JP2013241633A - スパッタ装置およびスパッタ方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ボンディング材によるコンタミネーションを低減し、品質および生産性を向上した成膜を実現できるスパッタ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】複数のターゲットピース20a〜20eを有する回転円筒ターゲット20を使用して、トレー30に載置された複数の太陽電池基板40a,40b,40cなどに対して成膜をするスパッタ装置において、ターゲットピース間の隙間50a〜50dの位置と、トレー30の太陽電池基板40a,40b,40cなどの載置されていない部分30sの位置とが一致していることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池の製造等に用いられるスパッタ装置に関する。
近年、太陽電池の光電変換効率向上とコストダウンが求められている。
図5に特許文献1に記載の太陽電池の構造を示す。
10は単結晶または多結晶シリコン基板、12,13,17は真性半導体層iとドーピングされた半導体層n,pである。16は反射防止膜である。18は絶縁層である。19aはITO層、19bは銅など金属層である。19c、19dはCu,Snなどメッキ層である。この太陽電池は、光11を単結晶または多結晶シリコン基板10で吸収し、正孔と電子を生成し、電極14より電子を電極15より正孔を収集することにより発電する。
一般に太陽電池のITO層19aはスパッタリング装置にて成膜される。太陽電池のコストダウンを実現するために、スパッタリング装置には材料利用率を向上し、生産性を向上することが求められている。
特許文献2には、スパッタリング装置など真空プロセスの装置において、生産性を向上する方法として複数の基板を1つのトレーに載せて、処理する方法が開示されている。これは真空プロセスにおいては、基板を真空状態にするために真空引きの時間が必要で複数の基板を一度に真空引きした方が、生産性が高い(1枚あたりの処理時間が短い)ことによる。
また、材料利用率を向上するために円筒回転型のターゲットを使用したスパッタリング装置が使用されることが多い。
特許文献3には、円筒回転型のターゲットを使用したスパッタリング装置が開示されている。生産性を向上するためには複数のセルを一括して処理する場合は、円筒型ターゲットは長尺なものが用いられる。長尺なターゲットを作るためにターゲットは複数のピースから成り立つ。特にITO焼結体のターゲットは割れやすく大きなピースを作ることができず、複数のピースを使って長尺なターゲットを作るのが一般的である。複数のピースにすることによってスパッタによる熱膨張に起因する割れを防止するという効果もある。
特許文献4には、複数のピースから円筒ターゲットが開示されている。複数のターゲットピースは、バッキングチューブにボンディング材によって固定される。
特開2012−28718号公報 WO2009/107196号公報 特開2011−222634号公報 WO2010/035718号公報
図6(a)〜(d)を用いて従来技術の課題を説明する。
図6において1はスパッタリング装置である。11はロードロック室、12は成膜室、13はリターン室である。
成膜室12には円筒型のターゲット20が配置されている。ターゲット20は複数のターゲットピース20a,20b,20cなどからなる。隣接するターゲットピースの間には0.1〜1mm程度の隙間50a,50bなどが設けられている。これは、スパッタの熱でターゲットが膨張した際に、ターゲットピースが接触し、応力がかかりターゲットピースが割れることを防止するためである。
なお、図6には、一般的なスパッタリング装置の構成要素、各室を真空排気するポンプや配管、成膜室にプロセスガスを導入するマスフローや配管、ターゲットに電力を供給する電源や配線、各室を真空状態から大気に戻すためのパージガスラインや、ロードロック室だけを大気に戻すためのゲートバルブなどは図示していない。
トレー30には、複数の太陽電池基板40a,40b,40cなどが載置されている。太陽電池基板40a,40b,40cの大きさは一辺が100mm〜200mmである。太陽電池基板40a,40b,40cは、トレー30におよそ10〜20mmの間隔をおいて載置されている。
図6のスパッタリング装置の動作を説明する。
図6(a)に示すように、スパッタリング装置の外でトレー30に、太陽電池基板40a,40b,40cがロボット等を使用して載置される。この時、ロードロック室11は大気圧であり、ロードロック室11と成膜室12との間のゲートバルブによって成膜室12およびリターン室13は真空に保たれている。
次に図6(b)に示すように、トレー30をロードロック室11まで搬送する。搬送する機構は図示していない。ロードロック室11にトレーを搬送した後、ロードロック室11を真空引きする。ロードロック室11が1E−1Paまで真空引きされると、ロードロック室11と成膜室12の間のゲートバルブを開ける。
ゲートバルブを開けた後、成膜室12にプロセスガスを導入して調圧する。ターゲット20がITOの場合は、プロセスガスとしてArとOが使用される。調圧する圧力は1E−1Pa〜1E1Paである。調圧は開度を調整できるバルブによってなされる。
次に図示しない電源によってターゲットに電圧を印加すると、ターゲット表面にプラズマが発生する。プラズマ中のArイオンはターゲット電位によって加速され、ターゲットに衝突する。この衝突により、ターゲット原子または分子がターゲットより放出される(スパッタされるという)。
ターゲットに電圧が印加されスパッタが開始された状態で、図6(c)のごとく、太陽電池基板40a,40b,40cを載置したトレー30は成膜室12に搬送される。トレー30は図6(d)のごとくターゲット20の前面を完全に通過し、リターン室13に入るまで搬送される。
トレー30が図6(c)のごとく、ターゲット20の前面を通過する際、ターゲットからスパッタされたターゲットの原子または分子が太陽電池基板40a,40b,40cに到達し、ターゲット材料が太陽電池基板に成膜される。
以上のようにして、ターゲット材料が基板に成膜されるのであるが、従来の技術にはターゲット20の隙間50a、50bなどからボンディング材の成分が入り太陽電池の特性を劣化させるという問題がある。
以下この問題について説明する。
図7は円筒型ターゲット20の断面図である。60はバッキングチューブ、61はボンディング材、20a,20bはターゲットピース、50aはターゲットピース境界部の隙間である。
バッキングチューブ60は、中央部が空洞になっている。これは、スパッタの際の熱でターゲットが割れないように冷却水を流すためと、プラズマ密度を向上できるようにターゲット裏面に磁石を配置するためである。
ターゲットピース20a,20bはボンディング材61によって、バッキングチューブ60に固定される。ボンディング材はIn,Sn,Zn,Pb,Agなどからなる低融点の合金である。
ターゲットピース20a,20bなどは隙間50aができるように、バッキングチューブにボンディングされている。これは、スパッタの熱でターゲットが膨張した際に、ターゲットピースが接触し、応力がかかりターゲットピースが割れることを防止するためである。隙間は0.1〜1mm程度である。
ITOターゲットのように焼結体のターゲットは割れやすく、長い円筒型ターゲットピースを作成するのが困難なので、上記のように複数のターゲットピースを組み合わせることになり、複数のターゲットピースの隙間が必要になる。
ところが、スパッタ装置において、プラズマ中のArイオンがターゲットに印加された電圧で加速されてターゲットに衝突する際、一部のArイオンは、この隙間50aに入り込んでボンディング材に衝突する。これによってボンディング材を構成する原子または分子がたたき出され不純物として太陽電池基板に付着する。
太陽電池基板に付着した不純物は半導体層に、不純物エネルギー順位を作り正孔や電子の結合中心となるため、太陽電池の変換効率を低下させる。
上記の例では図8に示すごとく、ターゲットピース20a,20b,20c,20d,20eの間の隙間50a,50b,50c,50dからスパッタされた不純物が、太陽電池基板の70a,70b,70c,70dの位置に付着するので、ターゲットピース間の隙間に対応する位置を通過した太陽電池の変換効率は低下する。
以上のように従来の技術にはターゲットピースの境界部分からボンディング材の成分が
入り太陽電池の特性を劣化させるという問題があるが、特許文献1〜4にそれを解決する方法は開示されていない。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、複数のターゲットピースを有する回転円筒ターゲットを使用したスパッタ装置において、ボンディング材によるコンタミネーションを低減し、品質および生産性を向上した成膜を実現できるスパッタ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のスパッタ装置は、複数の基板が間隔を有して載置されるトレーと、複数のターゲットピースが一方向に隙間を空けて配置したスパッタリングターゲットとを、相対移動させて前記基板に成膜するスパッタ装置であって、前記トレーの前記基板が載置されていない部分と、前記スパッタリングターゲットの前記隙間の位置とが一致していることを特徴とする。
また、本発明のスパッタ方法は、上記のスパッタ装置を使用するスパッタ方法であって、スパッタリングターゲットの使用期間の前期は、トレーの基板の載置されていない部分でターゲットピースの隙間に一致している特定部分の幅と、前記隙間の位置と一致していないその他の個所の幅とが同じトレーを使用して成膜し、スパッタリングターゲットの使用期間の後期は、前記特定部分の幅が、前記その他の個所の幅より広いトレーを使用して成膜することを特徴とする。
また、本発明のスパッタ方法は、複数の基板が間隔を有して載置されるトレーと、複数のターゲットピースが一方向に隙間を空けて配置したスパッタリングターゲットとを、相対移動させて前記基板に成膜するに際し、基板が載置されたトレーと、バッキングチューブの周面に、前記バッキングチューブの軸心方向に複数のターゲットピースを、隣接する前記ターゲットピースとの間に隙間を空けてボンディングしたスパッタリングターゲットとを相対移動させて、前記基板に成膜するに際し、前記トレーの前記基板が載置されていない部分を、前記スパッタリングターゲットの前記隙間に位置合わせして、前記トレーと前記スパッタリングターゲットを相対移動させて成膜することを特徴とする。
本発明によれば、トレーの基板が載置されていない部分と、スパッタリングターゲットの隙間の位置とが一致しているので、スパッタリングターゲットのボンディング材から発生した不純物が、トレーの基板が載置されていない部分に付着して、基板には多量の不純物が付着しない。つまり、高濃度の不純物が基板に付着することはないので、製造された太陽電池の変換効率を向上することができる。
本発明の実施の形態1に関わるスパッタ装置の成膜室の平面図 本発明の実施の形態2に関わるスパッタ装置の成膜室の平面図 (a)本発明の実施の形態3に関わるスパッタ装置の成膜室の平面図と(b)その側面図 本発明の実施の形態4のスパッタ方法を説明する(a)成膜前期の平面図と(b)成膜後期の平面図 太陽電池の断面図 (a)〜(d)スパッタリング装置の説明図 従来の円筒型スパッタリングターゲットの断面図 従来のスパッタ装置の課題を示す図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1(a)(b)は実施の形態1のスパッタ装置を示す。
トレー30に載置されている成膜対象基板としての複数の太陽電池基板40a,40b,40cなどに、成膜室12においてITO層を成膜し、成膜の完了したトレー30をリターン室13に搬送するこのスパッタ装置1は、図6と同じように複数のターゲットピース20a,20b,20c,20d,20eを有する回転円筒ターゲット20を使用して成膜をする点は同じであるが、ターゲットピースの隙間50a,50b,50c,50dの位置が、トレー30における太陽電池基板40a,40b,40cなどの載置されていない部分30sと一致していることを特徴とする。
太陽電池基板40a,40b,40cなどの大きさは一辺が100mm〜200mmである。トレー30には、およそ10〜20mmの間隔をおいて複数の太陽電池基板40a,40b,40cなどが等間隔で載置されている。ターゲットピース20a,20b,20c,20d,20e間には0.1〜1mm程度、ここでは0.5mmほどの隙間50a,50b,50c,50dなどが設けられている。
なお、図1においても図6と同様に、一般的なスパッタ装置の構成要素、各室を真空排気するポンプや配管、成膜室にプロセスガスを導入するマスフローや配管、ターゲットに電力を供給する電源や配線、各室を真空状態から大気に戻すためのパージガスラインや、ロードロック室だけを大気に戻すためのゲートバルブなどは図示していない。
このスパッタ装置によって、図5に示した太陽電池を次の仕様で製造する。本発明のスパッタ装置は、反射防止膜16から半導体層13pまでの太陽電池基板に、ITO層19aを成膜する。
単結晶または多結晶シリコン基板10の厚み:50〜200μm
真性半導体層iとドーピングされた半導体層12,13,17の厚み:1〜100nm
酸化ケイ素などの反射防止膜16の厚み:50〜500nm
酸化ケイ素などの絶縁層18の厚み:50〜500nm
ITO層19aの膜厚:10〜500nm
銅など金属層19bの膜厚:50〜1000nm
Cu,Snなどメッキ層19c、19dの膜厚:1〜20μm
なお、横方向の大きさは、W1,W2が100〜1500μmである。W3,W4はW1の1/3程度の長さである。W5はW3の1/3程度の長さである。
本実施の形態においてターゲットに印加する電圧は200〜600Vである。電圧の印加形態はDC(直流)、DCパルス、AC(交流)いずれでも良い。ターゲットと太陽電池基板の距離は50〜150mmである。トレーの搬送速度は1〜100mm/sである。
本発明のスパッタ装置においては、ターゲットに印加する電圧、ターゲットと太陽電池基板との距離、トレーの搬送速度を上記範囲で調整し所望の膜厚のITOを成膜する。
71a,71b,71c,71dは、ターゲットピースの隙間50a,50b,50c,50dの通過するトレー30における軌跡を表している。
この軌跡71a,71b,71c,71dの上に、太陽電池基板40a,40b,40cなどの載置されていない部分30sがあって、軌跡71a,71b,71c,71dの上には太陽電池基板40a,40b,40cなどが無いため、ターゲットピース20a,20b,20c,20d,20eの間の隙間50a,50b,50c,50dからスパッタされた不純物の大部分が、トレー30における太陽電池基板の載置されていない部分30sに付着して、太陽電池基板に付着するボンディング材を低減することができる。
太陽電池基板に付着するボンディング材を低減することにより、半導体層10,12,13,17内で不純物がつくるエネルギー順位を減らすことができる。その結果正孔および電子の再結合を抑制し、太陽電池の変換効率を向上することができる。
図7に示したように、ボンディング材61はターゲットピースの端部に挟まれた部分からスパッタされるので、ターゲット端部によるコリメーター効果が働き、スパッタされたボンディング材は指向性を有する。それゆえ、ターゲットと太陽電池基板およびトレーとの距離が50〜150mm程度離れていても、ボンディング材の大部分はトレーの太陽電池基板の載置されていない部分30sに付着するので本発明の効果を得ることができる。
ターゲットピースの隙間50a,50b,50c,50dと、トレー30の太陽電池基板が載置されていない部分30sを一致させることは、ITOターゲットを焼結する際の型の長さの調整やITO焼結体の切削長さを調整することで可能である。
以上のようにして、本発明によれば、ボンディング材によるコンタミネーションを低減できるので、変換効率の高い太陽電池製造できる。また複数の基板を、回転円筒型ターゲットを使って一括処理できるので材料利用率が高く、生産性よく太陽電池を製造することができる。
(実施の形態2)
図2は本発明の実施の形態2を示す。
実施の形態1ではトレー30には太陽電池基板40a,40b,40cなどが全て等間隔で載置されていた。さらに、太陽電池基板40a,40b,40cなどが載置されていない部分30sのトレー30の間隔は、全て同じであったが、この実施の形態2のトレー31は、図2に示すように、スパッタリングターゲット20の隙間50a,50bの位置に対応して、隙間50a,50bを通過する位置の間隔L1は、隙間50a,50bを通過しない位置の間隔L2よりも広い間隔で、太陽電池基板40a,40b,40cなどが載置されている。具体的には、実際の寸法は、所望の変換効率、ボンディング材の組成、スパッタリングターゲット20と太陽電池基板との距離から適宜決定されるが、太陽電池基板40a,40b,40cなどの大きさは一辺が100mm〜200mmの場合、間隔L1=20〜30mm、間隔L2=10〜20mmである。
なお、図2のターゲット20は、ターゲットピース20aとターゲットピース20bの間に隙間50a、ターゲットピース20bとターゲットピース20cの間に隙間50bを空けて配置して構成されている。その他は実施の形態1と同じである。
図2では隙間50a,50bを通過するトレー31の位置が軌跡72a,72bとして表示されている。
このように構成することで、1枚のトレーあたりの処理数は減少するが、ボンディング材が基板に付着することをより低減することができる。
図7に示したように、ボンディング材はターゲットピースの端部に挟まれた部分からスパッタされるので、ターゲット端部によるコリメーター効果が働き、スパッタされたボンディング材は指向性を有する。それゆえ、ターゲットと太陽電池基板およびトレーとの距離が50〜150mm程度離れていても、ボンディング材の大部分はトレーの太陽電池基板の載置されていない部分に付着する。しかしながら、わずかに基板に付着する部分もあるため、より変換効率を向上するためには実施の形態2による構成が望ましい。
ターゲットピースの厚みは初期5〜20mmである。生産が進むにつれて、ターゲットは消費され最終的には、1mmの厚みになる。よってターゲットの消費が進むにつれて、ターゲットの端部によるコリメーター効果が弱くなり、スパッタされたボンディング材が広がりやすくなる。
よって、スパッタリングターゲット20の使用期間の前期には、実施の形態1のトレーを使い生産性を確保し、スパッタリングターゲット20の寿命が近づくにつれて使用期間の後期には、実施の形態2のトレーを使い変換効率を確保するのが望ましい。
実施の形態2において、トレー30の太陽電池基板の載置されていない部分で隙間50a,50bと一致している部分のみ幅を広くして、トレーの太陽電池基板の載置されていない部分でターゲットピースの隙間50a,50bと一致していない部分は幅を広げていないので生産性も大きく低下しない。
以上のようにして、この実施の形態2によれば、ボンディング材によるコンタミネーションをより低減できるので、変換効率の高い太陽電池製造できる。また複数の太陽電池基板を、回転円筒型ターゲットを使って一括処理できるので材料利用率が高く、生産性よく太陽電池を製造することができる。
(実施の形態3)
図3(a)(b)は本発明の実施の形態3を示す。
上記の各実施の形態ではトレー30,31の太陽電池基板の載置されていない部分30sは全部が露出していたので、ターゲットピース間の隙間を通過したトレー30,31には、ボンディング材不純物が付着した。この場合にはトレー30,31を繰り返し使用した場合には、付着したボンディング材不純物がスパッタされて太陽電池基板に不純物が付着する。
そこで図3(a)では、トレー30の太陽電池基板の載置されていない部分30sで隙間50a,50b,50c,50dと一致している部分のみに、トレー30から取り外して交換可能な部材80a,80b,80c,80dが配置されている。この交換可能な部材の幅の一例は、長さがトレー30の全長と同じで、その幅はトレー30の太陽電池基板の載置されていない部分30sの幅と同じであるが、交換可能な部材の幅が、トレー30の太陽電池基板の載置されていない部分30sの幅未満であっても従来に比べて効果的である。
図3(b)は側面図を示す。実施の形態2の前記トレー31についても同様に実施できる。
交換可能な部材80a,80b,80cは、熱膨張係数がトレー30と同じか、熱膨張係数がトレー30と略同じ材質が望ましい。部材80a,80b,80cの材質がトレー30と同じであっても良い。具体的には、部材80a,80b,80cの材質はSUSまたはAlなどである。
なお、図3(a)では、ターゲットピース23a〜23eによってスパッタリングターゲット20が構成されている。ターゲットピース23aとターゲットピース23bの間に隙間50aが形成されている。ターゲットピース23bとターゲットピース23cの間、ターゲットピース23cとターゲットピース23dの間、ターゲットピース23dとターゲットピース23eの間に、隙間50b,50c,50dが設けられている。
このように構成することで、トレー30の再使用にあっては使用済みの部材80a,80b,80cを新しいものと交換することによって、ボンディング材が太陽電池基板に付着することを抑制するとともに、トレー30から逆スパッタされたボンディング材不純物が基板に付着することも防ぐことができる。
図7に示すように、ボンディング材はターゲットピースの端部に挟まれた部分からスパッタされるので、ターゲットピースの端部によるコリメーター効果が働き、スパッタされたボンディング材は指向性を有する。それゆえ、ターゲットと太陽電池基板およびトレーとの距離が50〜150mm程度離れていても、ボンディング材の大部分はトレーの太陽電池基板の載置されていない部分30sに付着する。
ところが、生産が進むにつれ、トレー30の太陽電池基板の載置されていない部分でターゲットピースの隙間と一致している部分に堆積したボンディング材不純物が逆スパッタされて太陽電池基板に付着するようになる。
逆スパッタについて説明する。
スパッタプロセスにおいては太陽電池基板やトレーもわずかではあるがスパッタされることがある。これを逆スパッタと呼ぶ。ひとつは、反跳アルゴンによる逆スパッタである。ターゲットに印加された電圧により加速されたアルゴンイオンの数%はターゲットで電子を受け取ると、ターゲットで加速されたエネルギーのまま太陽電池基板やトレーに向かい、太陽電池基板やトレーをスパッタする。いまひとつは反転電圧による逆スパッタである。電圧の印加方式がITO成膜に一般的に使用されるDCパルス方式であると、電圧印加時間の1〜50%くらいの時間、プラズマ電位よりトレーや基板の電位が低くなるのでプラズマ中のアルゴンイオンでトレーや太陽電池基板がスパッタされる。いまひとつは、フローティング電位による逆スパッタである。放電を安定化するためトレーや太陽電池基板がフローティング状態する場合がある。その時、トレーや太陽電池基板の電位はプラズマ電位より低い電位となり、プラズマ中のアルゴンイオンでトレーや太陽電池基板がスパッタされる。
太陽電池基板の載置されていない部分でターゲットピースの隙間と一致している部分30sにおける逆スパッタによりボンディング材不純物が太陽電池基板に付着する量は微量であるが、より変換効率を向上するためには、トレーから逆スパッタされた不純物が基板に付着しないように、交換可能な部品80a,80b,80c,80dを配置し定期的に交換するのが望ましい。実際の交換頻度は、所望の変換効率、ボンディング材の組成、ターゲットと基板との距離から適宜決定される。
以上のようにして、この実施の形態3によれば、ボンディング材によるコンタミネーションをより低減できるので、変換効率の高い太陽電池製造できる。また複数の太陽電池基板を、円筒型ターゲットを使って一括処理できるので材料利用率が高く、生産性よく太陽電池を製造することができる。
(実施の形態4)
図4(a)(b)は本発明の実施の形態4を示す。
実施の形態3ではトレー30に交換可能な部品80a,80b,80cを配置し、これを定期的に交換することによって太陽電池の品質の向上に寄与したが、実施の形態1の場合であっても、次のスパッタ方法を採用することによって太陽電池の品質の向上を実現できる。
つまり、ターゲット使用期間の前期においては図4(a)のように実施の形態1で説明したようにトレー30を使用して成膜する。ターゲット使用期間の後期になると、図4(b)に示したように、平面形状が正方形のトレー30を90度回転させて、ロードロック室11から成膜室12を経てリターン室13に向かって移送して成膜する。
このようにすることにより、ターゲット使用期間の後期には、前期の使用によってトレー30にボンディング材不純物が付着している軌跡71a,71b,71cが隙間50a〜50cを通過しないため、逆スパッタによりボンディング材が太陽電池基板に付着することを抑制できる。その結果、変換効率の高い太陽電池を製造できる。
なお、上記の各実施の形態では、スパッタ装置はスパッタリングターゲット20に固定側、トレー30を移動側として成膜したが、この実施に限られるものではなく、スパッタリングターゲット20とトレー30を相対移動させて成膜する場合に実施が可能である。
本発明は、単結晶や多結晶の太陽電池の製造に使用されるスパッタ装置に適用できる。
11 ロードロック室
12 成膜室
13 リターン室
20 スパッタリングターゲット
20a,20b,20c,20d,20e ターゲットピース
30,31 トレー
30s トレーにおける太陽電池基板の載置されていない部分
40a,40b,40c 太陽電池基板(基板)
50a,50b,50c,50d ターゲットピース間の隙間
80a,80b,80c,80d 交換可能な部品
L1 ターゲットピース間の隙間を通過する位置の太陽電池基板の間隔
L2 ターゲットピース間の隙間を通過しない位置の太陽電池基板の間隔

Claims (7)

  1. 複数の基板が間隔を有して載置されるトレーと、複数のターゲットピースが一方向に隙間を空けて配置したスパッタリングターゲットとを、相対移動させて前記基板に成膜するスパッタ装置であって、
    前記トレーの前記基板が載置されていない部分と、前記スパッタリングターゲットの前記隙間の位置とが一致していることを特徴とする
    スパッタ装置。
  2. 前記トレーの基板の載置されていない部分のうちで、前記スパッタリングターゲットの前記隙間の位置と一致している特定個所の幅が、前記隙間の位置と一致していないその他の個所の幅よりも幅広であることを特徴とする
    請求項1記載のスパッタ装置。
  3. 前記トレーの前記基板の載置されていない部分で前記スパッタリングターゲットの前記隙間と一致している部分に、交換可能な部材が配置されていることを特徴とする
    請求項1記載のスパッタ装置。
  4. 前記基板が太陽電池基板であることを特徴とする
    請求項1〜請求項3の何れかに記載のスパッタ装置。
  5. 請求項1のスパッタ装置を使用するスパッタ方法であって、
    スパッタリングターゲットの使用期間の前期は、トレーの基板の載置されていない部分でターゲットピースの隙間に一致している特定部分の幅と、前記隙間の位置と一致していないその他の個所の幅とが同じトレーを使用して成膜し、
    スパッタリングターゲットの使用期間の後期は、前記特定部分の幅が、前記その他の個所の幅より広いトレーを使用して成膜することを特徴とする
    スパッタ方法。
  6. スパッタリングターゲットの使用期間の前期と後期で、前記トレーを90度回転させて成膜することを特徴とする
    請求項5記載のスパッタ方法。
  7. 複数の基板が間隔を有して載置されるトレーと、複数のターゲットピースが一方向に隙間を空けて配置したスパッタリングターゲットとを、相対移動させて前記基板に成膜するに際し、
    前記トレーの前記基板が載置されていない部分を、前記スパッタリングターゲットの前記隙間に位置合わせして、前記トレーと前記スパッタリングターゲットを相対移動させて成膜することを特徴とする
    スパッタ方法。
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