JP2013227684A - 織物および繊維製品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】総繊度が35dtex以下のポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメントを用いて、目付けが70g/m2以下かつ通気度が3cc/cm2・sec以下の織物であり、好ましくは、ポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメントの総繊度が25dtex以下、単糸繊度が1.4dtex以下、カバーファクターCFが1500〜2800の範囲であり、好ましくはリップストップタフタ組織を有する織物。
【選択図】なし
Description
しかしながら、織物を軽量かつ低通気度とすると、風合いが硬くなるという問題があった。特に通気度を下げるためにカレンダー加工を施すと、さらに風合いが硬くなるという問題があった。
CF=(DWp/1.1)1/2×MWp+(DWf/1.1)1/2×MWf
ただし、DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)である。
また、本発明によれば、前記の織物を用いてなる繊維製品が提供される。
まず、本発明の織物は目付けが70g/m2以下(より好ましくは60g/m2以下、さらに好ましくは5〜57g/m2)かつ通気度が3cc/cm2・sec以下(より好ましくは1cc/cm2・sec以下、さらに好ましくは0.1〜0.91cc/cm2・sec)の織物である。
また、本発明の織物には、総繊度が35dtex以下のポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメントが含まれる。
また、ポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメントを構成するフィラメント(単繊維)は、ポリトリメチレンテレフタレート単独成分で形成されていてもよいし、ポリトリメチレンテレフタレートを一成分とするサイドバイサイド型または芯鞘型の複合繊維でもよい。その際、相手方成分としては、ポリトリメチレンテレフタレートやポリエチレンテレフタレートなどが例示される。
前記ポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメントにおいて、単糸繊度としては、ソフトな風合いを有する織物を得る上で1.4dtex以下(より好ましくは1.1dtex以下、特に好ましくは0.001〜1.0dtex)であることが好ましい。
前記ポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメントの形態は長繊維(繊維が長手方向に連続する糸条)であれば特に限定されず、撚糸、仮撚捲縮加工、空気加工(インターレース加工、タスラン加工(登録商標))が施されていてもさしつかえない。
CF=(DWp/1.1)1/2×MWp+(DWf/1.1)1/2×MWf
ただし、DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)である。
本発明の織物において、織物組織として特に限定はされないが、平織、綾織、朱子織等の三原組織、変化組織、たて二重織、よこ二重織等の片二重組織、たてビロードなどが例示される。層数も単層でもよいし、2層以上の多層でもよい。
さらには、本発明の目的が損なわれない範囲内であれば、撥水加工の前または後において、常法のアルカリ減量加工、染色仕上げ加工、起毛加工、制電加工、紫外線遮蔽あるいは抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。
かくして得られた織物は軽量かつ低通気度であり、総繊度が35dtex以下のポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメントを用いているのでソフトな風合いを有する。さらには、織物組織として前記のリップストップタフタ組織を有している場合は優れた引裂き強力を有する。その際、織物の引裂強力としては経方向および/または緯方向(好ましくは経方向および緯方向)において7N以上(より好ましくは7〜20N)であることが好ましい。
(1)固有粘度
オルソ−クロルフェノールに溶解し、ウベローデ粘度管を用い、35℃で測定した。
(2)通気度
JIS L1096 6.27.1A法(フラジール法)により通気度(cc/cm2・sec)を測定した。
(3)目付け
JIS L1096 6.4.1により目付け(g/m2)を測定した。
(4)カバーファクターCF
下記式によりカバーファクターCFを算出した。
CF=(DWp/1.1)1/2×MWp+(DWf/1.1)1/2×MWf
ただし、DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)である
(5)引裂強力
JIS1096 D法により、織物の経方向と緯方向について引裂強力を測定した。
(6)風合い
試験者3名により、織物の風合いを「非常にソフトである。」「ソフトである。」「硬い。」の3段階に評価した。
固有粘度が1.025のポリトリメチレンテレフタレートを常法により乾燥して水分を50ppmにした後、265℃で溶融させ、紡糸口金を通して押出した。押出された溶融吐出糸条は速度2525m/分の第一ロール及び速度2525m/分の第二ロールを介して引取り、次いで速度2500m/分の巻取機で巻き取った。得られた未延伸糸は、延伸温度60℃、セット温度(プレートヒーター)130℃、延伸倍率1.8倍(DRMAXの0.82倍)、オーバーフィード率5.6%、巻取速度500m/分の条件で一段延伸して総繊度22dtex/24filのポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメント(単繊維断面形状が丸断面の延伸糸)を得た。
次いで、前記ポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメントを、経糸に2本引揃え糸:単独糸=2:14の本数比で配し、前記ポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメントを、緯糸に単独糸:2本引揃え糸=14:2の本数比で配して、通常のウオータージェットルーム織機を使用してリップストップタフタ組織の織物を織成して、経密度182本/2.54cm、緯密度163本/2.54cmの織物を得た。
そして、該織物に通常の染色仕上げ加工を行い、通常の撥水加工を行った後、カレンダー加工を行い、経密度202本/2.54cm、緯密度184本/2.54cmの織物を得た。
得られた織物は、カバーファクターCFが1726で、引裂強力が経8.5N、緯8.3N、通気度は0.5cc/cm2・sec、目付けが39g/m2であり、格子柄の大きさが経緯とも2mm、風合いが非常にソフトなものであった。
次いで、該織物を用いて衣料を得て着用したところ、軽量かつ低通気度でソフトな風合いを有するものであった。
実施例1と同様にして、総繊度56dtex/36filのポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメント(単繊維断面形状が丸断面の延伸糸)を得た。
次いで、実施例1において、緯糸に配した、総繊度22dtex/24filのポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメントの2本引揃え糸にかえて、総繊度56dtex/36filのポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメントを用いること以外は実施例1と同様にした。
得られた織物は、カバーファクターCFが1805で、引裂強力が経8.6N、緯9.1N、通気度は0.6cc/cm2・sec、目付けが41g/m2であり、格子柄の大きさが経緯とも2mm、風合いが非常にソフトなものであった。
次いで、該織物を用いて衣料を得て着用したところ、軽量かつ低通気度でソフトな風合いを有するものであった。
実施例1と同様にして、総繊度33dtex/36filのポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメント(単繊維断面形状が丸断面の延伸糸)を得た。
次いで、この総繊度33dtex/36filのポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメントを経糸および緯糸に全量配して平組織にて製織し、経密度185本/2.54cm、緯密度136本/2.54cmの織物を得たこと以外は実施例1と同様に実施した。
得られた織物は、カバーファクターCF1988がで、引裂強力が経9.7N、緯9.5N、通気度は0.8cc/cm2・sec、目付けが56g/m2であり、風合いが非常にソフトなものであった。
次いで、該織物を用いて衣料を得て着用したところ、軽量かつ低通気度でソフトな風合いを有するものであった。
実施例1と同様にして、総繊度44dtex/36filのポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメント(単繊維断面形状が丸断面の延伸糸)を得た。
次いで、実施例1において、総繊度22dtex/24filのポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメントにかえてこの総繊度44dtex/36filのポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメントを用い、仕上後のカバーファクターCFが実施例1と同程度になるように経密度144本/2.54cm、緯密度128本/2.54cmの織物を得たこと以外は実施例1と同様に実施した。
得られた織物は、カバーファクターCFが1737で、引裂強力が経12.2N、緯11.2N、通気度は0.4cc/cm2・sec、格子柄の大きさ経緯とも3mmであったが、目付が74g/m2と重く、風合いが硬いものであった。
次いで、該織物を用いて衣料を得て着用したところ、重く硬いものであった。
実施例1において、総繊度22dtex/24filのポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメントにかえて、常法により紡糸・延伸して得られた総繊度22dtex/12filのポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントを用いたこと以外は実施例1と同様に実施した。
得られた織物は、カバーファクターCFが1735で、引裂強力が経9.4N、緯9.2N、通気度は0.4cc/cm2・sec、目付けが40g/m2、格子柄の大きさが経緯とも2mmであったが、風合いが硬いものであった。
次いで、該織物を用いて衣料を得て着用したところ、軽量性は有するものの風合いが硬いものであった。
Claims (9)
- 目付けが70g/m2以下かつ通気度が3cc/cm2・sec以下の織物であって、総繊度が35dtex以下のポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメントを含むことを特徴とする織物。
- 織物にカレンダー加工が施されている、請求項1に記載の織物。
- 前記ポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメントの総繊度が25dtex以下である、請求項1または請求項2に記載の織物。
- 前記ポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメントの単糸繊度が1.4dtex以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の織物。
- 下記式で表されるカバーファクターCFが1500〜2800の範囲である、請求項1〜4のいずれかに記載の織物。
CF=(DWp/1.1)1/2×MWp+(DWf/1.1)1/2×MWf
ただし、DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)である。 - 織物の密度が経緯ともに150本/2.54cm以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の織物。
- 格子柄の大きさが6mm以下であるリップストップタフタ組織を有する、請求項1〜6のいずれかに記載の織物。
- 織物に撥水加工が施されている、請求項1〜7のいずれかに記載の織物。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の織物を用いてなる繊維製品。
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