本発明の樹脂組成物に含有されるビフェニル骨格を有する化合物(A)は、ビフェノールまたはフェニルフェノールを公知の方法で得ることができる。好ましくはフェニルフェノールとアルキレンオキサイドの脱水縮合反応させ得られる化合物であり、特に好ましくはo−フェニルフェノールとエチレンオキサイドの反応物である。また、エチレンオキサイドの繰り返し数n=0〜2の純度が90%以上の化合物が好ましく、98%以上の化合物が特に好ましい。さらに好ましくはエチレンオキサイドの繰り返し数n=1の純度が98%以上の化合物である。原料となるo−フェニルフェノール、p−フェニルフェノールは、市販品として容易に入手することができ、三光(株)製O−PP、P−PPが挙げられる。また、市販品としても三洋化成工業(株)、明成化学工業(株)、東京化成(株)等から容易に入手可能である。本発明の成分(A)の含有量はアクリレート化合物である成分(C)+成分(D)の総量100質量部に対して、1〜40質量部であり、好ましくは5〜20質量部である。
本発明の樹脂組成物に含有される光重合開始剤(B)としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]等のアセトフェノン類;2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド、4,4'−ビスメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキシド等のホスフィンオキサイド類等を挙げることができる。好ましくは、アセトフェノン類であり、さらに好ましくは2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトンを挙げることができる。本発明の成分(B)の含有量は成分(C)+成分(D)の総量100質量部に対して、0.1〜15質量部であり、好ましくは1〜5質量部である。なお、本発明の樹脂組成物においては、光重合開始剤(B)は単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
本発明の樹脂組成物に含有されるビフェニル型エポキシ(メタ)アクリレート(C)は、反応それ自体は公知の方法、例えば、特公昭44−31472号公報、特公昭45−1465号公報に記載の方法に従って得ることができる。即ち、一般式(3)で表されるエポキシ樹脂とアクリル酸、メタクリル酸または両者の混合物とを反応させることにより得られる。エポキシ樹脂に対するアクリル酸、メタクリル酸または両者の混合物の使用量は、特に制限されるものではないが、好ましくは、該エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対してアクリル酸、メタクリル酸または両者の混合物を0.1〜5当量であり、好ましくは0.3〜3当量である。反応時には反応を促進させる目的で、触媒を用いることが好ましい。
また、反応中の重合を防止する為に、重合禁止剤を使用することが好ましい。また、本発明では、得られたビフェニル型エポキシ(メタ)アクリレートを公知の方法によりカルボン酸変性させた化合物が好適に用いられる。本発明の成分(C)の含有量は成分(C)+成分(D)を100質量部とした場合に、成分(C)の含有量は5〜40質量部であり、好ましくは10〜25質量部である。
本発明に好適なエポキシ樹脂としては、日本化薬(株)製NC−3000、NC−3000L、NC−3000H、NC−3000S、NC−3000−FH−75M等が挙げられる。本発明では、エポキシ当量が200〜400g/eqのエポキシ樹脂が好適に用いられる。
反応時に使用する触媒の具体例としては、例えば、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ジメチルアニリン、メチルトリエチルアンモニウムクロリド、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチル水酸化アンモニウム、トリフェニルスチビン、トリフェニルホスフィン、水酸化カリウム等を例示することができる。該触媒の使用量は、反応原料混合物に対して、好ましくは、0.1〜10質量%、より好ましくは、0.3〜5質量%である。
反応中の重合を防止する為に使用する重合禁止剤としては、例えば、メトキノン、ハイドロキノン、フェノチアジン等を例示することができる。この際重合禁止剤の使用量は原料混合物に対して、好ましくは、0.01〜3質量%、より好ましくは、0.05〜0.5質量%である。
反応温度は、触媒により異なるが、例示したエポキシ樹脂と、アクリル酸またはメタクリル酸との反応が進行し、かつ原料、反応中間体および生成物の熱重合が起こらない温度が好ましく、より好ましくは、60〜150℃であり、特に80〜130℃の反応温度が好ましい。反応時間は反応温度にも依存するが、好ましくは、2〜80時間であり、より好ましくは、3〜50時間である。反応終了後は、余剰の(メタ)アクリル酸、希釈剤等を留去等の方法で除去しても良いし、これらを除去することなく使用しても差し支えない。
次に本発明の酸変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂について説明する。本発明の酸変性エポキシアクリレート樹脂は、一般式(3)で表されるエポキシ樹脂と、アクリル酸またはメタクリル酸より選ばれる少なくとも1種とから得られる上記エポキシ(メタ)アクリレート樹脂を、カルボン酸またはその無水物と反応させることにより製造される。該カルボン酸は、1価または多価カルボン酸であり、好ましくは、1価または多価脂肪族カルボン酸、あるいは、1価または多価芳香族カルボン酸であり、より好ましくは、1価または2価の脂肪族カルボン酸、あるいは、1価または2価の芳香族カルボン酸である。
該カルボン酸またはその無水物としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、トリメチル酢酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ミリスチル酸、シクロヘキサンカルボン酸、4−メチルシクロヘキサンカルボン酸、メトキシ酢酸、フェノキシ酢酸、フェニル酢酸、アクリル酸、メタクリル酸、安息香酸、4−メチル安息香酸、4−tert−ブチル安息香酸、3−メトキシ安息香酸、2,4−ジメチル安息香酸、4−ビフェニルカルボン酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等およびこれらの酸無水物を挙げることができる。これらのカルボン酸またはその無水物の使用量は、前記エポキシアクリレート樹脂中の水酸基1当量に対し、0.01〜1.2当量であり、好ましくは、0.02〜0.5当量である。本発明ではテトラヒドロ無水フタル酸が好適に用いられる。
また、反応の際に、所望に応じて各種公知のエステル化触媒、希釈剤等をさらに添加しても差し支えない。反応温度は特に制限はないが、原料のエポキシアクリレート樹脂等が熱重合しない温度が好ましく、好ましくは、50〜180℃であり、特に好ましくは、80〜150℃である。反応時間は、反応温度にも依存するが、好ましくは、30分〜80時間であり、より好ましくは、1〜50時間である。
反応の際、希釈剤を添加することも可能である。該希釈剤としては、有機溶剤、反応性基を有する有機化合物を挙げることができる。
使用される有機溶剤としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等の芳香族系炭化水素溶剤、ヘキサン、オクタン、デカン等の脂肪族系炭化水素溶剤、及びそれらの混合物である石油エーテル、ホワイトガソリン、ソルベントナフサ等、エステル系溶剤としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のアルキルアセテート類、γ−ブチロラクトン等の環状エステル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、ブチレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート等の(モノ又はポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルモノアセテート類、グルタル酸ジアルキル、コハク酸ジアルキル、アジピン酸ジアルキル等のポリカルボン酸アルキルエステル類等、エーテル系溶剤としては、ジエチルエーテル、エチルブチルエーテル等のアルキルエーテル類、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類等、ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等が挙げられる。
反応性基を有する有機化合物としては、スチレン、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン等のビニル基を有する化合物、単官能(メタ)アクリレートモノマー、2官能(メタ)アクリレートモノマー、3つ以上の官能基を有する多官能(メタ)アクリレートモノマー、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレート挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート等のヘテロ環を有する(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エトキシ変性クレゾール(メタ)アクリート、プロポキシ変性クレゾール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールモノエトキシ(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノールモノエトキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレート等の芳香環を有する(メタ)アクリレート、カルバゾール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、カルバゾール(ポリ)プロポキシ(メタ)アクリレート、(ポリ)カプロラクトン変性カルバゾール(メタ)アクリレート等の複素環を有する(メタ)アクリレート、ビナフトール(メタ)アクリレート、ビナフトール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、ビナフトール(ポリ)プロポキシ(メタ)アクリレート、(ポリ)カプロラクトン変性ビナフトール(メタ)アクリレート、(ポリ)エトキシ変性ナフトール(メタ)アクリレート、(ポリ)プロポキシ変性ナフトール(メタ)アクリレート等の縮合環を有する(メタ)アクリレート、イミド環構造を有するイミド(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリレート等を挙げることができる。本発明に使用される単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、芳香族または縮合環を有する単可能(メタ)アクリレートモノマーが高い屈折率を有することから好適に用いられる。特にベンジル(メタ)アクリレート、ナフトール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、(ポリ)エトキシ変性o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、(ポリ)エトキシ変性p−フェニルフェノール(メタ)アクリレートは粘度が低く屈折率が高い為、特に好ましい。
2つの官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、ヒドロピバルアルデヒド変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エトキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロポキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エトキシ変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロポキシ変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エトキシ変性ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロポキシ変性ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、ヘキサヒドロフタル酸ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシ(ポリ)エトキシフルオレン等の芳香環を有する(メタ)アクリレート、ビナフトールジ(メタ)アクリレート、ビナフトール(ポリ)エトキシジ(メタ)アクリレート、ビナフトール(ポリ)プロポキシジ(メタ)アクリレート、(ポリ)カプロラクトン変性ビナフトールジ(メタ)アクリレート等の縮合環を有する(メタ)アクリレート、ビスフェノールフルオレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシカプロラクトンジ(メタ)アクリレート等の多環芳香族を有する(メタ)アクリレート、ジアクリル化イソシアヌレート等のイソシアネートのアクリル化物、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の直鎖メチレン構造を有する(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート等の多価アルコールのジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、(ポリ)カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等のイソシアヌレート環を有する多官能(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、(ポリ)エトキシ変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロポキシ変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、(ポリ)カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、(ポリ)エトキシ変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロポキシ変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、(ポリ)カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、(ポリ)エトキシ変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロポキシ変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、(ポリ)エトキシ変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロポキシ変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの多官能(メタ)アクリレート、リン酸トリ(メタ)アクリレート等の含リンの多官能(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンベンゾエート(メタ)アクリレート等の芳香族を有する多官能(メタ)アクリレート、シリコーンヘキサ(メタ)アクリレート等のシリコーン骨格を有する多官能(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ポリテトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオール類と、ヘキサメチレンジイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の有機ポリイソシアネート類と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン付加物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の水酸基含有エチレン性不飽和化合物類の反応物が挙げられる。ポリオール類、有機ポリイソシアネート類、水酸基含有エチレン性不飽和化合物類はそれぞれ単独で使用しても、複数種使用しても良い。
ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、ジオール化合物と二塩基酸又はその無水物との反応物であるポリエステルジオールと、(メタ)アクリル酸の反応物等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物に使用する(メタ)アクリレート(D)としては、単官能(メタ)アクリレート、2官能(メタ)アクリレート、3つ以上の官能基を有する多官能(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートが挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート等のヘテロ環を有する(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エトキシ変性クレゾール(メタ)アクリート、プロポキシ変性クレゾール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールモノエトキシ(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノールモノエトキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレート等の芳香環を有する(メタ)アクリレート、カルバゾール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、カルバゾール(ポリ)プロポキシ(メタ)アクリレート、(ポリ)カプロラクトン変性カルバゾール(メタ)アクリレート等の複素環を有する(メタ)アクリレート、ビナフトール(メタ)アクリレート、ビナフトール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、ビナフトール(ポリ)プロポキシ(メタ)アクリレート、(ポリ)カプロラクトン変性ビナフトール(メタ)アクリレート、(ポリ)エトキシ変性ナフトール(メタ)アクリレート、(ポリ)プロポキシ変性ナフトール(メタ)アクリレート等の縮合環を有する(メタ)アクリレート、イミド環構造を有するイミド(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
2つの官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、ヒドロピバルアルデヒド変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エトキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロポキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エトキシ変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロポキシ変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エトキシ変性ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロポキシ変性ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、ヘキサヒドロフタル酸ジ(メタ)アクリレート等の芳香環を有する(メタ)アクリレート、ビナフトールジ(メタ)アクリレート、ビナフトール(ポリ)エトキシジ(メタ)アクリレート、ビナフトール(ポリ)プロポキシジ(メタ)アクリレート、(ポリ)カプロラクトン変性ビナフトールジ(メタ)アクリレート等の縮合環を有する(メタ)アクリレート、ビスフェノールフルオレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシメタノールフルオレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシカプロラクトンフルオレンジ(メタ)アクリレート等の多環芳香族を有する(メタ)アクリレート、ジアクリル化イソシアヌレート等のイソシアネートのアクリル化物、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の直鎖メチレン構造を有する(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート等の多価アルコールのジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、(ポリ)カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等のイソシアヌレート環を有する多官能(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、(ポリ)エトキシ変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロポキシ変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、(ポリ)カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、(ポリ)エトキシ変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロポキシ変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、(ポリ)カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、(ポリ)エトキシ変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロポキシ変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、(ポリ)エトキシ変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロポキシ変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの多官能(メタ)アクリレート、リン酸トリ(メタ)アクリレート等の含リンの多官能(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンベンゾエート(メタ)アクリレート等の芳香族を有する多官能(メタ)アクリレート、2,2,2−トリスアクリロイロキシメチルコハク酸等の酸変性された多官能(メタ)アクリレート、シリコーンヘキサ(メタ)アクリレート等のシリコーン骨格を有する多官能(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジオール化合物(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールAポリエトキシジオール、ビスフェノールAポリプロポキシジオール等)又はこれらジオール化合物と二塩基酸若しくはその無水物(例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸若しくはこれらの無水物)との反応物であるポリエステルジオールと、有機ポリイソシアネート(例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の鎖状飽和炭化水素イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添トルエンジイソシアネート等の環状飽和炭化水素イソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート)を反応させ、次いで水酸基含有(メタ)アクリレートを付加した反応物等が挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物の末端グリシジルエーテル、フルオレンエポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂類と(メタ)アクリル酸との反応物等を挙げることができる。
ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、ジオール化合物と二塩基酸又はその無水物との反応物であるポリエステルジオールと、(メタ)アクリル酸の反応物等が挙げられる。
中でも本発明の樹脂組成物に使用することのできる(メタ)アクリレート(D)としては、屈折率が高く、粘度が低く、基材への密着性が良好な単官能(メタ)アクリレートモノマーが好適に用いられる。具体的には、芳香族または縮合環を有する(メタ)アクリレートが好ましくフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、p−クミルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(ポリ)プロポキシ(メタ)アクリレート、ナフトール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、ナフトール(ポリ)プロポキシ(メタ)アクリレート、フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、フェニルフェノール(ポリ)プロポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。特に好ましくは高屈折率でありながら低粘度で密着性に優れるp−フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレートである。なお、本発明の樹脂組成物においては、(メタ)アクリレート(D)は単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。本発明では芳香族を有する単官能(メタ)アクリレートを100質量部とした場合に成分(A)が10〜100質量部であるときに高屈折率で耐久性に優れたプリズムレンズシート用樹脂組成物を得ることができ、さらに好ましくは芳香族を有する単官能(メタ)アクリレート100質量部に対し成分(A)が20〜50質量部である。本発明の成分(D)の含有量は成分(C)+成分(D)を100質量部とした場合に、60〜95質量部であり、好ましくは75〜90質量部である。
本発明に使用される微粒子(E)としては有機微粒子、無機微粒子が挙げられる。また、微粒子(E)は、必要とされる硬度、耐擦傷性、硬化収縮率、屈折率を考慮し単独、または複数種を混合して用いることができる。
本発明に使用される有機微粒子としては、ポリスチレン樹脂ビーズ、アクリル系樹脂ビーズ、ウレタン樹脂ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビーズ、ベンゾグアナミン−ホルマリン縮合物の樹脂粉末、ベンゾグアナミン−メラミン−ホルマリン縮合物の樹脂粉末、尿素−ホルマリン縮合物の樹脂粉末、アスパラギン酸エステル誘導体の粉末、ステアリン酸亜鉛の粉末、ステアリン酸アミドの粉末、エポキシ樹脂パウダー、ポリエチレンパウダー等が挙げられ、架橋ポリメチルメタクリレート樹脂ビーズや架橋ポリメチルメタクリレート・スチレン樹脂ビーズ等が好ましい。これら有機微粒子は市販品として容易に入手することができ、又、公知文献を参考に調製することもできる。
本発明に使用される無機微粒子としては導電性金属酸化物、透明性金属酸化物等が挙げられる。
発明に使用される導電性金属酸化物としては、アンチモン酸亜鉛、酸化錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、五酸化アンチモン、酸化錫、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、フッ素ドープ酸化錫等が挙げられる。
本発明に使用される透明性金属酸化物としては、シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化チタン/酸化ジルコニウム/酸化錫/五酸化アンチモン複合物、酸化ジルコニウム/酸化錫/五酸化アンチモン複合物、酸化チタン/酸化ジルコニウム/酸化錫複合物等が挙げられる。
本発明に使用される微粒子としては硬度と耐擦傷性に優れ、屈折率の高い微粒子が好ましく、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化チタン/酸化ジルコニウム/酸化錫/五酸化アンチモン複合物、酸化ジルコニウム/酸化錫/五酸化アンチモン複合物、酸化チタン/酸化ジルコニウム/酸化錫複合物が好適に用いられる。
また、ディスプレイに用いられる光学シートは高い光線透過率が要求される為、微粒子の一次粒径は100nm以下が好ましい。
さらに、微粒子の分散剤として、ポリカルボン酸系の分散剤やシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、変性シリコーンオイル等のシリコーン系分散剤や有機共重合体系の分散剤等を併用することも可能である。これらの配合割合としては、本発明の樹脂組成物の全質量に対して0〜30質量%程度、好ましくは0.05〜5質量%程度である。
なお、一次粒径とは凝集を崩したときの、その粒子が持つ一番小さい粒径を意味する。即ち、楕円形状の微粒子では短径を一次粒径とする。一次粒径は動的光散乱法や電子顕微鏡観察等により測定することができる。具体的には、日本電子(株)製JSM−7700F電界放出形走査電子顕微鏡を使用し、加速電圧30kV条件下で一次粒径を測定できる。
これら微粒子は溶媒に分散し使用することができる。特に無機微粒子は水または有機溶媒に分散された形で市販品を入手し易く、使用される有機溶媒としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等の芳香族系炭化水素溶剤、ヘキサン、オクタン、デカン等の脂肪族系炭化水素溶剤、及びそれらの混合物である石油エーテル、ホワイトガソリン、ソルベントナフサ等、エステル系溶剤としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のアルキルアセテート類、γ−ブチロラクトン等の環状エステル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、ブチレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート等の(モノ又はポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルモノアセテート類、グルタル酸ジアルキル、コハク酸ジアルキル、アジピン酸ジアルキル等のポリカルボン酸アルキルエステル類等、エーテル系溶剤としては、ジエチルエーテル、エチルブチルエーテル等のアルキルエーテル類、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類等、ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物の各成分の使用割合は、所望の屈折率や耐久性や粘度や密着性等を考慮して決められるが、成分(C)+成分(D)を100質量部とした場合に、成分(C)の含有量は5〜40質量部であり、好ましくは10〜25質量部である。成分(D)の含有量は60〜95質量部であり、好ましくは75〜90質量部である。成分(A)は成分(C)+成分(D)の総量100質量部に対して、1〜40質量部であり、好ましくは5〜20質量部である。成分(B)は成分(C)+成分(D)の総量100質量部に対して、0.1〜15質量部であり、好ましくは1〜5質量部である。成分(E)は成分(C)+成分(D)の総量100質量部に対して1〜40質量部であり、好ましくは10〜25質量部である。
本発明の樹脂組成物には、前記成分以外に取り扱い時の利便性等を改善するために、離型剤、消泡剤、レベリング剤、光安定剤、酸化防止剤、重合禁止剤、可塑剤、帯電防止剤等を状況に応じて併用して含有することができる。
中でも帯電防止剤は塵埃の付着を防止する効果があり歩留まりが向上する為、併用して使用される例が多い。使用される材料としては帯電防止効果、樹脂組成物への相溶性を考慮しイオン性の化合物が好ましい。
イオン性の化合物としては、例えば、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド又はビス(フルオロスルホニル)イミドをアニオンとし、ピリジニウム、イミダゾリウム、ホスホニウム、アンモニウム及びリチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種のイオンをカチオンとする塩であり、中でもピリジニウム塩、イミダゾリウム塩が優れた帯電防止機能を有し好ましい。
該ピリジニウム系のカチオンとしては特に限定されるものではないが、ピリジン環の炭素原子の置換基として(C1〜C4)アルキル基が好ましく、且つ、ピリジン環の窒素原子の置換基として(C2〜C18)アルキル基が好ましい。ピリジン環の炭素原子の置換基として複数の置換基を有する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。該ピリジニウム系のカチオンとしては、例えば、N−イソプロピル−3,4−ジメチルピリジニウムイオン、N−イソプロピル−3−エチル−4−メチルピリジニウムイオン、N−n−プロピル−3,4−ジメチルピリジニウムイオン、N−n−プロピル−3−エチル−4−メチルピリジニウムイオン、N−n−ブチル−3,4−ジメチルピリジニウムイオン、N−n−ブチル−3−エチル−4−メチルピリジニウムイオン、N−エチル−3,4−ジメチルピリジニウムイオン、N−エチル−3−エチル−4−メチルピリジニウムイオン、N−n−ヘキシル−3,4−ジメチルピリジニウムイオン、N−n−ヘキシル−3−エチル−4−メチルピリジニウムイオン、N−n−オクチル−3,4−ジメチルピリジニウムイオン、N−n−オクチル−3−エチル−4−メチルピリジニウムイオン、N−n−ドデシル−3,4−ジメチルピリジニウムイオン、N−n−ドデシル−3−エチル−4−メチルピリジニウムイオン、N−n−オクタデシル−3,4−ジメチルピリジニウムイオン、N−n−オクタデシル−3−エチル−4−メチルピリジニウムイオン等が挙げられる。上記カチオンのうち、N−イソプロピル−3,4−ジメチルピリジニウムイオン、N−n−プロピル−3,4−ジメチルピリジニウムイオン、N−n−ブチル−3,4−ジメチルピリジニウムイオン、N−エチル−3,4−ジメチルピリジニウムイオンが特に好ましい。
該イミダゾリウム系のカチオンとしては特に限定されるものではないが、イミダゾール環の炭素原子の置換基として(C1〜C4)アルキル基、窒素原子の置換基として(C1〜C18)アルキル基が好ましく、直鎖アルキル基が特に好ましい。イミダゾール環の炭素原子の置換基又は窒素原子の置換基として複数の置換基を有する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。該イミダゾリウム系のカチオンとしては、例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−テトラデシル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−ヘキサデシル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−オクタデシル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1−オクチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムイオン、1−メチル−3−ブチルイミダゾリウムイオン等が挙げられ、中でも1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオンが好ましい。
イオン性の化合物としては、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド−リチウム塩、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド−N−ブチル−3−メチルピリジニウムが特に好ましい。
また、高い耐久性や高い屈折率を得るために可塑剤を使用される例も多い。使用される材料としては所望の耐久性や屈折率により選択される。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系ポリマー、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ビス(2−エチルヘキシル)フタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等のフタル酸エステル、トリス(2−エチルヘキシル)トリメリテート等のトリメリット酸エステル、ジブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ビス(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソデシルアジペート、ビス(2−(2−ブトキシエトキシ)エチル)アジペート、ビス(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジブチルセバケート、ビス(2−エチルヘキシル)セバケート、ジエチルサクシネート等の脂肪族二塩基酸エステル、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート等の正リン酸エステル、メチルアセチルリシノレート等のリシノール酸エステル、ポリ(1,3−ブタンジオールアジペート)等のポリエステル、グリセリルトリアセテート等の酢酸エステル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等のスルホンアミド、ポリエチレングリコールベンゾエート、ポリエチレングリコールジベンゾエート、ポリプロピレングリコールベンゾエート、ポリプロピレングリコールジベンゾエート、ポリテロラメチレングリコールベンゾエート、ポリテトラメチレングリコールベンゾエート等のポリアルキレンオキサイド(ジ)ベンゾエート、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル、ポリエトキシ変性ビスフェノールA、ポリプロポキシ変性ビスフェノールA等のポリアルコキシ変性ビスフェノールA、ポリエトキシ変性ビスフェノールF、ポリプロポキシ変性ビスフェノールF等のポリアルコキシ変性ビスフェノールF、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン等の多環芳香族、フェニルフェノール、(ポリ)エトキシ変性フェニルフェノール、(ポリ)プロポキシ変性フェニルフェノール、(ポリ)カプロラクトン変性フェニルフェノール等のフェニルフェノール誘導体、(ビ)ナフトール、(ポリ)エトキシ変性(ビ)ナフトール、(ポリ)プロポキシ変性(ビ)ナフトール、(ポリ)テトラメチレングリコール変性(ビ)ナフトール、(ポリ)カプロラクトン変性(ビ)ナフトール等のナフトール誘導体、ジフェニルスルフィド、ジフェニルポリスルフィド、ベンゾチアゾリルジスルフィド、ジフェニルチオ尿素、モルホリノジチオベンゾチアゾール、シクロヘキシルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミン、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等の含硫黄化合物が上げられる。好ましくは、(ポリ)エチレングリコールジベンゾエート、(ポリ)プロピレングリコールジベンゾエート、ビナフトール、(ポリ)エトキシ変性ビナフトール、(ポリ)プロポキシ変性ビナフトール、ジフェニルスルフィドである。
更に、必要に応じて、アクリルポリマー、ポリエステルエラストマー、ウレタンポリマー及びニトリルゴム等のポリマー類も添加することができる。溶剤を加えることもできるが、溶剤を添加しないものが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、各成分を常法に従い混合溶解することにより調製することができる。例えば、撹拌装置、温度計のついた丸底フラスコに各成分を仕込み、40〜80℃にて0.5〜6時間撹拌することにより得ることができる。
本発明の樹脂組成物の粘度は、基材上に成型する光学レンズを製造する際の形状の転写性や加工性の作業性に適した粘度として、E型粘度計(TV−200:東機産業社製)を用いて測定した粘度が25℃で5000mPa・s以下である組成物が好ましい。
本発明の樹脂組成物はエネルギー線によって容易に硬化させることができる。ここでエネルギー線の具体例としては、紫外線、可視光線、赤外線、X線、ガンマー線、レーザー光線等の電磁波、アルファー線、ベータ線、電子線等の粒子線等が挙げられる。本発明においては、これらのうち、紫外線、レーザー光線、可視光線、または電子線が好ましい。
常法に従い、本発明の樹脂組成物に前記エネルギー線を照射することにより、本発明の硬化物を得ることができる。本発明の樹脂組成物の液状屈折率は通常1.51〜1.63であり、好ましくは1.54〜1.61である。屈折率はアッベ屈折率計(型番:DR−M2、(株)アタゴ製)等で測定することができる。
本発明の基材上に成型する光学レンズは、例えば、レンチキュラーレンズ、プリズムレンズ等の形状を有するスタンパー上に塗布して該樹脂組成物の層を設け、その層の上に透明基材であるバックシート(例えば、ポリメタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、又はこれらポリマーのブレンド品等からなるフィルム)または易接着処理等の処理が為されたガラス基板を接着させ、次いで該透明基材側から高圧水銀灯等によりエネルギー線を照射して該樹脂組成物を硬化させた後、該スタンパーから硬化物を剥離して得ることができる。
本発明の光学レンズシートには、どのような製造法で作られるものも含まれるが、例えば、レンチキュラーレンズ、プリズムレンズ等の形状を有するスタンパー上に塗布して該樹脂組成物の層を設け、その層の上に透明基材であるバックシート(例えば、ポリメタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、又はこれらポリマーのブレンド品等からなるフィルム)または易接着処理等の処理が為されたガラス基板を接着させ、次いで該透明基材側から高圧水銀灯等によりエネルギー線を照射して該樹脂組成物を硬化させた後、該スタンパーから硬化物を剥離して得ることができる。