JP2014101458A - オルガノポリシロキサン及びその製造方法 - Google Patents

オルガノポリシロキサン及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】配合した樹脂組成物の保存安定性に優れ、メルカプト基と加水分解性基を含有するオルガノポリシロキサンと等価な材料となるオルガノポリシロキサンを提供する。
【解決手段】下記平均組成式(1)で表され、少なくともS−Si結合を有する有機基及び加水分解性基を含有する。
(A)a(B)b(C)c(R1d(R2eSiO(4-a-b-c-d-e)/2 (1)
(式中、Aはメルカプト基含有有機基、BはS−Si結合を有する有機基、Cは加水分解性基、R1は炭素数4〜10の一価炭化水素基、R2は炭素数1〜3の一価炭化水素基であり、0≦a<1、0<b<1、0<c<3、0≦d<1、0≦e<2、かつ0<a+b+c+d+e<4である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、S−Si結合を有する有機基及び加水分解性基を含有する新規なオルガノポリシロキサン及び該新規なオルガノポリシロキサンの製造方法に関する。
従来、メルカプト基と加水分解性基を含有するオルガノポリシロキサン及びその製造方法は既に公知の技術である。例えば、特開平7−292108号公報(特許文献1)では、加水分解縮合触媒として中性のフッ素化合物を用いる製造方法が開示されている。また、特開平9−111188号公報(特許文献2)や特開2003−113243号公報(特許文献3)では、メルカプト基及び加水分解性基を含有するオルガノポリシロキサンのコーティング材組成物やゴム組成物としての用途が開示されている。
しかしながら、メルカプト基と加水分解性基を含有するオルガノポリシロキサンを含む組成物は、活性なメルカプト基の影響により、組成物の保存安定性が悪いという問題点があった。
特開平7−292108号公報 特開平9−111188号公報 特開2003−113243号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、S−Si結合を有する有機基と加水分解性基とを有し、保存安定性が高く、S−Si結合におけるシリル基を脱保護してメルカプト基を再生することができるオルガノポリシロキサン及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討を重ねた結果、少なくともS−Si結合を有する有機基と加水分解性基を含有する新規なオルガノポリシロキサンがコーティング材組成物やゴム組成物に配合した場合に該組成物の保存安定性に優れることを見出し、更に該新規なオルガノポリシロキサンの製造方法を見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、下記のオルガノポリシロキサン及びその製造方法を提供する。
〔1〕 下記平均組成式(1)で表され、少なくともS−Si結合を有する有機基及び加水分解性基を含有するオルガノポリシロキサン。
(A)a(B)b(C)c(R1d(R2eSiO(4-a-b-c-d-e)/2 (1)
(式中、Aはメルカプト基含有有機基、BはS−Si結合を有する有機基、Cは加水分解性基、R1は炭素数4〜10の一価炭化水素基、R2は炭素数1〜3の一価炭化水素基であり、0≦a<1、0<b<1、0<c<3、0≦d<1、0≦e<2、かつ0<a+b+c+d+e<4である。)
〔2〕 上記メルカプト基含有有機基が下記式(2)
−(CH2n−SH (2)
(式中、nは1〜10の整数である。)
で表され、上記S−Si結合を有する有機基が下記式(3)
−[(CH2m−S−]pSi(R34-p (3)
(式中、mは1〜10の整数、pは1〜4の整数、R3はそれぞれ独立に水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6〜10のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2〜10のアルケニル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1〜20のアルコキシ基である。)
で表され、上記加水分解性基は下記式(4)
−OR4 (4)
(式中、R4は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、又は炭素数2〜10のアルケニル基である。)
で表される〔1〕記載のオルガノポリシロキサン。
〔3〕 上記平均組成式(1)において、0<d<1である〔1〕又は〔2〕記載のオルガノポリシロキサン。
〔4〕 塩基存在下、下記平均組成式(5)で表されるオルガノポリシロキサンと、有機クロロシラン化合物とを反応させて、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のオルガノポリシロキサンを得ることを特徴とするオルガノポリシロキサンの製造方法。
(A)f(C)c(R1d(R2eSiO(4-c-d-e-f)/2 (5)
(式中、Aはメルカプト基含有有機基、Cは加水分解性基、R1は炭素数4〜10の一価炭化水素基、R2は炭素数1〜3の一価炭化水素基であり、0<f<1、0<c<3、0≦d<1、0≦e<2、かつ0<c+d+e+f<4である。)
〔5〕 上記有機クロロシラン化合物が、トリメチルクロロシラン、エチルジメチルクロロシラン、ジエチルメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン、tert−ブチルジフェニルクロロシラン、トリイソプロピルクロロシラン、トリ−n−ブチルクロロシラン、トリイソブチルクロロシラン、クロロジメチルフェニルシラン、ジフェニルメチルクロロシラン、ジメチル−n−オクチルクロロシラン、デシルジメチルクロロシラン、ドデシルジメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、又はトリフェニルクロロシランである〔4〕記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
〔6〕 塩基触媒存在下、下記平均組成式(5)で表されるオルガノポリシロキサンと有機シラザン化合物とを反応させて、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のオルガノポリシロキサンを得ることを特徴とするオルガノポリシロキサンの製造方法。
(A)f(C)c(R1d(R2eSiO(4-c-d-e-f)/2 (5)
(式中、Aはメルカプト基含有有機基、Cは加水分解性基、R1は炭素数4〜10の一価炭化水素基、R2は炭素数1〜3の一価炭化水素基であり、0<f<1、0<c<3、0≦d<1、0≦e<2、かつ0<c+d+e+f<4である。)
〔7〕 上記有機シラザン化合物が、ヘキサメチルジシラザン、1,3−ビス(クロロメチル)テトラメチルジシラザン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシラザン、又は1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザンである〔6〕記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
〔8〕 遷移金属触媒又はルイス酸触媒存在下、下記平均組成式(5)で表されるオルガノポリシロキサンと1個以上のSi−H基を有する有機ケイ素化合物とを反応させて、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のオルガノポリシロキサンを得ることを特徴とするオルガノポリシロキサンの製造方法。
(A)f(C)c(R1d(R2eSiO(4-c-d-e-f)/2 (5)
(式中、Aはメルカプト基含有有機基、Cは加水分解性基、R1は炭素数4〜10の一価炭化水素基、R2は炭素数1〜3の一価炭化水素基であり、0<f<1、0<c<3、0≦d<1、0≦e<2、かつ0<c+d+e+f<4である。)
〔9〕 上記1個以上のSi−H基を有する有機ケイ素化合物が、トリメチルシラン、エチルジメチルシラン、ジエチルメチルシラン、トリエチルシラン、tert−ブチルジメチルシラン、tert−ブチルジフェニルシラン、トリイソプロピルシラン、トリ−n−ブチルシラン、トリイソブチルシラン、ジメチルフェニルシラン、ジフェニルメチルシラン、ジメチル−n−オクチルシラン、デシルジメチルシラン、ドデシルジメチルシラン、ジメチルビニルシラン、トリフェニルシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリブトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルブトキシシラン、ジメチルオクトキシシラン、又はジメチルドデコキシシランである〔8〕記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
〔10〕 上記遷移金属触媒の中心金属がルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金又は金である〔8〕又は〔9〕記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
〔11〕 上記遷移金属触媒がRhCl(PPh33触媒(Phはフェニル基である。)である〔10〕記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
〔12〕 上記ルイス酸触媒がペンタフルオロフェニルホウ素である〔8〕又は〔9〕記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
〔13〕 上記メルカプト基含有有機基が下記式(2)
−(CH2n−SH (2)
(式中、nは1〜10の整数である。)
で表され、上記加水分解性基は下記式(4)
−OR4 (4)
(式中、R4は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、又は炭素数2〜10のアルケニル基である。)
で表される〔4〕〜〔12〕のいずれかに記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
本発明のオルガノポリシロキサンによれば、活性なメルカプト基が全て又は部分的にシリル基で保護され、更に好ましくは長鎖アルキル基によりメルカプト基が立体的に保護されており、本発明のオルガノポリシロキサンを配合した組成物の保存安定性が大幅に改善される。また、本発明のオルガノポリシロキサンは、S−Si結合におけるシリル基が酸などにより脱保護されてメルカプト基が再生するため、メルカプト基含有オルガノポリシロキサン等価品として使用することができる。
以下に、本発明に係るオルガノポリシロキサン及びその製造方法について説明する。
本発明に係るオルガノポリシロキサンは、下記平均組成式(1)で表され、少なくともS−Si結合を有する有機基及び加水分解性基を含有する。
(A)a(B)b(C)c(R1d(R2eSiO(4-a-b-c-d-e)/2 (1)
(式中、Aはメルカプト基含有有機基、BはS−Si結合を有する有機基、Cは加水分解性基、R1は炭素数4〜10の一価炭化水素基、R2は炭素数1〜3の一価炭化水素基であり、0≦a<1、0<b<1、0<c<3、0≦d<1、0≦e<2、かつ0<a+b+c+d+e<4である。)
式(1)における各置換基について詳しくは次の通りである。
即ち、メルカプト基含有有機基Aは下記式(2)で表される。
−(CH2n−SH (2)
(式中、nは1〜10の整数である。)
このメルカプト基含有有機基の例としては、−CH2SH、−C24SH、−C36SH、−C48SH、−C510SH、−C612SH、−C714SH、−C816SH、−C918SH、−C1020SHが挙げられる。
また、上記S−Si結合を有する有機基Bは、下記式(3)で表され、S−Si結合におけるシリル基が酸などにより脱保護されてメルカプト基に再生可能である。
−[(CH2m−S−]pSi(R34-p (3)
(式中、mは1〜10の整数、pは1〜4の整数、R3はそれぞれ独立に水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6〜10のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2〜10のアルケニル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1〜20のアルコキシ基である。)
また、R3のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基等が挙げられ、アリール基としてはフェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられ、アルケニル基としてはビニル基、プロペニル基、ペンテニル基等が挙げられ、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、オクトキシ基、ドデコキシ基等が挙げられる。
このS−Si結合を有する有機基は下記のものを例示することができる。なお、式中、Meはメチル基、Etはエチル基、t−Buはtert−ブチル基、Phはフェニル基であり、以下同じである。
Figure 2014101458
また、上記加水分解性基Cは下記式(4)で表される。
−OR4 (4)
(式中、R4は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、又は炭素数2〜10のアルケニル基である。)
この式(4)におけるR4のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基等が挙げられ、アリール基としてはフェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられ、アルケニル基としてはビニル基、プロペニル基、ペンテニル基等が挙げられる。
また、式(1)におけるR1としてはブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられ、R2としてはメチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。
a,b,c,d,eは、上述した通り、0≦a<1、0<b<1、0<c<3、0≦d<1、0≦e<2であるが、好ましくは0≦a≦0.5、0.1≦b≦0.8、0<c≦2、0.05≦d≦0.9、0≦e≦0.1、より好ましくは0≦a≦0.1、0.2≦b≦0.7、1.0<c≦1.9、0.1≦d≦0.8、0≦e≦0.05である。また、0<a+b+c+d+e<4であるが、好ましくは0<a+b+c+d+e<3、より好ましくは2<a+b+c+d+e<2.5である。
本発明のオルガノポリシロキサンは、より好ましくは、上記平均組成式(1)において0<d<1である、S−Si結合を有する有機基、加水分解性基、長鎖アルキル基を含有するオルガノポリシロキサンである。この長鎖アルキル基によりメルカプト基が立体的に保護されるようになる。
また、本発明のオルガノポリシロキサンの分子量は、トルエンを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ分析(GPC)によりポリスチレン換算で求められた重量平均分子量において500〜2,000であることが好ましく、700〜1,500であるのがより好ましい。分子量が小さすぎると、後述する製造方法において未反応の有機ケイ素化合物が大量に残存してしまう場合があり、分子量が大きすぎると、高粘度乃至固化してしまい、取り扱いが難しくなるおそれがある。
次に、本発明に係るオルガノポリシロキサンの製造方法について説明する。
本発明に係るオルガノポリシロキサンの製造方法は、メルカプト基含有有機基及び加水分解性基を有するオルガノポリシロキサン原料と有機ケイ素化合物とを、メルカプト基をシリル基で保護するように反応させて、上述した本発明のオルガノポリシロキサンを得る方法である。具体的には、以下の3つの方法がある。
[製造方法I]
一つ目の製造方法は、塩基存在下、下記平均組成式(5)で表されるオルガノポリシロキサンと、有機クロロシラン化合物とを反応させて、本発明のオルガノポリシロキサンを得るものである。
(A)f(C)c(R1d(R2eSiO(4-c-d-e-f)/2 (5)
(式中、Aはメルカプト基含有有機基、Cは加水分解性基、R1は炭素数4〜10の一価炭化水素基、R2は炭素数1〜3の一価炭化水素基であり、上記と同じである。また、0<f<1、0<c<3、0≦d<1、0≦e<2、かつ0<c+d+e+f<4である。)
この場合、A,C,R1,R2の具体例は、上述した通りである。また、c,d,eの好適範囲も上述した通りである。fは、0<f<1であるが、好ましくは0.05≦f≦0.9、より好ましくは0.1≦f≦0.8である。また、c+d+e+fは、好ましくは0<c+d+e+f<3、より好ましくは2≦c+d+e+f≦2.5である。
上記平均組成式(5)で表されるオルガノポリシロキサンの製造方法としては、メルカプト基を有する有機ケイ素化合物とアルキル基を有する有機ケイ素化合物の加水分解縮合によるものが挙げられる。
メルカプト基を有する有機ケイ素化合物として、具体的にはα−メルカプトメチルトリメトキシシラン、α−メルカプトメチルメチルジメトキシシラン、α−メルカプトメチルトリエトキシシラン、α−メルカプトメチルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
また、アルキル基を有する有機ケイ素化合物として、具体的にはメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
また、上記加水分解縮合として、公知の加水分解縮合の方法により上記平均組成式(5)で表されるオルガノポリシロキサンを得ることができる。例えば、有機ケイ素化合物を塩基触媒存在下に加水分解縮合する方法や、酸触媒で加水分解し、次いで系を塩基性とし縮合反応を行う方法がある。
本製造方法Iにおいて必要とされる原料である塩基としては、特に限定されないが、具体的には、ピリジン、トリエチルアミン、N−エチルジイソプロピルアミン、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、ジアザビシクロウンデセンなどのアミン系の塩基やナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキド、カリウムエトキシド、tert−ブトキシカリウムなどの金属系の塩基が挙げられる。
また、原料の有機クロロシラン化合物としては特に限定されないが、具体的には、トリメチルクロロシラン、エチルジメチルクロロシラン、ジエチルメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン、tert−ブチルジフェニルクロロシラン、トリイソプロピルクロロシラン、トリ−n−ブチルクロロシラン、トリイソブチルクロロシラン、クロロジメチルフェニルシラン、ジフェニルメチルクロロシラン、ジメチル−n−オクチルクロロシラン、デシルジメチルクロロシラン、ドデシルジメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン等が挙げられる。これらのクロロシラン類は、液状のクロロシラン類はそのまま用いることができ、またtert−ブチルジメチルクロロシランのように常温で固体のクロロシラン類は、固体のまま用いてもよく、トルエンやテトラヒドロフラン(THF)等の溶媒に溶解して、溶液として用いることもできる。
本製造方法Iでは必要に応じて溶媒を使用してもよい。溶媒としては、原料である上記平均組成式(5)で表されるオルガノポリシロキサンや塩基、有機クロロシラン化合物と非反応性であれば特に限定されないが、具体的にはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒などが挙げられる。
また、本発明のオルガノポリシロキサンを製造するに当り、上記平均組成式(5)のオルガノポリシロキサンと有機クロロシラン化合物との配合比は、反応性、生産性の点から、上記平均組成式(5)のオルガノポリシロキサン中のメルカプト基1モルに対し、有機クロロシラン化合物中のSi−Cl基を0.01〜1.5モル、特に0.4〜1.1モルの範囲で反応させることが望ましい。
また、本発明のオルガノポリシロキサンを製造するに当り、有機クロロシラン化合物と塩基との配合比は、反応性、生産性の点から、有機クロロシラン化合物中のSi−Cl基1モルに対し、塩基を0.1〜1.5モル、特に0.8〜1.1モルの範囲で反応させることが望ましい。
本製造方法Iの反応温度は30℃〜150℃、特に30℃〜120℃の範囲で反応させることが望ましい。反応時間は、30分〜10時間、特に1時間〜5時間の範囲で反応させることが好ましい。
[製造方法II]
二つ目の製造方法は、塩基触媒存在下、上記平均組成式(5)で表されるオルガノポリシロキサンと有機シラザン化合物とを反応させて、本発明のオルガノポリシロキサンを得るものである。
本製造方法IIにおいて必要とされる原料である塩基触媒としては特に限定されないが、具体的には、ピリジン、トリエチルアミン、イミダゾール、4−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン等が挙げられる。
また、原料の有機シラザン化合物としては特に限定されないが、市販されていて入手容易なものとしてはヘキサメチルジシラザン、1,3−ビス(クロロメチル)テトラメチルジシラザン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシラザン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン等が挙げられる。
本製造方法IIでは必要に応じて溶媒を使用してもよい。溶媒としては、原料である上記平均組成式(5)で表されるオルガノポリシロキサンや塩基触媒、有機シラザン化合物と非反応性であれば特に限定されないが、具体的にはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒等が挙げられる。
また、本発明のオルガノポリシロキサンを製造するに当り、上記平均組成式(5)のオルガノポリシロキサンと塩基触媒との配合比は、反応性、生産性の点から、上記平均組成式(5)のオルガノポリシロキサン中のメルカプト基1モルに対し、塩基触媒を0.00001〜0.5モル、特に0.001〜0.1モルの範囲で反応させることが望ましい。
また、本発明のオルガノポリシロキサンを製造するに当り、上記平均組成式(5)のオルガノポリシロキサンと有機シラザン化合物との配合比は、反応性、生産性の点から、上記平均組成式(5)のオルガノポリシロキサン中のメルカプト基1モルに対し、有機シラザン化合物を0.1〜10モル、特に1.5〜4モルの範囲で反応させることが望ましい。
本製造方法IIの反応温度は30℃〜180℃、特に80℃〜150℃の範囲で反応させることが望ましい。反応時間は、1分〜30時間、特に5時間〜15時間の範囲で反応させることが好ましい。
[製造方法III]
三つ目の製造方法は、遷移金属触媒又はルイス酸触媒存在下、上記平均組成式(5)で表されるオルガノポリシロキサンと1個以上のSi−H基を有する有機ケイ素化合物とを反応させて、本発明のオルガノポリシロキサンを得るものである。本製造方法は副生成物が水素であり、濾過物を伴わないため生産性が非常に高い製造方法である。
本製造方法IIIにおいて必要とされる原料のSi−H基を有するケイ素化合物としては特に限定されないが、具体的には、トリメチルシラン、エチルジメチルシラン、ジエチルメチルシラン、トリエチルシラン、tert−ブチルジメチルシラン、tert−ブチルジフェニルシラン、トリイソプロピルシラン、トリ−n−ブチルシラン、トリイソブチルシラン、ジメチルフェニルシラン、ジフェニルメチルシラン、ジメチル−n−オクチルシラン、デシルジメチルシラン、ドデシルジメチルシラン、ジメチルビニルシラン、トリフェニルシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリブトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルブトキシシラン、ジメチルオクトキシシラン、ジメチルドデコキシシラン等が挙げられる。
また、本発明の有機ケイ素化合物製造時に必要とされる触媒としては、遷移金属触媒やルイス酸触媒が挙げられる。
遷移金属触媒としては、ルテニウム触媒、ロジウム触媒、パラジウム触媒、イリジウム触媒、白金触媒、金触媒等が挙げられ、特にロジウム触媒が好ましく、更にはRhCl(PPh33触媒が好ましい。
また、ルイス酸触媒としては、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化第二スズ、硫酸塩化第二スズ、塩化第二鉄、三フッ化ホウ素、ペンタフルオロフェニルホウ素等が挙げられ、特にペンタフルオロフェニルホウ素が好ましい。
本製造方法IIIでは必要に応じて溶媒を使用してもよい。溶媒としては、原料である上記平均組成式(5)で表されるオルガノポリシロキサンや触媒、Si−H基を有する有機ケイ素化合物と非反応性であれば特に限定されないが、具体的にはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒等が挙げられる。
本発明のオルガノポリシロキサンを製造するに当り、上記平均組成式(5)のオルガノポリシロキサンと触媒との配合比は、反応性、生産性の点から、上記平均組成式(5)のオルガノポリシロキサン中のメルカプト基1モルに対し、触媒を0.000001〜0.1モル、特に0.000001〜0.01モルの範囲で反応させることが望ましい。
また、本発明のオルガノポリシロキサンを製造するに当り、上記平均組成式(5)のオルガノポリシロキサンとSi−H基を有する有機ケイ素化合物との配合比は、反応性、生産性の点から、上記平均組成式(5)のオルガノポリシロキサン中のメルカプト基1モルに対し、有機ケイ素化合物中のSi−H基を0.01〜1.5モル、特に0.4〜1.1モルの範囲で反応させることが望ましい。
本製造方法IIIの反応温度は30℃〜150℃、特に60℃〜120℃の範囲で反応させることが望ましい。反応時間は、30分〜10時間、特に1時間〜5時間の範囲で反応させることが好ましい。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、平均重合度(又は平均分子量)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ分析(GPC)(溶媒:トルエン)におけるポリスチレン換算の重量平均重合度(又は重量平均分子量)である。
[製造法1(オルガノポリシロキサン原料の合成例)]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた3Lセパラブルフラスコに、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製 KBE−803)238.4g(1.0mol)、オクチルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製 KBE−3083)553.0g(2.0mol)、エタノール1,413gを納めた後、攪拌しながら室温で0.5N−HCl水溶液41.5g(水 2.3mol)を滴下した。80℃で2時間攪拌した後、5質量%KOH/EtOH溶液20.0gを滴下し、80℃で2時間攪拌した。その後、減圧留去、濾過することにより無色透明液体を652.5g得た。得られたオルガノポリシロキサンをGPCにより測定した結果、平均分子量は770であり、平均重合度は4.0(設定重合度4.0)であった。また、酢酸/ヨウ化カリウム/ヨウ素酸カリウム添加−チオ硫酸ナトリウム溶液滴定法によりメルカプト当量を測定した結果、630g/molであり、設定通りのメルカプト基含有量であることが確認された。以上より、得られたオルガノポリシロキサン原料(シリコーンオリゴマー)は下記平均組成式(6)で示される。
(−C36−SH)0.33(−OC251.50(−C8170.67SiO0.75 (6)
得られたシリコーンオリゴマーをシリコーンオリゴマー1とする。
[実施例1]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた3Lセパラブルフラスコに、シリコーンオリゴマー1を630g、THF600g、イミダゾール68.1g(1mol)を納めた後、室温にてジメチルフェニルクロロシラン(信越化学工業株式会社製 LS−2000)154.6g(1mol)を滴下した。更に、室温にて5時間攪拌した。その後、濾過、ロータリーエバポレーターにて減圧濃縮、濾過することで無色透明液体730.1gを得た。得られたオルガノポリシロキサンは下記平均組成式(7)で示される。また、得られたオルガノポリシロキサンをGPCにより測定した結果、平均分子量は950であり、ほぼ設定通りの分子量であることが確認された。得られたオリゴマーをオリゴマー2とする。
(−C36−SSiPhMe20.33(−OC251.50(−C8170.67SiO0.75 (7)
[実施例2]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた3Lセパラブルフラスコに、シリコーンオリゴマー1を630g、THF600g、イミダゾール34.1g(0.5mol)を納めた後、室温にてジメチルフェニルクロロシラン(信越化学工業株式会社製 LS−2000)77.3g(0.5mol)を滴下した。更に、室温にて5時間攪拌した。その後、濾過、ロータリーエバポレーターにて減圧濃縮、濾過することで無色透明液体682.7gを得た。得られたオルガノポリシロキサンは下記平均組成式(8)で示される。また、得られたオルガノポリシロキサンをGPCにより測定した結果、平均分子量は860であり、ほぼ設定通りの分子量であることが確認された。得られたオリゴマーをオリゴマー3とする。
(−C36−SH)0.17(−C36−SSiPhMe20.17(−OC251.50(−C8170.67SiO0.75 (8)
[実施例3]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた3Lセパラブルフラスコに、シリコーンオリゴマー1を630g、THF600g、イミダゾール34.1g(0.5mol)を納めた後、室温にてジフェニルジクロロシラン(信越化学工業株式会社製 LS−4270)63.3g(0.25mol)を滴下した。更に、室温にて5時間攪拌した。その後、濾過、ロータリーエバポレーターにて減圧濃縮、濾過することで無色透明液体664.1gを得た。得られたオルガノポリシロキサンは下記平均組成式(9)で示される。また、得られたオルガノポリシロキサンをGPCにより測定した結果、平均分子量は840であり、ほぼ設定通りの分子量であることが確認された。得られたオリゴマーをオリゴマー4とする。
(−C36−SH)0.17(−C36−SSiPh2S−C36−)0.083(−OC251.50(−C8170.67SiO0.75 (9)
[実施例4]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた3Lセパラブルフラスコに、シリコーンオリゴマー1を630g、イミダゾール3.4g(0.05mol)を納めた後、室温にてヘキサメチルジシラザン(信越化学工業株式会社製 SZ−31)807.0g(5mol)を滴下した。更に、130℃にて10時間攪拌した。その後、ロータリーエバポレーターにて減圧濃縮、濾過することで無色透明液体695.7gを得た。得られたオルガノポリシロキサンは下記平均組成式(10)で示される。また、得られたオルガノポリシロキサンをGPCにより測定した結果、平均分子量は830であり、ほぼ設定通りの分子量であることが確認された。得られたオリゴマーをオリゴマー5とする。
(−C36−SSiMe30.33(−OC251.50(−C8170.67SiO0.75 (10)
[実施例5]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた3Lセパラブルフラスコに、シリコーンオリゴマー1を630g、RhCl(PPh330.035g(0.000038mol)を納めた後、90℃にてトリエチルシラン(信越化学工業株式会社製 LS−1320)58.1g(0.5mol)を滴下した。更に、90℃にて5時間攪拌した。その後、ロータリーエバポレーターにて減圧濃縮、濾過することで黄色透明液体680.7gを得た。得られたオルガノポリシロキサンは下記平均組成式(11)で示される。また、得られたオルガノポリシロキサンをGPCにより測定した結果、平均分子量は850であり、ほぼ設定通りの分子量であることが確認された。得られたオリゴマーをオリゴマー6とする。
(−C36−SH)0.17(−C36−SSiEt30.17(−OC251.50(−C8170.67SiO0.75 (11)
[実施例6]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた3Lセパラブルフラスコに、シリコーンオリゴマー1を630g、RhCl(PPh330.035g(0.000038mol)を納めた後、90℃にてトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製 KBE−03)82.2g(0.5mol)を滴下した。更に、90℃にて5時間攪拌した。その後、ロータリーエバポレーターにて減圧濃縮、濾過することで黄色透明液体704.9gを得た。得られたオルガノポリシロキサンは下記平均組成式(12)で示される。また、得られたオルガノポリシロキサンをGPCにより測定した結果、平均分子量は880であり、ほぼ設定通りの分子量であることが確認された。得られたオリゴマーをオリゴマー7とする。
(−C36−SH)0.17(−C36−SSi(OEt)30.17(−OC251.50(−C8170.67SiO0.75 (12)
[比較例1]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2Lセパラブルフラスコにγ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業製 KBE−803)572.4g(2.4mol)、エタノール162.0gを納めた後、室温にて0.5N塩酸水32.4g(水 1.8mol)とエタノール75.6gの混合溶液を滴下した。更に、80℃にて2時間攪拌した。その後、濾過、5質量%KOH/EtOH溶液15.7gを滴下し80℃で2時間攪拌した。その後、減圧濃縮、濾過することで無色透明液体420.1gを得た。得られたシリコーンオリゴマーをGPCにより測定した結果、平均分子量は750であり、下記平均組成式(13)で示される。得られたオリゴマーをオリゴマー8とする。
(−C36−SH)1.0(C25O)1.50SiO0.75 (13)
[実施例7〜12、比較例2]
下記に示す表1の配合で実施例1〜6、比較例1で得られたオリゴマーを含有する樹脂組成物を作製した。用いたフェノール樹脂、エポキシ樹脂、硬化促進剤を以下に示す。
フェノール樹脂:TD−2131(DIC(株)製)
エポキシ樹脂:YD−128(東都化成(株)製)
硬化促進剤:トリフェニルホスフィン
次に、アルミナ製セラミック基板を樹脂組成物中に浸漬し、基板を50mm/minの一定速度で引き上げ、120℃×1h+150℃×2hの条件で硬化させた。
得られた塗膜の密着性と組成物の室温(15〜23℃)での保存安定性は以下のように評価した。
(1)密着性:碁盤目剥離試験/JIS K 5400に準拠
(2)保存安定性:
○:1ヶ月後ゲル化せず
△:1ヶ月後ゲル化
×:1週間後ゲル化
以上の結果を表1に示す。
Figure 2014101458
いずれの場合においても本実施例が保存安定性及び密着性に優れており、本発明のオルガノポリシロキサンの効果を確認することができた。
なお、これまで本発明を実施形態をもって説明してきたが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。

Claims (13)

  1. 下記平均組成式(1)で表され、少なくともS−Si結合を有する有機基及び加水分解性基を含有するオルガノポリシロキサン。
    (A)a(B)b(C)c(R1d(R2eSiO(4-a-b-c-d-e)/2 (1)
    (式中、Aはメルカプト基含有有機基、BはS−Si結合を有する有機基、Cは加水分解性基、R1は炭素数4〜10の一価炭化水素基、R2は炭素数1〜3の一価炭化水素基であり、0≦a<1、0<b<1、0<c<3、0≦d<1、0≦e<2、かつ0<a+b+c+d+e<4である。)
  2. 上記メルカプト基含有有機基が下記式(2)
    −(CH2n−SH (2)
    (式中、nは1〜10の整数である。)
    で表され、上記S−Si結合を有する有機基が下記式(3)
    −[(CH2m−S−]pSi(R34-p (3)
    (式中、mは1〜10の整数、pは1〜4の整数、R3はそれぞれ独立に水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6〜10のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2〜10のアルケニル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1〜20のアルコキシ基である。)
    で表され、上記加水分解性基は下記式(4)
    −OR4 (4)
    (式中、R4は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、又は炭素数2〜10のアルケニル基である。)
    で表される請求項1記載のオルガノポリシロキサン。
  3. 上記平均組成式(1)において、0<d<1である請求項1又は2記載のオルガノポリシロキサン。
  4. 塩基存在下、下記平均組成式(5)で表されるオルガノポリシロキサンと、有機クロロシラン化合物とを反応させて、請求項1〜3のいずれか1項記載のオルガノポリシロキサンを得ることを特徴とするオルガノポリシロキサンの製造方法。
    (A)f(C)c(R1d(R2eSiO(4-c-d-e-f)/2 (5)
    (式中、Aはメルカプト基含有有機基、Cは加水分解性基、R1は炭素数4〜10の一価炭化水素基、R2は炭素数1〜3の一価炭化水素基であり、0<f<1、0<c<3、0≦d<1、0≦e<2、かつ0<c+d+e+f<4である。)
  5. 上記有機クロロシラン化合物が、トリメチルクロロシラン、エチルジメチルクロロシラン、ジエチルメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン、tert−ブチルジフェニルクロロシラン、トリイソプロピルクロロシラン、トリ−n−ブチルクロロシラン、トリイソブチルクロロシラン、クロロジメチルフェニルシラン、ジフェニルメチルクロロシラン、ジメチル−n−オクチルクロロシラン、デシルジメチルクロロシラン、ドデシルジメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、又はトリフェニルクロロシランである請求項4記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
  6. 塩基触媒存在下、下記平均組成式(5)で表されるオルガノポリシロキサンと有機シラザン化合物とを反応させて、請求項1〜3のいずれか1項記載のオルガノポリシロキサンを得ることを特徴とするオルガノポリシロキサンの製造方法。
    (A)f(C)c(R1d(R2eSiO(4-c-d-e-f)/2 (5)
    (式中、Aはメルカプト基含有有機基、Cは加水分解性基、R1は炭素数4〜10の一価炭化水素基、R2は炭素数1〜3の一価炭化水素基であり、0<f<1、0<c<3、0≦d<1、0≦e<2、かつ0<c+d+e+f<4である。)
  7. 上記有機シラザン化合物が、ヘキサメチルジシラザン、1,3−ビス(クロロメチル)テトラメチルジシラザン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシラザン、又は1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザンである請求項6記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
  8. 遷移金属触媒又はルイス酸触媒存在下、下記平均組成式(5)で表されるオルガノポリシロキサンと1個以上のSi−H基を有する有機ケイ素化合物とを反応させて、請求項1〜3のいずれか1項記載のオルガノポリシロキサンを得ることを特徴とするオルガノポリシロキサンの製造方法。
    (A)f(C)c(R1d(R2eSiO(4-c-d-e-f)/2 (5)
    (式中、Aはメルカプト基含有有機基、Cは加水分解性基、R1は炭素数4〜10の一価炭化水素基、R2は炭素数1〜3の一価炭化水素基であり、0<f<1、0<c<3、0≦d<1、0≦e<2、かつ0<c+d+e+f<4である。)
  9. 上記1個以上のSi−H基を有する有機ケイ素化合物が、トリメチルシラン、エチルジメチルシラン、ジエチルメチルシラン、トリエチルシラン、tert−ブチルジメチルシラン、tert−ブチルジフェニルシラン、トリイソプロピルシラン、トリ−n−ブチルシラン、トリイソブチルシラン、ジメチルフェニルシラン、ジフェニルメチルシラン、ジメチル−n−オクチルシラン、デシルジメチルシラン、ドデシルジメチルシラン、ジメチルビニルシラン、トリフェニルシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリブトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルブトキシシラン、ジメチルオクトキシシラン、又はジメチルドデコキシシランである請求項8記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
  10. 上記遷移金属触媒の中心金属がルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金又は金である請求項8又は9記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
  11. 上記遷移金属触媒がRhCl(PPh33触媒(Phはフェニル基である。)である請求項10記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
  12. 上記ルイス酸触媒がペンタフルオロフェニルホウ素である請求項8又は9記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
  13. 上記メルカプト基含有有機基が下記式(2)
    −(CH2n−SH (2)
    (式中、nは1〜10の整数である。)
    で表され、上記加水分解性基は下記式(4)
    −OR4 (4)
    (式中、R4は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、又は炭素数2〜10のアルケニル基である。)
    で表される請求項4〜12のいずれか1項記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
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