JP2017005636A - トランスデューサ、及び被検体情報取得装置 - Google Patents

トランスデューサ、及び被検体情報取得装置 Download PDF

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義貴 財津
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Abstract

【課題】より小型にすることができるトランスデューサ等を提供する。
【解決手段】トランスデューサ100は、音響波と電気信号との変換を行う電気機械変換素子110と、素子110の主面と反対側の面に配置されたバッキング部材120を有する。バッキング部材は、前記主面に略平行な複数のバッキング層123、124を含み、各バッキング層は、間隙をおいて配置された複数の第一の部材121と、間隙に配置され、第一の部材と異なる音響特性インピーダンスを有する第二の部材122を含む。複数のバッキング層のなかに、層間の前記主面に鉛直な方向の距離が第二の部材における音響波の所定の波長の4分の1の略奇数倍であり、層中の第一の部材の位置が前記主面に平行な方向に互いにずれている複数のバッキング層がある。
【選択図】図1

Description

本発明は、トランスデューサ、その作製方法、被検体情報取得装置などに関する。特に、音響波を送信又は受信するトランスデューサ、及び該トランスデューサを備えた被検体情報取得装置に関する。
被検体の内部の構造や状態を非破壊で調べる手段として、音響波(特に超音波)を受信あるいは送信するトランスデューサや被検体情報取得装置が用いられている。このようなトランスデューサでは、その内部で反射した音響波がセルに入力されノイズとなることを防ぐために、バッキング部材がしばしば設けられている。バッキング部材は、基板上の素子(セル)を配置した面と反対側の面に設けられ、音響波を散乱あるいは吸収あるいは干渉させることで減衰させる。
特許文献1に記載の技術では、音響波を干渉させることにより減衰させるバッキング部材が、送信あるいは受信しようとしている音響波の中心波長の1/4倍の深さの凹部が設けられた構造体からなる。バッキング部材に設けられた凹部の底面とそれ以外の面とで反射した音響波同士は、その間に、中心波長の1/2倍の距離の遅延があるため、互いに打ち消しあい、その結果、バッキング部材内部で反射した音響波は減衰する。この減衰効果は、散乱あるいは吸収による減衰よりも大きいため、こうした構造はトランスデューサを小型化するには好適である。
特開2012−521704号公報
トランスデューサ、特に超音波画像診断装置などの被検体情報取得装置に用いる音響波を送信又は受信するトランスデューサは、例えば、片手で握って用いるのに適した小型な筺体の先端部に収める必要がある。そのため、より小型であることが望ましい。
上記課題に鑑み、本発明のトランスデューサは、音響波と電気信号との変換を行う電気機械変換素子と、前記素子の主面と反対側の面に配置されたバッキング部材と、を有する。前記バッキング部材は、前記主面に略平行な複数のバッキング層を含み、前記バッキング層の各々は、間隙を隔てて配置された複数の第一の部材と、前記間隙に配置され、前記第一の部材と異なる音響特性インピーダンスを有する第二の部材と、を含む。さらに、前記複数のバッキング層のなかに、層間の前記主面に鉛直な方向の距離が前記第二の部材における音響波の所定の波長の4分の1の略奇数倍であり、層中の前記第一の部材の位置が前記主面に平行な方向に互いにずれている複数のバッキング層が含まれる。
本発明によれば、トランスデューサをさらに小型化することができる。
本発明の一実施形態を示す図。 第一の部材の形状及び配置方法の例を示す図。 本発明の第一の実施例を示す断面図。 本発明の第二の実施例を示す図。 本発明の第二の実施例における第一の部材の別の構造例を示す図。 本発明の第二の実施例におけるバッキング部材の別の構造例を示す図。 本発明の第三の実施例を示す図。 本発明の第四の実施例を示す図。 本発明の原理を説明する図。
以下の実施の形態のトランスデューサでは、主面と反対側の面に配置されたバッキング部材は、主面に略平行な複数のバッキング層を含む。バッキング層の各々は、間隙を隔てて配置された複数の第一の部材と、該間隙に配置され、第一の部材と異なる音響特性インピーダンスを有する第二の部材と、を含む。複数のバッキング層のなかには、層間の主面に鉛直な方向の距離が第二の部材における音響波の所定の波長の4分の1の略奇数倍であり、層中の第一の部材の位置が主面に平行な方向に互いにずれている複数のバッキング層が含まれる。各バッキング層に含まれる第一の部材は異なるものであってもよいし、同じものの異なる部分であってもよい。また、他のバッキング層に含まれる第一の部材と異なるものであってもよいし、同じものの異なる部分であってもよい。所定の波長の4分の1の略奇数倍は、より具体的には、所定の波長の{(N/2−1/4)±1/20}倍(Nは自然数)である。ここで、主面とは、部材の面のうち、使用時に被検体に対向する面を指す。バッキング層とは、バッキング部材のうち素子の主面に平行な2つの平面に挟まれた領域を指す。バッキング層間の距離とは、異なる2つのバッキング層の主面間の距離を指す。間隙とは、隣接する第一の部材の間に挟まれた領域を指す。また、所定の波長は、装置の目的、機能などを考慮して設定することができるが、典型的には、音響波の特徴的な周波数成分の波長である中心波長、後述の高調波の波長などを指す。
本発明のトランスデューサの一実施形態を以下に説明する。図1に示すように、本実施形態のトランスデューサ100は、電気機械変換を行う素子110とバッキング部材120を有する。素子110は、受信した音響波に対応した電気信号を外部の信号処理手段130に出力する。また、素子110は、外部の駆動手段140により入力された電気信号に対応した音響波を送信する。素子110としては、圧電効果、静電誘導、電磁誘導などを応用した電気機械変換素子を用いることが可能である。
トランスデューサ100は、素子110の主面が被検体190に対向するように配置して用いられる。ここで、素子110の主面とは、素子110の面のうち、音響波を受信あるいは送信する面を指す。バッキング部材120は板状の部材であり、素子110の主面と反対側の面に配置されている。本実施形態では、バッキング部材120はバッキング層123、124を有し、バッキング層123、124は、それぞれ、複数の第一の部材121と第二の部材122を含む。各第一の部材121の厚さは、自身を含むバッキング層の厚さに等しい。つまり、バッキング層の2つの平面の前記主面側の平面は、第一の部材の前記主面側の面を含んで形成されている。図1の構成では、バッキング層の2つの平面の前記主面と反対側の平面も、第一の部材の前記主面と反対側の面を含んで形成されているが、これは必須ではない。ここで、部材の厚さとは、バッキング部材120の主面に鉛直な方向の部材の大きさを指す。主面に鉛直な方向の第一の部材の大きさが変化している場合は、部材の厚さとは、例えば、その最大値である。
第一の部材121の形状及び配置方法の例としては、図2(a)、(b)に示すように、球状や多面体状、柱状(円柱状、多角柱状等)などがある。第二の部材122は、第一の部材121の間隙を埋めるように充填されている。第二の部材122は、最終的に第一の部材121の間に隙間なく充填されていればよく、恒常的に流動性を有する必要はない。しかし、実際に製造する際には、例えば、製造工程の少なくとも一部において、加熱などの処理により一時的に流動性を高めた第二の部材を第一の部材の間に流し込み、その後冷却などの処理により固めることになる。また、第二の部材122は、その音響特性インピーダンスが第一の部材121と異なっており、音響波を第一の部材と第二の部材間の界面で反射することができる。
図1において、バッキング層123、124の間の距離Aは、素子110が受信あるいは送信する音響波の第二の部材における中心波長の略(N/2−1/4)倍となっている。図1の構成例では、バッキング層123、124は、主面に鉛直な方向において、その一部が互いに重なっている。しかし、離れていてもよく、主面に鉛直な方向に隣接するバッキング層の間が第二の部材で充填されている形態もあり得る。前述した様に、中心波長とは、音響波の特徴的な周波数成分の波長を指し、特徴的な周波数成分とは、例えば、最大強度の周波数成分、あるいは、周波数成分の強度が最大値の−3dB以上である周波数領域の中心周波数における成分を指す。
本実施形態では、バッキング層123、124の第一の部材121で反射された音響波が互いに充分に打ち消し合うために、図1の上方から見て、バッキング層123、124の第一の部材121の総面積の割合は1:1であるのが好ましい。即ち、総面積が略等しいのが好ましい。また、図1の上方から見て、バッキング層123、124の第一の部材121は、主面に平行な方向において、少なくとも一部において互いにずれている必要がある。ここでは、バッキング層123、124の第一の部材121は主面に平行な方向に完全にずれている。
上記の構造により、トランスデューサ内部で反射した音響波が低減される理由を以下に説明する。図9に示すように、素子110で受信された音響波の一部、あるいは素子110から送信された音響波の一部は、素子110の裏面からバッキング部材120内に伝播し、バッキング層123、124の中にある第一の部材121の表面で反射する。バッキング層123とバッキング層124との間の距離は、第二の部材における音響波の中心波長の略(N/2−1/4)倍(4分の1波長の略奇数倍)である。そのため、バッキング層123で反射した音響波は、バッキング層124で反射した音響波に対し波長の略(N−1/2)倍(半波長の略奇数倍)の距離だけ遅延する。その結果、バッキング層123、124の各々で反射した音響波は、互いに位相が180度程度異なるため干渉して弱め合う。以上により、素子110の裏面からバッキング部材120に伝播した音響波は低減される。
バッキング部材120に伝播した音響波を80%以上低減させるためには、バッキング層間の上記距離について、波長の(N/2−1/4)倍からの誤差を5%以下にすればよい。80%の根拠は、バッキング部材内部での音響波の減衰を10%と見込んで、合計で90%以上の音響波の減衰を得ることを企画しているためである。また、5%は、{(N/2−1/4)±1/20}倍の1/20に対応している。誤差については、第一の部材の電気機械変換素子側の表面が必ずしも平面的でなく凹凸を持ち得ること、複数の部材間の距離のばらつき等も考慮して、5%以下としている。
本実施形態によれば、バッキング部材は、上記の構造のみでも音響波の減衰効果を得ることができるため、原理上、第一の部材の厚さと第二の部材における中心波長の1/4倍との和に等しい厚さまで薄くすることができる。これは、図1において、N=1としてAを中心波長の1/4倍の距離にした構成例に対応する。この構成例では、バッキング部材は2つのバッキング層からなり、2つのバッキング層は、第二の部材における音響波の所定の波長の1/4だけ厚さが異なる。よって、トランスデューサをさらに小型化することができる。また、本実施形態によれば、バッキング部材は、その表面に凹凸を形成する必要がないため、反り変形が比較的小さく、バッキング部材を素子に実装する際に、素子の反りを抑制するための工夫が不要である。よって、トランスデューサをさらに容易に作製することができる。
(第一の実施例)
本発明の第一の実施例を以下に説明する。本実施例におけるトランスデューサは、図3に示すように、バッキング部材120が、厚さの互いに異なるバッキング層125、126、127を有している。バッキング層125、126、127は、各々の層の厚さに対応する厚さの第一の部材1211、1212、1213を有し、かつ主面と反対側の面と素子110の主面との間の距離が一致している。つまり、複数のバッキング層は、主面と反対側の面が一致している。音響波減衰の機能の観点から言えば、一致している必要は必ずしもないが、一致していることにより、本実施例の作製方法上の効果として次の効果が挙げられる。即ち、厚さの異なる第一の部材を平面上に並べて仮接着し、その間隙を埋めるように第二の部材を充填して硬化後に前記平面から全体を剥離するだけで、各第一の部材と素子110との間の距離が所望の種類存在するバッキング部材120を容易に作製できる。
また、本実施例では、各第一の部材1211、1212、1213と素子110との間の距離が所望の種類(ここでは3つ)だけ存在するので、トランスデューサ内部に伝播する音響波の複数の種類の周波数成分を低減させることができる。さらに、同じ厚さのバッキング層を複数枚設ける場合(この場合は、各バッキング層の主面と反対側の面と素子110の主面との間の距離を一致させられない)と比べて、バッキング部材の全体の厚さを薄くすることができる。
具体的な応用例としては、被検体に向けて送信した音響波が被検体で反射する際に生じる高調波を受信するティッシュハーモニクスイメージングへの応用が挙げられる。この場合、受信された音響波には、送信された音響波の特徴的な周波数成分と、被検体で発生した高調波に対応した周波数成分の両方が存在する。よって、両方の周波数成分の音響波を低減させるには、バッキング層125、126、127の厚さの差(B、C、D)のいずれか2つが、上記周波数成分の第二の部材122内部における波長の略(N/2−1/4)倍になるようにすればよい。
また、前記複数のバッキング層のうち少なくとも2つの厚さが、第二の部材における音響波の中心波長の1/10倍以上異なることが好ましい。このことは、打ち消したい複数の周波数成分の波長が互いに10%以上離れている場合を想定して設計することを意味している。つまり、第一の部材の厚さの製造誤差(中心波長の1/20以下)で生じる差異による影響を排除するために、こうした設計を行うことが好ましい。
本実施例において、図3の主面に鉛直な方向の上方から見て、複数のバッキング層125、126、127の第一の部材1211、1212、1213の総面積の割合は、1:1:1が好ましい。理由は、図3の距離差Bと距離差Cとで打ち消し合う音響波の周波数成分が互いに異なるため、第一の部材1212、1213のそれぞれの総面積が、第一の部材1211の総面積に等しくなる状態がベストであるからである。また、距離差Dで打ち消し合う音響波の周波数成分についても、第一の部材1212、1213のそれぞれの総面積が等しければ、同様に充分に打ち消し合うことになるからである。
(第二の実施例)
本発明の第二の実施例を以下に説明する。本実施例におけるトランスデューサのバッキング部材120は、図4に示すように、第一の部材1215が、複数の屈曲を繰り返す曲線に沿って曲げられた柱状ないし帯状の部材であり、さらにこれらが縦横に複数組み合わされ織物状となっていることを特徴とする。第一の部材1215は、少なくともその一部がバッキング部材120の主面からの距離が異なる2つのバッキング層123、124の内部に位置した状態で縦横に等間隙に並んでいる。各バッキング層の内部で隣接する第一の部材1215の間隙S(図示の横方向のSだけでなく、縦方向のSをも指す)は、これらの中心間距離Lの1/2倍以上である。その理由は、間隙Sがあまり小さ過ぎると、第一の部材1215の曲線に沿った屈曲が困難になるからである。また、主面からの距離が異なる2つのバッキング層中の第一の部材の上方から見た露出部の総面積をなるべく等しくしたいからである。複数の第一の部材1215の間隙には第二の部材122が埋められている。なお、曲線に沿って曲げられた柱状の部材を縦または横に並行して並べて2つのバッキング層を構成する形態も可能である。つまり、図4や図5の構成において、縦横の一方の第一の部材1215を除いた構造も可能である。
このようなバッキング部材120は、以下のようにして作製できる。まず、繊維状に成形した第一の部材を複数作成し、これらを機織りの要領で縦横に組み込むことで、織物状の第一の部材1215を作製する。次に、織物状の第一の部材1215に液状の第二の部材122をしみ込ませた後に、織物状の第一の部材の面に鉛直な方向に加圧しながら加熱し、第二の部材を硬化させる。繊維状に形成した第一の部材の組み込み方については、図4のように1本毎に組み込んでもよいが、図5のように、縦あるいは横のいずれかの第一の部材を複数本毎に組み込んでもよい。図5の形態では、縦と横の両方の第一の部材について、2本毎に組み込んでいる。
このようなバッキング部材120の材料は、例えば、繊維状の第一の部材としてガラス繊維そのもの、あるいはガラス繊維をより合わせたものを用い、第二の部材としてエポキシ樹脂を用いることができる。この場合、回路基板などに用いられるガラスエポキシ板を作製する方法と同じ要領で、容易に量産することが可能である。ガラス繊維の音響特性インピーダンスは約13MRayl、エポキシ樹脂の音響特性インピーダンスは約3MRaylであり、音響特性インピーダンスが互いに異なるという要件を満たしている。
また、図6のように、バッキング部材120が、第一の部材を有する複数のバッキング部材1201、1202を重ねたものであってもよい。つまり、図1や図4の構造のバッキング部材を重ねた構成とすることができる。バッキング部材1201において、バッキング層1231、1241の内部にそれぞれ配置された第一の部材1216、1218の間隙Kは、これらの中心間距離Jの1/2倍以上となっている。こうすることにより、素子110からバッキング部材1201に伝播した音響波を更にバッキング部材1202に充分に到達させ、バッキング部材1202の内部で干渉させ減衰させることができる。また、バッキング部材1201、1202におけるそれぞれのバッキング層(1231と1241、及び1232と1242)間の距離(G及びH)が異なっていてもよい。こうすることにより、第一の実施例と同様に、トランスデューサ内部に伝播する音響波の複数の種類の周波数成分を低減させることができる。ただし、距離(G及びH)が同じであっても、図6の構成では、距離が異なるバッキング層の組(例えば、1231と1241の組、1231と1232の組)が複数種存在するので、音響波の複数の種類の周波数成分を低減させることができる。
(第三の実施例)
本発明の第三の実施例を以下に説明する。本実施例におけるトランスデューサは、図7のように、素子110として、静電容量型の電気機械変換素子1101を用いている。静電容量型トランスデューサ1101は、基板1108上に形成されたセル1107と呼ばれる構造体を含む。例えば、キャビティ1102と呼ばれる略真空に維持された間隙を挟むように設けられた2つの電極1103、1104を備える。電極1103はメンブレン1105に固定され、メンブレン1105はその厚さ方向に振動可能となるように周縁部を支持部材1106によって支持されている。
2つの電極1103、1104の間に直流電圧が印加された状態で音響波を受信すると、メンブレン1105が振動して2つの電極間の距離が変化し、静電容量の変化に応じた電流信号が生じる。静電容量型トランスデューサ1101はこの電流信号を音響波検出信号として出力する。また、2つの電極1103、1104間に時間的に振幅変化する電圧(つまり交流電圧)を印加すると、メンブレン1105が振動することにより音響波を送信することができる。
従来、市販のトランスデューサにおいては素子110として圧電素子がしばしば用いられている。しかし、生体などのように被検体の音響特性インピーダンスが1〜2MRayl程度と比較的低い場合には、圧電素子と被検体との間に音響整合層を設けて音響波が被検体に伝播しやすくする必要がある。一方、静電容量型の電気機械変換素子は、被検体の音響特性インピーダンスが低くても音響整合層を用いずに音響波を被検体に伝播させることができる。よって。静電容量型の電気機械変換素子を用いることにより、さらに小型なトランスデューサを提供することができる。
(第四の実施例)
上記の実施形態ないし実施例で説明したトランスデューサは、超音波を含む音響波を用いた被検体情報取得装置に適用することができる。被検体からの音響波をトランスデューサで受信し、トランスデューサから出力される電気信号を用いて、光吸収係数などの被検体の光学特性値を反映した被検体情報や、音響インピーダンスの違いを反映した被検体情報を取得することができる。
図8(a)は、光音響効果を利用した被検体情報取得装置を示したものである。光源2010から発生したパルス光は、レンズ、ミラー、光ファイバー等の光学部材2012を介して、被検体2014に照射される。被検体2014の内部にある光吸収体2016は、パルス光のエネルギーを吸収し、音響波である光音響波2018を発生する。プローブ2022内のトランスデューサ2020は、光音響波2018を受信して電気信号に変換し、信号処理部2024に出力する。信号処理部2024は、入力された電気信号に対して、A/D変換や増幅等の信号処理を行い、データ処理部2026へ出力する。データ処理部2026は、入力された信号を用いて被検体情報(光吸収係数などの被検体の光学特性値を反映した特性情報)を画像データとして取得する。信号処理部2024とデータ処理部2026を含めて、処理部と言ってもよい。表示部2028は、データ処理部2026から入力された画像データに基づいて、画像を表示する。なお、図1に示されている信号処理手段130や駆動手段140のバイアス電源2は図8(a)の被検体情報取得装置に含まれていてもよいし、被検体情報取得装置とは別に用意されてもよい。
図8(b)は、音響波の反射を利用した超音波エコー診断装置等の被検体情報取得装置を示したものである。プローブ内のトランスデューサ2120から被検体2114へ送信された音響波は、反射体2116により反射される。トランスデューサ2120は、反射された音響波2118を受信して電気信号に変換し、信号処理部2124に出力する。信号処理部2124は、入力された電気信号に対して、A/D変換や増幅等の信号処理を行い、データ処理部2126へ出力する。データ処理部2126は、入力された信号を用いて被検体情報(音響インピーダンスの違いを反映した特性情報)を画像データとして取得する。ここでも、信号処理部2124とデータ処理部2126を含めて、処理部ということもできる。表示部2128は、データ処理部2126から入力された画像データに基づいて、画像を表示する。なお、ここでも、バイアス電源は図8(b)の被検体情報取得装置に含まれていてもよいし、被検体情報取得装置とは別に用意されてもよい。
プローブは、機械的に走査するものであっても、医師や技師等のユーザが被検体に対して移動させるもの(ハンドヘルド型)であってもよい。また、図8(b)のように反射波を用いる装置の場合、音響波を送信するプローブは受信するプローブと別に設けてもよい。
さらに、図8(a)と図8(b)の装置の機能のどちらも兼ね備えた装置とし、被検体の光学特性値を反映した被検体情報と、音響インピーダンスの違いを反映した被検体情報のどちらも取得するようにしてもよい。この場合、図8(a)のトランスデューサ2020が光音響波の受信だけでなく、音響波の送信と反射波の受信を行うようにしてもよい。
100 トランスデューサ
110 素子(電気機械変換素子)
120 バッキング部材
121 第一の部材
122 第二の部材
123、124 バッキング層

Claims (17)

  1. 音響波と電気信号との変換を行う電気機械変換素子と、前記素子の主面と反対側の面に配置されたバッキング部材と、を有するトランスデューサであって、
    前記バッキング部材は、前記主面に略平行な複数のバッキング層を含み、
    前記バッキング層の各々は、間隙を隔てて配置された複数の第一の部材と、前記間隙に配置され、前記第一の部材と異なる音響特性インピーダンスを有する第二の部材と、を含み、
    前記複数のバッキング層のなかに、層間の前記主面に鉛直な方向の距離が前記第二の部材における音響波の所定の波長の4分の1の略奇数倍であり、層中の前記第一の部材の位置が前記主面に平行な方向に互いにずれている複数のバッキング層が含まれることを特徴とするトランスデューサ。
  2. 前記所定の波長の4分の1の略奇数倍は、所定の波長の{(N/2−1/4)±1/20}倍(Nは自然数)であることを特徴とする請求項1に記載のトランスデューサ。
  3. 前記所定の波長は、前記第二の部材における音響波の中心波長であることを特徴とする請求項1または2に記載のトランスデューサ。
  4. 前記中心波長は、音響波の特徴的な周波数成分の波長であることを特徴とする請求項3に記載のトランスデューサ。
  5. 前記主面に鉛直な方向の上方から見て、前記複数のバッキング層の第一の部材の総面積が略等しいことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のトランスデューサ。
  6. 前記複数のバッキング層のうち少なくとも2つの厚さが、前記第二の部材における音響波の所定の波長の1/10倍以上異なることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のトランスデューサ。
  7. 前記第一の部材の形状が、球状または多面体状または柱状であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のトランスデューサ。
  8. 前記複数のバッキング層は、前記主面と反対側の面が一致していることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のトランスデューサ。
  9. 前記バッキング部材は2つのバッキング層からなり、前記2つのバッキング層は、前記第二の部材における音響波の所定の波長の1/4だけ厚さが異なることを特徴とする請求項8に記載のトランスデューサ。
  10. 前記第一の部材の形状が、複数の屈曲を繰り返す曲線に沿って曲げられた柱状であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のトランスデューサ。
  11. 前記第一の部材はガラス繊維からなり、前記第二の部材はエポキシ樹脂からなることを特徴とする請求項10に記載のトランスデューサ。
  12. 前記主面に鉛直な方向から見て、前記複数の第一の部材の間隙が、前記複数の第一の部材の中心間距離の1/2倍以上であることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載のトランスデューサ。
  13. 前記第二の部材は、処理により、流動性をもった状態から固まることができる材料からなることを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載のトランスデューサ。
  14. 前記素子が、静電容量型の電気機械変換素子であることを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項に記載のトランスデューサ。
  15. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトランスデューサと、処理部と、を有し、
    前記トランスデューサは、被検体からの音響波を受信して電気信号に変換し、
    前記処理部は、前記電気信号を用いて被検体の情報を取得することを特徴とする被検体情報取得装置。
  16. 請求項8に記載のトランスデューサの作製方法であって、
    厚さの異なる第一の部材を平面上に並べて仮接着する工程と、
    前記第一の部材の間隙を埋めるように第二の部材を充填し、前記第二の部材の硬化後に前記平面から全体を剥離する工程と、
    を含むことを特徴とするトランスデューサの作製方法。
  17. 請求項10または11に記載のトランスデューサの作製方法であって、
    繊維状に成形した第一の部材を複数作製し、これらを縦横に組み込むことで織物状の第一の部材を作製する工程と、
    前記織物状の第一の部材に液状の第二の部材をしみ込ませた後に、前記織物状の第一の部材の面を加圧しながら処理し前記第二の部材を硬化させる工程と、
    を含むことを特徴とするトランスデューサの作製方法。
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