JP2013232536A - 可変容量デバイス及びその駆動方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐電力を向上させる。
【解決手段】実施形態による可変容量デバイスは、第1のMEMS可変容量素子10aと、第1のMEMS可変容量素子の一端と直列に接続された一端を有する第2のMEMS可変容量素子10bと、を具備し、ダウンステート時において、第1のMEMS可変容量素子の第1の容量値は、第2のMEMS可変容量素子の第2の容量値と異なる。
【選択図】図5

Description

本発明の実施形態は、MEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)可変容量素子を有する可変容量デバイス及びその駆動方法に関する。
MEMSを可変容量素子に適用したデバイス(以下、MEMS可変容量デバイスと称す)は、低い損失、高いアイソレーション、高い線形性を実現できることから、次世代携帯端末のマルチバンド・マルチモード化を実現するキーデバイスとして期待されている。
MEMS可変容量デバイスが、例えば、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)規格の無線システムに適用される場合、そのMEMS可変容量デバイスは、35dBm程度のRF(Radio frequency)パワーが印加されている状態で、スイッチングすることが要求される。つまり、高いRFパワーが印加されている状態で、MEMS可変容量デバイスを構成する上部電極が下部電極側に下がった状態(ダウンステート:ダウンステート)から、上部電極を下部電極側から上方へ引き上げた状態(アップステート:アップステート)に戻すことが要求される。このようなRFパワーが印加されている状態におけるスイッチング動作は、ホットスイッチングと呼ばれる。
以上のように、MEMS可変容量デバイスにおけるホットスイッチング動作では、高いRFパワーが印加された状態で、MEMS可変容量デバイスの容量値を可変できるようにし、耐電力を向上させることが望まれている。
特開2011−66156号公報
耐電力を向上させることが可能な可変容量デバイス及びその駆動方法を提供する。
実施形態による可変容量デバイスは、第1のMEMS可変容量素子と、前記第1のMEMS可変容量素子の一端と直列に接続された一端を有する第2のMEMS可変容量素子と、を具備し、ダウンステート時において、前記第1のMEMS可変容量素子の第1の容量値は、前記第2のMEMS可変容量素子の第2の容量値と異なる。
第1の実施形態に係るMEMS可変容量デバイスを示す等価回路図。 第1の実施形態に係るMEMS可変容量デバイスを示す平面図及び断面図。 第1の実施形態に関するMEMS可変容量素子のプルイン及びプルアウトについて説明するための図。 第1の実施形態に関するMEMS可変容量素子の容量値と電位差の関係を説明するための図。 第1の実施形態に係るMEMS可変容量デバイスの駆動状態を示す平面図及び断面図。 第1の実施形態に係るMEMS可変容量素子の上部電極及び下部電極間の距離gと電位差ΔV1、ΔV2との関係を示す図。 第2の実施形態に係るMEMS可変容量デバイスを示す平面図及び断面図。 第2の実施形態に係るMEMS可変容量デバイスの駆動方法を説明するための図。 第3の実施形態に係るMEMS可変容量デバイスを示す等価回路図。 第3の実施形態に係るMEMS可変容量デバイスの構造例1を示す概略的な断面図。 第3の実施形態に係るMEMS可変容量デバイスの構造例2を示す概略的な断面図。 第4の実施形態に係るMEMS可変容量デバイスを示す等価回路図。 第4の実施形態に係る他のMEMS可変容量デバイスを示す等価回路図。 第5の実施形態に係るMEMS可変容量デバイスを示す等価回路図。 第5の実施形態に係るMEMS可変容量デバイスのバイアス方法1を示す図。 第5の実施形態に係るMEMS可変容量デバイスのバイアス方法2を示す図。 第6の実施形態に係る複数のMEMS可変容量デバイスを有する容量バンクを示す等価回路図。 第7の実施形態に係るMEMS可変容量デバイスを示す平面図及び断面図。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。この説明に際し、全図にわたり、共通する部分には共通する参照符号を付す。
[1]第1の実施形態
[1−1]構成
図1を用いて、第1の実施形態に係るMEMS可変容量デバイスの概略的な構成について説明する。
図1に示すように、第1の実施形態のMEMS可変容量デバイス100は、2つのMEMS可変容量素子10a、10bを有している。第1の可変容量素子10aと第2の可変容量素子10bとは、互いに直列に接続されている。第1及び第2の可変容量素子10a、10bがダウンステートにおいて、第1の可変容量素子10aの容量値C1と第2の可変容量素子10bの容量値C2とは、互いに異なっている。
MEMS可変容量デバイス100の端子N1、N2間の電位差がΔVの場合、第1の可変容量素子10aに加わる電位差はΔV1(CV/C1)となり、第2の可変容量素子10bに加わる電位差はΔV2(CV/C2)となる。ここで、Cは、端子N1、N2間の容量値C1と容量値C2の合成容量値である。
第1の実施形態では、第1の可変容量素子10aの容量値C1は、第2の可変容量素子10bの容量値C2よりも大きく設定されている。このため、端子N1、N2間に電位差ΔVが印加されているとき、第1の可変容量素子10aに加わる電位差ΔV1は、第2の可変容量素子10bに加わる電位差ΔV2よりも小さくなる。これにより、第1及び第2の可変容量素子10a、10bを共にダウンステートからアップステートに駆動させる場合、第1の可変容量素子10aが、第2の可変容量素子10bよりも先にプルアウトする。
[1−2]構造
図2(a)及び(b)を用いて、第1の実施形態に係るMEMS可変容量デバイスの構造について説明する。尚、図2(b)は、図2(a)のIIB−IIB線に沿った断面図である。
図2(a)及び(b)に示すように、本実施形態に係るMEMS可変容量デバイス100は、基板1上に、直列接続された2つの可変容量素子10a、10bを有している。第1の可変容量素子10aは、下部電極11aと上部電極13とを含んで構成されている。第2の可変容量素子10bは、下部電極11bと上部電極13とを含んで構成されている。
第1及び第2の可変容量素子10a、10bがダウンステートのとき、第1の可変容量素子10aの容量値C1は、第2の可変容量素子10bの容量値C2よりも大きく設定されている。つまり、上部電極13と下部電極11aとのオーバーラップ面積は、上部電極13と下部電極11bとのオーバーラップ面積よりも大きくなっている。尚、容量値C1、C2に不均一性を持たせる方法は、上部電極13及び下部電極11a、11b間のオーバーラップ面積を変える方法に限定されず、例えば、絶縁膜12a、12bの厚さ、第1及び第2の可変容量素子10a、10bの誘電率等を変える方法でもよい。
基板1は、例えば、ガラス等の絶縁性基板、シリコン基板上に設けられた層間絶縁膜である。基板1がシリコン基板上の層間絶縁膜である場合、シリコン基板の表面には、トランジスタ等の素子が設けられてもよい。それらの素子は、ロジック回路や記憶回路を構成する。層間絶縁膜は、それらの回路を覆うように、シリコン基板上に設けられる。すなわち、MEMS可変容量デバイス100は、例えば、シリコン基板上の回路の上方に設けられる。
尚、例えば、オシレータのようなノイズの発生源になる回路は、MEMS可変容量デバイス100の下方に、配置しないことが望ましい。また、層間絶縁膜内にシールドメタルを設けることにより、下層の回路からのノイズがMEMS可変容量デバイス100に伝播するのを抑制してもよい。また、シリコン基板上の層間絶縁膜は、その寄生容量を小さくするため、誘電率の低い材料が用いられることが望ましい。例えば、層間絶縁膜として、TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)が用いられる。また、寄生容量を小さくするために、層間絶縁膜の膜厚は厚いことが望ましい。
下部電極11a、11bは、互いに電気的に絶縁して基板1上に配置される。下部電極11a、11bは、例えば、四角形の平面形状を有している。例えば、下部電極11aはシグナル電極として機能し、下部電極11bはグランド電極として機能する。
下部電極11a、11b上には、絶縁膜12a、12bがそれぞれ形成されている。絶縁膜12a、12bは、互いに同じ膜厚でもよいし、異なる膜厚でもよい。
上部電極13は、下部電極11a、11bの上方に配置され、下部電極11a、11bと対向する。上部電極13は、例えば、四角形状の平面形状を有し、X方向に延在している。上部電極13は、可動式であり、基板1の表面に対して上下方向(垂直方向)に動く。すなわち、上部電極13と下部電極11a、11bとの間の距離が変化し、この変化に伴い、可変容量素子10a、10bの容量値C1、C2が変化する。尚、上部電極13は、その上面からその底面に向かって貫通する開口部(貫通孔)を有してもよい。上部電極13及び下部電極11a、11bの平面形状は、円形や楕円形等の種々の形状に変形してもよい。
上部電極13の一辺には、バイアス線14の一端が接続されている。このバイアス線14の一端は、上部電極13上に設けられている。バイアス線14と上部電極13との接合部は、積層構造になっている。バイアス線14は、例えば、メアンダ状の平面形状を有している。尚、バイアス線14は、上部電極13と一体として形成されてもよい。
四角形状の上部電極13の四隅には、4つのばね構造部16の一端がそれぞれ接続されている。このばね構造部16の一端は、上部電極13上に設けられている。ばね構造部16と上部電極13との接合部は、積層構造になっている。ばね構造部16は、例えば、メアンダ状の平面形状を有している。
バイアス線14の他端は、アンカー部15に接続され、ばね構造部16の他端は、アンカー部17に接続されている。アンカー部15、17は、基板1上に設けられ、例えば上部電極13と同一配線レベルに形成されている。
上部電極13は、バイアス線14及びアンカー部15を介して、電位(電圧)が供給される。上部電極13は、ばね構造部16及びアンカー部17によって、中空に支持されている。つまり、下部電極11a、11bと上部電極13との間には、空隙(キャビティ)が設けられている。
下部電極11a、11b及び上部電極13は、駆動回路(図示せず)に電気的に接続されている。上部電極13は、駆動回路により、バイアス線14を介して駆動電圧が印加される。尚、上部電極13及び下部電極11a、11bへの駆動電圧は、抵抗素子(図示せず)を介して印加してもよい。これにより、高周波(RF)信号は、バイアス線14の経路にリークしない。
下部電極11a、11b及び上部電極13は、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)又は白金(Pt)等の金属、これらの金属のいずれか1つを含む合金が用いられる。
バイアス線14は、例えば、導電体材料で構成される。バイアス線14は、上部電極13又は下部電極11a、11bと同じ材料が用いられてもよい。
ばね構造部16は、絶縁体材料、半導体材料、導電体材料のいずれで構成されてもよい。ここで、絶縁体材料としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコンが挙げられる。半導体材料としては、例えば、ポリシリコン(poly−Si)、シリコン(Si)及びシリコンゲルマニウム(SiGe)が挙げられる。導電体材料としては、例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、アルミニウム−チタニウム(AlTi)合金が挙げられる。ばね構造部16は、バイアス線14と異なる材料で構成されてもよい。
アンカー部15、17は、例えば、導電体材料で構成される。アンカー部15、17は、下部電極11a、11b、上部電極13、バイアス線14、ばね構造部16のいずれかと同じ材料で構成されてもよいし、異なる材料で構成されてもよい。アンカー部15、17は、互いに同じ材料で構成されてもよいし、互いに異なる材料で構成されてもよい。
尚、ばね構造部16に用いられる材料は、例えば、脆性材料であることが望ましく、バイアス線14に用いられる材料は、例えば、延性材料であることが望ましい。但し、ばね構造部16に、脆性材料以外の材料が用いられてもよいし、バイアス線14と同じ材料が用いられてもよい。
ここで、脆性材料とは、その材料からなる部材に応力を与えて破壊する場合に、その部材が塑性変化(形状の変化)をほとんど生じないで破壊される材料のことをいう。延性材料とは、その材料からなる部材に応力を与えて破壊する場合に、その部材が大きな塑性変化(延び)を生じてから破壊される材料のことをいう。一般に、脆性材料を用いた部材を破壊するのに要するエネルギー(応力)は、延性材料を用いた部材を破壊するのに要するエネルギーより小さい。つまり、脆性材料を用いた部材は、延性材料を用いた部材より、破壊されやすい。
脆性材料を用いたばね構造部16のばね定数k2は、例えば、ばね構造部16の線幅、ばね構造部16の膜厚、及びばね構造部16の湾曲部(フレクチャー(Flexure))を適宜設定することによって、延性材料を用いたバイアス線14のばね定数k1よりも大きくされる。
本実施形態のように、延性材料のバイアス線14及び脆性材料のばね構造部16が上部電極2に接続されている場合、上部電極13が上方に引き上げられた状態(アップステート)における上部電極13及び下部電極11a、11b間の間隔は、脆性材料を用いたばね構造部16のばね定数k2によって、実質的に決定される。
上記のように、脆性材料を用いたばね構造部16は、クリープ現象が起こりにくい。そのため、MEMS可変容量デバイス100の駆動を複数回繰り返しても、アップステート時における上部電極13及び下部電極11a、11b間の間隔の変動は、少ない。尚、クリープ現象とは、経年変化が増大する現象、又は、ある部材に応力が与えられたときに、部材の歪み(形状の変化)が増大する現象のことである。
延性材料を用いたバイアス線14は、複数回の駆動によって、クリープ現象が生じる場合がある。しかし、バイアス線14のばね定数k1は、脆性材料を用いたばね構造部16のばね係数k2に比較して小さく設定されている。よって、アップステート時における上部電極13及び下部電極11a、11b間の間隔に、延性材料を用いたバイアス線14の形状の変化(たわみ)が、大きな影響を与えることはない。
このように、延性材料を用いたばね構造(バイアス線14)と脆性材料を用いたばね構造(ばね構造部16)をMEMS可変容量デバイス100に適用することによって、損失が低いという利点を保持しつつ、クリープ現象による特性劣化の小さいMEMS可変容量デバイス(MEMS可変容量デバイス)100を提供できる。
本実施形態のMEMS可変容量デバイス100では、駆動式の上部電極13によって、静電アクチュエータが構成されている。このようなMEMS可変容量デバイス100は、上部電極13と下部電極11a、11bとの間に電位差を与えることによって、静電引力が生じる。上部電極13と下部電極11a、11bとの間に生じた静電引力によって、上部電極13が基板1表面に対して垂直方向(上下方向)に動く。これにより、容量素子10a、10bを形成する上部電極13と下部電極11a、11bとの距離が変動する。この距離の変動によって、MEMS可変容量デバイス100の容量値(静電容量値)C1、C2が変化する。
本実施形態のMEMS可変容量デバイス100では、下部電極11a、11b(端子N1、N2)間に、可変な静電容量(容量結合)を有する可変容量素子10a、10bが直列接続されている。この直列接続された静電容量(合成容量)C1、C2が、MEMS可変容量デバイス100の可変容量となる。
[1−3]原理
図3を用いて、第1の実施形態に関するMEMS可変容量デバイスの駆動原理(静電アクチュエータの動作)について説明する。
図3に示すように、下部電極11と上部電極13との間の電位差ΔVがプルイン電圧Vpi以上になると、上部電極13が下部電極11側に下がり、プルインする。一方、下部電極11と上部電極13との間の電位差ΔVがプルアウト電圧Vpo以下になると、上部電極13が下部電極11から離れ、プルアウトする。
ここで、MEMS可変容量デバイス100がダウンステートからアップステートへ移行する際のホットスイッチング動作について説明する。MEMS可変容量デバイス100に実効電圧VeffのRFパワーが印加されているとすると、ダウンステートにおいて、この電圧Veffに起因した静電引力が働く。このため、上部電極13を支えるばね構造部16が弱い(ばね定数が小さい)と、この静電引力に打ち勝つことができず、駆動電圧をオフにしても、アップステートにできない(プルアウトできない)。具体的には、Veff>Vpoの場合に、プルアウトできなくなる。つまり、ばね構造部16を強くする(ばね定数を大きくする)と、プルアウト電圧Vpoが高くなり、プルアウトし易くなる。しかし、ダウンステートにする時に、高い駆動電圧が必要となり、スイッチング時間と消費電流が増大する。
図4を用いて、n個の容量素子を直列に接続し、端子N1、N2間に電位差Vが印加されている場合の、各容量素子にかかる電位差ΔViについて説明する。ここで、n個の容量素子の全体の容量値Cは、式(1)に示す通りである。
Figure 2013232536
各容量素子にかかる電位差ΔViは、式(2)に示すように、各容量素子の容量値Ciが大きいほど、小さくなる。
Figure 2013232536
従って、第1の実施形態では、第1の可変容量素子10aの容量値C1は、第2の可変容量素子10bの容量値C2よりも大きい。このため、端子N1、N2間に電位差Vが印加されているとき、第1の可変容量素子10aに加わる電位差ΔV1は、第2の可変容量素子10bに加わる電位差ΔV2よりも小さくなる。よって、C1>C2の場合、ΔV1<ΔV2となり、第1の可変容量素子10aが第2の可変容量素子10bよりも先にプルアウトすることになる。
[1−4]動作
図5及び図6を用いて、第1の実施形態に係るMEMS可変容量デバイスの動作について説明する。尚、図5(b)は、図5(a)のVB−VB線に沿った断面図である。
第1の実施形態では、第1及び第2の可変容量素子10a、10bがC1>C2の関係を満たす場合、上述するように、ΔV1<ΔV2となり、第2の可変容量素子10bよりも先に第1の可変容量素子10aがプルアウトする。
具体的には、図5(b)に示すように、第1の可変容量素子10aの側の上部電極13の端が浮き上がり、第1の可変容量素子10a側の上部電極13の端部と下部電極11a(絶縁膜12a)との間が距離gだけ離間する。この際、第2の可変容量素子10b側の上部電極13の端部と下部電極11b(絶縁膜12b)とは接したままである。
ここで、図5(a)に示すように、上部電極13のサイズを定義する。つまり、上部電極13のX方向の幅を2Lとし、パラメータaを用いると、上部電極13と下部電極11aとがオーバーラップする幅は(1+a)Lとなり、上部電極13と下部電極11bとがオーバーラップする幅は(1−a)Lとなる。このような場合、容量値C1、C2は、gの関数として、以下の式(3)、式(4)のようになる。
Figure 2013232536
Figure 2013232536
Figure 2013232536
Figure 2013232536
式(3)及び式(4)に基づいて、可変容量素子10a、10bに印加される電位差ΔV1、ΔV2に関するグラフを図6に示す。尚、図6では、下部電極11a、11b上の絶縁膜12a、12bの厚さtdは100nm、比誘電率εrは7、aは0.3、N1−N2間の電位差Vは30V、プルアウト電圧Vpoを12Vと仮定している。
図6から分かるように、第1の可変容量素子10a側の上部電極13の端部と下部電極11aとの間に隙間がないとき(g=0)、N1−N2間に電圧V=30Vを印加すると、第1の可変容量素子10aには電位差ΔV1=10.5Vが印加され、第2の可変容量素子10bには電位差ΔV2=19.5Vが印加される。ここで、電位差ΔV1(10.5V)は、プルアウト電圧Vpo(12V)よりも低いため、第1の可変容量素子10a側の上部電極13の端部が浮き上がり、プルアウトする。続いて、g=100nm以上になると、第2の可変容量素子10bに印加される電位差ΔV2は、プルアウト電圧Vpo(12V)より低くなり、第2の可変容量素子10b側の上部電極13もプルアウトする。これにより、上部電極13の全体がアップステートになる。
尚、第1の可変容量素子10a側の上部電極13の端部がg=140nmだけ浮き上がった際、容量値C1の減少に伴い、ΔV1が上昇する。しかし、このときのΔV1は、プルイン電圧Vpiより十分低いため、第1の可変容量素子10a側の上部電極13が再度下に下がる(すなわちプルインする)ことはない。
[1−5]効果
上記第1の実施形態によれば、2つの可変容量素子10a、10bが互いに直列接続され、ダウンステート時の第1の可変容量素子10aの容量値C1が第2の可変容量素子10bの容量値C2よりも大きく設定されている。このため、ダウンステートからアップステートに駆動する際、容量値C1の大きな第1の可変容量素子10aに印加される電圧ΔV1が、容量値C2の小さい第2の可変容量素子10bに印加される電圧ΔV2より小さくなる。これにより、第1の可変容量素子10aが、第2の可変容量素子10bよりも先にプルアウトする。このように、本実施形態では、2つの可変容量素子10a、10bを、同時にプルアウトさせるのではなく、時間差を設けて順次プルアウトさせる。このため、高いRFパワーが印加された状態でも、MEMS可変容量デバイス100の容量値を可変できるようになり、すなわちホットスイッチングが可能になり、MEMS可変容量デバイス100の耐電力及び耐電圧を向上させることができる。
例えば、図5及び図6で説明したパラメータa(a>0)を用いると、本実施形態は、容量値C1、C2が均一な場合(a=0)と比べて、耐電圧を(1+a)倍向上させることができる。
尚、容量値C1、C2の合成容量C(=C1C2/(C1+C2))は、(1−a2)倍になって減少するが、この合成容量Cの減少率は、耐電圧の向上率に比べれば小さい。このため、全体としては、本実施形態による利益の方が大きい。例えばa=0.1とすると、耐電圧は10%向上し、容量値の減少は1%に過ぎない。
[2]第2の実施形態
第2の実施形態では、2つの可変容量素子10a、10bの上部電極13a、13bを独立に動かすことが可能である。尚、第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる点について主に説明する。
[2−1]構造
図7(a)及び(b)を用いて、第2の実施形態のMEMS可変容量デバイスの構造について説明する。尚、図7(b)は、図7(a)のVIIB−VIIB線に沿った断面図である。
図7(a)及び(b)に示すように、第2の実施形態において、第1の実施形態と異なる点は、2つの可変容量素子10a、10bの上部電極13a、13bを独立に動かすことができる点である。つまり、第1の実施形態では、可動式の上部電極13は、2つの可変容量素子10a、10bで共有されていたのに対し、第2の実施形態では、可動式の上部電極13a、13bは、互いに電気的に絶縁され、2つの可変容量素子10a、10bで別々に設けられている。また、第1の実施形態では、下部電極11a、11bは、2つの可変容量素子10a、10bで別々に設けられていたのに対し、第2の実施形態では、下部電極11は、2つの可変容量素子10a、10bで共有されている。
第2の実施形態では、第1の可変容量素子10aの容量値C1を、第2の可変容量素子10bの容量値C2より大きくするために、例えば、上部電極13aの面積を、上部電極13bの面積よりも大きくしている。
上部電極13a、13bのそれぞれは、複数のばね構造部16とバイアス線14が接続されている。ばね構造部16は、アンカー部17に接続されている。バイアス線14は、アンカー部15に接続されている。アンカー部15は、コンタクト18を介して配線19に接続されている。配線19は、基板1上に形成され、例えば、下部電極11と同一レベルに配置されている。
[2−2]動作
図8を用いて、第1及び第2の可変容量素子10a、10bの両方を、ダウンステートからアップステートに移行させる場合について説明する。ここで、第1の可変容量素子10aに印加される電位差をΔV1とし、第2の可変容量素子10bに印加される電位差をΔV2とする。
図8に示すように、まず、時刻t1で、ΔV1の小さい第1の可変容量素子10aをプルアウトさせる。第1の可変容量素子10aがアップステートになると、容量値C1が減少し、ダウンステートの第2の可変容量素子10bの容量値C2より小さくなる。この時点で、ΔV2が小さくなるので、時刻t2で、第2の可変容量素子10bをプルアウトさせる。
このように、第1及び第2の可変容量素子10a、10b(上部電極13a、13b)を独立に動かし、容量値の大きいものから先にプルアウトさせる。
[2−3]効果
上記第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、第2の実施形態では、上部電極13a、13bを互いに電気的に分離して設けることで、第1及び第2の可変容量素子10a、10bを独立に動かすことができる。
[3]第3の実施形態
上記第1及び第2の実施形態では、可変容量素子10a、10bが2つの場合について説明した。これに対し、第3の実施形態では、可変容量素子が3つ以上の場合について説明する。尚、第3の実施形態では、第1及び第2の実施形態と異なる点について主に説明する。
[3−1]構成
図9を用いて、第3の実施形態のMEMS可変容量デバイスの概略的な構成について説明する。
図9に示すように、第3の実施形態のMEMS可変容量デバイス100は、n個の可変容量素子10a、10b、・・・、10nが直列に接続されている。
このような第3の実施形態では、n個の可変容量素子10a、10b、・・・、10nをプルアウトさせる場合、n個の可変容量素子10a、10b、・・・、10nの中で容量値C1、C2、・・・、Cnが最も大きいものからプルアウトさせる。
ここで、容量値は、n個のうちの一部が不均一になっているだけでもよい。例えば、C1=・・・=C3=Ca、C4=Cb、C5=・・・=C8=Ca、C9=Cc、C10=・・・=C15=Caとして、Cb>Ccの関係があればよい。この場合は、容量値C4の可変容量素子10dを一番先にプルアウトさせる。
尚、容量値が最も高い可変容量素子は、端子N1−N2間において、例えば端部や中央部等、どこに配置されてもよい。また、高周波信号が端子N1から入力される場合は、端子N1側に近い可変容量素子ほど容量値が高くなるように可変容量素子を並べ、端子N1側に近い可変容量素子から先にプルアウトさせてもよい。また、直列に接続させる可変容量素子の総数は、奇数でも偶数でもよい。
[3−2]構造例1
図10を用いて、第3の実施形態のMEMS可変容量デバイスの構造例1について説明する。
図10に示すように、構造例1のMEMS可変容量デバイス100は、4つの可変容量素子10a、10b、10c、10dを有している。
第1の可変容量素子10aは、下部電極11aと上部電極13aとで構成され、容量値C1を有している。第2の可変容量素子10bは、下部電極11bと上部電極13aとで構成され、容量値C2を有している。第3の可変容量素子10cは、下部電極11bと上部電極13bとで構成され、容量値C3を有している。第4の可変容量素子10dは、下部電極11cと上部電極13bとで構成され、容量値C4を有している。つまり、上部電極13aは、第1及び第2の可変容量素子10a、10bで共有され、上部電極13bは、第3及び第4の可変容量素子10c、10dで共有され、下部電極11bは、第2及び第3の可変容量素子10b、10cで共有されている。これにより、4つの可変容量素子10a、10b、10c、10dは、直列に接続されている。
ここで、ダウンステート時における4つの可変容量素子10a、10b、10c、10dの各容量値C1、C2、C3、C4は、例えば、C1=C2=Ca、C3=C4=Cb、Ca>Cbと設定してもよい。この場合、第1及び第2の可変容量素子10a、10bが、第3及び第4の可変容量素子10c、10dよりも先にプルアウトする。
[3−3]構造例2
図11を用いて、第3の実施形態のMEMS可変容量デバイスの構造例2について説明する。
図11に示すように、構造例2のMEMS可変容量デバイス100は、3つの可変容量素子10a、10b、10cを有している。
第1の可変容量素子10aは、下部電極11aと上部電極13aとで構成され、容量値C1を有している。第2の可変容量素子10bは、下部電極11bと上部電極13aとで構成され、容量値C2を有している。第3の可変容量素子10cは、下部電極11bと上部電極13bとで構成され、容量値C3を有している。つまり、上部電極13aは、第1及び第2の可変容量素子10a、10bで共有され、下部電極11bは、第2及び第3の可変容量素子10b、10cで共有されている。これにより、3つの可変容量素子10a、10b、10cは、直列に接続されている。上部電極13bは、コンタクト18を介して、基板1上の配線19に接続されている。
ここで、ダウンステート時における3つの可変容量素子10a、10b、10cの各容量値C1、C2、C3は、例えば、C1=C2=Ca、C3=Cb、Ca>Cbと設定してもよい。この場合、第1及び第2の可変容量素子10a、10bが、第3の可変容量素子10cよりも先にプルアウトする。
[3−4]効果
上記第3の実施形態によれば、3つ以上の可変抵抗素子を有するMEMS可変容量デバイス100の場合も、第1及び第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、第3の実施形態では、可変抵抗素子の数を増やすことで、MEMS可変容量デバイス100の駆動時に、各可変容量素子に印加される電圧を下げることができるため、耐電力をさらに向上させることができる。
[4]第4の実施形態
第4の実施形態では、直列接続された可変容量素子の両端に、固定容量素子をさらに追加している。尚、第4の実施形態では、第1乃至第3の実施形態と異なる点について主に説明する。
[4−1]構成
図12及び図13を用いて、第4の実施形態のMEMS可変容量デバイスの構成について説明する。
図12及び図13に示すように、第4の実施形態では、直列接続された可変容量素子の両端に、固定容量素子20a、20bを設けている。固定容量素子20a、20b間には、2つの可変容量素子10a、10bが設けられてもよいし(図12)、3つ以上の可変容量素子10a、10b、・・・、10nが設けられてもよい(図13)。
固定容量素子20a、20bの容量値CMは、いずれかの可変容量素子の容量値と同じであってもよいし、異なってもよい。固定容量素子20a、20bは、直列接続された可変容量素子の両端に設けることに限定されず、一端のみに設けてもよい。
[4−2]効果
上記第4の実施形態によれば、上記第1乃至第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、第4の実施形態では、直列接続された可変容量素子の両端に、固定容量素子20a、20bを設けている。これにより、MEMS可変容量デバイス100の駆動時に、各容量素子(可変容量素子及び固定容量素子)に印加される電圧を下げることができるため、耐電力をさらに向上させることができる。また、固定容量素子20a、20bにより、外部にRF信号がリークすることを抑制できる。
[5]第5の実施形態
第5の実施形態では、例えば図12のMEMS可変容量デバイス100の駆動を実現するためのバイアス回路について説明する。尚、第5の実施形態のバイアス回路は、図12のMEMS可変容量デバイス100に適用することに限定されず、例えば、上部電極が独立して駆動する構造のMEMS可変容量デバイス等に適用可能である。また、ここでは、第1乃至第4の実施形態と異なる点について主に説明する。
[5−1]構成
図14を用いて、第5の実施形態のMEMS可変容量デバイスの構成について説明する。
図14に示すように、第5の実施形態のMEMS可変容量デバイス100は、バイアス回路30を有している。バイアス回路30は、抵抗値R1、R2、R3の抵抗素子31a、31b、31cの一端(端子NB1、NB2、NB3)に電圧を供給する。抵抗素子31aの両端は、端子NC1、NB1にそれぞれ接続されている。抵抗素子31bの両端は、端子NC2、NB2にそれぞれ接続されている。抵抗素子31cの両端は、端子NC3、NB3にそれぞれ接続されている。端子NC1は、第1の可変容量素子10aの一方の電極及び第1の固定容量素子20aの一方の電極に接続されている。端子NC2は、第1の可変容量素子10aの他方の電極及び第2の可変容量素子10bの一方の電極に接続されている。端子NC3は、第2の可変容量素子10bの他方の電極及び第2の固定容量素子20bの一方の電極に接続されている。端子NB1、NB2、NB3は、バイアス回路30に接続されている。
尚、固定容量素子20a、20bは、端子N1、N2間の両端にあることが望ましい。これにより、RF信号がリークすることを防止できる。
[5−2]バイアス方法1
図15を用いて、第5の実施形態のMEMS可変容量デバイスのバイアス方法1について説明する。このバイアス方法1では、抵抗素子31a、31b、31cの抵抗値R1、R2、R3は、全て同じである(R1=R2=R3)。また、VAは、ダウンステートを維持するための駆動電圧であり、このVAより電圧が低くなるとプルアップする。
図15に示すように、まず、時刻t=0から時刻t1まで、端子NB1、NB3に電圧VAが印加される。続いて、時刻t1から時刻t2まで、端子NB3の印加電圧はVAのままであるが、端子NB1の印加電圧はゼロにする。その後、時刻t2において、端子NB3の印加電圧をゼロにする。尚、このバイアス動作時、端子NB2の印加電圧は、常にゼロである。
このようなバイアス方法1では、時刻t1で端子NB1の印加電圧をゼロにし、時刻t2で端子NB3の印加電圧をゼロにする。つまり、第1及び第2の可変容量素子10a、10bに対して、異なるタイミングで電位差を与えている。このため、時刻t1で、第1の可変容量素子10aが先にアップステートとなり、その後、時刻t2で、第2の可変容量素子10bがアップステートとなる。
尚、バイアス方法1において、抵抗素子31bの抵抗値R2は、抵抗素子31a、31cの抵抗値R1、R3と必ずしも同じである必要はなく、抵抗値R1、R3より高くても低くてもよい。
[5−3]バイアス方法2
図16を用いて、第5の実施形態のMEMS可変容量デバイスのバイアス方法2について説明する。このバイアス方法2では、抵抗素子31aの抵抗値R1は、抵抗素子31cの抵抗値R3より小さい(R1<R3)。尚、抵抗素子31bの抵抗値R2は、抵抗素子31a、31cの抵抗値R1、R3のいずれか一方と同じでもよいし、異なってもよい。
図16に示すように、まず、時刻t=0から時刻t1まで、端子NB1、NB3に電圧VAが印加される。続いて、時刻t1において、端子NB1、NB3の印加電圧を共にゼロにする。ここで、抵抗素子R1は抵抗値R3より小さいので、端子NC1の電位が端子NC3の電位よりも先に低下する。このため、端子NC1の電位は、時刻t1と時刻t2との間でゼロとなり、端子NC3の電位は、時刻t2あたりでゼロとなる。
このようなバイアス方法2では、時刻t1において、端子NB1、NB3の印加電圧を共にゼロにし、第1及び第2の可変容量素子10a、10bに対して、同じタイミングで電位差を与えているが、抵抗素子31a、31cの抵抗値R1、R3が異なる。このように、R1<R3の関係があるため、バイアス方法2では、端子NB1、NB3に同時に電位差を与えても、配線遅延が生じ、MEMS可変容量素子100の端子NC1、NC3の電圧変位に時間差が生じる。このため、時刻t1と時刻t2との間で、第1の可変容量素子10aが先にアップステートとなり、その後、時刻t2で、第2の可変容量素子10bがアップステートとなる。
[5−4]効果
第5の実施形態では、可変容量素子10a、10b、10cに、抵抗素子31a、31b、31cを介してバイアス回路30を接続している。そして、このバイアス回路30を用いて、第1及び第2の可変容量素子10a、10bに対して、異なるタイミングで電位差が与えられている。これにより、第1及び第2の可変容量素子10a、10bのプルアップのタイミングをずらすことができる。このため、第5の実施形態によれば、上記第1乃至第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、第5の実施形態では、抵抗素子31a、31b、31cを設けることで、端子NB1、NB2、NB3側にRF信号がリークすることを抑制できる。
[6]第6の実施形態
第6の実施形態では、複数のMEMS可変容量デバイスを有する容量バンクの例である。尚、第6の実施形態では、第1乃至第5の実施形態と異なる点について主に説明する。
[6−1]構成
図17を用いて、第6の実施形態の容量バンクの構成について説明する。
図17のように、第6の実施形態では、複数のMEMS可変容量デバイス100、100、・・・、100を用いて、容量バンク200を構成している。複数のMEMS可変容量デバイス100、100、・・・、100は、第1乃至第5の実施形態で述べたMEMS可変容量デバイス100のいずれかによって構成されている。複数のMEMS可変容量デバイス100、100、・・・、100は、互いに同じ構成にしてもよいし、互いに異なる構成にしてもよい。複数のMEMS可変容量デバイス100、100、・・・、100において、直列に接続する可変容量素子の個数:n1、n2、・・・、nmは、同じでも異なってもよい。
尚、複数のMEMS可変容量デバイス100、100、・・・、100は、それぞれ独立してアップステート及びダウンステートの2つの状態になるよう制御することが可能である。
[6−2]効果
第6の実施形態によれば、上記第1乃至第5の実施形態と同様の効果を得ることができる。
[7]第7の実施形態
第7の実施形態では、可変容量素子の上部電極を駆動するための駆動電極をさらに設けた例である。ここでは、第1の実施形態と異なる点について主に説明する。
[7−1]構造
図18(a)及び(b)を用いて、第7の実施形態のMEMS可変容量デバイスの構造について説明する。尚、図18(b)は、図18(a)のXVIIIB−XVIIIB線に沿った断面図である。
図18(a)及び(b)に示すように、第7の実施形態において、第1の実施形態と異なる点は、上部電極13を駆動する駆動電極40をさらに設けた点である。つまり、第1の実施形態では、上部電極13と駆動用電極が一体で形成されていたのに対し、第7の実施形態では、上部電極13と駆動電極40が分離して形成されている。
駆動電極40は、基板1上に形成され、下部電極11a、11bと同一レベルに配置されている。
[7−2]効果
上記第7の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、第7の実施形態では、上部電極13と別に駆動電極40が設けられている。これにより、駆動電極40をRF電極(上部電極13及び下部電極11a、11b)から分離できるため、ローパスフィルタを無くすことができる。
尚、第7の実施形態では、第2乃至第6の実施形態のMEMS可変容量デバイスに適用することも可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…基板、10、10a、10b…可変容量素子、11、11a、11b、11c…下部電極、12、12a、12b…絶縁膜、13、13a、13b…上部電極、14…バイアス線、15、17…アンカー部、16…ばね構造部、18…コンタクト、19…配線、20a、20b…固定容量素子、30…バイアス回路、31a、31b、31c…抵抗素子、40…駆動電極、100…MEMS可変容量デバイス、200…容量バンク。

Claims (5)

  1. 第1のMEMS可変容量素子と、
    前記第1のMEMS可変容量素子の一端と直列に接続された一端を有する第2のMEMS可変容量素子と、
    前記第1のMEMS可変容量素子の他端に直列に接続された第1の固定容量素子と、
    前記第2のMEMS可変容量素子の他端に直列に接続された第2の固定容量素子と、
    前記第1のMEMS可変容量素子の前記他端に接続された一端を有する第1の抵抗素子と、
    前記第1のMEMS可変容量素子の前記一端及び前記第2のMEMS可変容量素子の前記一端に接続された一端を有する第2の抵抗素子と、
    前記第2のMEMS可変容量素子の前記他端に接続された一端を有する第3の抵抗素子と、
    前記第1の抵抗素子の他端、前記第2の抵抗素子の他端及び前記第3の抵抗素子の他端に電圧を供給するバイアス回路と、
    を具備し、
    前記第1のMEMS可変容量素子を構成する第1の上部電極と前記第2のMEMS可変容量素子を構成する第2の上部電極とは、互いに電気的に分離し、互いに独立して駆動し、
    前記第1のMEMS可変容量素子の前記他端から高周波信号が入力される場合、ダウンステート時において、前記第1のMEMS可変容量素子の第1の容量値は、前記第2のMEMS可変容量素子の第2の容量値より大きい、可変容量デバイス。
  2. 第1のMEMS可変容量素子と、
    前記第1のMEMS可変容量素子の一端と直列に接続された一端を有する第2のMEMS可変容量素子と、
    を具備し、
    ダウンステート時において、前記第1のMEMS可変容量素子の第1の容量値は、前記第2のMEMS可変容量素子の第2の容量値と異なる、可変容量デバイス。
  3. 前記第1のMEMS可変容量素子の他端に直列に接続された第1の固定容量素子と、
    前記第2のMEMS可変容量素子の他端に直列に接続された第2の固定容量素子と、
    前記第1のMEMS可変容量素子の前記他端に接続された一端を有する第1の抵抗素子と、
    前記第1のMEMS可変容量素子の前記一端及び前記第2のMEMS可変容量素子の前記一端に接続された一端を有する第2の抵抗素子と、
    前記第2のMEMS可変容量素子の前記他端に接続された一端を有する第3の抵抗素子と、
    前記第1の抵抗素子の他端、前記第2の抵抗素子の他端及び前記第3の抵抗素子の他端に電圧を供給するバイアス回路と、
    をさらに具備する、請求項2に記載の可変容量デバイス。
  4. 前記第1のMEMS可変容量素子の前記他端から高周波信号が入力される場合、前記第1の容量値は、前記第2の容量値より大きい、請求項2に記載の可変容量デバイス。
  5. 第1のMEMS可変容量素子と、
    前記第1のMEMS可変容量素子と直列に接続された第2のMEMS可変容量素子と、
    を具備する可変容量デバイスの駆動方法であって、
    前記第1及び第2のMEMS可変容量素子を共にダウンステートから共にアップステートに駆動させる際、前記第1のMEMS可変容量素子を前記第2のMEMS可変容量素子よりも先にプルアウトさせる、可変容量デバイスの駆動方法。
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