JP6293422B2 - 偏光板、その製造方法、光学フィルムおよび画像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、偏光板およびその製造方法に関する。当該偏光板はこれ単独で、またはこれを積層した光学フィルムとして液晶表示装置(LCD)、有機EL表示装置、CRT、PDP等の画像表示装置を形成することができる。
液晶表示装置は、パソコン、TV、モニター、携帯電話、PDA等に使用されている。従来、液晶表示装置等に用いる偏光子としては高透過率と高偏光度を兼ね備えていることから、染色処理されたポリビニルアルコール系フィルムが用いられている。当該偏光子は、ポリビニルアルコール系フィルムに、浴中にて、例えば、膨潤、染色、架橋、延伸等の各処理を施した後に、洗浄処理を施してから、乾燥することにより製造される。また前記偏光子は、通常、その片面または両面にトリアセチルセルロース等の保護フィルムが接着剤を用いて貼合された偏光板として用いられている。
近年では、液晶表示装置の高性能化が進み、高い視認性を得るために液晶パネルにはコントラストの向上が求められている。すなわち、黒はより黒く、白はより白く明るいことが望まれており、それに伴い、偏光子の偏光性能の更なる向上が求められている。したがって、偏光性能としては、高い偏光度を持ちながら、高い透過率を有することが非常に重要となっている。
また、偏光板に要求される性能は厳しくなっており、偏光子と透明保護フィルムの接着性の向上が求められている。例えば、偏光子と透明保護フィルムを、活性エネルギー線硬化型接着剤によって貼り合わせる場合には、透明保護フィルムに、オルガノシラン化合物を含有する易接着層を設けて接着剤と貼り合わせることにより接着性を向上できることが提案されている(特許文献1)。
特許第4448183号明細書
特許文献1に記載のように、易接着層を設けた場合には、偏光子と透明保護フィルムとの接着剤による接着性を向上させることができる。しかし、その一方で、易接着層を設けることによって加湿環境したでの耐久性が十分でなくなり、得られる偏光板の偏光度が低下していた。
本発明は、偏光子と透明保護フィルムが、接着剤によって貼り合わされており、かつ良好な接着性を有する偏光板であって、かつ、耐久性を満足することができる偏光板、およびその製造方法を提供することを目的とする。
また本発明は、前記偏光板を用いた光学フィルムを提供することを目的とする。さらに本発明は、前記偏光板または光学フィルムを用いた画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す偏光板等により前記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、偏光子の少なくとも一方の面に、当該偏光子の側から接着剤層および易接着層をこの順で介して透明保護フィルムが設けられている偏光板であって、
前記易接着層は、シランカップリング剤を用いて得られる有機ケイ素化合物層であり、かつ、前記有機ケイ素化合物層の厚みが30nm以下であることを特徴とする偏光板、に関する。
前記偏光板において、前記透明保護フィルムが、セルロース樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂および(メタ)アクリル樹脂から選ばれるいずれか少なくとも1つが好適に用いられる。
前記偏光板において、前記接着剤層が、活性エネルギー線硬化型接着剤により形成されていることが好ましい。
また本発明は、偏光子の少なくとも一方の面に、接着剤層および易接着層をこの順で介して透明保護フィルムが設けられている前記偏光板の製造方法であって、
透明保護フィルムの表面を、シランカップリング剤溶液で処理して、易接着層である有機ケイ素化合物層を形成する工程、
ポリビニルアルコール系フィルム偏光子の少なくとも一方の面に、前記透明保護フィルムに設けられた有機ケイ素化合物層と前記偏光子が対面するように、接着剤により貼り合わせる工程、
を有することを特徴とする偏光板の製造方法、に関する。さらに本発明は、前記製造方法により得られた偏光板、に関する。
また本発明は、前記偏光板を有すことを特徴とする光学フィルム、に関する。
さらに本発明は、前記偏光板または前記光学フィルムを有することを特徴とする画像表示装置、に関する。
本発明の偏光板において、偏光子の少なくとも一方の面に設けられた透明保護フィルムは、偏光子の側から、接着剤層および易接着層をこの順で介している。前記易接着層は、シランカップリング剤により処理されて、有機ケイ素化合物層が形成されており、この有機ケイ素化合物層形成面が接着剤層を介して偏光子と貼り合わされており、接着剤層のみにより偏光子と透明保護フィルムを貼り合わせる場合に比べて、本発明の偏光板は良好な接着性を有する。
また、本発明の偏光板における前記易接着層に係る有機ケイ素化合物層は、厚みが30nm以下の場合においても、接着性が良好であり、従来の偏光板において、易接着層の厚みを大きくなることにより生じると考えられる耐久性の低下を抑制することができる。
本発明の偏光板は、偏光子の少なくとも一方の面に、偏光子の側から、接着剤層および易接着層を介してこの順で透明保護フィルムが設けられている。
<偏光子>
本発明の偏光板に用いられる偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素などの二色性物質からなる偏光子が好適である。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、1〜80μm程度である。
本発明の偏光子としては、ヨウ素系偏光子が好適である。ヨウ素系偏光子は、ポリビニルアルコール系フィルムに、ヨウ素が吸着配向されたものである。かかるヨウ素系偏光子は、例えば、ポリビニルアルコール系フィルムに、染色工程、架橋工程および延伸工程を少なくとも施すことにより得られる。染色工程、架橋工程および延伸工程には、それぞれ、染色浴、架橋浴および延伸浴の各処理浴が用いられ、これら各処理浴は各工程に応じた処理液(水溶液等)が用いられる。
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子は、例えば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作成することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいても良いヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸しても良いし、また延伸してからヨウ素で染色しても良い。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液や水浴中でも延伸することができる。
<透明保護フィルム>
透明保護フィルムを構成する材料としては、例えば透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れる熱可塑性樹脂が用いられる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロール等のセルロール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン系樹脂)、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、およびこれらの混合物が挙げられる。なお、偏光子の片側には、透明保護フィルムが接着剤層により貼り合わされるが、他の片側には、透明保護フィルムとして、(メタ)アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂または紫外線硬化型樹脂を用いることができる。
透明保護フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性などの点より1〜500μm程度である。特に1〜300μmが好ましく、5〜200μmがより好ましい。透明保護フィルムは、5〜150μmの場合に特に好適である。
本発明の透明保護フィルムとしては、セルロース樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂および(メタ)アクリル樹脂から選ばれるいずれか少なくとも1つを用いるのが好ましい。本発明では、透明保護フィルムに易接着層が設けられる。当該易接着層は、上記各種の透明保護フィルムに対して、好適な接着性を示す。特に、本発明の当該易接着層は、接着性を満足することが困難であった(メタ)アクリル樹脂に対しても良好な接着性を示す。
セルロース樹脂は、セルロースと脂肪酸のエステルである。このようセルロースエステル系樹脂の具体例としては、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリプロピオネート、セルロースジプロピオネート等が挙げられる。これらのなかでも、セルローストリアセテートが特に好ましい。セルローストリアセテートは多くの製品が市販されており、入手容易性やコストの点でも有利である。セルローストリアセテートの市販品の例としては、富士写真フイルム社製の商品名「UV−50」、「UV−80」、「SH−80」、「TD−80U」、「TD−TAC」、「UZ−TAC」や、コニカ社製の「KCシリーズ」等が挙げられる。一般的にこれらセルローストリアセテートは、面内位相差(Re)はほぼゼロであるが、厚み方向位相差(Rth)は、〜60nm程度を有している。
なお、厚み方向位相差が小さいセルロース樹脂フィルムは、例えば、上記セルロース樹脂を処理することにより得られる。例えばシクロペンタノン、メチルエチルケトン等の溶剤を塗工したポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ステンレスなどの基材フィルムを、一般的なセルロース系フィルムに貼り合わせ、加熱乾燥(例えば80〜150℃で3〜10分間程度)した後、基材フィルムを剥離する方法;ノルボルネン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂などをシクロペンタノン、メチルエチルケトン等の溶剤に溶解した溶液を一般的なセルロース樹脂フィルムに塗工し加熱乾燥(例えば80〜150℃で3〜10分間程度)した後、塗工フィルムを剥離する方法などが挙げられる。
また、厚み方向位相差が小さいセルロース樹脂フィルムとしては、脂肪置換度を制御した脂肪酸セルロース系樹脂フィルムを用いることができる。一般的に用いられるトリアセチルセルロースでは酢酸置換度が2.8程度であるが、好ましくは酢酸置換度を1.8〜2.7に制御することによってRthを小さくすることができる。上記脂肪酸置換セルロース系樹脂に、ジブチルフタレート、p−トルエンスルホンアニリド、クエン酸アセチルトリエチル等の可塑剤を添加することにより、Rthを小さく制御することができる。可塑剤の添加量は、脂肪酸セルロース系樹脂100重量部に対して、好ましくは40重量部以下、より好ましくは1〜20重量部、さらに好ましくは1〜15重量部である。
環状ポリオレフィン樹脂の具体例としては、好ましくはノルボルネン系樹脂である。環状オレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称であり、例えば、特開平1−240517号公報、特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報等に記載されている樹脂が挙げられる。具体例としては、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレン等のα−オレフィンとその共重合体(代表的にはランダム共重合体)、および、これらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、ならびに、それらの水素化物などが挙げられる。環状オレフィンの具体例としては、ノルボルネン系モノマーが挙げられる。
環状ポリオレフィン樹脂としては、種々の製品が市販されている。具体例としては、日本ゼオン株式会社製の商品名「ゼオネックス」、「ゼオノア」、JSR株式会社製の商品名「アートン」、TICONA社製の商品名「トーパス」、三井化学株式会社製の商品名「APEL」が挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂としては、Tg(ガラス転移温度)が好ましくは115℃以上、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは125℃以上、特に好ましくは130℃以上である。Tgが115℃以上であることにより、偏光板の耐久性に優れたものとなりうる。上記(メタ)アクリル系樹脂のTgの上限値は特に限定きれないが、成形性等の観点から、好ましくは170℃以下である。(メタ)アクリル系樹脂からは、面内位相差(Re)、厚み方向位相差(Rth)がほぼゼロのフィルムを得ることができる。
(メタ)アクリル系樹脂としては、本発明の効果を損なわない範囲内で、任意の適切な(メタ)アクリル系樹脂を採用し得る。例えば、ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂など)、脂環族炭化水素基を有する重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体など)が挙げられる。好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸C1−6アルキルが挙げられる。より好ましくはメタクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%)とするメタクリル酸メチル系樹脂が挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂の具体例として、例えば、三菱レイヨン株式会社製のアクリペットVHやアクリペットVRL20A、特開2004−70296号公報に記載の分子内に環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂、分子内架橋や分子内環化反応により得られる高Tg(メタ)アクリル樹脂系が挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂として、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂を用いることもできる。高い耐熱性、高い透明性、二軸延伸することにより高い機械的強度を有するからである。
ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂としては、特開2000−230016号公報、特開2001−151814号公報、特開2002−120326号公報、特開2002−254544号公報、特開2005−146084号公報などに記載の、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂が挙げられる。
なお、偏光子の両側に透明保護フィルムを設ける場合、その表裏で同じポリマー材料からなる透明保護フィルムを用いてもよく、異なるポリマー材料等からなる透明保護フィルムを用いてもよい。
前記透明保護フィルムとして、正面位相差が40nm以上および/または、厚み方向位相差が80nm以上の位相差を有する位相差板を用いることができる。正面位相差は、通常、40〜200nmの範囲に、厚み方向位相差は、通常、80〜300nmの範囲に制御される。透明保護フィルムとして位相差板を用いる場合には、当該位相差板が透明保護フィルムとしても機能するため、薄型化を図ることができる。
位相差板としては、高分子素材を一軸または二軸延伸処理してなる複屈折性フィルム、液晶ポリマーの配向フィルム、液晶ポリマーの配向層をフィルムにて支持したものなどが挙げられる。位相差板の厚さも特に制限されないが、20〜150μm程度が一般的である。
なお、前記位相差を有するフィルムは、位相差を有しない透明保護フィルムに、別途、貼り合せて上記機能を付与することができる。
前記透明保護フィルムは、易接着層を設ける前に、表面改質処理を行ってもよい。具体的な処理としてば、コロナ処理、プラズマ処理、プライマー処理、ケン化処理などが挙げられる。
前記透明保護フィルムの偏光子を接着させない面には、ハードコート処理や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないしアンチグレアを目的とした処理を施したものであってもよい。
<易接着層>
本発明の偏光板は、偏光子と透明保護フィルムが接着剤層を介して設けられているが、透明保護フィルムと接着剤層の間には、易接着層を有する。易接着層は、シランカップリング剤を用いて得られる有機ケイ素化合物層である。前記有機ケイ素化合物層は、透明保護フィルムの表面をシランカップリング剤により処理することにより形成することができる。この有機ケイ素化合物層の形成面が偏光子と貼り合わせられ、得られる偏光板の接着性を向上させることができる。
シランカップリング剤としては、有機ケイ素化合物を含むものが好ましく、このようなシランカップリング剤としては、従来公知のものが使用でき、例えば、下記一般式(I)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006293422
前記一般式(I)において、R1、R2およびR3は、例えば、水素原子、アルコキシ基またはアルキル基を示し、これらの少なくとも1つは、アルコキシ基である。これらR1、R2およびR3は同一であってもよいし、異なっていてもよいが、全てがアルコキシ基であることが好ましい。nは、例えば、1から10の整数、好ましくは1から5の整数を示す。Xは、例えば、ハロアルキル基、メルカプト基、アルキルスルファニル基、アミノ基、イソシアナト基、ウレイド基、下記一般式(a)で示される基または下記一般式(b)で示される基である。
Figure 0006293422
前記一般式(a)において、Y1、Y2、Y3およびZ1は任意の置換基であり、前記一般式(b)において、Y4、Y5、Y6およびZ2は任意の置換基である。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられ、好ましくはメトキシ基、エトキシ基である。なお、R1、R2およびR3は、アルコキシ基の他に、例えば、加水分解反応によって水酸基となるものであってもよく、この場合、R1、R2およびR3の少なくとも1つ、または全部が加水分解反応によって水酸基となる基であってもよい。
前記一般式(I)において、Xが前記一般式(a)である場合、Y1、Y2およびY3としては、例えば、水素原子、アルキル基およびアリール基等が挙げられ、これらは同一であってもよいし、異なっていてもよく、また、Z1としては、例えば、単結合、下記化学式(1a)、下記化学式(2a)および下記化学式(3a)等が挙げられる。
Figure 0006293422
前記一般式(I)において、Xが前記一般式(b)である場合、Y4、Y5およびY6としては、例えば、水素原子、アルキル基およびアリール基等が挙げられ、これらは同一であってもよいし、異なっていてもよく、Z2として、例えば、単結合、前記化学式(1a)、前記化学式(2a)および前記化学式(3a)等が挙げられる。
前記一般式(I)において、前記アルキル基、ハロアルキル基およびアルキルスルファニル基等の「アルキル」部分は、例えば、炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキルを示し、具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられる。中でも、炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基が好ましく、メチルが特に好ましい。前記ハロアルキル基における「ハロゲン」としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられ、前記ハロアルキル基としては、例えば、クロロメチル基、フルオロメチル基、ヨウ化メチル基、トリフルオロメチル基、クロロエチル基、フルオロエチル基、ヨウ化エチル基、クロロプロピル基等が挙げられる。前記アリール基としては、例えば、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基が挙げられ、中でもフェニル基、ナフチル基、アントラニル基等が好ましい。
前記一般式(I)で表されるシランカップリング剤の具体例としては、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、中でもγ−アクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。これらは、1種類で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
また、前記シランカップリング剤は、不飽和炭化水素基を有することが好ましい。前記不飽和炭化水素基を有するシランカップリング剤としては、例えば、ビニル基を含むシランカップリング剤が挙げられ、具体例としては、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
透明保護フィルムの表面をシランカップリング剤により処理することによって、透明保護フィルムの表面に有機ケイ素化合物層が形成される。有機ケイ素化合物層の形成方法は特に限定されず、透明保護フィルムをシランカップリング剤の溶液に浸漬する方法や、透明保護フィルム上にシランカップリング剤溶液を塗布した後乾燥させる方法等が挙げられる。有機ケイ素化合物層の厚みを制御する観点等からは、透明保護フィルム上にシランカップリング剤溶液を塗布した後乾燥させる方法等が好ましい。シランカップリング剤溶液の塗布方法としては、例えば、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、バーコーティング法、ロッドコーティング法、ロールコーティング法、ダイコーティング法等の従来公知の方法を適宜用いることができる。
シランカップリング剤溶液の溶媒も特に限定されず、公知のものを用いることができるが、例えば、酸性の水やアルコール系溶媒が、シランカップリング剤の溶解度が高い等の理由から特に好ましい。また、前記シランカップリング剤溶液を乾燥させた後、さらに加熱することによって、透明保護フィルムと有機ケイ素化合物層との親和性をより高めることができる。加熱温度は特に限定されないが、加熱温度は、例えば40〜150℃、好ましくは50〜130℃、より好ましくは、60〜120℃である。加熱時間も特に限定されないが、例えば、1分間〜10分間、好ましくは、2分間〜6分間である。
シランカップリング剤を用いて得られる有機ケイ素化合物層の厚みは、30nm以下に設定される。前記厚みは、25nm以下であることがより好ましく、20nm以下であることがさらに好ましい。有機ケイ素化合物層の膜厚が過度に大きいと、得られる偏光板の耐久性の低下を十分に抑制することができず、また、リワーク等の剥離時に有機ケイ素化合物層が凝集破壊を生じ、透明保護フィルムと接着剤層との間の接着性を高く保つことができない場合がある。有機ケイ素化合物層の厚みの下限は特に限定されず、例えば1nm以上であるのが好ましく、より好ましくは3nm以上、さらに好ましくは5nm以上である。
シランカップリング剤等の表面改質剤を用いた表面改質層は、相互になじみの悪い材質、例えばガラス等の無機材料と有機材料等の接着性を高めるために一般的に用いられている。しかしながら、これまで、透明保護フィルムの表面をシランカップリング剤で処理して有機ケイ素化合物層を形成することによって、偏光子との接着性が高められるとの知見は存在していなかった。本発明はこのような新たな知見に基づいてなされたものであり、偏光子と透明保護フィルムとの接着性に優れた偏光板が得られる。
<接着剤層>
前記接着剤層は光学的に透明であれば、特に制限されず水系、溶剤系、ホットメルト系、ラジカル硬化型の各種形態のものが用いられる。前記接着剤層に形成には、例えば、ラジカル硬化型接着剤が好適に用いられる。ラジカル硬化型接着剤としては、電子線硬化型、紫外線硬化型等の活性エネルギー線硬化型の接着剤を例示できる。特に短時間で硬化可能な、活性エネルギー線硬化型が好ましく、さらには低エネルギーで硬化可能な紫外線硬化型接着剤が好ましい。
紫外線硬化型接着剤としては、大きくラジカル重合硬化型接着剤とカチオン重合型接着剤に区分出来る。その他、ラジカル重合硬化型接着剤は熱硬化型接着剤として用いることができる。
ラジカル重合硬化型接着剤の硬化性成分としては、(メタ)アクリロイル基を有する化合物、ビニル基を有する化合物が挙げられる。これら硬化性成分は、単官能または二官能以上のいずれも用いることができる。またこれら硬化性成分は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。これら硬化性成分としては、例えば、(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好適である。
(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、具体的には例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−ニトロプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、t−ペンチル(メタ)アクリレート、3−ペンチル(メタ)アクリレート、2,2−ジメチルブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、4−メチル−2−プロピルペンチル(メタ)アクリレート、n−オクタデシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸(炭素数1−20)アルキルエステル類が挙げられる。
また、(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、例えば、シクロアルキル(メタ)アクリレート(例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレートなど)、アラルキル(メタ)アクリレート(例えば、ベンジル(メタ)アクリレートなど)、多環式(メタ)アクリレート(例えば、2−イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ノルボルニルメチル(メタ)アクリレート、5−ノルボルネン−2−イル−メチル(メタ)アクリレート、3−メチル−2−ノルボルニルメチル(メタ)アクリレートなど)、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル類(例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルメチル−ブチル(メタ)メタクリレートなど)、アルコキシ基またはフェノキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類(2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシメトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートなど)、エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類(例えば、グリシジル(メタ)アクリレートなど)、ハロゲン含有(メタ)アクリル酸エステル類(例えば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレートなど)、アルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート(例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなど)等が挙げられる。
また、前記以外の(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー等が挙げられる。また、アクリロイルモルホリン等の窒素含有モノマー等が挙げられる。
また、前記ラジカル重合硬化型接着剤の硬化性成分としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の重合性二重結合を複数個有する化合物を例示することができ、当該化合物は、架橋成分として接着剤成分に混合することもできる。かかる架橋成分になる硬化性成分としては、例えば、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマルアクリレート、ジオキサングリコールジアクリレート、EO変性ジグリセリンテトラアクリレート、アロニックスM−220(東亞合成社製)、ライトアクリレート1,9ND−A(共栄社化学社製)、ライトアクリレートDGE−4A(共栄社化学社製)、ライトアクリレートDCP−A(共栄社化学社製)、SR−531(Sartomer社製)、CD−536(Sartomer社製)等が挙げられる。また必要に応じて、各種のエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートや、各種の(メタ)アクリレート系モノマー等が挙げられる。
ラジカル重合硬化型接着剤は、前記硬化性成分を含むが、前記成分に加えて、硬化のタイプに応じて、ラジカル重合開始剤を添加する。前記接着剤を電子線硬化型で用いる場合には、前記接着剤にはラジカル重合開始剤を含有させることは特に必要ではないが、紫外線硬化型、熱硬化型で用いる場合には、ラジカル重合開始剤が用いられる。ラジカル重合開始剤の使用量は硬化性成分100重量部あたり、通常0.1〜10重量部程度、好ましくは、0.5〜3重量部である。また、ラジカル重合硬化型接着剤には、必要に応じて、カルボニル化合物などで代表される電子線による硬化速度や感度を上がる光増感剤を添加することもできる。光増感剤の使用量は硬化性成分100重量部あたり、通常0.001〜10重量部程度、好ましくは、0.01〜3重量部である。
カチオン重合硬化型接着剤の硬化性成分としては、エポキシ基やオキセタニル基を有する化合物が挙げられる。エポキシ基を有する化合物は、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有するものであれば特に限定されず、一般に知られている各種の硬化性エポキシ化合物を用いることができる。好ましいエポキシ化合物として、分子内に少なくとも2個のエポキシ基と少なくとも1個の芳香環を有する化合物や、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有し、そのうちの少なくとも1個は脂環式環を構成する隣り合う2個の炭素原子との間で形成されている化合物等が例として挙げられる。
また、接着剤層を形成には、水系の硬化型接着剤として、例えば、ビニルポリマー系、ゼラチン系、ビニル系ラテックス系、ポリウレタン系、イソシアネート系、ポリエステル系、エポキシ系等を例示できる。このような水系接着剤からなる接着剤層は、水溶液の塗布乾燥層などとして形成しうるが、その水溶液の調製に際しては、必要に応じて、架橋剤や他の添加剤、酸等の触媒も配合することができる。
前記水系接着剤としては、ビニルポリマーを含有する接着剤などを用いることが好ましく、ビニルポリマーとしては、ポリビニルアルコール系樹脂が好ましい。またポリビニルアルコール系樹脂としては、アセトアセチル基を有するポリビニルアルコール系樹脂を含む接着剤が耐久性を向上させる点からより好ましい。また、ポリビニルアルコール系樹脂に配合できる架橋剤としては、ポリビニルアルコール系樹脂と反応性を有する官能基を少なくとも2つ有する化合物が好ましく使用できる。例えば、ホウ酸やホウ砂、カルボン酸化合物、アルキルジアミン類;イソシアネート類;エポキシ類;モノアルデヒド類;ジアルデヒド類;アミノ−ホルムアルデヒド樹脂;さらに二価金属、または三価金属の塩およびその酸化物が挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂には、水溶性珪酸塩を配合することができる。水溶性珪酸塩として、珪酸リチウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等が挙げられる。
前記接着剤層を形成する接着剤は、必要であれば適宜添加剤を含むものであっても良い。添加剤の例としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等のカップリング剤、エチレンオキシドで代表される接着促進剤、透明フィルムとの濡れ性を向上させる添加剤、アクリロキシ基化合物や炭化水素系(天然、合成樹脂)などに代表され、機械的強度や加工性などを向上させる添加剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、染料、加工助剤、イオントラップ剤、酸化防止剤、粘着付与剤、充填剤(金属化合物フィラー以外)、可塑剤、レベリング剤、発泡抑制剤、帯電防止割、耐熱安定剤、耐加水分解安定剤等の安定剤等が挙げられる。
<偏光板の製法>
本発明の偏光板は、透明保護フィルムと偏光子を、前記接着剤を用いて貼り合わせることにより製造する。また、透明保護フィルムと、接着剤により形成される接着剤層の間には易接着層(有機ケイ素化合物層)を形成する。当該易接着層(有機ケイ素化合物層)は、通常、透明保護フィルム上に形成した後、当該易接着層と偏光子が対面するように、前記接着剤により貼り合わせる。
前記製造方法における貼り合わせ工程では、前記接着剤は、偏光子の前記接着剤層を形成する面および/または透明保護フィルムの易接着層面に塗工した後、偏光子と透明保護フィルムの易接着層とを、前記接着剤を介して貼り合わせる。
前記偏光子、透明保護フィルム、易接着層(有機ケイ素化合物層)は、前記接着剤を塗工する前に、表面改質処理を行ってもよい。具体的な処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、ケン化処理による処理などが挙げられる。
接着剤の塗工方式は、接着剤の粘度や目的とする厚みによって適宜に選択される。塗工方式の例として、例えば、リバースコーター、グラビアコーター(ダイレクト,リバースやオフセット)、バーリバースコーター、ロールコーター、ダイコーター、バーコーター、ロッドコーターなどが挙げられる。その他、塗工には、デイッピング方式などの方式を適宜に使用することができる。
また、前記接着剤層の厚さは、特に制限されないが、乾燥後厚みが10〜300nm程度であることが好ましい。均一な面内厚みを得ること、および十分な接着力を得る点から、接着剤層の厚みは10〜200nmであることがより好ましく、20〜150nmであることがさらに好ましい。
上記のように塗工した接着剤を介して、偏光子と透明保護フィルムとを貼り合わせる。偏光子と透明保護フィルムの貼り合わせは、ロールラミネーター等により行う事ができる。
偏光子と透明保護フィルムを貼り合わせた後に、接着剤の種類に応じて、接着剤を硬化させて接着剤層を形成させる。例えば、活性エネルギー線硬化型接着剤を用いた場合には活性エネルギー線の照射工程が施され、水系接着剤を用いた場合には乾燥工程が施される。
本発明の偏光板は、実用に際して他の光学層と積層した光学フィルムとして用いることができる。その光学層については特に限定はないが、例えば反射板や半透過板、位相差板(1/2や1/4等の波長板を含む)、視角補償フィルムなどの液晶表示装置等の形成に用いられることのある光学層を1層または2層以上用いることができる。特に、本発明の偏光板に更に反射板または半透過反射板が積層されてなる反射型偏光板または半透過型偏光板、偏光板に更に位相差板が積層されてなる楕円偏光板または円偏光板、偏光板に更に視角補償フィルムが積層されてなる広視野角偏光板、あるいは偏光板に更に輝度向上フィルムが積層されてなる偏光板が好ましい。
偏光板に前記光学層を積層した光学フィルムは、液晶表示装置等の製造過程で順次別個に積層する方式にても形成することができるが、予め積層して光学フィルムとしたものは、品質の安定性や組立作業等に優れていて液晶表示装置などの製造工程を向上させうる利点がある。積層には粘着層等の適宜な接着手段を用いうる。前記の偏光板やその他の光学フィルムの接着に際し、それらの光学軸は目的とする位相差特性などに応じて適宜な配置角度とすることができる。
前述した偏光板や、偏光板を少なくとも1層積層されている光学フィルムには、液晶セル等の他部材と接着するための粘着層を設けることもできる。粘着層を形成する粘着剤は特に制限されないが、例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、アクリル系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく用いうる。
偏光板や光学フィルムの片面又は両面への粘着層の付設は、適宜な方式で行いうる。その例としては、例えばトルエンや酢酸エチル等の適宜な溶剤の単独物又は混合物からなる溶媒にベースポリマーまたはその組成物を溶解又は分散させた10〜40重量%程度の粘着剤溶液を調製し、それを流延方式や塗工方式等の適宜な展開方式で偏光板上または光学フィルム上に直接付設する方式、あるいは前記に準じセパレータ上に粘着層を形成してそれを偏光板上または光学フィルム上に移着する方式などが挙げられる。
粘着層は、異なる組成又は種類等のものの重畳層として偏光板や光学フィルムの片面又は両面に設けることもできる。また両面に設ける場合に、偏光板や光学フィルムの表裏において異なる組成や種類や厚さ等の粘着層とすることもできる。粘着層の厚さは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定でき、一般には1〜500μmであり、5〜200μmが好ましく、特に10〜100μmが好ましい。
粘着層の露出面に対しては、実用に供するまでの間、その汚染防止等を目的にセパレータが仮着されてカバーされる。これにより、通例の取扱状態で粘着層に接触することを防止できる。セパレータとしては、上記厚さ条件を除き、例えばプラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いうる。
なお本発明において、上記した偏光板を形成する偏光子や透明保護フィルムや光学フィルム等、また粘着層などの各層には、例えばサリチル酸エステル系化合物やベンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などの方式により紫外線吸収能をもたせたものなどであってもよい。
本発明の偏光板または光学フィルムは液晶表示装置等の各種装置の形成などに好ましく用いることができる。液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セルと偏光板または光学フィルム、及び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、本発明においては本発明による偏光板または光学フィルムを用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じうる。液晶セルについても、例えばTN型やSTN型、π型などの任意なタイプのものを用いうる。
液晶セルの片側又は両側に偏光板または光学フィルムを配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置を形成することができる。その場合、本発明による偏光板または光学フィルムは液晶セルの片側又は両側に設置することができる。両側に偏光板または光学フィルムを設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて更に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
<偏光子の作製>
重合度2400、ケン化度99.9%、厚み75μmのポリビニルアルコールフィルムを、30℃の温水中に浸漬し、膨潤させながら、ポリビニルアルコールフィルムの長さが元長の2倍となるように自由端一軸延伸をおこなった。ついで、ヨウ素とヨウ化カリウムの混合物(重量比1:16)の濃度が0.3重量%の水溶液(染色浴)に浸漬し、ポリビニルアルコールフィルム長さがの元長の3倍となるように自由端一軸延伸しながらフィルムを染色した。その後、ホウ酸3重量%、ヨウ化カリウム3重量%の水溶液(架橋浴1)中に浸漬しながら、ポリビニルアルコールフィルムの長さが元長の4倍となるように延伸した後、60℃のホウ酸4重量%、ヨウ化カリウム5重量%の水溶液(架橋浴2)中で、ポリビニルアルコールフィルムの長さが元長の6倍となるように延伸した。その後、ヨウ化カリウム3重量%の水溶液(ヨウ素含浸浴)でヨウ素イオン含浸処理を行った後、60℃のオーブンで4分間乾燥し、偏光子を得た。得られた偏光子の厚みは28μmであった。
<透明保護フィルム>
ラクトン化ポリメチルメタクリレートフィルム(ラクトン化率20%)を用いた。
<水系接着剤1の調製)
アセトアセチル基を含有するポリビニルアルコール系樹脂(平均重合度:1200,ケン化度:98.5モル%,アセトアセチル化度:5モル%)100部に対し、珪酸ナトリウム(SiO/NaOのモル比:4)10部を30℃の温度条件下で純水に溶解し、固形分濃度4%に調整して水系接着剤1を得た。
<水系接着剤2の調製)
アセトアセチル基を含有するポリビニルアルコール系樹脂(平均重合度:1200,ケン化度:98.5モル%,アセトアセチル化度:5モル%)を30℃の温度条件下で純水に溶解し、固形分濃度4%に調整して水系接着剤2を得た。
<活性エネルギー線硬化型接着剤の調製>
ヒドロキシエチルアクリルアミド30部、メチルアクリレート30部、アロニックスM−220(東亞合成社製)40部、IRGACURE907(チバ・ジャパン社製)1.5部を混合して50℃で1時間撹拌し活性エネルギー線硬化型接着剤を得た。
実施例1
(易接着層の形成:シランカップリング剤処理)
シランカップリング剤(東レ・ダウコーニング社製 商品名「APZ−6661」)20重量部を80重量部のイソプロピルアルコールで希釈して、シランカップリング剤溶液を調製した。上記透明保護フィルムの表面をコロナ処理した後、ワイヤーバーを用いて前記シランカップリング剤溶液を塗布し、80℃の空気循環式恒温オーブンで2分間乾燥させ、厚さ12nmの有機ケイ素化合物層(易接着層)を形成して、易接着層付き透明保護フィルムを得た。なお、有機ケイ素化合物層の厚みの確認は、得られた偏光板の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察することにより行った。
(偏光板1または2の作成)
上記2枚の易接着層付き透明保護フィルムの片面に、上記水系接着剤1または2を乾燥後の接着剤層の厚みが80nmとなるように塗工した接着剤付き透明保護フィルムを得た。布した。次いで、23℃の温度条件下で、偏光子の両面に接着剤付きの透明保護フィルムをロール機で貼り合せ、その後55℃で6分間乾燥して偏光板1または2を作成した。
(偏光板3の作成)
上記2枚の易接着層付き透明保護フィルムの易接着層上に、上記活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を、マイクログラビアコーター(グラビアロール:#700,回転速度175%/ライン速)を用いて、厚さ1μmになるように塗工した接着剤付き透明保護フィルムを得た。次いで、上記偏光子の両面より、前記接着剤付き透明保護フィルムを、ラミネートロールを用いて貼り合わせた。貼り合わせた透明保護フィルム側(両側)から、紫外線(ガリウム封入メタルハライドランプ,照射装置:FusionUV Systems,Inc社製LightHAMMER10 バルブ:Vバルブ ピーク照度:1600mW/cm、積算照射量800/mJ/cm(波長380〜440nm))を照射して、接着剤を硬化させて、偏光子の両側に透明保護フィルムを有する偏光板3を得た。ライン速度は15m/min、紫外線の積算光量800mJ/cm2とした。なお、紫外線の照度は、Solatell社製Sola−Checkシステムを使用して測定した。
実施例2〜3、比較例1〜3
実施例1において、透明保護フィルムに形成した有機ケイ素化合物層(易接着層)の厚さを表1に示すように変えたこと以外は実施例1と同様にして偏光板1乃至3を得た。
[評価]
実施例および比較例で得られた偏光板1乃至3について下記評価を行った。結果を表1に示す。
<接着力>
各例で得られた偏光板の側面の偏光子と透明保護フィルムとの間にカッターナイフの刃を挿入し、偏光板の端部において、偏光子と透明保護フィルムとを剥離した。当該剥離部において、偏光子および透明保護フィルムのそれぞれを掴み、反対方向に引張って剥離を試みた。その結果を、下記の基準で評価した。
○:偏光子および/または透明保護フィルムが破断して剥離できなかった。
△:偏光子と透明保護フィルムとの間で一部で剥離した。
×:偏光子と透明保護フィルムとの間で完全に剥離した。
<耐久性:偏光度変化の測定>
各例で得られた偏光板を、65℃/95%R.H.の恒温恒湿機に500時間投入した。投入前と投入後の偏光板の偏光度を、積分球付き分光光度計(日本分光(株)製のV7100)を用いて測定し、偏光度の変化量ΔP(%)=(投入前の偏光度(%))−(投入後の偏光度(%))、を求めた。偏光度の変化量ΔPは、0.4%未満であることが好ましく、さらには0.35%以下であることが好ましく、さらには0.3%以下であることが好ましい。
なお、偏光度Pは、2枚の同じ偏光板を両者の透過軸が平行となるように重ね合わせた場合の透過率(平行透過率:Tp)および、両者の透過軸が直交するように重ね合わせた場合の透過率(直交透過率:Tc)を以下の式に適用することにより求められるものである。偏光度P(%)={(Tp−Tc)/(Tp+Tc)}1/2×100
各透過率は、グランテラープリズム偏光子を通して得られた完全偏光を100%として、JIS Z8701の2度視野(C光源)により視感度補整したY値で示したものである。測定波長は、波長410nmであった。得られた410nmにおける直交透過率を光学特性評価の指標とした。
Figure 0006293422

Claims (5)

  1. 偏光子の少なくとも一方の面に、当該偏光子の側から接着剤層および易接着層をこの順で介して透明保護フィルムが設けられている偏光板であって、
    前記透明保護フィルムが液晶ポリマーの配向フィルム、または、液晶ポリマーの配向層をフィルムにて固定した位相差板であり、
    前記易接着層は、透明保護フィルムの表面をシランカップリング剤により処理することによって得られる有機ケイ素化合物層であり、かつ、前記有機ケイ素化合物層の厚みが30nm以下であることを特徴とする偏光板。
  2. 前記接着剤層が、活性エネルギー線硬化型接着剤により形成されていることを特徴とする請求項1記載の偏光板。
  3. 偏光子の少なくとも一方の面に、接着剤層および易接着層をこの順で介して透明保護フィルムが設けられている請求項1または2記載の偏光板の製造方法であって、
    前記透明保護フィルムが液晶ポリマーの配向フィルム、または、液晶ポリマーの配向層をフィルムにて固定した位相差板であり、
    透明保護フィルムの表面を、シランカップリング剤溶液で処理して、易接着層である有機ケイ素化合物層を形成する工程、
    ポリビニルアルコール系フィルム偏光子の少なくとも一方の面に、前記透明保護フィルムに設けられた有機ケイ素化合物層と前記偏光子が対面するように、接着剤により貼り合わせる工程、
    を有することを特徴とする偏光板の製造方法。
  4. 請求項1または2記載の偏光板を有すことを特徴とする光学フィルム。
  5. 請求項1または2記載の偏光板または請求項5記載の光学フィルムを有することを特徴とする画像表示装置。
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