JP2013231467A - 減震インサートアンカー - Google Patents

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Abstract

【課題】吊支具の支点に、大地震発生に伴う強大な破壊力が掛からないように回避させることができる曲げモーメント回避構造を有して吊支具が破断されるのを防止することができる安全性の高い減震インサートアンカーを提供する。
【解決手段】アンカーを上下一対で構成される上アンカー20,120と下アンカー30,130とに分けて設け、前記両アンカー20,120、30,130の内部空間35,135に、回動体40,140,150と、該回動体40,140,150に回動抵抗を与える弾性体50,160とを収納し、且つ回動体40,140,150に吊支具70,170を連結して構成したことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は建築構造物の天井部から吊り下げられた吊支具により空調設備、ダクト、配管、軽天井等の吊支対象物を減震構造によって安全に吊支する減震インサートアンカーに関する。
従来、天井吊下型の減震構造は建築構造物の天井部にアンカーを打ち込み、このアンカーに連結した長尺の吊りボルト(吊支具)および取付金具や取付バンド等を介して上述の吊支対象物を天井部から吊り下げていた。
このような吊り下げ状態で地震が発生すると、アンカーに接続された吊支具の上端部を支点に吊支対象物は振り子のように大きく揺れる。この揺れが大きく、且つ長く繰り返えされた場合、吊支具の支点に曲げモーメントが集中的にかかり、この部分で吊支具が破断されてしまう。特に、揺れ幅が大きいほど吊支具は大きな曲げモーメントを受けて破断されやすくなり、大地震が発生した際に吊支対象物が落下して思わぬ事故が発生することがあった。
このため、大地震発生時に吊支具の支点に掛かる曲げモーメントを軽減させる対策として、スラブに打ち込まれたインサートナット(アンカー)に支持ボルトを取り付け、この支持ボルトの下方に回動自由な金具本体を介して長尺の吊支具を吊り下げている。このように、スラブに打ち込まれたインサートナットから支持ボルトと金具本体と吊支具とを順に吊支することにより、吊支具による垂直吊りと斜め吊りを自在とし、地震発生時に吊支対象物が自由に揺れ動き、前述の吊支具の支点に相当する支持ボルトに加わる曲げモーメントが小さくなるようにしたジョイント金具が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2009−287615号公報(第7頁、図6)
しかしながら、地震が通常の大きさである場合は吊支対象物の揺れはさほど大きくなく、吊支対象物の揺れによって吊支具に生じる張力の水平方向の分力は小さく、支持ボルトに加わる曲げモーメントは小さい。ところが、大地震が発生して吊支対象物が大きく振られ、且つ、大きな衝撃荷重が加わると、吊支具に生じる張力の水平方向の分力は衝撃的に急増し、且つ繰り返して揺さ振られるため支持ボルトに過大、且つ衝撃的な曲げモーメントが加わることになる。この結果、スラブの下方に露出する支持ボルト下端部の露出境界部分のねじの谷部に強烈な金属疲労を生じさせ、該支持ボルトの露出境界部分に疲労破断を短時間に生じさせる。
このような疲労破断の発生を考慮し、支持ボルトを太くして支持ボルト自体の強度を高めるという曲げモーメント対策も一考に値するが、支持ボルトの強度を高めると、地震発生時に太い支持ボルトの周囲のスラブが破損してしまうことになり、支持ボルトの強度を高めることにも限界があった。特に、地震のように揺れの方向が不規則に発生する揺れの場合は的確に対処できるものではなかった。
そこで本発明は、重量のある吊支対象物を吊支している吊支具の支点に対し、地震発生に伴う強大な破壊力が掛からないように回避させることができる曲げモーメント回避構造を構築することにより地震による揺れを的確に減震することができる安全性の高い減震インサートアンカーを提供することを目的とする。
請求項1に記載した発明は「建築構造物の天井部11,111に固定されるアンカーに吊支具70,170の上端部71,171を連結して該吊支具70,170を揺動自由に吊支する減震インサートアンカー10,110,210であって、
前記アンカーを上下一対で構成される上アンカー20,120と下アンカー30,130とに分けて設け、
前記両アンカー20,120、30,130は互いに連結して一体化する取着部22,31をそれぞれ備えると共に、前記下アンカー30,130には上面が開放された内部底面に円弧形凹部33,133を備え、且つ円弧形凹部33,133の中央に前記吊支具70,170の上端部71,171を下方より挿通させる挿通孔34,134を備えて構成し、
前記下アンカー30,130の円弧形凹部33,133に搭載され、該円弧形凹部33,133と滑らかに摺動対応する円弧形凸部41,141を下面に備え、該円弧形凸部41,141の下面中央に前記吊支具70,170の上端部71,171を連結する連結部44,152を備えた回動体40,150と、
前記上アンカー20,120と回動体40,140,150との間に挟持状態に介在される弾性体50,160とを備え、
前記上アンカー20,120と前記下アンカー30,130とが連結される対向面間に形成されるアンカー内部空間35,135に前記弾性体50,160と前記回動体40,140,150とを上下に重ねて収納保持する構成とした
減震インサートアンカー10,110,210」であることを特徴とする。
本発明では、アンカーを上アンカー20,120と下アンカー30,130とに分けることにより、両アンカー20,120、30,130の内部に回動体40,140,150を回動自由に保持して収納させる回動体収納空間(アンカー内部空間35,135)を作ることができる。この回動体収納空間に収納されている回動体40,140,150に吊支具70,170の上端部71,171を連結させれば、回動体40,140,150と吊支具70,170と吊支対象物とが一体化し、吊支具70,170を介して下部の吊支対象物が揺れようとする方向に上部の回動体が揺動支点となって回動する。これにより、地震に見舞われて大きな揺れが発生しても吊支具70,170には張力のみしか掛からず、吊支具70,170の支点(回動体40,140,150)に加わろうとする破壊力(曲げモーメント)を回動することにより回避することができる曲げモーメント回避構造が得られる。
さらに、ここに用いられる弾性体50,160は弾力性に加えて耐久性のあるゴム材等が使用され、地震が発生した際は、吊支具70,170を介して回動体40,140,150が回動し、この回動した回動体40,140,150は上部が斜めに傾き、この上部一側が上向きに突出して上方に対向する弾性体50,160の一部を圧縮させる。このとき、回動体40,140,150は圧縮あるいは押し潰されつつある弾性体50,160により回動抵抗を生じさせ、回動体40,140,150の回動しようとする動きを抑制させる。この回動抵抗を生じさせることにより、回動体40,140,150と一体の吊支具70,170および吊支対象物の揺れを減震させることができる。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の減震インサートアンカー10において、
「前記下アンカー30の前記円弧形凹部33と前記回動体40の前記円弧形凸部41との接触面を球面で接触対応させる構成とした」ことを特徴とする。
本発明では、回動体40が下アンカー30に球面対応して回動体40は球面にて回動自由に保持されている。このため、仮に大地震により吊支対象物が大きく、且つ繰り返して揺れたとしても、吊支対象物がぶら下った状態で回動体40は球面対応して滑らかに回動し、且つあらゆる方向の揺れに対応して自由に回動する。
請求項3に記載した発明は、請求項1に記載の減震インサートアンカー110において、
「前記下アンカー130の前記円弧形凹部を第1摺動面133とし、該下アンカー130の前記挿通孔を下挿通孔134として設け、
前記回動体40を上下一対で構成される上回動体150と下回動体140とに分けて設け、
前記下回動体140を、
前記第1摺動面133の円弧形凹部と滑らかに摺動対応する円弧形凸部を下面に備えた第2摺動面141と、該第2摺動面141の円弧形凸部の摺動方向と直交する摺動方向の円弧形凹部を上面に備えた第3摺動面142と、該第3摺動面142の中央上下方向に貫通されて前記下挿通孔134と対応する上挿通孔143とを備えて前記下アンカー130の第1摺動面133に搭載させる構成とし、
前記上回動体150を、
前記第3摺動面142の円弧形凹部と滑らかに摺動対応する円弧形凸部を下面に備えた第4摺動面151と、前記第4摺動面151の中央に前記吊支具170の上端部171を連結させる連結部152とを備えて前記下回動体140の第3摺動面142に搭載させる構成とし、
前記アンカー内部空間135に前記弾性体160と前記両回動体140,150を上下に積み重ねて収納保持する構成とした」ことを特徴とする。
本発明では、下アンカー130の上面に下回動体140を回動自由に搭載し、さらに下回動体140の上面に上回動体150を回動自由に搭載した上下二段階の積層構造に構成し、しかも積層した下回動体140の回動方向と上回動体150の回動方向とを略直角(十字状)に異ならせて水平方向における360度の揺れに対応して合成回動させるようにした構成である。このため、地震発生時の揺れに対し、同方向の揺れに近い上または下の何れかの回動体140,150が対応して回動し、これらの回動体140,150と一体化されている吊支具170の揺れを減震させる。このように、下回動体140と上回動体150は回動方向が略直角に異なって双方が自由に回動するため両回動体140,150は、揺れの方向や揺れの大きさに応じて個々に間断なく回動する。
請求項4に記載した発明は、請求項1、2および3に記載の減震インサートアンカー10において、
「請求項1、2および3に記載の減震インサートアンカー210の上面にアンカー連結具231を備え、
該アンカー連結具231を建築構造物の天井部211のスラブ212に後施工によりインサートした天井連結具220に連結させて構成した」ことを特徴とする。
本発明では、上アンカーとしての蓋体230と下アンカー130との上下間に、弾性体160と回動体140,150とを積み重ねた状態に組み込んで減震インサートアンカー210を単一の構成部品にユニット化して構築することができる。このため、減震インサートアンカー210をユニット化して扱うことが可能になり、このユニット化した減震インサートアンカー210を、既設の天井部211のスラブ212に後からインサートした天井連結具220に該減震インサートアンカー210のアンカー連結具231を連結させる後施工方式として使用することができる。
この発明によれば、重量のある吊支対象物を吊支している吊支具70,170の支点に地震発生に伴う強大な破壊力が掛からないように回避させることができる曲げモーメント回避構造を構築することにより地震による揺れを的確に減震することができる。ことに、吊支対象物の揺れの大きさに比例して大きく回動しようとする回動体40,140,150の回動に伴い弾性体50,160は圧縮量および押し潰し量が増えて回動体40,140,150は回動抵抗が増す。よって、大地震になるほど回動抵抗が増大して回動体40,140,150に働く強大な回転力(破壊力)を減殺させ、吊支対象物の揺れを瞬時に小さくすることができる安全性の高い減震インサートアンカー10,110,210を提供することができる。
本発明の実施例1における球面対応型の減震インサートアンカーを示す分解斜視図である。 同実施例1における球面対応型の減震インサートアンカーの内部構造を示す要部縦断面図である。 同実施例1における球面対応型の減震インサートアンカーの地震発生時の減震動作状態を示す要部縦断面図である。 本発明の実施例2における埋め込み型の減震インサートアンカーの構成部品を示す要部分解斜視図である。 同実施例2における埋め込み型の減震インサートアンカーの内部構造を示す要部縦断面図である。 同実施例2における埋め込み型の減震インサートアンカーの地震発生時の減震動作状態を示す要部縦断面図である。 本発明の実施例3における後施工型の減震インサートアンカーの取付状態を示す要部縦断面図である。
以下、本発明を図面に従って説明する。
[実施例1]
図1は本発明にかかる球面対応型の減震インサートアンカー10の部品を分解して示した図であり、図2は同球面対応型の減震インサートアンカー10を断面して示した図である。
この球面対応型の減震インサートアンカー10は、建築構造物の天井部11にインサートされた球面対応型の減震インサートアンカー10に吊支具70の上端部を連結して吊支する吊支構造を備えたものであって、特徴とするところは重量のある吊支対象物を吊支する吊支具70に強大な破壊力(曲げモーメント)が掛からないように吊支具70を回動体40に連結して保持する球面対応型の保持構造を構成した点である。
この球面対応型の保持構造は、上アンカー20と、下アンカー30と、回動体40と、弾性体50と、回り止めボルト60と、吊支具70と、吊支具連結用ナット80とを備えて構成される。
まず、上アンカー20は該球面対応型の減震インサートアンカー10の上部を覆う蓋体を兼ねて設けられ、大径の上部と小径の下部とで段付き円柱状に設けている。さらに、大径上部の上面に逆ハの字形のアンカー角21を突き出させて該上アンカー20をコンクリートスラブ12にインサートしたときのインサート係止力を高めている。一方、小径下部の外周面に例えば雄ねじによる取着部22が形成され、この取着部22が後述する下アンカー30の取着部(雌ねじ)31に螺着されて上下のアンカー20,30が一体化される。さらに、大径上部と小径下部との外周面の境界部分で段差が付いた外周段差端面23を螺着止め用の端面として設けている。
下アンカー30は球面対応型の減震インサートアンカー10の基台として設けられ、上述した上アンカー20の大径上部と同径で上面が開放された有底筒状体を有している。この有底筒状体の上部内周面に上述した上アンカー20の取着部(雄ねじ)22と対応する取着部(雌ねじ)31が形成されている。そして、上アンカー20の取着部22を下アンカー30の取着部31に対応させて取着することで両アンカー20,30は上下に一体化して連結される。このとき、下アンカー30の有底筒状体の上端面32に上述した上アンカー20の外周段差端面23が当接することで取着動作(螺着動作)が完了する。
また、下アンカー30の上面が開放された内部底面には半球面の円弧形凹部(本実施例1では以下、凹半球面と称す)33が形成されており、ここに後述する回動体40が収納される。さらに、この凹半球面33の中央底面には、吊支具70の上端部を下方より上向きに挿通させる挿通孔34を貫通して設けている。また、この下アンカー30の内周面における上側の取着部(雌ねじ)31と下側の凹半球面33との上下間に円柱状の内部空間であるアンカー内部空間35が形成されている。このアンカー内部空間35は凹半球面33上に収納される後述する回動体40を回動許容させる収納空間である。また、上側の取着部(雌ねじ)31とこれより小径に設けられた下側のアンカー内部空間35との内周面の境界部分で段差が付いた内周段差端面36が形成され、ここに後述する弾性体50の下面周縁部が搭載時に対接される。また、下アンカー30の底面には下アンカー30の下方からアンカー内部空間35の上方に通じるボルト挿通孔37を貫通して設けており、このボルト挿通孔37に後述する回り止めボルト60が挿通される。
回動体40は下部に半球面の円弧形凸部(本実施例1では以下、凸半球面と称す)41を下部に有する半球体である。この半球体の回動体40が下アンカー30の凹半球面33上に搭載され、この凹半球面33上で滑らかに球面接触する。また、この半球体の上面は水平で半球体より大径の円板部42を有しており、この円板部42の上面に後述する弾性体50が平面対接して搭載されるようにしている。さらに、円板部42のフランジ部分の一部には上下方向に貫通する回り止め孔43を設けており、この回り止め孔43に後述する回り止めボルト60の先端部が取着されて仮止めされる。さらに、回動体40の下面中央には、吊支具70の上端部(吊りボルト)71を下方よりねじ込んで取着させる雌ねじ孔が形成された連結部44を備えている。
弾性体50は円板状を有して、上アンカー20の下面24と回動体40の円板部42上面との上下間に挟持状態に介在され、弾力のある例えばゴム材で形成することができる。そして、吊支具70が揺れた際に回動する回動体40の動きを抑制するようにこの弾性体50が回動体40の円板部42上面に平面対接している。そして、回動体40の上方で対向する回動体40の回動により円板部42も傾き、この円板部42の傾いた上部側が弾性体50を押し上げるように圧縮あるいは押し潰すように変形させる。これにより、弾性体50圧縮時の抵抗が増して次第に回動体40に対する回動抵抗を高めさせる役目を有している。この回動抵抗が高まるにしたがって回動体40と一体の吊支具70を介して吊支される重量のある吊支対象物の揺れを減震させることができる。したがって、弾性体50は回動体40に圧縮された際に、回動体40に回動抵抗を与えることができる弾性材料を用いる。例えば、強く圧縮された際に押し潰されるように変形されつつ回動体40に対して十分な回動抵抗を生じさせる変形許容厚さと弾性強さを有する減震促進材となるゴム材を用いる。
上述の回り止めボルト60は先端部63に雄ねじが形成された細長い軸部61と、その基端部のボルト頭部62とを有して構成される。この回り止めボルト60を下アンカー30のボルト挿通孔37に差し込んで先端部63を回動体40の回り止め孔43に螺着させることにより回動体40を回り止めするものである。この回動体40を回り止めすることにより、吊支具70を回動体40に取り付ける際に該回動体40が共回りしないようにしている。なお、図では回り止めボルト60を下アンカー30を介して回動体40に螺着させる螺着手段により回動体40を回り止めする一例を示したが、このほか回り止めボルト60に代えてテーパ軸を用い、また回り止め孔43に代えてテーパ孔を用い、これらのテーパ軸とテーパ孔とを対向させて回り止めするようにしてもよい。
吊支具70は上方の回動体40とその下方で吊支される配管や図示しない空調設備等の吊支対象物との上下間を連結するものであり、上部には回動体40との連結部となる例えば長尺の吊りボルト71が備えられている。そして、この吊りボルト71に形成される雄ねじ部が回動体40の下部に形成されている連結部44に螺着されて連結される。また、吊支具70の下部は図示しない連結金具を介して配管、その他の空調設備、消火機器設備、径天井等の様々な吊支対象物に連結される。
吊支具連結用ナット80は吊りボルト71を回動体40に螺着させて一体化したときの緩み止め手段として備えられる。図では吊りボルト71を回動体40に螺着する時に吊りボルト71の雄ねじに螺合させた該吊支具連結用ナット80を回動体40の下面に押し付けるように締め上げて締結している。これにより、吊りボルト71と回動体40とは強固に締結された状態が維持される。
このように構成された球面対応型の減震インサートアンカー10を組み立てる際は、図1に示すように、下アンカー30のアンカー内部空間35の凹半球面33に回動体40の凸半球面41が対応するように回動体40を搭載し、続いてこの回動体40の上面の円板部42に弾性体50を積み重ねるように水平姿勢で平面対接させて搭載する。これにより、下アンカー30には回動体40と弾性体50とが上下に積み重ねられた収納状態となり、この収納状態で下アンカー30の開放された上面を上アンカー20で覆うように互いの取着部22,31を取着させて一体化する。このようにしてユニット化した球面対応型の減震インサートアンカー10を構築することができる。
そして、このユニット化した球面対応型の減震インサートアンカー10を前施工方式として建築構造物の天井部11に形成されるコンクリートスラブ12にインサートして設置することができる。また、コンクリートスラブ12にインサートされた球面対応型の減震インサートアンカー10に吊支具70を取り付ける際は、図2に示すように、まず回り止めボルト60を下アンカー30のボルト挿通孔37に差し込んで、回り止めボルト60の先端部63を回動体40の回り止め孔43に連結(螺着)させて回動体40を下アンカー30に固定して一時的に回り止めする。この回り止め状態で吊支具70の上部に備えられている吊りボルト71の上端部を回動体40の下部に備えられている連結部44に螺着接続させて連結させる。この吊りボルト71の連結後は回り止めボルト60を取り外して回動体40の回動を許容させる。これにより、回動体40は地震発生時の揺れに対応した回動自由な動きを可能とする減震機能を備えた状態で待機される。
次に、球面対応型の減震インサートアンカー10の減震動作状態を図3を参照して説明する。
通常、球面対応型の減震インサートアンカー10の吊支状態では、図3に垂直な一点鎖線で示すように吊支具70が垂直吊り状態Vに吊支されている。これに対し、大地震が発生して吊支対象物が揺れようとすると、この吊支対象物を吊支している吊支具70がこの吊支具70の支点となる回動体40と共に回動し、吊支具70はある衝撃的な外力で揺れて斜め吊り状態Sとなっても、この吊支具70の支点には張力のみが加わり破断の原因となる曲げモーメントは加わらない。このため、吊支具70が揺れに応じて一定振幅量Rで揺動しても、その揺れを弾性体50を介して回動体40が受ける回動抵抗により曲げモーメントが掛かるのを回避させて減震動作(換言すれば、曲げモーメント回避動作)を的確に得ることができる。
さらに、球面対応型の減震インサートアンカー10は地震による揺れに対し、吊支対象物の重みが加わっていても吊支具70は揺れる過程で浮き上がるように回動し、しかも回動体40は球面対応型であらゆる揺れの方向に応じて間断なく回動する。このため、360度の揺れの方向に対応して吊支具170に外部応力が集中的に加わらず、吊支具170が折損されるのを防止できる。
なお、参考までに従来の吊支構造で吊支具70に破断されやすい曲げモーメントが加わったときの吊支具70の支点(回動体40)を中心に湾曲して撓んだ状態に揺れる斜め吊り湾曲状態Cを図3に想像線で示す。
上述のように、吊支具70の上端部(吊りボルト)71を回動体40に連結しているため、吊支具70が揺れようとする方向に回動体40が滑らかに回動し、この回動体40の回動する動きに伴って吊支具70も同方向に一体化して回動する。換言すれば、吊支具70の揺動支点である回動体40が揺れに応じて吊支具70と共に回動し、吊支具の揺動支点である回動体40に地震発生時の揺れに伴う強大な破壊力が掛からないように回避させる曲げモーメント回避構造を構築できる。これにより、吊支具70に対しては十分な減震効果が得られ、吊支具70の信頼性および安全性を確保できる。
[実施例2]
図4は本発明にかかる埋め込み型の減震インサートアンカー110の内部構造を分解して示した図であり、図5は同埋め込み型の減震インサートアンカー110の使用状態を示した図である。
この埋め込み型の減震インサートアンカー110は、建築構造物の天井部111にインサートされた該減震インサートアンカー110に吊支具170の上端部を連結して吊支する吊支構造を形成したものであって、特徴とするところは重量のある吊支対象物を吊支する吊支具170に強大な破壊力が掛からないように吊支具170を下回動体140および上回動体150で保持する埋め込み型の保持構造を構成した点である。
この埋め込み型の保持構造は、上アンカー120と、下アンカー130と、下回動体140と、上回動体150と、弾性体160と、吊支具170と、吊支具連結用ナット180とから構成される。
まず、上アンカー120は図5に示すように、埋め込み型の減震インサートアンカー110の上部を覆う蓋体を兼ねて設けられ、大径の上部と小径の下部とで段付き円柱状に設けている。さらに、大径上部の上面に逆ハの字形のアンカー角121を突き出させて該上アンカー120をコンクリートスラブ112にインサートしたときのインサート係止力を高めている。一方、小径下部の外周面に例えば雄ねじによる取着部122が形成され、この取着部122が後述する下アンカー130の取着部(雌ねじ)131に螺着されて上下のアンカー120,130が一体化される。さらに、大径上部と小径下部との外周面の境界部分で段差が付いた外周段差端面123を螺着止め用の端面として設けている。
図4では上方から主要部を順に示し、特に下アンカー130の第1摺動面133を明瞭に表すため下アンカー130の下部を横断面して、該下アンカー130の上部を省略し、下部のみを示している。
上述の下アンカー130は埋め込み型の減震インサートアンカー110の基台として設けられ、上述した上アンカー120の大径上部と同径で上面が開放された有底筒状体を有している。この有底筒状体の上部内周面に上述した上アンカー120の取着部(雄ねじ)122と対応する取着部(雌ねじ)131が形成されている。そして、上アンカー120の取着部122を下アンカー130の取着部131に対応させて取着することで両アンカー120,130は上下に一体化して連結される。
また、下アンカー130の上面が開放された内部底面には、平面視長方形で下向きの三日月状体に切り欠いた円弧形凹部(本実施例2では以下、第1摺動面と称す)133が形成され、その両側に平行する側面には垂直な摺動ガイド面133aが形成されている。ここに後述する下回動体140が収納される。さらに、この第1摺動面133の中央底面には、吊支具170の上端部を下方より上向きに挿通させる下挿通孔134を貫通して設けている。また、この下アンカー130の内周面における上側の取着部(雌ねじ)131と下側の第1摺動面133との上下間に円柱状の内部空間であるアンカー内部空間135が形成されている。このアンカー内部空間135は第1摺動面133上に収納される後述する下回動体140を回動許容させる収納空間である。
上述の下回動体140は平面視長方形で下部に下向きの円弧形凸部(本実施例2では以下、第2摺動面と称す)141を有する三日月状体に形成され、下アンカー130の第1摺動面133より一回り小さく形成されている。そして、この下回動体140が下アンカー130の第1摺動面133上に搭載される。この第1摺動面133上で下回動体140は円弧方向に滑らかに接触して摺動する。なお、摺動時に下回動体140の両側に平行する側面145は下アンカー130の摺動ガイド面133aに摺動ガイドされるため一方向にのみ安定して回動する。また、この三日月状体の上面には、上述の第2摺動面141の摺動方向と直交する摺動方向の円弧形凹部(本実施例2では以下、第3摺動面と称す)142が形成され、この第3摺動面142の両側に平行する側面に垂直な摺動ガイド面142aが形成されている。ここに後述する上回動体150が収納される。
さらに、第3摺動面142の中央には上下方向に貫通して下アンカー130の下挿通孔134と対応する上挿通孔143を有している。この上挿通孔143は摺動方向に沿って開口した長孔に設け、この上挿通孔143に縦貫して組み込まれる後述する連結部152の動きに支障がないようにしている。さらに、この下回動体140の円弧方向の上面両側端部には高摩擦接触面144を有している。この高摩擦接触面144は後述する弾性体160との安定した接触性が得られるように粗表面加工、あるいは粗面テープを貼着するなどして表面の摩擦力を高めたものである。
上回動体150は平面視長方形で下部に下向きの円弧形凸部(本実施例2では以下、第4摺動面と称す)151を有する三日月状体に形成され、下回動体140の第3摺動面142より一回り小さく形成されている。そして、この上回動体150が下回動体140の第3摺動面142上に搭載され、この第3摺動面142上で上回動体150は円弧方向に滑らかに接触して摺動する。なお、摺動時に上回動体150の両側に平行する側面155は下回動体140の摺動ガイド面142aに摺動ガイドされるため一方向にのみ安定して摺動する。さらに、第4摺動面151の中央下面には吊支具170の上端部(吊りボルト)171を下方よりねじ込んで連結させる連結筒体で形成された連結部152を垂設している。この連結部152は筒体内周面に、吊りボルト171の雄ねじと螺合する雌ねじを形成して、この連結部152で吊りボルト171を連結するようにしている。
さらに、上回動体150の中央上面には位置ずれ防止ピン153を突設している。この位置ずれ防止ピン153は該上回動体150の上面に後述する弾性体160を搭載した際に、上下間で凹凸対応させて弾性体160が位置ずれするのを防止する役目を有している。また、この上回動体150の円弧方向の上面両側の端部には高摩擦接触面154を有している。この高摩擦接触面154後述する弾性体160との安定した接触性が得られるように粗表面加工、あるいは粗面テープを貼着するなどして表面の摩擦力を高めたものである。
なお、下回動体140の上面に上回動体150を搭載した際、下回動体140の上面高さと上回動体150の上面高さとが同一高さに揃うように設定している。これにより、両回動体140,150の上面に弾性体160を搭載させた際、弾性体160が両回動体140,150の上面に均一に平面対接するようにしている。
さらに、上述した第1〜第4摺動面133,141,142,151、摺動ガイド面133a,142aおよび側面145,155の摺動時に接触する各表面にはテフロン(登録商標)等で表面処理して摺動時の円滑性および耐久性を確保している。
上述の弾性体160は大径上部と小径下部との段差円板を有して形成され、この弾性体160がアンカー内部空間135に収納された際に、大径外周面がアンカー内部空間135の内周面に接触対応し、小径下部の底面が両回動体140,150の上面に接触対応して収納される。そして、この弾性体160が上アンカー120の下面124と、下回動体140および上回動体150の上面との上下間に挟持状態に介在される。
さらに、この弾性体160の中央下面には上方に向けて位置ずれ防止孔161が穿設されている。この位置ずれ防止孔161に上述した上回動体150の位置ずれ防止ピン153を下方から挿通させて凹凸対応状態に嵌合させる。これにより、弾性体160が位置ずれするのを規制する。そして、吊支具170が大きく揺れようとした際に回動する下回動体140および上回動体150の動きを抑制して減震できるようにこの弾性体160が両回動体140,150の上面に平面対接している。
すなわち、両回動体140,150の上方で対向する弾性体160は両回動体140,150の回動に基づいて図6に示すように、両回動体140,150の上側が該弾性体160を押し上げるように圧縮させて変形させる。これにより、弾性体160圧縮時の抵抗が増して次第に両回動体140,150に対する回動抵抗を高めさせる役目を有している。この回動抵抗が高まるにしたがって両回動体140,150と一体の吊支具170を介して吊支される重量のある吊支対象物の揺れを減震させることができる。したがって、弾性体160は両回動体140,150に圧縮された際に、両回動体140,150に回動抵抗を与えることができる弾性材料を用いる。例えば、強く圧縮された際に圧縮および押し潰されるように変形されつつ両回動体140,150に対して十分な回動抵抗を生じさせる変形許容厚さと弾性強さを有する減震ゴム材を用いる。
吊支具170は上方の両回動体140,150とその下方で吊支される配管や図示しない空調設備等の吊支対象物との上下間を連結するものであり、上部には上回動体150の連結部152と連結される長尺の吊りボルト171が備えられている。そして、この吊りボルト171に形成される雄ねじ部が上回動体150の下部に形成されている連結部152に螺着されて連結される。また、吊支具170の下部は図示しない連結金具を介して配管、その他の空調設備、消火機器設備、径天井等の様々な吊支対象物に連結される。
吊支具連結用ナット180は吊りボルト171を上回動体150に螺着させて一体化したときの緩み止め手段として備えられる。図では吊りボルト171を上回動体150に螺着する時に、吊りボルト171の雄ねじに螺合させた該吊支具連結用ナット180を下回動体140の下面に押し付けるように締め上げて締結している。これにより、吊りボルト171と下回動体140とは強固に締結された状態が維持される。
このように構成された埋め込み型の減震インサートアンカー110を組み立てる際は、図5に示すように、下アンカー130のアンカー内部空間135の第1摺動面133の上面に下回動体140の第2摺動面141が対応するように該下回動体140を搭載し、続いてこの下回動体140の上面に形成されている第3摺動面142の上面に上回動体150の第4摺動面151が対応するように該上回動体150を搭載させる。さらに、上回動体150の上面に突出している位置ずれ防止ピン153に弾性体160の位置ずれ防止孔161を凹凸対応させた状態で弾性体160を両回動体140,150の上面に平面対接させて搭載する。これにより、下アンカー130には両回動体140,150と弾性体160とが積み重ねられた収納状態となり、この収納状態で下アンカー130の開放された上面を上アンカー120で覆うように取着して一体化する。このようにしてユニット化した埋め込み型の減震インサートアンカー110を構築することができる。
そして、このユニット化した埋め込み型の減震インサートアンカー110を前施工方式として建築構造物の天井部11のコンクリートスラブ112にインサートすれば埋め込み型のアンカーとして使用することができる。また、天井部111のコンクリートスラブ112にインサートされた埋め込み型の減震インサートアンカー110に吊支具170を取り付ける際は、図4に示すように、下回動体140の側面145が下アンカー130の摺動ガイド面133aに摺動ガイドされて回り止めされた状態にあり、また上回動体150の側面155が上回動体150の摺動ガイド面142aにガイドされて回り止めされた状態にある。よって、両回動体140,150は吊支具170との連結時に共回りしない構成である。この共回り規制状態で吊支具170の上部に備えられている吊りボルト171の上端部を上回動体150の下部に備えられている連結部152に螺着接続させて連結させる。この吊りボルト171の連結後は、両回動体140,150の回動が許容された垂直吊り状態となる。これにより、両回動体140,150は地震発生時の揺れに対応した回動自由な動きを可能とする減震機能を備えた状態で待機されることになる。
次に、埋め込み型の減震インサートアンカー110の減震動作状態を図6を参照して説明する。
通常、埋め込み型の減震インサートアンカー110の吊支状態では、図6に垂直な一点鎖線で示すように吊支具170が垂直吊り状態Vに吊支されている。これに対し、大地震が発生して図示しない吊支対象物が揺れようとすると、この吊支対象物を吊支している吊支具170がこの吊支具170の支点となる上回動体150と共に回動し、吊支具170は地震による振幅で揺れて斜め吊り状態Sとなっても、そのときに発生した運動エネルギーは弾性体50が押し潰されるように圧縮されることによって効果的に吸収される。このため、この吊支具170の支点は張力のみが加わり破断の原因となる強大な曲げモーメントは加わらない。よって、吊支具170が揺れに応じて一定振幅量Rで揺動しても、その揺れを弾性体160および両回動体140,150により強大な曲げモーメントが掛かるのを回避させて減震動作(換言すれば、曲げモーメント回避動作)を的確に得ることができる。
さらに、埋め込み型の減震インサートアンカー110は地震による揺れに対し、吊支対象物の重みが加わっていても吊支具170は揺れる過程で浮き上がるように回動し、しかも両回動体140,150はあらゆる揺れの方向に応じて間断なく回動する。このため、360度の揺れの方向に対応して吊支具170に外部応力が集中的に加わらず、吊支具170が折損されるのを防止できる。
なお、従来の吊支構造で吊支具170に破断されやすい曲げモーメントが加わったときの吊支具170の支点(両回動体140,150)を中心に湾曲して撓んだ状態で揺れる斜め吊り湾曲状態Cを図6に想像線で示す。
上述のように、下アンカー130に下回動体140を回動自由に搭載し、この下回動体140の上面に上回動体150を回動自由に搭載した上下二段階に積層した吊支構造である。しかも、積層した下回動体140の回動方向と上回動体150の回動方向を略直角に異ならせているため、下回動体140と上回動体150は回動方向が異なって双方が自由に回動するため両回動体140,150は揺れの方向や揺れの大きさに応じて間断なく回動し、地震発生時の揺れに対し、同方向の揺れに近い上または下の何れかの回動体140,150が対応して回動する。この場合も吊支具170の支点である両回動体140,150に地震発生時の揺れに伴う強大な破壊力が掛からないように回避させる曲げモーメント回避構造を構築することができるため、水平方向における360度の揺れの方向に対応して減震(揺れを小さく)させることができる。これにより、吊支具170の信頼性および安全性を確保できる。
[実施例3]
図7は本発明にかかる後施工型の減震インサートアンカー210の取り付け状態を示した図である。
この後施工型の減震インサートアンカー210は実施例2の埋め込み型の減震インサートアンカー110と略同一の構成を有している。このため、同一の構成の説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
すなわち、この実施例3の特徴は、実施例2の埋め込み型の減震インサートアンカー110の上アンカー120を、天井連結具220と蓋体230とに分けて設けることにより後施工を可能にした点である。
天井連結具220はインサート用のアンカー部材として設けられ、このアンカー部材には下面開放端の連結部となる雌ねじ孔221と、コンクリートスラブ212にインサートされる上部のアンカー角222とが備えられている。
蓋体230は後施工型の減震インサートアンカー210の上面を覆う取着部材として設けられ、この蓋体230の上面に例えば雄ねじが形成されて垂直に立設されたアンカー連結具231が形成されている。
そして、天井部211のコンクリートスラブ212に天井連結具220を後施工によりインサートし、この天井連結具220にアンカー連結具231を下方よりねじ込んで連結する構成を有している。
このように、上アンカー120を天井連結具220と蓋体230とに分けることにより後施工を可能としている。そして、この後施工型の減震インサートアンカー210によれば、上アンカー120と下アンカー130との上下間に、弾性体160と両回動体140,150とを積み重ねた状態に組み込んでユニット化した減震インサートアンカー210を構築することができる。このため、ユニット化して減震インサートアンカー210を扱うことが可能になり、このユニット化した減震インサートアンカー210を既設の天井部211のコンクリートスラブ212に後からインサートした天井連結具220に該減震インサートアンカー210のアンカー連結具231を連結させる後施工方式として使用することができる。
10,110,210…減震インサートアンカー
20,120…上アンカー
22,31…取着部
30,130…下アンカー
33,133…円弧形凹部
34,134…挿通孔
35,135…アンカー内部空間
40,140,150…回動体
41,141…円弧形凸部
44,152…連結部
50,160…弾性体
70,170…吊支具
220…天井連結具
231…アンカー連結具

Claims (4)

  1. 建築構造物の天井部に固定されるアンカーに吊支具の上端部を連結して該吊支具を揺動自由に吊支する減震インサートアンカーであって、
    前記アンカーを上下一対で構成される上アンカーと下アンカーとに分けて設け、
    前記両アンカーは互いに連結して一体化する取着部をそれぞれ備えると共に、前記下アンカーには上面が開放された内部底面に円弧形凹部を備え、且つ円弧形凹部の中央に前記吊支具の上端部を下方より挿通させる挿通孔を備えて構成し、
    前記下アンカーの円弧形凹部に搭載され、該円弧形凹部と滑らかに摺動対応する円弧形凸部を下面に備え、該円弧形凸部の下面中央に前記吊支具の上端部を連結する連結部を備えた回動体と、
    前記上アンカーと前記回動体との間に挟持状態に介在される弾性体とを備え、
    前記上アンカーと前記下アンカーとが連結される対向面間に形成されるアンカー内部空間に前記弾性体と前記回動体とを上下に重ねて収納保持する構成とした
    減震インサートアンカー。
  2. 前記下アンカーの前記円弧形凹部と前記回動体の前記円弧形凸部との接触面を球面で接触対応させる構成とした
    請求項1に記載の減震インサートアンカー。
  3. 前記下アンカーの前記円弧形凹部を第1摺動面とし、該下アンカーの前記挿通孔を下挿通孔として設け、
    前記回動体を上下一対で構成される上回動体と下回動体とに分けて設け、
    前記下回動体を、
    前記第1摺動面の円弧形凹部と滑らかに摺動対応する円弧形凸部を下面に備えた第2摺動面と、該第2摺動面の円弧形凸部の摺動方向と直交する摺動方向の円弧形凹部を上面に備えた第3摺動面と、該第3摺動面の中央上下方向に貫通されて前記下挿通孔と対応する上挿通孔とを備えて前記下アンカーの第1摺動面に搭載させる構成とし、
    前記上回動体を、
    前記第3摺動面の円弧形凹部と滑らかに摺動対応する円弧形凸部を下面に備えた第4摺動面と、前記第4摺動面の中央に前記吊支具の上端部を連結させる連結部とを備えて前記下回動体の第3摺動面に搭載させる構成とし、
    前記アンカー内部空間に前記弾性体と前記両回動体を上下に積み重ねて収納保持する構成とした
    請求項1に記載の減震インサートアンカー。
  4. 請求項1、2および3に記載の減震インサートアンカーの上面にアンカー連結具を備え、
    該アンカー連結具を建築構造物の天井部のスラブに後施工によりインサートした天井連結具に連結させて構成したことを特徴とする。
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