JP2013226391A - 探触子、及びそれを用いた被検体情報取得装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】受信面上の光反射部材の反りを抑制して光音響波を安定して受信することができる探触子を提供することである。
【解決手段】探触子は、間隙を挟んで設けられた2つの電極のうちの一方の電極を含む振動膜が振動可能に支持されたセル構造を含む素子と、前記素子より被検体側に設けられた光反射層108と、光反射層108を支持する支持層104と、支持層104の両面の少なくとも一方の側に設けられた反り抑性層106と、を有する。
【選択図】図1
【解決手段】探触子は、間隙を挟んで設けられた2つの電極のうちの一方の電極を含む振動膜が振動可能に支持されたセル構造を含む素子と、前記素子より被検体側に設けられた光反射層108と、光反射層108を支持する支持層104と、支持層104の両面の少なくとも一方の側に設けられた反り抑性層106と、を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、光音響探触子などとして用いられ光反射部材付き静電容量型電気機械変換装置等を備える探触子、及びそれを用いた被検体情報取得装置に関する。
従来、マイクロマシニング技術によって製造される微小機械部材はマイクロメータオーダの加工が可能であり、これらを用いて様々な微小機能素子が実現されている。このような技術を用いた静電容量型電気機械変換装置が、圧電素子を用いた電気機械変換装置の代替品として研究されている。このような静電容量型電気機械変換装置によると、振動膜を用いて超音波などの音響波(以下、超音波で代表することがある)を送信、受信することができ、特に液中においては優れた広帯域特性を容易に得ることができる。尚、本明細書において、音響波とは、音波、超音波、光音響波と呼ばれるものを含む。例えば、被検体内部に可視光線や赤外線等の光(電磁波)を照射して被検体内部で発生する光音響波を含む。
一方、照明光を測定対象物(被検体)に照射することで被検体の内部から発せられる光音響波を受信する静電容量型超音波トランスデューサが存在する(特許文献1参照)。これは、光を反射するための光反射部材を有し、光音響波を受信する受信面に光反射部材が配設されており、光反射部材は受信面の全面を覆う構成となっている。また、保護膜を有する静電容量型超音波トランスデューサが存在する(特許文献2参照)。本トランスデューサでは、上部電極上に保護膜を有する構造となっている。保護膜としては、絶縁性有機物質などが挙げられる。
光音響波を受信する静電量型超音波トランスデューサは光反射部材を有することが好ましい。光反射部材は、支持層と反射層とから構成される。しかしながら、支持層に反射層を形成する場合、光反射部材が反るということがあった。支持層には樹脂フィルムなどが用いられるが、被検体と音響インピーダンスが近いことが好ましい。音響インピーダンスは、密度と音速の積として定義されるが、体積弾性率と剛性率と密度で表すこともできる。被検体の音響インピーダンスに近い樹脂フィルムは密度が小さく、剛性が小さいという傾向をもつため、反射層となる金属膜を支持層上に形成すると支持層に反りが発生することがある。支持層が反ると、光反射部材が剥離する可能性がある。特に、支持層と素子との間に音響整合層が設けられている場合、この音響整合層と支持層との間の密着性が劣り、光反射部材の剥離が発生する可能性がある。
本発明は、上記課題を解決する為に、反りが小さい光反射部材を有する探触子などを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の探触子は、被検体からの音響波を受信する探触子であって、
間隙を挟んで設けられた2つの電極のうちの一方の電極を含む振動膜が前記音響波により振動可能に支持されたセル構造を少なくとも1つ含む素子と、
前記素子より被検体側に設けられた光反射層と、
前記光反射層よりも前記素子側に設けられ、前記光反射層を支持する支持層と、
前記支持層の前記光反射層側の面と、前記支持層の前記素子側の面と、のうち少なくとも一方に設けられた、前記支持層の反りを抑制するための反り抑性層と、
を有する。
間隙を挟んで設けられた2つの電極のうちの一方の電極を含む振動膜が前記音響波により振動可能に支持されたセル構造を少なくとも1つ含む素子と、
前記素子より被検体側に設けられた光反射層と、
前記光反射層よりも前記素子側に設けられ、前記光反射層を支持する支持層と、
前記支持層の前記光反射層側の面と、前記支持層の前記素子側の面と、のうち少なくとも一方に設けられた、前記支持層の反りを抑制するための反り抑性層と、
を有する。
本発明の探触子は、静電容量型電気機械変換装置の受信面上の光反射部材の反りを抑制する無機材料からなる薄膜層などの反り抑性層を有している。従って、光反射部材の反りによる光反射部材の剥離を抑制することができる。また、受信面上に音響整合層が設けられている場合、光反射部材の支持層の反りによって生じる音響整合層の厚さばらつきを低減することができる。これによって、光反射部材を有した探触子は安定して、音響波を受信することができる。
本発明の一実施形態の探触子は、被検体からの音響波を受信する検知手段として静電容量型電気機械変換装置を備える。そして、振動膜の上(つまり素子よりも被検体側)に設けられた光反射部材が、樹脂などの支持層、光反射層、支持層における両側の少なくとも一方の側に設けられた反り抑性層を有することである。上記構成において、支持層は十分大きな音響波透過性を持ち、被検体への照射光またはその散乱光を反射するための光反射部材の光反射層は十分大きな光反射性を持つ。また、反り抑制層は、十分大きな音響波透過性と適度の硬さ(ヤング率)を有して、その剛性により光反射部材(特に支持層)の反りを抑制するような位置に設けられるのが好ましい。その為に、例えば、支持層における両側の少なくとも一方の側に配されたSiO2などの無機材料からなる硬い材料の薄膜が好適に用いられる。電気機械変換装置のセル構造は、例えば、基板と接して形成された第一の電極の上に間隙を介して形成された第二の電極と、第二の電極を備える振動膜と、第一の電極と振動膜との間に間隙が形成される様に振動膜を支持する振動膜支持部と、で構成される。セル構造は、所謂犠牲層型、接合型の製法などで作製することができる。後述の図4の例は犠牲層型の製法で作製することができる構造を有し、後述の図5の例は接合型の製法で作製することができる構造を有する。本実施形態の探触子と光源とデータ処理装置を用いて被検体情報取得装置を構成することができる。ここでは、探触子は、光源から発振した光が被検体に照射されることにより発生する音響波を受信して電気信号に変換し、データ処理装置は、電気信号を用いて被検体の情報を取得する。
次に、本発明による光音響探触子の一例について説明する。図6は光音響探触子の概略図である。探触子は、超音波センサーとしてCMUT(Capacitive−Micromachined−Ultrasonic−Transducer)を備えたデバイス基板400をケース406内に収めている。また、CMUTの保護及び音響波416の伝達機能を持つ音響整合層402、レーザー光414を高い光反射率で反射するための光反射部材404をケース406内に収めている。ケース406と光反射部材404は接着剤408によって封止されており、音響媒体410がケース406内に侵入しない様になっている。
本発明の探触子の実施形態が備える静電容量型電気機械変換装置について説明する。図4に、セル構造を複数含む素子(エレメント)を有したCMUTを用いる探触子の一例を示す。図4(a)は上面図を示し、図4(b)は、図4(a)のA−B断面図である。本探触子は、セル構造7を有する素子8を複数個有している。図4では、4個の素子8がそれぞれ9個のセル構造7を有しているが、それぞれの素子8は1つ以上のセルを有していれば幾つであっても構わない。
本実施形態のセル構造7は、図4(b)に示す様に、基板1、第一の電極2、第一の電極2上の絶縁膜3、絶縁膜3と間隙5(空隙など)を介して設けられた振動膜4、振動膜4上の第二の電極6で構成されている。基板1は、Siで構成されているが、ガラスなどの絶縁性基板を用いても構わない。第一の電極2はチタンやアルミニウムなどの金属薄膜で形成される。基板1を低抵抗のシリコンで形成する場合には、それ自体を第一の電極2とすることも可能である。絶縁膜3は、酸化シリコンなどの薄膜を堆積することで形成できる。振動膜4やそれを支持する部分である振動膜支持部9は、窒化シリコンなどの薄膜を堆積することで形成される。第二の電極6は、チタンやアルミニウムなどの金属薄膜で構成することができる。本明細書では、窒化シリコン膜や単結晶シリコン膜からなるメンブレン部分の振動膜と第二の電極部分を併せて振動膜と表現する場合もある。
また、本実施形態の探触子は、接合型の製法を用いても形成することができる。図5に示す接合型の構成のセル構造7は、シリコン基板1の上に、間隙5を介して設けられた振動膜4、振動膜を振動可能に支持する振動膜支持部9、第二の電極6、を備える。ここでは、低抵抗のシリコン基板1が、第一の電極を兼ねているが、基板として、絶縁性のガラス基板を用いることも可能であり、その場合は基板1上に第一の電極2となる金属薄膜(チタン、アルミニウムなど)を形成する。振動膜4は、接合されたシリコン基板などから形成される。ここでは、振動膜支持部9は、酸化シリコンから形成されるが、窒化シリコンなどの薄膜を堆積形成することも可能である。第二の電極6は、アルミニウムなどの金属薄膜で形成される。図4と図5において、10は音響整合層であり、11は、反り抑制層を含む光反射部材である。
本実施形態の探触子の駆動原理を説明する。セル構造は、間隙5を挟んで設けられた第一の電極2と振動膜とで形成されているので、音響波を受信するためには、第一の電極2もしくは第二の電極6に直流電圧を印加する。音響波を受信すると、音響波により振動膜が振動して間隙の距離(高さ)が変化するため、電極間の静電容量が変化する。この静電容量変化を第一の電極2もしくは第二の電極6から検出することで、音響波を検出することができる。また、素子は、第一の電極2もしくは第二の電極6に交流電圧を印加して振動膜を振動させることで、音響波を送信することもできる。
図1を用いて更に詳細に、本発明の特徴である静電容量型電気機械変換装置上の層構成を説明する。図1は、本実施形態の光音響探触子を示す断面図である。図1において、100はCMUT基板、102は、CMUT基板100と支持層104の間に形成される音響整合層、106は反り抑制層、108は光反射層、110は、支持層104、反り抑制層106、光反射層108からなる光反射部材である。これらのCMUT基板100、音響整合層102、光反射部材110から光音響探触子112が構成される。
CMUT基板100は、例えば、Si基板上に形成されたキャビティ上にSiやSiNなどからなるメンブレンを備えた構成である。音響整合層102は、CMUT基板100の素子8上(具体的には、メンブレンを含む振動膜上)に形成され、メンブレンなどの保護の役割、及び光反射部材110からCMUT基板100へ効率良く超音波114を伝達する役割を有する。音響整合層102は、メンブレンのばね定数などの機械特性を大きく変化させないようなヤング率の小さいものが好ましい。具体的には、ヤング率が50MPa以下がよい。50MPa以下のヤング率を有することにより、光反射層11の応力による振動膜への影響を緩和し、且つ、剛性(ヤング率)も十分に小さいため、振動膜4の機械特性をほぼ変化させない。さらに、音響整合層102は、その音響インピーダンスがメンブレンと同程度の材料が好ましい。具体的には、音響インピーダンスが1MRayls以上2MRayls以下であることが好ましい(1MRayls=1×106kg・m-2・s-1である)。このような音響整合層としては、例えばポリジメチルシロキサン(PDMS)が挙げられる。更に、PDMSにシリカ粒子等を添加したもの、PDMSの水素の一部をフッ素で置換したフロロシリコーンや、フロロシリコーンにシリカ粒子等を添加したものなどを用いることができる。シリカ粒子等の添加は、効率良く超音波を伝達するために調整される。光反射層108はレーザー光114を反射するための層であり、素子8よりも被検体側に設けられている。具体的には被検体への照射光またはその散乱光を反射する。特に生体を診断する場合、レーザー光114としては波長700nm〜1000nmの近赤外領域が用いられることが多い。光反射層108は、使用する波長領域(例えば700nm〜1000nm)で高い反射率(好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上)を有する金属膜を用いることができる。例えば、Au、Ag、Alなどを好適に用いることができる。
また、光反射層108の膜厚は、音響波の波長の1/30以下であることが好ましく、具体的には音響インピーダンスを考慮して、10μm以下であることが好ましい。例えばAuの場合、は音響インピーダンスが約63×106 [kg・m-2・s-1] (=63MRayls)と高いため、音響インピーダンス不整合による超音波の反射を防ぐためには十分薄くする必要があり、Auの厚さとしては10μm以下が好適である。実際にはコスト等も考慮し、0.1μmから1μmの間が好ましい。また、Auなどの金属膜の上に誘電体多層膜を形成し、反射率を更に向上させることも可能である。誘電体多層膜でもよい。支持層104は、このような光反射層108を支持するための層であり、光反射層108より素子8側に設けられている。光反射層108は、音響整合層102の上に直接形成することもできるが、支持層104上に形成するのがよい。なぜなら、音響整合層102はヤング率が小さい材料であるため、光反射層108を直接音響整合層に形成した場合には、光反射層の応力で音響整合層が変形する可能性があるからである。また、音響整合層102はヤング率が小さい材料であるため、表面粗さを小さくすることが難しく、音響整合層上の光反射層の反射率を高くすることが難しい。そのため、光反射層108は音響整合層102よりも剛性の高い支持層104上に形成するのが好ましい。具体的には支持層104の音響インピーダンスは1MRayls以上5MRayls以下が好ましい。また、支持層104のヤング率は音響整合層102より大きく、具体的には100MPa以上20GPa以下が好ましい。支持層104の音響インピーダンスを音響整合層102の音響インピーダンスの値に近くすることによって、支持層104と音響整合層102との界面での音響波の反射量を低減することができる。支持層104の材料としては、音響媒体と同等の音響インピーダンスと良好な超音波透過性を有する材質が好ましく、例えばオレフィン樹脂を好適に用いることができる。オレフィン樹脂の中でもポリメチルペンテン樹脂を好適に用いることができる。光反射層の形成や、CMUT基板100への接着などを考慮すると、支持層104は、適当な柔軟性を有することが好ましく、10μmから150μm程度の厚さを好適に用いることができる。
反り抑制層106は、支持層104の反りを抑制するために設けられる層であり、支持層に光反射層を形成したときの反りを抑制するものである。つまり、反り抑制層106のヤング率は、支持層104のヤング率よりも大きい。他方、反り抑制層106は、超音波透過性を良好にするためには、超音波の波長に対して十分薄くすることが好ましい。具体的には、反り抑制層106の厚みは100μm以下が好ましい。ただし、音響インピーダンスが高い材料を用いる場合は、10μm以下が好ましく、1μm以下であることがより好ましい。また、反り抑制層106のヤング率は、100MPa以上であることが好ましく、1GPa以上であることがより好ましく、20GPa以上であることがさらに好ましい。そのためには、SiO2(酸化シリコン)、Al2O3(酸化アルミニウム)、TiO2、ZnO、TiN、SiN、AlNなどの無機材料からなる硬い材料の薄膜を好適に用いることができる。例えば、薄膜は、少なくとも酸化シリコンまたは酸化アルミニウムのいずれかを含む。また、例えば酸化シリコンはCVD法やスパッタ法などによって成膜することが可能である。反り抑制層は、その剛性により光反射部材の反りを抑制するものであり、その配置は、光反射層と支持層の間(つまり、支持層の光反射層側の面)に設けることができる。また、支持層の光反射層とは反対側の面(つまり、支持層の素子側の面)に設けることもできる。
さらに、好ましくは、支持層に対して対称的な反り抑制層の配置にすることである。支持層の両面に反り抑制層を配置し、光反射層を設けた光反射部材が挙げられる。また、支持層の両面に反り抑制層を配置し、さらにそれらの上に光反射層を積層した光反射部材が挙げられる。
以下に本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
図3は実施例1の光音響探触子の断面図である。図3に示すように、縦20mm、横20mm、厚さ100μmのポリメチルペンテン樹脂である支持層304上に反り抑制層306を成膜する。反り抑制層としては、SiO2膜をスパッタ法によって200nm形成した。次に、反り抑制層306の上に光反射層308としてAu(厚さ200nm)を真空蒸着法により形成した。Auの形成方法としてはスパッタ法なども用いることができるが、SiO2との応力の方向の関係により適宜選択される。
(実施例1)
図3は実施例1の光音響探触子の断面図である。図3に示すように、縦20mm、横20mm、厚さ100μmのポリメチルペンテン樹脂である支持層304上に反り抑制層306を成膜する。反り抑制層としては、SiO2膜をスパッタ法によって200nm形成した。次に、反り抑制層306の上に光反射層308としてAu(厚さ200nm)を真空蒸着法により形成した。Auの形成方法としてはスパッタ法なども用いることができるが、SiO2との応力の方向の関係により適宜選択される。
次に支持層304の裏面に酸素プラズマ処理を行った後に、音響整合層302としてフロロシリコーン樹脂(信越シリコーン製)を印刷法にて50μmの厚さに塗布した。これにCMUT基板300を重ねて125℃で熱硬化させることにより、音響整合層302とCMUT基板及び音響整合層302と支持層とを接着した。この様にして形成した光反射部材は、反り抑制層がない場合に比較して、反りが抑制され、接着後において光反射部材の膜剥離が発生することはなかった。
(実施例2)
図2は本発明の別の実施例を説明する図である。図2に示すように、縦20mm、横20mm、厚さ100μmのポリメチルペンテン樹脂である支持層204の下面に、反り抑制層206を成膜した。反り抑制層としては、Al2O3をEB蒸着法によって200nm形成している。次に、支持層204の上面に光反射層308としてAu(厚さ200nm)を真空蒸着法により形成した。次に反り抑制層206の裏面に、音響整合層202としてフロロシリコーン樹脂(信越シリコーン製)を印刷法にて50μmの厚さに塗布し、次いで125℃で熱硬化してCMUT基板200上に図2に示すように接着した。本実施例でも、実施例1と同様な効果を奏することができる。
図2は本発明の別の実施例を説明する図である。図2に示すように、縦20mm、横20mm、厚さ100μmのポリメチルペンテン樹脂である支持層204の下面に、反り抑制層206を成膜した。反り抑制層としては、Al2O3をEB蒸着法によって200nm形成している。次に、支持層204の上面に光反射層308としてAu(厚さ200nm)を真空蒸着法により形成した。次に反り抑制層206の裏面に、音響整合層202としてフロロシリコーン樹脂(信越シリコーン製)を印刷法にて50μmの厚さに塗布し、次いで125℃で熱硬化してCMUT基板200上に図2に示すように接着した。本実施例でも、実施例1と同様な効果を奏することができる。
(実施例3)
実施例3を説明する。本実施例は、図3において支持層304と音響整合層302の間にも反り抑制層を配設するものである。つまり、縦20mm、横20mm、厚さ100μmのポリエチレン樹脂である支持基板304の両面に、反り抑制層306を形成した。反り抑制層306としては、SiN膜をスパッタ法により100nm形成した。次に、一方の反り抑制層306の上にAg膜(厚さ200nm)を真空蒸着法により形成した。そして、もう一方の反り抑制層306の上に音響整合層302としてフロロシリコーン樹脂(信越シリコーン製)を印刷法にて50μmの厚さに塗布し、CMUT基板300上に重ねて、熱硬化して接着した。この様にして形成した光反射部材も、反り抑制層がない場合と比較して、反りが抑制され、接着後において光反射部材が膜剥離を起こすことはなかった。
実施例3を説明する。本実施例は、図3において支持層304と音響整合層302の間にも反り抑制層を配設するものである。つまり、縦20mm、横20mm、厚さ100μmのポリエチレン樹脂である支持基板304の両面に、反り抑制層306を形成した。反り抑制層306としては、SiN膜をスパッタ法により100nm形成した。次に、一方の反り抑制層306の上にAg膜(厚さ200nm)を真空蒸着法により形成した。そして、もう一方の反り抑制層306の上に音響整合層302としてフロロシリコーン樹脂(信越シリコーン製)を印刷法にて50μmの厚さに塗布し、CMUT基板300上に重ねて、熱硬化して接着した。この様にして形成した光反射部材も、反り抑制層がない場合と比較して、反りが抑制され、接着後において光反射部材が膜剥離を起こすことはなかった。
(実施例4)
上記実施形態や実施例で説明した電気機械変換装置を備える探触子は、音響波を用いた被検体情報取得装置に適用することができる。被検体からの音響波を電気機械変換装置で受信し、出力される電気信号を用い、光吸収係数などの被検体の光学特性値を反映した被検体情報を取得することができる。
上記実施形態や実施例で説明した電気機械変換装置を備える探触子は、音響波を用いた被検体情報取得装置に適用することができる。被検体からの音響波を電気機械変換装置で受信し、出力される電気信号を用い、光吸収係数などの被検体の光学特性値を反映した被検体情報を取得することができる。
図7は、光音響効果を利用した本実施例の被検体情報取得装置を示したものである。光源51から発生したパルス光52は、レンズ、ミラー、光ファイバー等の光学部材54を介して、被検体53に照射される。被検体53の内部にある光吸収体55は、パルス光のエネルギーを吸収し、音響波である光音響波56を発生する。電気機械変換装置を収納する筺体を備えるプローブ(探触子)57は、光音響波56を受信して電気信号に変換し、信号処理部59に出力する。信号処理部59は、入力された電気信号に対して、A/D変換や増幅等の信号処理を行い、データ処理部50へ出力する。データ処理部50は、入力された信号を用いて被検体情報(光吸収係数などの被検体の光学特性値を反映した被検体情報)を画像データとして取得する。表示部58は、データ処理部50から入力された画像データに基づいて、画像を表示する。なお、プローブは、機械的に走査するものであっても、医師や技師等のユーザが被検体に対して移動させるもの(ハンドヘルド型)であってもよい。
100:CMUT基板(静電容量型電気機械変換装置)、102:音響整合層、104:支持層、106:反り抑性層、108:光反射層、110:光反射部材、112:探触子
Claims (20)
- 被検体からの音響波を受信する探触子であって、
間隙を挟んで設けられた2つの電極のうちの一方の電極を含む振動膜が前記音響波により振動可能に支持されたセル構造を少なくとも1つ含む素子と、
前記素子より被検体側に設けられた光反射層と、
前記光反射層よりも前記素子側に設けられ、前記光反射層を支持する支持層と、
前記支持層の前記光反射層側の面と、前記支持層の前記素子側の面と、のうち少なくとも一方に設けられた、前記支持層の反りを抑制するための反り抑性層と、
を有することを特徴とする探触子。 - 前記反り抑制層は、ヤング率が100MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の探触子。
- 前記反り抑制層の厚みは、100μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の探触子。
- 前記反り抑制層は、無機材料からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の探触子。
- 前記反り抑制層は、SiO2膜であることを特徴とする請求項4に記載の探触子。
- 前記素子と前記支持層との間に音響整合層を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の探触子。
- 前記音響整合層は、音響インピーダンスが1MRayls以上2MRayls以下であることを特徴とする請求項6に記載の探触子。
- 前記素子は、前記被検体に光を照射することにより発生する音響波を受信し、
前記光反射層の光反射率は、前記光の波長領域において80%以上であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の探触子。 - 前記支持層は、音響インピーダンスが1MRayls以上5MRayls以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の探触子。
- 前記支持層は、前記音響整合層よりもヤング率が大きく、前記反り抑制層よりもヤング率が小さいことを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の探触子。
- 被検体からの音響波を受信する探触子であって、
間隙を挟んで設けられた2つの電極のうちの一方の電極を含む振動膜が前記音響波により振動可能に支持されたセル構造を少なくとも1つ含む素子と、
前記素子より被検体側に設けられた光反射層と、
前記光反射層よりも前記素子側に設けられ、前記光反射層を支持する支持層と、
前記支持層の前記光反射層側の面と、前記支持層の前記素子側の面と、のうち少なくとも一方に設けられた、前記支持層よりもヤング率が大きい層と、
を有することを特徴とする探触子。 - 前記支持層よりもヤング率が大きい層は、ヤング率が100MPa以上であることを特徴とする請求項11に記載の探触子。
- 前記支持層よりもヤング率が大きい層の厚みは、100μm以下であることを特徴とする請求項11又は12に記載の探触子。
- 前記支持層よりもヤング率が大きい層は、無機材料からなることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の探触子。
- 前記支持層よりもヤング率が大きい層は、SiO2膜であることを特徴とする請求項14に記載の探触子。
- 前記素子と前記支持層との間に音響整合層を有することを特徴とする請求項11乃至15のいずれか1項に記載の探触子。
- 前記音響整合層は、音響インピーダンスが1MRayls以上2MRayls以下であることを特徴とする請求項16に記載の探触子。
- 前記素子は、前記被検体に光を照射することにより発生する音響波を受信し、
前記光反射層の光反射率は、前記光の波長領域において80%以上であることを特徴とする請求項11乃至17のいずれか1項に記載の探触子。 - 前記支持層は、音響インピーダンスが1MRayls以上5MRayls以下であることを特徴とする請求項11乃至18のいずれか1項に記載の探触子。
- 請求項1乃至19のいずれか1項に記載の探触子と、光源と、データ処理装置と、を有し、前記探触子は、前記光源から発振した光が被検体に照射されることにより発生する音響波を受信して電気信号に変換し、
前記データ処理装置は、前記電気信号を用いて被検体の情報を取得することを特徴とする被検体情報取得装置。
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