JP6240996B2 - 表示部及び遊技機 - Google Patents
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ここで、化粧パネルに関する技術として、特許文献1には、基材表面全面にエンボス加工を形成し、エンボス面全面にわたって、扁平状のマイカ粉または金属粉を含有する偏光塗料を塗装した化粧パネルが記載されている。ただし、偏光塗料は、着色顔料に扁平状のマイカ粉または金属粉を混ぜ、その上に、当該偏光塗料の部分を保護するために透明の樹脂等で塗装する(偏光顔料の層の上に、クリア剤を用いたクリア塗装を行う。)方法が記載されている。
そこで、本願発明は、今までの平面印刷物では表現しにくかった、光の乱反射やリアルな陰影によって、装飾的演出効果を増大させる遊技機用の表示部を提供するとともに、かかる表示部を備えた遊技機を提供することを目的とする。
なお、括弧内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本願発明の技術的範囲を限定するものではない。
(特徴点)
(請求項1)
請求項1記載の発明は、後方から照射される光源(LED43,26)の光が透過可能な表示部(正面パネル10、回転リール20)であって、前記表示部(10,20)を構成する基材(パネル材11、リールテープ21)の一部には、前記基材(11,21)の後面を凹ませ前面を突出させて形成した複数の面を有する突起部(60)が形成され、前記基材(11,21)の後面の凹部である前記突起部(60)の内部には、前記光源(43,26)の光が透過可能であるとともに前方からの光を反射する形状に形成された光輝性顔料(メタリック顔料、いわゆるラメ)が混入された透光性塗料(70)が充填されており、前記透光性塗料(70)の充填された前記突起部(60)の後方を含む前記基材(11,21)の後面に、色彩印刷層(50)が形成されていることを特徴とする。
本発明に係る表示部(10,20)には、光輝性顔料の混入された透光性塗料(70)が充填さた突起部(60)の形状に対応した立体部が形成され、光源(43,26)が消灯している場合には、透光性塗料(70)に混入された光輝性顔料が前方からの光を反射する。これにより、光源(43,26)消灯時の暗さを解消できるとともに、立体的な光輝を実現でき、平面印刷による平面的な光輝と比較して派手さや豪華さをアップさせることが可能である。また、光源(43,26)が点灯している場合には、透光性塗料(70)に混入された光輝性顔料が後方からの光を透過するので、色彩印刷層(50)の色彩を損なうことなく、色彩印刷層(50)により形成される絵柄等を表示させることができる。加えて、透光性塗料(70)の充填された突起部(60)の立体的形状により、光源(43,26)の照射光が乱反射して、視覚的効果を高めることが期待できる。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の表示部を備えた遊技機であって、前記表示部として、遊技機の前面に設けられるパネル部材(10)を備え、前記光源として、前記パネル部材(10)を遊技機内部側から照射可能な発光体(43)を備えていることを特徴とする。
(作用・効果)
本発明によれば、装飾的演出効果の高いパネル部材(10)を有する遊技機を提供することができる。
(請求項3)
請求項3記載の発明は、請求項1に記載の表示部を備えた遊技機であって、前記表示部として、前記基材としてのリールテープ(21)に複数の図柄(リール図柄23)が印刷された回転リール(20)を備え、前記光源として、前記リールテープ(21)の図柄を前記回転リール(20)の内側から照射する発光体(26)を備え、前記突起部(60)を、前記リールテープ(21)の少なくとも一部分に有していることを特徴とする。
本発明において、突起部(60)は、リールテープ(21)の図柄(23)の一部又は全部に設けることができ、リールテープ(21)の図柄(23)以外の部位に設けることもできる。
本発明によれば、発光体(26)が点灯しているときには、回転リール(20)の図柄(23)視認性を妨げることはない一方で、発光体(26)が消灯したときには、突起部(60)が光り輝いて見え、装飾的演出効果の高い回転リール(20)を有する遊技機を提供することができる。
(スロットマシンS)
本実施の形態におけるスロットマシンSは、図1及び図2に示すように、大きく分けて、正面側に開口部を有する筐体1と、筐体1の開口部を開閉可能に塞ぐ前扉3とから構成されている。そして、この前扉3は、筐体1の開口上部を開閉可能に塞ぐ上扉3Aと、筐体1の開口下部を開閉可能に塞ぐ下扉3Bとに分割されている。
ここで、リールユニット2は、筐体1に着脱自在に形成されている。また、回転リール20は、図3に示すように、リールモータ27に軸着された円筒形のリールドラム24に、複数のリール図柄23が印刷されたリールテープ21を貼付したものである。リールドラム24の筒内側には、リール図柄23を内側から照射するためのバックライトユニット25が設けられている。リールモータ27は、リールユニット2の枠体に固定されている。バックライトユニット25は、リールユニット2の正面側に位置するように設けられ、図柄表示窓12から視認可能となる3つのリール図柄23に対応した区切りを有するリフレクタと、特に図示しない発光体基板とから構成されており、発光体基板には、光源としてのLED26が、リフレクタの区切りの中に配置されている。LED26は単色でもRGBでもよい。リールテープ21は、透明なプラスチックフィルムを所定の色彩、例えば白色で印刷してあり、リール図柄23に該当する透明の部位を形成してある。リール図柄23は、透明の部位に所定の色彩印刷を施すことにより形成されている(図5(B)、図6参照)。本実施の形態においては、リール図柄23のうちの所定の図柄は、LED26の点灯時と消灯時とで、絵柄の見え方が異なるように形成されているが、この詳細については後述する。
前扉3のうち、上扉3Aは、筐体1の側板にヒンジを介して回転自在に軸支された板状の扉であり、図1に示すように、略中央部に回転リール20を正面側から見ることができる図柄表示窓12を有している。また、図柄表示窓12の上方には液晶表示装置やドットマトリックスなどの画像表示部30が設けられ、画像表示部30の側方にはランプ31が設けられているとともに、ランプ31の下方には上部スピーカ32が設けられている。
ここで、正面パネル10を装着する上扉3Aの基体41には、図4に示すように、パネル図柄13の後側となる位置に、発光体ユニット42が設けられている。発光体ユニット42は、少なくともパネル図柄13に対応した区切りを有するリフレクタと、特に図示しない発光体基板とから構成されており、発光体基板には、光源としてのLED43が、リフレクタの区切りの中に配置されている。LED43はRGBとするのが好ましい。また、パネル図柄13に対応したLED43は、制御装置4(サブ基板)により、遊技状態や演出状態に応じて、それぞれ別個に点灯消灯が制御される。なお、図4では、パネル図柄13を1つだけ表示しているが、複数のLED43に照射される複数のパネル図柄13があってもよい。また、図柄表示窓12の正面右側のパネル図柄15の後側となる位置に設けられている発光体ユニット45も同様の構成を有しているが、説明は省略する。そして、本実施の形態においては、パネル図柄13は、LED43の点灯時と消灯時とで、絵柄の見え方が異なるように形成されているが、この詳細については後述する。
前記操作部には、遊技メダルを投入するためのメダル投入口33、回転リール20の回転を開始及び停止させるためのスタートスイッチ34及びストップスイッチ35などが設けられている。操作部と下皿36の間には、下パネル37が設けられている。さらに、図2に示すように、下扉3Bの裏面側には、前記メダル投入口33から投入されたメダルを誘導しながらメダルの真贋を判定するためのメダルセレクター39が設けられている。メダルセレクター39を通過したメダルは、ホッパーユニット5に転送され、メダルセレクター39によりキャンセルされたメダルは、図1に示す下皿36に排出される。
(リール図柄23)
本実施の形態においては、リールテープ21には、図5(A)に示すように、一部にエンボス加工により突起部60が形成されている。突起部60は、回転リール20を外側(図5(A)の上側)から見ると手前側に突出し、回転リール20を内側(図5(A)の下側)から見ると奥側に凹んで、立体的に形成された構成になっている。そして、この突起部60の内部(凹部内)に、回転リール20の外側からの光を反射する光輝性顔料(メタリック顔料、いわゆるラメ)が混入された透光性塗料70が充填されている。すなわち、突起部60の凹部は透光性塗料70によって埋められ、リールテープ21の裏面(回転リール20の内側となる面)は平面状となる。透光性塗料70は透明インクを使用しており、突起部60はリールテープ21に色彩印刷を施す前に形成されている。突起部60に透光性塗料70を充填することにより、突起部60は凹部内に色彩印刷が施されることがない透明突起部80となる。また、リールテープ21の裏面の、前記透明突起部80を含む部分には、色彩塗料を用いた色彩印刷層50が形成され、この色彩印刷層50がリール図柄23を形成している。ここで、一般にラメと呼ばれるメタリック顔料(光輝性顔料)は、アルミニウムなどの金属粉、又は金属を蒸着させた樹脂フィルムを鱗片状に加工したものである。金属片であるため光反射性を有し、非常に薄い片であるため、光透過性をも有している。すなわち、印刷面の一方側からの光を透過可能であるとともに、印刷面の他方側からの光を反射することが可能である。メタリック顔料の種類としては、金色をした金ラメ、銀色をした銀ラメ、虹色に見えるホロラメなどを使用することができる。
リールユニット2は、遊技が行われている状態においては、バックライトユニット25のLED26が点灯状態となるように制御される。LED26が点灯している場合において、突起部60を有するリール図柄23が図柄表示窓12から視認可能な位置にあるときは、透光性塗料70に混入されたメタリック顔料はLED26の光を透過して視認不能となり、色彩印刷層50よる図柄が正面視可能となる。また、透明突起部80によってLED26の照射光が乱反射して、視覚的効果が増大する。メタリック顔料を構成する金属片は印刷面の裏側(光源側)からの光を透過するのでLED26の照射光の透過の妨げにならず、色彩印刷層50の色味が濁ることもない。
また、上記した例では、透光性塗料70に透明インクを使用していたが、透光性塗料70に用いるインクは透光性があれば透明インクには限られない(以下パネル図柄13において同じ)。
(パネル図柄13)
本実施の形態に係るパネル図柄13は、図8(A)に示すように、正面パネル10のパネル材11の一部に、上記したリールテープ21に形成されているものと同様の突起部60が形成され、その突起部60の内部に前方からの光を反射する光輝性顔料が混入された透光性塗料70が充填され、立体的な透明突起部80が形成される構成になっている。そして、パネル材11の裏面(スロットマシンSの内部側となる面)の、前記透明突起部80を含む部分には、色彩塗料を用いた色彩印刷層50が形成され、この色彩印刷層50がパネル図柄13を形成している。また、パネル図柄13の、透明突起部80の領域の一部には、塗料を載せないことにより形成される抜き部51が設けられている(図7、図8(A)参照)。
一方、LED43が消灯された場合には、透光性塗料70に混入されたラメが、遊技機外部の光を反射することにより、透明突起部80の立体的な絵柄がきらきらとかがやいて表示される。これにより、LED43が消灯しているときでも、パネル図柄13の表示部分が暗い感じにならず、遊技者の注意を引くことができる。
(総括)
以上のように、本実施の形態によれば、回転リール20のリールテープ21や正面パネル10において、立体形状によるリアルな陰影を再現できるとともに、平面印刷では表現できない高級感や、豪華さを演出することができる。また、発光表示部の点灯時と消灯時とで表示される絵柄の見え方を変化させて看者の注意を引くことができ、低コストで遊技機の商品性を高めることができる。また、表示に意外性をもたせ装飾的演出の幅を広げることができる。
上記した実施の形態では、正面パネル10のパネル材11を基材として加工を施し、突起部60を形成していたが、図8(B)に示すように、パネル材11の表面に、突起部60を形成した基材としてのシート16を貼付するようにしてもよい。突起部60の内部にはメタリック顔料が混入された透光性塗料70を充填し、透明突起部80を形成する。そして、シート16の裏面には、透明突起部80を含む部分に絵柄を形成する色彩印刷層50が設けてある。なお、シート16の中央部に開口部を設けて図柄表示窓としてもよい。このように形成することにより、正面パネル10の厚みの関係で突起部60を形成し難い場合でも、パネル図柄13を立体的に表現することができるとともに、絵柄の層を多重的に形成することが可能である。また、シート16を張り替え交換可能に形成することにより、低コストでスロットマシンSの正面パネル10の表示を変えることができ、スロットマシンSのイメージを季節ごとまたはシリーズごと等に変化させることが可能になる。
ところで、本願発明は、スロットマシン以外の遊技機にも応用できる。例えば、パチンコ遊技機や、遊技媒体として遊技球を用いスロットマシンと同様の遊技を行わせるパロット遊技機に応用することができる。これ以外の遊技機においても、あるいは遊技機以外の装置又は設備であっても、本願発明を用いることができる。
12 図柄表示窓 13 パネル図柄
14 数値表示窓 16 シート(基材)
20 回転リール(表示部) 21 リールテープ(基材)
23 リール図柄 25 バックライトユニット
26 LED(発光体・光源) 27 リールモータ
30 画像表示部 31 ランプ
32 上部スピーカ 33 メダル投入口
34 スタートスイッチ 35 ストップスイッチ
36 下皿 37 下パネル
38 下部スピーカ 39 メダルセレクター
40 上扉枠 41 基体
42 発光体ユニット 43 LED(発光体・光源)
44 数値表示器 45 発光体ユニット
50 色彩印刷層 60 突起部
70 透光性塗料 80 透明突起部
Claims (3)
- 後方から照射される光源の光が透過可能な表示部であって、
前記表示部を構成する基材の一部には、前記基材の後面を凹ませ前面を突出させて形成した複数の面を有する突起部が形成され、
前記基材の後面の凹部である前記突起部の内部には、前記光源の光が透過可能であるとともに前方からの光を反射する形状に形成された光輝性顔料が混入された透光性塗料が充填されており、
前記透光性塗料の充填された前記突起部の後方を含む前記基材の後面に、色彩印刷層が形成されていることを特徴とする表示部。 - 請求項1に記載の表示部を備えた遊技機であって、
前記表示部として、遊技機の前面に設けられるパネル部材を備え、
前記光源として、前記パネル部材を遊技機内部側から照射可能な発光体を備えていることを特徴とする遊技機。 - 請求項1に記載の表示部を備えた遊技機であって、
前記表示部として、前記基材としてのリールテープに複数の図柄が印刷された回転リールを備え、
前記光源として、前記リールテープの図柄を前記回転リールの内側から照射する発光体を備え、
前記突起部を、前記リールテープの少なくとも一部分に有していることを特徴とする遊技機。
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