JP4867007B2 - Memsスイッチ及び携帯無線端末機器 - Google Patents

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本発明は、MEMSスイッチ及び携帯無線端末機器に関し、特に、電極間に生じる静電引力を用いてスイッチングを行うために用いて好適なものである。
近年、ブロードバンド化や高周波化、グローバル化が進んでいることから、携帯電話や無線LANに代表される携帯無線端末機器では、高周波領域での使用が求められている。従来の携帯無線端末機器では、アンテナや送受信回路を切り替えるために、半導体デバイスであるFET(Field Effect Transistor)やダイオード等のスイッチが多用されてきた。しかしながら、半導体スイッチでは、数GHz帯以上の周波数領域で伝送損失が大きくなると共に、アイソレーション(isolation)も低くなることから高周波信号をスイッチングすることが困難であった。
これに対してMEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を応用したスイッチ(MEMSスイッチ)では、機械的にほぼ完全にオン、オフを行うことができる。このため、MEMSスイッチでは、高周波領域を含む広い周波数帯域に亘って伝送損失を低く抑えると共に、高いアイソレーションを得ることができる。このような背景から、シリコン基板をベースとするRF(radio-frequency)−MEMSスイッチの研究が活発に進められてきた。
RF−MEMSスイッチは、大きく分けると、薄膜型スイッチとカンチレバー型スイッチとの2つに分けることができる。図11は、これらのうち、カンチレバー型スイッチを発展させた2段電圧駆動型MEMSスイッチの従来の構成を示す図である。尚、この2段電圧駆動型MEMSスイッチは、非特許文献1に詳述されている。また、図11(a)に示すものと、図11(b)に示すものは同じ駆動原理で動作する。
図11(a)に示す2段電圧駆動型MEMSスイッチは、固定金属ブロック1と、梁電極2a、2bと、第1の可動金属ブロック3と、梁電極4と、第2の可動金属ブロック5と、固定電極6と、伝送線電極7とから構成されている。
固定金属ブロック1は、梁電極2a、2bの一端に接続され、第1の可動金属ブロック3は、梁電極2a、2bの他端に接続されている。更に第1の可動金属ブロック3は、梁電極4の一端に接続されている。梁電極4の他端には、第2の可動金属ブロック5が接続されている。固定電極6は、可動金属ブロック3と対を成す電極である。伝送線電極7は、第2の可動ブロック5と対を成し、信号を伝達する電極である。
このような構成の2段電圧駆動型MEMSスイッチにおけるスイッチング動作は以下の手順で行なわれる。
先ず、第1の可動金属ブロック3と固定電極6との間、及び第2の可動金属ブロック5と伝送線電極7との間に、駆動電圧が印加されていない状態について説明する。この状態では、伝送線電極7と第2の可動金属ブロック5との間隔は保たれる。従って、信号は伝送線電極7を介して伝達される。
次に、第1の可動金属ブロック3と固定電極6との間に、第1の電圧が印加された状態について説明する。この状態では、第1の可動金属ブロック3は固定電極6に引き寄せられる。従って、第2の可動金属ブロック5も伝送線電極7に接近する。次に、第2の可動金属ブロック5と伝送線電極7との間に第2の電圧を印加すると、第2の可動金属ブロック5は伝送線電極7に接触し、信号が遮断される。
図11(b)に示す2段電圧駆動型MEMSスイッチは、図11(a)に示した2段電圧駆動型MEMSスイッチと同様な動作をする。両者の相異は、第1の可動金属ブロック3及び第2の可動金属ブロック5の位置関係と、可動金属ブロック53及び可動金属ブロック55の位置関係とにある。
図11(b)に示す2段電圧駆動型MEMSスイッチでは、図11(a)に示した第1の可動金属ブロック3に相当する第1の可動金属ブロック53が、図11(a)に示した第2の可動金属ブロック5に相当する第2の可動金属ブロック55よりも内側に配置される。言い換えると、第2の可動金属ブロック55が、第1の可動金属ブロック53よりも外側に配置される。
ここで、固定金属ブロック51は、図11(a)に示した固定金属ブロック1に対応する。梁電極52a、52bは、それぞれ図11(a)に示した梁電極2a、2bに対応するものであり、固定金属ブロック51によって支えられている。梁電極54は、図11(a)に示した梁電極4に対応するものである。梁電極54の一端は、第1の可動金属ブロック53に接続され、梁電極54の他端は、第2の可動金属ブロック54に接続されている。固定電極56は、図11(a)に示した固定電極6に対応するものであり、第1の可動金属ブロック53と対を成す。伝送線電極57は、図11(a)に示した伝送線電極7に対応するものであり、第2の可動金属ブロック55と対を成して信号を伝達する。
H.Tauchi et al、IEEJ Trans.SM,vol.126,No7,pp.352-355,2006
携帯無線端末機器の代表例である携帯電話端末では、CDMA(Code Division Multiple Access)やGSM(Global System for Mobile Communications)システム等の多様なシステムに対応するために、携帯電話端末の送受信回路部を、高周波化、マルチバンド化、マルチモード化することが進められてきた。その結果、携帯電話端末の送受信回路を端末内部に複数並存させることが不可欠となり、送受信回路の小型化及び低電圧化が必須の状況になっている。それ故、携帯電話端末のキーコンポーネント(key component)であるアンテナや送受信回路切替え用のRF−MEMSスイッチについても、小型化、駆動電圧の低減化、及びスイッチング動作の高速化が重要な技術課題となっている。
しかしながら、図11に示した従来のRF−MEMSスイッチでは、伝送線電極7と第2の可動金属ブロック5とを(伝送線電極57と第2の可動金属ブロック55とを)接触させる構造となっている。このため、梁電極2a、2b、4(梁電極52a、52b、54)を短くすると剛性が強まり、高い駆動電圧が必要となる。一方、梁電極2a、2b、4(梁電極52a、52b、54)を長くすると携み易くなり、駆動電圧を低減できるが、スイッチの寸法が大きくなる。即ち、駆動電圧とスイッチの寸法との間には、トレードオフ(trade-off)の関係が存在することになる。
また、図11に示した従来のRF−MEMSスイッチでスイッチング動作を高速化するためには、高い駆動電圧が要求される上に2種類の電源が必要となり、これらのことが、スイッチング動作を高速化できるRF−MEMSスイッチの実用化への妨げになっている。
従って、携帯電話端末等の携帯無線端末機器に組み込むRF−MEMSスイッチを実用化するには、これらの課題を克服することが不可欠となっている。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、小型化、駆動電圧の低減化、及びスイッチング動作の高速化を実現可能なMEMSスイッチを提供することを第1の目的とする。
また、MEMSスイッチを携帯電話端末等の携帯無線端末機器に適用することにより、携帯無線端末機器における送受信回路の小型化、低電圧化、及びスイッチング動作の高速化を実現可能とすることを第2の目的とする。
本発明のMEMSスイッチは、複数の可動電極と、前記複数の可動電極に接続され、前記複数の可動電極を横方向に連結するための複数の導電性弾性部材と、前記複数の可動電極と上下方向で対向する位置に設けられた複数の固定電極とを有し、前記複数の固定電極の1つは、伝送線に連結され、前記伝送線に連結された固定電極が形成されている部分と、その伝送線に連結された固定電極と異なる固定電極の少なくとも1つが形成されている部分との間には、上下方向の段差があり、前記複数の可動電極と、当該複数の可動電極と一方向で対向する位置に設けられた複数の固定電極との間の距離のうち、前記伝送線に連結された固定電極と、当該固定電極と対向する位置に設けられた可動電極との間の距離が最も長く、前記複数の可動電極と、当該複数の可動電極と一方向で対向する位置に設けられた複数の固定電極との間の距離の短いものから順に、前記可動電極と、当該可動電極と一方向で対向する位置に設けられた固定電極との間に電圧が印加されて、前記複数の可動電極のうち、前記伝送線に連結された固定電極と一方向で対向する位置に設けられた可動電極と異なる可動電極の1つが、当該可動電極に一方向で対向する位置に設けられた固定電極に接触する際に、前記固定電極に接触していない残りの可動電極は、それぞれ一方向で対向する位置に設けられた固定電極に近づき、前記固定電極と、当該固定電極と一方向で対向する位置に設けられた可動電極とが接触する際には、当該可動電極と当該固定電極との間に、当該可動電極と当該固定電極との間の距離に応じた電圧が印加されることを特徴とする。
本発明によれば、可動電極と固定電極との間に印加される駆動電圧が低くても、可動電極と固定電極との間に大きな静電引力を得ることができる。従って、可動電極の寸法を小型化できることに加え、スイッチングを高速に行うことも可能になる。小型化、駆動電圧の低減化、及びスイッチング動作の高速化を実現可能なMEMSスイッチを提供できる。
また、このようなMEMSスイッチを携帯無線端末機器に適用するようにしたので、携帯無線端末機器における送受信回路の小型化、低電圧化、及びスイッチング動作の高速化が実現可能となる。
(第1の実施形態)
図1は、RF−MEMSスイッチの構成の一例を示す図である。具体的に図1(a)は、電圧が印加されていない状態のRF−MEMSスイッチの状態の一例を示す図である。図1(b)及び図1(c)は、電圧が印加された状態のRF−MEMSスイッチの状態の一例を時系列的に示す図である。また、図2は、図1に示すRF−MEMSスイッチの前提となるRF−MEMSスイッチの構成の一例を示す図である。
図1において、RF−MEMSスイッチは、可動電極13a、13bと、板バネ14a、14bと、固定電極15a、15bと、基板16と、固定梁電極19とを有する静電引力駆動型MEMSスイッチである。
図1に示すように、本実施形態のMEMSスイッチは、図2に示す固定電極15と可動電極13とをそれぞれ2個に分割することにより得られた、固定電極15a、15bと可動電極13a、13bとを備えている。固定電極15a、15bは、基板16上で固定されており、それぞれ可動電極13a、13bと対向する位置に設けられている。
また、固定電極15a、15b間には段差がある。本実施形態では、固定電極15aが置かれる部分(段)の高さが、固定電極15bが置かれる部分(段)の高さよりも高くなるように、基板16を形成するようにして、固定電極15aが固定電極15bよりも高い段に位置するようにしている。以下では、1段目の固定電極15aと1段目の可動電極13aとの電極間隔が、2段目の固定電極15bと2段目の可動電極13bとの電極間隔(=d)の1/2倍(=d/2)になるように、固定電極15a、15b間に段差を設けた場合を例に挙げて説明する。
また、1段目の可動電極13aは、板バネ14bを介して2段目の可動電極13bに連結されており、板バネ14aを介して固定梁電極19に連結されている。尚、2段目の固定電極15bは、伝送線電極として形成されており、伝送線に連結されている。このように、2段目の固定電極15bは、信号の伝播経路の経路を持つ。また、板バネ14a、14bは、弾性を有する導電材料(例えば、アルミニウム等の金属)により形成されている。
RF−MEMSスイッチの可動電極13と、固定電極15との間には電源20が電気的に接続されている。この電源20により、可動電極13と、固定電極15との間に電圧を印加すると、図1(a)に示す状態から図1(b)に示す状態に、RF−MEMSスイッチの状態が変化する。
具体的に説明すると、1段目の可動電極13aは固定梁電極19に連結されている板バネ14aを弾性変形させながら、1段目の固定電極15aに近づいていく。前述したように2段目の可動電極13bは、板バネ14bを介して1段目の可動電極13aに連結されている。このため、2段目の可動電極13bは、1段目の可動電極13aと同じ距離だけ2段目の固定電極15bに接近する。具体的に、1段目の可動電極13aが1段目の固定電極15aに接触すると、2段目の可動電極13bと2段目の固定電極15bとの間隔は、電圧が印加される前の1/2倍(=d/2)になる。
その後2段目の可動電極13bは、2段目の固定電極15bとの間に発生する静電引力により、2段目の可動電極13bと1段目の可動電極13aとを連結している板バネ14bを弾性変形させながら2段目の固定電極15bに近づいていく。そして最終的に、2段目の可動電極13bは、図1(c)に示すように、2段目の固定電極15bに接触することになる。
次に、図1に示す本実施形態のMEMSスイッチの有効性を明らかにするために、図1及び図2に示すRF−MEMSスイッチの構造と、図1及び図2に示すRF−MEMSスイッチのスイッチングに要する駆動電圧との関係について説明する。
先ず図2に示すRF−MEMSスイッチで発生する静電引力Faは、以下の(1)式で表される。
Figure 0004867007
ここで、εは、可動電極13と固定電極15との間に介在する媒質の誘電率である。Sは、可動電極13と固定電極15の面積である。dは、可動電極13と固定電極15との間の間隔(ギャップ)である。Vは、可動電極13と固定電極15との間に印加される電圧である。
この(1)式により、静電引力は面積Sに比例し、電極間隔dの二乗に反比例し、印加電圧Vの二乗に比例していることが分かる。
次に、図1のRF−MEMSスイッチに生じる静電引力について説明する。
ここで、固定電極15a、15b間の段差は、図2に示したRF−MEMSスイッチにおける電極間隔dの1/2倍(=d/2)とする。また、前述したように本実施形態では、図2に示した可動電極13と固定電極15とをそれぞれ2つに分割して、可動電極13a、13bと固定電極15a、15bとを構成している。従って、可動電極13a、13bと固定電極15a、15bの面積は、可動電極13と固定電極15の面積の1/2倍となる。よって、1段目の可動電極13aと、1段目の固定電極15aとの間に励起される静電引力Fb2は、以下の(2)式で与えられる。
Figure 0004867007
この(2)式からも明らかなように、図1に示したRF−MEMSスイッチで発生する静電引力Fb2は、図2に示したRF−MEMSスイッチで発生する静電引力Faの2倍になる。換言すれば、図1に示したRF−MEMSスイッチでは、図2に示したRF−MEMSスイッチで発生する静電引力と同じ静電引力を発生させるのに必要な印加電圧を(1/21/2)倍に低減できる。また、図2に示したRF−MEMSスイッチをオンするために要するPull-in電圧Va-piは、以下の(3)式で与えられる。尚、本明細書では、RF−MEMSスイッチをオンすると信号が遮断され、RF−MEMSスイッチをオフすると信号が通過するとする。
Figure 0004867007
ここで、kは、板バネ14のバネ定数である。よって、図1に示したRF−MEMSスイッチの1段目をオンするために要するPull-in電圧Vb2-pi(1段目の可動電極13aと1段目の固定電極15aとを接触するために要するPull-in電圧Vb2-pi)は、以下の(4)式で与えられる。
Figure 0004867007
ここで、kは板バネ14a、14bのバネ定数である。この(4)式からも明らかなように、図1に示したRF−MEMSスイッチの1段目をオンするために要するPull-in電圧Vb2-piは、図2に示したRF−MEMSスイッチをオンするために要するPull-in電圧Va-piの1/2倍になることが分かる。
次に、図1(b)に示したように、RF−MEMSスイッチの1段目がオン(Pull-in)すると、2段目の固定電極15bと可動電極13bとの間隔は1/2倍(=d/2)に変位する。従って、RF−MEMSスイッチの2段目(2段目の可動電極13bと2段目の固定電極15b)も1段目と同じ電圧でオン(Pull-in)させることが可能になる。よって、図1に示したRF−MEMSスイッチでは、2段目の変位量を利用してスイッチングを行うことにより、図2に示したRF−MEMSスイッチと同じ変位量で、駆動電圧を図2に示したRF−MEMSスイッチの1/2倍にできる。
以上のように本実施形態では、MEMSスイッチは、可動電極13と固定電極15との間に印加される電圧によって励起される静電引力が、電極面積に比例し、可動電極13と固定電極15との間の間隔の二乗に反比例し、可動電極13と固定電極15との間に印加される電圧の二乗に比例する性質を有する点に着目した。
そして、これらの性質を有効に活用するために、可動電極13と固定電極15とをそれぞれ2個に分割し、分割した固定電極15a、15b間に段差を設け、互いに隣接する可動電極13a、13b間を、板バネ14bを介して連結した。
このようなRF−MEMSスイッチでは、可動電極13a、13bと固定電極15a、15bとの間に電圧を印加すると、可動電極13a、13bと、それらに対向する固定電極15a、15bとを順次接触させることによりスイッチングが行われる。従って、電極面積を広くすることなく、低い駆動電圧でも大きな静電引力が得られる。よって、従来のRF−MEMSスイッチよりも、小型化、駆動電圧の低減化、及びスイッチング動作の高速化を、単一の電源で実現可能なRF−MEMSスイッチを提供できる。また、本実施形態のRF−MEMSスイッチは、挿入損失やアイソレーションにおいても従来のRF−MEMSスイッチと同等以上の性能が得られる。
尚、本実施形態では、可動電極13と固定電極15とをそれぞれ2個に分割し、固定電極15a、15bを設ける部分を2段にした場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、可動電極13と固定電極15とをそれぞれn(nは2以上の自然数)個に分割し、それらn個の固定電極を設ける部分をn段にしてもよい。
可動電極13と固定電極15をそれぞれn個に分割し、それらn個の固定電極15を設ける部分(段数)をn段にした場合、各段の可動電極及び固定電極の面積は、分割前(図2に示したRF−MEMSスイッチ)の1/n倍になる。更に、各段の可動電極及び固定電極の電極間隔も、分割前の1/n倍にできる。従って、各段がオンするために要する電圧(Pull-in電圧)は、分割前の1/n倍となる。可動電極13と固定電極15の分割数nが増えると、板バネ14の数も増えることになる。しかしながら、板バネ14は容易に小型化できる。従って、可動電極13と固定電極15の分割数nを多くすることにより、RF−MEMSスイッチの全体の寸法を殆んど増加させずに、RF−MEMSスイッチの駆動電圧を大幅に低減できる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。尚、本実施形態の説明において、前述した第1の実施形態と同一の部分については、必要に応じて詳細な説明を省略する。
図3は、RF−MEMSスイッチの構成の一例を示す図である。具体的に図3(a)は、RF−MEMSスイッチを俯瞰した図である。図3(b)は、図3(a)に示したRF−MEMSスイッチの分解図である。また、図4は、図3(a)に示したRF−MEMSスイッチのA−A´方向から見た断面図である。
図3及び図4に示すように、本実施形態では、中部電極層22に設けられた可動電極22a〜22eと、上部電極層21に設けられた上部固定電極21a〜21eと、底部電極層23に設けられた底部固定電極23a〜23eとが、それぞれ5つの場合(5分割された場合)を例に挙げて示している。
図3において、RF−MEMSスイッチは、上部電極層21と、中部電極層22と、底部電極層23とを有している。このRF−MEMSスイッチは、可動電極を備えた中部電極層22が、固定電極を備えた上部電極層21及び底部電極層23に上下から挟まれた構造(サンドウィッチ構造)を有している。
図4に示すように、上部電極層21には上部固定電極21a〜21eが設けられ、底部電極層23には底部固定電極23a〜23d、24が設けられている。上部固定電極21a〜21e間には、基板36bにより段差が形成されている。また、底部固定電極23a〜23d、24間にも、上部固定電極21a〜21e間に形成された段差と同様の段差が基板36aにより形成されている。ここで、固定電極24は伝送線電極であり、底部電極層22の中央に配置されている。
更に、上部固定電極21a〜21eの表面であって、可動電極22a〜22eと対向する面には、誘電体膜29f〜29jが塗布されている。同様に、底部固定電極23a〜23d、24の表面であって、可動電極22a〜22eと対向する面にも、誘電体膜29a〜29eが塗布されている。
ここで、上部固定電極21a〜21eと可動電極22a〜22eとが接触したり、底部固定電極23a〜23d、24と可動電極22a〜22eとが接触したりしても、それらが電気的に導通しないように、誘電体膜29a〜29jの材料及び厚さが定められる。例えば、誘電体膜29a〜29jを窒化シリコンで形成し、誘電体膜29a〜29jの厚さを1000×10-10mにすることができる。
中部電極層22には、可動電極22a〜22eが設けられている。互いに横方向で隣接する可動電極22a〜22eは、板バネ25b〜25eで連結されている。可動電極22a、22eは、それぞれ板バネ25a、25fを介して固定梁電極35a、35bと接続されている。
以上のように、サンドウィッチ構造を採ると、図1に示した第1の実施形態のMEMSスイッチよりも強力な静電引力を励起することができる。従って、RF−MEMSスイッチの駆動電圧の更なる低電圧化の実現が可能となる。
次に、本実施形態のMEMSスイッチの動作を説明する。
図5は、可動電極22a〜22eが設けられた中部電極層22の構成の一例を示す図である。尚、可動電極22a〜22eと、板バネ25a〜25fは、それぞれ同じであるので、図5(b)では、可動電極22b、22cの間にある板バネ25cのみを例に挙げて記載しており、他の部分についての記載を省略している。
図5に示すように、板バネ25cの一部を構成する板バネ梁電極25c1、25c2の長さをla、幅をwaとし、板バネ梁電極25c3の長さをlb、幅をwbとする。また、ヤング率をEとし、剛性率をGとし、回転率をJとし、断面2次モーメントをIxとする。そうすると、可動電極22b、22cに連結された板バネ25cのバネ定数kzは、以下の(5)式、(6)式で与えられる。
Figure 0004867007
尚、板バネ梁電極25c1、25c2の長さlaを5μm、幅waを5μm、板バネ梁電極25c3の長さlbを210μm、幅wbを5μm、板バネ25cの厚さを2.5μmとすると、バネ定数kzは、1.3N/mとなる。従って、低電圧で発生する静電引力で十分に撓ませることのできる小型の板バネ25cを構成できることが分かる。
図6は、RF−MEMSスイッチが動作する様子の一例を示す図である。尚、図6は、図4と同様に、図3のA−A´方向から見た断面図である。具体的に、図6(a)は、可動電極22a〜22eが、それぞれ対向する上部固定電極21a〜21eに接触した状態、即ちRF−MEMSスイッチがオフした状態の一例を示す図である。図6(b)は、可動電極22a〜22eが、それぞれ対向する底部固定電極23a〜23d、24に接触した状態、即ちRF−MEMSスイッチがオンした状態の一例を示す図である。尚、前述したように、上部固定電極21a〜21eと、底部固定電極23a〜23d、24には、誘電体膜29a〜29jが塗布されているので、上部固定電極21a〜21eと、底部固定電極23a〜23d、24とは、誘電体膜29a〜29jを介して可動電極22a〜22eと接触することになる。
RF−MEMSスイッチをオフにするときは、可動電極群22a〜22eと上部固定電極21a〜21eとの間に接続された電源により、可動電極群22a〜22eと上部固定電極21a〜21eとの間に電圧を印加する。これと同時に、底部固定電極23a〜23d、24の電位を、上部固定電極21a〜21e及び可動電極群22a〜22eよりも低電位に設定し、電極群の中で最低の電位に設定する。
そうすると、上部固定電極21a〜21eと可動電極22a〜22eとの間に静電引力が励起されるから、図6(a)に示すように、可動電極22a〜22eは、それぞれ対向する上部固定電極21a〜21eの方向に撓み、最終的に可動電極22a〜22eは、それぞれ対向する上部固定電極21a〜21に接触することになる。
そうすると、伝送線電極である底部固定電極24と可動電極22cとの間隔は広がるので、この底部固定電極(伝送線電極)24と可動電極22cとにより形成される並行平板コンデンサの容量値を小さくできる。よって、底部固定電極(伝送線電極)24を伝播する所望の信号を、より小さな損失で伝搬させることが可能となる。
次に、RF−MEMSスイッチをオンするときは、オフのときとは逆に、底部固定電極23a〜23d、24と可動電極22a〜22eとの間に接続された電源により、底部固定電極23a〜23d、24と可動電極22a〜22eとの間に電圧を印加する。これと同時に、上部固定電極21a〜21eの電位を、底部固定電極23a〜23d、24及び可動電極22a〜22eよりも低電位に設定し、電極群の中の最低の電位に設定する。更にこのとき、伝送線電極である底部固定電極24には、信号を伝播させるのみでなく、バイアス電圧を印加する。即ち、底部固定電極24を伝送線電極としてだけでなく駆動電極としても動作させる。
以上の動作により、可動電極22a〜22eと底部固定電極23a〜23d、24との間に静電引力が励起されるから、図6(b)に示すように、可変電極22a〜22eは、それぞれ対向する底部固定電極23a〜23d、24の方向に撓み、最終的に可変電極22a〜22eは、それぞれ対向する底部固定電極23a〜23d、24に接触することになる。
そうすると、伝送線電極である底部固定電極24と可動電極22とにより形成される並行平板コンデンサの容量値は大きくなる。従って、底部固定電極(伝送線電極)24を伝播する信号は、可動電極22cに吸収される。よって、底部固定電極(伝送線電極)24を伝播する信号の進行方向への伝播が妨げられる。このような現象は、信号の周波数が高い程顕著に生じる。
以上のように本実施形態のRF−MEMSスイッチでは、可動電極22cと伝送線電極である底部固定電極24とにより形成される並行平板コンデンサの容量値をドラスティック(drastic)に変化させることにより、信号のスイッチングを行うようにしている。例えば、底部固定電極(伝送線電極)24と対向する中部電極層21の面積を1.05×10-82(=210μm×50μm)とし、底部固定電極24(伝送線電極)及び上部固定電極21c上に塗布された誘電体膜29c、29hの厚さをそれぞれ1000×10-10mとし、可動電極22cの変位量を3.4μm(段数:3段、駆動電圧:1V)とし、可動電極22cと底部固定電極(伝送線電極)24との間に介在する空気及び誘電体膜29の比誘電率をそれぞれ1及び7とすると、RF−MEMSスイッチがオフの状態ときの容量は25fFとなり、オン状態のときの容量は6.5pFとなり、その容量比は260となる。この容量の変化は10GHz前後の周波数帯の信号をスイッチングするのに十分な値である。尚、底部固定電極(伝送線電極)24上に塗布された誘電体膜29cとして、STO(SrTiO3)等の誘電率の高い材料を用いれば、比誘電率を容易に30以上とすることができる。従って、誘電体膜29cとして、STO等の誘電率の高い材料を用いれば、前述した容量比を1022にすることも可能となる。
図7は、以上のようなサンドウィッチ構造を有するRF−MEMSスイッチにおける駆動電圧と変位量との関係の一例を、3次元電磁界解析シミュレータを用いて解析した結果を示す図である。図8は、RF−MEMSスイッチにおける応答時間と変位量との関係の一例を、3次元電磁界解析シミュレータを用いて解析した結果を示す図である。
図7及び図8において、横軸は可動電極22cの変位量である。また、図7の縦軸はRF−MEMSスイッチの駆動電圧であり、図8の縦軸はRF−MEMSスイッチの応答時間である。解析に用いたRF−MEMSスイッチの寸法は、長さが210μm、幅が340μmである。この寸法は、従来のRF−MEMSスイッチの1/2以下となっている。
また、解析に用いたRF−MEMSスイッチの板バネ梁電極25c1、25c2は、長さが5μm、幅が5μm、厚さが2.5μmである。板バネ梁電極25c3は、長さが210μm、幅が5μm、厚さが2.5μmである。
可動電極22a〜22eは、段差が3の場合、長さが210μm、幅が50μmである。また、段差が4の場合、長さが210μm、幅が31μmである。また、段差が5の場合:長さ210μm、幅21μmである。
ここで、可動電極22cの駆動電圧は、可動電極22cが、上部固定電極21c又は底部固定電極24に接触(Pull-in)する電圧と定義する。また、変位量は、底部固定電極24に対向する可動電極22cが、上部固定電極21cに接触(Pull-in)している状態(オフ状態)から、底部固定電極24に接触(Pull-in)する状態(オン状態)までの移動量と定義する。
図7に示すように、変位量を一定とすると、3段にした場合よりも、4段にした場合の方が駆動電圧を低減できることが分かる。例えば、変位量が3.8μmであるとすると、3段の場合の駆動電圧は1Vであるが、4段の場合の駆動電圧は0.6Vになる。
尚、段差を設けない従来のRF−MEMSスイッチの場合には約4Vの駆動電圧が必要となる。従って、本実施形態のRF−MEMSスイッチを適用すれば、駆動電圧を1/4以下にすることができ、RF−MEMSスイッチを低電圧化できることが分かる。
また、図8に示すRF−MEMSスイッチの応答時間は、オフ状態からオン状態(或いは、オン状態からオフ状態)へ切り替わる時間して定義する。図8に示すように、変位量が小さいときには、3段の場合と4段の場合とでは応答時間は殆んど変化しない。しかしながら、変位量が増加するにつれて、4段の場合の方が3段の場合よりも応答時間を短くできることが分かる。尚、変位量を3.8μmとし、段差を3段にした場合であって、駆動電圧を1.2Vとした場合には、応答時間を58μsにできる。また、駆動電圧を高くするとRF−MEMSスイッチは高速化される。例えば、駆動電圧が5Vである場合の応答時間は17μsとなる。これと同じ駆動電圧5Vにおける従来のRF−MEMSスイッチの応答時間は約50μsとなる。従って、本実施形態のRF−MEMSスイッチでは、従来よりも、約2.9倍の高速化できることが分かる。
また、本願発明者らは、本実施形態のRF−MEMSスイッチの駆動電圧と段数との関係を調査した。図9は、駆動電圧と段数との関係の一例を示す図である。図9に示す例では、板バネ25a〜25fの幅が15μmであり、RM−MEMSスイッチの幅が340μmである場合を例に挙げて示している。
図9に示すように、本実施形態のRF−MEMSスイッチでは、駆動電圧が最小になる段数が存在した。即ち、ある段数(7段)までは段数を増やすと駆動電圧は減少するが、ある段数(7段)よりも段数を増やすと、駆動電圧が増加する傾向になった。
以上のように本実施形態では、中部電極層22が、上部電極層21と、底部電極層23との間に挟まれたサンドウィッチ構造のRF−MEMSスイッチを採用した。そして、中部電極層22は、板バネ25a〜25fを介して可動電極22a〜22eが横方向に連結された構造を有するようにした。また、上部電極層21は、上部固定電極21a〜21eを有し、それら上部固定電極21a〜21e間に段差が形成される構造を有するようにした。同様に、底部電極層23も、底部固定電極23a〜23d、24を有し、それら底部固定電極23a〜23d、24間に段差が形成される構造を有するようにした。
このサンドウィッチ構造のRF−MEMSスイッチでは、中部電極層22と上部電極層21、或いは中部電極層22と底部電極層23との間に、それぞれ別途に電圧を印加して静電引力を発生させることでスイッチングを行う。このため、可動電極22a〜22eの移動距離を従来の2倍以上にすることができる。従って、従来のRF−MEMSスイッチに比べて2倍以上のオン、オフ比が得られ、高性能なRF−MEMSスイッチを提供できる。また、第1の実施形態と同様に、本実施形態のRF−MEMSスイッチは、挿入損失やアイソレーションにおいても従来のRF−MEMSスイッチと同等以上の性能を得ることができる。
尚、本実施形態では、上部固定電極21a〜21e及び可動電極22a〜22eが接触したり、底部固定電極23a〜23d、24及び可動電極22a〜22eが接触したりしても、それらが電気的に導通しないように、誘電体膜29a〜29jを塗布した。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、上部固定電極21a〜21e及び底部固定電極23a〜23d、24に塗布する代わりに、又は上部固定電極21a〜21e及び底部固定電極23a〜23d、24に塗布することに加えて、可動電極22a〜22eに誘電体膜を塗布するようにしてもよい。また、誘電体以外の絶縁材料を塗布してもよい。更に、RF−MEMSスイッチの本質的な動作に殆んど関与しなければ、誘電体膜29a〜29jを塗布しなくても良い。
また、第1の実施形態と同様に、上部電極層21及び底部電極層23に形成される段数は、2以上であれば、幾つであってもよい。但し、第1の実施形態で説明したように、段数が多い方が、RF−MEMSスイッチの全体の寸法は殆んど増加させずに、RF−MEMSスイッチの駆動電圧を低減できるという利点がある。
更に、本実施形態では、上部固定電極21c及び底部固定電極24と、可動電極22cとの間隔が最も長くなるようにし、端に位置する上部固定電極21及び底部固定電極24ほど、可動電極22との間隔が短くなるようにし、更に上部固定電極21c及び底部固定電極24を中心として、それらの横方向に位置する上部固定電極21a、21b、21d、21e及び底部固定電極23a〜23dが左右対称の位置に配置されるように、上部固定電極21a〜21e間及び底部固定電極23a〜23d、24間に段差を設けるようにしたが、必ずしもこのようにする必要はない。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態では、前述した第1の実施形態及び第2の実施形態で説明したMEMSスイッチを用いて構成された携帯無線端末機器について説明する。従って、本実施形態で説明する携帯無線端末機器には、前述した第1の実施形態及び第2の実施形態で説明したMEMSスイッチの何れかが設けられる。
図10は、RF−MEMSスイッチを用いた携帯無線端末機器の構成の一例を示す図である。尚、本実施形態では、携帯無線端末機器として最も代表的な携帯電話端末を例に挙げて説明する。
図10において、アンテナ101で受信された受信信号は、フィルタ103、増幅器104、及びミキサ105を備えて構成される受信フロントエンド102に入力される。フィルタ103を通過した受信信号は、増幅器104により増幅された後、ミキサ105により中間周波に変換される。ミキサ105により中間周波に変換された受信信号は、中間信号処理回路IF−IC106を通して音声処理回路107に伝えられる。
また、中間信号処理回路IF−IC106から出力された受信信号は、マイクロプロセッサCPU108に入力される。マイクロプロセッサCPU108は、入力した受信信号に周期的に含まれる利得制御信号をデコードして、電力増幅器モジュール109に供給される入力制御電圧を形成する。
電力増幅器モジュール109は、前記入力制御電圧に従って利得制御を行い、送信出力信号を形成する。この送信出力信号の電力の一部は、フィルタ117や電力結合器110等を介してマイクロプロセッサCPU108に帰還される。これによりマイクロプロセッサCPU108で指定された電力制御が行われる。
周波数シンセサイザ111は、基準発振回路(TCXO)112、電圧制御発振回路(VCO)113、PLL−IC114、及びフィルタ115を備え、これらによって受信周波数に対応した発振信号を形成する。そして、周波数シンセサイザ111は、形成した発振信号をミキサ105と変調器116とに供給する。
音声処理回路107は、中間信号処理回路IF−IC106から出力された受信信号に基づいてレシーバ118を駆動する。これによりレシーバ118から音声信号が出力される。携帯電話端末に送信された音声は、マイクロホン119で電気信号に変換され、音声処理回路107と変復調器120とを通して変調器116に伝えられる。ここで、送信状態と受信状態との何れかに携帯電話端末を切り替えるための回路がアンテナスイッチ121である。このアンテナスイッチ121の動作を実現するために、前述した第1及び第2の実施形態で説明したMEMSスイッチが適用される。
このような携帯電話端末のアンテナスイッチ121には、省電力化の観点から、電源電圧の低減化が求められる。更にアンテナスイッチ121には、マルチモード化やマルチバンド化の観点から、小型化が求められる。
前述した第1及び第2の実施形態のRF−MEMSスイッチでは、可動電極と固定電極との間に印加される駆動電圧が低くても大きな静電引力を得ることができる。このため、可動電極の寸法を小型化できる上にスイッチングの高速化も可能になる。例えば、第2の実施形態RF−MEMSスイッチでは、従来のRF−MEMSスイッチに対して、約1/4の低電圧化と、約1/2の小型化と、2倍以上の高速化とが実現可能となる。それ故、高周波化が求められている高周波携帯無線端末機器の一例である携帯電話端末に、前述した第1及び第2の実施形態で説明したMEMSスイッチを適用すれば、携帯電話端末における送受信回路の小型化、低電圧化、及びスイッチング動作の高速化が実現可能となる。即ち、第1及び第2の実施形態で説明したMEMSスイッチは、携帯電話端末の低電圧駆動と、小型化と、スイッチングの高速化とに大きく資することが可能になる。
本実施形態では、携帯無線端末機器が携帯電話端末を例に挙げて説明したが、携帯無線端末機器は携帯電話端末に限定されない。例えば、携帯無線端末機器はPDA(Personal Digital Assistants)やノート型パソコン等であってもよい。
尚、前述した各実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本発明の第1の実施形態を示し、RF−MEMSスイッチの構成の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態を示し、図1に示すRF−MEMSスイッチの前提となるRF−MEMSスイッチの構成の一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態を示し、RF−MEMSスイッチの構成の一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態を示し、RF−MEMSスイッチの断面図である。 本発明の第2の実施形態を示し、可動電極が設けられた中部電極層の構成の一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態を示し、RF−MEMSスイッチが動作する様子の一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態を示し、RF−MEMSスイッチにおける駆動電圧と変位量との関係の一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態を示し、RF−MEMSスイッチにおける応答時間と変位量との関係の一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態を示し、RF−MEMSスイッチにおける駆動電圧と段数との関係の一例を示す図である。 本発明の第3の実施形態を示し、RF−MEMSスイッチを用いた携帯無線端末機器の構成の一例を示す図である。 従来の技術を示し、MEMSスイッチの従来の構成を示す図である。
符号の説明
13a、13b 可動電極
14a、14b 板バネ
15a、15b 固定電極
16 基板
19 固定梁電極
20 電源
21 上部電極層
21a〜21e 上部固定電極
22 中部電極層
22a〜22e 可動電極
23 底部電極層
23a〜23d、24 底部固定電極
25a〜25f 板バネ
29a〜29j 誘電体膜
35a、35b 固定梁電極
36a、36b 基板

Claims (8)

  1. 複数の可動電極と、
    前記複数の可動電極に接続され、前記複数の可動電極を横方向に連結するための複数の導電性弾性部材と、
    前記複数の可動電極と上下方向で対向する位置に設けられた複数の固定電極とを有し、
    前記複数の固定電極の1つは、伝送線に連結され、
    前記伝送線に連結された固定電極が形成されている部分と、その伝送線に連結された固定電極と異なる固定電極の少なくとも1つが形成されている部分との間には、上下方向の段差があり、
    前記複数の可動電極と、当該複数の可動電極と一方向で対向する位置に設けられた複数の固定電極との間の距離のうち、前記伝送線に連結された固定電極と、当該固定電極と対向する位置に設けられた可動電極との間の距離が最も長く、
    前記複数の可動電極と、当該複数の可動電極と一方向で対向する位置に設けられた複数の固定電極との間の距離の短いものから順に、前記可動電極と、当該可動電極と一方向で対向する位置に設けられた固定電極との間に電圧が印加されて、前記複数の可動電極のうち、前記伝送線に連結された固定電極と一方向で対向する位置に設けられた可動電極と異なる可動電極の1つが、当該可動電極に一方向で対向する位置に設けられた固定電極に接触する際に、前記固定電極に接触していない残りの可動電極は、それぞれ一方向で対向する位置に設けられた固定電極に近づき、
    前記固定電極と、当該固定電極と一方向で対向する位置に設けられた可動電極とが接触する際には、当該可動電極と当該固定電極との間に、当該可動電極と当該固定電極との間の距離に応じた電圧が印加されることを特徴とするMEMSスイッチ。
  2. 前記複数の可動電極は、2以上の自然数であるn個の可動電極であり、
    前記複数の導電性弾性部材は、(n+1)個の導電性弾性部材であり、
    前記複数の固定電極は、前記n個の可動電極と上下方向で対向する位置に設けられたn個の第1の固定電極と、
    前記n個の可動電極と上下方向で対向する位置に設けられ、且つ前記n個の第1の固定電極と前記n個の可動電極を介して対向する位置に設けられたn個の第2の固定電極とを有し、
    前記n個の第1の固定電極の何れか1つには、伝送線が連結されており、
    前記n個の第1の固定電極と、当該n個の第1の固定電極と上下方向で対向する位置に設けられた前記n個の可動電極との間の距離のうち、前記伝送線に連結された第1の固定電極と、当該第1の固定電極と上下方向で対向する位置に設けられた可動電極との間の距離が最も長く、
    前記n個の第2の固定電極と、当該n個の第2の固定電極と上下方向で対向する位置に設けられた前記n個の可動電極との間の距離のうち、前記伝送線に連結された第1の固定電極と前記可動電極を介して上下方向で対向する位置に設けられた第2の固定電極と、当該第2の固定電極と上下方向で対向する位置に設けられた可動電極との間の距離が最も長く、
    前記n個の第1の固定電極が形成されている部分の間と、前記n個の第2の固定電極が形成されている部分の間には、それぞれ上下方向の段差があることを特徴とする請求項1に記載のMEMSスイッチ。
  3. 前記伝送線が連結された第1の固定電極と、当該第1の固定電極と一方向で対向する位置に設けられた可動電極との間に、当該第1の固定電極と当該可動電極との間の距離に応じた電圧が印加されると、当該第1の固定電極と当該可動電極とが接触し、前記伝送線が連結された第1の固定電極と対向する位置に設けられた第2の固定電極と、当該第2の固定電極と一方向で対向する位置に設けられた可動電極との間に、当該第2の固定電極と当該可動電極との間の距離に応じた電圧が印加されると、当該第2の固定電極と当該可動電極とが接触することを特徴とする請求項2に記載のMEMSスイッチ。
  4. 前記複数の固定電極のうち、横方向で隣り合う複数の固定電極が設けられている複数の段は、端部の段ほど前記可動電極に近い位置に存在する構造を有すると共に、中央部の段を中心として左右の段が対称となる位置に存在する構造を有し、
    前記伝送線に連結された固定電極は、前記複数の段のうち、中央部の段に設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のMEMSスイッチ。
  5. 前記導電性弾性部材は、板バネであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のMEMSスイッチ。
  6. 前記複数の固定電極の面であって、前記可動電極と対向する面に形成された絶縁部材を有することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のMEMSスイッチ。
  7. 前記伝送線に連結された固定電極が設けられている段は、その固定電極の横方向に位置する固定電極が設けられている段よりも、前記可動電極から遠い位置にあることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のMEMSスイッチ。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載のMEMSスイッチと、
    無線通信を行うアンテナとを有し、
    前記MEMSスイッチは、前記アンテナに送信信号を出力するか、前記アンテナから受信信号を入力するかの何れかを選択することを特徴とする携帯無線端末機器。
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