッシャ23およびカラー24をいずれも炭化タンタル(TaC)により構成している。このような構成により、高温環境下での育成中に支柱14と支持部材21との反応が防止され、育成後にこれらの構成部材の分解作業を円滑に行うことが可能となる。
なお、図1の例では、熱反射板13aを離隔させるためのカラー24aも炭化タンタルにより構成している。ただし、このカラー24aについては、炭化タンタルにより構成する必要は必ずしもない。
図2は、接続部材を用いた、本発明の別の態様の酸化物単結晶育成装置における、熱反射板の取り付け構造を模式的に示している。この態様では、円盤状の熱反射板13bを1つだけ、断熱材6aの内壁に直接設けるようにしている。この例では、熱反射板13bの外周部の周方向複数箇所に、外方に突出する突出部を設けている。一方、この突出部の形状、大きさ、数を適合させた、断面コ字状の接続部材25を、断熱材6aに埋設された支持部材21aにより、断熱材6aの内壁に径方向複数箇所に支持固定している。そして、熱反射板13bの突出部を、この接続部材25に内嵌固定することにより、熱反射板13bを断熱材6aに直接的に支持している。本例では、この接続部材25を、炭化タンタルにより構成している。
なお、本発明では、代替的に、接続部材25を設けることなく、モリブデンやタングステン系の構成部材である熱反射板13cの表面のうちの少なくともカーボン製の構成部材である断熱材6aおよび支持部材21aとの接続部を、炭化タンタルまたは炭化タンタルを主成分とする炭化物により被覆することもできる。図3は、このように、熱反射板13cと支持部材21aとの接続部に炭化タンタルをコーティングして被覆層26を設けた例を模式的に示す断面図である。この場合、ペースト状にした炭化タンタルまたは炭化タンタルを主成分とする炭化物を、熱反射板の全面もしくは少なくとも支持部材との接続部に塗布し、所定の温度および時間で焼成することにより、この被覆層26を形成することができる。
なお、本発明の酸化物単結晶育成装置は、熱反射板などの構成部材を、断熱材などのこれを支持する構造に取り付けるための構造に特徴があり、その他の基本構造は、図4に示した従来構造と同様である。このような基本構造については周知であるため、ここでの説明は省略する。また、本発明は、特にサファイア単結晶の育成装置に好適に適用されるが、その他、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)、ガドリニウム・シリケート(GSO)、ルテチウム・シリケート(LSO)などの融点が2000℃近傍、もしくは2000℃を超える高い融点を有する酸化物単結晶育成にも適用することができる。
(実施例1)
図1に示した熱反射板とその取り付け構造を用いた育成装置(その基本構造は図4に示したものと同様である)を用いて、サファイア単結晶の育成を行った。このとき、熱反射板および支柱の材料としては、モリブデン合金を使用した。この支柱とカーボン製の支持部材との接続部におけるカラー、ワッシャ、および、ナット、さらには、2枚の熱反射板同士の間隔を維持するためのカラーとして、それぞれ炭化タンタルを主成分とする炭化物からなる部材を使用した。なお、この炭化タンタル系部材は、炭化タンタル粉末:90%と、五酸化ニオブ粉末:9%と、カーボンブラック粉末:1%とを十分に混合したあと、所望の形状に成形し、2000℃で1時間焼成することにより製造したものである。
初めに、原料として酸化アルミニウム(Al23)粉末を坩堝に挿入し、この坩堝を結晶育成装置の支持軸上に設置した。その後、断熱材の内壁から伸長するカーボン製の支持部材に、上下方向に2枚の熱反射板が支持された支柱を、上記の炭化タンタル系部材を使用して設置した。
その後、断熱材の上面部を載置して、断熱空間を形成した後、Arガス雰囲気下で、カーボン製のヒータにより酸化アルミニウム(Al23)粉末を2200℃に加熱し、該酸化アルミニウム(Al23)粉末を溶解した。酸化アルミニウム(Al23)粉末が完全に溶解したことを確認した後、引き上げ軸の先端に取り付けたサファイア種結晶を、酸化アルミニウム(Al23)融液に接触させ、5日間引き上げを行った。結晶育成中の断熱空間の温度は1500〜2100℃であった。
引き上げ終了後、育成結晶を炉内から取り出すために、断熱材の上面部を除去し、熱反射板が支持された支柱を、支持部材から取り外した。この取り外し作業に際して、支持部材と炭化タンタル系部材の間に融着などは確認されなかった。また、得られたサファイア単結晶には、サファイア単結晶内部の歪み、格子欠陥、結晶欠陥(ボイド、多結晶化)のいずれも確認されなかった。
(比較例1)
熱反射板と支持部材との接続部に用いられるカラー、ワッシャ、およびナットとして、炭化タンタル系の部材の代わりに、モリブデン合金製の部材を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、サファイア単結晶の育成を行った。育成終了後、育成結晶を炉内から取り出すために、熱反射板が支持された支柱を支持部材から取り外す際、支柱と支持部材の一部が融着していることが確認され、支柱を支持部材から取り外すことができなかった。
得られたサファイア単結晶には、サファイア単結晶内部の歪み、格子欠陥、結晶欠陥(ボイド、多結晶化)のいずれも確認されなかった。
(比較例2)
熱反射板を設置しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、サファイア単結晶の育成を行った。育成後のサファイア単結晶を確認したところ、単結晶内部にボイドおよび多結晶化している部分が存在することが確認された。
1 坩堝
2 支持軸
3 円筒状ヒータ部
4 円盤状ヒータ部
5a、5b ヒータ電極
6 断熱材
7 炉体
8 絶縁筒
9 引き上げ軸
10 原料融液
11 種結晶
12 サファイア単結晶
13、13b、13c 熱反射板
14 支柱
15 断熱空間
21、21a 支持部材
22 ナット
23 ワッシャ
24、24a カラー
25 接続部材
26 被覆層
30a、30b カーボン製ヒータ
60 底面部
61 上面部

Claims (4)

  1. カーボン製の構成部材と、該カーボン製の構成部材に取り付けられ、モリブデン、タングステン、または、モリブデンもしくはタングステンの少なくとも一方を主成分として含む合金からなる金属製の構成部材とを備える酸化物単結晶育成装置であって、前記カーボン製の構成部材と前記金属製の構成部材の接続部に、これらの構成部材同士が接触しないように配置され、炭化タンタルまたは炭化タンタルを主成分とする炭化物により構成されている接続部材が配置されている、酸化物単結晶育成装置。
  2. カーボン製の構成部材と、該カーボン製の構成部材に取り付けられ、モリブデン、タングステン、または、モリブデンもしくはタングステンの少なくとも一方を主成分として含む合金からなる金属製の構成部材とを備える酸化物単結晶育成装置であって、前記金属製の構成部材の表面のうち少なくとも前記カーボン製の構成部材との接続部が、炭化タンタルまたは炭化タンタルを主成分とする炭化物により被覆されている、酸化物単結晶育成装置。
  3. 前記金属製の構成部材が、熱反射板であり、前記カーボン製の構成部材が、坩堝の周囲に配置される断熱材もしくは該断熱材に支持された支持部材である、請求項1または2に記載の酸化物単結晶育成装置。
  4. 前記酸化物単結晶がサファイア単結晶である、請求項1〜3のいずれかに記載の酸化物単結晶育成装置。
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