JP2013230576A - 液体噴射装置及び液体噴射制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】往復移動する液体噴射ヘッドのノズルからターゲットに対して噴射される液体によって鮮明な画像を形成することができる液体噴射装置を提供する。
【解決手段】ノズル列を形成する複数のノズルのうち2つ以上のノズルからインクを同時に噴射する第1液体噴射モードと、第1液体噴射モードよりもインクを同時に噴射するノズルの数が少ない第2液体噴射モードとによって、液体噴射ヘッドからのインクの噴射を制御する制御部40と、液体噴射ヘッドが往動時及び復動時の双方においてインクを噴射することで形成するテストパターンに基づいて、インクの着弾位置のずれを補正する調整値を取得する調整値取得部40aと、調整値取得部が第1液体噴射条件で形成されるテストパターンに基づいて取得する第1調整値と第2液体噴射条件で形成されるテストパターンに基づいて取得する第2調整値とを用いて、インクの着弾位置の補正を行う補正部40bと、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、ターゲットに対して相対的に往復移動しつつ、複数のノズルから液体を噴射可能な液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置及び液体噴射制御方法に関する。
従来から、ターゲットに対して液体を噴射する液体噴射装置として、液体噴射ヘッドに形成される複数のノズルからインク(液体)を噴射することで用紙(ターゲット)に印刷を行うインクジェット式プリンター(以降、単に「プリンター」ともいう。)が広く知られている。こうしたプリンターの中には、液体噴射ヘッドを用紙の搬送方向と直交する主走査方向に往復移動可能とすると共に、その往動時及び復動時の双方向の移動に際して用紙に対してインクを噴射するようにした双方向印刷型のプリンターがある。
この種のプリンターでは、液体噴射ヘッドのノズルから往動時と復動時にそれぞれ噴射されるインクが用紙上に重ね合って着弾されることによって画像が形成(印刷)される。従って、プリンターにおいて鮮明な画像を印刷するためには、用紙上に着弾するインク(インク滴)の着弾位置を往動時及び復動時の双方において一致させる必要がある。
しかしながら、インクの着弾位置は、液体噴射ヘッドの主走査方向における移動速度、および液体噴射ヘッドのノズルから噴射されるインクの噴射速度などによって変化する。加えて、液体噴射ヘッドが往動時と復動時とで逆方向に移動する双方向印刷型のプリンターにおいては、移動する液体噴射ヘッドから噴射されるインクの噴射方向が互いに反対方向にそれぞれ変化する。従って、このような変化に起因して、用紙に対するインクの着弾位置にずれが生じやすいという課題がある。
そこで、例えば特許文献1に記載の印刷制御装置(プリンター)では、液体噴射ヘッドの往動時及び復動時において、インク(インク滴)の着弾位置のずれ量を検出するためのテストパターンを用紙に印刷し、このテストパターンによって得られたずれ量に基づいて、液体噴射ヘッドから噴射されるインクの着弾位置の補正を行っている。
特開2002−292959号公報
通常、プリンターでは液体噴射ヘッドに形成される複数のノズルが、液体噴射ヘッドの移動方向(主走査方向)と直交する方向に配列されてノズル列を形成している。そして、印刷画像に応じて同時にインクを噴射するノズルの数が変化する。例えば、インクの着弾位置が連続するノズル列に沿った直線などの線画を印刷する場合には、ノズル列における全てのノズルもしくは連続する多数のノズルから同時にインクを噴射する頻度が高くなる。また、インクの着弾位置が全体に分散する写真画像などの面画を印刷する場合には、線画を印刷する場合と比較して同じ面積あたりにインクを噴射する頻度は高いが、ノズル列における全てのノズルもしくは連続する多数のノズルから同時にインクを噴射する頻度は、線画を印刷する場合より低くなる。
ところで、このようにインクを同時に噴射するノズルの数が異なる場合、ノズル列を形成する全てのノズル数に対してインクを同時に噴射するノズル数の比率、つまりノズルの使用率によって、インク滴の体積が同じ噴射条件であっても、ノズルから噴射されるインクの噴射速度に差異があることが知られている。従って、画像の印刷に際してノズルの使用率が異なる場合、ノズル列を形成する各ノズルから噴射されるインクの噴射速度が変化し、用紙に対するインクの着弾位置にずれが生じてしまう。
ところで、このようにインクを同時に噴射するノズルの数が異なる場合、ノズル列を形成する全てのノズル数に対してインクを同時に噴射するノズル数の比率、つまりノズルの使用率によって、ノズルから噴射されるインクの噴射速度に差異があることが知られている。従って、画像の印刷に際してノズルの使用率が異なる場合、ノズル列を形成する各ノズルから噴射されるインクの噴射速度が変化し、用紙に対するインクの着弾位置にずれが生じてしまう。
しかしながら、特許文献1に記載のプリンターでは、液体噴射ヘッドの移動方向の違いから生じるインクの着弾位置のずれに対する補正を行っているが、ノズルの使用率から生じるインクの着弾位置のずれに対する補正は行っていない。このため、例えばノズルの使用率が異なる線画と面画の双方の画像を鮮明に印刷できないという問題がある。特に、線画においては着弾位置のずれが視認され易いために、着弾位置のずれに対する補正精度を高める必要がある。
なお、このような実情は、インクジェット式プリンターに限らず、ターゲットに対して相対的に往復移動しつつ、複数のノズルから液体を噴射可能な液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置にあっては、概ね共通したものとなっている。
本発明は、上記実情に鑑みて成されたものであり、その主な目的は、ターゲットに対して相対的に往復移動する液体噴射ヘッドのノズルからターゲットに対して噴射される液体によって鮮明な画像を形成することができる液体噴射装置及び液体噴射制御方法を提供することにある。
上記目的を解決するために、本発明の液体噴射装置は、ターゲットに対して相対的に往復移動すると共に、その往復移動時の移動方向と交差する方向に沿うノズル列を形成する複数のノズルから前記ターゲットに液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記ノズル列を形成する複数のノズルのうち2つ以上の前記ノズルから前記液体を同一タイミングで噴射する頻度の高い第1液体噴射モードと、前記第1液体噴射モードよりも前記液体を同一タイミングで噴射する頻度の低い第2液体噴射モードとによって、前記液体噴射ヘッドからの前記液体の噴射を制御する制御部と、前記液体噴射ヘッドが往動時及び復動時の双方において前記液体を噴射することで形成する調整用パターンに基づいて、前記液体噴射ヘッドの往動時と復動時との間での前記液体の着弾位置のずれを補正する調整値を取得する調整値取得部と、前記制御部が前記第1液体噴射モードによる前記液体の噴射を行う場合には、前記調整値取得部が前記ノズル列を形成する複数のノズルのうち2つ以上の前記ノズルから前記液体を同一タイミングで噴射する第1液体噴射条件で形成される調整用パターンに基づいて取得する第1調整値を用いて前記液体の着弾位置の補正を行い、前記制御部が前記第2液体噴射モードによる前記液体の噴射を行う場合には、前記調整値取得部が前記第1液体噴射条件よりも前記液体を同一タイミングで噴射する前記ノズルの数が少ない第2液体噴射条件で形成される調整用パターンに基づいて取得する第2調整値を用いて前記液体の着弾位置の補正を行う補正部と、を備える。
上記構成によれば、ノズル列を形成する複数のノズルを備えた液体噴射ヘッドから液体を噴射する際に、ノズル列において液体を同時に噴射するノズルの数が多い第1液体噴射条件で液体を噴射することで形成した調整用パターンから得られた調整値に基づいて液体の着弾位置の補正が行われる。また、ノズル列において液体を同時に噴射するノズルの数が少ない第2液体噴射モードで液体を噴射する場合には、第2液体噴射条件で液体を噴射することで形成した調整用パターンから得られる調整値に基づいて液体の着弾位置の補正が行われる。従って、例えば線画に対応する第1液体噴射モードに応じた調整値と、面画に対応する第2液体噴射モードに応じた調整値とによって、線画および面画の双方の液体噴射条件に適した液体の着弾位置の補正を行うことができる。この結果、往復移動する液体噴射ヘッドのノズルからターゲットに対して噴射される液体によって、ターゲットに鮮明な画像を形成(印刷)することができる。
本発明の液体噴射装置において、前記第1液体噴射条件は、前記ノズル列を形成する複数のノズルの全ノズルから前記液体が噴射される液体噴射条件である。
上記構成によれば、ノズル列を形成する複数のノズルの全ノズルから液体が噴射されることによって形成される画像に対して、液体の着弾位置の補正が精度良く行われるので、例えばノズル列に沿う直線を含む線画が主体で形成される画像(例えば、製図図面)をターゲットに鮮明に形成(印刷)することができる。
本発明の液体噴射装置において、前記第2液体噴射条件は、前記ノズル列を形成する複数のノズルの半数から前記液体が噴射される液体噴射条件である。
上記構成によれば、液体噴射ヘッドに形成される複数のノズルの半数から液体が噴射されることによって形成される面画に対して、液体の着弾位置の補正が適切に行われるので、例えば面画が主体で形成される画像(写真画像など)をターゲットに鮮明に形成(印刷)することができる。
本発明の液体噴射装置において、前記調整値取得部は、前記第1液体噴射条件で形成された調整用パターンに基づいて取得する前記第1調整値を、予め設定されたオフセット値を用いて補正することにより、前記第2液体噴射条件における前記第2調整値として取得する。
上記構成によれば、液体噴射ヘッドに形成される複数のノズルの全てから液体を噴射して形成する線画(例えば、製図図面)に応じた調整値を基準にして、面画に応じた第2液体噴射条件における調整値を、調整用パターンを形成することなく得ることができる。従って、液体の着弾位置のずれが認識され易い線画に対して適切にずれを補正することができるとともに、面画に対する補正に際して調整用パターンを形成する作業負荷を軽減することができる。
本発明の液体噴射制御方法は、ターゲットに対して相対的に往復移動すると共に、その往復移動における移動方向と交差する方向に沿うノズル列を形成する複数のノズルを有する液体噴射ヘッドが、前記ターゲットに対して前記複数のノズルから液体を噴射する際に適用される液体噴射制御方法であって、前記複数のノズルの全ノズルから前記液体を同一タイミングで噴射する第1液体噴射条件において、該液体噴射ヘッドが往動時及び復動時の双方で前記液体を噴射することで形成される調整用パターンに基づき、前記第1液体噴射条件で前記液体を噴射する頻度の高い第1液体噴射モードにおける往動時及び復動時の前記液体の着弾位置のずれを補正する第1調整値を取得する第1調整値取得ステップと、
前記第1調整値取得ステップで取得された前記第1調整値を、予め設定されたオフセット値を用いて補正することにより、前記第1液体噴射モードよりも前記液体を同一タイミングで噴射する頻度の低い第2液体噴射モードにおける前記液体の着弾位置のずれを補正する第2調整値を取得する第2調整値取得ステップと、前記第1液体噴射モードによる前記液体の噴射を行う場合には前記第1調整値を用いて前記液体の着弾位置の補正を行う一方、前記第2液体噴射モードによる前記液体の噴射を行う場合には前記第2調整値を用いて前記液体の着弾位置の補正を行う補正ステップと、を備える。
上記方法によれば、上述した液体噴射装置に係る発明と同様、往復移動する液体噴射ヘッドのノズルからターゲットに対して噴射される液体によって、ターゲットに鮮明な画像を形成(印刷)することができる。
本発明の実施形態に係るプリンターの概略斜視図。 プリンターが備える液体噴射ヘッドのノズル形成面の平面図。 プリンターの電気的構成を示すブロック図。 ノズルの使用率とインクの噴射速度の関係を示すグラフ。 (a),(b)ともノズルから噴射されるインクの着弾位置を示す概略図。 (a),(b)は、インクの噴射速度差によって生じるインクの着弾位置のずれを示す概略図。 ノズル形成面から用紙までの隙間とオフセット値との関係を示すグラフ。 インクの着弾位置のずれを補正する処理を示すフローチャート。 インクの着弾位置のずれを補正する際に印刷されるテストパターンを示す模式図。
以下、本発明を液体噴射装置の一種であるインクジェット式プリンター(以下、単に「プリンター」ともいう。)に具体化した一実施形態について、図を参照して説明する。
図1に示すように、プリンター11における略矩形箱状をなすフレーム12内には、その長手方向に沿ってターゲットとしての用紙Pを印刷時に支持するための支持部材13が延設されている。用紙Pは、この支持部材13上において、フレーム12に設けられたPFモーター14及び図示しない紙送り機構によって、支持部材13の短手方向(搬送方向Y)に搬送されることでプリンター11から排出される。
また、フレーム12内には、この支持部材13の長手方向に沿ってガイド軸15が架設され、このガイド軸15には、該ガイド軸15の軸線方向に沿って往復移動可能にキャリッジ16が支持されている。すなわち、キャリッジ16にはガイド軸15の軸線方向に貫通するように支持孔16aが形成されると共に、該支持孔16aにガイド軸15が挿通されることで、キャリッジ16はガイド軸15の軸線方向(主走査方向X)に沿って往復移動可能とされている。
フレーム12にはガイド軸15に沿って壁面が設けられるとともに、この壁面には略ガイド軸15の両端部と対応する位置に、駆動プーリー17a及び従動プーリー17bが回転自在に支持されている。駆動プーリー17aにはキャリッジ16を往復移動させる際の駆動源となるCRモーター18の出力軸が連結されるとともに、駆動プーリー17aと従動プーリー17bとの間には一部がキャリッジ16に連結された無端状のタイミングベルト17が掛け渡されている。従って、キャリッジ16は、ガイド軸15にガイドされながら、CRモーター18の駆動力により無端状のタイミングベルト17を介して主走査方向Xに往復移動する。
キャリッジ16の支持部材13と所定の隙間を開けて対向する位置には、インクを噴射することで用紙Pに対して画像の形成(印刷)を行う液体噴射ヘッド19が備えられる。なお、キャリッジ16の主走査方向Xへの移動領域のうち、搬送される用紙Pと液体噴射ヘッド19が対峙しない非印刷領域(ホームポジション領域)には、液体噴射ヘッド19の噴射特性を維持するためのメンテナンスユニット22がフレーム12内に設けられている。
キャリッジ16には、液体噴射ヘッド19に対してインクを供給するためのインクカートリッジ20,21が着脱可能に装着されている。本実施形態のプリンター11では、インクカートリッジ20は、黒色インクを、インクカートリッジ21は、シアン、マゼンタ、イエローの各色インクを収容する。各色インクはインクカートリッジ20,21から液体噴射ヘッド19へと供給され、液体噴射ヘッド19に備えられた不図示の加圧部(たとえば圧電素子)により、支持部材13と対向する液体噴射ヘッド19の下側に設けられたノズル形成面30から支持部材13上を搬送される用紙Pに噴射されて印刷が行われる。
すなわち、図2に示すように、液体噴射ヘッド19の支持部材13と対向する下面は、主走査方向Xと直交する搬送方向Yに沿って配列された複数のノズル31が形成されたノズル形成面30とされている。そして、本実施形態では、このノズル形成面30には、複数のノズル31によって構成されるノズル列32が、主走査方向Xに沿って4つ設けられ、ノズル列32(32a,32b,32c,32d)ごとに、ノズル列32を構成する複数のノズル31のそれぞれから、それぞれのノズルに対応して備えられた加圧部によってインクが噴射される。
次に本実施形態のプリンター11の電気的構成について図3を参照して説明する。
図3に示すように、プリンター11は、印刷動作を統括して制御する制御部40を備え、この制御部40に対して信号の入出力側となる液晶パネル35および補正値テーブル36が、必要に応じてインターフェースを介して制御部40と電気的に接続されている。また、この制御部40に対して信号の出力側となるPFモーター14、CRモーター18、液体噴射ヘッド19が、必要に応じてインターフェースを介してそれぞれ制御部40と電気的に接続されている。
制御部40は、中央処理装置(CPU)や記録素子(RAM、ROM)などで構成され、プリンター11に備えられた不図示の回路基板に設けられている。液晶パネル35は、プリンター11の筐体(不図示)の表面など、使用者が操作し易い位置に配置されると共に、プリンター11に関する設定情報の閲覧や編集が可能な入出力部として機能する。補正値テーブル36は、インクの着弾位置を補正するために使用されるオフセット値が記憶された所謂ルックアップテーブルであり、例えばプリンター11内に備えられた回路基板に設けられた記憶素子に記憶される。なお、制御部40は、液晶パネル35からの出力信号に基づいて補正値テーブル36からインクの着弾位置を最適に補正する調整値を取得する調整値取得部40a、および取得された調整値を用いてインク滴の着弾位置を補正する補正部40bとしても機能する。
さて、本実施形態のプリンター11では、主走査方向の往復移動における往動時及び復動時の双方でのインクの噴射に際して、一つのノズル列32においてインクが同時に噴射されるノズル31の数に応じて、ノズル31からのインクの噴射速度Vnが異なる現象が生じる。なお、本実施形態では、制御部40からの出力信号に基づいてノズルに対応して備えられた加圧部において圧力が同一タイミングで付与されることによって、ノズルから同時に(すなわち同一タイミングで)インクが噴射される。
図4に示すように、本実施形態では、ひとつのノズル列32を形成する複数のノズル31のうち同時にインクを噴射するノズル31がどれだけあるかの比率(以降、これを「ノズルの使用率」とも呼ぶ。)が高くなるのに伴って、ノズル31からのインクの噴射速度Vnが速くなる現象が生じる。この現象が生じる理由の一つとして、ノズル列32にけるノズル31の使用率が低い場合において、インクをノズル31から噴射する際に加圧部に付与される圧力の一部が、加圧部へ圧力が付与されないノズル31、すなわちインクを噴射しないノズル31側に散逸して圧力損失が生ずることが考えられる。なお、この現象は各ノズル列32において同様に発生する。
ところで、本実施形態では、ノズル31の使用率が高いインクの噴射条件は、前述するように線画を主とする画像を印刷する際の噴射モードで使用される頻度が高いと考えられることから、ノズル列32を構成する複数のノズル31の全てのノズル(使用率100%)からインクを同時に噴射する第1インク噴射条件(第1液体噴射条件)であるとしている。また、ノズル31の使用率が低いインクの噴射条件は、前述するように面画を主とする画像を印刷する際の噴射モードで使用される頻度が高いと考えられることから、ノズル列32を構成する複数のノズル31の半数のノズル(使用率50%)からインクを同時に噴射する第2インク噴射条件(第2液体噴射条件)であるとしている。ちなみに、本実施形態では、第2インク噴射条件は、ひとつのノズル列32において、インクを噴射するノズル31とインクを噴射しないノズル31とが交互に並ぶインク噴射条件となっている。
次に、上述したノズル31の使用率に応じたインクの噴射速度Vnの違いによって用紙P上に着弾するインク(インク滴)の着弾位置にずれを生じさせる。このインク滴の着弾位置のずれについて、一つのノズル列32(例えばノズル列32b)に着目して、図5(a),(b)を参照して説明する。なお、それぞれのインク噴射条件におけるインクの噴射速度Vnは、図4に示すように、ノズル31の使用率が100%(第1インク噴射条件)のとき噴射速度Vn1であり、ノズル31の使用率が50%(第2インク噴射条件)のとき噴射速度Vn2(<Vn1)であるものとする。また、図5(a),(b)では、ノズル形成面30と用紙Pとの隙間PGは同じ隙間PG1であるものとする。
図5(a)に示すように、ノズル列32を形成する全てのノズル31からインクを噴射する使用率が100%の第1インク噴射条件の場合、液体噴射ヘッド19のノズル31からインクが速い噴射速度Vn1で噴射される。このとき主走査方向Xに移動するキャリッジ16に備えられた液体噴射ヘッド19が主走査方向Xに移動速度Vcで移動する場合、移動する液体噴射ヘッド19のノズル31から噴射されたインクは、噴射速度Vn1の速度ベクトルと移動速度Vcの速度ベクトルとが合成された速度ベクトルV1の方向に飛翔する。この結果、用紙P上に着弾したインク滴50の着弾位置は、液体噴射ヘッド19が移動しない停止状態においてノズル31から噴射されたときのインク滴50の着弾位置に対して、液体噴射ヘッド19の移動方向側へ距離L1分ずれる。
一方、図5(b)に示すように、ノズル列32を形成する全てのノズル31のうち半数のノズル31からインクを噴射する使用率が50%の第2インク噴射条件の場合、液体噴射ヘッド19のノズル31からインクが遅い噴射速度Vn2で噴射される。このとき主走査方向Xに移動するキャリッジ16に備えられた液体噴射ヘッド19が同様に主走査方向Xに移動速度Vcで移動する場合、移動する液体噴射ヘッド19のノズル31から噴射されたインクは、噴射速度Vn2の速度ベクトルと移動速度Vcの速度ベクトルとが合成された速度ベクトルV2の方向に飛翔する。この結果、用紙P上に着弾するインク滴50の着弾位置は、液体噴射ヘッド19が移動しない停止状態においてノズル31から噴射されたときのインク滴50の着弾位置に対して、液体噴射ヘッド19の移動方向側へ距離L1よりも長い距離L2分ずれる。
このため、液体噴射ヘッド19が主走査方向Xにおいて双方向へ往復移動する場合は、往移動と複移動とのそれぞれにおいて移動方向側へずれるインク滴50の着弾位置が用紙P上で一致するように、移動する液体噴射ヘッド19のノズル31からのインクの噴射タイミングを、調整値を用いて補正する必要がある。
本実施形態では、ノズル31の使用率が100%の第1インク噴射条件の場合において、用紙Pにおけるインク滴50の着弾位置が往移動と復移動とで一致するように、ノズル31からのインクの噴射タイミングを調整する調整値(第1調整値)が最初に取得される。そして、ノズル31の使用率が100%の場合において用いられる第1調整値に基づいて、ノズル31の使用率が50%の第2インク噴射条件の場合において、用紙Pにおけるインク滴50の着弾位置が往移動と復移動とで一致する調整値(第2調整値)が取得される。この第1、第2調整値の取得について、図6(a),(b)を参照して説明する。
図6(a)に示すように、主走査方向Xにおいて互いに反対方向に同じ移動速度Vcで往復移動する液体噴射ヘッド19から、ノズル形成面30から隙間PG1離れた用紙Pに対して同じ位置にインク滴50着弾させるには、移動するそれぞれの方向へのずれ量の合計分の距離が離れた位置でインクを噴射すればよい。すなわち、ノズル31の使用率が100%の場合では、インクが噴射されるときノズル31の位置が、往移動と複移動との間で距離L1の2倍の距離(2×L1)であればよい。従って、噴射タイミングの第1調整値は、ノズル31が往復移動時において主走査方向Xにおいて距離2×L1分離れた位置になる値が取得される。なお、この取得処理については図8において後述する。
次に、図6(b)に示すように、同じく主走査方向Xにおいて互いに反対方向に同じ移動速度Vcで移動する液体噴射ヘッド19から、ノズル形成面30から隙間PG1離れた用紙Pに対してノズル31が主走査方向Xにおいて同じく距離2×L1分離れた位置で、ノズル31の使用率が50%でインク滴50がそれぞれ噴射されたとする。このとき、ノズル31から噴射されたインクはそれぞれの移動方向側へ距離L2ずれて着弾するので、用紙Pにおいて距離L2と距離L1との差の2倍の距離(2×L2−2×L1)だけインク滴50の着弾位置がずれることになる。従って、ノズル31の使用率が50%の場合、インク滴50を同じ位置に着弾させるには、インクが噴射されるときノズル31の位置を、ノズル31の使用率が100%の場合に対して往移動と複移動との間で距離(2×L2−2×L1)分離れるようにオフセットすればよい。このように、噴射タイミングの第2調整値は、第1調整値に対してオフセット値FSで補正することによって取得される。
もとより、このオフセット値FSは、ノズル形成面30と用紙Pとの間の隙間PGの距離に応じて変化する。例えば、図6(a),(b)において二点鎖線で示すように、隙間PGが隙間PG1よりも広がった隙間PG2とされた場合、ノズル31の使用率が100%の場合において生じるインク滴50の着弾位置のずれをずれ量D1とし、ノズル31の使用率が50%の場合において生じるインク滴50の着弾位置のずれをずれ量D2とする。すると、ノズル31の使用率が100%の場合において生じたずれ量D1が補正された後に、ノズル31の使用率が50%の場合において生ずるずれ量D2が補正される。従って、オフセット値FSは、ずれ量D2とずれ量D1との差分値、つまりずれ量(D2−D1)になる。
そして、図7に示すように、このオフセット値FS(ずれ量(D2−D1))は、ノズル形成面30と用紙Pとの間の隙間PGの距離に応じて変化する。すなわち、図6(a),(b)における説明から明らかなように、ずれ量D2とずれ量D1との差は、隙間PGに比例して大きくなる。従って、図7に示した隙間PGに対するオフセット値FSが、例えば、隙間PG1の時はオフセット値FS1であり隙間PG2の時はオフセット値FS2であるというように予め設定され、補正値テーブル36に記憶されている。制御部40は、印刷動作の際にこの記憶されたオフセット値FSを読み出すことによって調整値を取得し、液体噴射ヘッド19からのインクの噴射タイミングを補正する。
次に、本実施形態の作用、すなわち、このインクの噴射タイミングの補正について、図8の処理フローチャートを参照して説明する。なお、この処理は、制御部40によって行われ、液体噴射ヘッド19の往動時及び復動時の双方で液体噴射ヘッド19から噴射されるインクの用紙P上における着弾位置のずれを、調整値を用いて補正(以下、「Bi−D調整」ともいう。)する。こうすることで、印刷される画像に応じて、用紙P上で同一位置にインク滴50が着弾するように制御する。
図8に示すように、このBi−D調整処理が開始されると、まずステップS1にて、液体噴射ヘッド19のノズル31から噴射されるインクの噴射条件を、第1インク噴射条件に設定処理する。制御部40は、液体噴射ヘッド19に対して、ノズル列32における全てのノズル31からインク(インク滴50)を噴射させる信号を出力する。
次に、ステップS2にて、テストパターンを印刷処理する。制御部40は、CRモーター18を駆動してキャリッジ16を主走査方向Xに沿って往復移動させ、用紙Pに対して全てのノズル31から往動時と復動時のそれぞれにおいてインク滴50を噴射し、Bi−D調整のためのテストパターン(調整用パターン)TPを印刷する。印刷されたテストパターンTPの一例を図9に示す。
図9に示すように、このテストパターンTPは、液体噴射ヘッド19の往動時に、主走査方向Xと直交する搬送方向Yに延びた直線である複数の縦罫線F1〜F6を印刷し、復動時に往動時の縦罫線F1〜F6と同じ数の縦罫線B1〜B6を印刷することで、複数組(本実施形態では6組)の縦罫線対を印刷したものである。
液体噴射ヘッド19の往動時の縦罫線F1〜F6は主走査方向Xに一定間隔で印刷されるのに対し、復動時の縦罫線B1〜B6はインク滴50の噴射タイミングを順次ずらすことで、往動時の縦罫線F1〜F6に対して液体噴射ヘッド19の主走査方向Xにずれるように印刷される。これにより、各縦罫線対は、噴射タイミングの違いに応じたズレ量δを有するように印刷される。また、テストパターンTPには、印刷された縦罫線対よりも搬送方向Y側の位置に、各縦罫線対に対応する数字1〜6が印刷される。
図8に戻り、次に、ステップS3にて、第1調整値を取得処理する。ここでは、プリンター11の使用者あるいはプリンター11の検査者によって、用紙Pに印刷されたテストパターンTPに基づいて各縦罫線対のうちズレ量δが最も小さい縦罫線対を特定する数字1〜6のうちの一つの数字が、液晶パネル35に入力される。従って、制御部40は、調整値取得部40aとして機能し、入力された一つの数字を液晶パネル35から取得するとともに、その数字に対応するインクの噴射タイミングを、第1調整値として取得する。
次に、ステップS4にて、オフセット値の読み出し処理を行う。制御部40は、ノズル列32における全てのノズル31からインクを噴射させるときの噴射タイミングに対して、ノズル列32における半数のノズル31からインクを噴射させるときの噴射タイミングのオフセット値FSを、補正値テーブル36より読み出す。すなわち、制御部40は、補正値テーブル36に記憶されているノズル形成面30と用紙Pとの間の隙間PGに応じて予め設定されたオフセット値FSから、テストパターンTPが印刷されたときの隙間PGにおけるオフセット値FSを読み出す。
次に、ステップS5にて、第2調整値を取得処理する。ここでは、制御部40は、調整値取得部40aとして機能し、取得した第1調整値の噴射タイミングを、読み出したオフセット値FSで補正し、補正した噴射タイミングを、第2調整値として取得する。
次に、ステップS6にて、第1、第2調整値を用いて噴射タイミングを補正処理して、ここでの処理が終了する。補正処理では、制御部40は補正部40bとして機能し、線画や面画などの画像の印刷に際して、主走査方向Xに沿って往復移動する液体噴射ヘッド19の各ノズル31からのインクの噴射タイミングを補正する。取得された第1調整値および第2調整値は、制御部40における記録素子(RAM、ROMなど)に記憶され、印刷動作の際に都度用いられて、液体噴射ヘッド19からのインクの噴射タイミングが補正される。
なお、このBi−D調整処理を行うタイミングとしては、プリンター11の工場出荷時や、プリンター11の使用者が印刷済みの用紙Pを目視したときに主走査方向Xにおいて印刷画像にずれが発生していると認識したとき等が挙げられる。このような場合には、上述するようにテストパターンを印刷して、インク滴50の着弾位置を補正するための最適な調整値が改めて取得される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ノズル列32を形成する複数のノズル31を備えた液体噴射ヘッド19からインクを噴射する際に、ノズル列32においてインクを同時に噴射するノズル31の数が多い第1インク噴射条件でインクを噴射することで形成したテストパターンTPから得られた第1調整値に基づいて、インク滴50の着弾位置の補正が行われる。この結果、往復移動する液体噴射ヘッド19のノズル31から用紙Pに対して噴射されるインクによって、用紙Pに鮮明な画像を形成することができる。特に、インクの着弾位置のずれが視認され易い線画を印刷する際に、インクの着弾位置のずれに対する補正精度を高めることができる。
(2)第1インク噴射条件は、ノズル列32を形成する複数のノズル31の全てからインクが噴射されるインク噴射条件であるので、ノズル列32を形成する全てのノズル31から同時にインクが噴射される頻度が高い画像に対して、インク滴50の着弾位置の補正が精度良く行われる。従って、例えばノズル列32に沿った直線を含む線画が主体で形成される画像(例えば、製図図面)を用紙Pに鮮明に形成(印刷)することができる。
(3)第2インク噴射条件は、ノズル列32を形成する複数のノズル31の半数からインクが噴射されるインク噴射条件であるので、液体噴射ヘッド19に形成される複数のノズル31の全てからインクが噴射される頻度が低い面画に対して、インク滴50の着弾位置の補正が適切に行われる。従って、例えば面画が主体で形成される画像(写真画像など)を用紙Pに鮮明に形成(印刷)することができる。
(4)液体噴射ヘッド19に形成される複数のノズル31の全てからインクを同時に噴射する頻度が高い線画(例えば、製図図面)に応じた第1調整値を基準にして、面画に応じた第2インク噴射条件における第2調整値を、テストパターンTPを形成することなく得ることができる。従って、インク滴50の着弾位置のずれが認識され易い線画に対して適切にずれを補正することができるとともに、面画に対する補正に際してテストパターンTPを形成する作業負荷を軽減することができる。
なお、上記実施形態は、以下のような別の実施形態に変更しても良い。
・上記実施形態において、第2インク噴射条件におけるインクの噴射タイミングの第2調整値を、補正値テーブル36に記憶されたオフセット値FSから取得せず、第1調整値と同様に、第2インク噴射条件でインクを噴射することで形成したテストパターンTPから取得してもよい。
すなわち、ノズル列32においてインクを同時に噴射するノズル数が少ない第2インク噴射条件でインクを噴射する場合には、第2インク噴射条件でインクを噴射することで形成したテストパターンTPから得られる調整値(第2調整値)に基づいてインク滴50の着弾位置の補正が行われる。従って、例えば線画に対応する第1インク噴射条件に最適な第1調整値と、面画に対応する第2インク噴射条件に最適な第2調整値とによって、それぞれの印刷画像におけるインク滴50の着弾位置の補正を精度良く行うことができる。この結果、往復移動する液体噴射ヘッド19のノズル31から用紙Pに対して噴射されるインクによって鮮明な画像を形成することができる。
なお、このときテストパターンTPとして形成される縦罫線対は、第1インク噴射条件で形成される縦罫線対と共通であってもよい。この場合、第2インク噴射条件では、図9中に示される縦罫線F1〜F6、および縦罫線B1〜B6を形成するインク滴50の個数が第1インク噴射条件の半分となる。
・上記実施形態において、インク噴射条件は2つに限られない。例えば、インク噴射条件として、ノズル使用率が100%と50%のときの他に、ノズル使用率が75%や25%のときをインク噴射条件(第3インク噴射条件)としてもよい。もとより、印刷対象となる画像が印刷されるときに使用頻度が高いノズル使用率をインク噴射条件として設定することが好ましい。
・上記実施形態において、固定配置された液体噴射ヘッド19に対して、用紙Pが主走査方向Xに沿う方向に往復移動してもよい。あるいは、液体噴射ヘッド19と用紙Pの双方が主走査方向Xに沿う方向に往復移動してもよい。要は、液体噴射ヘッド19と用紙Pとが主走査方向Xに沿う方向に相対的に往復移動すればよい。
・上記実施形態において、テストパターンTPとして印刷される縦罫線対の数は6つよりも多くても少なくてもよい。ズレ量δがゼロもしくは略ゼロになる縦罫線対が形成される数の縦罫線対を、テストパターンTPとして印刷することが好ましい。
・上記実施形態において、第1インク噴射条件は、ノズル使用率が必ずしも100%でなくてもよい。例えば、ノズル使用率が90%もしくは90%以上を第1インク噴射条件としてもよい。あるいは、搬送方向Yに沿った直線が主体となって構成される線画を印刷したときに使用頻度が高いノズル使用率を第1インク噴射条件としてもよい。
・上記実施形態において、第2インク噴射条件は、ノズル使用率が必ずしも50%でなくてもよい。例えば、ノズル使用率が50%以上もしくは50%以下を第2インク噴射条件としてもよい。あるいは、写真画像など広い面積に形成される画像が主体になって構成される面画を印刷したときに使用頻度が高いノズル使用率を第2インク噴射条件としてもよい。
・上記実施形態において、プリンター11は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置であってもよい。なお、液体噴射装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体は、液体噴射装置から噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体を含むものとする。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置がある。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置であってもよい。また、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置であってもよい。
11…プリンター(液体噴射装置)、19…液体噴射ヘッド、31…ノズル、32…ノズル列、36…補正値テーブル、40…制御部、40a…調整値取得部、40b…補正部、P…用紙(ターゲット)、TP…テストパターン(調整用パターン)、FS,FS1,FS2…オフセット値。

Claims (5)

  1. ターゲットに対して相対的に往復移動すると共に、その往復移動時の移動方向と交差する方向に沿うノズル列を形成する複数のノズルから前記ターゲットに液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
    前記ノズル列を形成する複数のノズルのうち2つ以上の前記ノズルから前記液体を同一タイミングで噴射する頻度の高い第1液体噴射モードと、前記第1液体噴射モードよりも前記液体を同一タイミングで噴射する頻度の低い第2液体噴射モードとによって、前記液体噴射ヘッドからの前記液体の噴射を制御する制御部と、
    前記液体噴射ヘッドが往動時及び復動時の双方において前記液体を噴射することで形成する調整用パターンに基づいて、前記液体噴射ヘッドの往動時と復動時との間での前記液体の着弾位置のずれを補正する調整値を取得する調整値取得部と、
    前記制御部が前記第1液体噴射モードによる前記液体の噴射を行う場合には、前記調整値取得部が前記ノズル列を形成する複数のノズルのうち2つ以上の前記ノズルから前記液体を同一タイミングで噴射する第1液体噴射条件で形成される調整用パターンに基づいて取得する第1調整値を用いて前記液体の着弾位置の補正を行い、
    前記制御部が前記第2液体噴射モードによる前記液体の噴射を行う場合には、前記調整値取得部が前記第1液体噴射条件よりも前記液体を同一タイミングで噴射する前記ノズルの数が少ない第2液体噴射条件で形成される調整用パターンに基づいて取得する第2調整値を用いて前記液体の着弾位置の補正を行う補正部と、
    を備えることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記第1液体噴射条件は、前記ノズル列を形成する複数のノズルの全ノズルから前記液体が噴射される液体噴射条件であることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記第2液体噴射条件は、前記ノズル列を形成する複数のノズルの半数から前記液体が噴射される液体噴射条件であることを特徴とする請求項1または2に記載の液体噴射装置。
  4. 前記調整値取得部は、前記第1液体噴射条件で形成された調整用パターンに基づいて取得する前記第1調整値を、予め設定されたオフセット値を用いて補正することにより、前記第2液体噴射条件における前記第2調整値として取得することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  5. ターゲットに対して相対的に往復移動すると共に、その往復移動における移動方向と交差する方向に沿うノズル列を形成する複数のノズルを有する液体噴射ヘッドが、前記ターゲットに対して前記複数のノズルから液体を噴射する際に適用される液体噴射制御方法であって、
    前記複数のノズルの全ノズルから前記液体を同一タイミングで噴射する第1液体噴射条件において、該液体噴射ヘッドが往動時及び復動時の双方で前記液体を噴射することで形成される調整用パターンに基づき、前記第1液体噴射条件で前記液体を噴射する頻度の高い第1液体噴射モードにおける往動時及び復動時の前記液体の着弾位置のずれを補正する第1調整値を取得する第1調整値取得ステップと、
    前記第1調整値取得ステップで取得された前記第1調整値を、予め設定されたオフセット値を用いて補正することにより、前記第1液体噴射モードよりも前記液体を同一タイミングで噴射する頻度の低い第2液体噴射モードにおける前記液体の着弾位置のずれを補正する第2調整値を取得する第2調整値取得ステップと、
    前記第1液体噴射モードによる前記液体の噴射を行う場合には前記第1調整値を用いて前記液体の着弾位置の補正を行う一方、前記第2液体噴射モードによる前記液体の噴射を行う場合には前記第2調整値を用いて前記液体の着弾位置の補正を行う補正ステップと、
    を備えることを特徴とする液体噴射制御方法。
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