JP2013241207A - ブロー成形壜体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は高温充填向け用途に使用可能なダイレクトブロー成形による壜体、すなわち耐熱ブローボトルを提供することを技術的な課題とするものである。
【解決手段】 筒状の胴部の上端に下方に向けて拡径するテーパー筒状の肩部を介して口筒部を起立設したダイレクトブロー成形方法による壜体において、肩部の上端部から胴部の下端部にかけては、周方向に並列する複数のパネル壁からなる平断面形状が多角形の筒状とし、各パネル壁は、肩部では壜体の中心軸に対して螺旋状に傾斜し、胴部では中心軸に沿って縦方向に延設される構成とし、胴部の下端部に底部に連結する短円筒部を配設し、この短円筒部に周溝リブを配設し、この周溝リブの溝深さを短円筒部の直径の4%以上、より好ましくは4.3%〜6%の範囲とする。
【選択図】図1
【解決手段】 筒状の胴部の上端に下方に向けて拡径するテーパー筒状の肩部を介して口筒部を起立設したダイレクトブロー成形方法による壜体において、肩部の上端部から胴部の下端部にかけては、周方向に並列する複数のパネル壁からなる平断面形状が多角形の筒状とし、各パネル壁は、肩部では壜体の中心軸に対して螺旋状に傾斜し、胴部では中心軸に沿って縦方向に延設される構成とし、胴部の下端部に底部に連結する短円筒部を配設し、この短円筒部に周溝リブを配設し、この周溝リブの溝深さを短円筒部の直径の4%以上、より好ましくは4.3%〜6%の範囲とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、ダイレクトブロー成形による合成樹脂製壜体に関するものである。
ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する。)樹脂製の2軸延伸ブロー成形による壜体、所謂、ペットボトルは、飲料用、食品用、化粧料等のさまざまな分野に使用されており、優れた透明性を有し、高強度、高剛性で、耐熱性そして高いガスバリア性を有する。
また、殺菌を必要とするたとえば果汁飲料やお茶等の用途では、80〜90℃程度の高い温度で内容液を壜体に充填する、所謂、高温充填と呼ばれる方法が採用されているが、このような高温充填を要する用途でも、多くの場合ペットボトルが使用されている。
ここで、高温充填では、高温の内容液を壜体に充填し、その後キャップにより密封するため、内容液が冷却すると壜体内がかなりの減圧状態となる。
このため、壜体の胴部に減圧吸収パネルを形成し、減圧に伴う壜体の減容変形を、壜体が歪に変形した感じを与えることなく、目立たないように吸収(緩和)する機能、所謂、減圧吸収機能を発揮するようにした、所謂、耐熱ボトルが用いられている。
たとえば、特許文献1にはペットボトルの胴部に中心軸に対して軸対称に、6ケの縦長の減圧吸収パネルを陥没形成した丸形壜体に係る発明が記載されている。
ここで、高温充填では、高温の内容液を壜体に充填し、その後キャップにより密封するため、内容液が冷却すると壜体内がかなりの減圧状態となる。
このため、壜体の胴部に減圧吸収パネルを形成し、減圧に伴う壜体の減容変形を、壜体が歪に変形した感じを与えることなく、目立たないように吸収(緩和)する機能、所謂、減圧吸収機能を発揮するようにした、所謂、耐熱ボトルが用いられている。
たとえば、特許文献1にはペットボトルの胴部に中心軸に対して軸対称に、6ケの縦長の減圧吸収パネルを陥没形成した丸形壜体に係る発明が記載されている。
また、酸素による酸化等の内容物の品質の低下が懸念され、PET樹脂単層のペットボトルではバリア性が不十分な用途では、さらに高いガスバリアを付与するため、たとえば特許文献2に記載されているように、主材樹脂であるPET樹脂に中間層としてナイロン系樹脂やエチレンビニルアルコール共重合(EVOH)樹脂等のガスバリア性樹脂を積層したペットボトルが用いられている。
図14はナイロン樹脂製の中間層を積層したペットボトルの前駆体である射出成形による試験管状のプリフォームの一例を示すものであり、このプリフォーム501は口筒部502、円筒状の胴部505、そして底部506を有し、口筒部502の上部と底部506の下端部を除く高さ領域で、PET樹脂製の外層511と内層512の間にガスバリア性樹脂であるナイロン樹脂製の中間層513を積層したものである。
図14はナイロン樹脂製の中間層を積層したペットボトルの前駆体である射出成形による試験管状のプリフォームの一例を示すものであり、このプリフォーム501は口筒部502、円筒状の胴部505、そして底部506を有し、口筒部502の上部と底部506の下端部を除く高さ領域で、PET樹脂製の外層511と内層512の間にガスバリア性樹脂であるナイロン樹脂製の中間層513を積層したものである。
ここで、図14に示すような射出成形によるプリフォームでは、射出成形の成形性、生産性、あるいは壜体の口筒部や底部の変形に係る制約等から図14に示す口筒部502や底部506に中間層513が積層しない領域が見られるように、壜体の周壁全体に中間層を積層することが一般的に難しいと云う問題、また、外層や内層と中間層の間に接着層を積層することが難しく両層が剥離すると云う問題もある。
一方、ペットボトルは上記のように優れた性能を有するため、特に高温充填を要する製品向けには、押出成形した溶融状態の円筒状のパリソンの端部をピンチオフし、ブローエアを吹込んで壜体を成形する、所謂、ダイレクトブロー成形による壜体は使用されていないのが現状であるが、
ダイレクトブロー成形によれば、壜体の周壁全体に中間層を積層することは比較的容易で、
また、外層や内層と中間層の間に接着層を積層することも比較的容易であり、また2軸延伸ブロー成形では使用可能な樹脂が、PET樹脂等のポリエステル系樹脂やポリプロピレン樹脂に限定されるのに対して、ダイレクトブロー成形では、これら以外にも多数の合成樹脂について、成形することが可能でもあり、
従来のペットボトル系の壜体ではカバーできないバリア性、保香性、遮光性等の性能を要する用途での使用が見込まれる。
ダイレクトブロー成形によれば、壜体の周壁全体に中間層を積層することは比較的容易で、
また、外層や内層と中間層の間に接着層を積層することも比較的容易であり、また2軸延伸ブロー成形では使用可能な樹脂が、PET樹脂等のポリエステル系樹脂やポリプロピレン樹脂に限定されるのに対して、ダイレクトブロー成形では、これら以外にも多数の合成樹脂について、成形することが可能でもあり、
従来のペットボトル系の壜体ではカバーできないバリア性、保香性、遮光性等の性能を要する用途での使用が見込まれる。
そこで、本発明は高温充填向け用途に使用可能なダイレクトブロー成形による壜体、すなわち耐熱ブローボトルを提供することを技術的な課題とするものである。
上記課題を解決するための手段の中、本発明の主たる構成は、
筒状の胴部の上端に上方に向けて縮径するテーパー筒状の肩部を介して口筒部を起立設したダイレクトブロー成形方法による壜体において、
肩部の上端部から胴部の下端部にかけては、周方向に並列する複数のパネル壁からなる平断面形状が多角形の筒状とし、
各パネル壁は、肩部では壜体の中心軸に対して螺旋状に傾斜し、胴部では中心軸に沿って縦方向に延設される構成とし、
胴部の下端部に底部に連結する短円筒部を配設し、この短円筒部に周溝リブを配設し、この周溝リブの溝深さを短円筒部の直径の4%以上とする、と云うものである。
筒状の胴部の上端に上方に向けて縮径するテーパー筒状の肩部を介して口筒部を起立設したダイレクトブロー成形方法による壜体において、
肩部の上端部から胴部の下端部にかけては、周方向に並列する複数のパネル壁からなる平断面形状が多角形の筒状とし、
各パネル壁は、肩部では壜体の中心軸に対して螺旋状に傾斜し、胴部では中心軸に沿って縦方向に延設される構成とし、
胴部の下端部に底部に連結する短円筒部を配設し、この短円筒部に周溝リブを配設し、この周溝リブの溝深さを短円筒部の直径の4%以上とする、と云うものである。
上記構成によれば、肩部の上端から胴部の下端部にかけての範囲では、周方向に隣接するパネル壁の境界に、複数、すなわち並列するパネル壁の数の稜線が周方向に並列状に延設される。
そして、高温充填後の内容液の冷却により壜体の内部が減圧状態となった際には、複数の稜線で壜体としての多角形筒状の基本的な形状を保持しながら、
平断面形状でみると左右に位置する稜線を基端部として、各パネル壁が壜体の内側方向に陥没、湾曲状に変形し減圧吸収機能が発揮される。
そして、パネル壁は壜体の略全高さに亘って側周壁を形成するものであり、謂わば、減圧吸収機能が壜体の側周壁全体に亘って発揮され、特別に減圧吸収パネルを付設することなく減圧吸収機能を発揮させることができる。
そして、高温充填後の内容液の冷却により壜体の内部が減圧状態となった際には、複数の稜線で壜体としての多角形筒状の基本的な形状を保持しながら、
平断面形状でみると左右に位置する稜線を基端部として、各パネル壁が壜体の内側方向に陥没、湾曲状に変形し減圧吸収機能が発揮される。
そして、パネル壁は壜体の略全高さに亘って側周壁を形成するものであり、謂わば、減圧吸収機能が壜体の側周壁全体に亘って発揮され、特別に減圧吸収パネルを付設することなく減圧吸収機能を発揮させることができる。
ここで、上記のような多角形筒状の側周壁を有する壜体では、
減圧度が上昇して各パネル壁の陥没状の変形が進行すると、特に胴部の側周壁の多角形筒状の基本的な形状を保持する、稜線の一部で座屈変形が発生したり、平断面形状が多角形から偏平状に変形したりするため壜体が歪に変形して減圧吸収機能を十分に発揮させることが容易ではないが、
上記構成の中の、胴部の下端部に底部に連結する短円筒部を配設し、この短円筒部に周溝リブを配設すると云う構成は胴部の下端部で側周壁の平断面形状をしっかりと円形に保持し、上記のような胴部における、複数の稜線による多角形筒状の基本的な形状の崩れを抑制するためのものである。
そして、周溝リブの溝深さを短円筒部の直径の4%以上とすることにより、80〜90℃程度の高温充填での減圧度を考慮すると、減圧吸収機能が実用上十分に発揮される。
減圧度が上昇して各パネル壁の陥没状の変形が進行すると、特に胴部の側周壁の多角形筒状の基本的な形状を保持する、稜線の一部で座屈変形が発生したり、平断面形状が多角形から偏平状に変形したりするため壜体が歪に変形して減圧吸収機能を十分に発揮させることが容易ではないが、
上記構成の中の、胴部の下端部に底部に連結する短円筒部を配設し、この短円筒部に周溝リブを配設すると云う構成は胴部の下端部で側周壁の平断面形状をしっかりと円形に保持し、上記のような胴部における、複数の稜線による多角形筒状の基本的な形状の崩れを抑制するためのものである。
そして、周溝リブの溝深さを短円筒部の直径の4%以上とすることにより、80〜90℃程度の高温充填での減圧度を考慮すると、減圧吸収機能が実用上十分に発揮される。
そして、胴部の上端部における歪な変形は肩部によって抑制されるので、この肩部と上記した短円筒部による抑制効果が相俟って、胴部における歪な変形を効果的に抑制することがき、減圧吸収機能を十分に発揮させることが可能となる。
なお、周溝リブの溝深さを深くしすぎると、壜体の縦方向の座屈強度が小さくなる、ブロー成形性が悪くなる等の不都合があり、周溝リブの溝深さの短円筒部の直径に対する割合(以下、「周溝リブの溝深さの割合」と記載する。)の上限は、座屈強度の低下やブロー成形性を考慮して適宜決めることができるものである。
なお、周溝リブの溝深さを深くしすぎると、壜体の縦方向の座屈強度が小さくなる、ブロー成形性が悪くなる等の不都合があり、周溝リブの溝深さの短円筒部の直径に対する割合(以下、「周溝リブの溝深さの割合」と記載する。)の上限は、座屈強度の低下やブロー成形性を考慮して適宜決めることができるものである。
また、上記構成で各パネル壁について、肩部では壜体の中心軸に対して螺旋状に傾斜する構成とすることにより、外観デザインの点でスマートな印象を与えることができると共に、壜体の軸方向に直角な、横方向の剛性と強度を高めることができ、壜体の搬送ラインにおける最大径となっている肩部下端近傍での面剛性の不足に起因するトラブルや壜体を箱詰め積層し運搬する際の変形を抑制することができる。
本発明の他の構成は、上記主たる構成において、肩部(3)の上端部から胴部(4)の下端部にかけては、周方向に並列する6ケのパネル壁(11)から側周壁を形成して成る平断面形状が正6角形の筒状とする、と云うものである。
上記構成の周方向に並列する6ケのパネル壁から側周壁を形成し、平断面形状を正6角形の筒状とすると云う構成は、多角形筒状の壜体の中で標準的な形状を有するものであるが、
上記構成によれば、肩部の上端から胴部の下端部にかけての範囲では、周方向に隣接するパネル壁の境界に、6ケの稜線が周方向に並列状に延設される。
そして、高温充填後の内容液の冷却により壜体の内部が減圧状態となった際には、6ケの稜線で壜体としての正6角形筒状の基本的な形状を保持しながら、平断面形状でみると左右に位置する稜線を基端部として、各パネル壁が壜体の内側方向に陥没、湾曲状に変形し減圧吸収機能が発揮される。
上記構成によれば、肩部の上端から胴部の下端部にかけての範囲では、周方向に隣接するパネル壁の境界に、6ケの稜線が周方向に並列状に延設される。
そして、高温充填後の内容液の冷却により壜体の内部が減圧状態となった際には、6ケの稜線で壜体としての正6角形筒状の基本的な形状を保持しながら、平断面形状でみると左右に位置する稜線を基端部として、各パネル壁が壜体の内側方向に陥没、湾曲状に変形し減圧吸収機能が発揮される。
ここで、上記のような6角形筒状の側周壁を有する壜体では、
減圧度が上昇して各パネル壁の陥没状の変形が進行すると、特に胴部の側周壁の正6角形筒状の基本的な形状を保持する、稜線の一部で座屈変形が発生したり、平断面形状が6角形から3角形状に変形したりするため壜体が歪に変形して減圧吸収機能を十分に発揮させることが容易ではないが、
胴部の下端部に底部に連結する短円筒部を配設し、この短円筒部に周溝リブを配設すると云う構成により、胴部の下端部で側周壁の平断面形状をしっかりと円形に保持し、上記のような胴部における、6ケの稜線による正6角形筒状の基本的な形状の崩れが抑制される。
減圧度が上昇して各パネル壁の陥没状の変形が進行すると、特に胴部の側周壁の正6角形筒状の基本的な形状を保持する、稜線の一部で座屈変形が発生したり、平断面形状が6角形から3角形状に変形したりするため壜体が歪に変形して減圧吸収機能を十分に発揮させることが容易ではないが、
胴部の下端部に底部に連結する短円筒部を配設し、この短円筒部に周溝リブを配設すると云う構成により、胴部の下端部で側周壁の平断面形状をしっかりと円形に保持し、上記のような胴部における、6ケの稜線による正6角形筒状の基本的な形状の崩れが抑制される。
本発明のさらに他の構成は、上記主たる構成において、周溝リブの溝深さを短円筒部の直径の4.3%〜6%の範囲とする、と云うものである。
300ml未満の小型の壜体を考慮すると、限られた面積のパネル壁により大きな減圧吸収機能を発揮させるため、周溝リブの溝深さを短円筒部の直径の4.3%以上とすることが好ましい。
また、周溝リブの溝深さの割合を大きくすると歪な変形の発生を抑制して減圧吸収機能を向上させることができるが、この割合が6%を超えるとその向上効果が飽和するため、壜体の縦方向の座屈強度の低下や、ブロー成形性を考慮して、溝深さの割合は6%以下とすることが好ましい。
また、周溝リブの溝深さの割合を大きくすると歪な変形の発生を抑制して減圧吸収機能を向上させることができるが、この割合が6%を超えるとその向上効果が飽和するため、壜体の縦方向の座屈強度の低下や、ブロー成形性を考慮して、溝深さの割合は6%以下とすることが好ましい。
本発明のさらに他の構成は、上記主たる構成において、胴部の上端部及び下端部から中央高さ位置に向けて緩やかに縮径し、中央高さ位置に括れ部を形成すること、にある。
上記構成によれば、壜体に内容液を高温で加圧充填する際にも、括れ部で胴部の膨出状の変形を効果的に抑制することができ、ボトルが、所謂、ビア樽状になることを防ぐことができる。
また減圧時における減容変形をこの括れ部を起点として上下にスムースに進行させることもできる。
また減圧時における減容変形をこの括れ部を起点として上下にスムースに進行させることもできる。
本発明のさらに他の構成は、上記主たる構成において、
口筒部から底部に亘る全周壁において外側から内側に向けて、ポリエチレン(PE)樹脂層/接着層/エチレンビニルアルコール(EVOH)共重合樹脂層/接着層/ポリプロピレン(PP)樹脂層、から成る積層構造を有するものとする、と云うものである。
口筒部から底部に亘る全周壁において外側から内側に向けて、ポリエチレン(PE)樹脂層/接着層/エチレンビニルアルコール(EVOH)共重合樹脂層/接着層/ポリプロピレン(PP)樹脂層、から成る積層構造を有するものとする、と云うものである。
ダイレクトブロー成形では、共押出成形により複数の層を積層した多層パリソンをブロー成形することにより、複数の層を壜体の口筒部から底部に亘る全周壁に亘って積層した壜体を成形することが比較的容易であり、ガスバリア性、保香性、遮光性等の機能を壜体全体で発揮させることができる。
上記構成はこのようなダイレクトブロー成形による壜体の具体例に係るものであり、口筒部から底部に亘る全周壁において、外層を形成するPE樹脂層と内層を形成するPP樹脂層の間に接着層を介して中間層として酸素ガスバリア性に優れたEVOH樹脂層を積層することにより、壜体の全領域に亘って層間剥離のない状態でEVOH樹脂層によるガスバリア性を十分に発揮させることができ、内容物の酸化による品質の低下を長期間安定して抑制することができる。
上記構成はこのようなダイレクトブロー成形による壜体の具体例に係るものであり、口筒部から底部に亘る全周壁において、外層を形成するPE樹脂層と内層を形成するPP樹脂層の間に接着層を介して中間層として酸素ガスバリア性に優れたEVOH樹脂層を積層することにより、壜体の全領域に亘って層間剥離のない状態でEVOH樹脂層によるガスバリア性を十分に発揮させることができ、内容物の酸化による品質の低下を長期間安定して抑制することができる。
ここで、接着層としては、PE系樹脂あるいはPP系樹脂等のポリオレフィン樹脂に極性基を導入した樹脂(市販品としては三井化学社製の「アドマー」等がある。)の使用が好ましい。
また、必要に応じて再生材層等の他の層を加えて積層することもできる。
また、必要に応じて再生材層等の他の層を加えて積層することもできる。
本発明のブロー成形壜体は上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。すなわち、本発明の主たる構成を有するものにあっては、
高温充填後の内容液の冷却により壜体の内部が減圧状態となった際には、複数の稜線で壜体としての多角形筒状の基本的な形状を保持しながら、平断面形状でみると左右に位置する稜線を基端部として、壜体の略全高さに亘って側周壁を形成する複数のパネル壁のそれぞれが壜体の内側方向に陥没、湾曲状に変形し、謂わば、減圧吸収機能が壜体の側周壁全体に亘って発揮され、特別に減圧吸収パネルを付設することなく減圧吸収機能を発揮させることができる。
高温充填後の内容液の冷却により壜体の内部が減圧状態となった際には、複数の稜線で壜体としての多角形筒状の基本的な形状を保持しながら、平断面形状でみると左右に位置する稜線を基端部として、壜体の略全高さに亘って側周壁を形成する複数のパネル壁のそれぞれが壜体の内側方向に陥没、湾曲状に変形し、謂わば、減圧吸収機能が壜体の側周壁全体に亘って発揮され、特別に減圧吸収パネルを付設することなく減圧吸収機能を発揮させることができる。
そして、胴部の下端部に底部に連結する短円筒部を配設し、この短円筒部に周溝リブを配設し、この周溝リブの溝深さを短円筒部の直径の4%以上、より好ましくは4.3%〜6%の範囲とすることにより、縦方向の座屈強度の低下を抑制しながら、またブロー成形性を損なわない範囲で、高温充填に必要な減圧吸収機能を十分に発揮させることができる。
以下、本発明の実施の形態を実施例に沿って図面を参照しながら説明する。
図1〜6は本発明のブロー成形壜体の一実施例を示すものであり、図1(a)は正面図、図1(b)は積層構造を示す断面図、図2は側面図、図3は平面図、図4(a)は図1中のA−A線、(b)はB−B線、(c)はC−C線に沿った平断面図、図5は底面図、図6は周溝リブ近傍を拡大して示す縦断面図である。
なお、図1中では口筒部2と肩部3の境界を位置P1、肩部3と胴部4の境界を位置P2、括れ部4aを位置P3、胴部4と底部5の境界を位置P4で示している。
図1〜6は本発明のブロー成形壜体の一実施例を示すものであり、図1(a)は正面図、図1(b)は積層構造を示す断面図、図2は側面図、図3は平面図、図4(a)は図1中のA−A線、(b)はB−B線、(c)はC−C線に沿った平断面図、図5は底面図、図6は周溝リブ近傍を拡大して示す縦断面図である。
なお、図1中では口筒部2と肩部3の境界を位置P1、肩部3と胴部4の境界を位置P2、括れ部4aを位置P3、胴部4と底部5の境界を位置P4で示している。
この壜体1はダイレクトブロー成形品であり、口筒部2、上方に向かって縮径する(下方に向かって拡径する)テーパー筒状の肩部3、胴部4、底部5を有し、全高さが219mm、胴部4の最大径が69mm、通称容量が470mlの壜体で、重量は33g、胴部4の平均肉厚は0.73mmである。
また、図5に示されるように底部5の底面13にダイレクトブロー成形時、パリソンの下端部をピンチオフした際に形成されるピンチオフ部14が形成されている。
また、図5に示されるように底部5の底面13にダイレクトブロー成形時、パリソンの下端部をピンチオフした際に形成されるピンチオフ部14が形成されている。
また、この壜体1は図1(b)に示されるように口筒部2から底部5の底面13壁を含む全周壁において、外側から内側向けて、(外層)HDPE樹脂層a/接着層b/EVOH樹脂層c/接着層d/再生材層e/PP樹脂層f(内層)、と云う5種6層からなる積層構造を有する。
また、接着層b、dはガスバリア層としての機能を発揮するEVOH樹脂層cとHDPE樹脂層aあるいは再生材層eを接着する機能を発揮する層で、ポリオレフィン樹脂に極性基を導入した樹脂である三井化学社製の「アドマー」から成る層である。
そして、この壜体1の形状を詳細に見ると、
肩部3の上端部から胴部4の下端部にかけての高さ範囲(図1(a)中のP1〜P4の高さ範囲)では、周方向に並列する6ケのパネル壁11から成る平断面形状が正6角形の筒状であり、隣接するパネル壁11の境界に相当する6ケの稜線12が延設されている。
また、各パネル壁11は、肩部3では壜体1の中心軸Axに対して螺旋状に傾斜し、胴部4では中心軸Axに沿って縦方向に延設されている。
なお、肩部3に螺旋状に形成されるパネル壁11の捻りの程度、従って稜線12の捻りの程度は、本実施例では図3に示されるように60°としている。
肩部3の上端部から胴部4の下端部にかけての高さ範囲(図1(a)中のP1〜P4の高さ範囲)では、周方向に並列する6ケのパネル壁11から成る平断面形状が正6角形の筒状であり、隣接するパネル壁11の境界に相当する6ケの稜線12が延設されている。
また、各パネル壁11は、肩部3では壜体1の中心軸Axに対して螺旋状に傾斜し、胴部4では中心軸Axに沿って縦方向に延設されている。
なお、肩部3に螺旋状に形成されるパネル壁11の捻りの程度、従って稜線12の捻りの程度は、本実施例では図3に示されるように60°としている。
また、胴部4の下端部には底部5に連結する短円筒部7が配設され、この短円筒部7に周溝リブ8が周設されている。
この周溝リブ8の溝幅Wは6mm、溝深さdは3.0mmで、短円筒部7の直径Dは69mmであり、溝深さdは短円筒部7の直径Dの4.3%である。(図6参照)
この周溝リブ8の溝幅Wは6mm、溝深さdは3.0mmで、短円筒部7の直径Dは69mmであり、溝深さdは短円筒部7の直径Dの4.3%である。(図6参照)
次に、図7は上記実施例の壜体1について、壜体1の周壁の陥没状の変形による壜体1の容量の減少量、所謂、減圧吸収容量に係る解析を実施した結果を示すもので、横軸を減圧強度(kPa)、縦軸を減圧吸収容量(ml)としたグラフである。
減圧強度を上昇させていくと、矢印で示した位置Bpで、括れ部4a近傍で稜線12が座屈状に折曲がる、歪な変形が発生する。
この位置Bpにおける減圧強度は8.2kPaで、減圧吸収容量は14.8mlである。
減圧強度を上昇させていくと、矢印で示した位置Bpで、括れ部4a近傍で稜線12が座屈状に折曲がる、歪な変形が発生する。
この位置Bpにおける減圧強度は8.2kPaで、減圧吸収容量は14.8mlである。
図8(a)は、力学的な解析結果から得られる、減圧強度の上昇に伴う図1中のC−C線に沿った平断面形状の変化を示す概略説明図である。
この図に見られるように、6ケの稜線12で壜体1としての正6角形筒状の基本的な形状を保持しながら、各パネル壁11が二点鎖線で示すように壜体1の内側方向に陥没、湾曲状に変形し、歪な変形が発生する点Bpに至まで減圧吸収機能が発揮される。
この図に見られるように、6ケの稜線12で壜体1としての正6角形筒状の基本的な形状を保持しながら、各パネル壁11が二点鎖線で示すように壜体1の内側方向に陥没、湾曲状に変形し、歪な変形が発生する点Bpに至まで減圧吸収機能が発揮される。
図9は、全体的な形状や側周壁の積層構造は上記実施例の壜体1と同様にして、周溝リブ8の溝深さdを変えたケースについて、図7と同様に減圧吸収容量に係る解析を実施し、歪な変形が発生する点Bpでの減圧吸収容量を求めた結果をグラフにまとめたものであり、横軸は、短円筒部7の直径に対する溝深さの割合を%で表した値、縦軸は点Bpにおける減圧吸収容量である。
ここで、データ点T1は前述した実施例の壜体1の解析結果を示し、データ点Tc1、Tc2はいずれも比較例として解析した結果である。
データ点Tc1は周溝リブ8のない壜体、データ点Tc2は溝深さdを2.0mm(2.9%)とした解析結果であり、周溝リブ8がないと減圧吸収容量が10.8mlで、溝深さdの割合が2.9%のものでは13.0mlであった。
データ点Tc1は周溝リブ8のない壜体、データ点Tc2は溝深さdを2.0mm(2.9%)とした解析結果であり、周溝リブ8がないと減圧吸収容量が10.8mlで、溝深さdの割合が2.9%のものでは13.0mlであった。
そして、力学的な解析結果によれば、図9中、Tc1とTc2で示した周溝リブ8がない壜体と、溝深さdが2.9%の壜体では点Bpの直前から、平断面形状が図8(b)に示すように3角形状に変形する様子が見られた。
図9中、破線で示される14mlと云う値は、470mlの容量の壜体で、充填温度を80℃以上とした場合における、冷却による内容液の体積収縮を想定した値であるが、データ点Tc2の壜体は13.0mlで減圧吸収機能は不十分であることが判る。
そして、これら各データ点を連結するラインから、溝深さdの割合を3.5%近傍の値とすることにより、上記のように必要であると想定される14mlと云う減圧吸収容量を確保でき、さらにデータ点T1で示される実施例の壜体1のように4.3%、あるいは4.3%以上とすることにより十分な減圧吸収機能が発揮されることが判る。
そして、これら各データ点を連結するラインから、溝深さdの割合を3.5%近傍の値とすることにより、上記のように必要であると想定される14mlと云う減圧吸収容量を確保でき、さらにデータ点T1で示される実施例の壜体1のように4.3%、あるいは4.3%以上とすることにより十分な減圧吸収機能が発揮されることが判る。
次に、図10は図1の壜体と同様な形状で、容量を300mlとした壜体について、図9と同様に短円筒部7の直径に対する溝深さdの割合と減圧吸収容量の関係を示すグラフである。
また、図10中、破線で示される9mlと云う値は、300mlの容量の壜体で、充填温度を80℃以上とした場合における、冷却による内容液の体積収縮を想定した値であるが、このグラフから溝深さdの割合をデータ点T2にあるように溝深さdの割合を4.3%以上とすることにより、上記した目安となる9mlと云う減圧吸収容量を確保することができることが判る。
また、溝深さdの割合が4%であっても、9mlに近い減圧吸収容量があり、充填温度が比較的低い用途等では使用することができる。
また、図10中、破線で示される9mlと云う値は、300mlの容量の壜体で、充填温度を80℃以上とした場合における、冷却による内容液の体積収縮を想定した値であるが、このグラフから溝深さdの割合をデータ点T2にあるように溝深さdの割合を4.3%以上とすることにより、上記した目安となる9mlと云う減圧吸収容量を確保することができることが判る。
また、溝深さdの割合が4%であっても、9mlに近い減圧吸収容量があり、充填温度が比較的低い用途等では使用することができる。
そして、上記470mlと300mlの壜体の解析結果から、この300〜470ml程度の容量の壜体では、溝深さdの割合を4%以上とすることにより、より確実には4.3%以上とすることにより、減圧時における歪な変形を抑制して必要とされる減圧吸収機能を発揮させることができることが判った。
ここで、容量が大きくなると必要な溝深さdの割合は小さくなるので、溝深さdの割合を4%以上とすれば、壜体の容量は500ml程度の大きさとすることも十分できる。
ここで、容量が大きくなると必要な溝深さdの割合は小さくなるので、溝深さdの割合を4%以上とすれば、壜体の容量は500ml程度の大きさとすることも十分できる。
また、図9、図10の両グラフをみると、容量が470mlと300mlの壜体の両壜体で、リブ深さdの割合が6%を超えると減圧吸収容量の上昇がなくなることが判るが、このようなデータから、リブ深さdの割合が大きくなると座屈強度が低下することも勘案し、本発明ではリブ深さdの割合の上限値を6%としている。
次に、図11は壜体1の肩部3の下端部から短円筒部7の上端に至る範囲における側周壁の肉厚分布を測定した結果を示すグラフであり、黒丸のデータD1は上記実施例の壜体1についての測定結果、白抜き四角のデータD2は、壜体の重量は同様に33gとして肉厚分布を変更して用意した壜体の例(以降、第2の壜体と記載する。)の肉厚分布である。
ダイレクトブロー成形で上記実施例のような壜体を成形すると、パリソンのピンチオフ部等の影響により、括れ部4a(位置P3)近傍から胴部4の下端部に至る範囲での肉厚が薄肉化し易くなり、この領域で肉厚が大きく薄肉化すると減圧度が小さな段階で図8(b)に示す平断面形状の3角形状化が発生し、減圧吸収容量機能が低下してしまう傾向がある。
ダイレクトブロー成形で上記実施例のような壜体を成形すると、パリソンのピンチオフ部等の影響により、括れ部4a(位置P3)近傍から胴部4の下端部に至る範囲での肉厚が薄肉化し易くなり、この領域で肉厚が大きく薄肉化すると減圧度が小さな段階で図8(b)に示す平断面形状の3角形状化が発生し、減圧吸収容量機能が低下してしまう傾向がある。
上記、第2の壜体1は、パリソンを押出成形する際の、所謂、パリソンコントロールにより肉厚分布を調整し、実施例の壜体の肉厚分布(データD1)に比較して、肩部3近傍における肉厚を減少させて、その分、括れ部4a(位置P3)近傍から胴部4の下端部に至る範囲での肉厚を大きくして、減圧吸収容量をより大きくしようとした例で、図8と同様に減圧吸収容量に係る解析を実施すると、歪な変形が発生する点Bpでの減圧強度は10.5kPaで減圧吸収容量は17.5mlであった。
勿論、側周壁の肉厚分布についてはパリソンの押出成形性、ブロー成形性、さらには壜体における座屈強度等の他の要因も考慮して決める必要があるが、上記第2の壜体の例に見られるように、括れ部4a(位置P3)近傍から胴部4の下端部に至る範囲での肉厚を大きくする、すなわち当該範囲での薄肉化を抑制することにより、減圧吸収機能をより大きくすることが可能であることが確認された。
勿論、側周壁の肉厚分布についてはパリソンの押出成形性、ブロー成形性、さらには壜体における座屈強度等の他の要因も考慮して決める必要があるが、上記第2の壜体の例に見られるように、括れ部4a(位置P3)近傍から胴部4の下端部に至る範囲での肉厚を大きくする、すなわち当該範囲での薄肉化を抑制することにより、減圧吸収機能をより大きくすることが可能であることが確認された。
ここで、図11のデータD1、データD2について、胴部4の側周壁の肉厚分布の指標として、次の指標S1と指標S2を算出した。
・指標S1;(t1/tp2)×100(%)
・指標S2;(t2/tp2)×100(%)
上記指標S1、S2においてtp2は肩部3と胴部4の境界(位置P2)における側周壁の平均肉厚、t1は括れ部4a(位置P3)から周溝リブ8の上端に至る範囲での側周壁の平均肉厚、t2は周溝リブ8の上端上方に位置する短円筒部7部分(図1中で7aで示した部分)の平均肉厚である。
・指標S1;(t1/tp2)×100(%)
・指標S2;(t2/tp2)×100(%)
上記指標S1、S2においてtp2は肩部3と胴部4の境界(位置P2)における側周壁の平均肉厚、t1は括れ部4a(位置P3)から周溝リブ8の上端に至る範囲での側周壁の平均肉厚、t2は周溝リブ8の上端上方に位置する短円筒部7部分(図1中で7aで示した部分)の平均肉厚である。
ここで、t1は肩部3の下端部から胴部4の上端部にかけての肉厚を代表する値と云うことができ、指標1はこのt1に対して括れ部4aから周溝リブ8の上端に至る範囲での側周壁がどの程度薄肉化しているかを示す指標である。
ここで、指標2はt1に対して周溝リブ8の上端上方に位置する短円筒部7部分の薄肉化の程度を示す指標であり、当該部分での薄肉化の程度が大きいと周溝リブ8のリブとしての作用効果が十分に発揮されず、平断面形状が3角形状化し易くなるので重要な指標である。
ここで、指標2はt1に対して周溝リブ8の上端上方に位置する短円筒部7部分の薄肉化の程度を示す指標であり、当該部分での薄肉化の程度が大きいと周溝リブ8のリブとしての作用効果が十分に発揮されず、平断面形状が3角形状化し易くなるので重要な指標である。
図11中の実施例の壜体に係るデータD1についてみると、Tp2は0.84mm、t1は0.68mm、t2は0.62mmで、指標S1は81%、指標S2は74%であった。
また第2の壜体に係るデータD2についてみると、Tp2は0.75mm、t1は0.73mm、t2は0.62mmで、指標S1は97%、指標S2は83%であった。
そしてこれらのデータD1、D2に係る指標S1、S2と実施例の壜体あるいは第2の壜体に係る減圧吸収容量のデータからみると、指標S1については80%以上、指標S2については70%以上とすることが好ましく、さらにこれら指標S1、S2の値を第2のデータのように大きくすることにより、第2の壜体のように減圧吸収容量を大きくすることができる。
また第2の壜体に係るデータD2についてみると、Tp2は0.75mm、t1は0.73mm、t2は0.62mmで、指標S1は97%、指標S2は83%であった。
そしてこれらのデータD1、D2に係る指標S1、S2と実施例の壜体あるいは第2の壜体に係る減圧吸収容量のデータからみると、指標S1については80%以上、指標S2については70%以上とすることが好ましく、さらにこれら指標S1、S2の値を第2のデータのように大きくすることにより、第2の壜体のように減圧吸収容量を大きくすることができる。
次に、図12は図1に示す実施例の壜体1と、比較するために用意した比較例の壜体1cについて、壜体の軸方向に直角方向に作用する荷重試験の解析結果を示すグラフで、図13はその試験法の概略説明図である。
ここで、比較例の壜体1cは実施例の壜体1が前記各パネル壁11について、肩部3では壜体1の中心軸Axに対して螺旋状に傾斜させ、胴部4では中心軸Axに沿って縦方向に延設される構成としているのに対し、肩部の上端から胴部の下端にかけての全高さ範囲に亘って、各パネル壁について中心軸Axに沿って縦方向に延設する構成としたものである。
ここで、比較例の壜体1cは実施例の壜体1が前記各パネル壁11について、肩部3では壜体1の中心軸Axに対して螺旋状に傾斜させ、胴部4では中心軸Axに沿って縦方向に延設される構成としているのに対し、肩部の上端から胴部の下端にかけての全高さ範囲に亘って、各パネル壁について中心軸Axに沿って縦方向に延設する構成としたものである。
図13中、(a1)と(a2)は実施例の壜体1、(b1)と(b2)は比較例の壜体1cについての荷重試験の方法を示すもので、何れの場合も図1中のB−B線、すなわち肩部3と胴部4の境界位置に直径が20mmの丸棒Brを左右から挟持するよう配置し、図13中、矢印で示した方向に変位(mm)させ、その際の荷重(N)を解析する。
ここで、(c1)、(c2)は図1中のB−B線に沿った平断面図で、(c1)は(a1)と(b1)の平断面で荷重は稜線12に作用し、(c2)は(a2)と(b2)の平断面で荷重はパネル11に作用している。
そして、図12中では(a1)、(a2)、(b1)、(b2)の解析結果を。それぞれ線Sp1、Sp2、St1、St2で示している。
ここで、(c1)、(c2)は図1中のB−B線に沿った平断面図で、(c1)は(a1)と(b1)の平断面で荷重は稜線12に作用し、(c2)は(a2)と(b2)の平断面で荷重はパネル11に作用している。
そして、図12中では(a1)、(a2)、(b1)、(b2)の解析結果を。それぞれ線Sp1、Sp2、St1、St2で示している。
図12のグラフをみると、荷重を稜線12に作用させた場合は線Sp1が線St1の上に位置し、荷重をパネル11に作用させた場合にも線Sp2が線St2の上に位置しており、この解析結果から実施例の壜体1の肩部3で、各パネル11を壜体1の中心軸Axに対して螺旋状に傾斜させることにより、壜体1の横方向の剛性、あるいは強度を高くできることが確認された。
以上、実施例に沿って本願発明の実施の形態とその作用効果について説明したが、本願の実施の形態はこの実施例に限定されるものではない。
たとえば、上記実施例では、パネルの個数を6ケとした正6角形筒状の壜体の例について説明したが、使用目的や外観デザイン等を考慮し正6角形筒状以外の多角形筒状としたものも適宜選択することができる。
また、上記実施例では、(外層)HDPE樹脂層a/接着層b/EVOH樹脂層c/接着層d/再生材層e/PP樹脂層f(内層)、と云う5種6層からなる積層構造を有する壜体に説明したが、このような積層態様や各層に使用する合成樹脂は使用目的に応じて適宜選択できるものである。
たとえば、上記実施例では、パネルの個数を6ケとした正6角形筒状の壜体の例について説明したが、使用目的や外観デザイン等を考慮し正6角形筒状以外の多角形筒状としたものも適宜選択することができる。
また、上記実施例では、(外層)HDPE樹脂層a/接着層b/EVOH樹脂層c/接着層d/再生材層e/PP樹脂層f(内層)、と云う5種6層からなる積層構造を有する壜体に説明したが、このような積層態様や各層に使用する合成樹脂は使用目的に応じて適宜選択できるものである。
以上説明したように、本発明の合成樹脂製ブロー成形壜体は、従来にない、高温充填向け用途に使用可能なダイレクトブロー成形による壜体であり、従来のペットボトル系の壜体ではカバーできないバリア性、保香性、遮光性等の性能を要する用途での幅広い使用展開が期待される。
1 ;壜体
2 ;口筒部
2a;周突条
2b;ビードリング
3 ;肩部
4 ;胴部
4a;括れ部
5 ;底部
7 ;短円筒部
8 ;周溝リブ
11;パネル壁
12;稜線
13;底面
14;ピンチオフ部
D ;直径
d ;溝深さ
W ;溝幅
2 ;口筒部
2a;周突条
2b;ビードリング
3 ;肩部
4 ;胴部
4a;括れ部
5 ;底部
7 ;短円筒部
8 ;周溝リブ
11;パネル壁
12;稜線
13;底面
14;ピンチオフ部
D ;直径
d ;溝深さ
W ;溝幅
Claims (5)
- 筒状の胴部(5)の上端に上方に向けて縮径するテーパー筒状の肩部(3)を介して口筒部(2)を起立設したダイレクトブロー成形方法による壜体であって、
肩部(3)の上端部から胴部(4)の下端部にかけては、周方向に並列する複数のパネル壁(11)から側周壁を形成して成る平断面形状が多角形の筒状とし、
前記各パネル壁(11)は、肩部(3)では壜体の中心軸(Ax)に対して螺旋状に傾斜し、胴部(4)では中心軸(Ax)に沿って縦方向に延設される構成とし、
胴部(4)の下端部に底部(5)に連結する短円筒部(7)を配設し、該短円筒部(7)に周溝リブ(8)を配設し、該周溝リブ(8)の溝深さを前記短円筒部(7)の直径の4%以上としたことを特徴とする合成樹脂製ブロー成形壜体。 - 肩部(3)の上端部から胴部(4)の下端部にかけては、周方向に並列する6ケのパネル壁(11)から側周壁を形成して成る平断面形状が正6角形の筒状とした請求項1記載の合成樹脂製ブロー成形壜体。
- 周溝リブ(8)の溝深さを短円筒部(7)の直径の4.3%〜6%の範囲とした請求項1または2記載の合成樹脂製ブロー成形壜体。
- 胴部(4)の上端部及び下端部から中央高さ位置に向けて緩やかに縮径し、中央高さ位置に括れ部(4a)を形成した請求項1、2または3記載の合成樹脂製ブロー成形壜体。
- 口筒部(2)から底部(5)に亘る全周壁において外側から内側に向けて、ポリエチレン樹脂層/接着層/エチレンビニルアルコール共重合樹脂層/接着層/ポリプロピレン樹脂層、から成る積層構造を有するものとした請求項1、2、3または4記載の合成樹脂製ブロー成形壜体。
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---|---|---|---|---|
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JP2017030779A (ja) * | 2015-07-30 | 2017-02-09 | 株式会社吉野工業所 | 合成樹脂製容器 |
JP2017128383A (ja) * | 2016-01-22 | 2017-07-27 | 北海製罐株式会社 | ポリエステル樹脂製ブロー成形多重ボトル |
JP2017154804A (ja) * | 2016-03-03 | 2017-09-07 | 大日本印刷株式会社 | プラスチックボトル、充填体、及び充填体の製造方法 |
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US11084248B2 (en) | 2016-07-25 | 2021-08-10 | Toyo Seikan Group Holdings, Ltd. | Adhesive for polyolefin and multilayered structure |
-
2012
- 2012-05-22 JP JP2012116464A patent/JP2013241207A/ja active Pending
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