JP2013234264A - 帯電防止剤及び帯電防止性樹脂組成物 - Google Patents

帯電防止剤及び帯電防止性樹脂組成物 Download PDF

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JP2013234264A JP2012107632A JP2012107632A JP2013234264A JP 2013234264 A JP2013234264 A JP 2013234264A JP 2012107632 A JP2012107632 A JP 2012107632A JP 2012107632 A JP2012107632 A JP 2012107632A JP 2013234264 A JP2013234264 A JP 2013234264A
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Kotaro Kawakami
功太郎 川上
Shinichi Fujita
真市 冨士田
Masanori Hattori
真範 服部
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Abstract

【課題】成形品に25℃以下の環境下での優れた永久帯電防止性及び耐熱性を与える帯電防止剤、並びに前記帯電防止剤を含有する帯電防止性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】イオン液体(A)及び(メタ)アクリル重合体(B)を含有してなる帯電防止剤(Z)であって、(A)と(B)の溶解度パラメータの差の絶対値が1.0以下であり、(Z)のガラス転移温度が−70〜25℃である帯電防止剤。;及び前記帯電防止剤(Z)を熱可塑性樹脂(D)に含有させてなる帯電防止性樹脂組成物であって、(D)は熱可塑性ビニル樹脂(C)を除く熱可塑性樹脂である帯電防止性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、帯電防止剤及び帯電防止性樹脂組成物に関する。更に詳しくは、熱可塑性樹脂組成物を成形して得られた成形品に優れた永久帯電防止性を付与する帯電防止剤及びこれを含有してなる帯電防止性樹脂組成物に関する。
従来、絶縁性の高い熱可塑性樹脂に永久帯電防止性を付与する方法としては、ポリエーテルエステルアミド(特許文献1)やポリエーテル/ポリオレフィンブロックポリマー(特許文献2)等の高分子型帯電防止剤を樹脂中に練り込む方法が知られている。しかしながら、これらの高分子型帯電防止剤は、25℃を超える環境下では帯電防止性は良好であるものの、25℃以下の環境下では帯電防止性が十分ではないという課題があった。
特開平08−12755号公報 特開2001−278985号公報
本発明の目的は、成形品に、25℃以下の環境下での優れた永久帯電防止性及び耐熱性を与える帯電防止剤並びに前記帯電防止剤を含有する帯電防止性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果本発明に到達した。即ち、本発明は、イオン液体(A)及び(メタ)アクリル重合体(B)を含有してなる帯電防止剤(Z)であって、(A)と(B)の溶解度パラメータの差の絶対値が1.0以下であり、(Z)のガラス転移温度が−70〜25℃である帯電防止剤。;前記帯電防止剤と熱可塑性樹脂(D)を含有してなる帯電防止性樹脂組成物であって、(D)は熱可塑性ビニル樹脂(C)を除く熱可塑性樹脂である帯電防止性樹脂組成物;前記組成物を成形してなる成形品;並びに、前記成形品に塗装及び/又は印刷を施してなる成形物品である。
本発明の帯電防止剤及び帯電防止性樹脂組成物は、下記の効果を奏する。
(1)本発明の帯電防止剤は、成形品に、25℃以下の環境下での優れた永久帯電防止性を付与できる。
(2)本発明の帯電防止性樹脂組成物を成形してなる成形品は耐熱性が高い。
本発明におけるイオン液体(A)は、100℃以下の融点を有し、電導度が1〜200mS/cmであり、好ましくは10〜200mS/cmである。
(A)としては、カチオン(a1)とアニオン(a2)から構成されものが挙げられる。
カチオン(a1)としては、アミジニウムカチオン(a1−1)、ピリジニウムカチオン(a1−2)、ピラゾリウムカチオン(a1−3)及びグアニジニウムカチオン(a1−4)等が挙げられる。
アミジニウムカチオン(a1−1)としては下記のものが挙げられる。
[1]イミダゾリニウムカチオン(a1−1−1)
具体的には、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムカチオン、1,3,4−
トリメチル−2−エチルイミダゾリニウムカチオン、1,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウムカチオン、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウムカチオン、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリニウムカチオン、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリニウムカチオン、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウムカチオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウムカチオン、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、3−シアノメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、2−シアノメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−メチルカルボキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、3−メチルカルボキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン及び2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン等が挙げられる。
[2]イミダゾリウムカチオン(a1−1−2)
具体的には、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウムカチオン、1,2−ジメチル−3−エチル−イミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリエチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチル−2−フェニルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチル−2−ベンジルイミダゾリウムカチオン、1−ベンジル−2,3−ジメチル−イミダゾリウムカチオン、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリウムカチオン、3−シアノメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウムカチオン、2−シアノメチル−1,3−ジメチル−イミダゾリウムカチオン、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウムカチオン、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウムカチオン、4−メチルカルボキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウムカチオン、3−メチルカルボキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウムカチオン、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリウムカチオン、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウムカチオン、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウムカチオン、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウムカチオン、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリウムカチオン、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウムカチオン及び2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン等が挙げられる。
[3]テトラヒドロピリミジニウムカチオン(a1−1−3)
具体的には、1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムカチオン、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネニウムカチオン、4−シアノ−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、3−シアノメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、2−シアノメチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、4−アセチル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、3−アセチルメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、4−メチルカルボキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、3−メチルカルボキシメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、4−メトキシ−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、3−メトキシメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、4−ホルミル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン及び2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン等が挙げられる。
[4]ジヒドロピリミジニウムカチオン(a1−1−4)
具体的には、1,2,3−トリメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,5−テトラメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7,9−ウンデカジエニウムカチオン、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5,7−ノナジエニウムカチオン、4−シアノ−1,2,3−トリメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、3−シアノメチル−1,2−ジメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、2−シアノメチル−1,3−ジメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、4−アセチル−1,2,3−トリメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、3−アセチルメチル−1,2−ジメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、4−メチルカルボキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、3−メチルカルボキシメチル−1,2−ジメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、4−メトキシ−1,2,3−トリメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、3−メトキシメチル−1,2−ジメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、4−ホルミル−1,2,3−トリメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン及び2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチル−1,4−ヒドロピリミジニウムカチオン等が挙げられる。
ピリジニウムカチオン(a1−2)としては、3−メチル−1−プロピルピリジニウムカチオン、1−プロピル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3,4−ジメチルピリジニウムカチオン及び1−ブチル−3,5−ジメチルピリジニウムカチオン等が挙げられる。
ピラゾリウムカチオン(a1−3)としては、1、2−ジメチルピラゾリウムカチオン、1−メチル−2−プロピルピラゾリウムカチオン、1−n−ブチル−2−メチルピラゾリウムカチオン及び1−n−ブチル−2−エチルピラゾリウムカチオン等が挙げられる。
グアニジニウムカチオン(a1−4)としては下記のものが挙げられる。
[1]イミダゾリニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン(a1−4−1)
具体的には、2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウムカチオン、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウムカチオン、2−ジエチルアミノ−1,3,4−テトラエチルイミダゾリニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチルイミダゾリニウムカチオン、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチルイミダゾリニウムカチオン、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリニウムカチオン、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリニウムカチオン、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリニウムカチオン、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−4−シアノ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチルイミダゾリニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−3−アセチルメチル−1−メチルイミダゾリニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボキシメチル−1−メチルイミダゾリニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチルイミダゾリニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチルイミダゾリニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチルイミダゾリニウムカチオン及び2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン等が挙げられる。
[2]イミダゾリウム骨格を有するグアニジニウムカチオン(a1−4−2)
具体的には、2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウムカチオン、
2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウムカチオン、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリウムカチオン、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリウムカチオン、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリウムカチオン、2−ジエチルアミノ−1,3,4−テトラエチルイミダゾリウムカチオン、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリウムカチオン、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリウムカチオン、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリウムカチオン、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリウムカチオン、2−ジメチルアミノ−4−シアノ−1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチルイミダゾリウムカチオン、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−3−アセチルメチル−1−メチルイミダゾリウムカチオン、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボキシメチル−1−メチルイミダゾリウムカチオン、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチルイミダゾリウムカチオン、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチルイミダゾリウムカチオン、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチルイミダゾリウムカチオン及び2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン等が挙げられる。
[3]テトラヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン(a1−4−3)
具体的には、2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジエチルアミノ−1,3,4−テトラエチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウムカチオン、1,3,4,6−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウムカチオン、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、1,3,4,6−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−4−シアノ−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−3−アセチルメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボキシメチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボキシメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン及び2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン等が挙げられる。
[4]ジヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン(a1−4−4)
具体的には、2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジエチルアミノ−1,3,4−テトラエチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,6,7,8−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウムカチオン、1,6−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウムカチオン、1,6,7,8−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウムカチオン、1,6−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−4−シアノ−1,3−ジメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−3−アセチルメチル−1−メチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボキシメチル−1,3−ジメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボキシメチル−1−メチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン及び2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン等が挙げられる。
カチオン(a1)のうち、帯電防止性及び耐熱性の観点から好ましいのはアミジニウム
カチオン(a1−1)であり、更に好ましいのはイミダゾリウムカチオン(a1−1−2)、特に好ましいのは1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンである。
アニオン(a2)としては、下記に例示する酸[1]〜[11]からプロトンを除いた
アニオンが挙げられる。アニオンは2種以上の混合物であってもよい。
[1]カルボン酸
モノカルボン酸{炭素数1〜30の脂肪族モノカルボン酸[飽和モノカルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸及びベヘン酸等)、フッ素原子含有カルボン酸(トリフルオロ酢酸等)及び不飽和モノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸及びオレイン酸等)]及び芳香族モノカルボン酸(安息香酸、ケイ皮酸及びナフトエ酸等)};
ポリカルボン酸(2〜4価のポリカルボン酸){脂肪族ポリカルボン酸[飽和ポリカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸及びセバシン酸等);不飽和ポリカルボン酸(マレイン酸、フマール酸及びイタコン酸等)];芳香族ポリカルボン酸[フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸及びピロメリット酸等];脂肪族オキシカルボン酸[グリコール酸、乳酸及び酒石酸等];芳香族オキシカルボン酸[サリチル酸及びマンデル酸等];硫黄原子含有ポリカルボン酸[チオジプロピオン酸等];その他のポリカルボン酸[シクロブテン−1,2−ジカルボン酸、シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸、フラン−2,3−ジカルボン酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプタ−2−エン−2,3−ジカルボン酸及びビシクロ[2,2,1]ヘプタ−2,5−ジエン−2,3−ジカルボン酸]等}
[2]スルホン酸
炭素数1〜30のアルカンスルホン酸(メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ブタンスルホン酸、オクタンスルホン酸及びドデカンスルホン酸等);
炭素数7〜30のアルキルベンゼンスルホン酸(オクチルベンゼンスルホン酸及びドデシルベンゼンスルホン酸等)
[3]無機酸
フッ酸、塩酸、硫酸、リン酸、HClO4、HBF4、HPF6、HAsF6、及びHSbF6等;
[4]ハロゲン原子含有アルキル基置換無機酸(アルキル基の炭素数1〜30)
HBFn(CF34-n(nは0〜3の整数)、HPFn(CF36-n(nは0〜5の整数)、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸、トリクロロメタンスルホン酸、ペンタクロロプロパンスルホン酸、ヘプタクロロブタンスルホン酸、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、トリフルオロ酢酸、ペンタフルオロプロピオン酸、ペンタフルオロブタン酸、トリクロロ酢酸、ペンタクロロプロピオン酸及びヘプタクロロブタン酸等;
[5]ハロゲン原子含有スルホニルイミド(炭素数1〜30)
ビス(フルオロメチルスルホニル)イミド、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド及びビス(フルオロスルホニル)イミド等;
[6]ハロゲン原子含有スルホニルメチド(炭素数3〜30)
トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド等;
[7]ハロゲン原子含有カルボン酸アミド(炭素数2〜30)
ビス(トリフルオロアセト)アミド等;
[8]ニトリル基含有イミド:
HN(CN)2等;
[9]ニトリル含有メチド
HC(CN)3等;
[10]炭素数1〜30のハロゲン原子含有アルキルアミン
HN(CF32等;
[11]シアン酸
チオシアン酸等;
アニオン(a2)のうち、後述するアクリル重合体(B)との相溶性、低腐食性及び低
有害性の観点から好ましいのは、[1]、[2]、[3]、[4]又は[5]からプロトンを除いたアニオンであり、更に好ましいのは、[1]又は[2]からプロトンを除いたアニオンであり、特に好ましいのは、酢酸アニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン及びドデシルベンゼンスルホン酸アニオンである。
(A)の溶解性パラメーター(以下SP値と略記する)は、好ましくは9.7〜12.
5(cal/cm1/2、であり、更に好ましくは9.8〜12.3(cal/cm1/2、特に好ましくは9.9〜12.0(cal/cm1/2である。
なお(A)のSP値は、以下の方法により求めた数値である。
メタクリル酸メチル50gと(A)50gを混合して得られた懸濁液に、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルを滴下し、懸濁液が透明になった時点を目視で確認し、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの滴下量(g)を用いて、以下の計算式から(A)のSP値を算出した。
(A)のSP値=(9.7P+13.5Q)/100
9.7:メタクリル酸メチルのSP値
P:メタクリル酸メチル及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチルの合計重量に基づくメタクリル酸メチルの重量比率(重量%)
13.5:メタクリル酸2−ヒドロキシエチルのSP値
Q:メタクリル酸メチル及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチルの合計重量に基づくメタクリル酸2−ヒドロキシエチルの重量比率(重量%)
なお、上記の測定方法で算出できる(A)のSP値の範囲は、9.7〜12.5である。
イオン液体(A)の合成方法としては、目的とするイオン液体が得られれば特に限定されないが、例えば「イオン性液体−開発の最前線と未来−」[大野弘幸、2003年発行、シーエムシー出版]に記載されている、ハロゲン化物法、水酸化物法、酸エステル法、錯形成法及び中和法等が挙げられる。
本発明における(メタ)アクリル重合体(B)としては、下記の単量体[1]及び/又は[2]を単独重合又は共重合した重合体が挙げられる。なお、「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味する。
[1](メタ)アクリル酸アルキルエステル
炭素数1〜50の直鎖又は分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル、(メタ)アクリル酸トリコシル、(メタ)アクリル酸テトラコシル及び(メタ)アクリル酸ペンタコシル等が挙げられる。
[2]水酸基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステル
炭素数1〜50の直鎖又は分岐のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。具体的には、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシラウリル、(メタ)アクリル酸(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシトリコシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシテトラコシル及び(メタ)アクリル酸ヒドロキシペンタコシル等が挙げられる。
(B)は、単量体[1]及び/又は[2]に加え、下記の単量体[3]〜[8]を構成単量体とすることができる。
[3]カルボキシル基と重合性二重結合を有する単量体
炭素数3〜15の不飽和モノカルボン酸{例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸及び桂皮酸等};炭素数3〜30の不飽和ジカルボン酸(無水物)[例えば(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(無水)シトラコン酸及びメサコン酸等];及び炭素数3〜10の不飽和ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜10)エステル(例えばマレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノデシルエステル、フマル酸モノエチルエステル、イタコン酸モノブチルエステル及びシトラコン酸モノデシルエステル等)等が挙げられる。
[4]スルホ基と重合性二重結合を有する単量体
炭素数5〜18のスルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレート(例えばスルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイロキシエタンスルホン酸及び3−(メタ)アクリロイロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等);炭素数5〜18のスルホ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリルアミド[例えば2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等]等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
[5]ホスホノ基と重合性二重結合を有する単量体
(メタ)アクリロイロキシアルキルリン酸モノエステル(アルキル基の炭素数1〜24)[例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート及びフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート等]、(メタ)アクリロイルオキシアルキルホスホン酸(アルキル基の炭素数1〜24)(例えば2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸等)等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル又はメタクリロイルを意味する。
[6]アミノ基と重合性二重結合を有する単量体
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、クロチルアミン、N,N−ジメチルアミノスチレン、メチル−α−アセトアミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルチオピロリドン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾール及びアミノメルカプトチアゾール等が挙げられる。
[7]アミド基と重合性二重結合を有する単量体:
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド、メタクリルホルムアミド等が挙げられる。
[8]ニトリル基と重合性二重結合を有する炭素数3〜10の単量体:
(メタ)アクリロニトリル及びシアノアクリレート等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリロニトリル」は、アクリロニトリル又はメタクリロニトリルを意味する。
単量体[3]〜[8]のうち、(A)との相溶性の観点から好ましいのは、[3]である。
(メタ)アクリル重合体(B)は、(B)の強度向上を目的として、架橋剤を構成単量体とすることができる。
架橋剤としては、アリル(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジビニルアジペート、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチルロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びジプロピレングルコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。架橋剤は2種以上を併用してもよい。
(B)を構成する単量体[1]、[2]の合計比率は、(B)の重量に基づいて、好ましくは50〜100重量%であり、更に好ましくは60〜90重量%である。
(B)を構成する単量体[3]〜[8]の合計比率は、(B)の重量に基づいて、好ましくは0〜50重量%であり、更に好ましくは10〜40重量%である。
(B)を構成する架橋剤の比率は、(B)の重量に基づいて、好ましくは0〜6重量%であり、更に好ましくは0.5〜5重量%である。
(メタ)アクリル重合体(B)の具体例としては、(メタ)アクリル酸エステル単独重合体、水酸基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステル単独重合体、2種以上の(メタ)アクリル酸エステルを構成単量体とする共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−水酸基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−水酸基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−架橋剤共重合体、水酸基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステル−架橋剤共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−水酸基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステル−架橋剤共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸−架橋剤共重合体、及び(メタ)アクリル酸エステル−水酸基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステル−(メタ)アクリル酸−架橋剤共重合体等が挙げられる。
なお、(B)が共重合体である場合の重合形態としては、ランダム付加重合体又は交互共重合体のいずれでもよく、また、グラフト共重合体又はブロック共重合体のいずれでもよい。
(メタ)アクリル重合体(B)の数平均分子量(以下Mnと略記する)は、好ましくは800〜5,000,000であり、更に好ましくは1,000〜3,000,000、特に好ましくは1,500〜1,000,000である。
本発明における樹脂のMn、重量平均分子量(以下Mwと略記する)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、以下の条件で測定することができる。
装置(一例) :「HLC−8120」[東ソー(株)製]
カラム(一例):「TSK GEL GMH6」[東ソー(株)製]2本
測定温度 :40℃
試料溶液 :0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量 :100μl
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量:500、1,050、2,800、5,970、9,100、
18,100、37,900、96,400、190,000、355,000、
1,090,000、2,890,000)[東ソー(株)製]
(B)のSP値は、好ましくは8.0〜12.0(cal/cm1/2、であり、更に好ましくは8.5〜11.5(cal/cm1/2、特に好ましくは9.0〜10.5(cal/cm1/2である。
なお、(B)及び後述する熱可塑性ビニル樹脂(C)のSP値は、Fedorsによる方法[Polym.Eng.Sci.14(2)152,(1974)]により計算することができる。
(メタ)アクリル重合体(B)は、公知の製造方法によって得ることができ、具体的には前記の単量体[1]〜[8]と必要により架橋剤を、溶剤中で重合触媒存在下に溶液重合することにより得る方法が挙げられる。
溶剤としては、トルエン、キシレン、炭素数9〜10のアルキルベンゼン、メチルエチルケトン及び鉱物油等が挙げられる。
重合触媒としては、アゾ系触媒(アゾビスイソブチロニトリル及びアゾビスバレロニトリル等)、過酸化物系触媒(ベンゾイルパーオキサイド、クミルパーオキサイド及びラウリルパーオキサイド等)及びレドックス系触媒(ベンゾイルパーオキサイドと3級アミンの混合物等)が挙げられる。更に必要により、公知の連鎖移動剤(炭素数2〜20のアルキルメルカプタン等)を使用することもできる。
重合温度は、好ましくは25〜140℃であり、更に好ましくは50〜120℃である。また、上記の溶液重合の他に、塊状重合、乳化重合又は懸濁重合により(B)を得ることができる。
[帯電防止剤(Z)]
本発明の帯電防止剤(Z)は、イオン液体(A)及びアクリル重合体(B)を含有してなる。
(A)と(B)の溶解度パラメータの差の絶対値は1.0以下であり、帯電防止性の観点から、好ましくは0.9以下であり、更に好ましくは0.7以下である。
(Z)のガラス転移温度(以下Tgと略記する)は、−70〜25℃であり、帯電防止性の観点から、好ましくは−65〜24℃、更に好ましくは−50〜23℃である。
(Z)のTgは、「DSC20、SSC/580」[セイコー電子工業(株)製]を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC)で測定することができる。
(Z)には、イオン液体(A)及び(メタ)アクリル重合体(B)に加え、熱可塑性ビニル樹脂(C)を含有させてもよい。
熱可塑性ビニル樹脂(C)は、(メタ)アクリル重合体(B)を除く樹脂であって、具体的には以下の(C1)〜(C3)が挙げられる。
前記単量体[3]〜[8]を構成単量体とする樹脂(C1)、ポリオレフィン樹脂(C2)[ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)及びエチレン−エチルアクリレート共重合樹脂等];ポリスチレン樹脂(C3)[ビニル基含有芳香族炭化水素単独、及びビニル基含有芳香族炭化水素と、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル及びブタジエンからなる群から選ばれる1種以上とを構成単位とする共重合体;例えばポリスチレン(PS)、スチレン/アクリロニトリル共重合体(AN樹脂)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレン共重合体(MBS樹脂)及びスチレン/メタクリル酸メチル共重合体(MS樹脂)]等及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらのうち、後述する成形品の機械特性及び後述する熱可塑性樹脂(D)への分散性の観点から好ましいのは(C1)である。
(C)のMnは、後述する成形品の機械物性及び帯電防止性の観点から、好ましくは2,000〜1,000,000であり、更に好ましくは4,000〜500,000、特に好ましくは6,000〜100,000である。
(C)のSP値は、好ましくは6.0〜9.0(cal/cm1/2、又は11.0〜14.0であり、更に好ましくは7.0〜8.8(cal/cm1/2、又は12.0〜13.5(cal/cm1/2である。
(A)と(C)のSP値の差の絶対値は、帯電防止性の観点から、好ましくは1.3〜4.0であり、更に好ましくは1.4〜3.7、特に好ましくは1.5〜3.5である。
帯電防止剤(Z)の重量に基づく(A)の含有率は、帯電防止性の観点から、好ましくは5〜90重量%であり、更に好ましくは10〜85重量%、特に好ましくは15〜80重量%である。
帯電防止剤(Z)の重量に基づく(B)の含有率は、帯電防止性の観点から、好ましくは10〜95重量%であり、更に好ましくは15〜90重量%、特に好ましくは20〜85重量%である。
(Z)の体積固有抵抗値は、好ましくは1×104〜1×109Ω・cmであり、更に好ましくは1×104〜1×108Ω・cmである。体積固有抵抗値が1×103Ω・cm未満のものは実質的に入手が困難であり、1×1011Ω・cmを超えると後述する成形品の帯電防止性が低下する。
本発明の帯電防止剤(Z)には、本発明の効果を阻害しない範囲で、更に帯電防止性向上剤(E)を含有させることができる。
帯電防止性向上剤(E)としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩(E1)及び界面活性剤(E2)等が挙げられる。(E1)〜(E2)は2種以上を併用してもよい。
アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩(E1)としては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウム等)又はアルカリ土類金属(マグネシウム及びカルシウム等)と、有機酸[炭素数1〜7のモノ又はジカルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸及びコハク酸等)、炭素数1〜7のスルホン酸(メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸及びp−トルエンスルホン酸等)及びチオシアン酸]との塩、及び前記前記アルカリ金属又はアルカリ土類金属と無機酸[ハロゲン化水素酸(塩酸及び臭化水素酸等)、過塩素酸、硫酸、硝酸及びリン酸等)]の塩等が挙げられる。
界面活性剤(E2)としては、公知の非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤等が挙げられる。
帯電防止剤(Z)の重量に基づく(E1)〜(E2)それぞれの含有率は、帯電防止性及び析出せず良好な外観の樹脂成形品を与える観点から、好ましくは20重量%以下であり、更に好ましくは0.01〜15重量%であり、特に好ましくは0.1〜10重量%である。
(E1)〜(E2)の2種以上を併用した場合の(E)の総含有率は、帯電防止性及び析出せず良好な外観の樹脂成形品を与える観点から、好ましくは20重量%以下であり、更に好ましくは0.01〜15重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%である。
帯電防止剤(Z)の製造方法としては特に制限はないが、例えば以下の方法が挙げられる。
[1](B)、(C)を溶融混合した後、(A)、必要により(E)を一括投入して溶融混合する方法。
[2](A)の存在下に(B)を重合したものを、溶融した(C)に混合した後、必要により(E)を投入して溶融混合する方法。
これらのうち、均一な(Z)が得られやすいという観点から好ましいのは、[2]の方法である。
[帯電防止性樹脂組成物]
本発明の帯電防止性樹脂組成物は、帯電防止剤(Z)を熱可塑性樹脂(D)に含有させてなる。
(D)は、(メタ)アクリル重合体(B)及び熱可塑性ビニル樹脂(C)を除く熱可塑性樹脂であり、具体的には、ポリエステル樹脂(D1)[ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリブチレンアジペート及びポリエチレンアジペート];ポリアミド樹脂(D2)[ナイロン66、ナイロン69、ナイロン612、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6/66及びナイロン6/12等];ポリカーボネート樹脂(D3)[ポリカーボネート及びポリカーボネート/ABSアロイ樹脂(PC/ABS)等];ポリアセタール樹脂(D4)、及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらのうち、後述する成形品の機械特性及び(Z)の(D)への分散性の観点から好ましいのは、(D1)及び(D2)である。
帯電防止性樹脂組成物における(Z)の含有率は、成形品の帯電防止性及び機械特性の観点から、(D)の重量に基づいて好ましくは1〜50重量%であり、更に好ましくは2〜40重量%である。
本発明の帯電防止性樹脂組成物組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で添加剤(F)を含有させることができる。(F)としては、着色剤(F1)、離型剤(F2)、酸化防止剤(F3)、難燃剤(F4)、紫外線吸収剤(F5)、抗菌剤(F6)、相溶化剤(F7)及び充填剤(F8)等が挙げられる。(F)は2種以上を併用してもよい。
着色剤(F1)としては、無機顔料(白色顔料、コバルト化合物、鉄化合物及び硫化物等)、有機顔料(アゾ顔料及び多環式顔料等)及び染料(アゾ系、インジゴイド系、硫化系、アリザリン系、アクリジン系、チアゾール系、ニトロ系及びアニリン系等)等が挙げられる。
離型剤(F2)としては、炭素数12〜18の脂肪酸のアルキル(炭素数1〜4)エステル(ステアリン酸ブチル等)、炭素数2〜18の脂肪酸のグリコール(炭素数2〜8)エステル(エチレングリコールモノステアレート等)、炭素数2〜18の脂肪酸の多価(3価以上)アルコールエステル(硬化ヒマシ油等)及び流動パラフィン等が挙げられる。
酸化防止剤(F3)としては、フェノール化合物〔単環フェノール(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等)、ビスフェノール[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等]及び多環フェノール[1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等]等〕、硫黄化合物(ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート等)、リン化合物(トリフェニルホスファイト等)及びアミン化合物(オクチル化ジフェニルアミン等)等が挙げられる。
難燃剤(F4)としては、ハロゲン含有難燃剤、窒素含有難燃剤、硫黄含有難燃剤、珪素含有難燃剤及びリン含有難燃剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤(F5)としては、ベンゾトリアゾール[2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等]、ベンゾフェノン(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等)、サリチレート(フェニルサリチレート等)及びアクリレート(2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’1−ジフェニルアクリレート等)等が挙げられる。
抗菌剤(F6)としては、安息香酸、ソルビン酸、ハロゲン化フェノール、有機ヨウ素、ニトリル(2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル等)、N−ハロアルキルチオイミド、銅剤(8−オキシキノリン銅等)、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、トリハロアリル、トリアゾール、有機窒素硫黄化合物(スラオフ39等)及びピリジン系化合物等が挙げられる。
相溶化剤(F7)としては、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、ヒドロキシル基及びポリオキシアルキレン基からなる群より選ばれる1種以上の官能基(極性基)を有する変性ビニル重合体(例えば、特開平3−258850号公報に記載の重合体、特開平6−345927号公報に記載のスルホン酸基を有する変性ビニル重合体及びポリオレフィン部分と芳香族ビニル重合体部分とを有するブロック重合体等)等が挙げられる。
充填剤(F8)としては、無機充填剤(炭酸カルシウム、タルク及びクレー等)及び有機充填剤(尿素及びステアリン酸カルシウム等)等が挙げられる。
熱可塑性樹脂(D)の重量に基づく(F)の合計含有率は、成形品の機械物性の観点から、好ましくは45重量%以下であり、更に好ましくは0.001〜40重量%、特に好ましくは0.01〜35重量%である。
熱可塑性樹脂(D)の重量に基づく(F1)の含有率は、成形品の機械物性の観点から、好ましくは0.1〜3重量%であり、更に好ましくは0.2〜2重量%である。
熱可塑性樹脂(D)の重量に基づく(F2)、(F3)、(F5)それぞれの含有率は、成形品の機械物性の観点から、好ましくは0.01〜3重量%であり、更に好ましくは0.05〜1重量%である。
熱可塑性樹脂(D)の重量に基づく(F4)、(F6)それぞれの含有率は、成形品の機械物性の観点から、好ましくは0.5〜20重量%であり、更に好ましくは1〜10重量%である。
熱可塑性樹脂(D)の重量に基づく(F7)、(F8)それぞれの含有率は、成形品の機械物性の観点から、好ましくは0.5〜10重量%であり、更に好ましくは1〜5重量%である。
本発明の帯電防止性樹脂組成物は、本発明の帯電防止剤(Z)、熱可塑性樹脂(D)、必要により(F)を溶融混合することにより得ることができる。溶融混合する方法としては、一般的にはペレット状又は粉体状にした各成分を、適切な混合機(ヘンシェルミキサー等)で混合した後、押出機で溶融混合してペレット化する方法が適用できる。
溶融混合時の各成分の添加順序には特に制限はないが、例えば、
[1](Z)を溶融混合した後、(D)、必要により(F)を一括投入して溶融混合する方法。
[2](Z)を溶融混合した後、(D)の一部をあらかじめ溶融混合して(Z)の高濃度組成物(マスターバッチ樹脂組成物)を作製した後、残りの(D)並びに必要に応じて(F)を溶融混合する方法(マスターバッチ法又はマスターペレット法)。
等が挙げられる。
[2]の方法におけるマスターバッチ樹脂組成物中の(Z)の濃度は、好ましくは40〜80重量%であり、更に好ましくは50〜70重量%である。
[1]及び[2]の方法のうち、(Z)を(D)に効率的に分散しやすいという観点から、[2]の方法が好ましい。
[帯電防止性樹脂成形品]
本発明の帯電防止性樹脂成形品は、本発明の帯電防止性樹脂組成物を成形して得られる。成形方法としては、射出成形、圧縮成形、カレンダ成形、スラッシュ成形、回転成形、押出成形、ブロー成形、フィルム成形(キャスト法、テンター法及びインフレーション法等)等が挙げられ、目的に応じて単層成形、多層成形又は発泡成形等の手段も取り入れた任意の方法で成形できる。
本発明の成形品は、優れた機械物性及び永久帯電防止性を有すると共に、良好な塗装性及び印刷性を有し、成形品に塗装及び/又は印刷を施すことにより成形物品が得られる。
成形品を塗装する方法としては、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電スプレー塗装、浸漬塗装、ローラー塗装及び刷毛塗り等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
塗料としては、プラスチックの塗装に一般に用いられる塗料が使用でき、具体的にはポリエステルメラミン樹脂塗料、エポキシメラミン樹脂塗料、アクリルメラミン樹脂塗料及びアクリルウレタン樹脂塗料等が挙げられる。
塗装膜厚(乾燥膜厚)は、目的に応じて適宜選択することができるが通常10〜50μmである。
成形品又は成形品に塗装を施した面に印刷する方法としては、一般的にプラスチックの印刷に用いられる印刷法であればいずれも用いることができ、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、パッド印刷、ドライオフセット印刷及びオフセット印刷等が挙げられる。
印刷インキとしては、プラスチックの印刷に通常用いられるものが使用でき、グラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキ、パッドインキ、ドライオフセットインキ及びオフセットインキ等が挙げられる。
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<製造例1>[イオン液体(A−1)の製造]
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、還流コンデンサ及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、テトラヒドロフラン144重量部、イミダゾール68重量部、ジエチル炭酸236重量部を投入し、撹拌して均一に溶解させた。次いで撹拌下170℃まで昇温し反応容器内の圧力を0.65MPa以下に保ちながら同温度で6時間反応させ、高速液体クロマトグラフィーで反応物の分析を行ったところ、1−エチルイミダゾール95モル%、1,3−ジエチルイミダゾリウムエチル炭酸塩3モル%、イミダゾール2モル%混合物が得られた。この反応物を蒸留して、1−エチルイミダゾール88重量部を得た(収率:92%)。
撹拌機、温度計及び加熱冷却装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、得られた1−エチルイミダゾール96重量部、ジメチル炭酸180重量部及びメタノール128重量部を投入し、撹拌して均一に溶解させた。次いで撹拌下130℃まで昇温し反応容器内の圧力を0.5MPa以下に保ちながら同温度で40時間反応させた後25℃まで冷却し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩を得た(転化率:99.5モル%)。次いで25℃で酢酸60重量部を投入し、同温度で30分間撹拌してイオン液体である1−エチル−3−メチルイミダゾリウム酢酸塩(A−1)を得た。(A−1)のSP値は10.7であった。
<製造例2>[(メタ)アクリル重合体(B−1)の製造]
撹拌機、温度計及び加熱冷却装置を備えた反応容器に、アクリル酸メチル60重量部及びラジカル重合開始剤としてt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノネート「パーブチル O」[日油(株)製]0.3重量部を投入し、窒素雰囲気下、撹拌しながら80℃まで昇温し、同温度で12時間重合させ、(メタ)アクリル重合体(B−1)を製造した。(B−1)のSP値は10.0、Mnは20,0000であった。
<製造例3>[(メタ)アクリル重合体(B−2)の製造]
撹拌機、温度計及び加熱冷却装置を備えた反応容器に、アクリル酸メチル50.0重量部、アクリル酸10重量部及び「パーブチル O」0.3重量部を投入し、窒素雰囲気下、撹拌しながら80℃まで昇温し、同温度で12時間重合させ、(メタ)アクリル重合体(B−2)を製造した。(B−2)のSP値は10.5、Mnは22,0000であった。
<製造例4>[(メタ)アクリル重合体(B−3)の製造]
撹拌機、温度計及び加熱冷却装置を備えた反応容器に、アクリル酸メチル40重量部、アクリル酸20重量部及び「パーブチル O」0.3重量部を投入し、窒素雰囲気下、撹拌しながら80℃まで昇温し、同温度で12時間重合させ、(メタ)アクリル重合体(B−3)を製造した。(B−3)のSP値は11.1、Mnは21,0000であった。
<製造例5>[熱可塑性ビニル樹脂(C−1)の製造]
撹拌機、温度計及び加熱冷却装置を備えた反応容器に、ジメチルアミノエチルアクリレート87.25重量部及び「パーブチル O」0.15重量部を投入し、窒素雰囲気下、撹拌しながら80℃まで昇温し、同温度で12時間重合させ、熱可塑性ビニル樹脂(C−1)を製造した。(C−1)のSP値は8.8、Mnは30,000であった。
<製造例6>[ポリエーテルエステルアミドの製造]
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、ε−カプロラクタム173重量部、テレフタル酸33.2重量部、酸化防止剤「イルガノックス1010」[チバスペシャリティーケミカルズ(株)製]0.4重量部及び水10重量部を投入し、窒素置換後、密閉下、撹拌しながら220℃まで昇温し、同温度(圧力:0.2〜0.3MPa)で4時間撹拌し、両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(R−1)を得た。
撹拌機、温度計及び加熱冷却装置を備えた反応容器に、(R−1)199重量部及びビスフェノールAのEO付加物(Mn:4,000、体積固有抵抗値:2×107Ω・cm)780重量部及び酢酸ジルコニル0.6重量部を投入し、撹拌しながら240℃に昇温し、減圧下(0.013MPa以下)同温度で6時間重合させて、ポリエーテルエステルアミドを得た(S−1)。
<製造例7>[ポリエーテル/ポリオレフィンブロックポリマーの製造]
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン[ポリプロピレン(MFR:10g/10min)を410±0.1℃、窒素通気下(80mL/分)に16分間熱減成して得られたもの。Mn:3,400、炭素数1,000個当たりの二重結合数:7.0、1分子当たりの二重結合の平均数:1.8、両末端変性可能なポリオレフィンの含有率:90重量%]90重量部、無水マレイン酸10重量部及びキシレン30重量部を投入し、均一に混合した後、窒素置換し、密閉下、撹拌しながら200℃まで昇温して溶融させ、同温度で10時間反応させた。次いで、過剰の無水マレイン酸とキシレンを、減圧下(0.013MPa以下)、200℃で3時間かけて留去して、カルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(R−2)95重量部を得た。
撹拌機、温度計及び加熱冷却装置を備えた反応容器に(R−2)67.1重量部、ポリエーテルジアミン[α,ω−ジアミノPEG(Mn:2,000、体積固有抵抗値:1×107Ω・cm)]32.9重量部、酸化防止剤「イルガノックス1010」0.3重量部及び酢酸ジルコニル0.5重量部を投入し、撹拌しながら220℃に昇温し、減圧下(0.013MPa以下)同温度で3時間重合させて、ポリエーテル/ポリオレフィンブロックポリマー(S−2)を得た。
<実施例1〜4、比較例1〜2>
表1に示す配合組成(重量部)に従って、配合成分をヘンシェルミキサーで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、100rpm、200℃、滞留時間5分の条件で溶融混練して、実施例1〜4、比較例1〜2の帯電防止剤(Z−1)〜(Z−4)、(Z’−1)〜(Z’−2)を得た。また、帯電防止剤(Z−1)〜(Z−4)のTgを上記の方法で測定し、表1に示した。
Figure 2013234264
表1中の記号の内容は以下の通りである。
(E1−1):過塩素酸リチウム
<実施例5〜8、比較例3〜4>
表2に示す配合組成(重量部)に従って、配合成分をヘンシェルミキサーで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、シリンダー温度220℃、滞留時間5分の条件で溶融混練して実施例5〜8、比較例3〜4の帯電防止性樹脂組成物を作製した。得られた帯電防止性樹脂組成物から、射出成形機「PS40E5ASE」[日精樹脂工業(株)製]を用いて、シリンダー温度230℃、金型温度50℃の条件で成形試験片を作製し、下記の性能試験により評価した。結果を表2に示す。
<性能試験>
(1)表面固有抵抗値(単位:Ω)
ASTM D257に準拠し、試験片(100×100×2mm)について、超絶縁計「DSM−8103」[東亜ディーケーケー(株)製]を用いて、それぞれ0℃、23℃(いずれも湿度50%RH)の条件下で表面固有抵抗値を測定した。表面固有抵抗値が小さいほど帯電防止性に優れることを示す。
(2)耐熱性(℃)
JIS−K7120(1987年)記載のプラスチックの熱重量測定方法に準じて、TG−DTA測定(空気中)により測定した。具体的には、「TG/DTA6200」[セイコーインスツルメンツ(株)製]を用いて、試料約10mgを、30℃から10℃/分で500℃まで昇温し、TG曲線を解析して耐熱温度を測定した(測定雰囲気;200ml/分 空気、試料容器;アルミパン)。耐熱温度が高いほど耐熱性に優れることを示す。
表2中の記号の内容は以下の通りである。
(D−1):PC/ABS樹脂「サイコロイ C6600」[SABICイノベーティブプラスチックスジャパン合同会社製]
Figure 2013234264
表2から明らかなように、本発明の帯電防止性樹脂組成物は、成型品に25℃以下の環境下での優れた永久帯電防止性と耐熱性を付与することができる。
本発明の帯電防止剤は、成形品に優れた永久帯電防止性を付与できるため、各種成形法[射出成形、圧縮成形、カレンダ成形、スラッシュ成形、回転成形、押出成形、ブロー成形、発泡成形及びフィルム成形(キャスト法、テンター法及びインフレーション法)等]で成形されるハウジング製品(家電・OA機器、ゲーム機器及び事務機器用等)、プラスチック容器材[クリーンルームで使用されるトレー(ICトレー等)及びその他容器等]、各種緩衝材、被覆材(包材用フィルム及び保護フィルム等)、床材用シート、人工芝、マット、テープ基材(半導体製造プロセス用等)及び各種成形品(自動車部品等)用材料として幅広く用いることができる。

Claims (8)

  1. イオン液体(A)及び(メタ)アクリル重合体(B)を含有してなる帯電防止剤(Z)であって、(A)と(B)の溶解度パラメータの差の絶対値が1.0以下であり、(Z)のガラス転移温度が−70〜25℃である帯電防止剤。
  2. 更に、(B)を除く熱可塑性ビニル樹脂(C)を含有してなる請求項1に記載の帯電防止剤(Z)。
  3. (A)が、カチオン(a1)とアニオン(a2)から構成されるイオン液体であり、(a1)が、アミジニウムカチオン(a1−1)、ピリジニウムカチオン(a1−2)、ピラゾリウムカチオン(a1−3)又はグアニジニウムカチオン(a1−4)である請求項1又は2に記載の帯電防止剤(Z)。
  4. (A)が、カチオン(a1)とアニオン(a2)から構成されるイオン液体であり、(a2)が、酢酸アニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン又はドデシルベンゼンスルホン酸アニオンである請求項1〜3のいずれかに記載の帯電防止剤(Z)。
  5. 帯電防止剤(Z)の重量に基づくイオン液体(A)の含有率が5〜90重量%であり、(メタ)アクリル重合体(B)の含有率が10〜95重量%である請求項1〜4のいずれかに記載の帯電防止剤(Z)。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の帯電防止剤(Z)を熱可塑性樹脂(D)に含有させてなる帯電防止性樹脂組成物であって、(D)は(メタ)アクリル重合体(B)及び熱可塑性ビニル樹脂(C)を除く熱可塑性樹脂である帯電防止性樹脂組成物。
  7. 請求項6に記載の帯電防止性樹脂組成物を成形してなる成形品。
  8. 請求項7に記載の成形品に塗装及び/又は印刷を施してなる成形物品。
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