JP2013241497A - ポリシルセスキオキサン化合物、光素子封止材及びその用途 - Google Patents

ポリシルセスキオキサン化合物、光素子封止材及びその用途 Download PDF

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武美 小熊
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Abstract

【課題】ポリシルセスキオキサン化合物及び低ガス透過性光素子封止材を提供する。
【解決手段】ビニル基含有環状ポリシロキサンと下記化合物とを、白金族金属系ヒドロシリル化触媒を用いて硬化あせて得られるポリシルセスキオキサン硬化物。
Figure 2013241497

【選択図】なし

Description

本発明は、ガス透過性が低いポリシルセスキオキサン化合物、このポリシルセスキオキサン化合物を含む光素子封止材に関する。
光素子には、半導体レーザーや発光ダイオード(LED)等における発光素子、受光素子、複合素子、集積回路等がある。このような光素子は、発光または受光の効率を改善することが求められている。
例えば、LEDにおいては、光取り出し効率を高めるために、光半導体素子に電気的に接続している金属電極の少なくとも一部に、光反射材としての機能を持たせる場合がある。具体的には、LEDの場合、電極の表層に銀メッキを施したものが使用されることが多い。銀メッキは、反射率が高いことから、発光素子から発生した光を良好に外部に取り出すことができる。
ところが、金属には、空気中に微量に含まれる水蒸気や酸化性のガス、あるいは樹脂封止材中に含まれる反応性物質によって変色、黒色化し、その光沢が失われて反射率が低下するという欠点がある。そのため、LED等において光反射材としての機能を兼ねる電極についても、銀メッキ部の変色、黒色化を抑制することが課題として挙げられている。
この課題を解決すべく、特許文献1には、封止材と接する金属電極の表面の一部または全部に酸化イットリウム等の金属酸化物や窒化シリコン等の窒化物からなる保護膜を設けることにより、封止材と金属電極との反応を防ぐことが提案されている。しかし、この方法では、金属酸化物や窒化物からなる薄膜を気相法、液相法、スパッタ法などにより金属電極上に形成する工程が必要になり、LED等の製造工程を複雑化してしまう。
そこで、このような保護膜を形成することなく銀メッキ部の変色、黒色化を抑制する方法として、封止材自体に金属電極との反応を抑制する機能を持たせることが考えられる。
LEDに一般的に用いられる封止材として、エポキシ樹脂系封止材とシリコーン系封止材が知られている。しかしながら、エポキシ樹脂系封止材は低波長の光に対する耐久性の点で問題がある。一方、シリコーン系封止材は耐久性に優れ、樹脂自体はほとんど変色しないものの、ガス透過性が高いことが知られている(特許文献2)。ガス透過性が高いと、水蒸気や酸化性のガスに曝された場合に、これらが封止材の内部に拡散して金属電極表面に到達し、銀メッキ部を変色、黒色化してしまう。
特開2007−109915号公報 特開2004−2783号公報
本発明は、かかる従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、ガス透過性が低いポリシルセスキオキサン化合物及び低ガス透過性光素子封止材を提供する。
本発明者らは上記課題を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、後述する式(A)で示される化合物と、式(B)で示される化合物とをヒドロシリル化触媒を用いて、硬化させてなるポリシルセスキオキサン化合物がガス透過性の点で著しく優れること、すなわちガス透過性が低いことを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明によれば、次のポリシルセスキオキサン化合物、光素子封止材、および発光デバイスが提供される。
(1) 式(A):
Figure 2013241497
(A)
[上式中、
R1〜R4は、同一又は異なって、炭素数2〜8のアルキル基;アミノ基及びグリシドキシ基からなる置換基群より選択される任意の基で置換された炭素数2〜8のアルキル基;又は脂環式の置換基を示し、R5及びR6は、どちらか一方はビニル基、もう一方は、炭素数1〜8のアルキル基;アミノ基で置換された炭素数1〜8のアルキル基;オキサシクロプロピル基;脂環式の置換基を示し、ただし、R1〜R4は、化合物内にアミノ基とグリシドキシ基又はオキサシクロプロピル基が同時に存在することがないように選択される]の化合物と、
式(B):
Figure 2013241497
(B)
[上式中、
R7〜R10は、同一又は異なって、炭素数2〜8のアルキル基;アミノ基及びグリシドキシ基からなる置換基群より選択される任意の基で置換された炭素数2〜8のアルキル基;又は脂環式の置換基を示し、R11及びR12は、同一又は異なって、炭素数1〜8のアルキル基;アミノ基で置換された炭素数1〜8のアルキル基;オキサシクロプロピル基;脂環式の置換基を示し、ただし、R7〜R12は、化合物内にアミノ基とグリシドキシ基又はオキサシクロプロピル基が同時に存在することがないように選択される]の化合物とを、白金族金属系ヒドロシリル化触媒を用いて、硬化させて得られるポリシルセスキオキサン化合物。
(2)式(A)及び式(B)中、R1〜R4及びR7〜R10は、同一又は異なって、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、アミノプロピル基、グリシドキシプロピル基、又はフェニル基を示し、R5及びR6は、どちらか一方がビニル基、もう一方は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、アミノメチル基、オキサシクロプロピル基又はフェニル基を示し、R11及びR12は、同一又は異なって、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、アミノメチル基、オキサシクロプロピル基又はフェニル基を示す、上記(1)のポリシルセスキオキサン化合物。
(3)上記(1)又は(2)のポリシルセスキオキサン化合物を含む光素子封止材。
(4)蛍光体を含有する上記(3)の光素子封止材。
(5)上記(3)又は(4)の光素子封止材と、当該光素子封止材により封止された発光素子とを有する発光デバイス。
本発明のポリシルセスキオキサン化合物は、水蒸気や酸化性ガスの透過を抑制することができる。そのため、当該ポリシルセスキオキサン化合物を光素子封止材に用いると、これによって封止される金属電極の表面に水蒸気や酸化性ガスが到達することを抑制でき、その結果、金属電極表面の変色、黒色化が抑制され、光反射材としての機能の劣化を低減することができる。また、当該光素子封止材により封止された発光素子を有する発光デバイスは、輝度が劣化しにくく、長期間にわたる製品寿命を確保することができる。
本明細書において、「硬化」とは、式(A)で示される液体化合物中のビニル基と式(B)で示される液体化合物中のSi−H基の付加反応により、固体のポリシルセスキオキサン化合物を得ることを意味する。
「グリシドキシ基」とは、(CHOCH)CHO−を意味する。
「脂環式」とは、芳香族環式部分に対して、脂肪族環式部分を意味するように、通常の意味で使用され、単環式、二環式または多環式であり得る。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
<ポリシルセスキオキサン化合物>
本発明のポリシルセスキオキサン化合物は、式(A):
Figure 2013241497
(A)
で示される化合物と、
式(B):
Figure 2013241497
(B)
で示される化合物とを、白金族金属系ヒドロシリル化触媒を用いて、硬化させて得られるポリシルセスキオキサン化合物である。
式(A)において、R1〜R4は、同一又は異なって、炭素数2〜8のアルキル基;アミノ基及びグリシドキシ基からなる置換基群より選択される任意の基で置換された炭素数2〜8のアルキル基;脂環式の置換基を示す。好ましくは、R1〜R4は、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、アミノプロピル基、グリシドキシプロピル基、又はフェニル基を示す。さらに好ましくは、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、又はフェニル基を示し、特に好ましくは、エチル基、イソプロピル基又はイソブチル基を示す。
式(B)において、R7〜R10は、同一又は異なって、炭素数2〜8のアルキル基;アミノ基及びグリシドキシ基からなる置換基群より選択される任意の基で置換された炭素数2〜8のアルキル基;脂環式の置換基を示す。好ましくは、R7〜R10は、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、アミノプロピル基、グリシドキシプロピル基、又はフェニル基を示す。さらに好ましくは、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、又はフェニル基を示し、特に好ましくは、エチル基、イソプロピル基又はイソブチル基を示す。
R5及びR6は、どちらか一方はビニル基、もう一方は、炭素数1〜8のアルキル基;アミノ基で置換された炭素数1〜8のアルキル基;オキサシクロプロピル基;脂環式の置換基を示す。好ましくは、R5及びR6は、どちらか一方がビニル基、もう一方は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、アミノメチル基、オキサシクロプロピル基又はフェニル基を示す。さらに好ましくは、どちらか一方がビニル基、もう一方は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、又はフェニル基を示し、特に好ましくは、どちらか一方がビニル基、もう一方は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、又はイソブチル基を示す。
R11及びR12は、同一又は異なって、炭素数1〜8のアルキル基;アミノ基で置換された炭素数1〜8のアルキル基;オキサシクロプロピル基;脂環式の置換基を示す。好ましくは、R11及びR12は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、アミノメチル基、オキサシクロプロピル基又はフェニル基を示す。さらに好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、オキサシクロプロピル基又はフェニル基を示し、特に好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基、又はイソブチル基を示す。
ただし、R1〜R4及びR7〜R12は、ポリシルセスキオキサン化合物の分子内にアミノ基とグリシドキシ基又はオキサシクロプロピル基が同時に存在することがないように選択される。ポリシルセスキオキサン化合物内に、アミノ基とグリシドキシ基又はオキサシクロプロピル基が同時に存在すると、後に述べるヒドロシリル化反応のときに、同時にアミノ基とグリシドキシ基又はオキサシクロプロピル基が反応してしまい、式(A)で示される化合物と、式(B)で示される化合物との硬化物を得ることが困難となる場合がある。
式(A)で示される化合物と、式(B)で示される化合物とを硬化させるヒドロシリル化触媒としては、白金族金属系であり、具体例としては、白金族金属、白金族金属化合物があり、好ましくは白金族金属化合物である。白金族金属としては、白金、パラジウム、ロジウム等がある。白金族金属化合物としては、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィン類、ビニルシロキサン又はアセチレン化合物との配位化合物、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウムがある。
<式(A)で示される化合物と、式(B)で示される化合物とをヒドロシリル化触媒を用いて、硬化させて作製するポリシルセスキオキサン化合物の製造方法>
以下に、式(A)で示される化合物と、式(B)で示される化合物とをヒドロシリル化触媒を用いて、硬化させて作製するポリシルセスキオキサン化合物の製造方法を各製造段階に分けて説明する。
[1.式(A)で示される化合物の製造方法]
式(A)で示される化合物の前駆体として、R1〜R4の置換基を有するシラン化合物を加水分解反応させ、下記式(C)で示される化合物を製造する。
Figure 2013241497
(C)
R1〜R4の置換基を有するシラン化合物としては、エチルトリクロロシラン、イソプロピルトリクロロシラン、イソブチルトリクロロシラン、t−ブチルトリクロロシラン、シクロペンチルトリクロロシラン、シクロヘキシルトリクロロシラン、シクロオクチルトリクロロシラン、又はフェニルトリクロロシラン等のクロロシラン類、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロオクチルトリメトキシシラン、シクロオクチルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン又はフェニルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン類がある。これらの中でも、取り扱い容易性等の観点から、エチルトリクロロシラン、イソプロピルトリクロロシラン、イソブチルトリクロロシラン、エチルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシランが好ましい。これらシラン化合物は、単体又は複数種の組み合わせであってもよい。
R1〜R4の置換基を有するシラン化合物がクロロシラン類である場合に、これを加水分解反応するには、使用するクロロシランを有機溶媒に相溶させ、それを水に加える。有機溶媒としては、アセトン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等があり、好ましくはアセトンである。有機溶媒の使用量は、水100モルに対して0.5〜5モル、好ましくは1〜3モルの範囲であり、水の使用量は、クロロシラン1モルに対して250〜600モル、好ましくは350〜500モルである。加水分解反応温度は、0℃〜常温の範囲である。反応時間は、1〜7日である。反応終了後は、ろ過、乾燥を行うことにより、式(C)に示される化合物を得ることができる。
R1〜R4の置換基を有するシラン化合物がアルコキシシラン類である場合に、これを加水分解反応するには、2工程で行う。第1工程として、使用するアルコキシシランを、水、有機溶媒、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム中に加える工程を採用する。第2工程として、第1工程の生成物をろ過、乾燥したものを、有機溶媒と酢酸又は塩酸に加える工程を採用する。
〔第1工程〕
アルコキシシラン類を加水分解反応する際に用いる有機溶媒としては、ヘキサン、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール等がある。これら有機溶媒は単体又は複数種の組み合わせであってもよい。その使用量は、特に規定はないが、使用するアルコキシシランの体積に対して5倍以上の体積であればよい。水の使用量は、使用するアルコキシシランと等モルであり、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの使用量もアルコキシシランと等モルである。反応温度は、0℃〜常温であり、時間は12〜48時間で終了する。反応終了後は、ろ過、乾燥を行うことにより下記式(D)に示される化合物を得ることができる。ここで得られる粉末は、ナトリウム塩又はカリウム塩である。
Figure 2013241497
(D)
〔第2工程〕
第2工程で使用する有機溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等がある。反応温度は0℃〜常温であり、反応時間は1〜3時間である。酢酸の使用量は、上述で得られたナトリウム塩又はカリウム塩1モルに対して4〜6モルである。反応終了後は、スラリー状になっているので、有機溶媒、水を添加して、抽出、洗浄を行い、有機相を取り出し、有機相を乾燥する。乾燥後、有機相を留去して、結晶が得られる。使用する有機溶媒は、上述した反応で得られる生成物を溶解できるものを選択する。得られた結晶は、この結晶を溶解できる有機溶媒と溶解できない有機溶媒を用いて、再結晶化し、ろ過、乾燥を行い、式(C)で示した化合物を得ることができる。
上記式(C)で示される化合物に、R5及びR6は、どちらか一方がビニル基を有し、もう一方は、上述した置換基を有するジクロロシラン化合物(以下「ジクロロR5及びR6シラン」と言う)を硬化させて、上記式(A)で示される化合物を製造する。
ジクロロR5及びR6シランとしては、ジクロロビニルメチルシラン、ジクロロビニルエチルシラン、ジクロロビニルn−プロピルシラン、ジクロロビニルn−ブチルシラン、ジクロロビニルイソプロピルシラン、ジクロロビニルイソブチルシラン、ジクロロビニルt−ブチルシラン、ジクロロビニルシクロペンチルシラン、ジクロロビニルシクロヘキシルシラン、ジクロロビニルシクロオクチルシラン、ジクロロビニルアミノメチルシラン、ジクロロビニルオキサシクロプロピルシラン又はジクロロビニルフェニルシラン等がある。これらの中でも、取り扱い容易性等の観点からジクロロビニルメチルシラン、ジクロロビニルエチルシラン、ジクロロビニルイソプロピルシラン、ジクロロビニルイソブチルシランが好ましい。
上記式(A)で示される化合物は、上記式(C)で示される化合物とジクロロR5及びR6シランとを有機溶媒中で反応させることによって製造される。この製造時における反応温度は0℃〜常温であり、反応時間は3〜24時間である。
ジクロロR5及びR6シランの使用量は、式(C)で示される化合物1モルに対して2モルである。有機溶媒としては、ピリジン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、トリエチルアミン等がある。好ましくはピリジンである。ピリジンは、反応中に発生する塩化水素を塩酸塩として分離できるからである。
反応終了後、有機溶媒を留去して固形物を得る。この固形物を飽和塩化アンモニウム水溶液と有機溶媒で洗浄し、抽出する。抽出したものは有機溶媒に溶解したままである。溶解したままの抽出物を乾燥し、有機溶媒を留去して、式(A)で示される化合物を製造する。洗浄、抽出に用いる有機溶媒は、反応終了後に得られる固形物が溶解するものであるばよく、非水溶性溶媒が好ましい。この溶媒は、後工程で留去するので、沸点が低いほうが望ましい。
[2.式(B)で示される化合物の製造方法]
式(B)で示される化合物の前駆体として、R7〜R10の置換基を有するシラン化合物を加水分解反応させ、下記式(E)で示される化合物を製造する。
Figure 2013241497
(E)
R7〜R10の置換基を有するシラン化合物としては、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロオクチルトリメトキシシラン、シクロオクチルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン又はフェニルトリエトキシシラン等がある。これらの中でも、取り扱い容易性等の観点から、エチルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシランが好ましい。これらシラン化合物は、単体又は複数種の組み合わせであってもよい。
アルコキシシラン類を加水分解反応する際に用いる有機溶媒としては、ヘキサン、ジエチルエーテル、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール等がある。これら有機溶媒は単体又は複数種の組み合わせであってもよい。その使用量は、特に規定はないが、使用するアルコキシシランの体積に対して5倍以上の体積であればよい。水の使用量は、使用するアルコキシシランと等モルであり、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの使用量もアルコキシシランと等モルである。反応温度は、0℃〜常温であり、時間は12〜48時間で終了する。反応終了後は、ろ過、乾燥を行うことにより上記式(E)に示される化合物を得ることができる。
式(E)で示される化合物に、R11及びR12の置換基を有するクロロシラン化合物(以下「クロロR11及びR12シランと言う」を硬化させて、上記式(B)で示される化合物を製造する。
クロロR11及びR12シランとしては、クロロジメチルシラン、クロロジエチルシラン、クロロジn−プロピルシラン、クロロジn−ブチルシラン、クロロジイソプロピルシラン、クロロジイソブチルシラン、クロロジt−ブチルシラン、クロロジシクロペンチルシラン、クロロジシクロヘキシルシラン、クロロジシクロオクチルシラン、クロロジアミノメチルシラン、クロロジオキサシクロプロピルシラン又はクロロジフェニルシラン、クロロメチルエチルシラン、クロロメチルn−プロピルシラン、クロロメチルイソプロピルシラン、クロロメチルイソブチルシラン、クロロエチルn−プロピルシラン、クロロエチルイソプロピルシラン、クロロエチルイソブチルシラン等が挙げられる。これらの中でも、取り扱い容易性等の観点からクロロジメチルシラン、クロロジエチルシラン、クロロジイソプロピルシランが好ましい。
上記式(B)で示される化合物は、上記式(E)で示される化合物とクロロR11及びR12シランとを有機溶媒中で反応させることによって製造される。この製造時における反応温度は0℃〜常温であり、反応時間は1〜24時間である。
クロロR11及びR12シランの使用量は、式(E)で示される化合物1モルに対して4〜5モルである。有機溶媒としては、ヘキサン、ピリジン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、トリエチルアミン等がある。後工程の効率を上げることを考慮すると好ましくはヘキサンである。これら有機溶媒は、単体又は複数種の組み合わせであってもよい。
反応終了後、ろ過、有機溶媒を留去して液状物を得る。この液状物を水と有機溶媒で洗浄し、抽出する。抽出したものは有機溶媒に相溶したままである。相溶したままの抽出物を乾燥し、有機溶媒を留去して、式(B)で示される化合物を製造する。洗浄、抽出に用いる有機溶媒は、反応終了後に得られる液状物が相溶するものであるばよく、非水溶性溶媒が好ましい。この溶媒は、後工程で留去するので、沸点が低いほうが望ましい。
上記式(B)で示される化合物は、R7〜R10の置換基を有するシラン化合物を上記式(A)で示される化合物の製造方法と同様の方法で、下記式(F)で示される化合物を製造し、式(F)で示される化合物とクロロR11及びR12シランを有機溶媒中で反応させることによっても製造することができる。
Figure 2013241497
(F)
式(F)で示される化合物とクロロR11及びR12シランを有機溶媒中で反応させる場合の有機溶媒、反応温度、反応時間及び後工程は、上記式(A)で示される化合物の製造方法と同様の方法を用いることができる。
[3.式(A)で示される化合物と、式(B)で示される化合物とをヒドロシリル化触媒を用いて、硬化させて作製するポリシルセスキオキサン化合物の製造方法]
上記方法によって得られた式(A)で示される化合物と、式(B)で示される化合物とを、白金族金属系ヒドロシリル化触媒で硬化反応させ、ポリシルセスキオキサン化合物を製造する。
式(A)で示される化合物と式(B)で示される化合物の配合比は、式(A)で示される化合物のビニル基の当量:式(B)で示される化合物のSi−H基のHの当量=2:0.9〜2.5:1、好ましくは1.8:1〜2.3:1である。配合比がこの範囲から外れると、得られる硬化物のポリシルセスキオキサン化合物が、熱、UV光等で変色する場合がある。
上述したポリシルセスキオキサン化合物は、式(A)で示される化合物中のビニル基と式(B)で示される化合物中のSi−H基をヒドロシリル化触媒を用いて硬化させて得られる。硬化は、50〜180℃、好ましくは70〜170℃で加熱して行う。加熱時間は、0.5時間〜15時間、特に1〜12時間が好ましい。得られる硬化物は、無色透明である。
白金族金属系ヒドロシリル化触媒としては、ビニル基とSi−H基とのヒドロシリル化付加反応を促進するものが好ましく、単種又は2種以上の併用であってもよい。白金族金属系ヒドロシリル化触媒の具体例としては、白金族金属、白金族金属化合物であり、好ましくは白金族金属化合物である。白金族金属としては、白金、パラジウム、ロジウム等がある。白金族金属化合物としては、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィン類、ビニルシロキサン又はアセチレン化合物との配位化合物、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウムがある。
ヒドロシリル化触媒の配合量は、触媒としての有効量でよく、式(A)で示される化合物と式(B)で示される化合物の合計質量に対して白金族金属元素の質量換算で0.1〜1000ppmの範囲であり、好ましくは1〜500ppmの範囲である。配合量がこの範囲内にあると、付加反応が十分に促進されやすく、また、硬化が十分となりやすく、更に、該配合量の増加に応じて付加反応の速度が向上しやすいので、経済的にも有利となりやすい。
ポリシルセスキオキサン化合物を製造する際に、発明の目的を損なわない範囲で、付加反応制御剤、酸化防止剤、光安定剤及びシランカップリング剤等を配合することができる。
付加反応制御剤を配合することによって、式(A)で示される化合物及び式(B)で
示される化合物にヒドロシリル化触媒を配合した後のポットライフを確保することができる。付加反応制御剤は、ヒドロシリル化触媒に対して硬化抑制効果を有する化合物であればよい。具体的には、トリフェニルホスフィンなどのリン含有化合物;トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾールなどの窒素含有化合物;硫黄含有化合物;アセチレンアルコール類(例えば、1−エチニルシクロヘキサノール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール)等のアセチレン系化合物;アルケニル基を2個以上含む化合物;ハイドロパーオキシ化合物;マレイン酸誘導体がある。付加反応制御剤による硬化抑制効果は、その付加反応制御剤の化学構造によって異なる。よって、採用する付加反応制御剤に応じて、添加量を調整することが好ましい。最適な量の付加反応制御剤を添加することにより、室温で長期保存安定性及び加熱硬化性に優れたものとなる。
また、酸化防止剤を配合することによって、生成されるポリシルセスキオキサン化合物の着色、白濁、酸化劣化等の発生を抑えることができる。酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールがある。さらに、光安定剤を配合することによって、光劣化に対する抵抗性を付与することができる。光安定剤としては、ヒンダードアミン系安定剤等がある。
また、シランカップリング剤を配合することによって、光素子を封止するときのパッケージ材とその他の材料に対する密着性を向上させることができる。シランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等がある。
以下に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこの実施例の記載内容に限定されるものではない。
ここでは、式(A)で示される化合物と、式(B)で示される化合物とをヒドロシリル化触媒を用いて、硬化させて作製するポリシルセスキオキサン化合物の製造例及び実施例を示すと共に、そのポリシルセスキオキサン化合物のガス透過性及び光透過性について市販のシリコーン系封止材及びエポキシ樹脂系封止材と比較する。
[製造例1]エチル基を持ったクロロシラン類からの式(C)で示される化合物(式(A)で示される化合物の前駆体)の製造
撹拌子を入れた1000mlの三口フラスコに、水900mlを入れ、氷浴にて5℃まで冷却し、そこに撹拌しながらエチルトリクロロシラン(東京化成工業社製)20gをアセトン(国産化学社製)40mlに相溶させた溶液を滴下ロートで添加した。添加後、5℃の状態で1日反応させ、その後、常温で5日間反応させた。反応終了後、吸引ろ過して、白色の結晶を得た。
[製造例2]エチル基を持ったアルコキシシラン類からの式(C)で示される化合物(式(A)で示される化合物の前駆体)の製造
〔第1工程〕
撹拌子を入れた500mlの三口フラスコに、ヘキサン(和光純薬社製)138.7ml、メタノール(国産化学社製)3.3ml、水酸化ナトリウム(和光純薬社製)6.8g(0.17mol)、水3.06g(0.17mol)を入れ、常温で撹拌しながらエチルトリメトキシシラン(アルドリッチ社製)26.9ml(0.17mol)を滴下ロートで添加した。添加後、常温で48時間反応させた。反応後、吸引ろ過して、式(D)で示される化合物である白色のナトリウム塩を得た。
〔第2工程〕
撹拌子を入れた500mlのナス型フラスコに、ジエチルエーテル(アルドリッチ社製)150ml、酢酸(和光純薬社製)5.42g(0.09mol)を入れ、常温で撹拌しながらナトリウム塩10g(0.022mol)を0.5gずつ添加した。添加後、常温で2時間反応させた。反応後はスラリー状であった。そこに水100ml添加して、撹拌、洗浄を10分行い、有機相を取り出し、もう一度水を50ml添加して、撹拌、洗浄を10分行い、有機相を取り出し、無水硫酸マグネシウム(和光純薬社製)を添加し、乾燥した。乾燥後、有機相をエバポレーターで留去して、結晶を得られた。この結晶が溶解するまで、ジエチルエーテルを添加し、次に結晶が僅かに析出するまでヘキサンを添加して、それを冷凍庫に2時間入れた。2時間後、析出した結晶を、ろ過、乾燥を行い、白色の結晶を得た。
[製造例3]イソブチル基を持ったクロロシラン類からの式(C)で示される化合物(式(A)で示される化合物の前駆体)の製造
撹拌子を入れた1000mlの三口フラスコに、水800mlを入れ、氷浴にて5℃まで冷却し、そこに撹拌しながらイソブチルトリクロロシラン(東京化成工業社製)20gをアセトン(国産化学社製)40mlに相溶させた溶液を滴下ロートで添加した。添加後、5℃の状態で1日反応させ、その後、常温で5日間反応させた。反応終了後、吸引ろ過して、白色の結晶を得た。
[製造例4]イソブチル基を持ったアルコキシシラン類からの式(C)で示される化合物(式(A)で示される化合物の前駆体)の製造
〔第1工程〕
撹拌子を入れた500mlの三口フラスコに、ヘキサン(和光純薬社製)140ml、水酸化ナトリウム(和光純薬社製)5.61g(0.14mol)、水2.52g(0.14mol)を入れ、常温で撹拌しながらイソブチルトリメトキシシラン(アルドリッチ社製)26.8ml(0.14mol)を滴下ロートで添加した。添加後、常温で48時間反応させた。反応後、吸引ろ過して、白色のナトリウム塩を得た。
〔第2工程〕
撹拌子を入れた500mlのナス型フラスコに、ジエチルエーテル(アルドリッチ社製)150ml、酢酸(和光純薬社製)4.32g(0.072mol)を入れ、常温で撹拌しながら式(D)で示される化合物であるナトリウム塩10g(0.018mol)を0.5gずつ添加した。添加後、常温で2時間反応させた。反応後はスラリー状であった。そこに水100ml添加して、撹拌、洗浄を30分行い、有機相を取り出し、もう一度水を50ml添加して、撹拌、洗浄を30分行い、有機相を取り出し、無水硫酸マグネシウム(和光純薬社製)を添加し、乾燥した。乾燥後、有機相をエバポレーターで留去して、結晶を得られた。この結晶が溶解するまで、ジエチルエーテルを添加し、次に結晶が僅かに析出するまでヘキサンを添加して、それを冷凍庫に2時間入れた。2時間後、析出した結晶を、ろ過、乾燥を行い、白色の結晶を得た。
[製造例5]製造例1又は製造例2で得られた結晶を用いて、R5がビニル基、R6がメチル基の場合の式(A)で示される化合物の製造
撹拌子を入れた300mlの三口フラスコに、製造例1又は製造例2で得られた結晶5g(0.014mol)、ピリジンを140ml入れ、三口フラスコ内に窒素を流しながら、常温で撹拌しながらジクロロビニルメチルシラン(東京化成工業社製)3.91g(0.028mol)を滴下ロートで添加した。添加後、20時間反応させた。反応後、エバポレーターでピリジンを留去し、固形物が得られた。その固形物に飽和塩化アンモニウム水溶液を150mlとヘキサン50mlを添加し、30分撹拌した。撹拌後、有機相を取り出し、そこに飽和塩化アンモニウム水溶液を150ml添加して、30分撹拌した。これを3回繰り返した。繰り返し、取り出した有機相に無水硫酸マグネシウムを15g添加して、3時間乾燥を行った。その後、有機相をエバポレーターで留去し、無色透明な液体を得た。下記結果により、R5がビニル基、R6がメチル基の式(A)で示される化合物であることを確認した。
H NMR(300MHz,CDCl) δ=0.26,0.27,0.31(s,6H),0.60−0.70(m,8H),0.95−1.02(m,12H),5.8−6.09(m,6H).
29Si NMR(99.25MHz,CDCl) δ=−54.35――54.27(m),−20.67――21.37(m).
MS(EI,70eV)m/z(%)496(M,0.5),481(M−Me,55),467(62),453(100),441(51).
IR(NaCl)3056,3016,2964,2941,2920,2898,2881,2837,1596,1461,1409,1259,1232,1093,1035,1008,966,815,779,727,694,615,599,582,532cm−1
[製造例6]製造例3又は製造例4で得られた結晶を用いて、R5がビニル基、R6がメチル基の場合の式(A)で示される化合物の製造
撹拌子を入れた300mlの三口フラスコに、製造例3又は製造例4で得られた結晶5g(0.01mol)、ピリジンを140ml入れ、三口フラスコ内に窒素を流しながら、常温で撹拌しながらジクロロビニルメチルシラン(東京化成工業社製)2.99g(0.02mol)を滴下ロートで添加した。添加後、20時間反応させた。反応後、エバポレーターでピリジンを留去し、固形物が得られた。その固形物に飽和塩化アンモニウム水溶液を150mlとヘキサン50mlを添加し、30分撹拌した。撹拌後、有機相を取り出し、そこに飽和塩化アンモニウム水溶液を150ml添加して、30分撹拌した。これを3回繰り返した。繰り返し、取り出した有機相に無水硫酸マグネシウムを15g添加して、3時間乾燥を行った。その後、有機相をエバポレーターで留去し、無色透明な液体を得た。下記結果により、R5がビニル基、R6がメチル基の式(A)で示される化合物であることを確認した。
H NMR(300MHz,CDCl) δ=0.24−0.32(m,6H),0.66−0.72(m,8H),0.98−1.12(m,24H),1.89−1.95(m,4H),5.86−6.12(m,6H).
29Si NMR(99.25MHz,CDCl) δ=−55.29――55.05(m),−22.49――22.05(m).
MS(70eV)m/z(%)551(M−i−Bu,100),537(35),495(19),439(12),383(26).
IR(KBr)3057,3018,2955,2930,2907,2872,1597,1466,1406,1383,1367,1333,1259,1229,1057,1018,962,837,815,787,744,694,528cm−1
[製造例7]エチル基を持ったアルコキシシラン類からの式(E)で示される化合物(式(B)で示される化合物の前駆体)の製造
製造例2の第1工程と同様な方法で、式(E)で示される化合物である白色のナトリウム塩を得た。
[製造例8]イソブチル基を持ったアルコキシシラン類からの式(E)で示される化合物(式(B)で示される化合物の前駆体)の製造
製造例4の第1工程と同様な方法で、式(E)で示される化合物である白色のナトリウム塩を得た。
[製造例9]製造例7で得られたナトリウム塩を用いて、R11及びR12がメチル基の場合の式(B)で示される化合物の製造
撹拌子を入れた300mlの三口フラスコに、製造例7で得られたナトリウム塩5g(0.011mol)、ヘキサンを150ml入れ、三口フラスコ内に窒素を流しながら、常温で撹拌しながらクロロジメチルシラン(東京化成工業社製)4.27g(0.045mol)を滴下ロートで添加した。添加後、3時間反応させた。反応後、ろ過し、エバポレーターでヘキサンを留去し、液状物が得られた。その液状物に水を150mlとヘキサン50mlを添加し、30分撹拌した。撹拌後、有機相を取り出し、そこに水を150ml添加して、30分撹拌した。これを3回繰り返した。繰り返し、取り出した有機相に無水硫酸マグネシウムを15g添加して、3時間乾燥を行った。その後、有機相をエバポレーターで留去し、無色透明な液体を得た。下記結果により、R11及びR12がメチル基の式(B)で示される化合物であることを確認した。
H NMR(300MHz,CDCl) δ=0.21(d,J=2.7Hz,24H),0.51(q,J=7.8Hz,8H),0.94(t,J=7.8Hz,12H),4.73(sep,J=2.7Hz,4H).
29Si NMR(99.25MHz,CDCl) δ=−66.04,−5.43.
MS(EI,70eV)m/z(%)592(M,0.07),577(M―Me,1),563(3),531(4),517(3),457(11),443(19),429(35),415(22),59(100).
IR(NaCl)2962,2941,2918,2897,2881,2839,2808,2135,1462,1418,1254,1117,1063,1014,962,903,835,770,735,692,675,627,546cm−1
[製造例10]製造例8で得られたナトリウム塩を用いて、R11及びR12がメチル基の場合の式(B)で示される化合物の製造
撹拌子を入れた300mlの三口フラスコに、製造例8で得られたナトリウム塩5g(0.009mol)、ヘキサンを150ml入れ、三口フラスコ内に窒素を流しながら、常温で撹拌しながらクロロジメチルシラン(東京化成工業社製)3.42g(0.036mol)を滴下ロートで添加した。添加後、3時間反応させた。反応後、ろ過し、エバポレーターでヘキサンを留去し、液状物が得られた。その液状物に水を150mlとヘキサン50mlを添加し、30分撹拌した。撹拌後、有機相を取り出し、そこに水を150ml添加して、30分撹拌した。これを3回繰り返した。繰り返し、取り出した有機相に無水硫酸マグネシウムを15g添加して、3時間乾燥を行った。その後、有機相をエバポレーターで留去し、無色透明な液体を得た。下記結果により、R11及びR12がメチル基の式(B)で示される化合物であることを確認した。
H NMR(300MHz,CDCl) δ=0.21(d,J=2.7Hz,24H),0.51(d,J=6.9Hz,8H),0.93(d,J=6.9Hz,24H),1.80(nin,J=6.9Hz,4H),4.74(sep,J=2.7Hz,4H).
29Si NMR(99.25MHz,CDCl) δ=−68.06,−6.03.
MS(EI,70eV)m/z(%)704(M,0.7),689(M−Me,7),647(41),583(31),513(59),485(33),73(100).
IR(KBr)2957,2928,2903,2872,2137,1468,1367,1333,1254,1229,1115,1063,905,837,770cm−1
[実施例1]
製造例5で得られた式(A)で示される化合物の液体1.88gと製造例9で得られた式(B)で示される化合物の液体1.13gを混合、撹拌し、そこにヒドロシリル化触媒(白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体 環状メチルビニルシロキサン溶液 白金濃度2〜2.5質量%含有 Gelest社製)0.0013gを添加し、撹拌した。これを、真空乾燥機で脱泡して、φ20mm、厚さ1mmの型(水蒸気透過性評価用)とφ20mm、厚さ2mmの型(光透過性評価用)にそれぞれ流し込み、85℃で1時間、130℃で3時間及び165℃で3時間硬化させた。硬化体の厚さは、型と同じであった。
[実施例2]
製造例6で得られた式(A)で示される化合物の液体1.9gと製造例10で得られた式(B)で示される化合物の液体1.1gを混合、撹拌し、そこにヒドロシリル化触媒(白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体 環状メチルビニルシロキサン溶液 白金濃度2〜2.5質量%含有 Gelest社製)0.0013gを添加し、撹拌した。これを、真空乾燥機で脱泡して、φ20mm、厚さ1mmの型(水蒸気透過性評価用)とφ20mm、厚さ2mmの型(光透過性評価用)にそれぞれ流し込み、85℃で1時間、130℃で3時間及び165℃で3時間硬化させた。硬化体の厚さは、型と同じであった。
[比較例1]
市販のLED用シリコーン封止材(インヴィジシルIVS4632 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアル社製)を、φ20mm、厚さ1mmの型(水蒸気透過性評価用)とφ20mm、厚さ2mmの型(光透過性評価用)にそれぞれ流し込み、150℃で1時間硬化させた。硬化体の厚さは、型と同じであった。
[比較例2]
jER YX8000(ジャパンエポキシレジン社製)70gとCEL−2021P((株)ダイセル社製)30gに、硬化剤としてHN−5500(日立化成工業社製)を90.2g、硬化触媒としてヒシコーリンPX−4ET(日本化学工業社製)を0.5g添加し、混合、撹拌して、真空乾燥機で脱泡して、φ20mm、厚さ1mmの型(水蒸気透過性評価用)とφ20mm、厚さ2mmの型(光透過性評価用)にそれぞれ流し込み、100℃で3時間その後150℃で5時間硬化させた。
実施例1及び実施例2で得られたポリシルセスキオキサン化合物からなる硬化体と比較例1のシリコーン系封止材からなる硬化体及び比較例2のエポキシ樹脂系封止材について、以下の方法により、ガス透過性及び光透過率を評価した。比較例2のエポキシ樹脂系封止材硬化体は、初期の光透過率が実施例1、2及び比較例1より著しく低かったため、水蒸気透過性の評価を行わなかった。このため、実施例1及び2並びに比較例1で得られた硬化体についてのみ、結果を以下の表1に示す。
<評価方法>
[ガス透過性]
ガス透過性については、水蒸気透過性を測定した。
装置:差圧ガス・蒸気透過率測定装置(GTR−30XAD2、G2700T・F)
GTRテック社製・ヤナコテクニカルサイエンス社製
条件:40℃・90%RH
透過面積:3.14×10−4(φ2.0×10−2m)
[光透過性]
装置:紫外可視光光度計(UV−1600)
島津製作所社製
条件:波長400nmにおける初期の光透過率及びUV照射後の光透過率保持率
UV照射装置:スポットキュア(SP−500)
ウシオ電機社製
UV照射条件:出力 1W/cm、100時間照射
光透過率保持率:UV照射後の光透過率/初期の光透過率×100
Figure 2013241497
表1に示されるように、実施例1、2のポリシルセスキオキサン化合物は、比較例1と比べて、水蒸気透過性に格段に優れる硬化体を形成できることがわかる。
一方、比較例1のLED用シリコーン封止材は、光透過性において優れるものの、水蒸気透過性が実施例1、2より著しく劣っていることがわかる。
上記実施例1又は実施例2で得られたポリシルセスキオキサン化合物に、発光素子から放出される色調を変更するための蛍光体を配合して光素子封止材を製造した。この光素子封止材を用いて発光素子とそれに電気的に接続されている金属電極とを封止したところ、長期にわたって金属電極表面の変色、黒色化を抑えることができた。
また、上記実施例1又は実施例2で得られたポリシルセスキオキサン化合物を含む光素子封止材を用いて封止した発光素子を有する発光デバイスを製造した。この発光デバイスは、輝度が劣化しにくく、長期間にわたる製品寿命を確保することができた。

Claims (5)

  1. 式(A):
    Figure 2013241497
    (A)
    [上式中、
    R1〜R4は、同一又は異なって、炭素数2〜8のアルキル基;アミノ基及びグリシドキシ基からなる置換基群より選択される任意の基で置換された炭素数2〜8のアルキル基;又は脂環式の置換基を示し、R5及びR6は、どちらか一方はビニル基、もう一方は、炭素数1〜8のアルキル基;アミノ基で置換された炭素数1〜8のアルキル基;オキサシクロプロピル基;脂環式の置換基を示し、ただし、R1〜R4は、化合物内にアミノ基とグリシドキシ基又はオキサシクロプロピル基が同時に存在することがないように選択される]の化合物と、
    式(B):
    Figure 2013241497
    (B)
    [上式中、
    R7〜R10は、同一又は異なって、炭素数2〜8のアルキル基;アミノ基及びグリシドキシ基からなる置換基群より選択される任意の基で置換された炭素数2〜8のアルキル基;又は脂環式の置換基を示し、R11及びR12は、同一又は異なって、炭素数1〜8のアルキル基;アミノ基で置換された炭素数1〜8のアルキル基;オキサシクロプロピル基;脂環式の置換基を示し、ただし、R7〜R12は、化合物内にアミノ基とグリシドキシ基又はオキサシクロプロピル基が同時に存在することがないように選択される]の化合物とを、ヒドロシリル化触媒を用いて、硬化させて得られるポリシルセスキオキサン化合物。
  2. 式(A)及び式(B)中、R1〜R4及びR7〜R10は、同一又は異なって、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、アミノプロピル基、グリシドキシプロピル基、又はフェニル基を示し、R5及びR6は、どちらか一方がビニル基、もう一方は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、アミノメチル基、オキサシクロプロピル基又はフェニル基を示し、R11及びR12は、同一又は異なって、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、アミノメチル基、オキサシクロプロピル基又はフェニル基を示す、請求項1記載のポリシルセスキオキサン化合物。
  3. 請求項1又は2記載のポリシルセスキオキサン化合物を含む光素子封止材。
  4. 蛍光体を含有する請求項3記載の光素子封止材。
  5. 請求項3又は4記載の光素子封止材と、当該光素子封止材により封止された発光素子とを有する発光デバイス。
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