JP2013229645A - 圧電デバイス及び圧電デバイスの製造方法 - Google Patents

圧電デバイス及び圧電デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、無電解メッキにより形成された電極の剥離を防止した圧電デバイス及び圧電デバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】圧電デバイス(100)は、表面実装型の圧電デバイスであって、所定の振動数で振動する振動部(134)を含む圧電振動片(130)と、一方の主面にスパッタ又は真空蒸着で形成される金属膜(151)及び金属膜の表面に形成される無電解メッキ膜(153)からなり圧電デバイスを実装する一対の実装端子(124)が形成され他方の主面に圧電振動片が載置されるベース板(120)と、一方の主面には金属膜及び金属膜の表面には無電解メッキにより形成される無電解メッキ膜が形成され他方の主面で振動部を密封するリッド板(110)と、を備える。ベース板の一方の主面に形成される無電解メッキ膜と、リッド板の一方の主面に形成される無電解メッキ膜とは、互いに同じ形状、同じ面積に形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、無電解メッキにより形成された電極を有する圧電デバイス及び圧電デバイスの製造方法に関する。
所定の振動数で振動する圧電振動片を備える表面実装型の圧電デバイスが知られている。圧電デバイスの表面には電極として実装端子が形成され、圧電デバイスはこの実装端子を介してプリント基板等に実装される。実装端子は圧電デバイスの表面に形成されるため、ハンダによる加熱等により実装端子が剥離し、又は実装端子が損傷を受ける場合がある。そのため圧電デバイスでは、実装端子にメッキ等による厚膜が形成されて導通が確保される。また、メッキによる厚膜はハンダによる実装端子の金属が吸収されることを防止のバリア層としても形成される。
例えば、特許文献1では実装端子が導電性ペースト及び導電性ペーストの表面に形成されるメッキ層により形成される旨が記載されている。
特開2000−252375号公報
しかし、メッキ層は厚く形成されるために、メッキ層が圧電デバイスに応力を発生する場合がある。圧電デバイスに発生する応力は圧電デバイスを歪ませて、メッキ層、又はメッキ層を含む実装端子を剥離させることが問題となっている。このような剥離は、ウエハに複数の圧電デバイスを形成してウエハを切断することにより個々の圧電デバイスを形成する圧電デバイスの製造方法において特に発生する。ウエハの切断時には圧電デバイスに発生する応力が変化するため圧電デバイスの歪みが大きくなるためである。
本発明は、無電解メッキにより形成された電極の剥離を防止した圧電デバイス及び圧電デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
第1観点の圧電デバイスは、表面実装型の圧電デバイスであって、所定の振動数で振動する振動部を含む圧電振動片と、一方の主面にスパッタ又は真空蒸着で形成される金属膜及び金属膜の表面に形成される無電解メッキ膜からなり圧電デバイスを実装する一対の実装端子が形成され他方の主面に圧電振動片が載置されるベース板と、一方の主面には金属膜及び金属膜の表面には無電解メッキにより形成される無電解メッキ膜が形成され他方の主面で振動部を密封するリッド板と、を備える。ベース板の一方の主面に形成される無電解メッキ膜と、リッド板の一方の主面に形成される無電解メッキ膜とは、互いに同じ形状、同じ面積に形成される。
第2観点の圧電デバイスは、第1観点において、圧電振動片が、振動部と、振動部を囲む枠部と、振動部と枠部とを連結する連結部と、を有し、ベース板とリッド板とが枠部を介して接合される。
第3観点の圧電デバイスは、第1観点又は第2観点において、金属膜が、クロム層と、クロム層の表面に形成されるニッケルタングステン層と、ニッケルタングステン層の表面に形成される金層と、により構成されている。
第4観点の圧電デバイスは、第1観点又は第2観点において、金属膜が、クロム層と、クロム層の表面に形成されるプラチナ層と、プラチナ層の表面に形成される金層と、により構成されている。
第5観点の圧電デバイスは、第3観点又は第4観点において、一対の実装端子の金属膜が2層に形成され、さらにその表面に無電解メッキ膜が形成されている。
第6観点の圧電デバイスは、第1観点又は第5観点において、無電解メッキ膜はニッケル層を含み、ニッケル層の膜厚が1〜3μmである。
第7観点の圧電デバイスは、第6観点において、無電解メッキ膜のニッケル層の表面に金層が形成される。
第8観点の表面実装型の圧電デバイスの製造方法は、所定の振動数で振動する振動部を含む複数の圧電振動片を用意する工程と、複数のベース板を有するベースウエハを用意する工程と、ベースウエハの一方の主面にスパッタ又は真空蒸着で形成される金属膜を形成するベース用金属膜形成工程と、複数のリッド板を有するリッドウエハを用意する工程と、ベースウエハの他方の主面に複数の圧電振動片を載置する載置工程と、リッドウエハの他方の主面を振動部が密封されるようにベースウエハの他方の主面に接合する接合工程と、リッドウエハを用意する工程の後であり載置工程の前、又は接合工程の後に、リッドウエハの一方の主面に金属膜を形成するリッド用金属膜形成工程と、ベースウエハの金属膜及びリッドウエハの金属膜に無電解メッキをかける無電解メッキ工程と、を備え、リッドウエハに形成された無電解メッキ膜は、ベースウエハの無電解メッキ膜と同じ形状、同じ面積である。
第9観点の表面実装型の圧電デバイスの製造方法は、所定の振動数で振動する振動部と、振動部を囲む枠部と、振動部と枠部とを連結する連結部と、を含む複数の圧電振動片を有する圧電ウエハを用意する工程と、複数のベース板を有するベースウエハを用意する工程と、ベースウエハの一方の主面に、スパッタ又は真空蒸着で形成される金属膜を形成するベース用金属膜形成工程と、複数のリッド板を有するリッドウエハを用意する工程と、各ベース板の他方の主面に圧電振動片がそれぞれ載置されるようにベースウエハと圧電ウエハとを接合する載置工程と、リッドウエハの他方の主面を振動部が密封されるように圧電ウエハの他方の主面に接合する接合工程と、リッドウエハを用意する工程の後であり載置工程の前、又は接合工程の後に、リッドウエハの一方の主面に金属膜を形成するリッド用金属膜形成工程と、ベースウエハの一方の主面に形成される金属膜及びリッドウエハの金属膜に無電解メッキをかける無電解メッキ工程と、を備え、リッドウエハに形成された無電解メッキ膜は、ベースウエハの無電解メッキ膜と同じ形状、同じ面積である。
第10観点の表面実装型の圧電デバイスの製造方法は、第8観点及び第9観点において、金属膜が、クロム層と、クロム層の表面に形成されるニッケルタングステン層と、ニッケルタングステン層の表面に形成される金層と、により構成されている。
第11観点の表面実装型の圧電デバイスの製造方法は、第8観点及び第9観点において、金属膜が、クロム層と、クロム層の表面に形成されるプラチナ層と、プラチナ層の表面に形成される金層と、により構成されている。
第12観点の表面実装型の圧電デバイスの製造方法は、第8観点及び第11観点において、接合工程の後であり、無電解メッキ工程の前に、ベースウエハの他方の主面に再び金属膜を形成する工程を有する。
第13観点の表面実装型の圧電デバイスの製造方法は、第8観点及び第12観点において、無電解メッキ膜がニッケル層を含み、ニッケル層が5〜15μm/hourの成膜レートにより形成される。
第14観点の表面実装型の圧電デバイスの製造方法は、第13観点において、無電解メッキ膜のニッケル層の膜厚が1〜3μmに形成される。
本発明の圧電デバイス及び圧電デバイスの製造方法によれば、無電解メッキにより形成された電極の剥離を防ぐことができる。
圧電デバイス100の分解斜視図である。 (a)は、図1のA−A断面図である。 (b)は、図2(a)の点線161の拡大図である。 (c)は、図2(a)の点線162の拡大図である。 (a)は、ベース板120の−Y’軸側の面の平面図である。 (b)は、リッド板110の+Y’軸側の面の平面図である。 圧電デバイス100の製造方法が示されたフローチャートである。 (a)は、ベースウエハW120の+Y’軸側の面の平面図である。 (b)は、ベースウエハW120の−Y’軸側の面の平面図である。 リッドウエハW110の+Y’軸側の面の平面図である。 (a)は、圧電振動片130が載置されたベースウエハW120の部分断面図である。 (b)は、リッドウエハW110、圧電振動片130、及びベースウエハW120の部分断面図である。 (c)は、無電解メッキ膜153が形成されたリッドウエハW110、圧電振動片130、及び無電解メッキ膜153が形成されたベースウエハW120の部分断面図である。 無電解メッキ膜153のニッケル(Ni)層の厚さTN及び無電解メッキ膜153の剥離率との関係が示されたグラフである。 圧電デバイス200の分解斜視図である。 (a)は、図9のB−B断面図である。 (b)は、図10(a)の点線163の拡大図である。 (c)は、図10(a)の点線164の拡大図である。 圧電デバイス200の製造方法が示されたフローチャートである。 (a)は、圧電ウエハ、リッドウエハ、及びベースウエハの部分断面図である。 (b)は、圧電ウエハ及び第2金属膜が形成されたリッドウエハ、ベースウエハの部分断面図である。 (c)は、圧電ウエハ及び無電解メッキ膜が形成されたリッドウエハ、ベースウエハの部分断面図である。
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明の範囲は以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
(第1実施形態)
<圧電デバイス100の構成>
図1は、圧電デバイス100の分解斜視図である。圧電デバイス100は、リッド板110と、ベース板120と、圧電振動片130と、により構成されている。圧電振動片130には例えばATカットの水晶振動片が用いられる。ATカットの水晶振動片は、主面(YZ面)が結晶軸(XYZ)のY軸に対して、X軸を中心としてZ軸からY軸方向に35度15分傾斜されている。以下の説明では、ATカットの水晶振動片の軸方向を基準とし、傾斜された新たな軸をY’軸及びZ’軸として用いる。すなわち、圧電デバイス100においては圧電デバイス100の長辺方向をX軸方向、圧電デバイス100の高さ方向をY’軸方向、X及びY’軸方向に垂直な方向をZ’軸方向として説明する。
圧電振動片130は、所定の振動数で振動し、矩形形状に形成される振動部134と、振動部134の+Y’軸側及び−Y’軸側の面に形成された励振電極131と、各励振電極131から−X軸側に引き出された引出電極132と、を有している。振動部134の+Y’軸側の面に形成されている励振電極131から引き出される引出電極132は、励振電極131から−X軸側に引き出され、さらに振動部134の+Z’軸側の側面を介して振動部134の−Y’軸側の面にまで引き出されている。振動部134の−Y’軸側の面に形成されている励振電極131から引き出される引出電極132は、励振電極131から−X軸側に引き出され、振動部134の−X軸側の−Z’軸側の角にまで形成されている。
ベース板120は、水晶又はガラス等を基材とし、この基材の表面に電極が形成されている。ベース板120には、+Y’軸側の面の周囲に封止材142(図2参照)を介してリッド板110に接合される接合面122が形成されている。また、ベース板120の+Y’軸側の面の中央には、接合面122から−Y’軸方向に凹んだ凹部121が形成されている。凹部121には一対の接続電極123が形成されており、各接続電極123は導電性接着剤141(図2参照)を介して圧電振動片130の引出電極132に電気的に接続される。ベース板120の−Y’軸側の面には、圧電デバイス100をプリント基板等へ実装するための実装端子124が形成されている。また、ベース板120の側面の四隅には、ベース板120の内側に凹んだキャスタレーション126が形成されており、キャスタレーション126の側面には側面電極125が形成されている。実装端子124は側面電極125を介して接続電極123に電気的に接続されている。
リッド板110は、−Y’軸側の面に+Y’軸方向に凹んだ凹部111が形成されている。また、凹部111を囲むように接合面112が形成されている。接合面112は封止材142(図2参照)を介してベース板120の接合面122に接合される。また、リッド板110の+Y’軸側の面には、リッド膜113が形成されている。
図2(a)は、図1のA−A断面図である。ベース板120の接合面122とリッド板110の接合面112とが封止材142を介して接合されることにより、圧電デバイス100内には密閉されたキャビティ101が形成される。圧電振動片130はキャビティ101内に配置されており、引出電極132が導電性接着剤141を介してベース板120の接続電極123に電気的に接合されている。これにより、励振電極131は実装端子124に電気的に接続される。
実装端子124は、ベース板120の基材の−Y’軸側の面の表面に形成される第1金属膜151、及び第1金属膜151の表面に形成される無電解メッキ膜153により形成されている。また、リッド板110の+Y’軸側の面に形成されるリッド膜113は、リッド板110の基材の+Y’軸側の面の表面に形成される第1金属膜151、及び第1金属膜151の表面に形成される無電解メッキ膜153により形成されている。
図2(b)は、図2(a)の点線161の拡大図である。図2(b)では、実装端子124の拡大断面図が示されている。第1金属膜151は、第1層151a、第2層151b、及び第3層151cの3つの層により形成されている。第1層151aはベース板120の基材の表面に形成される層であり、クロム(Cr)により形成される。クロム(Cr)はベース板120の基材である水晶及びガラス等に良く密着するため第1層151aの素材として用いられる。また、金属膜151の表面に形成される第3層151cは、金(Au)により形成される。クロム(Cr)は水晶及びガラスなどには良く密着するが、ハンダ等にはなじまないため、第1金属膜151の表面はハンダ等に良くなじむ金(Au)で覆われる。さらに、第1金属膜151では、第1層151aと第3層151cとの間に第2層151bが形成される。第1層151aを構成するクロム(Cr)は、製造工程中に熱などがかかった場合に他の層に拡散し、クロム(Cr)とベース板120との密着が弱くなる。また、クロム(Cr)が第1金属膜151の表面に拡散した場合には、クロム(Cr)が酸化して無電解メッキ膜153等の成膜が困難になる。このようなクロム(Cr)の拡散を防ぐために第2層151bを設け、クロム(Cr)が金(Au)層に拡散することが防がれている。
第2層151bは、例えばニッケルタングステン(Ni―W)により形成することができる。また第2層151bは、プラチナ(白金、Pt)により形成してもよい。例えば、プラチナ(Pt)が用いられる場合は、第1層151aを300〜500Å、第2層151bを1000〜2000Å、第3層151cを1000〜2000Åに形成する。無電解メッキ膜153を含む電極は、無電解メッキ膜153を含まない電極よりも、無電解メッキ膜153により生じる応力によりベース板120に歪みが生じるため剥離しやすくなる。第1金属膜151では第2層151bが設けられることによりクロム(Cr)の拡散が防がれており、第1金属膜151とベース板120の基材との密着が強く保持される。そのため、第1金属膜151の剥離を防ぐことができる。
無電解メッキ膜153は、第1金属膜151の表面に形成される第1層153aと、第1層153aの表面に形成される第2層153bとにより形成される。第1層153aはニッケル(Ni)の層であり、その厚さTNは1〜3μmに形成される。また、実装端子124とハンダ等との接続を確実に行うために、第1層153aの表面に金(Au)により第2層153bが形成される。
図2(c)は、図2(a)の点線162の拡大図である。図2(c)では、リッド膜113の拡大断面図が示されている。リッド膜113は、リッド板110の基材の+Y’軸側の面に形成される第1金属膜151、及び第1金属膜151の表面に形成される無電解メッキ膜153により形成される。リッド膜113を形成する第1金属膜151及び無電解メッキ膜153は、図2(b)に示された実装端子124の第1金属膜151及び無電解メッキ膜153と同一の構成で形成される。また、ベース板120の第1層153aの厚さTNと、リッド板110の第1層153aの厚さTNとは同じに形成される。
図3(a)は、ベース板120の−Y’軸側の面の平面図である。ベース板120の−Y’軸側の面には、一対の実装端子124がベース板120の+X軸側及び−X軸側に形成されている。各実装端子124は、X軸方向の長さが長さBX、Z’軸方向の長さが長さBZに形成されている。
図3(b)は、リッド板110の+Y’軸側の面の平面図である。リッド板110の+Y’軸側の面には、一対のリッド膜113がリッド板110の+X軸側及び−X軸側に形成されている。各リッド膜113は、X軸方向の長さが長さRX、Z’軸方向の長さが長さRZに形成されている。
ベース板120に形成される実装端子124と、リッド板110に形成されるリッド膜113とはX軸方向の長さ及びZ’軸方向の長さが等しく形成される。すなわち、長さBXと長さRXとが等しく、長さBZと長さRZとが等しい。そのため、実装端子124の形状及び面積は、リッド膜113と同一とみなすことができる。
<圧電デバイス100の製造方法>
図4は、圧電デバイス100の製造方法が示されたフローチャートである。以下、図4のフローチャートに従って、圧電デバイス100の製造方法について説明する。
ステップS101では、複数の圧電振動片130が用意される。ステップS101では、まず圧電材により形成された圧電ウエハに複数の圧電振動片130の外形がエッチング等により形成される。さらに各圧電振動片130にスパッタ又は真空蒸着等により励振電極131及び引出電極132が形成される。複数の圧電振動片130は、圧電振動片130が切り離されると圧電ウエハから折り取られることにより用意される。
ステップS201では、ベースウエハW120が用意される。ベースウエハW120には複数のベース板120が形成される。ベースウエハW120は水晶又はガラス等を基材としており、ベースウエハW120にはエッチングにより凹部121及びウエハが切断されてキャスタレーション126となる貫通孔172(図5(a)参照)が形成される。
ステップS202では、ベースウエハW120に第1金属膜151が形成される。ステップS202はベース用金属膜形成工程である。ベースウエハW120に形成される第1金属膜151は、図2(b)に示されるように、第1層151aを構成するクロム(Cr)、第2層151bを構成するニッケルタングステン(Ni−W)、及び第3層151cを構成する金(Au)により形成される。これらの層は、スパッタ又は真空蒸着により形成される。ステップS202では、第1金属膜151が形成されることにより、各ベース板120に接続電極123、側面電極125の一部、及び実装端子124の一部が形成される。
図5(a)は、ベースウエハW120の+Y’軸側の面の平面図である。図5(a)に示されたベースウエハW120には、第1金属膜151が形成されている。ベースウエハW120には複数のベース板120が形成されており、各ベース板120はX軸方向及びZ’軸方向に並んで形成されている。また、図5(a)では、互いに隣接したベース板120の境界にスクライブライン171が示されている。スクライブライン171は後述されるステップS404でウエハが切断される位置を示す線である。X軸方向に伸びるスクライブライン171と、Z’軸方向に伸びるスクライブライン171とが交差する位置には、ベースウエハW120をY’軸方向に貫通する貫通孔172が形成されている。貫通孔172は、後述されるステップS404でウエハが切断された後にキャスタレーション126となる。また、各ベース板120の+Y’軸側の面には凹部121が形成されており、各ベース板120の+Y’軸側の面には接続電極123が形成されている。
図5(b)は、ベースウエハW120の−Y’軸側の面の平面図である。ベースウエハW120の−Y’軸側の面には、実装端子124の一部となる第1金属膜151が形成されている。第1金属膜151は貫通孔172に形成される側面電極125を介して接続電極123に電気的に接続される。第1金属膜151は、ベースウエハW120のZ’軸方向に伸びるように形成されている。
図4に戻って、ステップS301では、リッドウエハW110が用意される。リッドウエハW110には、複数のリッド板110が形成される。各リッド板110の−Y’軸側の面には凹部111が形成される。
ステップS302では、リッドウエハW110に第1金属膜151が形成される。ステップS302は、リッド用金属膜形成工程である。リッドウエハW110に形成される第1金属膜151は、図2(c)に示されるように、第1層151aを構成するクロム(Cr)、第2層151bを構成するニッケルタングステン(Ni−W)、及び第3層151cを構成する金(Au)により形成される。これらの層は、スパッタ又は真空蒸着により形成される。ステップS302では、第1金属膜151が形成されることにより、各ベース板120にリッド膜151の一部が形成される。
図6は、リッドウエハW110の+Y’軸側の面の平面図である。リッドウエハW110には複数のリッド板110が形成され、各リッド板110の−Y’軸側の面には凹部111及び接合面112が形成される(図1参照)。図6では、隣接する各リッド板110の間が二点鎖線で示されており、この二点鎖線はスクライブライン171となる。また、各リッド板110の+Y’軸側の面にはリッド膜113の一部となる第1金属膜151が形成されている。リッドウエハW110に形成される第1金属膜151は、ベースウエハW120に形成される第1金属膜151と同じくZ’軸方向に伸びるように形成されている。
ステップS401では、ベースウエハW120に圧電振動片130が載置される。ステップS401は載置工程である。圧電振動片130は、ベースウエハW120の各凹部121に導電性接着剤141により載置される。
図7(a)は、圧電振動片130が載置されたベースウエハW120の部分断面図である。図7(a)は、図1のA−A断面に相当する断面を含む断面図が示されている。引出電極132と接続電極123とを導電性接着剤141を介して電気的に接続することにより、圧電振動片130がベースウエハW120の凹部121に載置される。また、これにより励振電極131とベースウエハW120の−Y’軸側の面に形成される第1金属膜151とが電気的に接続される。
ステップS402では、ベースウエハW120とリッドウエハW110とが接合される。ステップS402は、接合工程である。ベースウエハW120とリッドウエハW110とは、ベースウエハW120の接合面122又はリッドウエハW110の接合面112に封止材142(図2参照)が塗布された後に、ベースウエハW120の接合面122とリッドウエハW110の接合面112とが封止材142を挟んで互いに向かい合うように接合される。
図7(b)は、リッドウエハW110、圧電振動片130、及びベースウエハW120の部分断面図である。図7(b)では、図7(a)と同様の断面を含む断面図が示されている。リッドウエハW110とベースウエハW120とが封止材142を介して接合されることにより、密封されたキャビティ101が形成される。キャビティ101には、圧電振動片130が載置されている。
ステップS403では、無電解メッキ膜153が形成される。ステップS403は、無電解メッキ工程である。ステップS403では、リッドウエハW110の+Y’軸側の面及びベースウエハW120の−Y’軸側の面に形成される第1金属膜151の表面に無電解メッキがかけられることにより、リッドウエハW110の+Y’軸側の面、ベースウエハW120の−Y’軸側の面、及び貫通孔172の側面に無電解メッキ膜153が形成される。
図7(c)は、無電解メッキ膜153が形成されたリッドウエハW110、圧電振動片130、及び無電解メッキ膜153が形成されたベースウエハW120の部分断面図である。図7(c)には、図7(b)と同様の断面が示されている。無電解メッキ膜153の形成は、まず図2(b)に示されるように、無電解メッキによりニッケル(Ni)の厚膜を第1金属膜151の表面に形成して第1層153aを形成する。さらに第1層153aの表面に金(Au)のスパッタ又は真空蒸着を行うことにより第2層153bを形成する。第2層153bは、無電解メッキにより金(Au)の層が形成されても良い。
図8は、無電解メッキ膜153のニッケル(Ni)層の厚さTNと、無電解メッキ膜153の剥離率との関係が示されたグラフである。図8には、無電解メッキ膜153のニッケル(Ni)層を6.9μm/hour、12.2μm/hour、及び19.0μm/hourの3種類の速度で形成した結果が示されている。グラフ中の黒塗りの四角は形成速度が6.9μm/hour、黒塗りの三角形は12.2μm/hour、黒塗りの丸は19.0μm/hourの場合を示している。形成速度は、例えば温度条件により調節することができる。形成速度が6.9μm/hourの場合には温度を45℃〜55℃、形成速度が12.2μm/hourの場合には温度を60℃〜70℃、形成速度が19.0μm/hourの場合には温度を70℃〜80℃としている。また剥離率は、金属膜の表面を金属針又はダイヤモンド針で引っかいて金属膜が剥離するか否かを確認するスクラッチテスト、及びテープを金属膜に貼り付けた後に剥がすことで金属膜が剥離するか否かを確認するテープ剥離テストを行うことにより求めている。図8の剥離率は、テスト対象の個体数に対する金属膜が剥離した個体数の割合である。
形成速度が6.9μm/hour及び12.2μm/hourの場合では、ニッケル層の厚さTNが0.1〜1μmのときに剥離率が僅かにある。これは、ニッケル層の厚さTNが薄い場合は、ニッケル層が金属膜の表面に完全に定着していないためであると考えられる。また剥離率は、形成速度が6.9μm/hourの場合では厚さTNが1〜3.5μmの間で0%になっており、3.5μm以上になると剥離率が上昇する。形成速度が12.2μm/hourの場合では厚さTNが1〜3μmの間で0%になっており、厚さTNが3μm以上になると剥離率が上昇する。形成速度が19.0μm/hourの場合では、ニッケル層の厚さTNが0.1〜1μmのときに剥離率が僅かにある。厚さTNが1μmのときに剥離率が最低値となり、1μm以上では厚さTNが厚くなるに従って剥離率が高くなる。
図8のグラフより、ニッケル層の形成速度が6.9μm/hourから12.2μm/hourで、ニッケル層の厚さTNが1.0〜3.0μmとなる場合に剥離率が0%となり好ましいことが分かる。またこれにより、ニッケル層の形成速度は5μm/hourから15μm/hourであれば少なくとも剥離率が0%又は0%に近い値となると考えられるため好ましいと考えられる。
図4に戻って、ステップS404では、リッドウエハW110及びベースウエハW120が切断される。リッドウエハW110及びベースウエハW120は、スクライブライン171において、ダイシング等により切断される。
無電解メッキ膜が形成されたウエハには、その無電解メッキ膜の長さに応じた応力が発生する。例えば、図5(b)に示されたベースウエハW120の第1金属膜151の表面に無電解メッキ膜153が形成された場合には、無電解メッキ膜153がZ’軸方向に長く形成されるためZ’軸方向に強い応力がかかり、ベースウエハW120の−Y’軸側の面が凹むように反る。また、この応力はウエハがステップS404で切断されることにより変化し、圧電デバイスに歪みを生じさせる。圧電デバイスに形成される実装端子はこの歪みにより剥離してしまう場合がある。圧電デバイス100では、リッド板110にも実装端子124と同じ形状、同じ面積にリッド膜113が形成されているため、圧電デバイス100の+Y’軸側の面及び−Y’軸側の面の応力が釣り合わされており、圧電デバイス100に歪みが現れない。そのため、圧電デバイス100ではウエハ切断後に無電解メッキ膜の応力に起因した実装端子の剥離を防ぐことができる。
また、圧電デバイス100では、無電解メッキ膜153のニッケル層の形成速度を5〜15μm/hour、ニッケル層の厚さTNを1〜3μmとすることにより、無電解メッキ膜153の剥離率が下げられている。
圧電デバイス100のリッド板110の側面の四隅には、ベース板120のキャスタレーション126と同様のキャスタレーションが形成されていても良い。この場合、リッド板110に形成されるキャスタレーションとベース板120に形成されるキャスタレーションとは互いにY’軸方向に繋がり、図4のステップS403において形成される無電解メッキ膜153により実装端子124とリッド膜113とが互いに電気的に接続される。このような圧電デバイスではリッド膜113を実装端子として用いることができるようになるため、圧電デバイスの上下を逆にしても用いることができる。
(第2実施形態)
圧電振動片には、振動部の周囲を囲むように枠部が形成された圧電振動片を用いてもよい。以下に枠部を有する圧電振動片が用いられた圧電デバイス200について説明する。また、以下の説明において、第1実施形態と同じ部分に関しては同一の符号を付してその説明を省略する。
<圧電デバイス200の構成>
図9は、圧電デバイス200の分解斜視図である。圧電デバイス200は、リッド板210と、ベース板220と、圧電振動片230と、により構成されている。圧電デバイス200では、第1実施形態と同様に、圧電振動片230にATカットの水晶振動片が用いられている。
圧電振動片230は、所定の振動数で振動し、矩形形状に形成される振動部234と、振動部234の周囲を囲むように形成されている枠部235と、振動部234と枠部235とを連結する連結部236と、を有している。振動部234と枠部235との間には圧電振動片230をY’軸方向に貫通する貫通溝237が形成されており、振動部234と枠部235とは直接接触していない。振動部234の−X軸側の+Z’軸側及び−Z’軸側に連結されている連結部236を介して振動部234と枠部235とは連結されている。また、振動部234の+Y’軸側の面及び−Y’軸側の面には励振電極231が形成されており、各励振電極231からはそれぞれ引出電極232が枠部235にまで引き出されている。振動部234の+Y’軸側の面に形成されている励振電極231から引き出される引出電極232は、+Z’軸側の連結部236を介して枠部235の−X軸側に引き出され、さらに枠部235の−Y’軸側の面の+X軸側の+Z’軸側の角にまで引き出されている。振動部234の−Y’軸側の面に形成されている励振電極231から引き出される引出電極232は、−Z’軸側の連結部236を介して枠部235の−X軸側に引き出され、枠部235の−Y’軸側の面の−X軸側の−Z’軸側の角にまで引き出されている。
ベース板220には、+Y’軸側の面の周囲に封止材142(図10参照)を介してリッド板210に接合される接合面122が形成されている。また、ベース板220の+Y’軸側の面の中央には、接合面122から−Y’軸方向に凹んだ凹部121が形成されている。ベース板220の−Y’軸側の面には実装端子224が形成されており、ベース板220の側面の角にはキャスタレーション126が形成されている。また、接合面122のキャスタレーション126の周囲には、接続電極223が形成されている。接続電極223はキャスタレーション126に形成される側面電極225を介して実装端子224に電気的に接続される。
リッド板210には、−Y’軸側の面に凹部111が形成され、凹部111の周囲に接合面112が形成されている。また、リッド板210の+Y’軸側の面の+X軸側及び−X軸側にはリッド膜213が形成されている。リッド膜213は実装端子224と同じ形状、同じ面積に形成される。
図10(a)は、図9のB−B断面図である。圧電デバイス200は、リッド板210の接合面112と枠部235の+Y’軸側の面とが封止材142を介して接合され、ベース板220の接合面122と枠部235の−Y’軸側の面とが封止材142を介して接合される。また、圧電振動片230とベース板220との接合時に、引出電極232と接続電極223とが電気的に接合される。これにより、励振電極231は実装端子224に電気的に接続される。実装端子224は第1金属膜151、第2金属膜152、及び無電解メッキ膜153により形成される。また、リッド膜213は、第2金属膜152及び無電解メッキ膜153により形成される。
図10(b)は、図10(a)の点線163の拡大図である。図10(b)では、実装端子224の拡大断面図が示されている。第1金属膜151は、第1層151a、第2層151b、及び第3層151cの3つの層により形成されている。図2(b)で説明されたように、第1層151aはクロム(Cr)により形成され、第2層151bはニッケルタングステン(Ni―W)又はプラチナ(Pt)等により形成され、第3層151cは金(Au)により形成される。
第2金属膜152は、第1金属膜151の表面に形成される第1層152a、第1層152aの表面に形成される第2層152b、及び第2層152bの表面に形成される第3層152cにより形成されている。第1層152a、第2層152b、及び第3層152cは、それぞれ第1金属膜151の第1層151a、第2層151b、及び第3層151cと同一の構成により形成される。すなわち、第2金属膜152は第1金属膜151と同一の構成で形成される。
無電解メッキ膜153は、第2金属膜152の表面に形成される第1層153aと、第1層153aの表面に形成される第2層153bとにより形成される。第1層153aはニッケル(Ni)の層であり、その厚さTNは1〜3μmに形成される。また、実装端子224とハンダ等との接続を確実に行うために、第1層153aの表面に金(Au)により第2層153bが形成される。
図10(c)は、図10(a)の点線164の拡大図である。図10(c)では、リッド膜213の拡大断面図が示されている。リッド膜213は、リッド板210の基材の+Y’軸側の面に形成される第2金属膜152、及び第2金属膜152の表面に形成される無電解メッキ膜153により形成される。リッド膜213を形成する第2金属膜152及び無電解メッキ膜153は、図2(c)に示されたリッド膜113の第1金属膜151及び無電解メッキ膜153と同一の構成で形成される。
<圧電デバイス200の製造方法>
図11は、圧電デバイス200の製造方法が示されたフローチャートである。以下、図11のフローチャートに従って、圧電デバイス200の製造方法について説明する。
ステップS501では、圧電ウエハW230が用意される。圧電ウエハW230には複数の圧電振動片230が形成されている。ステップS501は、圧電ウエハを用意する工程である。
ステップS601では、ベースウエハW220が用意される。ベースウエハW220には、複数のベース板220が形成される。ステップS601は、ベースウエハW220を用意する工程である。
ステップS602では、ベースウエハW220に第1金属膜151が形成される。第1金属膜151は、図10(a)に示されたように、接続電極223及び側面電極225と実装端子224との一部を形成する。ステップS602は、ベース用金属膜形成工程である。
ステップS701では、リッドウエハW210が用意される。リッドウエハW210には、複数のリッド板210が形成されている。ステップS701はリッドウエハW210を形成する工程である。
ステップS801では、ベースウエハW220に圧電ウエハW230が載置される。ステップS801は、ベースウエハW220の各ベース板220の+Y’軸側の面に、圧電ウエハW230の各圧電振動片230が対応して載置されるようにベースウエハW220と圧電ウエハW230とを接合する載置工程である。この載置工程では、ベースウエハW220の接合面122が圧電ウエハW230に形成される枠部235の−Y’軸側の面に封止材142を介して接合される。
ステップS802では、圧電ウエハW230とリッドウエハW210とが接合される。ステップS802は、圧電振動片230の振動部234を密封するように、リッドウエハW210を、圧電ウエハW230の+Y’軸側の面に封止材142を介して接合する接合工程である。
図12(a)は、圧電ウエハW230、リッドウエハW210、及びベースウエハW220の部分断面図である。図12(a)は図9のB−B断面を含む断面図である。ベースウエハW220は、圧電ウエハW230の枠部235の−Y’軸側の面に封止材142を介して接合されている。また、接続電極223が引出電極232に電気的に接続されている。リッドウエハW210は、圧電ウエハW230の枠部235の+Y’軸側の面に封止材142を介して接合されている。これによりウエハにキャビティ201が形成され、振動部234がこのキャビティ201に密封される。
ステップS803では、リッドウエハW210及びベースウエハW220に第2金属膜151が形成される。
図12(b)は、圧電ウエハW230及び第2金属膜152が形成されたリッドウエハW210、ベースウエハW220の部分断面図である。リッドウエハW210に形成される第2金属膜152とベースウエハW220に形成される第2金属膜152とは、図3(a)及び図3(b)に示される実装端子124及びリッド膜113と同様に、X軸方向の長さが等しくなるように形成されている。また、図5(b)に示されたベースウエハW120の第1金属膜151及び図6に示されたリッドウエハW110に形成される第1金属膜151と同様に、第2金属膜152はベースウエハW220の−Y’軸側の面及びリッドウエハW210の+Y’軸側の面でZ’軸方向に伸びるように形成される。
ステップS804は、ベースウエハW220及びリッドウエハW210に無電解メッキ膜153が形成される。無電解メッキ膜153は、ベースウエハW220及びリッドウエハW210に形成される第2金属膜152の表面に形成される。
図12(c)は、圧電ウエハW230及び無電解メッキ膜153が形成されたリッドウエハW210、ベースウエハW220の部分断面図である。リッドウエハW210及びベースウエハW220に形成される無電解メッキ膜153は、第2金属膜152の表面に形成される。また、無電解メッキ膜153を形成するニッケル層は、5〜15μm/hourの成膜レートにより厚さTNが1〜3μmとなるように形成される。
ステップS805では、ベースウエハW220、リッドウエハW210、及び圧電ウエハW230がスクライブライン171で切断される。これにより、個々の圧電デバイス200が形成される。
圧電デバイス200では、圧電デバイス100と同様に、リッドウエハW210にも実装端子224と同じ形状、同じ面積にリッド膜213が形成されることにより圧電デバイス200の歪みが抑えられ、実装端子224の剥離が防がれている。また、圧電デバイスでは下地となる金属膜表面の汚染等により無電解メッキ膜を形成することができない場合があるが、圧電デバイス200では無電解メッキを行う直前に下地となる第2金属膜152を形成することで、下地の汚染等の影響を最小限に抑えることができる。
圧電デバイス200ではベース板220の実装端子224及び側面電極225が第1金属膜151、第2金属膜152、及び無電解メッキ膜153により形成されたが、圧電デバイス100と同様に、第2金属膜152を含まず、第1金属膜151と無電解メッキ膜153とにより形成されても良い。このとき、図11のフローチャートのステップS803では、リッドウエハW210のみに第2金属膜152が形成され、ベースウエハW220には第2金属膜152を形成しない。
以上、本発明の最適な実施形態について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、本発明はその技術的範囲内において実施形態に様々な変更・変形を加えて実施することができる。
例えば、圧電デバイスには発振器が組み込まれて圧電発振器として形成されても良い。また、リッド板には無電解メッキ膜を形成するために第1金属膜又は第2金属膜が形成されたが、これらの金属膜は無電解メッキ膜よりも広い領域に形成されても良い。例えば、リッド板にはスパッタ膜が形成されてスパッタ膜上にレーザー加工により製造番号等が印字される場合があるが、無電解メッキ膜はこのスパッタ膜の表面に形成されても良い。
さらに、上記の実施形態では圧電振動片にATカットの水晶振動片である場合を示したが、同じように厚みすべりモードで振動するBTカットの水晶振動片などであっても同様に適用できる。さらに圧電振動片は水晶材のみならず、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウムあるいは圧電セラミックを含む圧電材に基本的に適用できる。
100、200 … 圧電デバイス
101 … キャビティ
110、210 … リッド板
111 … 凹部、 112 … 接合面
113、213 … リッド膜
120、220 … ベース板
121 … 凹部
122 … 接合面
123、223 … 接続電極
124、224 … 実装端子
125、225 … 側面電極
126 … キャスタレーション
130、230 … 圧電振動片
131、231 … 励振電極
132、232 … 引出電極
134、234 … 振動部
141 … 導電性接着剤
142 … 封止材
151 … 第1金属膜
151a … 第1層、 151b … 第2層、 151c … 第3層
152 … 第2金属膜
152a … 第1層、 152b … 第2層、 152c … 第3層
153 … 無電解メッキ膜
153a … 第1層、 153b … 第2層
171 … スクライブライン
172 … 貫通孔
235 … 枠部
236 … 連結部
237 … 貫通溝
BX … 実装端子のX軸方向の長さ
BZ … 実装端子のZ’軸方向の長さ
RX … リッド膜のX軸方向の長さ
RZ … リッド膜のZ’軸方向の長さ

Claims (14)

  1. 表面実装型の圧電デバイスであって、
    所定の振動数で振動する振動部を含む圧電振動片と、
    一方の主面に、スパッタ又は真空蒸着で形成される金属膜及び前記金属膜の表面に形成される無電解メッキ膜からなり前記圧電デバイスを実装する一対の実装端子が形成され、他方の主面に前記圧電振動片が載置されるベース板と、
    一方の主面には金属膜及び前記金属膜の表面には無電解メッキにより形成される無電解メッキ膜が形成され、他方の主面で前記振動部を密封するリッド板と、を備え、
    前記ベース板の前記一方の主面に形成される前記無電解メッキ膜と、前記リッド板の一方の主面に形成される前記無電解メッキ膜とが、互いに同じ形状、同じ面積に形成される圧電デバイス。
  2. 前記圧電振動片は、前記振動部と、前記振動部を囲む枠部と、前記振動部と前記枠部とを連結する連結部と、を有し、
    前記ベース板と前記リッド板とは前記枠部を介して接合される請求項1に記載の圧電デバイス。
  3. 前記金属膜は、クロム層と、前記クロム層の表面に形成されるニッケルタングステン層と、前記ニッケルタングステン層の表面に形成される金層と、により構成されている請求項1又は請求項2に記載の圧電デバイス。
  4. 前記金属膜は、クロム層と、前記クロム層の表面に形成されるプラチナ層と、前記プラチナ層の表面に形成される金層と、により構成されている請求項1又は請求項2に記載の圧電デバイス。
  5. 前記一対の実装端子は、前記金属膜が2層に形成され、さらにその表面に前記無電解メッキ膜が形成されている請求項3又は請求項4に記載の圧電デバイス。
  6. 前記無電解メッキ膜はニッケル層を含み、前記ニッケル層の膜厚が1〜3μmである請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の圧電デバイス。
  7. 前記無電解メッキ膜は、前記ニッケル層の表面に金層が形成される請求項6に記載の圧電デバイス。
  8. 表面実装型の圧電デバイスの製造方法であって、
    所定の振動数で振動する振動部を含む複数の圧電振動片を用意する工程と、
    複数のベース板を有するベースウエハを用意する工程と、
    前記ベースウエハの一方の主面に、スパッタ又は真空蒸着で形成される金属膜を形成するベース用金属膜形成工程と、
    複数のリッド板を有するリッドウエハを用意する工程と、
    前記ベースウエハの他方の主面に前記複数の圧電振動片を載置する載置工程と、
    前記リッドウエハの他方の主面を、前記振動部が密封されるように前記ベースウエハの他方の主面に接合する接合工程と、
    前記リッドウエハを用意する工程の後であり前記載置工程の前、又は前記接合工程の後に、前記リッドウエハの一方の主面に金属膜を形成するリッド用金属膜形成工程と、
    前記ベースウエハの前記金属膜及び前記リッドウエハの前記金属膜に無電解メッキをかける無電解メッキ工程と、を備え、
    前記リッドウエハに形成された無電解メッキ膜は、前記ベースウエハの無電解メッキ膜と同じ形状、同じ面積である圧電デバイスの製造方法。
  9. 表面実装型の圧電デバイスの製造方法であって、
    所定の振動数で振動する振動部と、前記振動部を囲む枠部と、前記振動部と前記枠部とを連結する連結部と、を含む複数の圧電振動片を有する圧電ウエハを用意する工程と、
    複数のベース板を有するベースウエハを用意する工程と、
    前記ベースウエハの一方の主面に、スパッタ又は真空蒸着で形成される金属膜を形成するベース用金属膜形成工程と、
    複数のリッド板を有するリッドウエハを用意する工程と、
    前記各ベース板の他方の主面に前記圧電振動片がそれぞれ載置されるように、前記ベースウエハと前記圧電ウエハとを接合する載置工程と、
    前記リッドウエハの他方の主面を、前記振動部が密封されるように前記圧電ウエハの他方の主面に接合する接合工程と、
    前記リッドウエハを用意する工程の後であり前記載置工程の前、又は前記接合工程の後に、前記リッドウエハの一方の主面に金属膜を形成するリッド用金属膜形成工程と、
    前記ベースウエハの一方の主面に形成される前記金属膜及び前記リッドウエハの前記金属膜に無電解メッキをかける無電解メッキ工程と、を備え、
    前記リッドウエハに形成された無電解メッキ膜は、前記ベースウエハの無電解メッキ膜と同じ形状、同じ面積である圧電デバイスの製造方法。
  10. 前記金属膜は、クロム層と、前記クロム層の表面に形成されるニッケルタングステン層と、前記ニッケルタングステン層の表面に形成される金層と、により構成されている請求項8又は請求項9に記載の圧電デバイスの製造方法。
  11. 前記金属膜は、クロム層と、前記クロム層の表面に形成されるプラチナ層と、前記プラチナ層の表面に形成される金層と、により構成されている請求項8又は請求項9に記載の圧電デバイスの製造方法。
  12. 前記接合工程の後であり、前記無電解メッキ工程の前に、前記ベースウエハの他方の主面に再び前記金属膜を形成する工程を有する請求項8から請求項11のいずれか一項に記載の圧電デバイスの製造方法。
  13. 前記無電解メッキ膜はニッケル層を含み、前記ニッケル層は5〜15μm/hourの成膜レートにより形成される請求項8ら請求項12のいずれか一項に記載の圧電デバイスの製造方法。
  14. 前記無電解メッキ膜の前記ニッケル層の膜厚が1〜3μmに形成される請求項13に記載の圧電デバイスの製造方法。
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