JP2013224253A - 接合体の製造方法、及び、接合体 - Google Patents

接合体の製造方法、及び、接合体 Download PDF

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Abstract

【課題】第1部分の凹部又は貫通孔に第2部分が埋設された接合体の製造方法であって、第1、第2部分の間の相対位置関係の精度が高い接合体を得ることができるものの提供。
【解決手段】この製造方法では、先ず、第1原料粉体、分散媒、及びゲル化剤を含む第1原料スラリーを成形・固化して、第1部分の焼成前の状態であり且つ凹部11agを有する「第1部分の前駆体」11gが形成される。次いで、「第1部分の前駆体」の凹部11agに、第2原料粉体、分散媒、及びゲル化剤を含む第2原料スラリーが充填される。これにより、第2部分の焼成前の状態にある「第2部分の前駆体」が「第1部分の前駆体」の凹部11agに埋設された状態にある「接合体の前駆体」が形成される。次いで、この「接合体の前駆体」が焼成されて、「第2部分(焼成体)が第1部分(焼成体)の凹部に埋設された接合体」が得られる。
【選択図】図6

Description

本発明は、接合体の製造方法、及び、接合体に関する。
従来から、特許文献1に記載のように、凹部を有する焼成体である第1部分と、その凹部に埋設された第2部分と、が接合された接合体の製造方法が知られている。特許文献1では、先ず、第2部分の前駆体(第2部分の焼成前の状態にある成形体)が成形・形成される。その後、その第2部分の前駆体の周囲を囲むように、第1部分の前駆体(第1部分の焼成前の状態にある成形体)が成形・形成される。その結果、「第1部分の前駆体の凹部に第2部分の前駆体が埋設された状態」にある接合体の前駆体が得られる。その後、この接合体の前駆体が焼成されて、「焼成体である第1部分の凹部に焼成体である第2部分が埋設された接合体」が得られる。
国際公開第2009/110579号パンフレット
特許文献1に記載の製造方法では、「第1、第2部分の間の相対位置関係」の精度は、「既に成形・形成された第2部分の前駆体の全体」と、「これから成形・形成される(まだ成形・形成されていない)第1部分の前駆体の全体」との間の相対位置関係の精度に大きく依存する。一般に、「既に成形・形成された第1の物体」と「これから成形・形成される、第1の物体とは異なる第2の物体」との間の相対位置関係の精度を高めるのは困難である。従って、特許文献1に記載の製造方法では、「第1、第2部分の間の相対位置関係」の精度を高めるのは困難であるといえる。この傾向は、第2部分の全体形状が細長い形状であるほど(即ち、第2部分の全体形状のアスペクト比(縦横比)が大きいほど顕著になる。より具体的には、第2部分のアスペクト比が大きいほど、第1部分と第2部分の平行度を確保することが困難になる。更には、第2部分のアスペクト比が大きく、且つ、第2部分の長手方向に垂直な断面の代表長さ(例えば、断面が円形の場合には、直径)が小さい場合、第2部分の成形体を先に成形してその成形体の全体形状を維持することは、成形体の強度不足の観点から、非常に困難である。
本発明者は、上記のように「第1部分の凹部又は貫通孔に第2部分が埋設された接合体」の製造方法であって、特許文献1に記載の製造方法と比べて、「第1、第2部分の間の相対位置関係」の精度が高い(且つ、第2部分のアスペクト比が大きい)接合体を得ることができる製造方法を見出した。
本発明に係る接合体の製造方法は、凹部又は貫通孔を有する焼成体である第1部分と、前記凹部又は貫通孔に埋設された第2部分と、が接合された接合体の製造方法である。第2部分は、前記凹部又は貫通孔の開口で露呈している。この製造方法は、第1〜第3工程を含む。
第1工程では、「第1原料粉体、及び分散媒を含む第1原料スラリー」が成形・固化されて、「第1部分の前駆体」が形成される。「第1部分の前駆体」は、第1部分の焼成前の状態にある成形体であって、前記凹部又は貫通孔を有する。
第2工程は、第1工程の後に実行される。第2工程では、「第1部分の前駆体」の凹部又は貫通孔に、第2部分、又は「第2部分の前駆体」が埋設されて、「接合体の前駆体」が形成される。即ち、「接合体の前駆体」は、「第1部分の前駆体の凹部又は貫通孔に第2部分そのものが埋設された接合体」、又は、「第1部分の前駆体の凹部又は貫通孔に第2部分の前駆体が埋設された接合体」となる。
「第1部分の前駆体の凹部又は貫通孔に第2部分そのものが埋設された接合体」である「接合体の前駆体」は、例えば、「第1部分の前駆体」の凹部又は貫通孔に、固体である「第2部分そのもの」を挿入することによって得られる。「第1部分の前駆体の凹部又は貫通孔に第2部分の前駆体が埋設された接合体」である「接合体の前駆体」は、例えば、「第1部分の前駆体」の凹部又は貫通孔に、液状又は粉末状の「第2部分の前駆体」を充填することによって得られる。
第3工程は、第2工程の後に実行される。第3工程では、「接合体の前駆体」が焼成されて、「焼成体である第1部分の凹部又は貫通孔に第2部分が埋設された接合体」(即ち、最終的な形態)が得られる。なお、第2工程において「第1部分の前駆体」の凹部又は貫通孔に固体である「第2部分そのもの」が挿入される場合、第3工程後の接合体(即ち、最終的な形態)における「第2部分」は焼成体ではないが、第2工程において「第1部分の前駆体」の凹部又は貫通孔に液状又は粉末状の「第2部分の前駆体」が充填される場合、第3工程後の接合体(即ち、最終的な形態)における「第2部分」は焼成体となる。
上記製造方法によれば、「第1、第2部分の間の相対位置関係」の精度は、「第1部分の前駆体」の全体と「第1部分の前駆体」の凹部又は貫通孔との間の相対位置関係の精度に大きく依存する。ここで、上記製造方法によれば、第1工程において成形型等を利用して「第1部分の前駆体」を成形する際に、「第1部分の前駆体」の凹部又は貫通孔の形状が、「第1部分の前駆体」の全体の形状と同時に形成され得る。従って、成形型等の形状精度を高めるだけで、「第1部分の前駆体」の全体と「第1部分の前駆体」の凹部又は貫通孔との間の相対位置関係の精度を容易に高めることができる。従って、上記製造方法によれば、「第1、第2部分の間の相対位置関係」の精度を容易に高めることができ、従って、「第1、第2部分の間の相対位置関係」の精度が高い接合体を容易に得ることができる。加えて、「第1部分の前駆体」の凹部又は貫通孔の形状が、特に柱状・錘状である場合、成形型等を利用することによって、長手方向において段差がない凹部又は貫通孔の側面(長手方向の面)を容易に形成することができる。
本発明に係る製造方法によれば、第2部分の全体形状のアスペクト比(縦横比)が2.5以上と大きい場合であっても、上記と同じ理由によって、「第1、第2部分の間の相対位置関係」の精度を容易に高めることができる。この点において、本発明に係る製造方法は、特許文献1に記載された製造方法と比べて特に有利である。
上記接合体において、前記第1部分が絶縁体であり、前記第2部分がNiを含む導体である場合、前記第1部分における「前記第2部分との接合面の近傍部分」には、Niを含む層が形成されていることが好適である。この層は、焼成時におけるNi元素の「第2部分から第1部分への拡散」によって形成される。この層の存在によって、この層が存在しない場合と比べて、第1、第2部分の接合強度がより高くなる。
即ち、本発明に係る製造方法によれば、凹部又は貫通孔を有する焼成体である絶縁体と、前記凹部又は貫通孔に埋設された導体と、が接合された接合体であって、前記絶縁体における前記導体との接合面の近傍部分には、前記導体内に含まれる金属(典型的には、Ni)を含む中間層が形成された接合体が得られる。ここで、前記中間層の厚さは、1〜40μm、好ましくは5〜30μmであることが好適である。また、前記導体内における前記金属の体積比率は40%以上、好ましくは50%以上であることが好適である。
この接合体は、「絶縁体と導体との間の相対位置関係の精度が高い」、並びに、「絶縁体の焼成時に形成された中間層に存在によって絶縁体と導体との接合強度が高い」という顕著な作用・効果を奏し得る。
この接合体において、前記導体が長手方向を有する形状を有し且つ前記導体のアスペクト比が2.5以上である場合、前記絶縁体と前記導体との熱膨張率差(v)が5.94(10-6/K)以下、より好ましくは4.41(10-6/K)以下であることが好適である。
後述するように、本発明者は、導体のアスペクト比が2.5以上である場合において、「前記熱膨張率差(v)が5.94(10-6/K)以下、より好ましくは4.41(10-6/K)以下」の関係が成立する場合、そうでない場合と比べて、絶縁体の焼成工程時にて絶縁体にクラックが発生し難いことを見出した(後述する表1を参照)。
本発明の実施形態に係る接合体の製造方法によって製造された接合体の全体の斜視図である。 図1に示した接合体の主要断面図である。 本発明の第1実施形態に係る接合体の製造方法によって図1に示した接合体を製造する工程を説明するための第1の図である。 本発明の第1実施形態に係る接合体の製造方法によって図1に示した接合体を製造する工程を説明するための第2の図である。 本発明の第1実施形態に係る接合体の製造方法によって図1に示した接合体を製造する工程を説明するための第3の図である。 本発明の第2実施形態に係る接合体の製造方法によって図1に示した接合体を製造する工程を説明するための第1の図である。 本発明の第2実施形態に係る接合体の製造方法によって図1に示した接合体を製造する工程を説明するための第2の図である。 絶縁体にクラックが発生する様子を示した図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態に係る接合体の製造方法、並びに、その製造方法によって製造された接合体について説明する。
図1、図2は、本発明の実施形態に係る製造方法によって製造された接合体の一例を示す。この接合体10は、円柱状の第1部分11と、第1部分11の上面に開口する円柱状の凹部に埋設された円柱状の第2部分12と、から構成される。この接合体10では、第2部分12の全体が第1部分11の凹部に埋設され、且つ、第2部分11の上面のみが露呈した状態(第1、第2部分11、12のそれぞれの上面で一つの平面が構成された状態)で、第1、第2部分11、12が接合されている。第1部分11の円柱状の凹部は、円柱状の第1部分11に対して同軸的に配置されている。従って、円柱状の第2部分12も、円柱状の第1部分11に対して同軸的に配置されている。第1部分11が絶縁体であり、第2部分12が導体である場合、この接合体10の典型例として、点火プラグの電極が挙げられる。
第1部分11は、「原料粉体と分散媒とを少なくとも含むスラリー」を成形・固化した成形体を焼成して得られた焼成体である。一方、第2部分12は、第1部分11と同様の焼成体であっても、バルク体であってもよい。円柱状の第1部分11の外径D1及び高さL1はそれぞれ、例えば、1〜100mm、5〜500mmであり、円柱状の第2部分12の外径D2及び高さL2はそれぞれ、例えば、0.25〜45mm、0.625〜500mmである。従って、第2部分12のアスペクト比(縦横比、L2/D2)は、2.5〜2000である。
<第1実施形態>
以下、図1に示した接合体10の本発明の第1実施形態に係る製造方法について、図3〜図5を参照しながら説明する。以下、各図において符号の末尾に「g」が付された部材は、「焼成前の状態」を表すものとする。また、焼成前の状態の成形体を単に「成形体」と呼び、「成形体」を焼成したものを「焼成体」と呼ぶものとする。
先ず、図3に示すように、「第1部分の成形体」11g(前記「第1部分の前駆体」に対応)が形成される。「第1部分の成形体」11gは、第1部分11(焼成体)の形状に対応する形状を有しており、従って、上面に開口する円柱状の凹部11agを備えた円柱状を呈している。「第1部分の成形体」11gは、第1原料スラリーを第1部分11(焼成体)の形状に対応する形状に成形・固化して得られる。
第1原料スラリーには、第1原料粉体、分散媒、及び、有機バインダとしてのゲル化剤が含まれる。また、必要に応じて分散助剤、触媒が含まれる。具体的には、例えば、第1部分11(焼成体)が絶縁体である場合、第1原料粉体として、アルミナ(Al)等のアルミニウム元素を含むセラミックスの粉体が使用され得る。分散媒としては、脂肪族多価エステルと多塩基酸エステルの混合物、及び、エチレングリコールが使用され得る。ゲル化剤としては、硬化反応(ウレタン反応等に代表される化学反応)によって硬化する材料、例えば、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートの変性物が使用され得る。分散助剤としては、ポリカルボン酸系共重合体が使用され得る。触媒としては、6−ジメチルアミノ−1−ヘキサノール等が使用され得る。なお、有機バインダとしてゲル化剤以外の材料(即ち、化学反応では硬化せず、乾燥によってのみ硬化する材料)が使用されてもよい。
第1原料スラリーの成形は、例えば、第1部分11(焼成体)の形状に対応する成形空間を有する成形型を用いて行われる。具体的には、この成形型の成形空間内に第1原料スラリーが充填される。これにより、第1原料スラリーは、第1部分11の形状に対応する形状に成形される。成形された第1原料スラリーは、ゲル化剤による硬化反応によって固化される。その後、成形型が取り外され(離型され)(且つ、所定の乾燥工程を経て)、図3に示す「第1部分の成形体」11gが得られる。なお、このように、原料粉体、分散媒、及びゲル化剤を含む原料スラリーを成形し、成形された原料スラリーをゲル化剤による硬化反応により固化して成形体を得る方法は、「ゲルキャスト法」とも呼ばれる。
次に、図4に示すように、上記のように得られた「第1部分の成形体」11gの凹部11agに、固体(バルク体)である第2部分12そのものが挿入される。その結果、図5に示すように、「第1部分の成形体」11gの凹部11agに第2部分12そのものが埋設された接合体(前記「接合体の前駆体」に対応)が得られる。
第2部分12が導体である場合、上記のように挿入される第2部分12(バルク体)として、例えば、Ni系の合金を含む金属又はサーメットからなる円柱状の固体が使用され得る。なお、その後の焼成時において、「第1部分の成形体」11gには焼成収縮が発生する一方で第2部分12には焼成収縮が発生しないことを考慮して、第2部分12の外径は、凹部11agの内径に対して、「第1部分の成形体」11gの焼成収縮分だけ小さい値に設定される。
そして、上記のように得られた「第2部分12そのものが埋設された第1部分の成形体」11gが焼成される。この焼成は、例えば、加湿した窒素ガス或いはアルゴンガスなどの不活性ガスからなる弱酸化性の雰囲気中(酸素分圧が小さい雰囲気中)で700〜1600℃、好ましくは1350〜1500℃の温度で3〜20時間に亘って行われる。原料によっては700℃から焼成が可能である一方で、十分な焼結性を得るには1350℃以上での焼成が好ましい。また、温度が高過ぎると第2部分12が変形する可能性があるため、焼成温度は1500℃以下が好ましい。加湿は、10〜50℃の水中に前記不活性ガスをバブリングすることによって行われる。ここで、弱酸化性の雰囲気中で焼成が行われるのは、ゲル化剤を焼失させるためにはある程度の酸化性雰囲気が必要であること、且つ、第2部分12の過度の酸化を極力抑制するためには酸化性雰囲気の酸素分圧を小さくする必要があること、に基づく。
この焼成によって、「第1部分の成形体」11gが焼成収縮する。この結果、第2部分12の所謂「焼きばめ」が行われ、第1部分11(焼成体)と第2部分12(バルク体)とが強固に接合される。即ち、第1部分11(焼成体)の凹部に第2部分12(バルク体)が埋設された図1に示す接合体10が得られる。第1部分11における「第2部分12との接合面の近傍部分」には、Niを含む中間層が形成される。この中間層は、焼成時におけるNi元素の「第2部分12から第1部分11への拡散」によって形成される。この中間層の存在によって、第1、第2部分11、12の接合強度が高くなる。この中間層の厚さは、1〜40μm、好ましくは5〜30μmである。中間層の厚さが5μm未満では、気孔等の存在に起因して中間層が形成されない部分が多くなる可能性が高いからであり、中間層の厚さが30μmより大きいと、第2部分12の面積(導体面積)が過度に小さくなるからである。
<第2実施形態>
次に、図1に示した接合体10の本発明の第2実施形態に係る製造方法について、図6〜図7を参照しながら説明する。上記第1実施形態では、焼成される「接合体の前駆体」として「第2部分そのものが埋設された第1部分の成形体(前駆体)」が使用されていた(図5を参照)。これに対し、この第2実施形態では、焼成される「接合体の前駆体」として「第2部分の前駆体が埋設された第1部分の成形体(前駆体)」が使用される(後述する図7を参照)。以下、係る相違点を中心に説明する。
この第2実施形態では、図6に示すように、「第1部分の成形体」11g(上記第1実施形態で使用されたものと同じ)の凹部11agに、ディスペンサ等を利用して、Ni系の合金を含んだ金属又はサーメットを含む第2原料スラリー又は粉末が充填される。その結果、図7に示すように、「第1部分の成形体」11gの凹部11agに「第2部分12の焼成前の状態」にある「第2部分の前駆体」12gが埋設された接合体(前記「接合体の前駆体」に対応)が得られる。
第2原料スラリーとしては、Ni系の合金を含んだ金属又はサーメットの粉体(第1原料粉体とは異なる粉体)、分散媒、及び、有機バインダとしてのゲル化剤を含んだものが使用され得る。また、必要に応じて分散助剤、触媒が含まれる。分散媒、ゲル化剤、分散助剤、触媒等の具体的な材料は、上述した第1原料スラリーで使用されるものと同じである。このように、第2原料スラリーが有機バインダとしてゲル化剤を含む場合、凹部11agに充填された第2原料スラリーは、ゲル化剤による硬化反応によって固化される。
そして、上記のように得られた「第2部分の前駆体」12gが埋設された「第1部分の成形体」11gが、上記第1実施形態と同様の条件下で焼成される。この焼成によって、「第1部分の成形体」11gと「第2部分の前駆体」12gとが共焼成されて、第1部分11(焼成体)と第2部分12(焼成体)とが強固に接合される。即ち、第1部分11(焼成体)の凹部に第2部分12(焼成体)が埋設された図1に示す接合体10が得られる。この第2実施形態でも、上記第1実施形態と同様、第1部分11における「第2部分12との接合面の近傍部分」にはNiを含む中間層が形成される。この中間層の存在によって、第1、第2部分11、12の接合強度が高くなる。この中間層の厚さは、1〜40μm、好ましくは5〜30μmである。中間層の厚さが5μm未満では、気孔等の存在に起因して中間層が形成されない部分が多くなる可能性が高いからであり、中間層の厚さが30μmより大きいと、第2部分12の面積(導体面積)が過度に小さくなるからである。
(作用・効果)
上記本発明の第1、第2実施形態に係る接合体の製造方法では、成形型等を利用して「第1部分の成形体(前駆体)」11gが成形される際(図3を参照)、「第1部分の成形体」の凹部11agの形状が、「第1部分の成形体」11gの全体の形状と同時に形成され得る。従って、成形型等の形状精度を高めるだけで、「第1部分の成形体」11gの全体と「第1部分の成形体」の凹部11agとの間の相対位置関係の精度を容易に高めることができる。他方、焼成後の最終的な形態である接合体10における「第1、第2部分11、12の間の相対位置関係」の精度は、「第1部分の成形体」11gの全体と「第1部分の成形体」の凹部11agとの間の相対位置関係の精度に大きく依存する。以上のことから、上記本発明の第1、第2実施形態に係る接合体の製造方法によれば、「第1、第2部分11、12の間の相対位置関係」の精度を容易に高めることができ、従って、接合体10における「第1、第2部分11、12の間の相対位置関係」の精度が高い接合体を容易に得ることができる。
また、上記本発明の第1、第2実施形態に係る接合体の製造方法によって得られる接合体では、焼成時における金属元素(典型的には、Ni元素)の「第2部分12から第1部分11への拡散」によって、第1部分11における「第2部分12との接合面の近傍部分」に、第2部分12に含まれる金属(典型的には、Ni)を含む中間層が形成される。この中間層の存在によって、第1、第2部分11、12の接合強度が高くなる。
この中間層は、典型的には、第1、第2部分11、12の接合面の全域に亘って形成され得る。例えば、図1に示す例では、この中間層は、第1部分11における、円柱状の凹部の側面全域、及び、凹部の底面全域に亘って形成され得る。なお、この中間層は、第1、第2部分11、12の接合面の一部にのみ形成され得る。
加えて、図1に示した接合体10における第2部分12のアスペクト比(L2/D2)は5.5と比較的大きい。このように「埋設される部材」のアスペクト比が比較的大きい場合であっても、上記と同じ理由によって、「第1、第2部分11、12の間の相対位置関係」の精度を容易に高めることができる。この点において、本発明に係る製造方法は、特許文献1に記載された製造方法と比べて特に有利であるといえる。なお、上記第1、第2実施形態では、第1部分11に形成された(円柱状の)凹部に第2部分12が埋設されているが、第1部分11に形成された貫通孔(例えば、円柱状の貫通孔)に第2部分12が埋設された形態の場合であっても、凹部の場合と同様の作用・効果が奏され得る。
(第1部分11が絶縁体であり、第2部分12が導体である場合におけるクラック発生の抑制)
以下、第1部分11が絶縁体であり、第2部分12が導体である場合について考察する。この場合、導体12内に含まれる金属の体積比率は40%以上、好ましくは50%以上であることが好適である。これにより、導体12の電気抵抗が過大となることが抑制され得る。より詳細には、金属の体積比率が50%より小さくなると、導体12の電気抵抗が増加し始め、同体積比率が40%より小さくなると、導体12の電気抵抗が過大になる。以下、説明の便宜上、絶縁体11と導体12との熱膨張率差(導体12の熱膨張率から絶縁体11の熱膨張率を減じて得られる値)をv(10−6/K)とする。
導体12のアスペクト比(図2に示す例では、L2/D2)が2.5以上である場合において、接合体10(より具体的には、絶縁体11)の焼成後において、図8に示すように、絶縁体11にクラックが発生する場合があった。本発明者は、前記クラックの発生と、値vとの間に強い相関があることを見出した。そして、本発明者は、v≦5.94(10-6/K)、より好ましくはv≦4.41(10-6/K)という関係が成立する場合、そうでない場合と比べて、前記クラックが発生し難いことを見出した。以下、このことを確認した試験について説明する。
(試験)
この試験では、上述した第2本実施形態に係る製造方法を用いて、表1に示すように、絶縁体11の材料、導体12の材料、及び値vの組み合わせが異なる7種類のパターン(水準)で、図1に示す接合体と同形の接合体が作製された。各パターンに対して10個のサンプル(N=10)が作製された。
Figure 2013224253
各パターンにて、円柱状の絶縁体11の外径D1及び高さL1はそれぞれ、1〜100mm、5〜500mmであった。円柱状の導体12の外径D2及び高さL2はそれぞれ、0.25〜45mm、0.625〜500mmであった。従って、導体12のアスペクト比(L2/D2)は、2.5〜2000であった。焼成は、加湿した窒素ガス或いはアルゴンガスなどの不活性ガスからなる弱酸化性の雰囲気中(酸素分圧が小さい雰囲気中)で700〜1600℃、好ましくは1350〜1500℃の温度で3〜20時間に亘って行われた。また、熱膨張率差の調整は、導体12に含まれる金属(具体的には、ニッケル)の体積比率を変更して導体12の熱膨張率を変更することによって行われた。
そして、各パターンについて、絶縁体11においてクラック(図8を参照)が生じているか否かが判定された。この判定は、目視、或いは、顕微鏡を使用した観察に基づいてなされた。この結果は表1に示すとおりである。
表1から理解できるように、導体12のアスペクト比(L2/D2)が2.5以上という条件下、v>5.94(10−6/K)という関係が成立する場合にはクラック発生率がゼロより大きく、v≦5.94(10−6/K)という関係が成立する場合にはクラック発生率がゼロであった。なお、クラック発生率とは、各パターンについて、「全サンプル数」に対する「全サンプルのうちクラックが発生していたものの数」の割合である。以上より、導体12のアスペクト比(L2/D2)が2.5以上という条件下において、v≦5.94(10−6/K)という関係が成立する場合、そうでない場合と比べて、焼成時にて絶縁体11にクラックが発生し難い、いうことができる。ただし、値vが5.94(10−6/K)より少しでも大きいと、絶縁体11に残留する歪みが大きくなって絶縁体11の強度が低下する可能性がある。係る観点からは、v≦4.41(10-6/K)という関係が成立することが好ましい。
なお、この試験では、上述した第2実施形態に係る製造方法を用いて作製された接合体について評価がなされているが、上述した第1実施形態に係る製造方法を用いて作製された接合体についても、同じ結果が得られることが別途確認されている。また、この試験では、接合体が、円柱状の絶縁体11と、絶縁体11の上面に開口する円柱状の凹部に埋設された円柱状の導体12と、から構成される場合について評価がなされているが、接合体がその他の種々の形状を有する場合においても、同じ結果が得られることが別途確認されている。
10…接合体、11…第1部分(絶縁体)、11a…第1部分の成形体(前駆体)、11ag…第1部分の成形体の凹部、12…第2部分(導体)、12a…第2部分の前駆体

Claims (13)

  1. 凹部又は貫通孔を有する焼成体である第1部分と、前記凹部又は貫通孔に埋設された第2部分と、が接合された接合体の製造方法であって、
    第1原料粉体、及び分散媒を含む第1原料スラリーを成形・固化して、前記第1部分の焼成前の状態にあるとともに前記凹部又は貫通孔を有する、前記第1部分の前駆体を形成する第1工程と、
    前記第1工程の後、前記第1部分の前駆体の前記凹部又は貫通孔に、前記第2部分、又は前記第2部分の焼成前の状態にある前記第2部分の前駆体を埋設して前記接合体の前駆体を形成する第2工程と、
    前記第2工程の後、前記接合体の前駆体を焼成して前記接合体を得る第3工程と、
    を含む、接合体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の接合体の製造方法において、
    前記第2部分が長手方向を有する形状を有し、
    前記第2部分の前記長手方向と垂直な方向の代表長さ(D2)に対する前記第2部分の前記長手方向の代表長さ(L2)の割合であるアスペクト比が2.5以上である、接合体の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の接合体の製造方法において、
    前記第1工程で使用される前記第1原料スラリーは、有機バインダとして、化学反応によって硬化するゲル化剤を含む、接合体の製造方法。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の接合体の製造方法において、
    前記第2工程では、前記第1部分の前駆体の凹部又は貫通孔に固体である前記第2部分を挿入することによって、前記凹部又は貫通孔に前記第2部分が埋設される、接合体の製造方法。
  5. 請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の接合体の製造方法において、
    前記第2工程では、前記第1部分の前駆体の凹部又は貫通孔に液状又は粉末状の前記第2部分の前駆体を充填することによって、前記凹部又は貫通孔に前記第2部分の前駆体が埋設される、接合体の製造方法。
  6. 請求項5に記載の接合体の製造方法において、
    前記第2工程で前記凹部又は貫通孔に充填される前記第2部分の前駆体は、前記第1原料粉体とは異なる第2原料粉体、分散媒、及び、有機バインダとしての化学反応によって硬化するゲル化剤、を含む第2原料スラリーである、接合体の製造方法。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の接合体の製造方法において、
    前記第1部分は絶縁体であり、前記第2部分は導体である、接合体の製造方法。
  8. 請求項7に記載の接合体の製造方法において、
    前記第2部分はNiを含む導体であり、
    前記第1部分における前記第2部分との接合面の近傍部分には、Niを含む中間層が形成されている、接合体の製造方法。
  9. 凹部又は貫通孔を有する焼成体である絶縁体と、前記凹部又は貫通孔に埋設された導体と、が接合された接合体であって、
    前記絶縁体における前記導体との接合面の近傍部分には、前記導体内に含まれる金属を含む中間層が形成された、接合体。
  10. 請求項9に記載の接合体において、
    前記導体が長手方向を有する形状を有し、
    前記導体の前記長手方向と垂直な方向の代表長さ(D2)に対する前記導体の前記長手方向の代表長さ(L2)の割合であるアスペクト比が2.5以上であり、
    前記絶縁体と前記導体との熱膨張率差(v)が5.94(10−6/K)以下である、接合体。
  11. 請求項9又は請求項10に記載の接合体において、
    前記中間層の厚さは1〜40μmである、接合体。
  12. 請求項9乃至請求項11の何れか一項に記載の接合体において、
    前記導体内における前記金属の体積比率は40%以上である、接合体。
  13. 請求項9乃至請求項12の何れか一項に記載の接合体において、
    前記金属はNiである、接合体。
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