JP2013240193A - 誘導機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】推定された2次磁束に基づき、誘導機に交流電圧を印加する交流電圧印加手段の操作によって、誘導機の制御量を制御する新たな誘導機の制御装置を提供する。
【解決手段】磁束オブザーバ48によって算出される2次磁束φd2e,φq2eは、磁束補正部50において補正される。ここでは、2次磁束φd2e,φq2eを1次位相θ1の1周期の整数倍の期間にわたる積分値を算出し、これをゼロにフィードバック制御するための操作量によって、2次磁束φd2e,φq2eを補正する。
【選択図】図1

Description

本発明は、推定された2次磁束に基づき、誘導機の制御量を制御すべく、誘導機に交流電圧を印加する交流電圧印加手段を操作する誘導機の制御装置に関する。
たとえば下記特許文献1には、2次磁束の推定値の正および負のピーク値から2次磁束の誤差であるオフセット量を算出し、これを低減するものも提案されている。
特開2011−250630号公報
ただし、ピーク値を検出するうえでは、2次磁束の推定周期等を非常に短くする必要があり、特に誘導機の高回転速度領域において高精度にピーク値を算出するために要求される推定周期を満たすことは困難である。また、誘導機のトルクや回転速度が変動する場合、推定磁束が急激に変化するため、ピーク値に基づき算出されるオフセット量の精度が低下するおそれもある。
本発明は、上記課題を解決する過程でなされたものであり、その目的は、推定された2次磁束に基づき、誘導機に交流電圧を印加する交流電圧印加手段の操作によって、誘導機の制御量を制御する新たな誘導機の制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、およびその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、固定座標系における誘導機の2次磁束の成分を算出する2次磁束算出手段(28)と、該2次磁束算出手段によって算出された2次磁束に基づき、前記誘導機の制御量を制御すべく、前記誘導機に交流電圧を印加する交流電圧印加手段を操作する操作手段(20)と、前記2次磁束算出手段によって算出された前記固定座標系の成分の積分処理を行なう積分処理手段(S16)と、前記積分処理手段による積分処理結果に基づき、前記操作手段が前記交流電圧印加手段に出力する操作信号を生成するために用いられる演算パラメータを補正する補正手段(S18,S32)と、を備えることを特徴とする。
上記積分処理結果には、固定座標系における2次磁束の直流成分が反映される。このため、積分処理結果から、2次磁束のピーク値がサンプリングできるか否か等にかかわらず、2次磁束の直流成分の情報を取得することができる。上記発明では、この点に鑑み、積分処理手段を備えた。
なお、本発明にかかる以下の代表的な実施形態に関する概念の拡張については、代表的な実施形態の後の「その他の実施形態」の欄に記載してある。
第1の実施形態にかかるシステム構成図。 同実施形態にかかる2次磁束の補正処理の手順を示す流れ図。 同実施形態の効果を示すタイムチャート。 同実施形態の効果を示すタイムチャート。 第2の実施形態にかかる2次磁束の補正処理の手順を示す流れ図。 第3の実施形態にかかる2次磁束の補正処理の手順を示す流れ図。
<第1の実施形態>
以下、本発明にかかる誘導機の制御装置を車載主機としての誘導機の制御装置に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示されるモータジェネレータ10は、誘導機である。詳しくは、3相かご型誘導機である。モータジェネレータ10は、車載主機であり、図示しない駆動輪に機械的に連結されている。
モータジェネレータ10は、インバータINVを介して高電圧バッテリ12に接続されている。インバータINVは、スイッチング素子S¥p,S¥n(¥=u,v,w)の直列接続体を3組備えており、これら各直列接続体の接続点がモータジェネレータ10のU,V,W相にそれぞれ接続されている。これらスイッチング素子S¥#(¥=u,v,w;#=p,n)として、本実施形態では、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)が用いられている。そして、これらにはそれぞれ、ダイオードD¥#が逆並列に接続されている。
本実施形態では、モータジェネレータ10やインバータINVの状態を検出する検出手段として、以下のものを備えている。まずモータジェネレータ10のV相およびW相を流れる電流iv,iwを検出する電流センサ14を備えている。また、インバータINVの入力電圧(電源電圧VDC)を検出する電圧センサ16を備えている。
上記各種センサの検出値は、制御装置20に取り込まれる。制御装置20では、これら各種センサの検出値に基づき、インバータINVを操作する操作信号を生成して出力する。ここで、インバータINVのスイッチング素子S¥#を操作する信号が、操作信号g¥#である。
上記制御装置20は、モータジェネレータ10のトルクをトルク指令値Trq*に制御すべく、インバータINVを操作する。図には、トルク指令値Trq*への制御に関する処理をブロック図として示している。以下、これについて説明する。
電流センサ14によって検出された電流iv,iwは、dq変換部22において、dq軸上の電流である1次電流id1,iq1に変換される。ここで、dq座標系は、直交2次元固定座標系である。詳しくは、本実施形態では、d軸を、モータジェネレータ10の固定子のU相の正方向とし、q軸を、これに対し直交する方向とする。
1次電流id1,iq1は、γδ変換部24に入力され、γδ軸上の1次電流iγ1,iδ1に変換される。γδ座標系は、インバータINVの出力電圧ベクトルの回転周波数である電源角周波数(以下、1次周波数ω1)で回転する直交2次元回転座標系である。ちなみに、γδ変換部24による変換処理は、後述する処理によって算出されるインバータINVの出力電圧ベクトルの基本波成分の位相である電源角(以下、1次位相θ1)に基づき行われる。
本実施形態では、トルク指令値Trq*に制御するための制御系を、1次電流iγ1,iδ1を1次電流指令値iγ1*,iδ1*にフィードバック制御する制御系として構成する。この際、トルク指令値Trq*を与えただけでは、1次電流指令値iγ1*,iδ1*を一義的に定めることができない。そこで本実施形態では、δ軸の2次磁束φδ2をゼロに制御することとし、トルク指令値Trq*と、γ軸成分の2次磁束指令値φγ2*とに基づき、1次電流指令値iγ1*,iδ1*を生成する処理を行なう。
すなわち、トルクフィードバック制御部26では、後述する処理によって推定されるトルクTrqをトルク指令値Trq*にフィードバック御するための操作量として、δ軸成分の1次電流指令値iδ1*を算出する。詳しくは、トルク指令値Trq*とトルクTrqとの差の比例要素および積分要素の出力同士の和として、1次電流指令値iδ1*を算出する。
一方、磁束フィードバック制御部28では、後述する処理によって推定されるγ軸成分の2次磁束φγ2を2次磁束指令値φγ2*にフィードバック制御するための操作量として、γ軸成分の1次電流指令値iγ1*を算出する。詳しくは、2次磁束指令値φγ2*と2次磁束φγ2との差の比例要素および積分要素の出力同士の和として、1次電流指令値iγ1*を算出する。
δ軸電流フィードバック制御部30では、1次電流iδ1を1次電流指令値iδ1*にフィードバック制御するための操作量として、δ軸の1次電圧成分を算出する。詳しくは、1次電流指令値iδ1*と1次電流iδ1との差の比例要素および積分要素の出力同士の和として、δ軸の1次電圧成分を算出する。
また、γ軸電流フィードバック制御部32では、1次電流iγ1を1次電流指令値iγ1*にフィードバック制御するための操作量として、γ軸の1次電圧成分を算出する。詳しくは、1次電流指令値iγ1*と1次電流iγ1との差の比例要素および積分要素の出力同士の和として、γ軸の1次電圧成分を算出する。
γ軸電流フィードバック制御部32の出力値に、非干渉制御部34から出力されるフィードフォワード操作量Δvγ1を加算することで、γ軸の1次電圧指令値vγ1*が算出される。一方、δ軸電流フィードバック制御部30の出力値に、非干渉制御部34から出力されるフィードフォワード操作量Δvδ1を加算することで、δ軸の1次電圧指令値vδ1*が算出される。なお、フィードフォワード操作量Δvγ1,Δvδ1については、周知のため、ここではその説明を省略するが、図中、フィードフォワード操作量Δvγ1,Δvδ1の表現に用いられている記号の定義については、本明細書最後部の備考欄に記載されている。
1次電圧指令値vγ1*,vδ1*は、dq変換部36において、dq軸上の1次電圧指令値vd*1,vq1*に変換される。そして、1次電圧指令値vd*1,vq1*は、uvw変換部38において、U相の電圧指令値vu*、V相の電圧指令値vv*、W相の電圧指令値vw*に変換され、操作信号生成部40に入力される。
操作信号生成部40では、インバータINVの出力電圧を、電圧指令値vu*,vv*,vw*を模擬したものとすべく、インバータINVの操作信号g¥#を生成する処理を行なう。本実施形態では、特に、電圧指令値v¥*(¥=u,v,w)を電源電圧VDCによって規格化した信号と三角波形状のキャリアとの大小比較に基づき生成されるPWM信号に基づき、操作信号g¥#を生成する。
次に、上述した処理を行なう上で必要なパラメータの算出(推定)処理について説明する。
1次電流iγ1,iδ1は、すべり周波数推定部42に入力される。すべり周波数推定部42では、1次電流iγ1,iδ1を入力として、以下の式(c1)に基づき、すべり周波数ωsを推定する。
ωs=iδ1/(iγ1・τ2) …(c1)
上記の式(c1)は、本実施形態の特有の設定を前提としたものである。すなわち、δ軸成分の2次磁束φδ2をゼロに制御することと、トルク指令値Trq*が一定である場合にγ軸成分の2次磁束指令値φγ2*が一定となることとから、トルク指令値Trq*が一定である場合にγ軸の1次電流iγ1が一定であるとみなして算出されるものである。
一方、1次周波数算出部44では、後述する1次位相θ1の微分演算によって、1次周波数ω1を算出する。2次周波数算出部46では、1次周波数ω1からすべり周波数ωsを減算することで、2次周波数ω2を算出する。
2次磁束算出手段(磁束オブザーバ48)では、1次電流id1,iq1と、1次電圧指令値vd1*,vq1*と、2次周波数ω2とを入力として、2次磁束φd2e,φq2eを推定する。ここで、添え字の「e」は、オブザーバによる推定値であることを示す。磁束オブザーバ48は、最小次元オブザーバである。なお、本実施形態にかかる最小次元オブザーバの導出については、本明細書の最後部の備考欄に与えてある。
一方、1次位相算出部52では、磁束オブザーバ48によって推定された2次磁束φd2e,φq2eに基づき、以下の式(c2)を用いて、1次位相θ1を算出する。
θ1=arctan(φq2e/φd2e) …(c2)
こうして算出された1次位相θ1は、γδ変換部24、dq変換部36等の座標変換処理や、1次周波数算出部44による1次周波数ω1aの算出処理に用いられる。
トルク推定部56では、磁束補正部50によって補正された2次磁束φd2e,φq2eと、1次電流id1,iq1とを入力とし、以下の式(c3)にてトルクTrqを推定する。
Trq=Pn・M・(iq1・φd2e−id1・φq2e)/L2 …(c3)
なお、上記の式(c3)において、極対数Pn、2次インダクタンスL2および相互インダクタンスMを用いている。このトルクTrqは、トルクフィードバック制御のための制御量となるものである。
磁束補正部50によって補正された2次磁束φd2e,φq2eは、さらに、γδ変換部54において、γδ軸上の2次磁束φγ2,φδ2に変換される。ここで、γ軸成分の2次磁束φγ2は、磁束フィードバック制御の制御量となるとともに、非干渉制御部34の入力となる。
上述した処理からわかるように、本実施形態では、モータジェネレータ10の回転速度情報を検出するハードウェア手段による検出値を利用しないセンサレス制御がなされている。この場合、特に、2次磁束φd2e,φq2eの直流成分がゼロからずれるオフセット誤差が生じやすい。そこで本実施形態では、図2に示す処理によって、2次磁束φd2e,φq2eを補正する。
図2は、磁束補正部50の行なう処理の手順を示す。この処理は、たとえば所定周期でくり返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、磁束オブザーバ48によって、2次磁束φd2e,φq2eを推定する処理を行なう。続くステップS12においては、上述した1次位相算出部52による1次位相算出処理を行なう。そして、ステップS14では、ステップS12において算出された1次位相θ1に基づき、N周期が経過したか否かを判断する。そして、ステップS14において否定判断される場合、ステップS16において、磁束積分値Inφd2,Inφq2のそれぞれに、今回の2次磁束φd2e,φq2eのそれぞれを加算する。この処理は、本実施形態において、積分処理手段を構成する。
これに対し、ステップS14において肯定判断される場合、ステップS18において、2次磁束φd2e,φq2eのそれぞれのオフセット補正量Δφd,Δφqを算出する。オフセット補正量Δφd,Δφqは、磁束積分値Inφd2,Inφq2のそれぞれを目標値である0にフィードバック制御するための操作量である。本実施形態では、0から磁束積分値Inφd2,Inφq2のそれぞれを減算した値のそれぞれについての比例要素および積分要素の出力同士の和として、オフセット補正量Δφd,Δφqを算出する。そして、オフセット補正量Δφd,Δφqを算出した後には、磁束積分値Inφd2,Inφq2を初期化する。
上記ステップS16,S18の処理が完了する場合、ステップS20において、今回の2次磁束φd2e,φq2eにオフセット補正量Δφd,Δφqを加算することで、今回の2次磁束φd2e,φq2eを補正する。この処理は、本実施形態において2次磁束補正手段を構成する。
なお、ステップS20の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
図3に、本実施形態の効果を示す。
図示されるように、オフセット補正量Δφd,Δφqによる補正を開始することで、推定されるトルクTrqや、1次周波数ω1の変動が低減される。なお、2次磁束φd2e,φq2eのオフセット誤差に起因して、トルクTrqや1次周波数ω1の変動が大きくなるのは、固定座標系における直流成分が、回転座標系において交流成分(脈動成分)となるためである。
図4に、本実施形態の別の効果を示す。
図示されるように、オフセット補正量Δφd,Δφqによる補正を開始することで、1次電流iγ1,iδ1の変動量が低減される。また、オフセット補正量Δφd,Δφqの絶対値の増加に伴って、磁束積分値Inφd2,Inφq2の絶対値はゼロに収束していく。
以下、本実施形態の効果のいくつかを記載する。
(1)磁束積分値Inφd2,Inφq2によって、2次磁束φd2e,φq2eのオフセット誤差を算出した。この場合、1次周波数ω1によって周期的に変化する交流成分の2次磁束φd2e,φq2eをサンプリングするに際し、そのサンプリング位相がオフセット誤差の算出精度に影響を及ぼしにくい。したがって、オフセット誤差を高精度に算出することができる。
(2)オフセット誤差を、1次周波数の周期のN倍の期間にわたる2次磁束φd2e,φq2eの積分処理の値として算出した。これにより、オフセット誤差の算出精度をいっそう向上させることができる。
(3)オフセット補正量Δφd,Δφqを、磁束積分値Inφd2,Inφq2をゼロにフィードバック制御するための操作量とした。これにより、フィードバック制御器によって、オフセット誤差を低減制御することができる。
(4)磁束オブザーバ48を、固定座標系の2次磁束φd2e,φq2eの算出手段とした。これにより、2次周波数ω2を推定するセンサレス制御系において、2次磁束φd2e,φq2eの推定のために2次周波数ω2から推定される1次位相θ1を利用することなく、2次磁束φd2e,φq2eを推定することができる。
(5)2次周波数ω2を推定するセンサレス制御系とした。この場合、固定座標系の2次磁束φd2e,φq2eにオフセット誤差が生じやすいため、オフセット補正量Δφd,Δφqの利用価値が特に高い。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、2次磁束φd2e,φq2eのオフセット誤差を低減制御するための操作量を、推定されるトルクTrqに変更する。
図5に、本実施形態にかかるオフセット誤差の低減処理の手順を示す。この処理は、制御装置20によって、たとえば所定の制御周期で繰り返し実行される。なお、図5に示す処理において、先の図2に示した処理に対応するものについては、便宜上同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、ステップS14において肯定判断される場合、ステップS30に移行する。ステップS30では、N周期分の磁束積分値Inφd2,Inφq2を、磁束積分値Inφd20,Inφq20に加算するとともに、磁束積分値Inφd2,Inφq2を初期化する。ここで、上記磁束積分値Inφd20,Inφq20に加算する処理は、後述するステップS32〜S36との処理の協働で、フィードバック制御器を積分制御器とする機能を有する。なお、磁束積分値Inφd20,Inφq20の初期値はゼロである。
一方、ステップS16、S30の処理が完了する場合、ステップS32において、ステップS30において定められた磁束積分値Inφd20,Inφq20を、回転座標系の磁束積分値Inφγ2,Inφδ2に変換する。この処理は、本実施形態における回転座標変換手段を構成する。
続くステップS34においては、γ軸上の磁束積分値Inφγ2をゼロにフィードバック制御するための操作量であるトルク補正量ΔTrqを算出する。ここで、磁束積分値Inφγ2の脈動は、オフセット誤差と相関を有する量である。これは、固定座標系における直流成分が回転座標系において交流成分となることに対応している。したがって、磁束積分値Inφγ2をゼロにフィードバック制御することで、2次磁束φd2e,φq2eのオフセット誤差の低減制御を行なうことができる。詳しくは、本実施形態では、トルク補正量ΔTrqを、磁束積分値Inφγ2を入力とする比例要素および積分要素の出力同士の和とする。
そして、ステップS34においては、トルク推定部56で推定されるトルクTrqをトルク補正量ΔTrqによって補正する。なお、この補正後のトルクTrqが、トルクフィードバック制御部26におけるフィードバック制御量となる。この処理は、本実施形態における脈動低減手段を構成する。
なお、ステップS32の処理が完了する場合、この一連の処理を一旦終了する。
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態について、先の第2の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、2次磁束φd2e,φq2eのオフセット誤差を低減制御するための操作量を、推定される1次周波数ω1に変更する。
図6に、本実施形態にかかるオフセット誤差の低減処理の手順を示す。この処理は、制御装置20によって、たとえば所定の制御周期で繰り返し実行される。なお、図6に示す処理において、先の図5に示した処理に対応するものについては、便宜上同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、ステップS32の処理の後、ステップS34aにおいて、γ軸上の磁束積分値Inφγ2をゼロにフィードバック制御するための操作量である周波数補正量Δω1を算出する。詳しくは、本実施形態では、周波数補正量Δω1を、磁束積分値Inφγ2を入力とする比例要素および積分要素の出力同士の和とする。そして、ステップS36aにおいては、1次周波数算出部44において算出される1次周波数ω1を周波数補正量Δω1によって補正する。なお、この補正後の1次周波数ω1からすべり周波数ωsを減算したものが2次周波数ω2として磁束オブザーバ48の入力となるとともに、この補正後の1次周波数ω1は、非干渉制御部34の入力となる。
<その他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
「2次磁束算出手段について」
オブザーバとしては、最小次元オブザーバに限らず、たとえば、「適応二次磁束オブザーバを用いた誘導電動機の速度センサレス直接形ベクトル制御:久保田ら、T.IEE Japan Vol 111−D,No11,91」に例示されているように、同一次元オブザーバであってもよい。
もっとも、オブザーバにも限らない。
「2次磁束補正手段(S20)について」
磁束積分値Inφd2,Inφq2を目標値(=0)にフィードバック制御するための操作量を、比例要素および積分要素の出力同士の和として算出するものに限らない。たとえば、比例要素、積分要素および微分要素の出力同士の和として算出するものであってもよい。
もっとも、都度フィードバック制御を行なうものに限らず、たとえば、上記積分要素の出力の収束値を記憶し、これをフィードフォワード補正量として用いるものであってもよい。ここで、収束値は、1次電流や、1次周波数ω1等に応じて区画される領域毎に、各別の記憶領域に記憶することが望ましい。
「積分処理手段(S16)について」
1次位相θ1の周期の整数倍の期間にわたる積分値を算出するものに限らない。たとえば、補正手段が、積分値を積分期間で除算することで平均値を算出し、これをオフセット量として用いるなら、積分期間を長くすることで、1次位相θ1の周期の整数倍としなくてもオフセット量の算出精度を高くすることが可能となる。
「脈動低減手段(S36,S36a)について」
先の図5のステップS34の処理や、先の図6のステップS34aの処理におけるフィードバック操作量を、比例要素および積分要素の出力同士の和として算出する代わりに、たとえば比例要素の出力値とするものであってもよい。また、ステップS34,S34aの処理自体必須ではない。この場合であっても、ステップS30,S32,S36(S36a)の処理の協働で、フィードバック制御器が構成されている。
ステップS30,S32,S36(S36a)の処理の協働で構成されるフィードバック制御器としては、積分制御器に限らず、比例制御器と積分制御器との出力同士の和をフィードバック操作量として出力するものであってもよい。
上記第2、第3の実施形態(図5、図6)において、ステップS14において肯定判断される都度、磁束積分値Inφd20,Inφq2のそれぞれに磁束積分値Inφd2,Inφq2のそれぞれを加算する処理を行わなくてもよい。この場合、ステップS14において一旦肯定判断された時点における磁束積分値Inφd2,Inφq2を、それ以降のステップS32の処理における回転座標変換対象として継続して使用すればよい。もっとも、これに限らず、ステップS14において肯定判断される都度、最新の磁束積分値Inφd2,Inφq2を回転座標変換対象としても、フィードバック制御器を比例制御器とすることはできる。
上記第2の実施形態(図5)においては、推定されるトルクTrqを、磁束積分値Inφγ2の脈動成分をゼロにフィードバック制御するための操作対象(補正対象)としたが、これに限らない。たとえば、トルク指令値Trq*を操作対象としてもよい。要は、トルクフィードバック制御部26の入力パラメータとなるトルクTrqとトルク指令値Trq*との差が操作対象となればよく、差自体を補正するものであってもよい。
γ軸成分の磁束積分値Inφγ2の脈動成分をゼロにフィードバック制御するための操作量によって、トルクTrqや、1次周波数ωを補正するものに限らない。δ軸成分の磁束積分値Inφδ2の脈動をゼロにフィードバック制御するための操作量によって、トルクTrqや1次周波数ω1を補正するものであってもよい。
また、補正対象(操作対象)としては、トルクTrqや、1次周波数ω1に限らない。たとえば、位相θであってもよい。
「回転座標変換手段について」
γδ変換する手段に限らない。たとえば、1次周波数で回転して且つ1次独立の関係にあるが直交しない2軸の成分に変換するものであってもよい。
「操作手段について」
制御量をトルクとするものに限らず、回転速度とするものであってもよい。
2次磁束φd2e,φq2eに基づき2次周波数ω2を推定する2次周波数推定手段を備えてセンサレス制御を実現するものに限らない。たとえばロータの回転速度を検出するセンサを備え、その検出値を用いるものであっても、2次磁束φd2e,φq2eの推定精度を向上させる上で、本発明の適用は有効である。
「交流電圧印加手段について」
回転機の端子を直流電圧源の正極および負極のそれぞれに接続するスイッチング素子を備える直流交流変換回路(インバータINV)に限らない。たとえば特願2008−30825号に記載されているように、回転機の各端子に接続されるコンバータであってもよい。
<備考>
かご型誘導機の状態方程式は、以下の式(ca),(cb)にて表現される。
Figure 2013240193
ただし、1次インダクタンスL1,2次インダクタンスL2、1次抵抗R1,2次抵抗R2,相互インダクタンスMを用いている。
ここで、1次電流ベクトルI1=(id1,iq1)については直接観測できる量であり、2次磁束ベクトルΦ2の推定値を2次磁束ベクトルΦ2eとすると、以下の式(cc)が成立する
Figure 2013240193
ただし、電流の微分演算を回避する上では中間変数x「=Φ2−GI1」を導入することが望ましい。
なお、オブザーバのゲインGは、以下の式(cd),(ce)にて定められる。
Figure 2013240193
ただし、上記においてオブザーバの極の実部−αおよび虚部βを用いている。ここで、「α>0」とすることで、2次磁束ベクトルΦ2eの各成分を真の値に収束させることができる。
10…モータジェネレータ(誘導機の一実施形態)、20…制御装置、48…磁束オブザーバ、50…磁束補正部。

Claims (9)

  1. 固定座標系における誘導機の2次磁束の成分を算出する2次磁束算出手段(48)と、
    該2次磁束算出手段によって算出された2次磁束に基づき、前記誘導機の制御量を制御すべく、前記誘導機に交流電圧を印加する交流電圧印加手段を操作する操作手段(20)と、
    前記2次磁束算出手段によって算出された前記固定座標系の成分の積分処理を行なう積分処理手段(S16)と、
    前記積分処理手段による積分処理結果に基づき、前記操作手段が前記交流電圧印加手段に出力する操作信号を生成するために用いられる演算パラメータを補正する補正手段(S20,S36,S36a)と、
    を備えることを特徴とする誘導機の制御装置。
  2. 前記補正手段は、前記積分処理結果に基づき、前記2次磁束算出手段によって算出された2次磁束を補正する2次磁束補正手段(S20)を備え、
    前記操作手段は、前記2次磁束補正手段によって補正された2次磁束に基づき、前記交流電圧印加手段を操作することを特徴とする請求項1記載の誘導機の制御装置。
  3. 前記2次磁束補正手段によって補正された2次磁束に基づき、1次電圧の位相である1次位相を算出する位相算出手段(52)を備え、
    前記積分処理手段は、前記位相算出手段によって算出される1次位相に基づき、1次電圧の回転周期の整数倍の期間における積分処理の値を、前記積分処理手段による前記積分処理結果として、前記補正手段に入力することを特徴とする請求項2記載の誘導機の制御装置。
  4. 前記2次磁束補正手段は、前記2次磁束が積分処理された値を目標値にフィードバック制御するための操作量によって前記2次磁束算出手段によって算出された2次磁束を補正することを特徴とする請求項2または3記載の誘導機の制御装置。
  5. 前記2次磁束算出手段によって算出された2次磁束に基づき、1次電圧の位相である1次位相および1次周波数の少なくとも一方を推定する1次電圧情報推定手段を備え、
    前記補正手段は、
    前記積分処理手段によって積分処理された値を1次周波数で回転する回転2次元座標系の成分に変換する回転座標変換手段と、
    前記回転座標変換手段によって変換された成分のうち脈動成分を低減制御すべく、前記少なくとも一方を補正する脈動低減手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の誘導機の制御装置。
  6. 前記2次磁束算出手段によって算出された2次磁束に基づき、前記誘導機のトルクを推定するトルク推定手段を備え、
    前記操作手段は、前記トルク推定手段によって推定されたトルクをトルク指令値にフィードバック制御すべく前記交流電圧印加手段を操作するものであり、
    前記補正手段は、
    前記積分処理手段によって積分処理された値を1次周波数で回転する回転2次元座標系の成分に変換する回転座標変換手段と、
    前記回転座標変換手段によって変換された成分のうち脈動成分を低減制御すべく、前記フィードバック制御の入力パラメータとしての前記推定されるトルクおよび前記トルク指令値の差を補正する脈動低減手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の誘導機の制御装置。
  7. 前記2次磁束算出手段は、固定2次元座標系の成分を算出するものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の誘導機の制御装置。
  8. 前記2次磁束算出手段は、前記誘導機の1次電流、および1次電圧のそれぞれに関する前記固定2次元座標系における成分と、2次周波数とを入力とし、前記2次磁束についての固定2次元座標系の成分を算出するオブザーバを備えることを特徴とする請求項7記載の誘導機の制御装置。
  9. 前記2次磁束算出手段によって算出された2次磁束に基づき、前記誘導機の2次周波数を推定する2次周波数推定手段を備えてセンサレス制御を実現したことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の誘導機の制御装置。
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