JP2013242415A - レーザー走査光学装置、及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第三の光学系6を構成する光学素子62は、レーザー光Lの光軸方向(X方向)に進退可能な複数の当接部材(第1押圧ピン65、第2押圧ピン68、及び調整ピン67)により3箇所以上狭持されることで、当該光学素子62を保持可能な光学素子ホルダー61に対して固定され、複数の当接部材のうち光学素子62の光軸方向一方の面(上面)の長手方向(Y方向)の所定位置に配置された第1押圧ピン65の先端部653が、光学素子62に食い込んでいる。
【選択図】図3
Description
近年、レーザー走査光学装置に対する要求性能は益々高くなり、光学素子の性能や取り付け精度も高精度化の傾向にある。また、長尺の光学素子は、光学素子ホルダーに取り付け固定する際に変形しやすいため、取り扱いが困難である。また、反射光学系は、透過光学系と比較して取り付け位置の誤差や光学素子自体の変形の感度が大きいため、環境変動時に光学素子の取り付け位置の精度を確保することは、困難を極めていた。
従って、光学素子を光学素子ホルダーに取り付ける際には、光学素子に対してストレスをかけず、更には取り付け後の環境変動による位置ずれを0とする取り付け方法が求められていた。
また、光学素子を先端形状が同一の位置決めピンと弾性部材とで狭持する構成が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、光学素子の全周に渡って紫外線硬化接着剤でベースに接着固定する構成が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
また、光学素子の位置を調整した後に紫外線硬化接着剤により光学素子をベースに接着固定する構成が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
また、上記特許文献2記載の技術は、光学素子を先端形状が同一の位置決めピンを用いて狭持する構成であるため、光学素子の長手方向で線膨張差により生じる伸張の基点となるポイントを定めることができず、環境変動による伸縮が繰り返された場合に光学素子の位置ずれが生じてしまうという問題がある。
また、上記特許文献3記載の技術は、光学素子の全周に渡って紫外線硬化接着剤でベースに接着固定する構成であるため、光学素子とベースとで線膨張係数に差異がある場合に、温度変化により光学素子が変形してしまい、形成される画像の劣化につながるという問題がある。
また、上記特許文献4記載の技術は、光学素子の位置を調整した後に紫外線硬化接着剤により光学素子をベースに接着固定する構成であるが、光学素子を仮決めする手段が設けられていないため、紫外線硬化接着剤の硬化収縮により光学素子の取り付け位置がずれてしまう虞がある。
光源から出射されたレーザー光を平行光に変換する第一の光学系と、前記第一の光学系により平行光に変換されたレーザー光を副走査方向に収束させる第二の光学系と、前記第二の光学系を透過したレーザー光を偏向する偏向器と、前記偏向器により偏向されたレーザー光を感光体上に集光する第三の光学系と、を備えるレーザー走査光学装置において、
前記第三の光学系を構成する光学素子は、前記レーザー光の光軸方向に進退可能な複数の当接部材により3箇所以上狭持されることで、当該光学素子を保持可能な光学素子ホルダーに対して固定され、
前記複数の当接部材のうち前記光学素子の前記光軸方向一方の面の長手方向の所定位置に配置された基点当接部材の先端部が、前記光学素子に食い込んでいることを特徴とする。
前記複数の当接部材は、先端部が球形状に形成され、
前記基点当接部材の先端部は、他の当接部材の先端部よりも曲率半径が小さいことを特徴とする。
前記基点当接部材の先端部と前記光学素子との当接部分に、当該基点当接部材の離間可能距離以上の高さまで接着剤が塗布されていることを特徴とする。
前記基点当接部材は、短手方向に複数並んで配置されていることを特徴とする。
前記基点当接部材は、前記光学素子の前記光軸方向一方の面の長手方向中央部に配置されていることを特徴とする。
画像形成装置であって、
請求項1〜5のいずれか一項に記載のレーザー走査光学装置を備えることを特徴とする。
光源ホルダー2は、光源1を保持するためのホルダーである。
第二の光学系4は、スリットやシリンドリカルレンズを含んで構成される。そして、第二の光学系4は、スリットにより、感光体200上でビームスポットが整形されるように、第一の光学系3により平行光に変換されたレーザー光Lの透過量を制限する。また、第二の光学系4は、シリンドリカルレンズにより、第一の光学系3により平行光に変換されたレーザー光Lを副走査方向に収束させる。
第四の光学系7は、シリンドリカルレンズなどを含んで構成される。そして、第四の光学系7は、偏向器5により偏向されたレーザー光Lの一部を集光し、集光したレーザー光Lをセンサー8に入射させる。
次に、図3〜図7を用いて、光学素子ホルダー61に対して光学素子62を固定する構成を説明する。ここで、図3及び図4については、説明の都合上、光学素子ホルダー61及びカバー66の記載を二点鎖線で示すようにし、光学素子ホルダー61内部の構造を見えやすくしている。
なお、以下の説明では、図3等に示す光学素子ホルダー61の長手方向をY方向、短手方向をZ方向、Y方向及びZ方向に直交する方向をX方向とする。また、図3等に示す第三の光学系6において、第1押圧ピン65及び第2押圧ピン68が配置された側を上側、上側と反対方向を下側とする。本実施形態では、光学素子62に対して、X方向、即ち、上下方向にレーザー光Lが入射して透過するようになっている。即ち、X方向は、レーザー光Lの光軸方向と一致する。
具体的には、調整ピン67は、図示しない板金によりカバー66に取り付けられ、一部に雄ねじが形成された調整軸671を回転させることで、X方向に進退可能な構成となっている。調整軸671は、コイルばね672によりネジ部噛み合いガタ分をX方向下方から付勢され、光学素子62と当接する先端部には、位置決め球673が配設されている。位置決め球673は、例えば、鋼球であり、調整軸671の回転に伴うX方向の進退に合わせて移動する。位置決め球673は、図示しないすきまばめにより調整軸671の先端部に設けられたざぐり穴に嵌合しており、その嵌合部分には、位置決め球673が回転自在となるように、潤滑グリスが塗布されている。この潤滑グリスは、光学素子62にケミカルアタックを与えないものが使用されている。
具体的には、第1押圧ピン65は、光学素子62の上面のY方向中央部で図示しない板金により光学素子ホルダー61に取り付けられ、軸の一部が図示しない板金に形成された穴部に嵌合し、X方向に進退可能な構成となっている。押圧軸651は、コイルばね652により常にX方向上方から付勢されて、調整ピン67と共に光学素子62を狭持する構成となっている。
第2押圧ピン68は、押圧軸681と、コイルばね682と、等を備えて構成される。
具体的には、第2押圧ピン68は、第1押圧ピン65と同様、光学素子62の上面で図示しない板金により光学素子ホルダー61に取り付けられ、軸の一部が図示しない板金に形成された穴部に嵌合し、X方向に進退可能な構成となっている。押圧軸681は、コイルばね682により常にX方向上方から付勢されて、調整ピン67と共に光学素子62を狭持する構成となっている。
なお、第1押圧ピン65は、本実施形態のように、光学素子62のY方向中央部に配置することが好ましい。なぜなら、光学素子ホルダー61と光学素子62との線膨張差による相対差を、長手方向であるY方向の中央部を基点として両方向に振り分けることで、光学素子62の伸縮量を最も小さくすることができるからである。
[数式1]
D=((2/(3π))・(√A)2/H
[数式2]
Er=((√π)/2)・(S/(√A))
[数式3]
Er=[(1−νs2)/Es+(1−νi2)/Ei]−1
[数式4]
H=S2/(6・D・Er2)
なお、D・Er2の値は、45000程度であることがより好ましい。
ここで、環境変動による光学素子62の拡大収縮が生じた場合、先端部683のRが大きい第2押圧ピン68と光学素子62との当接部分においては、第2押圧ピン68が光学素子62に深く食い込むことはないため、第2押圧ピン68と光学素子62との間で光学素子62のY方向に滑りが発生することとなって、光学素子62の伸縮を妨げることはなく、光学素子62の変形を抑制している。一方、先端部653のRが小さい第1押圧ピン65と光学素子62との当接部分は、常に光学素子62の伸縮の基点となるため、定常温度に戻った際に、上記当接部分を基点に光学素子62と光学素子ホルダー61の位置関係が元に戻ることとなって、環境変化に耐性のある光学素子62の保持を行うことが可能となる。
即ち、本実施形態では、第1押圧ピン65の先端部653を、第2押圧ピン68の先端部683よりも光学素子62に対して食い込ませることで、環境変化に耐性のある光学素子62の保持を行うことを可能としている。従って、第1押圧ピン65は、基点当接部材として機能する。
まず、光学素子ホルダー61に光学素子62を挿入して搭載し、光学素子62をZ押圧部64及びY方向位置決めピン69に当接させながら、光学素子62のY方向両端部をX押圧部63により押圧することで、光学素子62の位置を決めている。X押圧部63は、光学素子62のY方向両端部に1箇所又は2箇所配設されており、光学素子62のY方向中央部に配設された第1押圧ピン65と併せて最低3点での固定を行うことで、光学素子62に対するX方向の取付面を規定している。即ち、光学素子62に対するX方向の固定点は、光学素子62のY方向端部とY方向中央部とのいずれか一方に1箇所、他方に2箇所配設するようにすればよい。
なお、カバー66を取り付けてから調整ピン67及び第1押圧ピン65により光学素子62を狭持するまでは、光学素子62のX方向及びY方向にストレスが作用していないため、光学素子ホルダー61に搭載したことによる光学素子62の変形は抑制されている。即ち、本実施形態では、必要最小限の当接によりX、Y、Z方向の位置を決めており、位置決め突出部等による位置規制を行っていない。従って、光学素子62を固定する段階で、光学素子62の変形を大幅に抑制することが可能となる。
例えば、図8に示す例では、実施形態と比べ、第1押圧ピン65の先端部653のRが同一である一方、押圧軸651の形状が異なっている。具体的には、変形例1に係る第1押圧ピン65は、押圧軸651Aが円柱状に形成されている。
なお、変形例1に係る第1押圧ピン65の押圧軸651Aは、例えば、光学素子62が曲面状に形成されている場合に、光学素子62と接触する虞がある。従って、本発明では、押圧軸の形状は、実施形態に係る押圧軸651(図6(a)参照)のように、先端部653に近づくほど細くなる形状であることがより好ましい。
例えば、図9〜図11に示す例では、実施形態と比べ、第1押圧ピン65と光学素子62の当接部分に紫外線硬化接着剤Aを塗布し、光学素子62の位置決め強度を増強している点で異なっている。
変形例2に係る第1押圧ピン65は、第2押圧ピン68よりも先端部653のRが小さく、光学素子62に対してより深く食い込むことで、光学素子62との当接部分に塗布された紫外線硬化接着剤Aの硬化収縮による光学素子62の位置ずれの発生を抑制することができるため、光学素子62への固定をより高精度に行うことが可能な構成となっている。
従って、第1押圧ピン65の光学素子62に当接した状態からの離間可能距離h2以上の高さh1で紫外線硬化接着剤Aを盛ることで、一時的に第1押圧ピン65が離間したとしても、光学素子62は元の位置を維持することができる。
例えば、図12に示す例では、実施形態と比べ、先端部653のRが小さい第1押圧ピン65が光学素子62の短手方向であるZ方向に複数並べて配置されている点で異なっている。なお、図12では、説明の都合上、光学素子ホルダー61及びカバー66の記載を省略している。
具体的には、先端部653のRが小さい第1押圧ピン65が光学素子62のZ方向に2本並べて配置されるとともに、先端部653のRが大きい第2押圧ピン68が光学素子62のY方向両端部にそれぞれ1本ずつ配置されている。これにより、光学素子62との相対位置関係が固定される第1押圧ピン65による固定点が、光学素子62のZ方向に複数形成されるため、光学素子62をより強固に固定することができる。なお、光学素子62のZ方向に固定点を複数形成したことにより、光学素子ホルダー61と光学素子62との線膨張係数の差の影響を受けることとなるが、Y方向に複数の固定点を形成する場合と比べて十分小さい影響であり、無視することができる。
また、上記実施形態では、押圧ピン(第1押圧ピン65及び第2押圧ピン68)のうち第1押圧ピン65を唯一Rの小さい押圧ピンとして構成しているが、これに限定されるものではなく、例えば、複数の調整ピン67のうちの1つを唯一Rの小さい調整ピン67として構成することも可能である。ただし、調整ピン67の先端部のRを小さくして光学素子62に食い込む形状を形成させると、経時的に食い込み量が増加する虞がある。食い込み量が増加し過ぎると、光学素子62を押圧している方向に移動する虞がある。従って、実施形態のように、第1押圧ピン65を唯一Rの小さい押圧ピンとして構成することがより好ましい。
また、光学素子62の上面に調整ピン67を配置させ、光学素子62の下面に第1押圧ピン65及び第2押圧ピン68を配置させるようにしてもよい。
100 レーザー走査光学装置
200 感光体
300 中間転写ベルト
400 転写ローラ
500 定着部
1 光源
2 光源ホルダー
3 第一の光学系
4 第二の光学系
5 偏向器
6 第三の光学系
61 光学素子ホルダー
62 光学素子
63 X押圧部
64 Z押圧部
65 第1押圧ピン(当接部材;基点当接部材)
66 カバー
67 調整ピン(当接部材)
68 第2押圧ピン(当接部材)
69 Y方向位置決めピン
7 第四の光学系
8 センサー
9 光学ハウジング
A 紫外線硬化接着剤
Claims (6)
- 光源から出射されたレーザー光を平行光に変換する第一の光学系と、前記第一の光学系により平行光に変換されたレーザー光を副走査方向に収束させる第二の光学系と、前記第二の光学系を透過したレーザー光を偏向する偏向器と、前記偏向器により偏向されたレーザー光を感光体上に集光する第三の光学系と、を備えるレーザー走査光学装置において、
前記第三の光学系を構成する光学素子は、前記レーザー光の光軸方向に進退可能な複数の当接部材により3箇所以上狭持されることで、当該光学素子を保持可能な光学素子ホルダーに対して固定され、
前記複数の当接部材のうち前記光学素子の前記光軸方向一方の面の長手方向の所定位置に配置された基点当接部材の先端部が、前記光学素子に食い込んでいることを特徴とするレーザー走査光学装置。 - 前記複数の当接部材は、先端部が球形状に形成され、
前記基点当接部材の先端部は、他の当接部材の先端部よりも曲率半径が小さいことを特徴とする請求項1に記載のレーザー走査光学装置。 - 前記基点当接部材の先端部と前記光学素子との当接部分に、当該基点当接部材の離間可能距離以上の高さまで接着剤が塗布されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザー走査光学装置。
- 前記基点当接部材は、短手方向に複数並んで配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のレーザー走査光学装置。
- 前記基点当接部材は、前記光学素子の前記光軸方向一方の面の長手方向中央部に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のレーザー走査光学装置。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のレーザー走査光学装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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