JP2004301162A - 吊り金具及び吊り構造 - Google Patents

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清孝 北島
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Abstract

【課題】配管位置に対応させるための切断作業が簡単に行なえると共に、外観的に仕上がりよく、錆びの発生もなく、施工後の見栄えを良好にすることができる上に絶縁性にも優れた吊り金具の提供。
【解決手段】一端に嵌合穴20が開口されると共に、他端に連結ボルト22が突設された2個のキャップ部材2,2と、上下両端部をそれぞれ各キャップ部材の嵌合穴に嵌合固着させて、上下両端部にキャップ部材を取り付けるようにした合成樹脂製の吊りパイプ3を備え、吊りパイプの上端部に取り付けられるキャップ部材の連結ボルトは、天井面5に取り付けたナット6に螺合するように形成され、吊りパイプの下端部に取り付けられるキャップ部材の連結ボルトは、吊り用保持金具7に設けられたナット70に螺合するように形成されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、天井に沿って配管施工する際に、管体を吊り支持したり、蛍光灯や空調機器等を吊り支持する際に使用する吊り金具及びこの吊り金具を使用した吊り構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、天井に沿って配管施工する際の吊り構造としては、例えば、図3に示すようなものが知られている。
この従来の吊り構造は、吊り金具として単なる鉄製の棒ボルト100を使用し、この棒ボルト100の上端部を天井面5に取り付けたインサートナット6に螺合させると共に、棒ボルト100の下端部を吊り用保持金具7に設けられたナット70に螺合させるようにしたものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、配管施工に際しては、天井面5から管体8までの位置、即ち、吊り位置が設定されている。
この吊り位置に対応させるため、従来では、棒ボルト100を所定の長さに切断しているが、この棒ボルト100が鉄製であるため、その切断作業に時間がかかるし、又、ネジ山をじかに切断することになるため、切断面のバリによってナット6,70との螺合ができなくなり、そのためバリを除去する必要が生じるなど、作業性が悪いという問題があった。
そのほか、施工後においては、棒ボルト100が剥き出しのままになるし、また、錆びの発生によって、外観的に施工の仕上がりが悪く、見栄えを損なうという問題もあった。
又、棒ボルトが鉄製であるから、電気器具等に対しては使用しずらいという問題もあった。
【0004】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、吊り位置に対応させるための切断作業が簡単に行なえると共に、外観的に仕上がりよく、又、錆びの発生もなく、施工後の見栄えを良好にすることができ、さらには電気器具に対しても容易に使用することができる吊り金具及びこの吊り金具を使用した吊り構造を提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の吊り金具(請求項1)は、
一端に嵌合穴が開口されると共に、他端に連結ボルトが突設された2個のキャップ部材と、
上下両端部をそれぞれ前記各キャップ部材の嵌合穴に嵌合固着させて、上下両端部にキャップ部材を取り付けるようにした合成樹脂製の吊りパイプを備え、
前記吊りパイプの上端部に取り付けられるキャップ部材の連結ボルトは、天井面に取り付けたナットに螺合するように形成され、
吊りパイプの下端部に取り付けられるキャップ部材の連結ボルトは、吊り用保持金具に設けられたナットに螺合するように形成されている構成とした。
【0006】
又、本発明の吊り構造(請求項2)は、
上端に連結ボルトが突設されると共に、下端に嵌合穴が開口された上端キャップ部材と、
下端に連結ボルトが突設されると共に、上端に嵌合穴が開口された下端キャップ部材と、
上端部を前記上端キャップ部材の嵌合穴に嵌合固着させると共に、下端部を前記下端キャップ部材の嵌合穴に嵌合固着させて、上下両端部にキャップ部材を取り付けた合成樹脂製の吊りパイプを備え、
前記上端キャップ部材の連結ボルトを天井面に取り付けられたナットに螺合させ、
前記下端キャップ部材の連結ボルトを吊り用保持金具に設けられたナットに螺合させた構成とした。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例より説明する。尚、本発明の具体的な構成は、以下の実施例に限定されるものではない。なお、本実施例では、配管を吊り支持するための吊り構造を例にとって説明する。
図1は本発明の実施例にかかる吊り構造を示す断面図である。
【0008】
図において、1は吊り金具で、この吊り金具1は、2個のキャップ部材2,2と、このキャップ部材2,2を上下両端部に取り付けるようにした樹脂製の吊りパイプ3を構成部材として備えている。
【0009】
前記キャップ部材2は、一端に嵌合穴20が開口した合成樹脂製(例えば、塩化ビニル)のキャップ本体21と、このキャップ本体21の他端に突設された連結ボルト22により形成されている。
この場合、連結ボルト22は、基端に六角形状のアンカープレート23が形成され、このアンカープレート23をキャップ本体21の端面壁24に埋設させることで、連結ボルト22の回り止めを行なうようになっている。
又、キャップ本体21の外周面には、スパナ等の回転締め工具を係止するための六角面25が形成されている。
【0010】
前記吊りパイプ3は、合成樹脂(例えば、塩化ビニル)による単なるパイプであって、この吊りパイプ3の端部をキャップ本体21の嵌合穴20に接着剤4を介して嵌合固着させることにより、この吊りパイプ3の端部に前記キャップ部材2を取り付けるようにしている。
【0011】
上記のように構成した吊り金具1を用いて吊り構造を構成するもので、その施工方法の一例を説明する。
【0012】
先ず、吊り金具1を設置する天井面5にインサートナット6を取り付ける。
このインサートナット6は、下端内部に雌ネジ穴60が形成され、上端内部にテーパ穴61が形成される共に、このテーパ穴61に楔62が嵌め込まれ、かつテーパ穴61の周囲肉厚部分にスリット63が形成された従来公知の拡開式インサートナットに形成されている。
従って、天井面5に下穴50を形成して、この下穴50内にインサートナット6を打ち込むと、上端部分が外方に広がって抜けが防止され、このインサートナット6を天井面5に確実に取り付けることができる。
【0013】
又、前記吊りパイプ3の長さを、吊り位置に対応した長さに切断する。この切断作業は、施工現場で行なうようにしてもよいし、予め工場で所定の長さに切断したものを用いてもよい。
このとき、吊りパイプ3が合成樹脂製であるため、切断作業を簡単に行なうことができる。
又、吊りパイプ3が合成樹脂製で絶縁性を有することから、電気器具等に対して使用しても漏電事故等が発生することがない。
【0014】
次に、吊りパイプ3の上下両端部にそれぞれキャップ部材2,2を取り付けるもので、この場合、吊りパイプ3の端部をキャップ本体21の嵌合穴20に接着剤4を介して嵌合固着させる。この嵌合固着作業は、施工現場で行なうようにしてもよいし、予め工場で行なうようにしてもよい。
【0015】
そして、前記吊りパイプ3の上端部に取り付けられたキャップ部材2(上端キャップ部材2a)の連結ボルト22を天井面5に取り付けられたインサートナット6の雌ネジ穴60に螺合させると共に、吊りパイプ3の下端部に取り付けられたキャップ部材2(下端キャップ部材2b)の連結ボルト22を吊り用保持金具7に設けられたナット70に螺合させる。
この場合、前記上端キャップ部材2aの連結ボルト22としては、インサートナット6の雌ネジ穴60に螺合可能なものを用い、又、下端キャップ部材2bの連結ボルト22としては、吊り用保持金具7に設けられたナット70に螺合可能なものを用いるもので、本実施例では、上端キャップ部材2aと下端キャップ部材2bに同一構造のものを用いて、両端のキャップ部材2,2のいずれをも上端キャップ部材2a又は下端キャップ部材2bに用いることができるようにしている。
このようにして吊り金具1の上端を天井面5に取り付けると共に、この吊り金具1の下端に吊り用保持金具7を取り付け、後は、吊り用保持金具7に取り付け対象となる管体8を取り付けていけば、配管施工が完了する。
【0016】
なお、前記吊り用保持金具7は、上端にナット70が取り付けられたブラケット71の下端部に、左右のバンド部材72,72が締結ボルト73を介して連結された従来公知の吊り用保持金具に形成されている。
そして、左右のバンド部材72,72間に取り付け対象となる管体8を通した状態で、前記締結ボルト73に蝶ネジ74を螺合して、左右のバンド部材72,72を締め付けていくことにより、管体8を左右のバンド部材72,72間に保持させるようになっている。
【0017】
次に、図2はキャップ部材の他例を示す断面図である。
このキャップ部材9は、図1で示したキャップ部材2と同様に、一端に嵌合穴90が開口した合成樹脂製(例えば、塩化ビニル)のキャップ本体91と、このキャップ本体91の他端に突設された連結ボルト93により形成されている。
この場合、連結ボルト93をキャップ本体91の端面壁94に貫通させて、その連結ボルト93の基端に形成したフランジ95と、連結ボルト93に螺合させた締めナット96とにより端面壁94を挟持させることで、連結ボルト93を回り止めさせながら、この連結ボルト93をキャップ本体91の端面に突設させた構造になっている。
【0018】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の吊り金具及び構造にあっては、吊りパイプを合成樹脂製とし、この吊りパイプの両端にキャップ部材を取り付けるようにしたため、吊り位置に対応させるための吊りパイプの切断作業が簡単に行なえると共に、外観的に仕上がりよく、又、錆びの発生もなく、施工後の見栄えを良好にすることができるという効果が得られる。又、吊りパイプを合成樹脂製とし、絶縁しているので、電気器具等の吊り金具として使用しても漏電事故等を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかる吊り構造を示す断面図である。
【図2】キャップ部材の他例を示す断面図である。
【図3】従来の吊り構造を示す説明図である。
【符号の説明】
1 吊り金具
2 キャップ部材
2a 上端キャップ部材
2b 下端キャップ部材
20 嵌合穴
21 キャップ本体
22 連結ボルト
23 アンカープレート
24 端面壁
25 六角面
3 吊りパイプ
4 接着剤
5 天井面
50 下穴
6 インサートナット(ナット)
60 雌ネジ穴
61 テーパ穴
62 楔
63 スリット
7 吊り用保持金具
70 ナット
71 ブラケット
72 バンド部材
73 締結ボルト
74 蝶ネジ
8 管体
9 キャップ部材
90 嵌合穴
91 キャップ本体
93 連結ボルト
94 端面壁
95 フランジ
96 締めナット

Claims (2)

  1. 一端に嵌合穴が開口されると共に、他端に連結ボルトが突設された2個のキャップ部材と、
    上下両端部をそれぞれ前記各キャップ部材の嵌合穴に嵌合固着させて、上下両端部にキャップ部材を取り付けるようにした合成樹脂製の吊りパイプを備え、
    前記吊りパイプの上端部に取り付けられるキャップ部材の連結ボルトは、天井面に取り付けたナットに螺合するように形成され、
    吊りパイプの下端部に取り付けられるキャップ部材の連結ボルトは、吊り用保持金具に設けられたナットに螺合するように形成されていることを特徴とする吊り金具。
  2. 上端に連結ボルトが突設されると共に、下端に嵌合穴が開口された上端キャップ部材と、
    下端に連結ボルトが突設されると共に、上端に嵌合穴が開口された下端キャップ部材と、
    上端部を前記上端キャップ部材の嵌合穴に嵌合固着させると共に、下端部を前記下端キャップ部材の嵌合穴に嵌合固着させて、上下両端部にキャップ部材を取り付けた合成樹脂製の吊りパイプを備え、
    前記上端キャップ部材の連結ボルトを天井面に取り付けられたナットに螺合させ、
    前記下端キャップ部材の連結ボルトを吊り用保持金具に設けられたナットに螺合させたことを特徴とする吊り構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013231467A (ja) * 2012-04-27 2013-11-14 Tokkyokiki Corp 減震インサートアンカー
CN104390102A (zh) * 2014-11-17 2015-03-04 成都市工业设备安装公司 应用于冷媒管的隔热吊架装置及其安装冷媒管的方法
KR101766601B1 (ko) * 2016-10-31 2017-08-09 오정훈 파이프용 지지장치

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