JP2013241702A - 多糖類繊維の製造方法、多糖類繊維、コード、繊維−ゴム複合体、及びタイヤ - Google Patents

多糖類繊維の製造方法、多糖類繊維、コード、繊維−ゴム複合体、及びタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】二硫化炭素排出を抑制した環境負荷の少ない、生産性に優れた多糖類繊維の製造方法、糸切れ・毛羽の無い多糖類繊維、コード、繊維−ゴム複合体、及びタイヤを提供する。
【解決手段】本発明の多糖類繊維7の製造方法は、イオン液体を含む液体に多糖類原料を溶解してなる多糖類溶解液を、固形化液体に接触させて、多糖類を紡糸し、得られた多糖類繊維7を巻き取る工程を有する多糖類繊維7の製造方法であって、前記多糖類繊維7との動摩擦係数が0.05〜0.35であるガイド又はローラー3を用いて巻き取る多糖類繊維7の走行方向を変化させることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、多糖類繊維の製造方法、多糖類繊維、コード、繊維−ゴム複合体、及びタイヤに関する。
セルロース繊維は、寸法安定性が良く、接着性が高く、弾性率の温度依存性(温度変化に対する、弾性率変化)が低い等の利点があり、レーヨンとして広くタイヤに用いられている。
しかし、レーヨンは製造工程で二硫化炭素を排出し、環境負荷が非常に高いため、環境負荷の少ない原材料で製品を製造したいという現代のニーズに合わない。
上記の寸法安定性が良く、接着性が高く、弾性率の温度依存性が低いといった特徴は、繊維材料がセルロースであることに大きく依存している。ポリエステル、ナイロン等の合成繊維もタイヤ用補強コードとして用いられるが、セルロース繊維と同程度の寸法安定性、接着性、弾性率を得ることは困難である。
従って、環境負荷が高いにもかかわらず、一部タイヤにはレーヨンが用いられているのが現状である。
地球の環境保全が叫ばれる昨今、化石燃料に依存しないセルロースを原材料に用いることが望まれる。上述した問題点である、レーヨンの製造で環境負荷の高い二硫化炭素を使用する必要性は、セルロースを繊維化(紡糸)する際に、溶融又は溶解することにある。セルロース原料を溶融又は溶解するためには、セルロースの1繰り返し単位あたりに3箇所ある水酸基の分子内及び分子間の水素結合を断つ必要がある。レーヨンの製造においては、二硫化炭素によって水酸基を化学修飾し、水素結合を断つことができるため、セルロース原料を溶融または溶解することができる。このように、水酸基を化学修飾することにより紡糸したセルロース繊維は、一般に再生セルロースと呼ばれる。現在、レーヨン以外のセルロース繊維がタイヤ補強用に広く用いられない理由は、工業的に成立する方法でセルロース原料を溶融、溶解することが困難な点に加えて、繊維化する際に高い強度、切断伸度を得る方法が困難な点にある。
これに対して、N−メチルモルフォリン−N−オキシド(NMMO)を溶媒として用いた精製セルロース繊維の製造方法によれば、セルロース自体の化学修飾を伴わず、二硫化炭素を排出せずにセルロース原料を溶解することが可能であり、この方法で製造されたセルロース溶解液を用いて、セルロースを乾湿式紡糸して得られる精製セルロース繊維は、環境負荷が少ないという点および化学修飾された水酸基が残留しない点で優れている(特許文献1)。
しかしながら、NMMOを溶媒として用いて製造された精製セルロース繊維は、強力や切断伸度といったタイヤ用途への応用に必要な物性を満たしていない。
一方、数種類のイオン液体がセルロース原料を効率よく溶解することが報告されている(特許文献2〜4)。イオン液体によるセルロース原料の溶解は溶媒和によるものであり、精製セルロース繊維の製造工程で二硫化炭素の様な有害物質を排出しない。前記精製セルロース繊維の製造は、溶解されたセルロース原料を水、アルコール、又は水とイオン液体の水溶液中を通すことで容易に達成される。このようなイオン液体を用いたセルロースの紡糸は、特許文献5、6に報告されている。
特開2006−188806号公報 米国特許第1943176号明細書 特開昭60−144322号公報 特許第4242768号公報 米国特許出願公開第2008/0269477号明細書 中国特許101328626号明細書
このようなセルロースをはじめとする多糖類を含む多糖類原料をイオン液体に溶解してなる多糖類溶解液を用いて、多糖類を湿式紡糸又は乾湿式紡糸して多糖類繊維を製造する際には、多糖類を固形化するための液体である固形化液体により、紡糸された多糖類繊維の走行方向を変えることが製造スペースの有効活用上、必要不可欠である。
かかる繊維の走行方向の変換は、前記固形化液体を保持する固形化槽中、又は繊維が固形化槽から出た後にガイド又はローラーを配することにより行われる。
しかしながらこのような多糖類繊維の製造工程において、ガイド又はローラーの性質によっては、繊維の糸切れ・毛羽、製造ラインからの糸落ちが多発し、生産性に大きく影響することが本発明者らによって明らかとなった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、二硫化炭素排出を抑制した環境負荷の少ない、生産性に優れた多糖類繊維の製造方法、糸切れ・毛羽の無い多糖類繊維、コード、繊維−ゴム複合体、及びタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、下記の特徴を有する多糖類繊維の製造方法、該多糖類繊維、コード、繊維−ゴム複合体、及びタイヤを提供するものである。
(1)イオン液体を含む液体に多糖類原料を溶解してなる多糖類溶解液を、固形化液体に接触させて、多糖類を紡糸し、得られた多糖類繊維を巻き取る工程を有する多糖類繊維の製造方法であって、前記多糖類繊維との動摩擦係数が0.05〜0.35であるガイド又はローラーを用いて巻き取る多糖類繊維の走行方向を変化させることを特徴とする多糖類繊維の製造方法。
(2)前記イオン液体は、カチオン部とアニオン部からなり、前記カチオン部は、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、アンモニウムイオン、及びフォスフォニウムイオンからなる群から選ばれる一種以上である(1)の多糖類繊維の製造方法。
(3)前記固形化液体は、水、極性溶媒、及び前記イオン液体からなる群から選ばれる一種以上である(1)又は(2)の多糖類繊維の製造方法。
(4)前記カチオン部が下記一般式(1)で表されるイミダゾリウムイオンである(2)又は(3)の多糖類繊維の製造方法。
Figure 2013241702
[式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数2〜4のアルケニル基を示し、Rは、水素原子又はメチル基を示し、Rは、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数2〜8のアルケニル基を示す。]
(5)前記ガイド又は前記ローラーが、金属、フッ素含有樹脂、又はセラミックである(1)から(4)のいずれか一つの多糖類繊維の製造方法。
(6)前記ガイド又は前記ローラーは、その表面に金属、フッ素含有樹脂、又はセラミックがコーティングされたものである(1)から(4)のいずれか一つの多糖類繊維の製造方法。
(7)(1)から(6)のいずれか一つの多糖類繊維の製造方法を用いて製造したことを特徴とする多糖類繊維。
(8)(7)の多糖類繊維を撚り加工してなることを特徴とするコード。
(9)(7)の多糖類繊維又は(8)のコードを用いたことを特徴とする繊維−ゴム複合体。
(10)(9)の繊維−ゴム複合体を用いたことを特徴とするタイヤ。
本発明の多糖類繊維の製造方法は、二硫化炭素等の有害物質を生じることなく、多糖類繊維を製造することができるため、環境負荷を低減することができる。
さらに、本発明の多糖類繊維の製造方法は、多糖類繊維に、糸切れ・毛羽が生じることがなく、製造工程において、糸落ちが生じることがないため生産性に優れている。
また、本発明の多糖類繊維は、糸切れ・毛羽がないため、良好な品質を維持している。
多糖類を湿式紡糸する方法を例示する概略断面図である。
[多糖類繊維]
まず、本発明に用いられる多糖類繊維の好ましい製造方法について説明する。
本発明の多糖類繊維の製造方法は、イオン液体を含む液体に多糖類原料を溶解してなる多糖類溶解液を、固形化液体に接触させて、多糖類を紡糸し、得られた多糖類繊維を巻き取る工程を有する多糖類繊維の製造方法であって、前記多糖類繊維との動摩擦係数が0.05〜0.35であるガイド又はローラーを用いて巻き取る多糖類繊維の走行方向を変化させる製造方法である。
本発明に用いられる多糖類原料(多糖類を含む原料)における多糖類としては、セルロース及びエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、カチオン化セルロースなどのセルロース誘導体;アラビアガム;κ−カラギーナン、ι−カラギーナン、λ−カラギーナンなどのカラギーナン;グアガム;ローカストビーンガム;ペクチン;トラガント;トウモロコシデンプン;リン酸化デンプンなど;キサンタンガム、デキストリン等の微生物系多糖類が挙げられ、セルロースが好ましく用いられる。
本発明の多糖類繊維は、セルロース原料をはじめとする多糖類原料を、イオン液体を含む液体に溶解してなる多糖類溶解液を、固形化液体に接触させて、多糖類を固形化してなるものである。かかる固形化方法は、湿式紡糸又は乾湿式紡糸したものであることが好ましい。
前記湿式紡糸又は乾湿式紡糸の紡糸法は、特に限定されず、公知の紡糸法により多糖類を紡糸することができる。
本発明において、セルロース原料は、セルロースを含むものであれば特に限定されず、植物由来のセルロース原料であってもよく、動物由来のセルロース原料であってもよく、微生物由来のセルロース原料であってもよく、再生セルロース原料であってもよい。
植物由来のセルロース原料としては、木材、綿、麻、その他の草本類等の未加工の天然植物由来のセルロース原料や、パルプ、木材粉、紙製品等の予め加工処理を施された植物由来の加工セルロース原料が挙げられる。
動物由来のセルロース原料としては、ホヤ由来のセルロース原料が挙げられる。
微生物由来のセルロース原料としては、Aerobacter属、Acetobacter属、Achromobacter属、Agrobacterium属、Alacaligenes属、Azotobacter属、Pseudomonas属、Rhizobium属、Sarcina属等に属する微生物の産生するセルロース原料が挙げられる。
再生セルロース原料としては、上記のような植物、動物、又は微生物由来のセルロース原料を、ビスコース法等の公知の方法により再生したセルロース原料が挙げられる。
なかでも、本発明におけるセルロース原料としては、イオン液体に良好に溶解するパルプが好ましい。
本発明において、セルロース等を含む多糖類原料を、イオン液体を含む液に溶解する前に、イオン液体への溶解性を向上させる目的で多糖類原料に前処理を施すことができる。前処理として具体的には、乾燥処理や、粉砕、摩砕等の物理的粉砕処理や、酸又はアルカリを用いた化学的変性処理等を行うことができる。これらはいずれも常法により行うことができる。
本発明において、イオン液体とは、100℃以下で液体であり、且つ、イオンのみからなり、カチオンまたはアニオン、或いはその両方が有機イオンから構成される溶媒をいう。
前記イオン液体は、カチオン部とアニオン部からなるものが好ましく、イオン液体のカチオン部としては、特に限定されるものではなく、一般的にイオン液体のカチオン部に用いられるものでよい。
なかでも、本発明に用いられるイオン液体のカチオン部の好ましいものとしては、含窒素芳香族カチオン、アンモニウムイオン、フォスフォニウムイオンが挙げられる。
含窒素芳香族カチオンとして、具体的には、例えばピリジニウムイオン、ピリダジニウムイオン、ピリミジニウムイオン、ピラジニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピラゾニウムイオン、オキサゾリウムイオン、1,2,3−トリアゾリウムイオン、1,2,4−トリアゾリウムイオン、チアゾリウムイオン、ピペリジニウムイオン、ピロリジニウムイオン等が挙げられる。
なかでも、含窒素芳香族カチオンとしては、イミダゾリウムイオン、ピリミジニウムイオンが好ましく、下記一般式(C3)で表されるイミダゾリウムイオンがより好ましい。
Figure 2013241702
[式中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数2〜10のアルケニル基であり、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基である。]
式(C3)中、R〜Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数2〜10のアルケニル基である。
炭素数1〜10のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよく、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましく、直鎖状であることがより好ましい。
直鎖状のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
分岐鎖状のアルキル基としては、具体的には、1−メチルエチル基、1,1−ジメチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
環状のアルキル基としては、単環式基であっても、多環式基であってもよい。具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の単環式基、ノルボルニル基、アダマンチル基、イソボルニル基等の多環式基が挙げられる。
〜Rにおけるアルキル基の炭素数は、1〜8であることが好ましい。
炭素数2〜10のアルケニル基としては、炭素数2〜10のアルキル基において、炭素−炭素間の一つの単結合を二重結合に置換したものが例示でき、好ましい例としては、ビニル基、アリル基等が挙げられる。尚、二重結合の位置は特に限定されない。
〜Rにおけるアルケニル基の炭素数は、2〜8であることが好ましい。
また、R〜Rは、それぞれ同じであっても、異なっていてもよい。
式(C3)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基である。
炭素数1〜10のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよく、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましく、直鎖状であることがより好ましい。ここで、直鎖状、分岐鎖状、環状のアルキル基としては、上記R〜Rのアルキル基と同様のものが挙げられる。
〜Rにおけるアルキル基の炭素数は、1〜6であることが好ましく、1〜3であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
また、R〜Rは、それぞれ同じであっても、異なっていてもよい。
式(C3)で表されるイミダゾリウムイオンの好ましい具体例を、下記式(1)として示す。
Figure 2013241702
[式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数2〜4のアルケニル基を示し、Rは、水素原子又はメチル基を示し、Rは、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数2〜8のアルケニル基を示す。]
また、式(1)で表されるイミダゾリウムイオンの好ましい具体例を、下記式(1−1)〜(1−3)として示す。
Figure 2013241702
フォスフォニウムイオンとしては、「P」を有するものであれば特に限定されるものではなく、好ましいものとして具体的には、一般式「R(複数のRは、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜30の炭化水素基である。)」で表されるものが挙げられる。
炭素数1〜30の炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。
脂肪族炭化水素基は、飽和炭化水素基(アルキル基)であることが好ましく、該アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよい。
直鎖状のアルキル基としては、炭素数が1〜20であることが好ましく、炭素数が1〜16であることがより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基等が挙げられる。
分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数が3〜30であり、炭素数が3〜20であることが好ましく、炭素数が3〜16であることがより好ましい。具体的には、1−メチルエチル基、1,1−ジメチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
環状のアルキル基としては、炭素数が3〜30であり、炭素数が3〜20であることが好ましく、炭素数が3〜16であることがより好ましく、単環式基であっても、多環式基であってもよい。具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の単環式基、ノルボルニル基、アダマンチル基、イソボルニル基等の多環式基が挙げられる。
芳香族炭化水素基は、炭素数が6〜30であることが好ましく、具体的には、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、ビフェニル基、トリル基等のアリール基や、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等のアリールアルキル基が挙げられる。
ここで、一般式「R」中の複数のRは、それぞれ同じであっても、異なっていてもよい。
なかでも、フォスフォニウムカチオンとしては、下記式(C1)で表されるカチオン部が好ましい。
Figure 2013241702
[式中、R31〜R34は、それぞれ独立に、炭素数1〜16のアルキル基である。]
式(C1)中、R31〜R34は、それぞれ独立に、炭素数1〜16のアルキル基である。 炭素数1〜16のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよく、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましく、直鎖状であることがより好ましい。ここで、直鎖状、分岐鎖状、環状のアルキル基としては、上記同様のものが挙げられる。
また、R31〜R34は、それぞれ同じであっても、異なっていてもよいが、入手の容易さから、R31〜R34の3つ以上が同じであることが好ましい。
なかでも、本発明において、R31〜R34のアルキル基としては、炭素数1〜14の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基がさらに好ましく、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が特に好ましい。
式(C1)で表されるカチオン部の好ましい具体例を、下記式(C2)として示す。
Figure 2013241702
本発明おいては、前記カチオン部は、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、アンモニウムイオン、及びフォスフォニウムイオンからなる群から選ばれる一種以上であることがより好ましい。
本発明において、アニオン部としてハロゲンイオン、カルボキシレートイオン、ホスフェートイオン、ホスホネイトイオン、ホスフィネイトイオンが挙げられる。
ハロゲンイオンとしては、クロライド、ブロマイド、ヨウダイド等のイオンが挙げられ、クロライドイオンが好ましい。
カルボキシレートイオンとしては、ホルメート、アセテート、プロピオネート、ブチレート、ヘキサノアート、マレエート、フマレート、オキサレート、レクテート、ピルベート等のイオンが挙げられ、ホルメートイオン、アセテートイオン、プロピオネートイオンが好ましい。
ホスフェートイオンとしては、下記一般式(A1)で表されるものが挙げられる。
Figure 2013241702
[式中、R25及びR26はそれぞれ独立に水素原子、又はアルキル基である。]
式(A1)中、R25及びR26はそれぞれ独立に水素原子、又はアルキル基であり、アルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよいが、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であることが好ましい。R25及びR26のアルキル基の炭素数は、1〜10であることが好ましく、1〜6であることがより好ましく、1〜4であることがさらに好ましく、工業上の理由から炭素数1又は2のアルキル基であることが特に好ましい。
25と、R26とは、同じであっても異なっていてもよい。
これらのホスフェートイオンの中で、ジエチルホスフェートイオンが好ましい。
ホスホネイトイオンとしては、下記一般式(A2)で表されるものが挙げられる。
Figure 2013241702
[式中、R25は上記と同様である。]
式(A2)中、R25は、式(A1)中のR25と同様である。
これらのホスホネイトイオンの中で、メチルホスホネイトイオンが好ましい。
ホスフィネイトイオンは、下記一般式(A3)で表される。
Figure 2013241702
また、その他のアニオン部として擬ハロゲンイオンも挙げられる。擬ハロゲンイオンは、ハロゲンイオンの特性に類似した特性を有する。擬ハロゲンイオンとしては、シアネート、オキソシアネート、チオシアネート、セレノシアネート等のイオンが挙げられる。
本発明においては、前記アニオン部がクロライド、ホルメート、アセテート、プロピオネート、ジエチルホスフェートイオン、メチルホスホネイト、及びホスフィネイトからなる群から選ばれる一種以上のイオンであることがより好ましい。
本発明におけるイオン液体は、上述したようなカチオン部とアニオン部とから構成される。カチオン部とアニオン部との組合せは、特に限定されるものではなく、多糖類原料を好適に溶解しうるものを一種以上選択することができる。
好ましいイオン液体としては、1−アリル−3−メチルイミダゾリウムクロライド(AmimCl)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート(C2mimAc)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジエチルホスフェート(C2mim(EtO)PO)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルホスホネイト(C2mim MeOHPO)、又は1−エチル−3−メチルイミダゾリウムホスフィネイト(C2mim HPO)等が挙げられる。
本発明において、イオン液体の使用量は特に限定されるものではないが、多糖類溶解液における多糖類原料の濃度としては、3〜30質量%であることが好ましく、5〜25質量%であることがより好ましい。多糖類原料の濃度が低すぎる場合、固形化過程で抜けるイオン液体が多く、緻密な繊維となり難く、強力を出し難い。一方、多糖類原料の濃度が高すぎる場合、多糖類原料を完全に溶解することができない。
本発明において、セルロース等を含む多糖類原料を溶解する液体は、上記イオン液体を含むものである。上記液体は、イオン液体以外の液体成分を含有していてもよいし、含有していなくてもよい。イオン液体以外の液体成分として具体的には、有機溶媒が挙げられる。
有機溶媒としては、イオン液体以外のものであれば特に限定されるものではなく、イオン液体との相溶性や、粘性等を考慮して適宜選択することができる。
なかでも、有機溶媒としては、アミド系溶媒、スルホキシド系溶媒、ニトリル系溶媒、環状エーテル系溶媒、及び芳香族アミン系溶媒からなる群から選ばれる一種以上であることが好ましい。
アミド系溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、1−ビニル−2−ピロリドン等が挙げられる。
スルホキシド系溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンスルホキシド等が挙げられる。
ニトリル系溶媒としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等が挙げられる。
環状エーテル系溶媒としては、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン等が挙げられる。
芳香族アミン系溶媒としては、ピリジン等が挙げられる。
これらの有機溶媒を用いる場合、イオン液体と有機溶媒との配合質量比は、6:1〜0.1:1であることが好ましく、5:1〜0.2:1であることがより好ましく、4:1〜0.5:1であることがさらに好ましい。上記範囲とすることにより、多糖類原料を膨潤させやすい溶媒とすることができる。
また、有機溶媒の使用量は特に限定されるものではないが、多糖類原料1質量部に対して、1〜30質量部であることが好ましく、1〜25質量部であることが好ましく、3〜20質量部であることがより好ましい。上記範囲とすることにより、適度な粘度の多糖類溶解液とすることができる。
上記のような有機溶媒は、イオン液体と併せて用いることにより、多糖類原料の溶解性がより向上するため好ましい。
本発明において、セルロース等を含む多糖類原料を、イオン液体を含む液体に溶解する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、イオン液体を含む液体と、多糖類原料とを接触させ、必要に応じて加熱や攪拌を行うことにより、多糖類溶解液を得ることができる。
イオン液体を含む液体と、多糖類原料とを接触させる方法は、特に限定されるものではなく、例えば、イオン液体を含む液体に多糖類原料を添加してもよいし、多糖類原料にイオン液体を含む液体を添加してもよい。
溶解の際に加熱を行う場合、加熱温度は、30〜200℃であることが好ましく、70〜180℃であることがより好ましい。加熱を行うことにより、セルロース等を含む多糖類原料の溶解性がさらに向上するため好ましい。
攪拌の方法は、特に限定されるものではなく、攪拌子、攪拌羽根、攪拌棒等を用いてイオン液体を含む液体と多糖類原料とを機械的に攪拌してもよく、イオン液体を含む液体と多糖類原料とを密閉容器に封入し、容器を振とうすることにより攪拌してもよい。攪拌の時間は、特に限定されるものではなく、多糖類原料が好適に溶解されるまで行うことが好ましい。
また、イオン液体を含む液体が、イオン液体に加えて有機溶媒を含む場合、有機溶媒とイオン液体とは、予め混合しておいてもよく、イオン液体と多糖類原料とを混合した後に、有機溶媒を添加して溶解してもよく、有機溶媒と多糖類原料とを混合した後に、イオン液体を添加して溶解してもよい。
なかでも、有機溶媒とイオン液体とを予め混合して混合液を製造しておくことが好ましい。この際、有機溶媒とイオン液体とが均一に混合されるよう、70〜180℃において5〜30分程度加熱しながら攪拌し、イオン液体を含む液体が均一になるまで混合しておくことが好ましい。
この様にして得られたイオン液体による多糖類溶解液は必要に応じてカーボンナノチューブ、クレイ、シリカ等の充填剤や界面活性剤、老化防止剤等の添加物を含んでも良い。
上記のようにして得られた多糖類溶解液を、前記多糖類溶解液以外の液体である固形化液体に接触させて、多糖類を固形化して、乾湿式紡糸、湿式紡糸等の公知の紡糸法により多糖類を紡糸することができる。
乾湿式紡糸とは、一般的に紡糸口金から一旦気体中に吐出された多糖類溶解液を、固形化液体を保持する固形化槽中に導入して、多糖類を紡糸する方法であり、湿式紡糸とは、固形化槽中に配した紡糸口金から吐出された多糖類を紡糸する方法である。
固形化槽とは、多糖類を固形化させるための前記固形化液体が保持された浴槽を意味する。かかる固形化液体としては、水、極性溶媒、及び上述したイオン液体からなる群から選ばれる一種以上が好ましく挙げられる。
極性溶媒としては、テトラヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸、1−ブタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、エタノール、メタノール、ギ酸等が挙げられる。
以下、図1を参照しながら本発明の多糖類繊維の製造方法の一実施形態を説明する。
図1は多糖類を湿式紡糸する方法を例示する概略断面図である。本実施形態においては、湿式紡糸について説明するが、紡糸方法は特に限定されず、乾湿式紡糸であってもよい。
上述したイオン液体に溶解してなる多糖類溶解溶液を、押出機1に配した紡糸口金2から吐出させる。押出機1は、1軸押出機又は多軸押出機のどちらでもよい。紡糸口金2から吐出された多糖類溶解液が、固形化槽5中の固形化液体6と接触することにより、多糖類は紡糸され、多糖類繊維7となる。多糖類繊維7を、該多糖類繊維7の走行方向を変えるために配されたローラー3と接触させた後に、引き取りローラー4と接触させ、その後の工程に送る。
本実施形態において、ローラー3は、固形化槽5中に配されているが、かかる配置は特に限定されず、固形化槽5の液面上で、液面と接触した状態、又は非接触の状態のいずれの状態で配置されていてもよい。
本実施形態において、ローラー3と多糖類繊維7との動摩擦係数が0.05〜0.35である。ここで、動摩擦係数とは、次の測定法で測定した値である。
摩擦体である表面を、ガイド又はローラーと同じ材質で作製した直径25mmの円筒に、多糖類繊維を0.353cN/dtexの張力をかけながら、多糖類繊維の摩擦体への入り方向と出方向を90゜にして、25℃、65%RHの雰囲気下、100m/minの速度で摩擦させた時の多糖類繊維の動摩擦係数μを以下の式に従って求めた。
Figure 2013241702
1:摩擦体への入側の張力(1dtex当り0.353cN相当の張力とする)
2:摩擦体より出側の張力
θ:90゜
π:円周率
該動摩擦係数が0.35より大きい場合、製造工程において、多糖類繊維の糸切れや毛羽が生じ、多糖類繊維の生産性及び多糖類繊維の品質に支障をきたす。
該動摩擦係数が0.05より小さい場合、製造工程において、走行する多糖類繊維が走行ラインから脱線し、多糖類繊維の生産性に支障をきたす。
ローラー3は、金属、フッ素含有樹脂、又はセラミックからなるものであることが好ましい。ローラー3が固形化槽5中に配される場合には、固形化液体6に対する耐腐食性が要求されるため、フッ素含有樹脂、又はセラミックがより好ましく挙げられる。
また、ローラー3が加熱機能を有し、多糖類繊維7を乾燥させることができる場合には、温度管理がしやすいことから金属がより好ましく挙げられる。
前記金属としては、ステンレススチール、ニッケル、チタン等が挙げられる。
前記フッ素含有樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。
前記セラミックとしては、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素等が挙げられる。
また、ローラー3は、その表面に上記金属、フッ素含有樹脂、又はセラミックがコーティングされ、表面以外がこれら以外の材質からなるものであってもよい。
尚、ここでは、多糖類繊維の走行方向をローラーで変化させる場合について説明したが、ローラーではなく、繊維に接触してその方向を調節するガイド機能を有するものであればいずれも用いることができる。
[繊維−ゴム複合体]
このようにして得られた多糖類繊維を用いた本発明の繊維−ゴム複合体をカーカスプライ、ベルトプライ、又はベルト保護層に使用することで、高性能のタイヤを得ることができる。なかでも、本発明のゴム−繊維複合体をカーカスプライに使用することが好ましく、耐圧性や耐サイドカット性に優れたタイヤを得ることができる。
また、タイヤにおける使用箇所は特に限定されないが、カーカスプライ、ベルトプライ及びベルト保護層の少なくとも一つにゴム−繊維複合体を使用してもよく、カーカスプライやベルトプライ又はベルト保護層の全てに使用することもできる。
前記多糖類繊維から作製されるコードとしては、撚りを加えた1本のフィラメント束からなる片撚り構造、下撚りした2本以上のフィラメント束を上撚りにて合わせた複数本撚り構造が採用される。コード1本当たりの繊度としては、1000〜10000dtexが好ましく、1500〜6000dtexがより好ましい。1000dtex未満のコードを用いると、タイヤ強度を保つためにカーカスの枚数を増やす必要があり、タイヤ製造のコストアップにつながる。10000dtexを超えるコードを用いるとカーカス層の厚さが必要以上に増加してしまい、タイヤ重量の増加を招く。
コードの撚り係数は、0.20〜0.80が好ましく、0.40〜0.70がより好ましい。
撚り係数tanθは、以下の式で求まる。
Figure 2013241702
D:総デシテック数
P:コード比重
T:撚り数(回/cm)
前記コードまたは前記多糖類繊維をRFL(resolcin−formalin−latex)等の一般的な接着剤に浸漬して、ディップ処理し、乾燥工程及びベーキング工程からなる熱処理を行う。このようにして作製したディップコードをコーテイングゴムでトッピングし、繊維−ゴム複合体を作製する。
本発明の繊維−ゴム複合体には、例えば、天然ゴム(NR)、炭素−炭素二重結合を有する合成ゴム、又はこれらの2種以上をブレンドしたものが、ゴム組成物として用いられる。
前記合成ゴムとしては、例えば、イソプレン、ブタジエン、クロロプレン等の共役ジエン化合物の単独重合体であるポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリクロロプレンゴム等;前記共役ジエン化合物とスチレン、アクリロニトリル、ビニルピリジン、アクリル酸、メタクリル酸、アルキルアクリレート類、アルキルメタクリレート類等のビニル化合物との共重合体であるスチレンブタジエン共重合ゴム(SBR)、ビニルピリジンブタジエンスチレン共重合ゴム、アクリロニトリルブタジエン共重合ゴム、アクリル酸ブタジエン共重合ゴム、メタアクリル酸ブタジエン共重合ゴム、メチルアクリレートブタジエン共重合ゴム、メチルメタアクリレートブタジエン共重合ゴム等;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類とジエン化合物との共重合体〔例えばイソブチレンイソプレン共重合ゴム(IIR)〕;オレフィン類と非共役ジエンとの共重合体(EPDM)〔例えばエチレン−プロピレン−シクロペンタジエン三元共重合体、エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン三元共重合体、エチレン−プロピレン−1,4−ヘキサジエン三元共重合体〕;さらに、これら各種ゴムのハロゲン化物、例えば塩素化イソブチレンイソプレン共重合ゴム(Cl−IIR)、臭素化イソブチレンイソプレン共重合ゴム(Br−IIR)等、ノルボルネンの開環重合体が挙げられる。
上記の合成ゴムにシクロオレフィンを開環重合させて得られるポリアルケナマー〔例えばポリペンテナマー〕、オキシラン環の開環重合によって得られるゴム〔例えば硫黄加硫が可能なポリエピクロロヒドリンゴム]、ポリプロピレンオキシドゴム等の飽和弾性体をブレンドすることができる。
本発明で使用するゴム組成物には、硫黄、有機硫黄化合物、その他の架橋剤が、上記ゴム組成物100質量部に、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは1〜5質量部配合されてもよく、また加硫促進剤がゴム組成物100質量部に、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.5〜5部配合してもよい。この場合、加硫促進剤の種類は限定されないが、ジベンゾチアジルサルファイド(DM)、ジフェニルグアニジン(D)などを用いることで加硫時間を短くすることができる。
また、本発明で使用するゴム組成物には、例えばパラフィン系、ナフテン系、芳香族系プロセスオイル、エチレン−α−オレフィンのコオリゴマー、パラフィンワックス、流動パラフィン等の鉱物油;ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油等の植物油等のオイルが配合されてもよい。
さらに、本発明で使用するゴム組成物には、常法に従い、目的、用途などに応じてカーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、クレイ、マイカ等の充填剤;亜鉛華、ステアリン酸等の加硫促進助剤;老化防止剤等の、通常ゴム業界で使用される配合剤が添加されてもよい。
本発明のタイヤは、本発明の繊維−ゴム複合体を用い、通常の成型、加硫工程を経ることで、作製できる。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[セルロース繊維の作製]
パルプを1−アリル−3−メチルイミダゾリウムクロライド(AmimCl)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート(C2mimAc)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジエチルホスフェート(C2mim(EtO)PO)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルホスホネイト(C2mim MeOHPO)、又は1−エチル−3−メチルイミダゾリウムホスフィネイト(C2mim HPO)に溶解したセルロース溶解液をそれぞれ作製し、これを紡糸温度に加熱後、表1に示す条件下で、押出機にて固形化槽中に押し出し、洗浄、乾燥の工程を経て、実施例1〜7、比較例1〜2のセルロース繊維を得た。
各実施例及び比較例におけるセルロース繊維の性状、及セルロース繊維の製造工程について、以下の試験方法で測定し、結果を表1に示した。
(1)繊維−ローラー動摩擦係数
繊維−ローラー間の動摩擦係数は、摩擦体である表面をガイド又はローラーと同じ材質で作製した直径25mmの円筒に、繊維を0.353cN/dtexの張力をかけながら、繊維の摩擦体への入り方向と出方向を90゜にして、25℃、65%RHの雰囲気下、100m/minの速度で摩擦させた時の繊維の動摩擦係数μを以下の式に従って求めた。
Figure 2013241702
1:摩擦体への入側の張力(1dtex当り0.353cN相当の張力とする)
2:摩擦体より出側の張力
θ:90゜
π:円周率
(2)糸切れ・毛羽
上記セルロース繊維の製造工程でセルロース繊維に糸切れ・毛羽が生じたものを×、セルロース繊維に糸切れ・毛羽が生じなかったものを○と判定した。
(3)糸落ち
上記セルロース繊維の製造工程でセルロース繊維の糸落ちが生じたものを×、セルロース繊維の糸落ちが生じなかったものを○と判定した。
Figure 2013241702
表1に示されるように、ローラーと多糖類繊維との動摩擦係数が0.05〜0.35である実施例1〜7においては、繊維に糸切れ・毛羽、製造工程での繊維の糸落ちが生じることなく良好な生産性を示した。
一方、ローラーと多糖類繊維との動摩擦係数が0.35より大きい比較例1においては、繊維に糸切れ・毛羽が生じていたため、また、ローラーと多糖類繊維との動摩擦係数が0.05より小さい比較例2においては、多糖類繊維が走行ラインから脱線する糸落ちが生じていたため繊維の生産性が低下していた。
1…押出機、2…紡糸口金、3…ローラー、4…引き取りローラー、5…固形化槽、6…固形化液体、7…多糖類繊維。

Claims (10)

  1. イオン液体を含む液体に多糖類原料を溶解してなる多糖類溶解液を、固形化液体に接触させて、多糖類を紡糸し、得られた多糖類繊維を巻き取る工程を有する多糖類繊維の製造方法であって、前記多糖類繊維との動摩擦係数が0.05〜0.35であるガイド又はローラーを用いて巻き取る多糖類繊維の走行方向を変化させることを特徴とする多糖類繊維の製造方法。
  2. 前記イオン液体は、カチオン部とアニオン部からなり、前記カチオン部は、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、アンモニウムイオン、及びフォスフォニウムイオンからなる群から選ばれる一種以上である請求項1に記載の多糖類繊維の製造方法。
  3. 前記固形化液体は、水、極性溶媒、及び前記イオン液体からなる群から選ばれる一種以上である請求項1又は2に記載の多糖類繊維の製造方法。
  4. 前記カチオン部が下記一般式(1)で表されるイミダゾリウムイオンである請求項2又は3に記載の多糖類繊維の製造方法。
    Figure 2013241702
    [式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数2〜4のアルケニル基を示し、Rは、水素原子又はメチル基を示し、Rは、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数2〜8のアルケニル基を示す。]
  5. 前記ガイド又は前記ローラーが、金属、フッ素含有樹脂、又はセラミックからなる請求項1から4のいずれか一項に記載の多糖類繊維の製造方法。
  6. 前記ガイド又は前記ローラーは、その表面に金属、フッ素含有樹脂、又はセラミックがコーティングされたものである請求項1から4のいずれか一項に記載の多糖類繊維の製造方法。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の多糖類繊維の製造方法を用いて製造したことを特徴とする多糖類繊維。
  8. 請求項7に記載の多糖類繊維を撚り加工してなることを特徴とするコード。
  9. 請求項7に記載の多糖類繊維又は請求項8に記載のコードを用いたことを特徴とする繊維−ゴム複合体。
  10. 請求項9に記載の繊維−ゴム複合体を用いたことを特徴とするタイヤ。
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