JP2008187062A - プラズマ処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
試料への汚染及び異物混入の原因となる処理室の損傷を抑制し、稼働率の向上したプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】
真空容器と、この真空容器内部に配置され処理用ガスが供給される処理室と、この処理室内に配置されその上面に処理対象の試料を保持する保持電極と、前記処理室内の前記保持電極の上方の空間にプラズマを形成するための電界を供給する電界供給手段及び磁界を供給するための磁界供給手段と、前記保持電極の上方の前記処理室の内側壁を構成しその内壁面が略円錐台形である接地された壁部材とを備えたプラズマ処理装置。
【選択図】図1
試料への汚染及び異物混入の原因となる処理室の損傷を抑制し、稼働率の向上したプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】
真空容器と、この真空容器内部に配置され処理用ガスが供給される処理室と、この処理室内に配置されその上面に処理対象の試料を保持する保持電極と、前記処理室内の前記保持電極の上方の空間にプラズマを形成するための電界を供給する電界供給手段及び磁界を供給するための磁界供給手段と、前記保持電極の上方の前記処理室の内側壁を構成しその内壁面が略円錐台形である接地された壁部材とを備えたプラズマ処理装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、プラズマ処理装置及び処理方法に係わり、特に、真空容器内の処理室の内側でプラズマを生成し、半導体ウエハ等の基板状の試料表面に高周波による電界を形成しつつこの試料表面にエッチング処理,成膜処理を施すプラズマ処理装置に関するものである。
近年、マイコン等の各種半導体素子は高精度となり、半導体素子の製造に関しても超微細加工を均一に安定して行うことが重要となってきた。また、製造過程で素子に混入する不純物元素は半導体性能に影響を与えるため、処理装置において発生する不純物や微小異物の低減に対する要求が厳しくなってきた。
プラズマ処理装置は、低ガス圧放電で生成される活性分子や反応性イオンの働きより微細な半導体素子の成膜やドライエッチングを可能にし、多くの製造工程で不可欠な存在となっている。各種プラズマ処理装置の中でも、プラズマ生成と輸送に磁場を用いた有磁場プラズマ処理装置は低ガス圧での安定放電が可能で、磁場によるプラズマ分布制御性が高く高精度処理に有効なプラズマ処理装置と考えられている。
このようなプラズマ処理装置は、従来より、マイクロ波を使ったプラズマ生成室と処理室を分離した方式と処理室内でプラズマ生成を行う技術がある。このようにプラズマ生成室と処理室を分離した方式は、例えば特開平7−94297号公報(特許文献1)記載のものが知られている。
本従来技術は、電子サイクロトロン共鳴(ECR:Electron Cyclotron Resonance)を利用して効率良くプラズマ生成を行うものである。この従来技術において、プラズマ処理を行う真空容器は、プラズマ発生のためのプラズマ生成室と、プラズマ生成室の下方には被処理試料を載置し処理を行う処理室が連設されている。プラズマ生成室の側壁はアルミニウム合金等を用いて形成されており、上面にはマイクロ波を導入口は真空封じのための石英板が設けてある。
このプラズマ生成室内部に連通して開口されたマイクロ波導入口にはマイクロ波を伝播するための導波管が接続されており、マイクロ波発振器からの出力が導入口を通してプラズマ生成室に放射される。また、プラズマ生成室にはガス導入管が接続されておりプラズマ形成に必要な放電用のガスが供給される。また、プラズマ生成室の外周側にはプラズマ生成に必要な磁場を印加するための磁場生成用のコイルが配置されている。
この従来技術でプラズマ処理を行う場合には、プラズマ生成室及び処理室を所定の圧力まで排気した後放電用ガスを供給し、所定のガス圧力に設定する。次に、磁場コイルに電流を流しプラズマ生成室にECR共鳴が生じる程度に磁場強度を調節する。マイクロ波
(周波数2.45GHz )の場合には、磁場強度875ガウスでECR共鳴が生じる。また、プラズマ生成室はマイクロ波に対して空洞共振器としても機能しているために、マイクロ波導入口を通してプラズマ生成室にマイクロ波を印加すると、ECR共鳴が起こる磁場位置において高効率でプラズマが生成される。
(周波数2.45GHz )の場合には、磁場強度875ガウスでECR共鳴が生じる。また、プラズマ生成室はマイクロ波に対して空洞共振器としても機能しているために、マイクロ波導入口を通してプラズマ生成室にマイクロ波を印加すると、ECR共鳴が起こる磁場位置において高効率でプラズマが生成される。
このプラズマ生成室で生成されたプラズマは、磁場コイルにより印加された磁場により拘束され主に磁力線に沿って下方に連接して配置された処理室内に拡散して移動し被処理対象の試料の表面を処理する。この処理装置において、処理に伴って発生する不純物や微小異物の低減に関して、プラズマ生成室の側壁を磁力線方向とほぼ平行にすることで、側壁内面へのプラズマ流入角度を大幅に小さくし、プラズマ中の荷電粒子による壁面のスパッタリングを低減している。
荷電粒子によるスパッタリングは、壁面への入射角が30から60度の場合にスパッタ率が最大となり、入射角が小さくなるにしたがってスパッタ率が減少することが知られている。このことから、本従来技術では、プラズマ生成室の壁を磁力線に平行とすることで入射角が小さくなりスパッタ率を低く抑えられ、壁材からのパーティクル発生が抑制され、試料上へのパーティクルや汚染を低減している。
プラズマ処理室内でプラズマ生成を行う従来の技術としては、例えば、特開平8−
138890号公報(特許文献2)記載のプラズマ処理装置が知られている。この従来技術は、処理室の上部にマイクロ波を導入する開口部が設けてあり、下方にはウエハ保持電極が設けてある。処理室内にはプラズマと接する放電ブロックが内装されており放電ブロック内面が下方に向けて軸方向に対する角度が約10度から20度でテーパ状に拡大された形状をなし、上部内面には円周上に複数のガス放出穴が均等に設けてある。
138890号公報(特許文献2)記載のプラズマ処理装置が知られている。この従来技術は、処理室の上部にマイクロ波を導入する開口部が設けてあり、下方にはウエハ保持電極が設けてある。処理室内にはプラズマと接する放電ブロックが内装されており放電ブロック内面が下方に向けて軸方向に対する角度が約10度から20度でテーパ状に拡大された形状をなし、上部内面には円周上に複数のガス放出穴が均等に設けてある。
放電ブロック内面のテーパ形状はプラズマを均一に拡散させ被処理基板を均一処理するためのものであるが、テーパの角度は放電ブロック内でマイクロ波が進行する際に電界モードが変化または他の電界モードが増加し混入しないように緩やかな角度にしている。放電ブロックの内面には、耐プラズマ部材(例えばアルミナ,ムライト,石英等)で形成されている。
この従来技術の例の場合には、処理装置において発生する不純物や微小異物の低減に関しては耐プラズマ部材を用いることで、異物や不純物の原因となる壁材の消耗を抑えている。しかし、近年では被処理試料への重金属等不純物の混入に対する要求が次第に厳しくなり、耐プラズマ部材であるアルミナやムライトの主要元素であるアルミニウムや微量含有重金属(Fe,Mg等)の混入も無視できず耐プラズマ部材の消耗を抑えることも必要になってきた。
プラズマ生成室や処理室の壁が消耗する主な原因としては、プラズマと接触する箇所へのイオン及び電子流入によるイオンスパッタが考えられる。特許文献1及び特許文献2のような有磁場プラズマの場合には、磁場強度により調整されたECR共鳴の近傍においてプラズマが生成されるが、生成されたプラズマは磁場に拘束されながら磁力線に沿って処理領域に流れてくる。
磁場によるプラズマ内の電子及びイオンの拘束に関しては、例えば、非特許文献1、
134Pに記載されるように磁場中の荷電粒子の移動度及び拡散係数は式(1),式(2)で表される。ここで、磁場を横切る方向を添え字⊥で表し、磁力線方向は添え字無しで表す。
134Pに記載されるように磁場中の荷電粒子の移動度及び拡散係数は式(1),式(2)で表される。ここで、磁場を横切る方向を添え字⊥で表し、磁力線方向は添え字無しで表す。
磁力線方向の移動度 μ⊥=μ/(1+(ωc/ν)2) (1)
磁力線方向の拡散係数 D⊥=D/(1+(ωc/ν)2) (2)
ωc :サイクロトロン角速度 (=qB/m)
ν :中性ガスとの衝突周波数
式(1),式(2)より、磁力線を横切る方向には係数(1+(ωc/ν)2)だけ運動が抑制されることになる。一般的な有磁場プラズマ処理装置の装置パラメータとして、磁場100ガウス,ガス圧1Pa,電子温度4eVを用いて式(1),式(2)を見積もると、サイクロトロン周波数がωc=1.8×109(1/s) 、衝突周波数がν=2.4×107(1/s)となり、係数(1+(ωc/ν)2)=5200となる。したがって、本見積もりの条件においては磁力線を横切る方向には移動及び拡散が小さく、主に磁力線に沿った方向に輸送されるといえる。そのため、処理室内壁のプラズマ流入による損傷の場合には、磁力線に沿ったプラズマの流れを考慮する必要がある。
磁力線方向の拡散係数 D⊥=D/(1+(ωc/ν)2) (2)
ωc :サイクロトロン角速度 (=qB/m)
ν :中性ガスとの衝突周波数
式(1),式(2)より、磁力線を横切る方向には係数(1+(ωc/ν)2)だけ運動が抑制されることになる。一般的な有磁場プラズマ処理装置の装置パラメータとして、磁場100ガウス,ガス圧1Pa,電子温度4eVを用いて式(1),式(2)を見積もると、サイクロトロン周波数がωc=1.8×109(1/s) 、衝突周波数がν=2.4×107(1/s)となり、係数(1+(ωc/ν)2)=5200となる。したがって、本見積もりの条件においては磁力線を横切る方向には移動及び拡散が小さく、主に磁力線に沿った方向に輸送されるといえる。そのため、処理室内壁のプラズマ流入による損傷の場合には、磁力線に沿ったプラズマの流れを考慮する必要がある。
処理室の壁が損傷する別の原因としては、被処理対象の試料に印加する高周波に起因するものである。試料に高周波を印加するとこの試料の表面に形成されるシースに数10Vから数100Vの電位差が発生し、試料に入射するイオンがシースを通過するときに電界で加速エネルギーが調節され試料の表面反応が制御可能となる。
このとき、高周波電力が形成する電位差は試料前面のシースだけでなく、対向アースとしての処理室表面のシースにも電位差が発生し、加速されたイオンが壁をスパッタする。処理室の内壁側に発生する電位差は、簡単には試料と処理室壁との相対的な面積比に依存し、式(3)で表される。ここで、試料側シースの電位差をVb、試料の面積をAbとし、処理室壁側シースの電位差をVa、壁面積をAaとする。
Va/Vb= (Ab/Aa)5/2 (3)
このような知見は、以下の非特許文献2、P307に記載されている。この式(3)から、処理室壁側のシースに発生する電位差は試料と壁との面積比に反比例しており、壁面積を広く設ければ壁側電位差は低くなりイオンスパッタによる損傷を低減できることが分かる。
このような知見は、以下の非特許文献2、P307に記載されている。この式(3)から、処理室壁側のシースに発生する電位差は試料と壁との面積比に反比例しており、壁面積を広く設ければ壁側電位差は低くなりイオンスパッタによる損傷を低減できることが分かる。
また、試料に印加された高周波が磁力線を横切って処理室壁まで伝播する場合に、電子の移動が式(1)のように磁場に拘束される。そのため、高周波による電位差は、磁力線に沿った方向には電子が容易に移動することができるので電界を打ち消し電位差が小さく、磁力線を横切る方向には移動しにくいために磁力線間で電位差が大きくなりやすい。その結果、高周波が印加された被処理試料から磁力線を横切る距離が短いほど電位差が大きくなり、その部分の処理室壁のシース電圧が高くなりイオンスパッタによる損傷が大きくなる。
特許文献1の従来技術では、磁力線方向に動くイオンによるスパッタに対し考慮されているが、試料へ高周波電力による電界を印加しつつ試料を制御する場合の考慮がなされていない。また、試料に印加された高周波電力による電界は処理室内に形成される磁場の磁力線を横切る方向へは抵抗が大きいためこの磁力線に沿った方向に伝播しやすい。そのため、高周波電力に対するアースとなる部分は、試料から磁力線を横切る方向に距離の近い処理室下部の内壁表面とプラズマ発生室上端のマイクロ波導入窓外周部が主に接地電極として作用して高周波電力が流入する表面の領域となる。
そのように、高周波電力が不均一に多く流れる領域では壁の表面のシースにおけるイオン加速も強くなりイオンスパッタによる内壁の損傷が加速してしまう。また、プラズマが接する側壁(プラズマ生成室側壁)の面積が十分に確保されておらず、高周波電力が印加された場合にプラズマ生成室に形成されるシースにおいてイオンが加速されイオンスパッタによる壁損傷が増大してしまう。このため、これらの部材を交換する間隔が短縮され装置の稼働率が低下してしまうという問題が生じてしまう点について、上記従来技術では考慮されていなかった。また、本従来技術においては高密度プラズマ生成を想定しており、低密度のプラズマ処理を行おうとするとプラズマ密度が約1×1011cm-3以下になるとマイクロ波が試料室で不均一に拡散してしまい処理の効率が損なわれてしまうという問題があった。
また、特許文献2に記載の従来技術では、マイクロ波のモードを最適化するために処理室内壁をテーパ状に拡大しているので、試料に高周波電力による電界を印加した場合に、磁力線の形状とテーパ形状の側壁が平行でなく、試料から磁場を横切る距離が短い側壁位置では電位差が大きくなり局所的にイオンスパッタによる損傷が集中してしまう。また、処理室内壁をプラズマ中の活性種によるエッチングを防ぐために処理室内壁の内側に保護部材(アルミナ,ムライト,石英等)を用いているが、この場合には、試料に印加する高周波に対して保護部材が高周波伝播を阻害し側壁がアースとして十分機能しなくなるので実効的なアース面積が不足してしまい、高周波電力の印加による処理の異方性や処理速度といった性能の向上が損なわれてしまう。さらには、保護部材で保護されていない部分へのイオンスパッタによる損傷が集中してしまうといった問題について、上記従来技術では十分に考慮されていなかった。
本発明の目的は、試料への汚染及び異物混入の原因となる処理室の損傷を抑制し、稼働率の向上したプラズマ処理装置を提供することにある。
本発明は、真空容器と、真空容器内部にあってガスが供給される処理室と、該処理室内に設けられ処理対象物を保持する保持電極と、500MHz以下のUHFもしくはVHF帯の高周波を処理室内に放射するアンテナ及び放射口と、この処理室に磁場を形成する磁場コイルとを有し、アンテナと磁場コイルとに囲まれた断面が台形状の傾斜した内側壁部材が接地されていることにより上記目的を達成している。
詳細には、上記目的は、真空容器と、この真空容器内部に配置され処理用ガスが供給される処理室と、この処理室内に配置されその上面に処理対象の試料を保持する保持電極と、前記処理室内の前記保持電極の上方の空間にプラズマを形成するための電界を供給する電界供給手段及び磁界を供給するための磁界供給手段と、前記保持電極の上方の前記処理室の内側壁を構成しその内壁面が略円錐台形である接地された壁部材とを備えたプラズマ処理装置により達成される。さらに、前記壁部材の内壁面は、前記磁界供給手段から供給される磁場による磁力線に沿って傾けられていることにより達成される。
さらにまた、前記処理室の天井面を構成する板状部材の直下方でこれに隣接する前記処理室の側壁面が略円筒形状にされたことにより達成される。さらには、前記円筒形状の側壁面の高さが20mmから30mmであることにより達成される。また、前記円筒形状の側壁面の表面が耐プラズマ性材料で構成されたことにより達成される。
さらにまた、前記内側壁は前記処理室の天井面に近づくにしたがって垂直に近づくことにより達成される。さらにまた、前記処理室の前記内側壁と前記試料台と間でこの試料台の外周を囲んで配置され接地された導電体から構成されたリング状部材を備えたことにより達成される。さらにまた、前記リング状部材はその内側表面であってプラズマと接する面を前記保持電極下方に傾けて配置されたことにより達成される。
本発明は、真空容器内部にあってガスが供給される処理室内に500MHz以下のUHFもしくはVHF帯の電界を処理室内に供給する手段と、この処理室に磁場を形成するコイルと、処理室内に配置され試料が載せられて高周波電力が供給される保持電極とを備えたプラズマ処理装置において、処理室内の部材の表面の向きを磁界の向きに応じたものとなるようにしたことにより、プラズマによる損傷により発生する不純物及び異物の被処理試料への汚染を低減するものであり、このような作用・効果をプラズマ生成及びプロセス性能を損なわずに実現したものである。
以下、本発明の実施の例を図面を用いて説明する。
以下、本発明の一実施例を図1から図4を用いて説明する。図1は、本発明の実施例に係るプラズマ処理装置の構成の概略を示す縦断面図であり、特に磁場を用いて処理室内にプラズマを形成するプラズマ処理装置100を示している。
この図において、処理に用いるプラズマは、真空容器の一部である上部処理室壁部材
2aと下部処理室壁部材2bから構成される処理室1内に生成される。処理室1内部は2重構造になっておりプラズマと接する領域には、側壁カバー14aが上部処理室壁部材
2aの内側壁面に取り付けられており、下部処理室壁部材2bの内側には側壁カバー14bが取り付けられている。
2aと下部処理室壁部材2bから構成される処理室1内に生成される。処理室1内部は2重構造になっておりプラズマと接する領域には、側壁カバー14aが上部処理室壁部材
2aの内側壁面に取り付けられており、下部処理室壁部材2bの内側には側壁カバー14bが取り付けられている。
処理室1内に形成されるプラズマと接する側壁カバー14aと側壁カバー14bはアルミニウム合金等で構成されているが表面は、反応性の高いプラズマに対して耐性のある保護膜で覆われている。保護膜は、アルミニウム基材表面をアルマイト処理するか、化学的に安定な化合物(Al2O3,Y2O3,SiO2 他)をCVDや溶射することにより成膜している。さらに、処理室1を形成する上部処理室壁部材2a,下部処理室壁部材2bの壁には温度調節のためのヒータ15a,15bと冷媒パイプ(図示されていない)が取り付けてあり、電気的,熱的に接触している側壁カバー14a,14bの温調を可能にしている。
処理室1内にプラズマを生成のための電界は、プラズマ処理装置100の上部に配置された同軸線6を介して、処理室1の上方に配置されて処理室1の少なくとも一部を覆う円板状のアンテナ5に供給される。本実施例では、この電界の周波数は、500MHz以下のUHFもしくはVHF帯の範囲から所定のものに設定される。
一般のマイクロ波を用いた磁場を用いた(有磁場の)プラズマ装置では、汎用のマグネトロン発信器(周波数2.45GHz )の出力をマイクロ波導入窓から放電空間に放射し、入射されたマイクロ波はプラズマ生成室又は処理室内を伝播してECR共鳴の起こる磁場条件(875ガウス)の近傍でマイクロ波が吸収される。
共鳴の起こるECR用磁場の位置は、実際のプロセスやクリーニングの放電において重要な制御パラメータであり、試料との距離によりプロセス状態の調節手段としている。したがって、マイクロ波を用いる場合には、放電する空間内をマイクロ波が安定に伝播することを考慮した空間の形状が重要になる。また、ECRの領域では共鳴効果によってプラズマ内の電子が高エネルギーに加速されるため、ECR磁場の近傍のプラズマ生成室や処理室の側壁の損傷が顕著になる。
マイクロ波ECRを用いたプラズマ処理装置における処理室内のマイクロ波伝播の様子は実験でも観測されており、測定端子の先端に取り付けた小型の電界検出用センサを処理室内で3次元的に掃引して電界強度の空間分布を測定した結果が、論文(Japan. J. Appl.Phys. Vol.36 (1997) pp. 4617-4619 )として報告されている。これによれば、実際のエッチング処理を行う放電条件におけるプラズマ密度(電子密度:ne=1×1011cm-3以下)ではマイクロ波が処理室の最下端に位置する試料保持電極まで伝播して強電界の定在波を形成することが確認された。
処理室の損傷低減の観点からは、プラズマ生成のために投入する電界は速やかにプラズマに吸収され電力がプラズマ生成に供されることが望ましい。有磁場のプラズマを形成する場合には、電場がプラズマ内を伝播するときのプラズマによる吸収は電界の伝播特性に依存し、電界の周波数(f Hz)が低く以下の式(4)が成立する場合には電界はプラズマ内を伝播することなくECR磁場に到達するまでにプラズマに吸収される(非特許文献2P424記載)。
また、式(4)が成り立つ場合には、磁場強度がECR磁場よりも弱い領域でも伝播不可能となる。周波数2.45GHzのマイクロ波の場合には、式(4)から、電子密度7.4×1010cm-3以下では伝播可能であることを示している。このことは上述の実験結果とも良く一致している。
このことから、不要な電界の伝播を抑えるためには電磁波の周波数を低くすることが有効であり、周波数が低いほど低密度プラズマにおいてもこのような電界の伝播をおさえることが出来る。実際の処理に用いるプラズマの密度の条件は、処理の目的によって異なっており、処理室の壁近くではプラズマ密度が1/10程度に低くなるため、十分低い密度においても不必要な電界の伝播を抑えることが必要である。
電磁波周波数 f(Hz)<fpe(Hz) (4)
ここで、 fpe:プラズマ周波数 (=9000(n)1/2Hz)
n:プラズマの電子密度(cm-3)
アンテナ5に印加された電力は、処理室1の上部に取り付けた石英等の誘電体から構成された円板状の部材である誘電体窓8とその下方に配置され処理室1内に処理用のガスを供給するための複数のガス供給孔が配置された円板状の誘電体製のガス吹き板9を介して処理室1内に所定の周波数の電界が供給される。プラズマに印加される磁場は処理室1の外周または上方を囲むように取り付けられた磁場コイル7により発生される。
ここで、 fpe:プラズマ周波数 (=9000(n)1/2Hz)
n:プラズマの電子密度(cm-3)
アンテナ5に印加された電力は、処理室1の上部に取り付けた石英等の誘電体から構成された円板状の部材である誘電体窓8とその下方に配置され処理室1内に処理用のガスを供給するための複数のガス供給孔が配置された円板状の誘電体製のガス吹き板9を介して処理室1内に所定の周波数の電界が供給される。プラズマに印加される磁場は処理室1の外周または上方を囲むように取り付けられた磁場コイル7により発生される。
プラズマの生成に必要な処理用ガスは誘電体窓8とガス吹き板9との間に配置されガス供給孔と連通された空間を介してガス吹き板9に開けられた数100のガス供給孔からシャワー状に処理室1の上部に導入される。プラズマ1はガス吹き板9の直下方に位置する処理室1内の一部の空間であるプラズマ生成領域12において、アンテナ5から放射された電界がプラズマ内を伝播しながら吸収されて生成される。
処理室1の下部には被処理対象の試料であるウエハ3がウエハ保持電極4に裁置されている。ウエハ保持電極4は、ウエハ3を静電気力で吸着し保持するとともにウエハ3の温度制御を行いながら高周波電源11からの高周波電力をウエハ保持電極4内の導体製の電極部材に供給有し、これに係る電界をウエハ3に印加することでプラズマからの荷電粒子の照射エネルギーを変化させることで処理を調節している。ウエハ3に印加する高周波電源11からの高周波電力は、本実施例では数100kHzから数MHzとプラズマの生成に用いる電力よりも周波数が低くされている。
これは、高周波電力の印加は、プラズマから質量の大きなイオンを誘引してウエハ3表面の処理対象の膜を高いアスペクト比で精密にエッチングすることを目的としており、周波数が低くてもイオンを誘引できれば良いためである。一方、周波数が10MHz以上になるとプラズマ生成に印加した高周波が消費されてしまいプラズマの生成の効率ひいては処理の効率が損なわれてしまう。
プラズマ生成領域12の高さは、電波が吸収されるまでの距離に応じて設定され、これは電波の周波数に依存する。プラズマ生成のための電磁波の周波数が低くプラズマ内を伝播できない場合には、プラズマに入射された電磁波はプラズマ内で電界強度が指数関数的に減少し、一般的には表皮深さδまで電磁波はプラズマ進入し吸収される。表皮深さδは、近似的には電磁波周波数(f)が電子と中性ガスとの衝突周波数(ν)より大きい場合2πf≫νには、δ=(m/22μ0n)1/2 で表される。ここで、mは電子質量、eは素電荷、μ0は透磁率である。
プラズマの電子密度が1×1011cm-3の場合には、表皮深さδはδ=16mmとなる。このことから、電磁波はプラズマに入射し伝播し始めるが表皮深さ1.6cm 程度の距離を伝播する間にプラズマに吸収される。言い換えると、電磁波導入窓から16mm程度までは電磁波は存在し伝播しているので、導入窓から表皮深さ程度(約30mm以下)の距離までは処理室側壁の形状変化を小さくして電界の伝播に対する伝播特性の変動を抑えることが電磁波モード分布、及びプラズマ分布を乱さないためには有効である。本実施例では、プラズマ生成領域12は、略円筒形状の部材で囲まれて構成されている。特に、プラズマ生成領域12を含む処理室1の内側壁面は、処理室1天井面に近づくにしたがって垂直に近づくように構成されている。
また、上記誘電体窓8やガス吹き板9からの電界が導入される処理室1上部のプラズマは電界で電子が加速されるので高エネルギーとなっており処理室1の内壁が高エネルギーで叩かれ反応性ガスによる化学性の損傷が厳しくなる。そこで、強い電界が伝播して高いエネルギーのプラズマの存在する処理室1上部の側壁を耐プラズマ性材質(石英,Y2O3等セラミック)で保護することが有効である。
一方、石英等の耐プラズマ性材質で処理室1内表面全体を覆ってしまうと、ウエハ保持電極4に印加される高周波電力に対して処理室1内壁のアース電極としての機能が低下してしまうので、耐プラズマ性材質で覆うべき内壁面積は狭い方が良い。本実施例では、プラズマ生成のための電力の周波数を500MHz以下に低くすることで電界の伝播が処理室1上部に限定され、高エネルギー電子に対して内壁を保護する領域もガス吹き板9直下方の処理室1上部の側壁の長さ30mm程度で良く、ウエハ3に印加される高周波電力に対するアース面積の低減が低減されている。
本実施例のプラズマ生成領域12の高さは、電磁波が吸収されるまでの距離であり略
30mmである。プラズマ生成領域12では、プラズマ生成用の電界の電界強度が強く電子エネルギーが高いため、高エネルギー電子と接触する側壁カバー14aの最上部の円筒状の部分上端から20mm乃至30mmを耐プラズマ材17で保護した。耐プラズマ材17は、交換部品として厚さ数mmの石英等の化学的に安定な材質のリング、又は側壁カバー14aに溶射等により厚さ略200μmの保護膜を配置し、さらに耐プラズマ材17の部分だけさらに厚く形成してもよい。
30mmである。プラズマ生成領域12では、プラズマ生成用の電界の電界強度が強く電子エネルギーが高いため、高エネルギー電子と接触する側壁カバー14aの最上部の円筒状の部分上端から20mm乃至30mmを耐プラズマ材17で保護した。耐プラズマ材17は、交換部品として厚さ数mmの石英等の化学的に安定な材質のリング、又は側壁カバー14aに溶射等により厚さ略200μmの保護膜を配置し、さらに耐プラズマ材17の部分だけさらに厚く形成してもよい。
また、本実施例では、磁場コイル7により生じる磁場の磁力線13の形状は、処理室1の天井部から下方に向かって磁力線13が次第に発散する形状となるように、処理室1天井部で生成されるプラズマ1をこの磁力線13に沿って安定に拡大しながら下方のウエハ3まで拡散させる。このとき側壁カバー14a内側表面の形状と磁力線13の向きとを略平行に配置することによって、この磁力線13に沿ったプラズマの流れを乱すことが抑制され処理が安定化される。
ここで、ウエハ3に印加された高周波の伝播の挙動について、図2を用いて説明する。図2は、図1に示す実施例に係るプラズマ処理装置の処理室内の磁場および高周波電力による電界の状態を模式的に示す縦断面図である。
有磁場のプラズマの場合には、プラズマ生成領域12で主に生成されたプラズマは磁力線13に拘束されながらこれに沿う方向に下方に移動,拡散する。このときの磁力線による拘束の程度は上記式(1),(2)で評価でき、標準的なプラズマパラメータに対して100ガウスの磁場でも磁力線方向に対して磁力線13を横切る方向には移動度及び拡散係数が1/5200に抑えられる。
ウエハ3に印加された数100kHz程度の高周波電力に対しても同様に、高周波電力による電流は接地されたアースとして機能する側壁カバー14a及びリングアース16に向かって流れる。ウエハ3からのこのような電流21は、磁力線13を横切る方向へ流れる電流22と磁力線13に沿った方向に流れる電流23とを含んでいるが、磁力線13に沿った方向に流れる電流23は、磁力線13による拘束もなく低インピーダンスで流れるためその量は大きいのに対して、磁力線を横切る電流22は小さくなる。
そのため、高周波電力に起因するプラズマ内の電位差は磁力線方向には小さいが、磁力線を横切る方向には大きな電位差が発生する。したがって、接地された側壁カバー14aと磁力線13を平行に近付けることで、側壁カバー14aとプラズマ間の高周波による電位差は側壁カバー14a上の箇所による差異が小さくできイオンによるスパッタリングや削れがそのプラズマに面した表面の全体に分散される。
仮に、側壁カバー14aのプラズマに面した円錐台形の内側表面と磁力線13(による等磁面)とが交差していると、ウエハ3に近い磁力線13と交差する側壁カバー14aにおける高周波電力による電位差が大きくなり、イオンスパッタによる損傷がその箇所で加速され部品の寿命を短くしてしまう。一方で、側壁カバー14aは、高周波に対するアースとして機能させるためにアルミニウム等の基材表面の保護膜を厚くすることができない。保護膜としては厚さ数10μmのアルマイト膜や厚さ数100μmの耐プラズマ性セラミック溶射膜であるので、イオンスパッタが集中すると基材が露出し処理雰囲気に基材物質及び基材に含まれる添加重金属が汚染物質として放出される。また、保護膜に含まれる微量重金属が汚染源となってしまう。
本実施例では、このような問題点を側壁カバー14a内側表面の形状と磁力線13の向きとを略平行に配置することによって、この磁力線13に沿ったプラズマの流れを乱すことを抑制している。
処理室1内の清掃または消耗部品の交換等の場合には、処理室1内部を大気開放して大気圧と同等の圧力にした後、上部処理室壁部材2a,下部処理室壁部材2bとが各々の上下端部で接続される部分において分離可能に構成され、上部処理室壁部材2a及びこれの内側に配置されてこれに保持された側壁カバー14aとこれの上方に位置する誘電体窓8等を一体で上昇させることで、処理室1の内部にアクセス可能となる。また、アンテナ5を保守,点検や調整する場合には、磁場コイル7及びアンテナ5を同時に、あるいは磁場コイル7のみを図示しない起重装置等の上下移動手段で上昇させることができる。
また、ウエハ保持電極4の外周側であって上部処理室壁部材2aまたは下部処理室壁部材2bとの間の空間であって、プラズマ,処理用ガスや処理に応じて形成された反応生成物等が下方に排気される通路である空間には、接地されたリング状の導電製部材から構成されるリングアース16が設置されており、ウエハ保持電極4に供給される高周波電力に対しての接地電極として作用する。このリングアース16について図3及び図4を用いて説明する。
リングアース16は、ウエハ保持電極4下方に位置した処理室1全体の排気口20の引き口に近くに配置され、高周波電力によるイオンスパッタリングによる生成物が直接排気されやすくウエハ3の汚染が低減されている。また、リングアース16の表面は耐プラズマ性材質の保護膜で保護されている。
図3は、図1に示す実施例に係るリングアースの構成の概略を示す縦断面図である。この図においてリングアース16は、アルミニウム等の導電性を有する材質から成る部材から構成されており、その表面は耐プラズマ材であるアルマイト処理又はイットリア等の耐プラズマセラミック等が溶射されて皮膜が配置されている。リングアース16は、接地電極としての効果を大きくするためにプラズマと接する面積が広く、排気コンダクタンスを低下させにくいことを考慮して、ウエハ保持電極4のウエハ3の載置面の下方でこれの外周側を囲む高さの小さい複数の円筒状部材を連結して構成されている。
一方、リングアース16の形状は、円筒形状に限られておらず任意であり、テーパ形状や短冊形状を周方向に多数配置しても良い。また、リングアース16はウエハ保持電極4の下部と連結されて支持された梁状の導電性部材32と金属ネジ等を用いて電気的導通が維持しつつ接続されて支持されている。これにより、ウエハ保持電極4下部に配置された接地導体36部を介して接地されている。この実施例ではウエハ保持電極4の接地導体
36に連結されているが、上部処理室壁部材2aまたは下部処理室壁部材2bの一部である接地された処理室側壁31と連結されこれを介してリングアース16を接地しても良い。
36に連結されているが、上部処理室壁部材2aまたは下部処理室壁部材2bの一部である接地された処理室側壁31と連結されこれを介してリングアース16を接地しても良い。
リングアース16を設置する角度(円筒状部材の側壁の向き)及び長さについて図4を用いて説明する。図4は、図3に示すリングアースの配置を拡大して模式的に示す図である。
処理室1上部で生成されたプラズマは磁力線に拘束され下方のリングアース16に拡散してくるので、リングアース16のプラズマが拡散し流入する側に位置する面のプラズマ密度が高くなりこの面上にシースが形成される。ウエハ3に印加された高周波電力による電界も高密度プラズマの接するシース側から高周波の電流が流入する。
図4に示す模式図において、リングアース16の複数の円筒状部材41a,41bは、図上右側である処理室1の中心側に配置されたウエハ保持電極4に対して上方が下方より近接するようにプラズマが流入する側の面が処理室1の中心側に所定の角度θで前傾して配置されるとともに、図上右上から左下側に向かう磁力線45に対して異なる所定の角度で交わるように配置されている。磁力線の向きに沿うように拡散して処理室1の下方外周側に向かって移動するプラズマに面する円筒状部材41a,41bの表面、本図では円筒状部材41a,41bの矩形上の断面の図上右側及び上面に各シース42a,42bが形成される。
このとき、これらシース42a,42bには電界の周波数に応じた電位差が形成され、シース42a,42bの電界の電位差によりプラズマ中のイオンが加速されて円筒状部材41a,41b表面と衝突してスパッタリングされる。この際、円筒状部材41a,41b表面に垂直で水平方向について角度θとなるスパッタ方向43を中心とした方向に生成物が放出される。
このような生成物に起因してウエハ3に異物が付着したり、より上方のプラズマ内に生成物が拡散してプラズマ内の物質の分布やひいては処理に悪影響が及ぼされることを抑制する上で、アースリング16の円筒状部材41a,41bのプラズマが入射する内周側の表面を処理室1内の排気の方向、あるいは下方の排気口20の方向に傾斜角44(θ)だけ傾けることで、スパッタ方向43を排気口20方向に向かわせて生成物が排気され易くされている。
但し、傾斜角44が処理室1の下方に向かうにつれて外周側に向かう磁力線45の傾斜角46(θm)に近似した値となると、断面板状の円筒状部材41a,41bと磁力線
45とが並行に近くなり磁力線45に対して円筒状部材41a,41bが曝される面積が小さくなりプラズマに対する接地電極としての面積が小さくなってしまいプラズマの電位が不安定化して処理に悪影響が及んでしまう。このことから、本実施例では、傾斜角44(θ)は水平に対して0度から傾斜角46(θm)の範囲に設定される。このような構成により、円筒状部材41a,41bのプラズマに曝される面が磁力線45の等磁力面と交差することになり、プラズマに接して接地電極となる面積を確保できる。
45とが並行に近くなり磁力線45に対して円筒状部材41a,41bが曝される面積が小さくなりプラズマに対する接地電極としての面積が小さくなってしまいプラズマの電位が不安定化して処理に悪影響が及んでしまう。このことから、本実施例では、傾斜角44(θ)は水平に対して0度から傾斜角46(θm)の範囲に設定される。このような構成により、円筒状部材41a,41bのプラズマに曝される面が磁力線45の等磁力面と交差することになり、プラズマに接して接地電極となる面積を確保できる。
また、円筒状部材41a,41bはプラズマに対して接地されたアースとしての機能の他に、プラズマが不必要に排気側に拡散することを抑制する作用を奏している。リングアース41a,41bは処理室1内のプラズマや生成物が下方に拡散して排気される経路の途中に位置するので、排気の効率を必要以上に低減しないような形状であることが必要である。
有磁場によるプラズマの場合には、図4に示すようにプラズマの流れが磁力線45に沿っているため、磁力線45がアースとしての円筒状部材41a,41bのプラズマと接する面と交差する最小のアース長さ及び位置,形状を構成することでプラズマが下方に流れることを防げる。
上記実施例では、プラズマを形成するために供給される電力の周波数を500MHz以下のUHFまたはVHF帯の範囲にすることにより、従来の技術と比較して約1/20の低密度である3×109cm-3 以下まで電界の伝播を抑えられ、高いガス圧の条件において、処理室1の周辺部のプラズマの領域(密度約3×109cm-3 )でも不必要な電界が伝播することなく効率よくプラズマに吸収される。そのため、プラズマ内に周辺部の電界が伝播することによる処理室1プラズマに面する壁部材の消耗を低減することができる。
また、処理室1上部で生成されたプラズマは磁場コイル7による磁力線13に沿って下方に輸送されるので、処理室1のプラズマに面する側壁の形状を磁力線と平行にすることによってプラズマの流れが阻害されること防ぐばかりでなく、接地されたこの側壁の部材の特定の箇所にプラズマ中の荷電粒子が集中して局所的にこの箇所の部材が削られたり異物が生じたりすることが抑制され、部材の交換の間隔が長期化できプラズマ処理装置の稼働効率が向上する。
さらに、ウエハ3に高周波電力による電界を印加しつつ処理を行う場合には、ウエハ3の上方に位置して処理室1内に配置されプラズマに面し内壁を構成する磁力線13と略平行にすることにより、高周波電力に対するアースとして作用させる処理室1の壁部材の表面への高周波電流の流入が一様になる。その結果、プラズマに面した処理室1の内壁表面に形成される高周波電力によるシースの電圧が平坦化され、イオンスパッタリングによる壁部材の損傷の影響が分散され均一化されるので、処理室1内壁の交換寿命を延ばすことが可能となる。
また、大面積のウエハ3に対して低密度まで安定にプラズマ生成を行うために、処理室1の最上部に配置された略円筒形状の部材で囲まれたプラズマ生成領域12で高密度で安定にプラズマを生成し、生成された高密度プラズマが磁場コイルによる磁界により処理室1下方に安定に拡散される。プラズマ生成領域12である処理室1天井面部材の近傍である直下方の側壁形状を垂直に近似させて断面形状の変化を抑制したことで、供給される電界の乱れが抑制されて安定してプラズマが生成される。さらに、処理室1の天井部から下方に向かって処理室1の内径を次第に拡大するように側壁部材上部処理室壁部材2aあるいは側壁カバー14aの内側壁を円錐台形状にすることによってプラズマを安定に拡散させ異物の局所的な発生の低減とも相まって、下方のウエハ3の処理が均一化,安定化される。
また、処理室1形状を円錐台形にすることで処理室1下方におけるウエハ3と側壁カバー14aあるいは上部処理室壁部材2aまたは下部処理室壁部材2bとの間の空間が拡大され排気コンダクタンスが向上するので、処理室1の内側壁から不純物や異物が発生したときにもこれらが排気され易くなり、ウエハ3への汚染が低減する。
また、処理室1下部のウエハ3と側壁との間の空間に、ウエハ3からの距離が一定となるようにウエハ保持電極4の外周を囲む位置に略円筒形状(リング状)の接地された電極をもうけることで、ウエハ3に印加される高周波電界に対するアース電極として機能させ、処理室1の側壁も含めた全アース面積を拡大して、アース電極のシース電位差が低くなりイオンスパッタによる側壁の損傷が低減される。
また、ウエハ3の近傍に配置された接地電極は、高周波電力の印加されるウエハ3から相対的に距離が近く高周波電力が流れ込み易くされイオンスパッタリングの影響を受け易くされるが、その配置位置がウエハ3よりも下側で処理室1の排気方向の下流に位置しているため、ウエハ3への汚染が抑えられる。更には、接地電極の表面をプラズマを拡散する磁力線の等磁面と交差するとともにプラズマと当たる面を下方の排気口20側に傾斜させることにより、接地電極の表面からスパッタリングされて放出される物質が排気され易くされウエハ3を汚染することが抑えられる。
1 処理室
2a 上部処理室壁部材
2b 下部処理室壁部材
3 ウエハ
5 アンテナ
7 磁場コイル
8 誘電体窓
9 ガス吹き板
11 高周波電源
12 プラズマ生成領域
13 磁力線
14a,14b 側壁カバー
16 リングアース
17 耐プラズマ材
2a 上部処理室壁部材
2b 下部処理室壁部材
3 ウエハ
5 アンテナ
7 磁場コイル
8 誘電体窓
9 ガス吹き板
11 高周波電源
12 プラズマ生成領域
13 磁力線
14a,14b 側壁カバー
16 リングアース
17 耐プラズマ材
Claims (8)
- 真空容器と、この真空容器内部に配置され処理用ガスが供給される処理室と、この処理室内に配置されその上面に処理対象の試料を保持する保持電極と、前記処理室内の前記保持電極の上方の空間にプラズマを形成するための電界を供給する電界供給手段及び磁界を供給するための磁界供給手段と、前記保持電極の上方の前記処理室の内側壁を構成しその内壁面が略円錐台形である接地された壁部材とを備えたプラズマ処理装置。
- 前記壁部材の内壁面は、前記磁界供給手段から供給される磁場による磁力線に沿って傾けられている請求項1に記載のプラズマ処理装置。
- 前記処理室の天井面を構成する板状部材の直下方でこれに隣接する前記処理室の側壁面が略円筒形状にされた請求項1または2に記載のプラズマ処理装置。
- 前記円筒形状の側壁面の高さが20mmから30mmである請求項3に記載のプラズマ処理装置。
- 前記円筒形状の側壁面の表面が耐プラズマ性材料で構成された請求項3または4に記載のプラズマ処理装置。
- 請求項1記載の前記内側壁は前記処理室の天井面に近づくにしたがって垂直に近づく請求項1ないし5に記載のプラズマ処理装置。
- 前記処理室の前記内側壁と前記試料台との間でこの試料台の外周を囲んで配置され接地された導電体から構成されたリング状部材を備えた請求項1乃至6に記載のプラズマ処理装置。
- 前記リング状部材はその内側表面であってプラズマと接する面を前記保持電極下方に傾けて配置された請求項7に記載のプラズマ処理装置。
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