JP2013229150A - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁力線が不均一な箇所を含むアース電極について、磁力線の入射方向、密度を補正し、アース電極全周に磁力線を入射させるようにする。
【解決手段】ウエハ128を載置する試料台112と、試料台112の上方で処理室101の内側壁面を形成するとともに、接地してアース電極を構成するリング状の側壁部材111と、処理室101の周囲に配置されたソレノイドコイル109とを備え、プラズマを用いて前記処理室101内に配置されたウエハ128を処理するプラズマ処理装置であって、前記アース電極たる側壁部材111の最外周縁とソレノイドコイル109の最下部との間に、磁気抵抗が最小になる磁気経路において、強磁性体の導体中の経路長さ(ΣM)が非磁性体の導体中の経路長さの合計(ΣN)に等しいかより大きく構成した。
【選択図】図2

Description

本発明は、真空容器の内部に形成したプラズマを用いてウエハを処理するプラズマ処理装置に係り、特に、真空容器内に電界及び、コイルからの磁界を供給してプラズマを形成してウエハを処理するプラズマ処理装置に関する。
上記のようなプラズマ処理装置では、電界と磁界との相互作用によりプラズマを形成しつつ、ウエハを載せる試料台内の電極に高周波電力を供給してバイアス電位をウエハ上に形成し、プラズマ中のイオン等荷電粒子をウエハ上に誘引して異方性処理を促進して処理を行っている。
プラズマ処理を行う際に、ウエハ表面のバイアス電位を安定させるためには、試料台内の電極に対向し、プラズマを媒介させたアース電極が必要となる。この様な公知の例としては、例えば特許文献1(特開平8−191061号公報)のものが知られている。
特許文献1には、処理室側面にアース電極を具備し、さらに磁力線と交差する部分に絶縁体で構成されたアースカバーを設ける構成により、ウエハ上からアース電極までのインピーダンスを均一にする方法が開示されている。
特開平8−191061号公報
アース電極表面が絶縁性材料で覆われる場合、アース面積不足によりバイアス電位が不安定となる問題が起こる。特許文献1ではウエハ上からアース電極までのインピーダンスを均一にするために絶縁性材料を用いているが、ウエハにバイアス電位を印加することによるイオンスパッタによりアース電極表面が削れることを防止するため、化学的に安定な絶縁性の保護膜を被膜する場合もある。以上の場合では、実効的に作用するアース面積を拡大する必要があるが、特許文献1のような公知例では、アース電極表面の磁力線が場所により密度が不均一、もしくは入射しない領域が存在し、上記領域では電子の入射数が低下するため、上記領域のアースとしての作用は低下する。
本発明では、アース面積を拡大するために、磁力線が不均一な箇所を含むアース電極について、磁力線の入射方向、密度を磁場補正手段により補正し、アース電極全周に磁力線を入射させる方法を実現するプラズマ処理装置を提供する。
本発明のプラズマ処理装置は、真空容器内の処理室で、内部に配置されたウエハをプラズマを用いて処理するプラズマ処理装置であって、前記ウエハがその上に載せられる試料台と、この試料台の上方で前記処理室の内側壁面を構成するリング状のアース電極と、前記処理室の周囲に配置されたソレノイドコイルとを備え、前記アース電極内壁面の最外周縁と前記ソレノイドコイルの最下部との間に、磁気抵抗が最小になる磁気経路において、強磁性体の導体中の経路長さ(ΣM)が非磁性体の導体中の経路長さの合計(ΣN)に等しいかより大きく構成されたことを特徴とする。
また、本発明のプラズマ処理装置は、請求項1記載のプラズマ処理装置において、前記磁気抵抗が最小になる磁気経路において、強磁性体の導体中の経路長さ(ΣM)が非磁性体の導体中の経路長さの合計(ΣN)に等しく構成されたことを特徴とする。
また、本発明のプラズマ処理装置は、請求項1記載のプラズマ処理装置において、前記磁気抵抗が最小になる磁気経路において、強磁性体の導体中の経路長さ(ΣM)が非磁性体の導体中の経路長さの合計(ΣN)より大きく構成されたことを特徴とする。
また、本発明のプラズマ処理装置は、請求項1〜3の内の1つの請求項記載のプラズマ処理装置において、前記強磁性体部材の比透磁率が10以上であり、前記非磁性体部材の比透磁率が10未満であることを特徴とする。
また、本発明のプラズマ処理装置は、請求項4記載のプラズマ処理装置において、前記アース電極の前記最外周縁と前記ソレノイドコイルの外側のヨークとの間に、比透磁率が10以上の強磁性体材料による別のヨークを備え、前記最小の経路がこの別のヨークを通るように構成されたことを特徴とする。
また、本発明のプラズマ処理装置は、請求項5記載のプラズマ処理装置において、前記アース電極の下部に外側に向けて延在するフランジ部の上に前記別のヨークが配置されたことを特徴とする。
また、本発明のプラズマ処理装置は、請求項1〜6の内の1つの請求項記載のプラズマ処理装置において、前記アース部材は少なくともその一部が前記ソレノイドコイルの下端よりも下方に配置され、前記ソレノイドコイルからの磁界が下向きに末広がりの分布を有することを特徴とする。
本発明は、ソレノイドコイルに定電流を印加すると処理室内部に静磁界が形成される。このとき、処理室内部の磁力線は側壁部材表面に入射するが、ソレノイドコイルから距離が離れるに従って磁力線密度が減少し、かつ、アース電極表面に磁力線が交わらない形状を部分的に持つ場合、何らかの磁場を補正する手段を持たない場合、磁気抵抗が距離に比例して増加することにより、ソレノイドコイルから距離が離れるに従って磁力線密度が減少する。また、プラズマ中の電子は磁力線形状に沿って側壁部材の処理室内面に入射することでアース電極として作用するが、ソレノイドコイル下部方向へはソレノイドコイルに循環せず発散する分布を示し、アース電極表面に磁力線が交わらない形状を部分的に持つ場合、電子の入射数が少ない箇所が現れる。
上記の構成のアース電極に対して、ソレノイドコイル下部方向へ発散していた磁力線を側壁部材の下部表面へ集中させ、かつ磁力線の入射方向が同表面に交わる方向に補正し、側壁部材の下部表面に入射する電子を増加させることにより、側壁部材の下部表面がアース電極として実効的に働き、アース電極の表面積を増加することができる。
本発明の実施に係るプラズマ処理装置の構成の概略を示す縦断面図である。 図1に示す真空容器内部の側壁部材とソレノイドコイルの構成を拡大して詳細に示した縦断面図である。 図2に示す外ヨーク、内ヨークの作用と寸法決定方法を示した縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施に係るプラズマ処理装置の構成の概略を示す縦断面図である。この装置は、真空容器100と、該真空容器の上方の外周に配置されて真空容器100内部に電界および磁界を供給する電磁場供給手段と、真空容器100下方に配置されて真空容器100の内部を排気する排気手段を備えている。
真空容器100は、真空容器100の内部には処理室101が備えられ、真空容器100の上部には処理室101内に高周波を供給する高周波電源110と処理室101内に電磁波を供給するソレノイドコイル109が備えられ、真空容器100の下部にはウエハなどの被処理対象である基板状の試料がその上面に載置される試料台112とターボ分子ポンプ120などからなる排気装置が備えられている。
電磁場供給手段は、真空容器100の上部に配置されているソレノイドコイル109および、真空容器100上方に配置されている電磁波を供給する高周波電源110からなる。高周波電源110から供給された電磁波は図示しないアイソレータ、整合器108を経由して導波管107内を伝播し共振空間106を通過した後、石英プレート105およびシャワープレート102を介して、処理室101に導入される。
処理室101は、略円筒形状であって、処理対象の試料にプラズマ処理を施す際にプラズマが形成される空間である。
処理室101上方には、処理室101を密閉する円筒形状の天井部材が備えられており、この天井部材は、石英等の誘電体で構成された石英プレート105およびシャワープレート102から構成され、石英プレート105とシャワープレート102の間には微小隙間103が形成されている。この微小隙間103は円筒形状の空間であり、この空間の下方にシャワープレート102が配置されている。このシャワープレート102には多数の小孔が複数の同心円形状に配置して多数設けられている。石英プレート105および、シャワープレート102の外周側にはガスリング104が配置される。ガスリング104には、前記微小隙間103に処理ガスを供給するためのガス通路が設けられており、処理ガスは、処理ガス供給元123から、処理ガス供給配管124およびガスリング104のガス通路を介して、前記微小隙間103に供給され、その後、シャワープレート102に設けられた多数の小孔を介して処理室101内に均等に分散して供給される。
さらに真空容器100は、処理室101と、ウエハ128を真空容器100内に搬送する搬送用ロボット127を有する搬送室125とを開放あるいは閉鎖して、両者間を連通、遮断するゲートバルブ126を備えている。
処理室101の側面には、処理室の側壁となる円筒形状の側壁部材111を備えている。側壁部材111は、ガスリング104およびシャワープレート102の下面に接して配置され、処理101室内に生成されるプラズマを区画する。
処理室101下方にある試料台112は円筒形状を有しており、試料台112上面上方は誘電体膜に被覆されている。試料台112内部には、同心円状または螺旋状に図示しない流路が配置されており、この流路に温調ユニット115により温度または流量(流速)を調節された冷媒が導入され、試料台112の温度が調節されている。ウエハ128は試料台112上面に載置された状態で、プラズマからの入熱を受けるが、試料台112の温度を調節することで、試料台112に載置されたウエハ128の温度を調節する。また、試料台112とウエハ128との熱伝導を向上するために、試料台112上面の誘電体膜とウエハ128裏面との間には熱伝達性ガス流路113が設けられており、熱伝達性ガス供給元116から熱伝達性ガス供給配管131を介して、He等の熱伝達性を有するガスが供給される。供給される熱伝達性ガスの圧力は圧力計132により検知される。
さらに、試料台112は、ウエハ128を試料台112に静電気にて吸着させるための直流電源114および処理中に試料台112に載置されたウエハ128表面にイオンを加速させるための高周波バイアス電源117を備えている。高周波バイアス電源117による、ウエハ128上の表面電位を安定化させるため、接地された側壁部材111をアース電極として設け、高周波バイアス回路を形成している。
試料台112の側面でウエハが載置される面の外周側には、プラズマによるスパッタやエッチングから試料台112を保護するためにサセプタ129が配置される。
試料台112の下方には、真空容器100内を真空状態にするため、またはガスやプラズマ、反応生成物を排気するための排気装置を備えている。この排気装置は、排気用開口を開閉する排気ゲートプレート118、排気用開口に連通する通路上のコンダクタンス可変バルブ119およびターボ分子ポンプ120からなる。さらに、ターボ分子ポンプ120には排気ポンプ122が接続されており、ターボ分子ポンプ120によって処理室101から排気された反応生成物等は排気配管121を通って排気ポンプ122に送られる。
このようなプラズマエッチング装置に対して、所定の処理を施される対象のウエハ128は、ゲートバルブ126開の状態で搬送用ロボット127上に載せられて、搬送室125から真空容器100内に搬送され、試料台112上面に載置される。
搬送用ロボット127が真空容器100外に移動した後、ゲートバルブ126を閉鎖し、次に、直流電源114からの直流電圧により、試料台112上面の載置面上に載置されているウエハ128を静電気で吸着して保持する。
この状態で、熱伝達性ガス供給元116より試料台112上面の誘電体膜とウエハ128裏面との間にHeガスを供給してウエハ128を冷却する。
次に、処理ガスが処理ガス供給元123より処理ガス供給配管124を介して微小隙間103に導入され、シャワープレート102に形成された多数の小孔を通して処理室101内へ供給される。共振空間106を通過し石英プレート105およびシャワープレート102を介して処理室101に導入された電磁波と、ソレノイドコイル109による磁場の相互作用によって、処理ガスがプラズマ化されプラズマがウエハ128の上方に形成される。さらに、高周波バイアス電源117により、試料台112に高周波電力が印加され、ウエハ128上面上方に形成された高周波バイアスによるバイアス電位とプラズマ電位との電位差によりプラズマ中のイオンをウエハ128上に引き込み、エッチング反応をアシストしつつ処理が開始される。尚、処理中、排気ゲートプレート118は常に開いており、コンダクタンス可変バルブ119の開度を変えることで排気速度を変化させ、処理室101内の圧力を調整している。
エッチング処理の終了後、プラズマおよび高周波バイアスが停止され、直流電源114からの直流電圧の供給が停止され、静電気力が低下、除去される。
次に、前述したようにコンダクタンス可変バルブ119、ターボ分子ポンプ120及び排気ポンプ122の働きにより、処理室101内の反応生成物や残留した処理ガスを排気する。
その後、ゲートバルブ126を開き、搬送用ロボット127により処理済みウエハ128を真空容器100外に搬出し、搬出完了後、ゲートバルブ126を再び閉鎖する。
尚、図中の高周波電源110、直流電源114、高周波バイアス電源117、排気ゲートプレート118、コンダクタンス可変バルブ119、ターボ分子ポンプ120、排気ポンプ122、ゲートバルブ126、搬送用ロボット127は、それぞれ図示しないコントローラーによって動作を制御されている。
図2は、図1に示す真空容器内部の側壁部材とソレノイドコイルの構成を拡大して詳細に示した縦断面図である。図2では、シャワープレート102の上方に配置される微小隙間103、石英プレート105は省略している。
側壁部材111は、リング形状であり、基材がアルミニウム等といった比透磁率が10未満を示す非磁性体の導体であり、処理室101の内部側の表面がYやAlといった耐プラズマ性の高い誘電体被膜200で構成される。側壁部材111を接地してアース電極とし、このアース電極が高周波バイアス電源117が配置された試料台112の上方に配置されることで、高周波セルフバイアス回路を形成する。
側壁部材111にアース電極を配置することにより、試料台112に高周波バイアス電源117より印加され、ウエハ128上に掛かる高周波バイアス電圧が安定的になる。また、耐プラズマ性被膜200を施すことにより、処理室内のプラズマ入射によるアース電極のダメージが低減される。
側壁部材111の上部外側にソレノイドコイル109及び、外ヨーク201が配置されている。外ヨーク201は、ソレノイドコイル109の外周に配置されており、外周に接続して全周に渡って配置される。側壁部材111の下部外側にリング形状で断面形状がL字型の内ヨーク202が配置されている。側壁部材111は、基材がアルミニウム等といった比透磁率が10未満を示す非磁性体の導体で構成され、耐プラズマ性の高い陽極酸化被膜が施された固定用ボルト203により固定される。これにより、リング形状である側壁部材111は、その下部に内ヨーク202によるフランジが形成される。
側壁部材111は、リング形状のベースフランジ204と、円筒形形状の下部処理室205により内ヨーク202を挟み込むことで固定される。外ヨーク201および内ヨーク202は、鉄、ニッケル、コバルト、もしくはそれらのいずれか一つもしくは複数を含む合金であり、磁化されておらず比透磁率が10以上を示す強磁性体の導体で構成される。
外ヨーク201、内ヨーク202、ベースフランジ204、側壁部材111はそれぞれが表面が均一であり、平行な面同士で接合される。
ソレノイドコイル109に定電流を印加すると処理室101内部に静磁界が形成される。このとき、処理室101内部の磁力線は側壁部材111表面に入射するが、磁気抵抗の低いソレノイドコイル109側面に対向する側壁部材111表面に密度が集中する。ソレノイドコイル109下部から処理室101下部方向への磁力線は、何らかの磁場を補正する手段を持たない場合、磁気抵抗が距離に比例して増加することにより、ソレノイドコイル109から距離が離れるに従って磁力線密度が減少し、かつソレノイドコイル109に循環せず発散する分布を示す。
プラズマ中の電子は磁力線形状に沿って側壁部材111の処理室内面に入射することでアース電極として作用するが、ソレノイドコイル109下部から処理室101下部方向へは上記の磁力線分布となることから、例えば本実施例の側壁部材111のように、アース電極表面に磁力線が交わらない形状を部分的に持つ場合、電子の入射数が少ない箇所が現れる。
上記の構成のアース電極に対して、外ヨーク201および内ヨーク202をソレノイドコイル109下部から側壁部材111の間に配置することで、両者の間の磁気抵抗が低減される。それにより、下部処理室205へ発散していた磁力線を側壁部材111の下部表面へ集中させ、かつ磁力線の入射方向が同表面に交わる方向に補正されることで、側壁部材111の下部表面に入射する電子が増加する。したがって、側壁部材111の下部表面がアース電極として実効的に働き、アース電極の表面積を増加することができる。
図3は、図2に示す外ヨーク、内ヨークの作用と寸法決定方法を示した縦断面図である。尚、図3中では強磁性体の導体である外ヨーク201、内ヨーク202断面にハッチングを施さず、非磁性体の導体である側壁部材111、ベースフランジ204、下部処理室205にハッチングを施して描写することで配置関係を明確にした。
側壁部材111の処理室内部の側壁を形成する表面において、処理室上部から下部方向への連続した辺の下方の終端を終端点300とする。
この終端点300からソレノイドコイル109下部までの磁気抵抗を、外ヨーク201、内ヨーク202により、磁場補正手段を持たない構成における磁気抵抗と比較して低減させることで、磁力線305が終端点300に入射するように補正され、ソレノイドコイル109側面に対向する側壁部材111表面から終端点300までの側壁部材111表面の区間にも磁力線305が入射する。
磁気抵抗は一般的に、磁気回路中の負荷に相当する真空、空気もしくは非磁性体の導体の経路長さに比例し、透磁率および断面積に反比例する。本実施例では上記の3つのパラメータ(経路長さ、透磁率、断面積)のうち、図3におけるソレノイドコイル109下面以下の鉛直方向の非磁性体の導体中の経路長さを対象とする。
図3において、側壁部材111の終端点300から内ヨーク202に交わる直線で構成される経路のうち、終端点300と内ヨーク202に交わる交点との経路長さが最小となる点を点301とし、その経路長さをN1とする。N1は非磁性体の導体である側壁部材111中の磁力線の最短経路である。
点301から内ヨーク202内のみを通り、かつ点301からソレノイドコイル109への方向の直線、もしくは直線を複数組み合わせて構成される経路のうち、ベースフランジ204に交わる交点が、ソレノイドコイル109下面から最小であることを満たし、上記を満たす点が複数ある場合、内ヨーク202内の経路長さの合計が最小となる点を点302とし、内ヨーク202内の経路長さをM1とする。M1は強磁性体の導体である内ヨーク202中の磁力線の最短経路である。尚、本実施例では、図3に示す内ヨーク202の寸法tを、終端点300、点301、302を通る経路が内ヨーク202内を通る直線経路となるように定めた。
点302からベースフランジ204に交わる直線で構成される経路のうち、点302と外ヨーク201に交わる交点との経路長さが最小となる点を点303とし、その経路長さをN2とする。N2は非磁性体の導体であるベースフランジ204中の磁力線の最短経路である。
点303から外ヨーク201内のみを通り、かつ点303からソレノイドコイル109への方向の直線、もしくは直線を複数組み合わせて構成される経路のうち、点303とソレノイドコイル109に交わる交点との経路長さの合計が最小であることを満たし、上記を満たす点が複数ある場合、外ヨーク201内の経路長さの合計が最小となる点を点304とし、外ヨーク201内の経路長さをM2とする。M2は強磁性体の導体である外ヨーク201中の磁力線の最短経路である。
磁気抵抗は、上記の非磁性の導体中の経路長さの合計N1+N2に比例することより、終端点300を磁極とするためには、外ヨーク201、内ヨーク202の鉛直方向の寸法が、非磁性体の導体中の経路長さの合計ΣN(本実施例においてはN1+N2)と、強磁性体の導体中の経路長さの合計ΣM(本実施例においてはM1+M2)が、式(1)を満たすように決定されることで達成される。
ΣN≦ΣM ・・・(1)
つまり、本実施例においては、N1+N2≦M1+M2
本実施例の側壁部材111の形状が、例えばテーパー形状や円弧を含む形状、もしくは、直線、円弧を複合的に組み合わせた形状においても、本発明は適用される。加えて本実施例では、ヨークの個数は外ヨーク201、内ヨーク202の2個で構成されているが、外ヨーク201のみ、もしくは、内ヨーク202を多層に配置した場合についても、上記例と同様に、非磁性体の導体中の経路長さの合計ΣN、強磁性体の導体中の経路長さの合計ΣMを定義し、それらを終端点が磁極となるように調整することで達成される。
100 真空容器
101 処理室
102 シャワープレート
103 微小隙間
104 ガスリング
105 石英プレート
106 共振空間
107 導波管
108 整合器
109 ソレノイドコイル
110 高周波電源
111 側壁部材
112 試料台
113 熱伝達性ガス流路
114 直流電源
115 温調ユニット
116 熱伝達性ガス供給元
117 高周波バイアス電源
118 排気ゲートプレート
119 コンダクタンス可変バルブ
120 ターボ分子ポンプ
121 排気配管
122 排気ポンプ
123 処理ガス供給元
124 処理ガス供給配管
125 搬送室
126 ゲートバルブ
127 搬送用ロボット
128 ウエハ
129 サセプタ
132 処理室用圧力計
131 熱伝達性ガス供給配管
200 誘電体被膜
201 外ヨーク
202 内ヨーク
203 固定用ボルト
204 ベースフランジ
205 下部処理室
300 アース終端点
301 側壁部材と内ヨークとの交点
302 内ヨークとベースフランジとの交点
303 ベースフランジと外ヨークとの交点
304 外ヨークとソレノイドコイルとの交点
305 磁力線
N1,N2 非磁性体の導体中の経路長さ
M1,M2 強磁性体の導体中の経路長さ

Claims (7)

  1. 真空容器内の処理室で、内部に配置されたウエハをプラズマを用いて処理するプラズマ処理装置であって、前記ウエハがその上に載せられる試料台と、この試料台の上方で前記処理室の内側壁面を構成するリング状のアース電極と、前記処理室の周囲に配置されたソレノイドコイルとを備え、前記アース電極内壁面の最外周縁と前記ソレノイドコイルの最下部との間に、磁気抵抗が最小になる磁気経路において、強磁性体の導体中の経路長さ(ΣM)が非磁性体の導体中の経路長さの合計(ΣN)に等しいかより大きく構成されたことを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記磁気抵抗が最小になる磁気経路において、強磁性体の導体中の経路長さ(ΣM)が非磁性体の導体中の経路長さの合計(ΣN)に等しく構成されたことを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記磁気抵抗が最小になる磁気経路において、強磁性体の導体中の経路長さ(ΣM)が非磁性体の導体中の経路長さの合計(ΣN)より大きく構成されたことを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記強磁性体部材の比透磁率が10以上であり、前記非磁性体部材の比透磁率が10未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記アース電極の前記最外周縁と前記ソレノイドコイルの外側のヨークとの間に、比透磁率が10以上の強磁性体材料による別のヨークを備え、前記最小の経路がこの別のヨークを通るように構成されたことを特徴とする請求項4記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記アース電極の下部に外側に向けて延在するフランジ部の上に前記別のヨークが配置されたことを特徴とする請求項5記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記アース部材は少なくともその一部が前記ソレノイドコイルの下端よりも下方に配置され、前記ソレノイドコイルからの磁界が下向きに末広がりの分布を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載のプラズマ処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019220532A (ja) * 2018-06-18 2019-12-26 株式会社日立ハイテクノロジーズ プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法

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