JP2013222613A - 光電変換素子用電解質ならびにその電解質を用いた光電変換素子および色素増感太陽電池 - Google Patents

光電変換素子用電解質ならびにその電解質を用いた光電変換素子および色素増感太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】高い光電変換効率を達成することができる光電変換素子用電解質ならびにその電解質を用いた光電変換素子および色素増感太陽電池の提供。
【解決手段】第3級または第4級カチオンを有する有機塩化合物(A)および有機化アルミニウムケイ酸塩(B)を含有する光電変換素子用電解質。
【選択図】なし

Description

本発明は、光電変換素子用電解質ならびにその電解質を用いた光電変換素子および色素増感太陽電池に関する。
近年、二酸化炭素の増加が原因とされる地球温暖化等の環境問題が深刻となり、環境負荷が小さく、かつ製造コストを削減できる太陽電池として、非シリコン系太陽電池が注目され研究開発が進められている。
非シリコン系太陽電池の中でも特に、スイスのグレツェルらが開発した色素増感太陽電池は、有機材料を用いた太陽電池の中では光電変換効率が高く、シリコン系太陽電池と比較して製造コストが安い等の利点もあり、新しいタイプの太陽電池として注目を集めている。
しかしながら、色素増感太陽電池は、電気化学電池のため電解質として有機電解液やイオン性液体等が使用されており、有機電解液を用いる場合には、長期使用時に揮発したり枯渇したりすることにより発電効率が低下してしまうという問題があり、また、イオン性液体を用いる場合には、長期使用時の揮発や枯渇は防止できるものの液漏れすることによる構造劣化等の耐久性の問題があった。
そこで、電解液の揮発、液漏れを防ぎ、太陽電池の長期安定性、耐久性確保を目的として、電解質を液状からゲル状、固体状にする研究が行われている。
例えば、特許文献1には、「(i)層状粘土鉱物及び/又は有機化層状粘土鉱物並びに(ii)イオン性液体を含んでなる光電変換素子用電解質。」が記載されている([請求項1])。
特表2007−531206号公報
本発明者は、特許文献1に記載の光電変換素子用電解質を用いた光電変換素子について検討した結果、光電変換効率に向上の余地があることを明らかとした。
そこで、本発明は、高い光電変換効率を達成することができる光電変換素子用電解質ならびにその電解質を用いた光電変換素子および色素増感太陽電池を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、有機化処理したアルミニウムケイ酸塩(以下、「有機化アルミニウムケイ酸塩」ともいう。)を用いた光電変換素子用電解質が、高い光電変換効率を達成することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(6)を提供する。
(1)第3級または第4級カチオンを有する有機塩化合物(A)および有機化アルミニウムケイ酸塩(B)を含有する光電変換素子用電解質。
(2)上記有機化アルミニウムケイ酸塩(B)が、リン酸化合物、カルボン酸化合物およびアルコキシシランからなる群から選択される少なくとも1種の有機化合物を用いて有機化処理されたアルミニウムケイ酸塩である上記(1)に記載の光電変換素子用電解質。
(3)上記有機化合物が、オニウム塩を有する上記(2)に記載の光電変換素子用電解質。
(4)上記オニウム塩が、イミダゾリウム塩、ピリジニウム塩、ピロリジニウム塩、ピペリジニウム塩、アンモニウム塩、スルホニウム塩およびホスホニウム塩からなる群から選択される少なくとも1種である上記(3)に記載の光電変換素子用電解質。
(5)透明導電膜および金属酸化物半導体多孔質膜を有する光電極と、
上記光電極に対向して配置される対向電極と、
上記光電極と上記対向電極との間に配された電解質層と、を有し、
上記電解質層が、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の光電変換素子用電解質である、光電変換素子。
(6)上記(5)に記載の光電極に光増感色素を担持させてなる、色素増感太陽電池。
本発明によれば、高い光電変換効率を達成することができる光電変換素子用電解質ならびにその電解質を用いた光電変換素子および色素増感太陽電池を提供することができる。
図1は、本発明の光電変換素子の基本構成の一例を示す模式断面図である。 図2は、実施例等で用いた本発明の色素増感太陽電池の基本構成を示す図面である。
[光電変換素子用電解質]
本発明の光電変換素子用電解質(以下、単に「本発明の電解質」ともいう。)は、第3級または第4級カチオンを有する有機塩化合物(A)および有機化アルミニウムケイ酸塩(B)を含有する光電変換素子用の電解質である。
次に、本発明の電解質の各成分について詳述する。
〔有機塩化合物(A)〕
本発明の電解質に用いる有機塩化合物(A)は、第3級または第4級カチオンならびにその対イオンであるアニオンを有する有機塩化合物であり、常温で固体および液体(いわゆるイオン性液体)のいずれであってもよい。
ここで、第3級カチオンとは、正電荷を有する周期律表第16族元素(例えば、酸素原子、硫黄原子等)が水素原子を有していないカチオンをいい、第4級カチオンとは、正電荷を有する周期律表第15族元素(例えば、窒素原子、リン原子等)が水素原子を有していないカチオンをいう。
上記有機塩化合物(A)が有するカチオンとしては、具体的には、下記式(1)または(2)で表されるカチオンが好適に例示される。
式(1)中、R1は、炭素数1〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基を表し、炭素数1〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい置換基を有していてもよい。R2およびR3は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基を表す。ただし、窒素原子が二重結合を含む場合、R3は存在しない。
式(2)中、Qは、窒素原子、酸素原子、リン原子または硫黄原子を表し、R4、R5、R6およびR7は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基を表す。ただし、Qが酸素原子または硫黄原子の場合、R7は存在せず、Qが硫黄原子の場合、R4およびR5は連結していてもよい。
ここで、上記式(1)中のR1が表す炭素数1〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基としては、上記式(1)中の窒素原子(アンモニウムイオン)とともに環構造を採るものであるのが好ましい。
次いで、上記式(1)中のR1が有していてもよい、炭素数1〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ウンデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、シクロプロピルメチル基、トリフルオロエチル基等)、炭素数2〜20のアルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、炭素数6〜20のアリール基(例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等)、炭素数7〜20のアラルキル基(例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等)、炭素数1〜20のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソ−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、n−ペントキシ基、n−ヘキソキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、ヘプトキシ基、オクトキシ基、ノニノキシ基、デシロキシ基、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基等)、炭素数2〜20のアルキルアルコキシ基(例えば、メチレンメトキシ基(−CH2OCH3)、エチレンメトキシ基(−CH2CH2OCH3)、n−プロピレン−イソ−プロポキシ基(−CH2CH2CH2OCH(CH32)、メチレン−t−ブトキシ基(−CH2−O−C(CH33、ブチレンメトキシ基、ペンチレンメトキシ基、へキシレンメトキシ基、ヘプチレンメトキシ基、オクチレンメトキシ基、ノニレンメトキシ基、デシレンメトキシ基、メチレンエトキシ基、エチレンエトキシ基、プロピレンエトキシ基、ブチレンエトキシ基、ペンチレンエトキシ基、へキシレンエトキシ基、エチレンエトキシメトキシ基、シクロプロピルメトキシ基、シクロヘキシルメトキシ基、メチルフェノキシ基、メトキシフェノキシ基、エトキシフェノキシ基、フェノキシフェノキシ基等)であるのが好ましい。また、上記式(1)中のR1は、この置換基を2以上有していてもよい。
また、上記式(1)中のR2およびR3が表す炭素数1〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基としては、具体的には、炭素数1〜20のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ウンデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、シクロプロピルメチル基、トリフルオロエチル基等)、炭素数2〜20のアルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、炭素数6〜20のアリール基(例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等)、炭素数7〜20のアラルキル基(例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等)、炭素数1〜20のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソ−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、n−ペントキシ基、n−ヘキソキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、ヘプトキシ基、オクトキシ基、ノニノキシ基、デシロキシ基、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基等)、炭素数2〜20のアルキルアルコキシ基(例えば、メチレンメトキシ基(−CH2OCH3)、エチレンメトキシ基(−CH2CH2OCH3)、n−プロピレン−イソ−プロポキシ基(−CH2CH2CH2OCH(CH32)、メチレン−t−ブトキシ基(−CH2−O−C(CH33、ブチレンメトキシ基、ペンチレンメトキシ基、へキシレンメトキシ基、ヘプチレンメトキシ基、オクチレンメトキシ基、ノニレンメトキシ基、デシレンメトキシ基、メチレンエトキシ基、エチレンエトキシ基、プロピレンエトキシ基、ブチレンエトキシ基、ペンチレンエトキシ基、へキシレンエトキシ基、エチレンエトキシメトキシ基、シクロプロピルメトキシ基、シクロヘキシルメトキシ基、メチルフェノキシ基、メトキシフェノキシ基、エトキシフェノキシ基、フェノキシフェノキシ基等)等が挙げられる。
また、上記式(2)中、R4、R5、R6およびR7が表す炭素数1〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基としては、具体的には、例えば、上記式(1)中のR2およびR3が表す炭素数1〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基として例示したものが挙げられる。
上記式(1)で表されるカチオンとしては、例えば、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピペリジニウムイオン等が挙げられる。
具体的には、下記式(3)〜(6)のいずれかで表されるカチオンが好適に例示される。
このうち、下記式(3)および(5)で表されるカチオンであるのが、本発明の光電変換素子の光電変換効率がより良好となる傾向がある理由から好ましい。
式(3)〜(6)中、Rは、それぞれ独立に炭素数1〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基を表す。
より具体的には、以下に示すカチオンが挙げられる。
上記式(2)で表されるカチオンとしては、例えば、アンモニウムイオン、スルホニウムイオン、ホスホニウムイオン、オキソニウムイオン等の有機カチオンが挙げられる。
具体的には、以下に示すカチオンが好適に例示される。
このうち、脂肪族4級アンモニウムイオン、スルホニウムイオン(特に、チオフェニウムイオン)であるのが、本発明の光電変換素子の光電変換効率がより高くなる傾向がある理由から好ましい。
一方、上記有機塩化合物(A)が有するアニオンとしては、具体的には、I-、Br-、AlCl4 -、Al2Cl7 -、NO3 -、BF4 -、PF6 -、CH3COO-、CF3COO-、CF3SO3 -、(CN)4-、SCN-、(CF3SO22-、(CN)2-、(CF3SO23-、(CN)3-、AsF6 -、SbF6 -、F(HF)n -、CF3CF2CF2CF2SO3 -、(CF3CF2SO22-、CF3CF2CF2COO-、ホスホネートアニオン(例えば、メチルホスホネート)等が好適に例示される。
このうち、本発明の光電変換素子の光電変換効率がより高くなる傾向がある理由から、臭素イオン(Br-)、ヨウ素イオン(I-)であるのが好ましく、ヨウ素イオン(I-)であるのがより好ましい。
また、本発明の光電変換素子の耐熱性が良好になるという理由から、チオシアネートアニオン(SCN-)(連結異性体であるイソチオシアネートアニオンを含む。以下同様。)が好ましい。
上記有機塩化合物(A)としては、例えば、上記で例示されるカチオンおよびアニオンの組み合わせからなる有機塩化合物等が挙げられる。
中でも、本発明の光電変換素子の光電変換効率がより高くなるという理由から、カチオンとしてイミダゾリウムイオンを有し、アニオンとしてヨウ素イオンを有する有機塩化合物が好ましく、本発明の光電変換素子の耐熱性が良好になるという理由から、チオシアネートアニオンを有する有機塩化合物が好ましく、イミダゾリウムイオンおよびヨウ素イオンを有する有機塩化合物と、チオシアネートアニオンを有する有機塩化合物とを併用することがより好ましい。
上記有機塩化合物(A)の合成方法は特に限定されず、従来公知の方法により、上記で例示されるカチオンおよびアニオンの組み合わせからなる各種の有機塩化合物を合成することができる。
上記有機塩化合物(A)としては、1−メチル−3−メチルイミダゾリウムアイオダイド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアイオダイド、1−メチル−3−ペンチルイミダゾリウムアイオダイド、1−メチル−3−ヘキシルイミダゾリウムアイオダイド、1−((2−メトキシエトキシ)エチル)−3−((2−メトキシエトキシ)エチル)イミダゾリウムアイオダイド、1−メチル−1−ブチルピロリジニウムチオシアネート、1−メチル−1−エチルピロリジニウムチオシアネート等の合成品のほか、市販品を使用することができ、具体的には、例えば、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイド(東京化成社製)、1−メチル−3−ブチルイミダゾリウムアイオダイド(東京化成社製)、1−メチル−1−メチル−ピロリジニウムアイオダイド(アルドリッチ社製)、テトラプロピルアンモニウムアイオダイド(東京化成社製)、テトラブチルアンモニウムアイオダイド(東京化成社製)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラシアノボレート(Merck社製)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムチオシアネート(Merck社製)、1−メチル−3−ブチルイミダゾリウムチオシアネート(BASF社製)、テトラプロピルアンモニウムチオシアネート(Merck社製)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(Solvent Innovation社製)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルホスホネート(関東化学社製)、トリエチルヘキシルホスホニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミド(アルドリッチ社製)、トリヘキシルテトラデシルホスホニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミド(アルドリッチ社製)等を使用することができる。
なお、有機塩化合物の中には、互変異性を示すものがあることから、本発明における有機塩化合物(A)については、その互変異性体を含むものとする。
具体的には、例えば、「1−メチル−3−ペンチルイミダゾリウムアイオダイド」は、その互変異性体である「1−ペンチル−3−メチルイミダゾリウムアイオダイド」を含み、「1−メチル−3−ヘキシルイミダゾリウムアイオダイド」は、その互変異性体である「1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムアイオダイド」を含むものとする。
このような上記有機塩化合物(A)の含有量は、本発明の電解質の総質量に対して50〜95質量%であるのが好ましく、65〜95質量%であるのがより好ましい。含有量がこの範囲であると、本発明の光電変換素子の光電変換効率がより良好となる。
〔有機化アルミニウムケイ酸塩(B)〕
本発明の電解質に用いる有機化アルミニウムケイ酸塩(B)は、有機化処理を施して得られるアルミニウムケイ酸塩であれば特に限定されず、例えば、未処理のアルミニウムケイ酸塩(以下、「アルミニウムケイ酸塩(b1)」という。)が表面に有している水酸基と、この水酸基と反応して共有結合を形成する官能基を有する有機化合物(以下、「有機化合物(b2)」)とを反応させたもの等を用いることができる。
このような有機化アルミニウムケイ酸塩(B)を用いることにより、光電変換効率の高い光電変換素子を形成することができる。
これは、詳細には明らかではないが、ファーバー(繊維)状の有機化アルミニウムケイ酸塩(B)によって形成される網目構造に有機塩化合物(A)を保持することができるためと考えられる。
<アルミニウムケイ酸塩(b1)>
上記有機化アルミニウムケイ酸塩(B)の調製に用いるアルミニウムケイ酸塩(b1)は特に限定されず、従来公知のチューブ状(外径:2〜2.5nm程度、内径:1nm以下、長さ:100nm以上)アルミニウムケイ酸塩等を用いることができる。
なお、上述したように、一般的に、アルミニウムケイ酸塩の表面は、水酸基を有するものである。
<有機化合物(b2)>
上記有機化アルミニウムケイ酸塩(B)の調製に用いる有機化合物(b2)は、上記アルミニウムケイ酸塩(b1)が表面に有している水酸基と反応して共有結合を形成する官能基を有する有機化合物であれば特に限定されず、例えば、リン酸化合物、カルボン酸化合物およびアルコキシシランからなる群から選択される有機化合物を用いることができる。
上記リン酸化合物としては、例えば、下記式(7)〜(10)で示されるリン酸等が挙げられ、上記カルボン酸化合物としては、例えば、下記式(11)で示されるカルボン酸等が挙げられ、上記アルコキシシランとしては、例えば、下記式(12)で示されるアルコキシシラン等が挙げられる。
上記式(7)〜(12)において、R8は、置換基もしくはヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜24のアルキル基、置換基もしくはヘテロ原子を有していてもよい炭素数2〜24のアルケニル基、または、置換基もしくはヘテロ原子を有していてもよい炭素数6〜24のアリール基を表す。なお、上記式(8)および(10)における複数のR8は、同一であっても異なっていてもよい。
また、上記式(12)において、R9およびR10はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基を表し、R10は炭素数1〜6のアルキレン基を表し、mは1〜3の整数を表す。なお、mが2または3の時の複数のR9はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、mが1の時の複数のR10はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
ここで、R8が表す置換基を有していてもよい炭素数1〜24のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシ基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基等のアルキル基(これらのアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい);これらの基にフッ素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシ基、ニトリル基、アミノ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基、ナフチルオキシ基などが置換され、その総炭素数が24以下であるアルキル基;等が挙げられる。
また、R8が表す置換基を有していてもよい炭素数2〜24のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、オクタデカジエニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基等のアルケニル基(これらのアルケニル基は直鎖状でも分枝状でもよく、また二重結合の位置も任意である);これらの基にフッ素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシ基、ニトリル基、アミノ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基、ナフチルオキシ基などが置換され、その総炭素数が24以下であるアルケニル基;等が挙げられる。
また、R8が表す置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などのアリール基;これらの基にフッ素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシ基、ニトリル基、アミノ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基、ナフチルオキシ基などが置換され、その総炭素数が20以下であるアリール基;等が挙げられる。
また、R9およびR10が表す炭素数1〜6のアルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基等が挙げられ、中でも、メチル基、エチル基であるのが好ましい。
上記式(7)〜(10)で示されるリン酸としては、具体的には、例えば、リン酸メチル(モノ置換体、ジ置換体、それら混合物)、リン酸エチル(モノ置換体、ジ置換体、それら混合物)、リン酸ブチル(モノ置換体、ジ置換体、それら混合物)、リン酸エチルヘキシル(モノ置換体、ジ置換体、それら混合物)、リン酸ブトキシエチルモノ置換体、ジ置換体、それら混合物)、リン酸デシル(モノ置換体、ジ置換体、それら混合物)リン酸ドデシル(モノ置換体、ジ置換体、それら混合物)、リン酸メトキシポリエチレングリコール(モノ置換体、ジ置換体、それら混合物)、リン酸メタクリロイルオキシポリエチレングリコール(モノ置換体、ジ置換体、それら混合物)、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、ビニルホスホン酸、ブチルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、オクチルホスホン酸、デシルホスホン酸、ドデシルホスホン酸、メトキシフェニルホスホン酸等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
これらのうち、本発明の光電変換素子の耐湿性が優れるという理由から、炭素数3以上のリン酸誘導体が好ましく、炭素数5〜20のリン酸誘導体がより好ましい。具体的には、リン酸エチルヘキシル(モノ置換体、ジ置換体、それら混合物)、リン酸ブトキシエチルモノ置換体、ジ置換体、それら混合物)、リン酸デシル(モノ置換体、ジ置換体、それら混合物)リン酸ドデシル(モノ置換体、ジ置換体、それら混合物)、リン酸メトキシポリエチレングリコール(モノ置換体、ジ置換体、それら混合物)、リン酸メタクリロイルオキシポリエチレングリコール(モノ置換体、ジ置換体、それら混合物)、ヘキシルホスホン酸、オクチルホスホン酸、デシルホスホン酸、ドデシルホスホン酸、 メトキシフェニルホスホン酸がより好ましい。
上記式(11)で示されるカルボン酸としては、具体的には、例えば、エタン酸(酢酸)、プロパン酸(プロピオン酸)、ブタン酸(酪酸)、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸(ラウリン酸)、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸(ステアリン酸)、9−ヘキサデセン酸(パルミトレイン酸)、cis−9−オクタデセン酸(オレイン酸)、ベンゼンカルボン酸(安息香酸)、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、サリチル酸、フェニルプロペン酸、トリヒドロキシ安息香酸等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
これらのうち、本発明の光電変換素子の耐湿性が優れるという理由から、炭素数3以上のカルボン酸が好ましく、炭素数5〜20のカルボン酸がより好ましい。具体的には、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸(ラウリン酸)、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸(ステアリン酸)、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、サリチル酸、フェニルプロペン酸、トリヒドロキシ安息香酸が好ましく、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸(ラウリン酸)、オクタデカン酸(ステアリン酸)、オレイン酸、リノール酸、サリチル酸、フェニルプロペン酸、トリヒドロキシ安息香酸がより好ましい。
上記式(12)で示されるアルコキシシランとしては、具体的には、例えば、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリメトキシエチルシラン、トリエトキシエチルシラン、トリメトキシプロピルシラン、トリエトキシプロピルシラン、トリメトキシヘプチルシラン、トリエトキシヘプチルシラン、トリメトキシヘキシルシラン、トリエトキシヘキシルシラン、トリメトキシシクロヘキシルシラン、トリメトキシオクチルシラン、トリエトキシオクチルシラン、トリメトキシドデシルシラン、トリエトキシドデシルシラン、トリメトキシオクタデシルシラン、トリエトキシオクタデシルシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリメトキシアクリルオキシプロピルトリメトキシメタクロイルオキシプロピル、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
これらのうち、本発明の光電変換素子の耐湿性が優れるという理由から、炭素数3以上のアルコキシシランが好ましい。
本発明においては、上記有機化合物(b2)は、本発明の光電変換素子の光電変換効率がより良好になるという理由から、オニウム塩を有するのが好ましい。
光電変換効率がより良好となる理由は、詳細には明らかではないが、上記有機化アルミニウムケイ酸塩(B)が有するオニウム塩の存在により、有機化アルミニウムケイ酸塩の表面層に沿って上記オニウム塩が配列され、例えば、ヨウ素イオン(I-)のパスが形成されるためと考えられる。
オニウム塩を有する有機化合物(b2)としては、例えば、下記式(13)〜(15)で表される化合物が挙げられる。
上記式(13)〜(15)中、nは1〜24の整数を表し、Y+はオニウムイオン(カチオン)を表し、Z-は対イオン(アニオン)を表す。
また、上記式(15)中、R9およびR10はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基を表し、R10は炭素数1〜6のアルキレン基を表し、mは1〜3の整数を表す。mが2または3の時の複数のR9はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、mが1の時の複数のR10はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
ここで、上記式(13)〜(15)中、カチオン(Y+)としては、例えば、上記有機塩化合物(A)が有するカチオンとして記載した、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピペリジニウムイオン、アンモニウムイオン、スルホニウムイオン、ホスホニウムイオン、オキソニウムイオンが挙げられ、本発明の光電変換素子の光電変換効率がより良好となるという理由から、イミダゾリウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピペリジニウムイオン、アンモニウムイオン、スルホニウムイオン、ホスホニウムイオンであるのがより好ましい。
同様に、上記式(13)〜(15)中、アニオン(Z-)としては、例えば、上記有機塩化合物(A)が有するアニオンとして記載したものが挙げられ、また、アニオン(Z-)は、上記有機塩化合物(A)が有するアニオンと容易に交換可能なことから、必ずしも限定されないが、本発明の光電変換素子の光電変換効率がより良好となるという理由から、臭素イオン(Br-)、ヨウ素イオン(I-)であるのが好ましく、ヨウ素イオン(I-)であるのが好ましい。
また、上記式(15)中、R9およびR10が表す炭素数1〜6のアルキル基としては、上記式(12)において挙げたものが挙げられ、中でも、メチル基、エチル基であるのが好ましい。
上記式(13)で表される化合物としては、具体的には、例えば、下記式で表される化合物等が挙げられる。
上記式(14)で表される化合物としては、具体的には、例えば、下記式で表される化合物等が挙げられる。
上記式(15)で表される化合物としては、具体的には、例えば、トリメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムアイオダイド、トリメチル[3−(トリエトキシシリル)プロピル]アンモニウムアイオダイド、3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−1−メチルイミダゾリウムアイオダイド、3−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−1−メチルイミダゾリウムアイオダイド、1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ピリジニウムアイオダイド、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ピリジニウムアイオダイド、1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−1−メチルピロリジニウムアイオダイド、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−1−メチルピロリジニウムアイオダイド、1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−1−メチルピペリジニウムアイオダイド、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−1−メチルピペリジニウムアイオダイド、ジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]スルホニウムアイオダイド、ジメチル[3−(トリエトキシシリル)プロピル]スルホニウムアイオダイド、トリメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ホスホニウムアイオダイド、トリメチル[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ホスホニウムアイオダイド等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、上記式(15)で表される化合物は、例えば、3−トリメトキシシリルプロピルクロリドとイミダゾール化合物(例えば、メチルイミダゾール等)、ピリジン化合物、ピロリジン化合物、ピペリジン化合物、アミン化合物、スルフィド化合物、ホスフィン化合物等の化合物とを反応(4級化反応)させることによって合成することができる。
上述したアルミニウムケイ酸塩(b1)と有機化合物(b2)との反応は特に限定されず、例えば、これらをメタノール等の有機溶媒中で、0〜250℃程度の温度で撹拌することにより、アルミニウムケイ酸塩(b1)が有する水酸基と有機化合物(b2)が有する官能基(例えば、リン酸基、カルボキシ基、アルコキシ基等)とが反応し、有機化アルミニウムケイ酸塩(B)を調製することができる。
なお、上記反応においては、アルミニウムケイ酸塩(b1)が有する水酸基の全てが反応している必要はない。
本発明において、上記有機化アルミニウムケイ酸塩(B)の含有量は、上記有機塩化合物(A)100質量部に対して、無機物換算で1〜250質量部であるのが好ましく、2〜150質量部であるのがより好ましい。
ここで、無機物換算とは、上記有機化アルミニウムケイ酸塩(B)のアルミニウムケイ酸塩の表面層に結合している上記有機化合物(b2)を除外した質量をいう。
〔その他の成分〕
本発明の電解質は、本発明の光電変換素子の光電変換効率をより向上させる観点から、酸化還元対(レドックス対)を添加することができる。
酸化還元対としては、色素増感太陽電池において一般的に使用されているまたは使用することができる任意のものを本発明の目的を損なわない範囲で用いることができる。
例えば、ヨウ素/ヨウ化物イオン、臭素/臭化物イオン等を用いることができる。具体的には、ヨウ素とLiI、NaI、KI等との金属ヨウ化物、ヨウ素と4級イミダゾリウム化合物とのヨウ化物塩、ヨウ素と4級ピリジニウム化合物とのヨウ化物塩、ヨウ素とテトラアルキルアンモニウム化合物とのヨウ化物塩等のヨウ素/ヨウ化物イオン対;臭素とLiBr、NaBr、KBr等との金属臭化物、臭素と4級イミダゾリウム化合物との臭化物塩、臭素と4級ピリジニウム化合物との臭化物塩、臭素とテトラアルキルアンモニウム化合物との臭化物塩等の臭素/臭化物イオン;フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩、フェロセン−フェリシニウム塩、コバルト錯体等の金属錯体;ジスルフィド化合物とメルカプト化合物との硫黄化合物;ハイドロキノン−キノン;ビオロゲン色素;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、ヨウ素/ヨウ化物イオン、臭素/臭素化物イオンが好ましい。
また、本発明の電解質は、本発明の光電変換素子の短絡電流を向上させる観点から、無機塩および/または有機塩を添加することができる。
無機塩、有機塩としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属塩等を挙げることができ、具体的には、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化カルシウム、トリフルオロ酢酸リチウム、トリフルオロ酢酸ナトリウム、チオシアン酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム、六フッ化リン酸リチウム、過塩素酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、グアニジンチオシアネートなどのグアニジン塩等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機塩、有機塩の添加量は、特に限定されず、本発明の目的を損なわない限り、従来通りとすることができる。
また、本発明の電解質は、本発明の光電変換素子の開放電圧を向上させる観点から、ピリジン類、ベンズイミダゾール類を添加することができる。
具体的には、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン等のアルキルピリジン類;メチルイミダゾール、エチルイミダゾール、プロピルイミダゾール等のアルキルイミダゾール類;メチルベンズイミダゾール、エチルベンズイミダゾール、ブチルベンズイミダゾール、プロピルベンズイミダゾール等のアルキルベンズイミダゾール類;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ピリジン類、ベンズイミダゾール類の添加量は、特に限定されず、本発明の目的を損なわない限り、従来通りとすることができる。
本発明の電解質は、有機溶媒を添加してもよく、その具体例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の炭酸エステル類;エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル等のエーテル類;エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル等のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール類;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、シアノエチルエーテル、グルタロニトリル、バレロニトリル等のニトリル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の非プロトン極性溶媒類;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
有機溶媒の含有量は、特に限定されず、本発明の目的を損なわない限り、従来通りとすることができる。
〔製造方法〕
本発明の電解質の製造方法は特に限定されず、例えば、上記有機塩化合物(A)および上記有機化アルミニウムケイ酸塩(B)ならびに所望により含有してもよい酸化還元対や有機溶媒等を混合し、ボールミル、サンドミル、顔料分散機、すりつぶし機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー、ホバートミキサー、ロール、ニーダー等を用いて室温下または加熱下(例えば40〜150℃)で十分に混合し、均一に分散(混練)させることにより製造することができる。
ここで、上記混合には、必要に応じて有機溶剤(例えば、トルエン等)を併用し、混合後に有機溶剤を真空留去する方法を用いてもよい。
[光電変換素子、色素増感太陽電池]
次に、本発明の光電変換素子および色素増感太陽電池について、図1を用いて詳述する。図1は、本発明の光電変換素子の基本構成の一例を示す模式断面図である。
本発明の光電変換素子は、透明導電膜および金属酸化物半導体多孔質膜を有する光電極と、上記光電極に対向して配置される対向電極と、上記光電極と上記対向電極との間に配された電解質層と、を有する光電変換素子である。
〔光電極〕
上記光電極は、例えば、図1に示すように、透明基板1と透明導電膜2と酸化物半導体多孔質膜3により構成されている。
ここで、透明基板1は、光透過性が良好なものが好ましく、その具体例としては、ガラス基板の他、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、環状オレフィンポリマー、ポリエーテルサルフォン、ポリスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、トリアセチルセルロース、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂基板(フィルム)が挙げられる。
また、透明導電膜2としては、具体的には、例えば、アンチモンやフッ素がドープされた酸化スズ、アルミニウムやガリウムがドープされた酸化亜鉛、スズがドープされた酸化インジウム等の導電性金属酸化物が挙げられる。
また、透明導電膜2の厚さは、0.01〜1.0μm程度であるのが好ましい。
更に、透明導電膜2を設けるための方法は特に限定されず、例えば、塗布法、スパッタリング法、真空蒸着法、スプレーパイロリシス法、化学気相成長法(CVD)、ゾルゲル法等が挙げられる。
次いで、酸化物半導体多孔質膜3は、酸化物半導体微粒子の分散液を透明導電膜2上に塗布することによって得られる。
上記酸化物半導体微粒子としては、具体的には、例えば、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ストロンチウム、酸化バナジウム、酸化ニオブ等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記分散液は、上記酸化物半導体微粒子と分散媒とをサンドミル、ビーズミル、ボールミル、3本ロールミル、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、ヘンシェルミキサー、ジェットミル等の分散機で混合することにより得られる。
また、上記分散液は、分散機で混合して得た後、使用(塗布)直前に、超音波ホモジナイザー等を用いて超音波処理を施すのが好ましい。使用直前に超音波処理を施すことにより、本発明の光電変換素子の光電変換効率がより良好となる。これは、使用直前に超音波処理を施した分散液を用いて形成した酸化物半導体多孔質膜に対して、上記有機塩化合物(A)を含有する本発明の電解質が充填されやすくなったり、色素の吸着能が高まったりしたためと考えられる。
さらに、上記分散液には、分散液中の上記酸化物半導体微粒子の再凝集を防ぐために、アセチルアセトン、塩酸、硝酸、界面活性剤、キレート剤等を添加してもよく、分散液の増粘のために、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール等の高分子やセルロース系の増粘剤等を添加してもよい。
上記分散液としては、酸化チタンペーストSP100、SP200(いずれも昭和電工社製)、酸化チタン微粒子Ti−Nanoxide T(ソーラロニクス社製)、Ti−Nanoxide D(ソーラロニクス社製)、Ti−Nanoxide T/SP(ソーラロニクス社製)、Ti−Nanoxide D/SP(ソーラロニクス社製)、チタニア塗布ペーストPECC01(ペクセル・テクノロジーズ社製)、チタニア粒子ペーストPST−18NR、PST−400C(いずれも日揮触媒化成社製)等の市販品を用いることも可能である。
上記分散液を透明導電膜上に塗布する方法としては、例えば、公知の湿式成膜法を用いることができる。
湿式成膜法としては、具体的には、例えば、スクリーンプリント法、インクジェットプリント法、ロールコート法、ドクターブレード法、スピンコート法、スプレー塗布法等が挙げられる。
また、上記分散液を透明導電膜上に塗布後、微粒子間の電子的なコンタクトの向上、透明導電膜との密着性の向上、膜強度の向上を目的として、加熱処理、化学処理、プラズマ、オゾン処理等を行うのが好ましい。
加熱処理の温度としては、40℃〜700℃であるのが好ましく、40℃〜650℃であるのが好ましい。また、加熱処理の時間としては、特に制限はないが、通常は10秒〜24時間程度である。
化学処理としては、具体的には、例えば、四塩化チタン水溶液を用いた化学メッキ処理、カルボン酸誘導体を用いた化学吸着処理、三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理等が挙げられる。
〔対向電極〕
上記対向電極とは、図1に示すように、光電極4に対向して配置される電極5であり、例えば、金属基板、表面に導電膜を有するガラス基板や樹脂基板等を用いることができる。
金属基板としては、白金、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、チタン等の金属を用いることができる。樹脂基板としては、光電極4を構成する透明基板1で例示した基板(フィルム)に加えて、不透明あるいは透明性に劣る一般的な樹脂基板も用いることができる。
また、表面に設ける導電膜としては、白金、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、チタン、マグネシウム、モリブデンなどの金属;炭素;酸化スズ、アンチモンやフッ素がドープされた酸化スズ、酸化亜鉛、アルミニウムやガリウムがドープされた酸化亜鉛、スズがドープされた酸化インジウムなどの導電性金属酸化物;等が挙げられる。導電膜の厚さや形成方法は、光電極4を構成する透明導電膜2と同様のものを挙げることができる。
本発明においては、対向電極5として、基板上に導電性高分子膜を形成させた電極や導電性高分子フィルム電極を用いてもよい。
導電性高分子としては、具体的には、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン等が挙げられる。
基板上に導電性高分子膜を形成させる方法は、通常湿式成膜法として知られているディッピング法やスピンコーティング法等を用いて、高分子分散液から基板上に導電高分子膜を形成することができる。
導電性高分子分散液としては、特開2006−169291号公報で開示したポリアニリン分散液や市販品であるポリチオフェン誘導体水分散液(バイトロンP、バイエル社製)、三菱レイヨン社製(アクアセーブ、ポリアニリン誘導体水溶液)等を用いることができる。
また、基板が上記導電基板である場合、上記手法に加えて電解重合法によっても基板上に導電性高分子膜を形成させることができる。導電性高分子フィルム電極は、電解重合法によって電極上に形成された導電性高分子フィルムを電極から剥離した自立性フィルムまたは導電性高分子分散液から通常湿式成膜法として知られているキャスティング法やスピンコーティング法等を用いて形成された自立性フィルム等を用いることもできる。ここで言う導電性高分子分散液は、導電性高分子微粒子が溶媒中に分散している状態と導電性高分子が溶媒中に溶解している状態とが混在しているものを、便宜上導電性高分子分散液としている。
〔電解質層〕
上記電解質層は、図1に示すように、光電極4および対向電極5の間に設けられる電解質層6であり、本発明の光電変換素子においては、上述した本発明の電解質を用いる。
本発明の光電変換素子は、上述した本発明の電解質を用いているため、高い光電変換効率を達成することができる。
本発明の色素増感太陽電池は、上述した本発明の光電変換素子を構成する光電極に光増感色素を担持させた光電変換素子の1種である。
ここで、光増感色素としては、可視光領域および/または赤外光領域に吸収を持つ色素であれば特に限定されなく、金属錯体又は有機色素等を用いることができる。
金属錯体としては、具体的には、例えば、ビピリジン構造やターピリジン構造などの配位子が配位したルテニウム錯体色素(下記式参照)、鉄錯体色素、オスミウム錯体色素、白金錯体色素、イリジウム錯体色素、金属フタロシアニン、金属ポルフィリン等を用いることができる。
一方、上記有機色素としては、具体的には、例えば、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素、クマリン系色素、インドール系色素、フルオレン系色素、トリフェニルアミン系色素等を用いることができる。
光増感色素を担持させる方法に特に制限はないが、上記色素を、例えば、水、アルコール系溶媒、二トリル系溶媒に溶解させ、色素溶液に酸化物半導体多孔質膜3を浸漬または色素溶液を酸化物半導体多孔質膜3に塗布することにより担持される。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
<有機化アルミニウムケイ酸塩1の調製>
まず、ブロモプロパンホスホン酸を出発原料として、フィンケルシュタイン反応(T. W. Baughman, J. C. Sworen, K. B. Wagener, Tetrahedron, 2004, 60, 10943.)により、アイオドプロパンホスホン酸を調製した。
次いで、調製したアイオドプロパンホスホン酸とアルミニウムケイ酸塩(「V.C. Farmer, A.R. Fraser, J.M. Tait, J. Chem. Soc., Chem. Commun., 1977, 462」を参照して合成したイモゴライト)とを反応させた後、更に1−メチルイミダゾールを反応させることにより、下記式で表されるオニウム塩を有するリン酸化合物で有機化処理された有機化アルミニウムケイ酸塩1を調製した。
<有機化アルミニウムケイ酸塩2の調製>
下記式で表されるリン酸ブトキシエチル化合物とアルミニウムケイ酸塩(「V.C. Farmer, A.R. Fraser, J.M. Tait, J. Chem. Soc., Chem. Commun., 1977, 462」を参照して合成したイモゴライト)とを、水およびエタノール混合溶媒中、室温下で反応させ、有機化アルミニウムケイ酸塩2を調製した。
<有機化アルミニウムケイ酸塩3の調製>
まず、3−トリメトキシシリルプロピルクロリドを出発原料として、フィンケルシュタイン反応(T. W. Baughman, J. C. Sworen, K. B. Wagener, Tetrahedron, 2004, 60, 10943.)により得られた3−トリメトキシシリルプロピルアイオダイドと、1−メチルイミダゾールを、トルエン中で反応させることにより、3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−1−メチルイミダゾリウムアイオダイドを合成した。
次いで、合成した3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−1−メチルイミダゾリウムアイオダイドとアルミニウムケイ酸塩(「V.C. Farmer, A.R. Fraser, J.M. Tait, J. Chem. Soc., Chem. Commun., 1977, 462」を参照して合成したイモゴライト)とを、メタノール中、60℃下で撹拌することにより、有機化アルミニウムケイ酸塩3を調製した。
〔実施例1〜6、比較例1〜2〕
<電解質の調製>
混合容器中で、下記第1表に示す成分を第1表に示す組成比(質量部)で、撹拌し、混合することにより電解質を調製した。
具体的には、第1表に示す組成比で、第1表に示す有機塩化合物の混合液に、第1表に示すアルミニウムケイ酸塩または層状粘土鉱物(以下、本段落において、これらをまとめて「粘土鉱物」という。)を撹拌しながら添加し、予め粘土鉱物を膨潤させ分散させたゲル状物質(複合体)を得た。
次に、得られた複合体に、第1表に示すヨウ素、および、N−メチルベンズイミダゾールを、第1表に示す組成比で添加し、混合した。
<色素増感太陽電池の作製>
透明導電性ガラス(FTOガラス、表面抵抗15Ω/□、日本板硝子社製)上に、酸化チタンペーストTi-Nanoxide D(Solaronix社製)を塗布し、室温下で乾燥させた後、450℃の温度で30分間焼結することにより、透明導電性ガラス上に酸化チタン多孔質膜が形成された光電極を作製した。
作製した光電極を、ルテニウム錯体色素(シス−(ジイソチオシアネート)−N,N′−ビス(2,2′−ビピリジル−4,4′−ジカルボキシリックアシッド)ルテニウム(II)錯体)(Ruthenium 535-bisTBA、Solaronix社製)のブチルアルコール/アセトニトリル溶液(体積比:1/1、濃度3×10-4mol/L)に4時間浸漬させた。
その後、アセトニトリルで洗浄し、暗所において窒素気流下で乾燥することにより光電極の酸化チタン電極に増感色素を担持させたものを光電極として用いた。
光増感色素を担持させた光電極上に調製した上記電解質を塗りつけ、これと、透明導電性ガラス基板(導電面にスズがドープされた酸化インジウム、シート抵抗:8Ω/□、日本板硝子社製)表面にスパッタリング法で厚さ約100nmの白金薄膜を形成させた白金対向電極とを張り合わせた。貼り合せる際、光電極と白金対向電極の間に熱融着フィルムを介在させ、150℃で熱融着させて電極間の封止を行うことにより、色素増感太陽電池(光増感色素:ルテニウム錯体色素)を得た。
<評価>
得られた色素増感太陽電池について、それぞれ光電変換効率およびその維持率を以下に示す方法により測定し、評価した。その結果を下記第1表等に示す。
<光電変換効率>
図2に示すように、光源としてソーラーシミュレーターを用い、AM1.5の擬似太陽光を100mW/cm2の光強度で光電極側から照射し、電流電圧測定装置(ケースレーインスツルメンツ社製デジタルソースメーター2400)を用いて変換効率[%]を求めた。
<耐湿性(維持率)>
光電変換効率を測定した色素増感太陽電池を、40℃、85%RHの条件で1000時間放置し、その後に上記と同様の方法により光電変換効率を測定し、その維持率(加湿後の光電変換効率/加湿前の光電変換効率×100)[%]を算出した。
この結果、光電変換効率の維持率が80[%]以上であれば、耐湿性に優れていると評価できる。
<耐湿熱性(維持率)>
光電変換効率を測定した色素増感太陽電池を、85℃、85%RHの条件で1000時間放置し、その後に上記と同様の方法により光電変換効率を測定し、その維持率(加湿後の光電変換効率/加湿前の光電変換効率×100)[%]を算出した。
この結果、光電変換効率の維持率が80[%]以上であれば、耐湿熱性に優れていると評価できる。
上記第1表等中の各成分は、以下のものを使用した。
・有機塩化合物1(MPImI):1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイド(比重:1.536g/cm3、東京化成社製)
・有機塩化合物2(EMImSCN):1−エチル−3−メチルイミダゾリウムチオシアネート(比重:1.115g/cm3、Merck社製)
・有機化アルミニウムケイ酸塩1〜3:上記調製例参照
・アルミニウムケイ酸塩4:アルミニウムケイ酸塩(「V.C. Farmer, A.R. Fraser, J.M. Tait, J. Chem. Soc., Chem. Commun., 1977, 462」を参照して合成したイモゴライト)
・層状粘土鉱物5:合成スメクタイト(商品名:ルーセンタイトSWN、平均粒径:0.02〜0.05μm、コープケミカル社製)
上記第1表に示す結果から明らかなように、有機化処理を施した有機化アルミニウムケイ酸塩(B)を用いると、層状粘土鉱物を用いた比較例2と比較して、いずれも光電変換効率が高くなることが分かった。
また、有機化アルミニウムケイ酸塩(B)を用いると、有機化処理を施していないアルミニウムケイ酸塩を用いた比較例1と比較して、いずれも耐湿性が良好となることが分かり(実施例1〜6)、特に、チオシアネートアニオンを有する有機塩化合物を配合した実施例1〜3、5および6は、耐湿熱性も良好となることが分かった。
更に、配合量が同じ実施例3、5および6を比較すると、オニウム塩を有する有機化合物で処理した有機化アルミニウムケイ酸塩(B)を用いると(実施例3および6)、オニウム塩を有しない有機化合物で処理した有機化アルミニウムケイ酸塩(B)を用いた場合(実施例5)と比較して、耐湿熱性を維持した状態で、光電変換効率が高くなることが分かった。
1:透明基板
2:透明導電膜
3:酸化物半導体多孔質膜
4:光電極
5:対向電極
6:電解質層
11:透明基板
12:透明導電膜(ITO、FTO)
13:金属酸化物
14:電解質
15:白金薄膜
16:透明導電膜(ITO、FTO)
17:基板
18:対向電極

Claims (6)

  1. 第3級または第4級カチオンを有する有機塩化合物(A)および有機化アルミニウムケイ酸塩(B)を含有する光電変換素子用電解質。
  2. 前記有機化アルミニウムケイ酸塩(B)が、リン酸化合物、カルボン酸化合物およびアルコキシシランからなる群から選択される少なくとも1種の有機化合物を用いて有機化処理されたアルミニウムケイ酸塩である請求項1に記載の光電変換素子用電解質。
  3. 前記有機化合物が、オニウム塩を有する請求項2に記載の光電変換素子用電解質。
  4. 前記オニウム塩が、イミダゾリウム塩、ピリジニウム塩、ピロリジニウム塩、ピペリジニウム塩、アンモニウム塩、スルホニウム塩およびホスホニウム塩からなる群から選択される少なくとも1種である請求項3に記載の光電変換素子用電解質。
  5. 透明導電膜および金属酸化物半導体多孔質膜を有する光電極と、
    前記光電極に対向して配置される対向電極と、
    前記光電極と前記対向電極との間に配された電解質層と、を有し、
    前記電解質層が、請求項1〜4のいずれかに記載の光電変換素子用電解質である、光電変換素子。
  6. 請求項5に記載の光電極に光増感色素を担持させてなる、色素増感太陽電池。
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