JP2013236745A - 表示部及び遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表示部10を前面視したとき最も後方に形成される絵柄印刷層50と、絵柄印刷層50の前面に形成され後方からの光を透過可能であるとともに前方からの光を吸収するスモーク印刷層60と、スモーク印刷層60の前面に形成され後方からの光を透過可能であるとともに前方からの光を拡散反射する第一パール印刷層70と、第一パール印刷層70の前面に形成された第二パール印刷層80と、を少なくとも備え、第二パール印刷層80には、少なくとも一部に塗料を塗布しないことにより形成される抜き絵柄81が形成されている。
【選択図】図6
Description
一方、特許文献2に示すように、計器などの表示板において、パール印刷層の下層にスモーク印刷層を形成し、スモーク印刷層の下方に後面遮光板を設け、後面遮光板の後方にある光源の消灯時には、後面遮光板に形成された抜き意匠部が視認不能であり、光源の点灯時には、抜き意匠部の輪郭が浮かび上がって見える技術が開示されている。また、スモーク印刷層の下層に透光性表示色層を設けることにより、抜き意匠部が着色表示されることも記載されている。
そこで、本願発明は、従来技術を踏まえたうえで、低コストで、点灯時と消灯時とで異なる標章を見栄え良く表示可能な商品性の高い表示部を提供することを目的とする。また、かかる表示部を備えた遊技機を提供することを目的とする。
なお、括弧内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(特徴点)
(請求項1)
請求項1記載の発明は、後方から照射される光源(LED43,26)の光を透過可能であるとともに、少なくとも一部に印刷部が設けられた表示部(正面パネル10、回転リール20)に係る。本発明に係る表示部(10,20)において、前記印刷部は、前記表示部(10,20)を前面視したとき最も後方に形成される絵柄印刷層(50)と、前記絵柄印刷層(50)の前面に形成され後方からの光を透過可能であるとともに前方からの光を吸収するスモーク印刷層(60)と、前記スモーク印刷層(60)の前面に形成され後方からの光を透過可能であるとともに前方からの光を拡散反射する第一パール印刷層(70)と、前記第一パール印刷層(70)の前面に形成された第二パール印刷層(80)と、を少なくとも備えている。そして、前記第一パール印刷層(70)及び第二パール印刷層(80)のうちの少なくともいずれか一方には、少なくとも一部に塗料を塗布しないことにより形成される抜き絵柄(81)が設けられ、前記光源(43,26)の点灯時には、前記スモーク印刷層(60)及び第一パール印刷層(70)及び第二パール印刷層(80)が前記光源の照射光を透過して、前記絵柄印刷層(50)の絵柄が前面側から視認可能となり、前記光源(43,26)の消灯時には、前記スモーク印刷層(60)及び第一パール印刷層(70)及び第二パール印刷層(80)の存在によって、前記絵柄印刷層(50)の絵柄が前面側から視認不能になるとともに、前記第一パール印刷層(70)又は/及び前記第二パール印刷層(80)に形成された抜き絵柄(81)が前面側から視認可能となることを特徴とする。
本発明にける印刷部は、表示部(10,20)を前面側、すなわち光源(43,26)が設置される側と反対側から見たときに、複数の印刷層が、第二パール印刷層(80)、第一パール印刷層(70)、スモーク印刷層(60)、絵柄印刷層(50)の順に重なっているものである。各印刷層は、表示部(10,20)の印刷が施される基体(板やシート)の表面(前側の面)に印刷されるものであってもよいし、裏面(後側の面)に印刷されるものであってもよい。
そして、光源(43,26)が消灯している場合には、第二パール印刷層(80)と第一パール印刷層(70)が前面側からの光を反射するとともに、スモーク印刷層(60)が前面側からの光を吸収するので、絵柄印刷層(50)の絵柄は視認できない。このとき、前面側からは、第二パール印刷層(80)及び第一パール印刷層(70)の反射色の違いにより、第二パール印刷層(80)又は/及び第一パール印刷層(70)に形成された抜き絵柄(81)が視認可能である。抜き絵柄(81)の後側に絵柄印刷層(50)の絵柄が透けて見えることもない。
本発明によれば、光源(43,26)の消灯時に下層の絵柄が透けて見えることなく点灯時と異なる絵柄を表示させることができ、特別な機構を設ける必要もないのでコストが嵩むこともない。低コストで商品性の高い表示部を提供することができる。
(請求項2)
請求項2記載の発明は、請求項1記載の表示部を備えた遊技機であって、前記表示部として、遊技機の前面に設けられるパネル部材(正面パネル10)を備え、前記光源として、前記パネル部材(10)を遊技機内部側から照射可能な発光体(LED43)を備え、前記パネル部材(10)の少なくとも一部が、前記印刷部となっていることを特徴とする。
本発明に係る「遊技機」は、遊技場に設置される遊技機であって、例えばスロットマシンやパチンコ遊技機などとすることができる。
本発明に係る印刷部は、パネル部材(10)に表示される標章とすることができる。
本発明においては、発光体(43)が点灯しているときには、パネル部材(10)に設けられた印刷部に絵柄印刷層(50)の絵柄が視認可能に表示される。また、発光体(43)が消灯しているときには、抜き絵柄(81)が視認可能に表示される。
本発明によれば、発光体(43)の点灯、消灯によってパネル部材(10)に表示される絵柄を変化させることができ、遊技者を驚かせることができる。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の表示部を備えた遊技機であって、前記表示部として、複数の絵柄(リール図柄23)が印刷されたリールテープ(21)を備える回転リール(20)を備え、前記光源として、前記リールテープ(21)の絵柄を回転リール(20)の内側から照射する発光体(LED26)を備え、前記リールテープ(21)の少なくとも一部が、前記印刷部となっていることを特徴とする。
(作用)
本発明に係る印刷部は、リールテープ(21)に表示される絵柄(リール図柄23)とすることができる。
本発明によれば、発光体(43)の点灯、消灯によって回転リール(20)の絵柄等を変化させることができ、遊技者を驚かせることができる。
(スロットマシンS)
本実施の形態におけるスロットマシンSは、図1及び図2に示すように、大きく分けて、正面側に開口部を有する筐体1と、筐体1の開口部を開閉可能に塞ぐ前扉3とから構成されている。そして、この前扉3は、筐体1の開口上部を開閉可能に塞ぐ上扉3Aと、筐体1の開口下部を開閉可能に塞ぐ下扉3Bとに分割されている。
ここで、リールユニット2は、筐体1に着脱自在に形成されており、制御装置4はリールユニット2の枠体に固定されている。制御装置4は、CPU、ROMなど種々の電子部品を装着した制御基板を、基板ケースに収納したものであり、スロットマシンSの作動を制御するためのものである。前記制御基板としては、主として遊技を制御するためのメイン基板と、主として遊技に付随する演出を制御するためのサブ基板とが設けられている。メイン基板とサブ基板は、別々の基板ケースに収納されていてもよい。ホッパーユニット5はメダルを貯留するとともに入賞時等にはメダルを払い出す払い出し装置である。
ここで、上扉3Aは、図3に示すように、上扉3Aの外観を成す上扉枠40と、上扉枠40の内側に設けられる基体41と、基体41の正面側に配置される正面パネル10とを備えている。上扉枠40は、図1及び図3に示すように、下側が前後に貫通する開口部40Aとなっている枠部材である。開口部40Aの上方には、画像表示部30、ランプ31、上部スピーカ32が取り付けられている。基体41は、略中央部に、前後に貫通する開口部41Aが形成された板部材である。開口部41Aの両側には、正面パネル10を後方から照射するための発光体ユニット42,45が設けてあり、開口部41Aの下側には、7セグメント表示器等により遊技回数や払い出しメダル数、クレジット数などを表示させるための数値表示部44が設けてある。
前記操作部には、遊技メダルを投入するためのメダル投入口33、回転リール20の回転を開始及び停止させるためのスタートスイッチ34及びストップスイッチ35などが設けられている。操作部と下皿36の間には、下パネル37が設けられている。さらに、図2に示すように、下扉3Bの裏面側には、前記メダル投入口33から投入されたメダルを誘導しながらメダルの真贋を判定するためのメダルセレクター39が設けられている。メダルセレクター39を通過したメダルは、ホッパーユニット5に転送され、メダルセレクター39によりキャンセルされたメダルは、図1に示す下皿36に排出される。
(パネル図柄13)
次に、正面パネル10に印刷されているパネル図柄13について詳述する。パネル図柄13は、図3に示すように、図柄表示窓12の正面左側に設けられた印刷部であり、正面パネル10を裏面視した図4に示すように、花の絵柄と蝶の絵柄が重なって印刷されたものである。本実施の形態では、正面パネル10の裏面に印刷を行い、正面側から印刷された面や絵柄が視認できるようになっている。
具体的には、パネル図柄13は、図5(A)に示すように、正面パネル10の裏面に印刷された第二パール印刷層80と、第二パール印刷層80の印刷面に重ねて印刷された第一パール印刷層70と、第一パール印刷層70の印刷面に重ねて印刷されたスモーク印刷層60と、スモーク印刷層60の印刷面に重ねて印刷された絵柄印刷層50とから構成されている。すなわち、パネル図柄13は、図5(B)に示すように、正面側(図5における白矢印側)から見たときに、絵柄印刷層50の前面にスモーク印刷層60が設けられ、スモーク印刷層60の前面に第一パール印刷層70が設けられ、第一パール印刷層70の前面に第二パール印刷層80が設けられた構成となっている。
スモーク印刷層60は、カーボンブラックを混入させて暗色半透明を呈するスモークインクを用いて形成された印刷層であり、後方からの光を透過可能であるとともに前方からの光を吸収するようになっている。スモークインクは、後方からの照射光で絵柄印刷層50の絵柄を透視可能とする濃度に調整されている。
第一パール印刷層70及び第二パール印刷層80(まとめてパール印刷層70,80と省略する)は、偏光パール顔料を混入させたパールインクを用いて形成された印刷層であり、後方からの光を透過可能であるとともに前方からの光を拡散反射するようになっている。パール顔料は、透過性のある雲母の表面を透過性のある酸化チタン等の金属酸化物で被覆したものであり、その粒形及び添加濃度は、後方からの照射光で絵柄印刷層50の絵柄を透視可能とする程度に形成されている。第一パール印刷層70に用いられるパール顔料と第二パール印刷層80に用いられるパール顔料は、同一のものでも異なるものでもよい。また、パール印刷層70,80のベースとなる塗料は、透明又は半透明であり、それぞれの印刷層で異なる色彩を有していてもよいし同一の色彩を有していてもよい。そして、第二パール印刷層80には、図5(A)(B)に示すように、一部に塗料を塗布しないことにより形成される抜き絵柄81が設けられている。ここで、図5(B)は説明のための概念図であって、実際には、絵柄印刷層50の絵柄は正面視すると図6(B)に示すような形状であり、抜き絵柄81は正面視すると図6(A)に示すような形状となっている。
(パネル図柄13の表示)
上記構成を有するパネル図柄13の発光表示について説明する。
前述したように、正面パネル10を装着する上扉3Aの基体41には、図3に示すように、パネル図柄13の後側となる位置に、発光体ユニット42が設けられている。発光体ユニット42は、少なくともパネル図柄13に対応した区切りを有するリフレクタと、特に図示しない発光体基板とから構成されており、発光体基板には、光源としてのLED43が、リフレクタの区切りの中に配置されている。また、パネル図柄13に対応したLED43は、制御装置4(サブ基板)により、遊技状態や演出状態に応じて、それぞれ別個に点灯消灯が制御される。LED43としてRGBLEDを用い、状態に応じて発光色を変化させることもできる。
まず、パネル図柄13は、LED43の消灯時においては、図6(A)に示すように、第二パール印刷層80の抜き絵柄81の部分から、第一パール印刷層70が可視可能となることにより、抜き絵柄81が表示される。また、絵柄印刷層50は、前面側にスモーク印刷層60及び2層のパール印刷層70,80が存在することによって、正面側からは視認できない。これは、スロットマシンSの外部側からの光(ホールの照明等)を、スモーク印刷層60が吸収し、パール印刷層70,80が反射することによる。
このように、パネル図柄13に上記したような2層のパール印刷層70,80を設けることにより、LED43の点灯時には、スモーク印刷層60、第一パール印刷層70及び第二パール印刷層80を透して絵柄印刷層50の絵柄が表示され、LED43の消灯時には、第二パール印刷層80の抜き絵柄81が表示される。すなわち、LED43の点灯、消灯によって、可視可能となるパネル図柄13を変化させることができ、遊技者に驚きを与えることができる。
(回転リール20への応用)
以上は、表示部としての正面パネル10について、2層のパール印刷層を含む印刷部を設けた例であったが、同様の印刷部を、スロットマシンSの主たる遊技装置であるリールユニット2の回転リール20に表示される図柄に用いてもよいものである。
そして、複数のリール図柄23のうち、少なくとも1種類のリール図柄23は、正面視したとき最も後方となる位置に絵柄印刷層50が形成され、絵柄印刷層50の前面にスモーク印刷層60が形成され、スモーク印刷層60の前面に第一パール印刷層70が形成され、第一パール印刷層70の前面に、抜き絵柄81を有する第二パール印刷層80が形成されたものとなっている。各印刷層の印刷方法は正面パネル10の場合と同様である。
また、図示した例では、1種類のリール図柄23について、2層のパール印刷層70,80を設けた構成としてあったが、全てのリール図柄23や、リールテープ21の全体について、2層のパール印刷層70,80を設けた構成してもよい。
(総括)
以上のように、本実施の形態によれば、新たな機構を設けることなく、発光表示部の点灯時と消灯時とで表示される絵柄を変化させることができ、看者の注意を引くことができ、低コストで遊技機の商品性を高めることができる。また、表示に意外性をもたせ演出の幅を広げることができる。さらに、パール印刷層を2層にしたことにより、最下層の絵柄が正面側から透けて見えないので、消灯時の表示を見栄え良くすることができ、点灯により、それまで見えていなかった異なる絵柄が表示されるので、より意外性を強調することができる。
さて、本発明は、上記した正面パネル10やリールテープ21のような、本来的に何らかの印刷を施すことが前提となっている表示部のみならず、印刷を施さなくてもその機能を果たすことが可能な表示部にも利用できるものである。例えば、ランプ31や、上下スピーカ32,38などの演出装置の表面に、上記と同様の印刷部を設けることができる。あるいは、図示しないが、上記以外の演出用表示部、例えば回転灯や発光表示可能な可動役物などに用いてもよい。上下スピーカ32,38に設ける場合には、スピーカグリルの内部に発光体を配置するのが好ましい。ランプ31や上下スピーカ32,38やその他の表示部(例えば図示しないが回転灯)に設ける場合には、ランプカバーやスピーカグリルや回転灯のレンズなどを透明部材で形成して、それらにスクリーン印刷装置で上記したような印刷を施せばよい。
12 図柄表示窓 13 パネル図柄(印刷部)
14 数値表示窓 15 パネル図柄
20 回転リール(表示部) 21 リールテープ
22 ベース印刷部 23 リール図柄
24 リールドラム 25 バックライトユニット
26 LED(発光体・光源) 27 リールモータ
30 画像表示部 31 ランプ
32 上スピーカ 33 メダル投入口
34 スタートスイッチ 35 ストップスイッチ
36 下皿 37 下パネル
38 下スピーカ 39 メダルセレクター
40 上扉枠 41 基体
42 発光体ユニット 43 LED(発光体・光源)
44 数値表示器 45 発光体ユニット
50 絵柄印刷層 60 スモーク印刷層
70 第一パール印刷層 80 第二パール印刷層
81 抜き絵柄
Claims (3)
- 後方から照射される光源の光を透過可能であるとともに、少なくとも一部に印刷部が設けられた表示部であって、
前記印刷部は、
前記表示部を前面視したとき最も後方に形成される絵柄印刷層と、
前記絵柄印刷層の前面に形成され後方からの光を透過可能であるとともに前方からの光を吸収するスモーク印刷層と、
前記スモーク印刷層の前面に形成され後方からの光を透過可能であるとともに前方からの光を拡散反射する第一パール印刷層と、
前記第一パール印刷層の前面に形成された第二パール印刷層と、を少なくとも備え、
前記第一パール印刷層及び第二パール印刷層のうちの少なくともいずれか一方には、少なくとも一部に塗料を塗布しないことにより形成される抜き絵柄が設けられ、
前記光源の点灯時には、前記スモーク印刷層及び第一パール印刷層及び第二パール印刷層が前記光源の照射光を透過して、前記絵柄印刷層の絵柄が前面側から視認可能となり、
前記光源の消灯時には、前記スモーク印刷層及び第一パール印刷層及び第二パール印刷層の存在によって、前記絵柄印刷層の絵柄が前面側から視認不能になるとともに、前記第一パール印刷層又は/及び前記第二パール印刷層に形成された抜き絵柄が前面側から視認可能となることを特徴とする表示部。 - 請求項1記載の表示部を備えた遊技機であって、
前記表示部として、遊技機の前面に設けられるパネル部材を備え、
前記光源として、前記パネル部材を遊技機内部側から照射可能な発光体を備え、
前記パネル部材の少なくとも一部が、前記印刷部となっていることを特徴とする遊技機。 - 請求項1記載の表示部を備えた遊技機であって、
前記表示部として、複数の絵柄が印刷されたリールテープを備える回転リールを備え、
前記光源として、前記リールテープの絵柄を回転リールの内側から照射する発光体を備え、
前記リールテープの少なくとも一部が、前記印刷部となっていることを特徴とする遊技機。
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