JP2013238697A - 偏光板、その製造方法、光学フィルムおよび画像表示装置 - Google Patents

偏光板、その製造方法、光学フィルムおよび画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】偏光子と透明保護フィルムが、接着剤によって貼り合わされており、かつ良好な接着性を有する偏光板であって、かつ、高透過率、高偏光度の光学特性を満足し、かつ短波長側における光漏れを抑制することができる偏光板を提供すること。

【解決手段】偏光子の少なくとも一方の面に、偏光子の側から接着剤層および易接着層をこの順で介して透明保護フィルムが設けられている偏光板であって、前記易接着層は、ポリマー樹脂100重量部に対して、水溶性の還元剤を0.1〜3重量部含有するポリマー樹脂組成物から形成されたものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、偏光板およびその製造方法に関する。当該偏光板はこれ単独で、またはこれを積層した光学フィルムとして液晶表示装置(LCD)、有機EL表示装置、CRT、PDP等の画像表示装置を形成することができる。
液晶表示装置は、パソコン、TV、モニター、携帯電話、PDA等に使用されている。従来、液晶表示装置等に用いる偏光子としては高透過率と高偏光度を兼ね備えていることから、染色処理されたポリビニルアルコール系フィルムが用いられている。当該偏光子は、ポリビニルアルコール系フィルムに、浴中にて、例えば、膨潤、染色、架橋、延伸等の各処理を施した後に、洗浄処理を施してから、乾燥することにより製造される。また前記偏光子は、通常、その片面または両面にトリアセチルセルロース等の保護フィルムが接着剤を用いて貼合された偏光板として用いられている。
近年では、液晶表示装置の高性能化が進み、高い視認性を得るために液晶パネルにはコントラストの向上が求められている。すなわち、黒はより黒く、白はより白く明るいことが望まれており、それに伴い、偏光子の偏光性能の更なる向上が求められている。したがって、偏光性能としては、高い偏光度を持ちながら、高い透過率を有することが非常に重要となっている。
このような偏光子を得るために、これまでに多くの方法が提案されている。例えば、偏光子の製造方法として、未配向のポリビニルアルコール系フィルムを膨潤浴中で膨潤した後、ヨウ素染色浴でヨウ素を吸着させ、さらにホウ酸を含有する水溶液中で、架橋、延伸等の処理を施すことが提案されている(特許文献1)。また、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤した後、加熱、加湿し、次いでヨウ素染色処理を行い、弱延伸した後に強延伸を行うことが提案されている(参考文献2)。
また、偏光板に要求される性能は厳しくなっており、偏光子と透明保護フィルムの接着性の向上が求められている。例えば、偏光子と透明保護フィルムを、活性エネルギー線硬化型接着剤によって貼り合わせる場合には、透明保護フィルムに、オルガノシラン化合物を含有する易接着層を設けて接着剤と貼り合わせることにより接着性を向上できることが提案されている(特許文献3)。
特開2004‐341515号公報 特開2007−199509号 特許第4448183号明細書
しかし、特許文献1、2に記載のように、ポリビニルアルコール系フィルムに対して、ヨウ素染色処理されることにより得られるヨウ素系偏光子は、短波長側において光漏れが生じ、光学特性を十分に満足することができていないことが分かった。
本発明は、偏光子と透明保護フィルムが、接着剤によって貼り合わされており、かつ良好な接着性を有する偏光板であって、かつ、高透過率、高偏光度の光学特性を満足し、かつ短波長側における光漏れを抑制することができる偏光板、およびその製造方法を提供することを目的とする。
また本発明は、前記偏光板を用いた光学フィルムを提供することを目的とする。さらに本発明は、前記偏光板または光学フィルムを用いた画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す偏光板等により前記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、偏光子の少なくとも一方の面に、偏光子の側から接着剤層および易接着層をこの順で介して透明保護フィルムが設けられている偏光板であって、
前記易接着層は、ポリマー樹脂100重量部に対して、水溶性の還元剤を0.1〜3重量部含有するポリマー樹脂組成物により形成されたものであることを特徴とする偏光板、に関する。
前記偏光板において、前記水溶性の還元剤がアスコルビン酸、エリソルビン酸,チオ硫酸、亜硫酸およびこれらの塩の少なくともいずれか1種類を含むことが好ましい。
前記偏光板において、前記易接着層を形成するポリマー樹脂が、ポリエステル骨格を有することが好ましい。
前記偏光板において、前記偏光子が、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素が吸着配向されているヨウ素系偏光子であることが好ましい。
前記偏光板において、前記透明保護フィルムが、セルロース樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂および(メタ)アクリル樹脂から選ばれるいずれか少なくとも1つが好適に用いられる。
前記偏光板において、前記接着剤層が、ポリビニルアルコール系水系接着剤であることが好ましい。
また本発明は、偏光子の少なくとも一方の面に、接着剤層および易接着層をこの順で介して透明保護フィルムが設けられている前記偏光板の製造方法であって、
偏光子と、
ポリマー樹脂100重量部に対して、水溶性の還元剤を0.1〜3重量部を含有するポリマー樹脂組成物により形成された易接着層が設けられている透明保護フィルムを、
前記透明保護フィルムに設けられた易接着層と偏光子が対面するように、接着剤により貼り合わせる工程、
を有することを特徴とする偏光板の製造方法、に関する。さらに本発明は、前記製造方法により得られた偏光板、に関する。
また本発明は、前記偏光板を有すことを特徴とする光学フィルム、に関する。
さらに本発明は、前記偏光板または前記光学フィルムを有することを特徴とする画像表示装置、に関する。
本発明の偏光板は、偏光子の少なくとも一方の面に設けられた透明保護フィルムは、偏光子の側から、接着剤層および易接着層をこの順で介しているため、接着剤層のみの場合に比べて、良好な接着性を有する。
また、本発明の偏光板では、前記易接着層は水溶性の還元剤を有するが、当該水溶性の還元剤は、偏光板の製造中または製造後に、易接着層から接着剤層中に溶出し、さらに偏光子中に浸入すると考えられる。その結果、高透過率、高偏光度の光学特性を満足し、かつ短波長側における光漏れを抑制することができるものと考えられる。なお、一般的に、偏光板用の透明保護フィルム中には、耐久性の向上を目的として、透明保護フィルムを形成する樹脂中に、非水溶性の酸化防止剤(還元剤)が添加されている、非水溶性の酸化防止剤は、偏光板の製造中に、水に触れたとしても透明保護フィルムから溶出することはない。
一般的に、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素が吸着配向されているヨウ素系偏光子では、当該偏光子中に形成させるヨウ素錯体(I ヨウ素錯体とI ヨウ素錯体)が可視波長領域の光を吸収することで、偏光特性を示す。かかる観点から偏光子の光漏れを抑制するために、偏光子中のヨウ素錯体を高配向に配列させることが望まれる。偏光子中に配向性の低いヨウ素錯体が存在すると、偏光子の光学特性が低下する。
本発明の偏光板では、偏光子中に、易接着層から水溶性の還元剤が浸入することで、偏光子中に存在する低配向のヨウ素錯体を優先的に還元し、除去することができる。その結果、配向性の高いヨウ素錯体を選択的に偏光子中に存在させることができ、偏光子の特性向上が可能となる。このように、本発明の偏光板によれば、高透過率、高偏光度の光学特性を満足することができる。
また、還元剤はポリビニルアルコール系フィルム中の配向性の低いI ヨウ素錯体を優先的に還元され、除去されるので、偏光子中に存在するI ヨウ素錯体の配向性が向上すると考えられる。I ヨウ素錯体が偏光子の短波長領域の吸光度に関与するので、偏光子のクロス状態における短波長領域の光漏れ(ブルーリーク)を改善することができると考えられる。
本発明の偏光板は、偏光子の少なくとも一方の面に、偏光子の側から、接着剤層および易接着層を介してこの順で透明保護フィルムが設けられている。
<偏光子>
本発明の偏光板に用いられる偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素などの二色性物質からなる偏光子が好適である。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、1〜80μm程度である。
本発明の偏光子としては、ヨウ素系偏光子が好適である。ヨウ素系偏光子は、ポリビニルアルコール系フィルムに、ヨウ素が吸着配向されたものである。かかるヨウ素系偏光子は、例えば、ポリビニルアルコール系フィルムに、染色工程、架橋工程および延伸工程を少なくとも施すことにより得られる。染色工程、架橋工程および延伸工程には、それぞれ、染色浴、架橋浴および延伸浴の各処理浴が用いられ、これら各処理浴は各工程に応じた処理液(水溶液等)が用いられる。
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子は、例えば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作成することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいても良いヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸しても良いし、また延伸してからヨウ素で染色しても良い。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液や水浴中でも延伸することができる。
<透明保護フィルム>
透明保護フィルムを構成する材料としては、例えば透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れる熱可塑性樹脂が用いられる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロール等のセルロール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン系樹脂)、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、およびこれらの混合物があげられる。なお、偏光子の片側には、透明保護フィルムが接着剤層により貼り合わされるが、他の片側には、透明保護フィルムとして、(メタ)アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂または紫外線硬化型樹脂を用いることができる。
透明保護フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性などの点より1〜500μm程度である。特に1〜300μmが好ましく、5〜200μmがより好ましい。透明保護フィルムは、5〜150μmの場合に特に好適である。
本発明の透明保護フィルムとしては、セルロース樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂および(メタ)アクリル樹脂から選ばれるいずれか少なくとも1つを用いるのが好ましい。本発明では、透明保護フィルムに易接着層は設けられるが、当該易接着層は、上記各種の透明保護フィルムに対して、好適な接着性を示す。特に、本発明の当該易接着層は、接着性を満足することが困難であった(メタ)アクリル樹脂に対しても良好な接着性を示す。
セルロース樹脂は、セルロースと脂肪酸のエステルである。このようセルロースエステル系樹脂の具体例としては、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリプロピオネート、セルロースジプロピオネート等があげられる。これらのなかでも、セルローストリアセテートが特に好ましい。セルローストリアセテートは多くの製品が市販されており、入手容易性やコストの点でも有利である。セルローストリアセテートの市販品の例としては、富士写真フイルム社製の商品名「UV−50」、「UV−80」、「SH−80」、「TD−80U」、「TD−TAC」、「UZ−TAC」や、コニカ社製の「KCシリーズ」等があげられる。一般的にこれらセルローストリアセテートは、面内位相差(Re)はほぼゼロであるが、厚み方向位相差(Rth)は、〜60nm程度を有している。
なお、厚み方向位相差が小さいセルロース樹脂フィルムは、例えば、上記セルロース樹脂を処理することにより得られる。例えばシクロペンタノン、メチルエチルケトン等の溶剤を塗工したポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ステンレスなどの基材フィルムを、一般的なセルロース系フィルムに貼り合わせ、加熱乾燥(例えば80〜150℃で3〜10分間程度)した後、基材フィルムを剥離する方法;ノルボルネン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂などをシクロペンタノン、メチルエチルケトン等の溶剤に溶解した溶液を一般的なセルロース樹脂フィルムに塗工し加熱乾燥(例えば80〜150℃で3〜10分間程度)した後、塗工フィルムを剥離する方法などがあげられる。
また、厚み方向位相差が小さいセルロース樹脂フィルムとしては、脂肪置換度を制御した脂肪酸セルロース系樹脂フィルムを用いることができる。一般的に用いられるトリアセチルセルロースでは酢酸置換度が2.8程度であるが、好ましくは酢酸置換度を1.8〜2.7に制御することによってRthを小さくすることができる。上記脂肪酸置換セルロース系樹脂に、ジブチルフタレート、p−トルエンスルホンアニリド、クエン酸アセチルトリエチル等の可塑剤を添加することにより、Rthを小さく制御することができる。可塑剤の添加量は、脂肪酸セルロース系樹脂100重量部に対して、好ましくは40重量部以下、より好ましくは1〜20重量部、さらに好ましくは1〜15重量部である。
環状ポリオレフィン樹脂の具体例としては、好ましくはノルボルネン系樹脂である。環状オレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称であり、例えば、特開平1−240517号公報、特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報等に記載されている樹脂があげられる。具体例としては、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレン等のα−オレフィンとその共重合体(代表的にはランダム共重合体)、および、これらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、ならびに、それらの水素化物などがあげられる。環状オレフィンの具体例としては、ノルボルネン系モノマーがあげられる。
環状ポリオレフィン樹脂としては、種々の製品が市販されている。具体例としては、日本ゼオン株式会社製の商品名「ゼオネックス」、「ゼオノア」、JSR株式会社製の商品名「アートン」、TICONA社製の商品名「トーパス」、三井化学株式会社製の商品名「APEL」があげられる。
(メタ)アクリル系樹脂としては、Tg(ガラス転移温度)が好ましくは115℃以上、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは125℃以上、特に好ましくは130℃以上である。Tgが115℃以上であることにより、偏光板の耐久性に優れたものとなりうる。上記(メタ)アクリル系樹脂のTgの上限値は特に限定きれないが、成形性等の観点から、好ましくは170℃以下である。(メタ)アクリル系樹脂からは、面内位相差(Re)、厚み方向位相差(Rth)がほぼゼロのフィルムを得ることができる。
(メタ)アクリル系樹脂としては、本発明の効果を損なわない範囲内で、任意の適切な(メタ)アクリル系樹脂を採用し得る。例えば、ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂など)、脂環族炭化水素基を有する重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体など)があげられる。好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸C1−6アルキルがあげられる。より好ましくはメタクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%)とするメタクリル酸メチル系樹脂があげられる。
(メタ)アクリル系樹脂の具体例として、例えば、三菱レイヨン株式会社製のアクリペットVHやアクリペットVRL20A、特開2004−70296号公報に記載の分子内に環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂、分子内架橋や分子内環化反応により得られる高Tg(メタ)アクリル樹脂系があげられる。
(メタ)アクリル系樹脂として、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂を用いることもできる。高い耐熱性、高い透明性、二軸延伸することにより高い機械的強度を有するからである。
ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂としては、特開2000−230016号公報、特開2001−151814号公報、特開2002−120326号公報、特開2002−254544号公報、特開2005−146084号公報などに記載の、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂があげられる。
なお、偏光子の両側に透明保護フィルムを設ける場合、その表裏で同じポリマー材料からなる保護フィルムを用いてもよく、異なるポリマー材料等からなる保護フィルムを用いてもよい。
前記透明保護フィルムとして、正面位相差が40nm以上および/または、厚み方向位相差が80nm以上の位相差を有する位相差板を用いることができる。正面位相差は、通常、40〜200nmの範囲に、厚み方向位相差は、通常、80〜300nmの範囲に制御される。透明保護フィルムとして位相差板を用いる場合には、当該位相差板が透明保護フィルムとしても機能するため、薄型化を図ることができる。
位相差板としては、高分子素材を一軸または二軸延伸処理してなる複屈折性フィルム、液晶ポリマーの配向フィルム、液晶ポリマーの配向層をフィルムにて支持したものなどがあげられる。位相差板の厚さも特に制限されないが、20〜150μm程度が一般的である。
なお、前記位相差を有するフィルムは、位相差を有しない透明保護フィルムに、別途、貼り合せて上記機能を付与することができる。
前記透明保護フィルムは、易接着層を設ける前に、表面改質処理を行ってもよい。具体的な処理としてば、コロナ処理、プラズマ処理、プライマー処理、ケン化処理などがあげられる。
前記透明保護フィルムの偏光子を接着させない面には、ハードコート処理や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないしアンチグレアを目的とした処理を施したものであってもよい。
<接着剤>
前記接着剤としては、光学的に透明であり、易接着層から溶出した水溶性の還元剤を偏光子中に浸入させやすいものを用いるものを特に制限されなく使用でき、例えば、水系、溶剤系、ホットメルト系、ラジカル硬化型の各種形態のものが用いられるが、水系接着剤が好適である。
水系接着剤としては特に限定されるものではないが、例えば、ビニルポリマー系、ゼラチン系、ビニル系ラテックス系、ポリウレタン系、イソシアネート系、ポリエステル系、エポキシ系等を例示できる。このような水系接着剤には、必要に応じて、架橋剤や他の添加剤、酸等の触媒も配合することができる。前記水系接着剤としては、ビニルポリマーを含有する接着剤などを用いることが好ましく、ビニルポリマーとしては、ポリビニルアルコール系樹脂が好ましい。またポリビニルアルコール系樹脂には、ホウ酸やホウ砂、グルタルアルデヒドやメラミン、シュウ酸などの水溶性架橋剤を含有することができる。特に偏光子としてポリビニルアルコール系のポリマーフィルムを用いる場合には、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する接着剤を用いることが、接着性の点から好ましい。さらには、アセトアセチル基を有するポリビニルアルコール系樹脂を含む接着剤が耐久性を向上させる点からより好ましい。前記水系接着剤は、通常、水溶液からなる接着剤として用いられ、通常、0.5〜60重量%の固形分を含有してなる。
また前記接着剤には、金属化合物フィラーを含有させることができる。金属化合物フィラーにより、接着剤層の流動性を制御することができ、膜厚を安定化して、良好な外観を有し、面内が均一で接着性のバラツキのない偏光板が得られる。
本発明の偏光板では、前記接着剤を介して、前記偏光子と透明保護フィルムとが貼り合わされている。接着剤層の厚さ(乾燥後)は、特に制限されないが、水系接着剤を用いた場合には、接着剤層の厚さ(乾燥後)は、通常30〜1000nm程度である。
<易接着層>
本発明の偏光板は、偏光子と透明保護フィルムが接着剤層を介して設けられているが、透明保護フィルムと接着剤層の間には、易接着層を有する。易接着層は、水溶性の還元剤およびポリマー樹脂を含有するポリマー樹脂組成物により形成されたものである。
前記還元剤としては、例えば、アスコルビン酸(ビタミンC)、エリソルビン酸、チオ硫酸、亜硫酸、クロロゲン酸、クエン酸、ロスマリン酸およびこれらの塩等があげられる。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩等があげられる。これらのなかでもアスコルビン酸、エリソルビン酸塩、チオ硫酸塩、亜硫酸塩が好ましい。これら還元剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、易接着層を形成下した後には、偏光板中(易接着層の他に偏光子または接着剤層中においても)において、前記還元剤は当該還元剤または当該還元剤に由来するその酸化体として含有される。例えば、アスコルビン酸が易接着層に含有された場合には、偏光板中においてアスコルビン酸はヨウ素錯体を還元した後、アスコルビン酸の酸化体であるデヒドロアスコルビン酸になる。
易接着層を形成するポリマー樹脂としては、例えば、ポリエステル骨格、ポリエーテル骨格、ポリカーボネート骨格、ポリウレタン骨格、シリコーン系、ポリアミド骨格、ポリイミド骨格、ポリビニルアルコール骨格等を有する各種樹脂を用いることができる。これらポリマー樹脂は1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができるが、なかでも接着力の向上効果の点から、ポリエステル骨格を有する樹脂が好ましい。前記ポリマー樹脂の形態は、水系、溶剤系のいずれでもよいが、易接着層から接着剤層への水溶性の還元剤の溶出が良好なことから、水系のポリマー樹脂が好ましい。
前記易接着層を形成するポリマー樹脂組成物における前記水溶性の還元剤の含有量は、前記ポリマー樹脂(固形分)100重量部に対して、0.1〜3重量部である。0.1重量部未満では、偏光特性を十分に向上させることできず、また、短波長側の光漏れを十分に抑えることができない。一方、前記還元剤の含有量が3重量部を超える場合には、例えば、配向性の悪いヨウ素錯体に加え、配向性の高い錯体も還元・除去されるので、得られるヨウ素系偏光子が十分に染色されず、十分な偏光性能を得るためには、著しく高濃度のヨウ素溶液で染色しなければならない。高濃度のヨウ素溶液を扱う場合、昇華するヨウ素を換気・除去するための換気設備の導入などが必要となり、設備・コスト的に好ましくない。前記水溶性の還元剤の含有量は、前記ポリマー樹脂(固形分)100重量部に対して、0.3〜2.5重量部であるのが好ましく、さらには0.5〜1.5重量部であるのが好ましい。
また易接着層の形成にあたっては、前記ポリマー樹脂組成物には水溶性の還元剤以外の他の添加剤を加えてもよい。具体的にはさらには粘着付与剤、紫外線吸収剤、耐熱安定剤などの安定剤等を用いてもよい。また、オキサゾリン、ホウ酸、トリメチロールメラミン等のメチロール化合物、カルボジイミド、イソシアネート化合物、シランカップリング剤等の架橋成分になりうるものを配合することもできる。なお、これら添加剤により接着性を向上させることができる。なお、前記架橋成分に係る添加剤を用いる場合には、その配合割合は、前記ポリマー樹脂100重量部に対して、50重量部以下、さらには、1〜40重量部、さらには5〜30重量部であるのが好ましい。
易接着層は、通常、透明保護フィルムに予め設けておき、当該透明保護フィルムの易接着層側と偏光子とを接着剤により貼り合わせる。易接着層の形成は、前記ポリマー樹脂および前記水溶性の還元剤を含有するポリマー樹脂組成物(易接着層の形成材)を調製し、当該形成材を透明保護フィルム上に、公知の技術により塗工、乾燥することにより行われる。易接着層の形成材は、乾燥後の厚み、塗工の円滑性などを考慮して適当な濃度に希釈した溶液として、通常調整される。易接着層の乾燥後の厚みは、好ましくは0.01〜5μm、さらに好ましくは0.02〜2μm、さらに好ましくは0.05〜1μmである。なお、易接着層は複数層設けることができるが、この場合にも、易接着層の総厚みは前記範囲になるようにするのが好ましい。また、透明保護フィルムへ易接着層を塗工する前後において、透明保護フィルムは延伸することができる。
<偏光板の製法>
本発明の偏光板は、透明保護フィルムと偏光子を、前記接着剤を用いて貼り合わせることにより製造する。また、透明保護フィルムと、接着剤により形成される接着剤層の間には易接着層を形成する。当該易接着層は、通常、透明保護フィルム上に形成した後、当該易接着層と偏光子が対面するように、前記接着剤により貼り合わせる。
前記製造方法における貼り合わせ工程では、前記接着剤は、偏光子の前記接着剤層を形成する面および/または透明保護フィルムの易接着層面に塗工した後、偏光子と透明保護フィルムの易接着層とを、前記接着剤を介して貼り合わせる。
前記偏光子、透明保護フィルム、易接着層は、前記接着剤を塗工する前に、表面改質処理を行ってもよい。具体的な処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、ケン化処理による処理などがあげられる。
接着剤の塗工方式は、接着剤の粘度や目的とする厚みによって適宜に選択される。塗工方式の例として、例えば、リバースコーター、グラビアコーター(ダイレクト,リバースやオフセット)、バーリバースコーター、ロールコーター、ダイコーター、バーコーター、ロッドコーターなどがあげられる。その他、塗工には、デイッピング方式などの方式を適宜に使用することができる。
上記のように塗工した接着剤を介して、偏光子と透明保護フィルムとを貼り合わせる。偏光子と透明保護フィルムの貼り合わせは、ロールラミネーター等により行う事ができる。
偏光子と透明保護フィルムを貼り合わせた後に、接着剤の種類に応じて、接着剤を硬化させて接着剤層を形成させる。例えば、水系接着剤を用いた場合には、乾燥工程が施される。
本発明の偏光板は、実用に際して他の光学層と積層した光学フィルムとして用いることができる。その光学層については特に限定はないが、例えば反射板や半透過板、位相差板(1/2や1/4等の波長板を含む)、視角補償フィルムなどの液晶表示装置等の形成に用いられることのある光学層を1層または2層以上用いることができる。特に、本発明の偏光板に更に反射板または半透過反射板が積層されてなる反射型偏光板または半透過型偏光板、偏光板に更に位相差板が積層されてなる楕円偏光板または円偏光板、偏光板に更に視角補償フィルムが積層されてなる広視野角偏光板、あるいは偏光板に更に輝度向上フィルムが積層されてなる偏光板が好ましい。
偏光板に前記光学層を積層した光学フィルムは、液晶表示装置等の製造過程で順次別個に積層する方式にても形成することができるが、予め積層して光学フィルムとしたものは、品質の安定性や組立作業等に優れていて液晶表示装置などの製造工程を向上させうる利点がある。積層には粘着層等の適宜な接着手段を用いうる。前記の偏光板やその他の光学フィルムの接着に際し、それらの光学軸は目的とする位相差特性などに応じて適宜な配置角度とすることができる。
前述した偏光板や、偏光板を少なくとも1層積層されている光学フィルムには、液晶セル等の他部材と接着するための粘着層を設けることもできる。粘着層を形成する粘着剤は特に制限されないが、例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、アクリル系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく用いうる。
偏光板や光学フィルムの片面又は両面への粘着層の付設は、適宜な方式で行いうる。その例としては、例えばトルエンや酢酸エチル等の適宜な溶剤の単独物又は混合物からなる溶媒にベースポリマーまたはその組成物を溶解又は分散させた10〜40重量%程度の粘着剤溶液を調製し、それを流延方式や塗工方式等の適宜な展開方式で偏光板上または光学フィルム上に直接付設する方式、あるいは前記に準じセパレータ上に粘着層を形成してそれを偏光板上または光学フィルム上に移着する方式などがあげられる。
粘着層は、異なる組成又は種類等のものの重畳層として偏光板や光学フィルムの片面又は両面に設けることもできる。また両面に設ける場合に、偏光板や光学フィルムの表裏において異なる組成や種類や厚さ等の粘着層とすることもできる。粘着層の厚さは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定でき、一般には1〜500μmであり、5〜200μmが好ましく、特に10〜100μmが好ましい。
粘着層の露出面に対しては、実用に供するまでの間、その汚染防止等を目的にセパレータが仮着されてカバーされる。これにより、通例の取扱状態で粘着層に接触することを防止できる。セパレータとしては、上記厚さ条件を除き、例えばプラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いうる。
なお本発明において、上記した偏光板を形成する偏光子や透明保護フィルムや光学フィルム等、また粘着層などの各層には、例えばサリチル酸エステル系化合物やベンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などの方式により紫外線吸収能をもたせたものなどであってもよい。
本発明の偏光板または光学フィルムは液晶表示装置等の各種装置の形成などに好ましく用いることができる。液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セルと偏光板または光学フィルム、及び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、本発明においては本発明による偏光板または光学フィルムを用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じうる。液晶セルについても、例えばTN型やSTN型、π型などの任意なタイプのものを用いうる。
液晶セルの片側又は両側に偏光板または光学フィルムを配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置を形成することができる。その場合、本発明による偏光板または光学フィルムは液晶セルの片側又は両側に設置することができる。両側に偏光板または光学フィルムを設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
以下に本発明を実施例および比較例をあげて具体的に説明する。
(偏光子)
平均重合度2400、ケン化度99.9モル%、厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルムを、30℃の温水中に60秒間浸漬して膨潤させた。次いで、0.3重量%(重量比:ヨウ素/ヨウ化カリウム=0.5/8)の30℃のヨウ素溶液中で1分間染色しながら、3.5倍まで延伸した。その後、65℃の4重量%のホウ酸水溶液中に0.5分間浸漬しながら総合延伸倍率が6倍まで延伸した。延伸後、70℃のオーブンで3分間乾燥を行い、厚さ26μmの偏光子を得た。偏光子の水分率は13.5重量%であった。
(透明保護フィルム)
(1):ラクトン化ポリメチルメタクリレートフィルム(ラクトン化率20%,厚み30μm,Re=0nm,Rth=0nm;表1中でLMMAと示す)、
(2):ノルボルネン系樹脂フィルム(日本ゼオン(株)製,商品名ゼオノア,厚み40μm;表1中でゼオノアと示す)、
(3):セルロース樹脂フィルム(コニカミノルタオプト(株)製,商品名KC4UY,厚み40μm;表1中でKC4UYと示す)、を選択して用いた。
(4):ポリエステル樹脂フィルム(三菱樹脂(株)製,商品名S100−38,厚み38μm;表1中でS100−38と示す)、または、
(位相差値)
位相差値の測定は、平行ニコル回転法を原理とする位相差計〔王子計測機器(株)製,製品名「KOBRA21−ADH」〕を用いて、波長590nmの値について測定した、nx、ny、nzの値と、フィルム厚み(d)から、正面位相差Re、厚み方向位相差Rth、Nzを求めた。[ただし、フィルムの遅相軸方向、進相軸方向及び厚さ方向の屈折率をそれぞれnx、ny、nzとし、d(nm)はフィルムの厚みとする。遅相軸方向は、フィルム面内の屈折率の最大となる方向とする。]。
(接着剤)
アセトアセチル基変性したポリビニルアルコール樹脂100重量部(アセチル化度13%)に対してメチロールメラミン20重量部を含む水溶液を、濃度5%になるように調整した接着剤水溶液を作製した。
実施例1
(易接着層の形成)
ポリエステル骨格を有するポリマー(スパーフレックスSF210,第一工業製薬(株)製)100重量部(固形分)に対して、アスコルビン酸0.8重量部を配合した形成材(固形分濃度11重量%の水溶液)を調製した。当該形成材を上記透明保護フィルム(1)(ラクトン化ポリメチルメタクリレートフィルム)の片側に、バーコーターを用いて厚さ2μmになるように塗工し、150℃で乾燥して、透明保護フィルム上に易接着層を形成した。乾燥後における易接着層厚みは0.2μmであった。
(偏光板の作成)
上記で得られた偏光子の両面に、上記易接着層付き透明保護フィルム(1)と厚さ80μmのケン化処理を施したトリアセチルセルロースフィルムを、上記接着剤を介して積層し、圧延ロールで密着させた後、70℃にて4分間乾燥させて、偏光板を作製した。
実施例2〜11、比較例1〜4
実施例1において、透明保護フィルムの種類、易接着層を形成するポリマー樹脂、水溶性の還元剤の種類またはそれらの使用量を表1に示すように変えたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を得た。
[評価]
実施例および比較例で得られた、偏光板について下記評価を行った。結果を表1に示す。
<接着力>
得られた偏光板を、15mm×150mmのサイズに裁断してサンプルとした。サンプルを両面接着テープ(日東電工(株)製,No.500)によりガラス板上に貼り付けた。サンプル(偏光板)には、透明保護フィルムと偏光子の間に予めキッカケを設けておき、そのキッカケを変角度ピール試験機(アサヒセイコウ社製)にチャックしてピール強度(N/15mm)を測定した。測定条件は、常温(23℃)、ピール角:90度、ピール速度:3000mm/minとした。得られた測定データの50mm〜100mm間のデータを平均化した値を表1に示す。
<光学特性の測定方法>
偏光子の単体透過率(Ts)、偏光度(P)は、積分球付き分光光度計(日本分光(株)製のV7100)にて測定した。
なお、偏光度は、2枚の同じ偏光子を両者の透過軸が平行となるように重ね合わせた場合の透過率(平行透過率:Tp)および、両者の透過軸が直交するように重ね合わせた場合の透過率(直交透過率:Tc)を以下の式に適用することにより求められるものである。
偏光度P(%)={(Tp−Tc)/(Tp+Tc)}1/2×100
各透過率は、グランテラープリズム偏光子を通して得られた完全偏光を100%として、JIS Z8701の2度視野(C光源)により視感度補整したY値で示したものである。測定波長は、波長410nmであった。得られた410nmにおける直交透過率を光学特性評価の指標とした。
Figure 2013238697
表1中、易接着層の形成材に係るポリマー樹脂は、
SF210:ポリエステル骨格を有するポリマー(スパーフレックスSF210,第一工業製薬(株)製);
WLS202:ポリエーテル骨格を有するポリマー(ハイドランWLS202,大日本インキ化学工業(株)製)、を示す。

Claims (10)

  1. 偏光子の少なくとも一方の面に、偏光子の側から接着剤層および易接着層をこの順で介して透明保護フィルムが設けられている偏光板であって、
    前記易接着層は、ポリマー樹脂100重量部に対して、水溶性の還元剤を0.1〜3重量部含有するポリマー樹脂組成物から形成されたものであることを特徴とする偏光板。
  2. 前記水溶性の還元剤がアスコルビン酸、エリソルビン酸,チオ硫酸、亜硫酸およびこれらの塩の少なくともいずれか1種類を含むことを特徴する請求項1記載の偏光板。
  3. 前記易接着層を形成するポリマー樹脂が、ポリエステル骨格を有することを特徴とする請求項1または2に記載の偏光板。
  4. 前記偏光子が、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素が吸着配向されているヨウ素系偏光子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の偏光板。
  5. 前記透明保護フィルムが、セルロース樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂および(メタ)アクリル樹脂から選ばれるいずれか少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の偏光板。
  6. 前記接着剤層が、ポリビニルアルコール系水系接着剤であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の偏光板。
  7. 偏光子の少なくとも一方の面に、接着剤層および易接着層をこの順で介して透明保護フィルムが設けられている請求項1〜6のいずれかに記載の偏光板の製造方法であって、
    偏光子と、
    ポリマー樹脂100重量部に対して、水溶性の還元剤を0.1〜3重量部を含有するポリマー樹脂組成物から形成された易接着層が設けられている透明保護フィルムを、
    前記透明保護フィルムに設けられた易接着層と偏光子が対面するように、接着剤により貼り合わせる工程、
    を有することを特徴とする偏光板の製造方法。
  8. 請求項7に記載の製造方法により得られた偏光板。
  9. 請求項1〜6、8のいずれかに記載の偏光板を有すことを特徴とする光学フィルム。
  10. 請求項1〜6、8のいずれかに記載の偏光板または請求項9記載の光学フィルムを有することを特徴とする画像表示装置。
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