JP2013244930A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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【課題】 ベルト補強層に片撚りコードを用いることで軽量化を図ると共に、高速耐久性を維持しながらトレッドセパレーション性を改善することを可能にした空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】 トレッド部1におけるカーカス層4の外周側にベルト層7を埋設し、該ベルト層7の外周側にタイヤ周方向に配向する補強コードを含む少なくとも2層のベルト補強層8を配置した空気入りタイヤにおいて、ベルト補強層8の補強コードとして有機繊維のマルチフィラメントヤーンに一方向の撚りを付与した片撚りコード9を用いると共に、ベルト層側のベルト補強層81のコード打ち込み密度(本/50mm)に対する踏面側のベルト補強層82のコード打ち込み密度(本/50mm)の比を0.6〜0.9とし、かつベルト層側のベルト補強層81のコード打ち込み密度(本/50mm)とその片撚りコード9の繊度(dtex)との積を105000以下とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トレッド部にベルト補強層を備えた空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、ベルト補強層に片撚りコードを用いることで軽量化を図ると共に、高速耐久性を維持しながらトレッドセパレーション性を改善することを可能にした空気入りタイヤに関する。
トレッド部におけるカーカス層の外周側にベルト層を埋設した空気入りタイヤにおいて、高速耐久性を改善することを目的として、ベルト層の外周側にタイヤ周方向に配向する補強コードを含むベルト補強層を配置することが行われている。通常、ベルト補強層の補強コードとしては、有機繊維からなる諸撚りコードが使用されている。
これに対して、ベルト補強層の補強コードとして、有機繊維からなる片撚りコードを使用することが提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。片撚りコードは、諸撚りコードに比べて、撚り加工費や使用原料を削減できるという利点に加えて、コード径が小さいためベルト補強層の厚さを低減し、空気入りタイヤの軽量化に寄与する。また、ベルト補強層が薄くなってゴム体積が減少すると、低発熱化の効果も期待できる。
しかしながら、片撚りコードは諸撚りコードに比べてコートゴムに対する接着性が悪いという欠点がある。そのため、ベルト補強層の補強コードとして、有機繊維からなる片撚りコードを使用した場合、ベルト補強層とキャップトレッドゴム層との間に剥離を生じ易くなり、トレッドセパレーション性が悪化するという問題がある。
特開2002−154304号公報 特開2010−47191号公報 特開2011−218982号公報 特開2011−251583号公報
本発明の目的は、ベルト補強層に片撚りコードを用いることで軽量化を図ると共に、高速耐久性を維持しながらトレッドセパレーション性を改善することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、トレッド部におけるカーカス層の外周側にベルト層を埋設し、該ベルト層の外周側にタイヤ周方向に配向する補強コードを含む少なくとも2層のベルト補強層を配置した空気入りタイヤにおいて、前記ベルト補強層の補強コードとして有機繊維のマルチフィラメントヤーンに一方向の撚りを付与した片撚りコードを用いると共に、ベルト層側のベルト補強層のコード打ち込み密度(本/50mm)に対する踏面側のベルト補強層のコード打ち込み密度(本/50mm)の比が0.6〜0.9であり、かつ前記ベルト層側のベルト補強層のコード打ち込み密度(本/50mm)とその片撚りコードの繊度(dtex)との積が105000以下であることを特徴とするものである。
本発明者は、ベルト補強層に片撚りコードを用いた空気入りタイヤについて鋭意検討した結果、ベルト層の外周側に少なくとも2層のベルト補強層を配置した空気入りタイヤでは、走行時のトレッド部の圧縮変形に起因してベルト層側のベルト補強層よりも踏面側のベルト補強層に大きな歪みが生じ、それがキャップトレッドゴム層の剥離を誘発することを知見し、本発明に至ったのである。
即ち、本発明では、ベルト補強層の補強コードとして有機繊維のマルチフィラメントヤーンに一方向の撚りを付与した片撚りコードを用いるにあたって、ベルト層側のベルト補強層のコード打ち込み密度を相対的に高くする一方で踏面側のベルト補強層のコード打ち込み密度を相対的に低くすることにより、踏面側のベルト補強層におけるコードとコートゴムとの間の接着性を十分に確保し、トレッドセパレーション性を改善することができる。また、ベルト層側のベルト補強層のコード打ち込み密度が高過ぎるとコード間のゴム量が減少してしまい、接着性の低下により高速耐久性が悪化する恐れがあるが、ベルト層側のベルト補強層のコード打ち込み密度(本/50mm)とその片撚りコードの繊度(dtex)との積を規定することにより、高速耐久性を良好に維持することができる。
本発明において、片撚りコードの撚り数T(回/10cm)と片撚りコードの繊度D(dtex)とからK=T√Dにて規定される撚り係数Kについて、ベルト層側のベルト補強層の撚り係数Kに対する踏面側のベルト補強層の撚り係数Kの比が1.1〜1.3であることが好ましい。このようにベルト層側のベルト補強層の撚り係数Kを相対的に小さくする一方で踏面側のベルト補強層の撚り係数Kを相対的に大きくすることにより、高速耐久性を低下させることなくトレッドセパレーション性の改善効果を高めることができる。特に、高速耐久性を良好に維持するために、ベルト層側のベルト補強層の撚り係数Kを450〜900とすることが好ましい。また、片撚りコードを構成する有機繊維はナイロン66から構成されることが好ましい。
本発明において、「ベルト層側のベルト補強層」とは積層された少なくとも2層のベルト補強層のうち最もベルト層側に位置するベルト補強層を意味し、「踏面側のベルト補強層」とは積層された少なくとも2層のベルト補強層のうち最も踏面側に位置するベルト補強層を意味する。また、「コード打ち込み密度」とはベルト補強層において補強コードと直交する方向に測定される幅50mm当たりのコード打ち込み本数(所謂、エンド数)である。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示す子午線断面図である。 図1の空気入りタイヤにおけるベルト補強層の要部を拡大して示す断面図である。 本発明の空気入りタイヤにおけるベルト補強層の種々の形態を示し、(a)〜(d)は各形態を示す模式図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示し、図2はその空気入りタイヤのベルト補強層を示すものである。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、サイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。
一対のビード部3,3間にはタイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含むカーカス層4が装架されている。カーカス層4の補強コードとしては、一般には有機繊維コードが使用されるが、スチールコードを使用しても良い。ビード部3には環状のビードコア5が埋設されており、そのビードコア5の外周上に断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラー6が配置されている。
一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層7が埋設されている。これらベルト層7はタイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜40°の範囲に設定されている。ベルト層7の補強コードとしては、スチールコードが好ましく使用される。ベルト層7の外周側には、高速耐久性の向上を目的として、補強コードをタイヤ周方向に対して5°以下の角度で配列してなる少なくとも2層のベルト補強層8が配置されている。ベルト補強層8は少なくとも1本の補強コードを引き揃えてゴム被覆してなるストリップ材をタイヤ周方向に連続的に巻回したジョイントレス構造とすることが望ましい。また、ベルト補強層8はベルト層7の幅方向の全域を覆うように配置しても良く、或いは、ベルト層7の幅方向外側のエッジ部のみを覆うように配置しても良い。
上記空気入りタイヤにおいて、図2に示すように、ベルト補強層8の補強コードとして有機繊維のマルチフィラメントヤーンに一方向の撚りを付与した片撚りコード9が使用されている。片撚りコード9としては、繊度Dが900dtex〜2200dtexであるものを使用すると良い。片撚りコード9を構成する有機繊維としては、ナイロン66、ナイロン46、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、アラミド等の有機繊維を使用することが可能であるが、特にナイロン66が好ましい。
片撚りコード9は、諸撚りコードに比べて、撚り加工費や使用原料を削減できるという利点に加えて、コード径が小さいためベルト補強層8の厚さを低減し、空気入りタイヤの軽量化に寄与する。また、ベルト補強層8が薄くなってゴム体積が減少すると、低発熱化の効果も期待できる。その一方で、片撚りコード9は、真円に近い断面形状を有すると共に、フィラメント同士の拘束が必ずしも十分ではないので、コートゴムに対する接着性が悪いという欠点を有している。
このような不都合に鑑みて、上記空気入りタイヤでは、少なくとも2層のベルト補強層8のうち、ベルト層側のベルト補強層81のコード打ち込み密度E1(本/50mm)に対する踏面側のベルト補強層82のコード打ち込み密度E2(本/50mm)の比(E2/E1)が0.6〜0.9の範囲に設定されている。走行時にはトレッド部1の圧縮変形に起因してベルト層側のベルト補強層81よりも踏面側のベルト補強層82に大きな歪みが生じ、それがトレッド部1に配置されたキャップトレッドゴム層の剥離を誘発するが、上述のようにベルト層側のベルト補強層81のコード打ち込み密度E1を相対的に高くする一方で踏面側のベルト補強層82のコード打ち込み密度E2を相対的に低くすることにより、踏面側のベルト補強層82におけるコードとコートゴムとの間の接着性を十分に確保し、トレッドセパレーション性を改善することができる。
ここで、比(E2/E1)が0.6未満であるとベルト層側のベルト補強層81のコード打ち込み密度E1(本/50mm)とその片撚りコードの繊度D(dtex)との積が過度に大きくなるため、ベルト層側のベルト補強層81のコード間のゴム量が減少してしまい、接着性の低下により高速耐久性が悪化する恐れがある。逆に、比(E2/E1)が0.9よりも大きいとトレッドセパレーション性の改善効果が不十分になる。コード打ち込み密度E1,E2の範囲は、特に限定されるものではないが、高速耐久性を十分に確保するために、例えば、コード打ち込み密度E1を50本/50mm〜70本/50mmとし、コード打ち込み密度E2を40本/50mm〜50本/50mmとすれば良い。
上記空気入りタイヤにおいて、ベルト層側のベルト補強層81のコード打ち込み密度E1(本/50mm)とその片撚りコード9の繊度D(dtex)との積は、105000以下、好ましくは、85000〜105000の範囲に設定されている。上記積を大きくすることでベルト補強層81の強度を増大させて高速耐久性の改善効果を確保することができるが、その値が大き過ぎるとベルト層側のベルト補強層81のコード間のゴム量が減少してしまい、接着性の低下により高速耐久性が悪化する恐れがある。同様の理由から、踏面側のベルト補強層82のコード打ち込み密度E2(本/50mm)とその片撚りコード9の繊度D(dtex)との積は、60000〜70000の範囲に設定すると良い。
上記空気入りタイヤにおいて、片撚りコード9の撚り数T(回/10cm)と片撚りコード9の繊度D(dtex)とからK=T√Dにて規定される撚り係数Kについて、ベルト層側のベルト補強層81の撚り係数K(K1)に対する踏面側のベルト補強層82の撚り係数K(K2)の比(K2/K1)は、1.1〜1.3の範囲に設定すると良い。このようにベルト層側のベルト補強層81の撚り係数K1を相対的に小さくする一方で踏面側のベルト補強層82の撚り係数K2を相対的に大きくすることにより、高速耐久性を低下させることなくトレッドセパレーション性の改善効果を高めることができる。
ここで、比(K2/K1)が1.1未満であると踏面側のベルト補強層82の撚り係数K2が小さいため接着力が不足してトレッドセパレーション性の改善効果が低下する。逆に、比(K2/K1)が1.3よりも大きいと踏面側のベルト補強層82のコードモジュラスが低下するため高速耐久性が低下することになる。
ベルト層側のベルト補強層81の撚り係数K1は450〜900の範囲に設定すると良い。撚り係数K1が450未満であるとベルト層側のベルト補強層81に含まれる片撚りコード9の疲労性と接着性の低下が相まって高速耐久性が低下し、逆に900を超えるとベルト層側のベルト補強層81のコードモジュラスが低下するため高速耐久性が低下する。同様の理由から、踏面側のベルト補強層82の撚り係数K2は350〜800の範囲に設定すると良い。
図3は本発明の空気入りタイヤにおけるベルト補強層の種々の形態を示すものである。図3(a)においては、ベルト層7の外周側に、ベルト層7の幅方向の全域を覆うベルト層側のベルト補強層81と、ベルト層7の幅方向外側のエッジ部のみを覆う踏面側のベルト補強層82とが配置されている。図3(b)においては、ベルト層7の外周側に、ベルト層7の幅方向外側のエッジ部のみを覆うベルト層側のベルト補強層81と、ベルト層7の幅方向の全域を覆う踏面側のベルト補強層82とが配置されている。図3(c)においては、ベルト層7の外周側に、ベルト層7の幅方向外側のエッジ部のみを覆うベルト層側のベルト補強層81及び踏面側のベルト補強層82が配置されている。図3(d)においては、ベルト層7の外周側に、ベルト層7の幅方向の全域を覆うベルト層側のベルト補強層81及び踏面側のベルト補強層82が配置されている。各図において、ベルト補強層81,82の端末位置はベルト層7の端末位置と一致するように描写されているが、ベルト層7の幅方向の全域を覆う場合及びベルト層7の幅方向外側のエッジ部のみを覆う場合のいずれにおいても、ベルト補強層81,82をベルト層7の端末位置よりもタイヤ幅方向外側へ突き出すように配置しても良い。
上述した実施形態では積層された2層のベルト補強層を備えた空気入りタイヤについて説明したが、本発明では3層以上のベルト補強層を設けることも可能である。この場合、ベルト層側のベルト補強層と踏面側のベルト補強層との間に位置する他のベルト補強層については、その構造をベルト層側のベルト補強層及び踏面側のベルト補強層のいずれか一方と同じにするか、或いは、ベルト層側のベルト補強層及び踏面側のベルト補強層の中間的な設定値を採用すると良い。後者の場合、ベルト補強層の特性をベルト層側から踏面側に向かって緩やかに変化させることができる。
タイヤサイズ205/55R16で、トレッド部におけるカーカス層の外周側にベルト層を埋設し、該ベルト層の外周側にタイヤ周方向に配向する補強コードを含む2層のベルト補強層を配置した空気入りタイヤにおいて、ベルト補強層のコード構造、ベルト層側のベルト補強層のコード打ち込み密度(本/50mm)に対する踏面側のベルト補強層のコード打ち込み密度(本/50mm)の比(表中、「コード打ち込み密度比」と表示)、ベルト層側及び踏面側のベルト補強層におけるコード打ち込み密度(本/50mm)とその片撚りコードの繊度(dtex)との積(表中、「コード打ち込み密度と繊度との積」と表示)、ベルト層側のベルト補強層の撚り係数に対する踏面側のベルト補強層の撚り係数の比(表中、「撚り係数比」と表示)、及び、ベルト層側及び踏面側のベルト補強層の撚り係数を表1のように設定した従来例1〜2、実施例1〜3及び比較例1のタイヤを製作した。
従来例1のタイヤは、ベルト補強層の補強コードとしてナイロン66からなる諸撚りコード(940dtex/2)を用いたものである。従来例2、実施例1〜3及び比較例1のタイヤは、ベルト補強層の補強コードとしてナイロン66からなる片撚りコード(1400dtex/1)を用いたものである。
これら試験タイヤについて、下記の評価方法により、軽量性、高速耐久性及びトレッドセパレーション性を評価し、その結果を表1に併せて示した。
軽量性:
各試験タイヤに使用されるベルト補強層の重量を測定した。評価結果は、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が小さいほど軽量であることを意味する。
高速耐久性:
各試験タイヤをリムサイズ16×6 1/2JJのホイールに組み付け、空気圧を230kPaとし、JIS−D4230に準拠して室内ドラム式のタイヤ試験機により高速耐久性能試験を実施した後、引き続き走行試験を継続し、タイヤが破損するまでの走行距離を計測した。評価結果は、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど高速耐久性が優れていることを意味する。
トレッドセパレーション性:
各試験タイヤをリムサイズ16×6 1/2JJのホイールに組み付け、空気圧を350kPaとし、室内ドラム式のタイヤ試験機のドラム外周面に半径9.5mmの3本のクリート(突起物)を周上で等間隔に設置し、そのタイヤ試験機を用いて8000kmの走行試験を実施した。走行後、タイヤのキャップトレッドゴム層とベルト補強層との間の剥離力を測定した。評価結果は、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどキャップトレッドゴム層が剥離し難く、トレッドセパレーション性が優れていることを意味する。
Figure 2013244930
表1から判るように、従来例2のタイヤは、従来例1との対比において、軽量化の効果が認められるものの、トレッドセパレーション性が悪化していた。これに対して、実施例1〜3のタイヤは、従来例1との対比において、軽量化の効果を享受しつつ、高速耐久性及びトレッドセパレーション性を良好に維持することができた。一方、比較例1のタイヤは、ベルト側のベルト補強層のコード打ち込み密度に対する踏面側のベルト補強層のコード打ち込み密度の比が低過ぎ、ベルト層側のベルト補強層におけるコード打ち込み密度と繊度との積が大き過ぎるため、高速耐久性を十分に確保することができなかった。
次に、ベルト補強層の撚り係数比を表2のように変更したこと以外は実施例2と同じ構造を有する実施例4〜6のタイヤを製作した。これら試験タイヤについて、上述の評価方法により、軽量性、高速耐久性及びトレッドセパレーション性を評価し、その結果を表2に併せて示した。なお、指数値の基準は従来例1である。
Figure 2013244930
表2に示すように、実施例4〜6において、ベルト層側のベルト補強層の撚り係数に対する踏面側のベルト補強層の撚り係数の比を変更することにより、高速耐久性及びトレッドセパレーション性が変化し、特に、撚り係数比が1.1〜1.3の範囲に含まれる実施例4では最も優れた結果が得られた。
次に、ベルト補強層の撚り係数を表3のように変更したこと以外は実施例4と同じ構造を有する実施例7〜9のタイヤを製作した。これら試験タイヤについて、上述の評価方法により、軽量性、高速耐久性及びトレッドセパレーション性を評価し、その結果を表3に併せて示した。なお、指数値の基準は従来例1である。
Figure 2013244930
表3に示すように、実施例7〜9において、ベルト層側のベルト補強層の撚り係数を変更することにより、高速耐久性及びトレッドセパレーション性が変化し、特に、ベルト層側のベルト補強層の撚り係数が450〜900の範囲に含まれる実施例7では最も優れた結果が得られた。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8,81,82 ベルトカバー層
9 片撚りコード

Claims (4)

  1. トレッド部におけるカーカス層の外周側にベルト層を埋設し、該ベルト層の外周側にタイヤ周方向に配向する補強コードを含む少なくとも2層のベルト補強層を配置した空気入りタイヤにおいて、前記ベルト補強層の補強コードとして有機繊維のマルチフィラメントヤーンに一方向の撚りを付与した片撚りコードを用いると共に、ベルト層側のベルト補強層のコード打ち込み密度(本/50mm)に対する踏面側のベルト補強層のコード打ち込み密度(本/50mm)の比が0.6〜0.9であり、かつ前記ベルト層側のベルト補強層のコード打ち込み密度(本/50mm)とその片撚りコードの繊度(dtex)との積が105000以下であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記片撚りコードの撚り数T(回/10cm)と前記片撚りコードの繊度D(dtex)とからK=T√Dにて規定される撚り係数Kについて、前記ベルト層側のベルト補強層の撚り係数Kに対する踏面側のベルト補強層の撚り係数Kの比が1.1〜1.3であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記片撚りコードの撚り数T(回/10cm)と前記片撚りコードの繊度D(dtex)とからK=T√Dにて規定される撚り係数Kについて、前記ベルト層側のベルト補強層の撚り係数Kが450〜900であることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記片撚りコードを構成する有機繊維がナイロン66から構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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