JP2013227646A - 耐食性などに優れた亜鉛系めっき鋼板用の表面処理剤および該表面処理剤で被覆された亜鉛系めっき鋼板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 亜鉛系めっき鋼板に、耐食性、耐劣化燃料性および接着剤との接着性に優れたおよび接着剤との接着性に優れたおよび接着剤との接着性に優れたに優れた表面処理膜を形成するための表面処理剤であって、水溶性の多価金属リン酸塩化合物と、無機系チタン化合物と、有機系チタン化合物とを含んでなることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板の表面処理剤。
【選択図】 なし
Description
該表面処理剤によって形成される被膜で被覆された亜鉛系めっき鋼板(以下、単に表面処理鋼板ということがある)が燃料タンク用として使用可能な物性、特に加工後の耐食性および耐劣化燃料性に優れた物性を有する鋼板となる表面処理剤を提供することにある。さらにまた、本表面処理剤の被膜で被覆された鋼板を燃料タンク用のかしめ加工に供する場合、表面処理鋼板と表面処理鋼板の間に使用する接着剤との接着性に優れた処理剤を提供することにある。
また本発明は、さらに、コロイダルシリカを含むことを特徴とする。
また本発明は、バナジウム化合物が、バナジン酸もしくはその塩であることを特徴とする。
また本発明は、前記キレート剤が、ホスホン酸系キレート剤であることを特徴とする。
チタンアシレート化合物としては、Ti(OCOR1)n(OR2)4−nで表される化合物を挙げることができる。ここでR1およびR2はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜20のアルキル基であり、nは1〜4の整数である。また好ましいチタンアシレートは、前記式において、R1が炭素数8〜18のアルキル基であり、R2が水素原子または炭素数3〜4のアルキル基である化合物が挙げられる。
電気亜鉛−ニッケル合金めっき(片面当たりめっき付着量20g/m2)の片面のめっき面に、以下の組成からなる表面処理剤をスピンコータで塗布し、100℃で焼き付け、塗布量が500mg/m2の被膜を形成し、試験片を作成した。加工後の耐食性、耐劣化燃料性および接着性の評価は下記の方法で行った。
(多価金属リン酸塩):第一リン酸アルミニウム8.75%
(無機系チタン):チタンフッ化水素酸(森田化学工業社製)1.6%
(チタンアルコキシド):テトラ−n−ブトキシチタン(マツモトファインケミカル社製、TA−25)1.0%
(チタンキレート):ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン(マツモトファインケミカル社製、TC−100)0.75%
(バナジウム化合物):メタバナジン酸アンモニウム(太陽鉱工社製)
(キレート剤):1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(デイクエスト2010(登録商標)、サーモフォスジャパン社製)4.2%
塗布面を内面側にして、プランク径100mmΦ、ポンチ径50mmΦ、絞り速度100mm/minで、一般防錆油を塗布して絞り成形を施し、耐食性を評価した。SSTに関しては、120時間での白錆発生率(白錆発生面積率)で評価した。
白錆発生面積率 5%未満 ◎
5%〜20%未満 ○
20%以上 ×
塗布面が内面側にして、プランク径100mmΦ、ポンチ径50mmΦ、絞り速度100mm/min、絞り高さ25mmでカップ絞り成形を行った。このカップに300ppm濃度のギ酸水溶液3ccをガソリンに添加した模擬劣化ガソリンを入れて密閉し、45℃で120時間保持した。評価は腐食生成物の面積率で行った。
腐食生成物の面積率 5%未満 ◎
5%〜10%未満 ○
10%以上 ×
被覆処理した前記試験片2枚のうち、一方の試験片の被覆処理面にフェノール系の構造用接着剤(商品名:JA−7433、住友スリーエム株式会社製)を厚さ0.15mmに塗布し、もう一方の試験片の被覆処理面を重ね合わせて接着した。この状態の試験片を室温で3時間放置した後、160℃のオーブンに入れ30分間保持し、さらに室温にて12時間以上放置し接着させた。
その後、オートグラフにて引張剪断力を測定し、剪断力の値で接着性の評価をした。
剪断力 200kg/cm2以上 ◎
180〜200kg/cm2 ○
180kg/cm2未満 ×
結果を表2に示す。
表1に示す組成からなる表面処理剤を用い、実施例1と全く同様にして試験片を作成し、評価した。結果は表2に示す。
なお、実施例8では、コロイダルシリカとして、スノーテックスO(商品名、日産化学工業株式会社製)を使用した。
表1に示す組成からなる表面処理剤を用い、実施例1と全く同様にして試験片を作成し、加工後の耐食性、耐劣化燃料性および接着性を評価した。結果は表2に示す。
Claims (12)
- 表面処理により加工後の耐食性、耐劣化燃料性および接着剤との接着性に優れた亜鉛系めっき鋼板を得るための表面処理剤であって、水溶性の多価金属リン酸塩化合物と、無機系チタン化合物と、有機系チタン化合物とを含んでなることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板の表面処理剤。
- 前記多価金属リン酸塩化合物が、第一リン酸アルミニウムおよび第一リン酸マグネシウムのうちの少なくとも一方であることを特徴とする請求項1記載の亜鉛系めっき鋼板の表面処理剤。
- 無機系チタン化合物が、ヘキサフルオロチタン酸もしくはその塩であることを特徴とする請求項1または2に記載の亜鉛系めっき鋼板の表面処理剤。
- 有機系チタン化合物が、チタンアルコキシド、チタンキレートおよびチタンアシレートから選択される少なくとも1種のチタン化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の亜鉛系めっき鋼板の表面処理剤。
- 無機系チタン化合物が、ヘキサフルオロチタン酸もしくはその塩であり、有機系チタン化合物がチタンアルコキシドおよびチタンキレートである請求項1記載の亜鉛系めっき鋼板の表面処理剤。
- さらに、コロイダルシリカを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の亜鉛系めっき鋼板の表面処理剤。
- さらに、バナジウム化合物を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の亜鉛系めっき鋼板の表面処理剤。
- バナジウム化合物が、バナジン酸もしくはその塩であることを特徴とする請求項7記載の亜鉛系めっき鋼板の表面処理剤。
- さらにキレート剤を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の亜鉛系めっき鋼板の表面処理剤。
- キレート剤が、ホスホン酸系キレート剤であることを特徴とする請求項9記載の亜鉛系めっき鋼板の表面処理剤。
- ホスホン酸系キレート剤が1−ヒドロキシエチリデンー1,1−ジホスホン酸であることを特徴とする請求項10記載の亜鉛系めっき鋼板の表面処理剤。
- 請求項1〜11のいずれか1つに記載の表面処理剤を亜鉛めっき鋼板の表面に塗布した後、焼き付けして形成される被膜で被覆されてなることを特徴とする耐食性、耐劣化燃料性および接着剤との接着性に優れた亜鉛系めっき鋼板。
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