JP2019220532A - プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】静磁場の印加された環境で、高周波バイアスに対する有効な接地電極面積を確保することで、異方性加工を行えるプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供する。【解決手段】プラズマが形成されるプラズマ処理室100と、前記プラズマが形成される空間の下方に配置される処理対象のウエハが上面に載せられる基板ステージ兼高周波電極13と、基板ステージ兼高周波電極13に高周波電力を供給するバイアス電源18と、前記プラズマ処理室100上方及び側方のうち少なくとも一方の周囲を囲んで真空容器外部に配置され、真空容器内部の空間にプラズマを形成するため、前記基板ステージ兼高周波電極13の周囲に、下向きに末広がりに形成された磁界を形成する電磁コイル23と、前記プラズマ処理室100内の前記基板ステージ兼高周波電極13上面の下方であって、周囲に配置された磁性体製のリング板を含む磁性体接地電極22を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法に関する。
半導体デバイス製造において、プラズマエッチング、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)、プラズマアッシング等のプラズマ処理が広く用いられている。しかるに、半導体デバイス製造プロセスにおいて、量産性を確保する観点から微小異物や汚染を抑制しながら良好な加工均一性を確保することが重要であるとされる。特に、ウエハへの微小異物の付着や金属汚染はデバイス特性に深刻な影響を与えるため、微小異物や汚染源の抑制が大前提として要求される。更に、ウエハ1枚あたりのチップ取得数を増加させるために、ウエハ面内で均一に加工する均一性も要求される。また、より構造が複雑な3次元構造の半導体デバイスに対応すべく、ウエハ面に対して垂直方向に加工を行う異方性加工の要求もある。
プラズマエッチング装置におけるプラズマの生成方式として、ECR(Electron Cyclotron Resonance)や誘導結合や容量結合などが知られている。ECR方式とは、磁力線を回る電子の回転周波数とマイクロ波周波数が一致する共鳴現象を利用したプラズマ生成方式である。ECR方式は、ECRプラズマ生成に用いるコイル磁場の制御により、ECRプラズマの生成領域を変えてウエハ面内のイオンフラックス分布を制御し、デバイス製造における加工均一性を確保できるという特徴を持つ。
また、プラズマエッチング装置において、イオンをウエハに向かって加速しつつ、エッチング時の異方性加工を実現するために、通常数百kHz〜数十MHzの高周波のバイアス電力をウエハに印加する場合がある。一般に高周波バイアスの電圧が印加される電極には、高周波電源からブロッキングキャパシタを介して電力が供給される。ウエハ側に高圧のバイアス電圧を印加し、高いエネルギーを持ってイオンをウエハに入射させるためには、接地電極面積とバイアス印加電極面積の比を大きくする必要がある。
この面積の比が大きい場合、ウエハ側に直流成分の自己バイアス電圧が印加され、イオンをウエハに向かって加速することができ、異方性加工が実現できる。一方で、前記面積の比が小さい場合は、接地電極表面のシースにおけるキャパシタンスが増加し、接地電極表面において容量性のインピーダンスが増加する。換言すれば、接地電極表面のシースにて大きな電圧降下が生じ、相対的に基板表面のシースにおける電圧降下は小さくなる。この場合、ウエハよりもむしろ接地電極表面でイオンが加速されて入射することとなる。その結果、接地電極表面がイオンによりスパッタリングされ、異物や汚染の発生要因となる虞れがある。
特開2013−175770号公報 特開2000−348897号公報
ところで、エッチング装置において高周波バイアスに対する有効な接地電極面積確保のため、ウエハ上方かつリアクタ側面に接地電極を設置する場合がある。一般に、ウエハ上方において高密度なプラズマが生成されるため、ウエハ上方かつリアクタ側面に接地電極を設置すると、これらが高密度なプラズマによりスパッタリングされることで、異物や汚染発生の原因になる。しかし、ウエハ上方かつリアクタ側面の接地電極面積を小さくすると、高周波バイアスに対する接地電極面積が不足、基板に十分なバイアス電圧を印加できない虞れがある。
一方、高周波バイアスに対する有効な接地電極面積確保のために、ステージ下方に非磁性材料で構成される接地電極を設置する技術もある(特許文献1,2参照)。ここでいう有効な接地電極面積とは、高周波バイアスの電流経路に含まれる接地電極表面の面積のことを指す。
特許文献1、2に記載の技術は、外部から磁場を印加しない誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma)や容量結合プラズマ(Capacitively Coupled Plasma)などのプラズマ生成方式にとっては、有効な接地電極面積拡大に有利である。しかしながら、マイクロ波ECRエッチング装置のように静磁場が印加されているエッチング装置の場合、必ずしも高周波バイアスに対する有効な接地電極面積が拡大するものではない。
その理由は、静磁場の印加されたエッチング装置において、プラズマ中の電子は磁力線を横切る方向に移動しにくく、磁力線に沿った方向に移動しやすいことに起因して、高周波バイアスによる電子電流が、ウエハからプラズマ処理室を介して磁力線に沿って接地電極に向かうからである。すなわち、高周波バイアス電流経路は基本的に磁力線の向きに拘束されるため、単純に非磁性体の接地電極を増設するだけなら、接地電極自体の表面積は増えるが、装置内部の磁力線の向きは変わらないから、高周波バイアスに対する実質的な接地電極面積の拡大は期待できないのである。
本発明の目的は、静磁場の印加された環境において、高周波バイアスに対する有効な接地電極面積を確保することで、基板への異物や汚染を抑制しながら、異方性加工を行えるプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を実現することにある。
上記課題を解決するために、代表的な本発明のプラズマ処理装置の一つは、
真空容器内部に配置され内側でプラズマが形成される処理室と、
前記処理室内の前記プラズマが形成される空間の下方に配置され処理対象のウエハが、上面に載せられる試料台と、
前記試料台内部の電極に高周波電力を供給する高周波電源と、
前記処理室の上方及び側方のうち少なくとも一方の周囲を囲んで前記真空容器外部に配置され、前記真空容器内部の空間にプラズマを形成するため、前記試料台の周囲に、下向きに末広がりに形成された磁界を形成する磁界形成部と、
前記処理室内の前記試料台上面の下方であって、前記試料台の周囲に配置された磁性体製のリング板を含み、接地電位に維持された接地部材と、を備えた、ことにより達成される。
また、代表的な本発明のプラズマ処理方法の一つは、真空容器内部に配置され内側でプラズマが形成される処理室と、前記処理室内の前記プラズマが形成される空間の下方に配置され処理対象のウエハが、上面に載せられる試料台と、前記試料台内部の電極に高周波電力を供給する高周波電源と、前記処理室の上方及び側方のうち少なくとも一方の周囲を囲んで前記真空容器外部に配置され、前記真空容器内部の空間にプラズマを形成するため、前記試料台の周囲に、下向きに末広がりに形成された磁界を形成する磁界形成部と、前記処理室内の前記試料台上面の下方であって、前記試料台の周囲に配置された磁性体製のリング板を含み、接地電位に維持された接地部材と、を備えたプラズマ処理装置を用いたプラズマ処理方法であって、前記磁性体製のリング板近傍において、前記磁界形成部により形成される磁力線を前記磁性体製のリング板の方向に向かうように曲げるとともに、前記高周波電源からのバイアス電流を、前記試料台から前記磁性体製のリング板に流す、ことにより達成される。
本発明によれば、静磁場の印加された環境において、高周波バイアスに対する有効な接地電極面積を確保することで、基板への異物や汚染を抑制しながら、異方性加工を行えるプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかとなる。
本発明の第一の実施形態に係るエッチング装置の断面図である。 本発明の第一の実施形態の効果を示す説明図である。 本発明の第一の実施形態の効果を示すシミュレーション図である。 本発明の第二の実施形態の効果を示す図である。 本発明の第三の実施形態の効果を示す図である。 本発明の第四の実施形態の効果を示す図である。 本発明の第五の実施形態の効果を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、本明細書中、プラズマ処理室における「下方」とは、マイクロ波が試料台に向かう方向をいい、「上方」とは、その逆方向をいうものとする。
[第一の実施形態]
図1に、本発明の第一の実施形態に係るプラズマ処理装置であるエッチング装置の断面図を示す。マイクロ波源1から発振されたマイクロ波は、方形導波管2を用いて自動整合機3とアイソレータ4と円矩形変換器5を介して円形導波管6に伝送される。本実施形態では、マイクロ波源1には、工業周波数としてよく用いられる2.45GHzのマイクロ波を発生するマグネトロンを用いた。しかし、マイクロ波源1から発生するマイクロ波は、この周波数に限定されるものではなく、数十MHzから数十GHzの電磁波を用いてもよい。
自動整合機3は、負荷インピーダンスを調整し、反射波を抑制して効率的に電磁波を供給する役割を持つ。また、反射波からマイクロ波源1を保護するために、アイソレータ4を用いている。円形導波管6には、基本モードである円形TE11モードのみに対応するマイクロ波を伝播する直径のものを選ぶ。その理由は、高次モードが含まれる場合、プラズマ生成の安定性や均一性に悪影響を及ぼす場合があるためである。円形導波管6は空洞部7に接続されており、空洞部7は電磁界分布をプラズマ処理に適した分布に調整する働きを持つ。
空洞部7の下部には、マイクロ波導入窓8、シャワープレート9、内筒10が設けられている。マイクロ波導入窓8、シャワープレート9の材料は、マイクロ波を効率よく透過し、耐プラズマ性を備えた石英が好ましい。あるいは、これらの材料として、プラズマ耐性が高く且つマイクロ波を透過する、例えばイットリア、アルミナ、フッ化イットリウム、フッ化アルミニウム、窒化アルミニウムなどを用いても良い。
内筒10は、必ずしもマイクロ波を透過する必要性はないが、内筒のスパッタリング等によるウエハへの異物・汚染を抑制する観点から耐プラズマ性を持つ必要がある。例えば内筒10の材料は石英とするが、イットリア、アルミナ、フッ化イットリウム、フッ化アルミニウム、窒化アルミニウムなどを用いても良い。
マイクロ波導入窓8とシャワープレート9と間を通過して、外部のガス供給手段11から、内筒10内にガスが供給される。ガス供給手段11には、例えばマスフローコントローラ(不図示)によって所望の流量を供給する機能が含まれている。シャワープレート9には微細なガス供給孔が複数設けられ、ガス供給手段11から供給された処理ガスを、プラズマ処理室100に均一にシャワー状に供給することができる。
ウエハである被処理基板12を載置する基板ステージ兼高周波電極(試料台)13の下部には絶縁板14が備えられており、ガス供給手段11から供給された処理ガスは、コンダクタンス調節バルブ15を介してターボ分子ポンプ16により真空排気される構成となっている。また、被処理基板12にバイアス電力を供給するために、基板ステージ兼高周波電極13には、バイアス用自動整合機17を介してバイアス電源(高周波電源)18が接続されている。
本実施形態では、バイアス電源18の周波数として400kHzのものを用いたが、例えば工業周波数の13.56MHzなど、プラズマ処理に要求される目的に合わせて、それ以外の周波数を持つバイアス電源を用いても良い。また、基板ステージ兼高周波電極13には図示しない温調手段が備えられており、所望のエッチングが出来るように必要に応じて被処理基板12の温度が調節される。
基板ステージ兼高周波電極13の上面の外周部及び側面には、基板ステージ兼高周波電極13を保護するために誘電体で構成されるサセプタ19と、カバーリング20がそれぞれ設置されている。例えば、サセプタ19やカバーリング20の材料としては、耐プラズマ性の高い材料として石英を用いることができるが、その他の耐プラズマ性の高い材料である、イットリア、アルミナ、フッ化イットリウム、フッ化アルミニウム、窒化アルミニウムなどを用いても良い。
プラズマ処理室100の下方において、内筒10の下端に接続されるようにして、非磁性体で構成されるチャンバ内壁21が接地されて設けられ、基板ステージ兼高周波電極13等を囲っている。また、基板ステージ兼高周波電極13の上面よりも下方には、チャンバ内壁21の内周より水平に延在するようにして磁性体接地電極(接地部材)22が設置される。磁性体接地電極22は、チャンバ内壁21を介して接地電位に維持されている。
磁性体接地電極22の材料としては、純鉄を用いることができるが、軟磁性材料である、パーマロイ、けい素鉄、Fe-Si-Al合金、フェライト、Co基アモルファス、Fe基アモルファスを用いても良い。また、磁性体接地電極22にはガスが滞留しないように径10mm程度の孔が複数個開けられている。
磁性体接地電極22の材料は、外部磁界のあるときに磁石としての性質を持ち、外部磁界を除去すると磁石としての性質を失うような軟磁性材料の使用が望ましい。その理由は、永久磁石のような硬磁性材料では経年劣化や温度変化に起因して減磁し、磁気特性が変化するため使いにくいからである。特に磁性体接地電極22はプラズマからの入熱に曝されるため、温度変化が度々生じ、硬磁性材料では磁気特性が経時変化する可能性が高い。換言すれば、デバイス量産時において、磁性体接地電極22に硬磁性材料を使用すると、エッチング後の加工寸法が経時的に変動し、歩留りが悪化する虞れがある。
また、磁性体接地電極22に用いる純鉄の腐食防止のため、例えば耐腐食性の合金としてNi-Al、Ni-Crなどの合金を100μm程度コーティングすると好ましい。また、磁性体接地電極22で用いられる鉄などの金属原子が、スパッタリング等によってプラズマ処理室100に放出され、被処理基板12に入射すると、半導体デバイスの電気特性に深刻な影響を与える虞れがある。このため、磁性体接地電極22の表面に金属汚染の発生源とならないように耐プラズマ性の膜で表面を覆うことは、好ましいといえる。例えば磁性体接地電極22の耐プラズマ性を高めるために、イットリアを100μmコーティングすることができるが、耐プラズマ性の高い材料である、アルミナ、フッ化イットリウム、フッ化アルミニウム、窒化アルミニウムなどをコーティングしても良い。
高周波バイアスの電流は、プラズマ101、磁性体接地電極22の表面上のシース、磁性体接地電極22の表面のコーティング膜を介して磁性体接地電極22に流れる。このような耐プラズマ性の膜がコーティングされた磁性体接地電極22が、高周波バイアスに対する接地電極としての機能を確保するためには、磁性体接地電極22の表面上のシースのインピーダンスZshに比べて、コーティング膜のインピーダンスZを十分に小さくすることが望ましい。本実施形態では,コーティング膜のインピーダンスZが十分に小さいという指標として、Z/Zsh≦5%と設定した。このとき、コーティング膜に要求される条件を以下に記載する。まず、コーティング膜のインピーダンスZは下式(数1式)で表される。
Figure 2019220532
数1式において、Rはコーティング膜の抵抗、Cはコーティング膜のキャパシタンス、ωは高周波バイアスの角周波数を表す。このとき、耐プラズマ性のコーティング膜は絶縁体を想定しているため、|R|は|jωC|に比べて十分に大きくなる。このため、抵抗成分は無視できる。コーティング膜のキャパシタンスCは下式(数2式)で表せる。
Figure 2019220532
数2式において、高周波バイアスに対する実質的な接地電極面積をS、コーティング膜の比誘電率をε、真空の誘電率をε、コーティング膜厚をdとした。次に、磁性体接地電極22上のシースのインピーダンスを算出する。シースのインピーダンスは容量性であるため、下式(数3式)で表される。
Figure 2019220532
数3式において、磁性体接地電極22表面のシースのキャパシタンスCshは下式(数4式)で表される。
Figure 2019220532
ここでは、シースは厚みdshを持つ真空の層であると仮定している。シースの厚みは典型的な値として1×10−3mを用いる。以上により、Zc/Zsh≦5%という制約条件からコーティング膜の厚みは下式(数5式)を満たすように設定すれば良い。
Figure 2019220532
例えば比誘電率εが11.4のイットリアでは、数5式に基づき、コーティング膜厚は570μm以下であれば良いこととなる。
プラズマ処理室100(内筒10)の周囲(及び上方のうち少なくとも一方)には電磁コイル(磁界形成部)23が設けられ、その外周にはヨーク24が設けられている。電磁コイル23に電流を供給することにより、プラズマ処理室100内でECRに必要な磁束密度を満たすように静磁界分布を調整する。ヨーク24は装置外部への磁場の漏洩を防ぐ磁気シールドの役割を持つ。
電磁コイル23とヨーク24で形成される磁力線は、プラズマ処理室100内の上方から下方に向かって外周方向に広がる(基板ステージ兼高周波電極13の周囲で末広がりになる)拡散磁場となる。2.45GHzのマイクロ波を投射した場合、ECRに必要な磁束密度は875Gである。静磁界分布を調整して、875Gの等磁場面をプラズマ処理室100内の任意の場所に調整することで、プラズマの生成領域の位置を調整することができる。また、静磁界の調整により、被処理基板12へのプラズマの拡散を制御することが出来る。このため、電磁コイル23は、プラズマの生成領域やプラズマの拡散の制御を容易とするために複数用いることが望ましい。エッチングは、マイクロ波源1から供給したマイクロ波によってプラズマ処理室100に導入されるガスをプラズマ化してプラズマ101を生成し、そこで生成されたイオンやラジカルを被処理基板12に照射して行われる。
次に、磁性体接地電極22が磁性体であることで生じる効果について説明する。図2は磁性体接地電極22周辺の構造を拡大して示す断面図である。まず、磁性体接地電極22が非磁性体である場合における磁力線の模式図を図2(a)に示す。電磁コイル23及びヨーク24で形成される磁力線102は、プロセス処理室の下方に向かって外周方向に広がる拡散磁場である。磁性体接地電極22が非磁性体である場合、図2(a)に示すように、磁性体接地電極22を設置しても接地電極がないときと磁力線102の方向は変わらない。
一方、磁性体接地電極22が軟磁性体の場合における磁力線102の模式図を図2(b)に示す。軟磁性体は透磁率が高く、磁力線を通しやすい性質を持つ。このため、プラズマ処理室100内の磁場は基本的に拡散磁場となるが、図2(a)に示すように、磁性体接地電極22近傍においては磁力線102が磁性体接地電極22の方向に向かうように曲げられる。
バイアス電流は、基板ステージ兼高周波電極13からチャンバ内壁21や磁性体接地電極22に流れる。ECR方式でプラズマを生成したときに、基板ステージ兼高周波電極13に高周波電力を供給したときのバイアス電流経路(流線)CFを、シミュレーションした結果を図3に示す。
まず、磁性体接地電極22が非磁性体であった場合におけるシミュレーション結果を図3(a)に示す。磁力線は装置下方において外周方向に広がるため、このときのバイアス電流経路も磁力線の向きに依存して装置下方において外周方向に広がる。このとき、バイアス電流はチャンバ内壁21の上方で局在していることがわかる。すなわち、有効な接地電極面積は、チャンバ内壁21上方のバイアス電流の流れる領域の面積となる。
次に、磁性体接地電極22が軟磁性体の場合における磁力線密度のシミュレーション結果を図3(b)に示す。磁力線は、磁性体接地電極22近傍において磁性体接地電極22に向かう方向に曲げられるため、バイアス電流はチャンバ内壁21上方だけでなく、磁性体接地電極22にも流れることがわかる。すなわち、磁性体接地電極22が磁性体であることでバイアス電流の流れる面積が拡大し、換言すれば、高周波バイアスに対して有効な接地電極の面積が拡大することとなる。これは、外部から磁場を印加するプラズマエッチング装置において接地電極を磁性体とすることで現れる効果である。
磁性体接地電極22と基板ステージ兼高周波電極13との間には、図1に示すように、すきまΔが設けられていることが望ましい。磁性体接地電極22の内周端と外周端は磁極となっており、特に磁極周辺では磁力線が集中し、バイアス電流が流れやすくなる。しかし、磁性体接地電極22と基板ステージ兼高周波電極13との間にすきまΔがない場合、磁極となる磁性体接地電極22の内周端の磁極近傍に、物理的障害物となる基板ステージ兼高周波電極13やカバーリング20が存在するため、磁性体接地電極22に効果的にバイアス電流を流せないこととなる。したがって、磁性体接地電極22と基板ステージ兼高周波電極13の間にすきまΔを設けて、磁性体接地電極22内周部の磁極近傍に物理的障害物をなくすことが望ましい。
[第二の実施形態]
本発明に係る第二の実施形態を図4に示す。磁性体で構成される磁性体接地電極22がチャンバ内壁21の内周から中心部に向かって下方に傾斜したテーパ―構造となっている。先述のように磁性体接地電極22の内周端の磁極周辺に磁界が集中するため、場合によって磁性体接地電極22に流れるバイアス電流が磁極周辺に局在する可能性がある。バイアス電流の局在化した領域では磁性体接地電極22のスパッタリングが生じる虞れがある。そこで、本実施形態のように、磁界の集中する接地電極の内周端が下方に位置するよう設置する事で、スパッタリングによる異物発生等のリスクを低減できる。それ以外の構成は、上述した実施の形態と同様であるため重複説明を省略する。
[第三の実施形態]
本発明に係る第三の実施形態を図5に示す。本実施形態では、磁性体接地電極22がチャンバ内壁21の内壁を貫いて外周方向に伸びている。この効果を以下に説明する。電磁コイル23により磁場を印加すると、磁性体接地電極22の外周端と内周端近傍で磁極が生じる。磁極周辺の表面では磁力線が集中しやすいが,外周端と内周端の磁極の中間近傍では磁束密度は、ほぼゼロとなる。バイアス電流は磁力線に沿って流れやすいため、磁束密度の小さい磁極間の領域にはバイアス電流が流れにくくなる。すなわち、効率的にバイアス電流を磁性体接地電極22に流すためには、本実施形態のように、磁極周辺部のみがプラズマ処理室100内に入るように磁性体接地電極22を設置すればよい。それ以外の構成は、上述した実施の形態と同様であるため重複説明を省略する。
[第四の実施形態]
本発明に係る第四の実施形態を図6に示す。図6は磁性体接地電極22の上方において、好ましくは基板ステージ兼高周波電極13の下方であって基板ステージ兼高周波電極13の周囲に、基板ステージ兼高周波電極13の外周に接しないようにしてリング板状の非磁性体接地電極25を設置した構成である。本実施形態では、磁性体接地電極22と、非磁性体接地電極25とで接地部材を構成する。先述のように磁性体接地電極22の内周端の磁極周辺には磁力線が集中しやすい。このため、非磁性体接地電極25がないとすると、磁極周辺にバイアス電流が局在化する可能性がある。
これに対し、図6の構成のように磁性体接地電極22に向かおうとするバイアス電流経路を妨げるように非磁性体接地電極25を設置することにより、バイアス電流が局所的に流れることを抑制して効率的にバイアス電流が流れる面積を拡大することができる。更に、より効果的にバイアス電流が流れる面積を拡大するためには、非磁性体接地電極25の内径を磁性体接地電極22の内径よりも小さくすることが望ましい。つまり、基板ステージ兼高周波電極13と非磁性体接地電極25のすきまを、基板ステージ兼高周波電極13と磁性体接地電極22のすきまよりも小さくするとよい。また、非磁性体接地電極25と磁性体接地電極22は別体で構成されてもよいし、一体で構成されていても良い。例えば、非磁性体接地電極25の内部に磁性体接地電極22を埋め込んだ構成であっても良い。それ以外の構成は、上述した実施の形態と同様であるため重複説明を省略する。
[第五の実施形態]
本発明に係る第五の実施形態を図7に示す。磁性体接地電極22の表面積を拡大するために、磁性体接地電極22は平板状ではなく放射方向に周期的な凹凸を持つ波形状となっている。更に、磁性体接地電極22の表面積を拡大するために、平板または波板の上に突起を複数設けても良い。また、前述の形状に限らず磁性体接地電極表面積拡大のために適宜形状を変更しても良い。それ以外の構成は、上述した実施の形態と同様であるため重複説明を省略する。
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態における構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態における構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
本発明は、半導体ウエハ等の基板上の試料をエッチング等で処理するプラズマ処理装置に適用可能である。
1 マイクロ波源
2 方形導波管
3 自動整合機
4 アイソレータ
5 円矩形変換器
6 円形導波管
7 空洞部
8 マイクロ波導入窓
9 シャワープレート
10 内筒
11 ガス供給手段
12 被処理基板
13 基板ステージ兼高周波電極
14 絶縁板
15 コンダクタンス調節バルブ
16 ターボ分子ポンプ
17 バイアス用自動整合機
18 バイアス電源
19 サセプタ
20 カバーリング
21 チャンバ内壁
22 磁性体接地電極
23 電磁コイル
24 ヨーク
25 非磁性体接地電極
100 プラズマ処理室
101 プラズマ
102 磁力線

Claims (12)

  1. 真空容器内部に配置され内側でプラズマが形成される処理室と、
    前記処理室内の前記プラズマが形成される空間の下方に配置され処理対象のウエハが、上面に載せられる試料台と、
    前記試料台内部の電極に高周波電力を供給する高周波電源と、
    前記処理室の上方及び側方のうち少なくとも一方の周囲を囲んで前記真空容器外部に配置され、前記真空容器内部の空間にプラズマを形成するため、前記試料台の周囲に、下向きに末広がりに形成された磁界を形成する磁界形成部と、
    前記処理室内の前記試料台上面の下方であって、前記試料台の周囲に配置された磁性体製のリング板を含み、接地電位に維持された接地部材と、を備えた、
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 請求項1に記載のプラズマ処理装置であって、
    前記接地部材が前記試料台から、すきまをあけて配置された、
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 請求項1または2に記載のプラズマ処理装置であって、
    前記接地部材が、前記磁性体製のリング板と、前記磁性体製のリング板の上面を覆う非磁性体製のリング板とからなる、
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  4. 請求項3に記載のプラズマ処理装置であって、
    前記非磁性体製のリング板と前記試料台とのすきまが、前記磁性体製のリング板と前記試料台とのすきまより小さい、
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載のプラズマ処理装置であって、
    前記処理室内に供給されるマイクロ波の電界と、前記磁界とにより前記プラズマが形成される、
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項に記載のプラズマ処理装置であって、
    前記接地部材において、前記磁性体製のリング板の外周端部が前記処理室の内側壁の内周に位置した、
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  7. 請求項1乃至5の何れか1項に記載のプラズマ処理装置であって、
    前記接地部材において、前記磁性体製のリング板が前記処理室の内側壁を貫通している、
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  8. 請求項1乃至7の何れか1項に記載のプラズマ処理装置であって、
    前記接地部材において、前記磁性体製のリング板が前記処理室の中央下方に向かって傾斜したテーパ―形状を有する、
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  9. 請求項1乃至8の何れか1項に記載のプラズマ処理装置であって、
    前記接地部材において、前記磁性体製のリング板が波形である、
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  10. 請求項1乃至9の何れか1項に記載のプラズマ処理装置であって、
    前記磁性体製のリング板の材料の主成分が、パーマロイ、純鉄,けい素鉄、Fe-Si-Al合金、フェライト、Co基アモルファス、Fe基アモルファスの何れかである、
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  11. 請求項1乃至10の何れか1項に記載のプラズマ処理装置であって、
    前記磁性体製のリング板の表面にはコーティングがなされている、
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  12. 真空容器内部に配置され内側でプラズマが形成される処理室と、前記処理室内の前記プラズマが形成される空間の下方に配置され処理対象のウエハが、上面に載せられる試料台と、前記試料台内部の電極に高周波電力を供給する高周波電源と、前記処理室の上方及び側方のうち少なくとも一方の周囲を囲んで前記真空容器外部に配置され、前記真空容器内部の空間にプラズマを形成するため、前記試料台の周囲に、下向きに末広がりに形成された磁界を形成する磁界形成部と,前記処理室内の前記試料台上面の下方であって、前記試料台の周囲に配置された磁性体製のリング板を含み、接地電位に維持された接地部材と、を備えたプラズマ処理装置を用いたプラズマ処理方法であって、
    前記磁性体製のリング板近傍において、前記磁界形成部により形成される磁力線を前記磁性体製のリング板の方向に向かうように曲げるとともに、前記高周波電源からのバイアス電流を、前記試料台から前記磁性体製のリング板に流す、
    ことを特徴とするプラズマ処理方法。
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