以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。従ってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける画像形成システムの全体概要を示す図である。図1を参照して、画像形成システム1は、それぞれがネットワーク3に接続された複合機(以下、「MFP」という)100,100A,100Bと、情報処理装置である携帯情報装置200と、無線局5と、を含む。このため、MFP100,100A,100C各々は、ネットワーク3を介して互いに通信可能である。
なお、図ではネットワーク3に、画像形成装置の一例として3台のMFP(Multi Function Peripheral)100,100A,100Bが接続される例を示しているが、MFPの数はこれに限定されるものではなく、1台以上であればよい。また、MFP100,100A,100Bに代えて、画像を処理する機能を備えた装置であれば、例えば、コンピュータ、ファクシミリ、プリンタ等であってもよい。
ネットワーク3は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワーク3は、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Networks)を用いたネットワーク等であってもよい。さらに、ネットワーク3は、インターネットに接続されている。このため、MFP100,100A,100B各々は、インターネットに接続されたサーバー等のコンピュータと通信が可能である。
携帯情報装置200は、情報処理装置の一例であり、電子ペーパー、またはスマートホン等の通信機能を備えたPDA(Personal Digital Assistants)である。ここでは、携帯情報装置200を、スマートホンとする場合を例に説明する。また、携帯情報装置200は、無線LAN機能を備えている。携帯情報装置200は、携帯電話用基地局と無線で通信することにより携帯電話網に接続し、通話が可能である。
ネットワーク3には無線局5がさらに接続される。無線局5は、ネットワーク3の中継装置であり、無線LAN通信機能を備えた携帯情報装置200と通信して、携帯情報装置200をネットワーク3に接続する。このため、携帯情報装置200は、ネットワーク3に接続された、MFP100,100A,100Bとデータの送受信が可能である。
本実施の形態における画像形成システム1においては、携帯情報装置200と、MFP100,100A,100Bのいずれかと、が通信し、データが送受信される。データを送受信するプロトコルは、特に限定されることはなく、任意のプロトコルを用いることが可能である。
また、携帯情報装置200は、MFP100,100A,100Bそれぞれを遠隔操作するための複数種類のアプリケーションプログラムをインストール可能である。携帯情報装置200に、アプリケーションプログラムを実行させることによって、MFP100,100A,100Bそれぞれに種々の処理を実行させることができる。アプリケーションプログラムは、MFP100,100A,100Bそれぞれに、画像を形成させる処理を実行させるアプリケーションプログラム、原稿を読み取らせる処理を実行させるアプリケーションプログラム、MFP100,100A,100Bそれぞれが記憶するデータに対する処理を実行させるアプリケーションプログラム、を含む。携帯情報装置200がMFP100,100A,100Bのいずれかを遠隔操作する処理は、すべて同じなので、以下の説明では、特に言及しない限り、携帯情報装置200が、MFP100を遠隔操作する場合を例に説明する。
MFP100,100A,100Bは、ハードウエア構成は同じであってもよく異なっていてもよいが、少なくとも画像データに基づいて紙などの用紙に画像を形成するための画像形成部を備えている。MFP100,100A,100B各々が有するハードウエア構成は同じではない場合があるが、ここではMFP100が、他のMFP100A,100Bの少なくとも1つが有する構成を有しているとし、特に言及しない限りMFP100を例に説明する。
図2は、MFPのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図2を参照して、MFP100は、メイン回路110と、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像データに基づいて用紙等に画像を形成するための画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給するための給紙部150と、後処理部155と、ユーザーインターフェースとしての操作パネル160と、を含む。
メイン回路110は、CPU111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM113と、RAM114と、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)115と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)116と、ファクシミリ部117と、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)119Aが装着される外部記憶装置119と、を含む。CPU111は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150、後処理部155および操作パネル160と接続され、MFP100の全体を制御する。
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる読取データ(画像データ)を一時的に記憶する。
操作パネル160は、MFP100の上面に設けられる。操作パネル160は、表示部161と操作部163とを含む。表示部161は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electro−Luminescence Display)等の表示装置であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部163は、複数のキーを備え、キーに対応するユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。操作部163は、表示部161の表示面で、ユーザーにより指示された位置を検出するタッチパネル165をさらに含む。タッチパネル165は、表示部161の上面または下面に設けられ、ユーザーにより指示された位置の座標をCPU111に出力する。
自動原稿搬送装置120は、原稿給紙トレイ上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿読取部130のプラテンガラス上に設定された所定の原稿読み取り位置まで搬送し、原稿読取部130により原稿画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ上に排出する。原稿読取部130は、原稿読取位置に搬送されてきた原稿に光を照射する光源と、原稿で反射した光を受光する光電変換素子とを含み、原稿のサイズに応じた原稿画像を走査する。光電変換素子は、受光した光を電気信号である画像データに変換して、画像形成部140に出力する。給紙部150は、給紙トレイに収納された用紙を画像形成部140に搬送する。
画像形成部140は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、原稿読取部130から入力される画像データにシェーディング補正などの各種のデータ処理を施した、データ処理後の画像データまたは、外部から受信された画像データに基づいて、給紙部150により搬送される用紙に画像を形成し、画像が形成された用紙を後処理部155に排出する。
後処理部155は、用紙を蓄積するための複数のビンを備え、画像形成部140から搬送される1以上の用紙に対して後処理を実行する。後処理は、1以上の用紙を複数のビンに順に搬送することによって複数のセットに分類するソート処理、用紙にパンチ穴加工するパンチ処理、用紙にステープル針を打ち込むステープル処理を含む。なお、後処理は、これらに限定されるものではなく、1以上の用紙を、搬送または加工する処理であれば、他の処理を含むようにしてもよい。
通信I/F部112は、MFP100をネットワーク3に接続するためのインターフェースである。CPU111は、通信I/F部112を介してネットワーク3に接続された他のMFP100A,100Bまたは無線局5との間で通信し、データを送受信する。また、通信I/F部112は、ネットワーク3を介してインターネットに接続されたコンピュータと通信が可能である。
ファクシミリ部117は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、ファクシミリデータを送受信する。ファクシミリ部117は、原稿読取部130により読み取られた画像データまたはHDD116に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。また、ファクシミリ部117は、受信されたファクシミリデータをHDD116に記憶するか、画像形成部140にファクシミリデータの画像を用紙に形成させる。
外部記憶装置119は、CD−ROM119Aが装着される。CPU111は、外部記憶装置119を介してCD−ROM119Aにアクセス可能である。CPU111は、外部記憶装置119に装着されたCD−ROM119Aに記録されたプログラムをRAM114にロードして実行する。なお、CPU111が実行するプログラムは、CD−ROM119Aに記録されたプログラムに限られず、HDD116に記憶されたプログラムをRAM114にロードして実行するようにしてもよい。この場合、ネットワークに接続された他のコンピュータが、MFP100のHDD116に記憶されたプログラムを書き換える、または、新たなプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、MFP100が、ネットワークに接続された他のコンピュータからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD116に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
図3は、携帯情報装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図3を参照して、携帯情報装置200は、携帯情報装置200の全体を制御するためのCPU211と、カメラ212と、データを不揮発的に記憶するフラッシュメモリ213と、通話部215と、通話部215と接続された無線通信部214と、情報を表示する表示部216と、ユーザーの操作の入力を受け付ける操作部217と、無線LANインターフェース(I/F)218と、を含む。
無線通信部214は、電話通信網に接続された携帯電話用基地局と無線通信する。無線通信部214は、携帯情報装置200を電話通信網に接続し、通話部215を用いた通話を可能とする。無線通信部214は、携帯電話用基地局から受信した無線信号を復調した音声信号を復号して通話部215に出力する。また、無線通信部214は、通話部215から入力される音声を符号化し、携帯電話用基地局に送信する。通話部215は、マイクおよびスピーカを備え、無線通信部214から入力される音声をスピーカから出力し、マイクから入力される音声を無線通信部214に出力する。さらに、無線通信部214は、CPU211により制御され、携帯電話用基地局を介してデータを送受信し、例えば、携帯情報装置200をインターネットに接続する。
カメラ212は、レンズおよびCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサー等の光電変換素子を備え、レンズで集光した光をCMOSセンサーに結像し、CMOSセンサーは受光した光を光電変換して画像データをCPU211に出力する。
表示部216は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD等の表示装置であり、ユーザーに対する指示メニューや,外部から受信されたデータ等を表示する。操作部217は、複数のキーを備え、キーに対応するユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。
また、操作部217は、タッチパネル217Aを含む。タッチパネル217Aは、表示部216の表示面中でユーザーにより指示された位置を検出する。タッチパネル217Aは、表示部216の上面または下面に設けられ、ユーザーにより指示された位置の座標をCPU211に出力する。タッチパネル217Aは、マルチタッチスクリーンパネルであり、同時に複数の位置がユーザーにより指示される場合、ユーザーにより指示された複数の位置にそれぞれ対応する複数の座標をCPU211に出力する。タッチパネル217Aは、表示部216の表示面と同じまたはそれ以上のサイズであるのが好ましい。タッチパネル217Aは、表示部216に重畳して設けられるので、タッチパネル217Aは、ユーザーが表示部216の表示面を指示すれば、表示部216の表示面中でユーザーが指示した1以上の位置にそれぞれ対応する1以上の座標をCPU211に出力する。タッチパネル217Aは、例えば、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式を用いることができ、その方式は限定されない。
無線LANI/F218は、無線局5と通信し、携帯情報装置200をネットワーク3に接続するためのインターフェースである。携帯情報装置200は、無線LANI/F218を介してMFP100,100A、100Bと通信することができ、データの送受信が可能である。
図4は、MFPが備えるCPUが有する機能の一例を示す図である。図4に示す機能は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、EEPROM115、HDD116またはCD−ROM119Aに記憶された遠隔操作実行プログラムを実行することにより、CPU111に形成される機能である。図4を参照して、CPU111は、携帯情報装置200に遠隔操作画面を送信する遠隔操作画面送信部51と、携帯情報装置200から送信される遠隔操作を受信する遠隔操作受信部53と、遠隔操作に従って処理を実行する遠隔操作実行部55と、携帯情報装置200を操作するユーザーを認証する遠隔操作認証部57と、携帯情報装置200との間の通信を切断する一時停止部61と、携帯情報装置200との間の通信を切断する直前に送信した遠隔操作画面をユーザーと関連付ける直前画面関連付部59と、携帯情報装置200との間の通信を復帰させる復帰部63と、操作部163に入力される操作を受け付ける操作受付部65と、動作モードを切り換える動作モード切換部67と、を含む。
遠隔操作画面送信部51は、通信I/F部112を介して、携帯情報装置200に遠隔操作画面を送信する。具体的には、遠隔操作画面送信部51は、通信I/F部112が携帯情報装置200から送信要求を受信すると、受信された送信要求に対応する遠隔操作画面を、通信I/F部112を介して送信する。遠隔操作画面送信部51は、携帯情報装置200に送信した遠隔操作画面を識別するための画面識別情報を遠隔操作受信部53および一時停止部61に出力する。
図5は、遠隔操作画面の一例を示す図である。図5を参照して、遠隔操作画面300は、操作パネル160を模した画像を含み、表示部161の表示面を模した画像301と、操作部163を模した画像303と、を含む。画像301は、表示部161に表示される画像と同じ画像である。画像303は、電源キーのキー画像303Aと、テンキー等の複数のハードキーのキー画像を含む。
図4に戻って、遠隔操作受信部53は、遠隔操作画面送信部51から画面識別情報が入力された後に、通信I/F112が携帯情報装置200から遠隔操作を受信すると、受信された遠隔操作を取得する。遠隔操作受信部53は、受信された遠隔操作を、遠隔操作実行部55または遠隔操作認証部57に出力するとともに、遠隔操作を受信したことを示す操作受信信号を一時停止部61に出力する。遠隔操作受信部53は、遠隔操作が認証情報を含む場合は、認証情報を含む遠隔操作を遠隔操作認証部57に出力し、遠隔操作が処理の実行を指示するコマンドを含む場合は、コマンドを含む遠隔操作を遠隔操作実行部55に出力する。
遠隔操作実行部55は、遠隔操作受信部53からコマンドを含む遠隔操作が入力される場合、遠隔操作に含まれるコマンドに従って処理を実行する。遠隔操作に含まれるコマンドは、例えば、原稿を読み取る処理を実行させるためのコマンド、画像を形成する処理を実行させるためのコマンド、データを出力する処理を実行させるためのコマンド、処理を実行するための設定値を設定するためのコマンド等を含む。データを出力する処理は、データをHDD116、EEPROM115に記憶する処理、データを電子メールまたはFTP(File Transfer Protocol)で送信する処理を含む。
遠隔操作認証部57は、携帯情報装置200から認証要求を受信することに応じて、携帯情報装置200を操作するユーザーであって、MFP100を遠隔操作するユーザーを認証する。認証要求は、認証情報を含まない第1の認証要求と、認証情報を含む第2の認証要求とを含む。認証情報は、例えば、ユーザーを識別するためのユーザー識別情報と、パスワードとの組を含む。なお、認証情報は、ユーザー識別情報とパスワードとの組に限らず、例えば、生体情報を用いるようにしてもよいし、ICカード等に記憶されたカード識別情報等を用いるようにしてもよい。
具体的には、携帯情報装置200を操作するユーザーは、MFP100を遠隔操作する場合、遠隔操作の対象となるMFP100を識別するための装置識別情報を携帯情報装置200に入力する。例えば、携帯情報装置200の表示部216に、遠隔操作可能な1以上の装置の装置識別情報のリストを表示し、ユーザーが、リスト表示された1以上の装置識別情報のうちから1つを選択するようにすればよい。装置識別情報は、例えばネットワークアドレス等、MFP100のネットワーク3において割り当てられた位置を示す情報であればよく、例えば、MFP100に付されたIP(Internet Protocol)アドレス、装置名称であってもよい。
携帯情報装置200は、携帯情報装置200を操作するユーザーによりMFP100の装置識別情報が入力されることに応じて、MFP100に第1の認証要求を無線LANI/F218を介して送信する。携帯情報装置200は、携帯情報装置200を操作するユーザーによりMFP100の装置識別情報が入力される場合は、第1の認証要求を送信する。なお、携帯情報装置200が第2の認証要求を送信する場合については、後述する。
遠隔操作認証部57は、通信I/F112が第1の認証要求を受信することに応じて、認証用画面の送信を遠隔操作画面送信部51に出力する。これにより、遠隔操作画面送信部51によって、携帯情報装置200に認証用画面が送信され、携帯情報装置200において認証画面が表示される。認証用画面は、認証情報を入力する画面を含む遠隔操作画面である。認証情報は、MFP100を使用することが許可されたユーザーを認証するための情報である。
携帯情報装置200を操作するユーザーが携帯情報装置200に認証情報を入力すれば、携帯情報装置200は、認証情報を含む遠隔操作を、無線LANI/F218を介してMFP100に返信する。遠隔操作受信部53は、通信I/F部112を制御して、携帯情報装置200が送信する遠隔操作を受信し、遠隔操作を遠隔操作認証部57に出力する。
遠隔操作認証部57は、遠隔操作受信部53から認証情報を含む遠隔操作が入力される場合、または、通信I/F部112が携帯情報装置200から第2の認証要求を受信する場合、遠隔操作に含まれる認証情報または第2の認証要求に含まれ認証情報を用いて、携帯情報装置200を操作するユーザーを認証する。したがって、遠隔操作認証部57は、通信I/F部112が携帯情報装置200から第2の認証要求を受信する場合は、認証用画面の送信を遠隔操作画面送信部51に出力しないので、携帯情報装置200では、認証用画面は表示されない。
具体的には、遠隔操作認証部57は、遠隔操作受信部53から入力される遠隔操作に含まれる認証情報または第2の認証要求に含まれ認証情報と同じ認証情報が、HDD116に予め記憶された認証情報中に存在すれば、ログインを許可するが、HDD116に予め記憶された認証情報中に存在しなければ、ログインを許可しない。遠隔操作認証部57は、認証に成功しログインを許可する場合、遠隔操作画面送信部51に遠隔操作画面を送信する送信指示を出力するとともに、直前画面関連付部59、一時停止部61および復帰部63に認証情報を出力する。遠隔操作認証部57は、認証に失敗し、ログインを許可しない場合、遠隔操作画面送信部51にエラー画面を送信する指示を出力する。以下、遠隔操作認証部57によって認証されたユーザーを、遠隔操作ユーザーという。
遠隔操作認証部57によって認証に成功し、遠隔操作画面送信部51によって遠隔操作画面が送信される時点で、MFP100と携帯情報装置200との間の通信が確立する。通信の確立とは、携帯情報装置とMFP100との間で共通のセッション番号を用いて通信する場合を含む。遠隔操作認証部57によって認証に失敗する場合、遠隔操作画面送信部51は、通信I/F部112を介して、携帯情報装置200にエラー画面を送信する。この場合は、MFP100と携帯情報装置200との間の通信は、認証処理を実行する間の一時的に確立するが、エラー画面を送信した後に切断する。ここでの通信の確立は、認証処理を実行した後の期間において通信可能な状態をいう。このため、認証処理を実行した結果、認証に失敗する場合には、MFP100と携帯情報装置200との間の通信が認証処理を実行している間は一時的に確立しているが、エラー画面を送信した後に切断されるので、通信が確立しない。
操作受付部65は、ユーザーが操作パネル160を操作し、入力する操作を受け付ける。操作受付部65は、操作部163が備えるハードキーが押下される場合、または、タッチパネル165がユーザーにより指示される場合に、ユーザーが入力する操作を検出する。以下、操作パネル160を操作するユーザーを直接操作ユーザーという。操作受付部65は、直接操作ユーザーが入力する操作を検出してから所定時間の間を、操作中状態に決定する。所定時間経過する前に直接操作ユーザーが入力する別の操作を検出する場合、操作中状態を継続させ、別の操作を検出した時点を所定時間を計時する起算時とする。操作受付部65は、操作中状態以外の期間を非操作状態とし、操作状態を動作モード切換部67に出力する。
動作モード切換部67は、操作受付部65から操作状態が入力される。動作モード切換部67は、MFP100の動作モードを通常モードと省電力モードとのいずれかに切り換える。動作モード切換部67は、動作モードを切り換える場合、切り換え後の動作モードを一時停止部61に出力する。なお、ここでの省電力モードは、通常モードよりも消費電力が低い動作モードであり、1つであってもよいし、消費電力の異なる複数の動作モードを含んでもよい。ここでは説明のために省電力モードが1つ動作モードの場合を例に説明する。
動作モード切換部67は、操作受付部65から入力される操作状態が操作中状態の間は動作モードを通常モードに切り換える。操作受付部65から入力される操作状態が非操作状態の間は、動作モードを省電力モードに切り換える。動作モード切換部67は、操作受付部65から入力される操作状態が操作中状態から非操作状態に切り換わると、動作モードを省電力モードに切り換える。なお、操作中状態から非操作状態に切り換わってからユーザーにより定められた時間が経過した後に動作モードを通常モードから省電力モードに切り換えるようにしてもよい。
一時停止部61は、遠隔操作認証部57により遠隔操作ユーザーが認証された後に、予め定められた一時停止条件が成立すると、携帯情報装置200に通信を切断することを通知した後、携帯情報装置200との間で確立された通信を切断する。具体的には、一時停止部61は、遠隔操作認証部57から認証情報が入力され、遠隔操作画面送信部51から画面識別情報が入力され、遠隔操作受信部53から遠隔操作を受信したことを示す操作受信信号が入力され、動作モード切換部67から動作モードが入力される。一時停止条件は、遠隔操作ユーザーが、携帯情報装置200に所定時間継続して遠隔操作を入力しない第1の条件と、動作モードが通常モードから省電力モードに切り換わる第2の条件と、を含む。
一時停止部61は、遠隔操作認証部57から認証情報が入力された後、遠隔操作画面送信部51から画面識別情報が入力される。遠隔操作画面送信部51は、遠隔操作認証部57により遠隔操作ユーザーが認証された後に、携帯情報装置200に遠隔操作画面を送信するからである。一時停止部61は、遠隔操作画面送信部51から画面識別情報が入力された後、所定時間継続して遠隔操作受信部53から操作受信信号が入力されない場合、第1の条件が成立したと判断する。また、一時停止部61は、動作モード切換部67から操作モードを通常モードから省電力モードに切り換える切り換え信号が入力されると、第2の条件が成立したと判断する。
一時停止部61は、遠隔操作認証部57から認証情報が入力された後一時停止条件が成立する前は、遠隔操作画面送信部51から画面識別情報が入力されるごとに、その画面識別情報を直前画面関連付部59に出力する。また、一時停止部61は、一時停止条件が成立する場合、一時停止信号を直前画面関連付部59に出力するとともに、一時停止信号をスリープ画面生成部69に出力する。一時停止部61は、一時停止信号を直前画面関連付部59およびスリープ画面生成部69に出力した後、遠隔操作画面送信部51によってスリープ画面を含むスリープ用遠隔操作画面の画面識別情報が入力されることに応じて、通信I/F部112を制御して、携帯情報装置200に通信を切断することを通知した後、携帯情報装置200との間で確立されている通信を切断させる。
スリープ画面生成部69は、一時停止部61から一時停止信号が入力されると、予め定められたスリープ画面を含むスリープ用遠隔操作画面を生成し、生成されたスリープ用遠隔操作画面を遠隔操作画面送信部51に出力する。遠隔操作画面送信部51は、スリープ用遠隔操作画面を、通信I/F部112を介して携帯情報装置200に送信する。これにより、携帯情報装置200にスリープ画面を含むスリープ用遠隔操作画面が表示される。スリープ画面は、MFP100との間の通信が切断したことを通知するための画面であり、例えば、無地の画像を含む。また、遠隔操作画面送信部51は、スリープ用遠隔操作画面を携帯情報装置200に送信すると、スリープ用遠隔操作画面の画面識別情報を一時停止部61に出力する。
図6は、スリープ用遠隔操作画面の一例を示す図である。図6を参照して、スリープ用遠隔操作画面310は、図5に示した遠隔操作画面300と異なる点は、画像301に代えてスリープ画面301Aを含む点である。スリープ画面は、無地の黒色の画像である。ここでは、黒色を斜線のハッチングで示している。スリープ用遠隔操作画面310が携帯情報装置200に表示されるので、遠隔操作ユーザーは、スリープ用遠隔操作画面310を見て、MFP100を遠隔操作中であることを知ることができ、スリープ用遠隔操作画面310に含まれる領域301に表示されるスリープ画面を見て、遠隔操作中のMFP100との間で確立していた通信が切断されたことを知ることができる。
図4に戻って、直前画面関連付部59は、遠隔操作認証部57から認証情報が入力され、一時停止部61から画面識別情報または一時停止信号が入力される。直前画面関連付部59は、一時停止信号が入力される直前に遠隔操作画面送信部51によって送信された遠隔操作画面を遠隔操作ユーザーと関連付ける。具体的には、直前画面関連付部59は、一時停止部61から一時停止信号が入力されると、遠隔操作認証部57から入力される認証情報と、一時停止部61から一時停止信号が入力される直前に入力された画面識別情報との組を生成し、HDD116に記憶する。直前画面関連付部59は、認証情報と画面識別情報との組を復帰部63に出力する。
復帰部63は、遠隔操作認証部57から認証情報が入力される。復帰部63は、遠隔操作認証部57から認証情報が入力される場合、遠隔操作認証部57から入力される認証情報と同じ認証情報を含む組が、HDD116に記憶されているか否かを判断する。復帰部63は、遠隔操作認証部57から入力される認証情報と同じ認証情報を含む組が、HDD116に記憶されているならば、通信I/F部112を制御して携帯情報装置200との間の通信を確立する。さらに、復帰部63は、遠隔操作認証部57から入力される認証情報と同じ認証情報を含む組によって認証情報と関連付けられた画面識別情報を取得し、取得された画面識別情報を遠隔操作画面送信部51に出力する。
遠隔操作画面送信部51は、遠隔操作認証部57から送信指示が入力されている場合であって、復帰部63から画面識別情報が入力される場合は、画面識別情報で特定される遠隔操作画面を、通信I/F部112を介して携帯情報装置200に送信する。これにより、携帯情報装置200は、スリープ画面を含むスリープ用遠隔操作画面が表示される直前に表示されていた遠隔操作画面が表示されるので、遠隔操作ユーザーは、遠隔操作を継続して入力することができる。
図7は、第1の実施の形態における携帯情報装置が備えるCPUが有する機能の一例を示す図である。図7に示す機能は、携帯情報装置200が備えるCPU211が、フラッシュメモリ213に記憶され、MFP100を遠隔制御するためのアプリケーションプログラムである遠隔制御プログラムを実行することにより、CPU211に形成される機能である。
図7を参照して、CPU211は、MFP100から受信される遠隔操作画面を表示する遠隔操作画面表示部251と、ユーザーによる操作を受け付ける操作受付部253と、遠隔操作画面に従って受け付けられた遠隔操作をMFP100に送信する遠隔操作送信部255と、ユーザーにより入力される認証情報を一時記憶する一時記憶部257と、MFP100から通信を切断する通知を受信する切断通知受信部261と、MFP100から通信を切断することが通知された後にMFP100に通信の再開を指示する復帰指示部259と、を含む。
遠隔操作画面表示部251は、無線LANI/F218を制御し、MFP100に遠隔操作画面の送信要求を送信し、MFP100が返信する遠隔操作画面を受信する。そして、遠隔操作画面表示部251は、受信される遠隔操作画面を表示部216に表示するとともに、遠隔操作画面を表示している間、遠隔操作画面を表示していることを示す信号を復帰指示部259に出力する。
操作受付部253は、携帯情報装置200を操作するユーザーが操作部217に入力する操作を受け付ける。操作受付部253は、受け付けられた操作を遠隔操作送信部255および復帰指示部259に出力する。
遠隔操作送信部255は、操作受付部253から入力される操作が、遠隔操作の場合に、操作受付部253から入力される操作を遠隔操作として、無線LANI/F218を介してMFP100に送信する。遠隔操作送信部255は、遠隔操作画面表示部251により遠隔操作画面が表示されている状態で、操作受付部253により受け付けられた操作が、遠隔操作画面により定められた操作の場合、操作受付部253により受け付けられた操作を遠隔操作と判断する。
携帯情報装置200を操作するユーザーは、MFP100を遠隔操作する場合、遠隔操作の対象となるMFP100を識別するための装置識別情報を携帯情報装置200に入力する。例えば、携帯情報装置200の表示部216に、遠隔操作可能な1以上の装置として、MFP100,100A,100Bそれぞれの装置識別情報のリストを表示し、ユーザーが、リスト表示された1以上の装置識別情報のうちから1つを選択するようにすればよい。遠隔操作画面表示部251は、ユーザーによりMFP100の装置識別情報が入力されることに応じて、第1の認証要求である送信要求をMFP100に無線LANI/F218を介して送信する。第1の認証要求は、認証用画面の送信を要求する送信要求であり、認証情報を含まない。
第1の認証要求を受信するMFP100は、認証用画面を送信するので、遠隔操作画面表示部251は、無線LANI/F218が認証用画面を受信すると、受信された遠隔操作画面を表示部216に表示する。
携帯情報装置200を操作するユーザーが、認証用画面に従って認証情報を操作部217に入力すれば、操作受付部253が、入力された認証情報でMFP100に認証させる遠隔操作を受け付け、入力された認証情報を一時記憶部257に出力するとともに、遠隔操作を遠隔操作送信部255に出力する。
遠隔操作送信部255は、認証情報で認証させる遠隔操作が入力されると、MFP100にその遠隔操作を送信する。認証情報で認証させる遠隔操作を受信するMFP100は、認証情報を用いてユーザーを認証し、認証に成功する場合は遠隔操作画面を送信するが、認証に失敗する場合はエラー画面を送信する。無線LANI/F218が、遠隔操作画面またはエラー画面を受信すると、遠隔操作画面表示部251は、表示部216に遠隔操作画面またはエラー画面を表示する。また、遠隔操作画面表示部251は、遠隔操作画面を受信する場合、一時記憶部257に通信が確立したことを通知する。このため、携帯情報装置200を操作するユーザーは、MFP100においてログインに成功したか否かを判断することができる。無線LANI/F218が、MFP100から遠隔操作画面を受信した時点で、携帯情報装置とMFP100との間で通信が確立する。
一時記憶部257は、遠隔操作ユーザーにより入力される認証情報をフラッシュメモリ213に一時記憶する。一時記憶部257は、操作受付部253から認証情報が入力された後に、遠隔操作画面表示部251から通信が確立したことが通知されると、操作受付部253から入力される認証情報をフラッシュメモリ213に一時記憶するが、通信が確立したことが通知されない場合は認証情報をフラッシュメモリ213に記憶しない。
切断通知受信部261は、無線LANI/F218がMFP100から通信を切断することの通知を受信すると、切断通知を復帰指示部259に出力する。
切断通知受信部261がMFP100から通信を切断することの通知を受信する場合、遠隔操作画面表示部251は、MFP100からスリープ画面を含むスリープ用遠隔操作画面を受信し、表示部216に表示する。このため、遠隔操作ユーザーは、表示部216に表示されたスリープ用遠隔操作画面に含まれるスリープ画面を見て、遠隔操作中のMFP100との間で確立していた通信が切断されたことを知ることができる。
復帰指示部259は、遠隔操作画面表示部251から遠隔操作画面を表示していることを示す信号が入力されている状態で、切断通知受信部261から切断通知が入力された後に操作受付部253から入力される操作が所定の操作の場合、一時記憶部257によりフラッシュメモリ213に記憶された認証情報を含む第2の認証要求を、無線LANI/F218を介してMFP100に送信する。
上述したように、MFP100においては、遠隔操作認証部57が第2の認証要求を受信する場合、遠隔操作画面送信部51が、認証情報に関連付けられた遠隔操作画面を返信する。認証情報に関連付けられた遠隔操作画面は、直前画面関連付部59によって一時停止条件が成立する直前に、換言すれば、スリープ画面を含む遠隔操作画面の直前に、携帯情報装置200に送信された遠隔操作画面である。このため、遠隔操作ユーザーは、携帯情報装置200に所定の操作を入力すれば、スリープ画面を含む遠隔操作画面の直前に表示されていた遠隔操作画面が表示されるので、携帯情報装置200とMFP100との間の通信が切断される前に表示されていた遠隔操作画面に従って、遠隔操作を継続して入力することができる。
所定の操作は、スリープ画面を含むスリープ用遠隔操作画面が、MFP100の操作部163が備えるキーボードを模した複数のキー画像を含む場合、複数のキー画像のうちで予め定められたキー画像を指示する操作である。例えば、所定の操作は、電源キーを模したキー画像303Aを指示する操作である。また、所定の操作は、操作部217が受け付けることのできる複数の操作のいずれであってもよい。例えば、操作部217が備える複数のハードキーのいずれかを押下する操作、タッチパネル217Aの任意の位置を指示する操作である。
図8は、第1の実施の形態における遠隔操作実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。遠隔操作実行処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、EEPROM115、HDD116またはCD−ROM119Aに記憶された遠隔操作実行プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。図8を参照して、CPU111は、認証要求を受信したか否かを判断する(ステップS01)。通信I/F部112が、携帯情報装置200から認証要求を受信するまで待機状態となり(ステップS01でNO)、認証要求を受信すると(ステップS01でNO)、処理をステップS02に進める。
ステップS02においては、ステップS01において受信された認証要求が認証情報を含む第2の認証要求か否かを判断する。認証情報を含む第2の認証要求ならば処理をステップS05に進めるが、認証情報を含まない第1の認証要求ならば処理をステップS03に進める。
ステップS03においては、認証要求を送信してきた携帯情報装置200に通信I/F部112を介して認証用画面を送信する。認証用画面は、認証情報を入力する画面を含む遠隔操作画面である。そして、認証情報を受信するまで待機状態となり(ステップS04でNO)、認証情報を受信すると(ステップS04でYES)、処理をステップS05に進める。携帯情報装置200は、認証用画面に従って認証情報が入力されると、入力された認証情報を含む遠隔操作を返信するので、そのような遠隔操作を受信する場合、認証情報を受信したと判断する。
したがって、ステップS01において第2の認証要求が受信される場合は、第2の認証情報に含まれる認証情報を用いて認証し、認証用画面を携帯情報装置200に送信しないので、携帯情報装置200では、認証用画面は表示されない。
ステップS05においては、認証する。処理がステップS02から進む場合は、ステップS01において受信された第2の認証要求に含まれる認証情報を用いて認証し、処理がステップS04から進む場合は、ステップS04において受信された認証情報を用いて認証する。ステップS01において受信された第2の認証要求に含まれる認証情報、または、ステップS04において受信された認証情報と同じ認証情報が、HDD116に予め記憶された認証情報中に存在すれば、認証してログインを許可するが、HDD116に予め記憶された認証情報中に存在しなければ、認証することなくログインを許可しない。ログインを許可する場合、携帯情報装置200との間で通信を確立する。
ステップS06においては、認証結果によって処理を分岐する。認証に成功した場合は(ステップS06でYES)、処理をステップS07に進めるが、認証に失敗した場合は処理をステップS22に進める。ステップS22においては、エラー画面を送信し、処理をステップS01に戻す。
ステップS07においては、ステップS06において認証に成功した認証情報と同じ認証情報がHDD116に記憶されているか否かを判断する。HDD116には、後述するステップS19において、認証情報と画面識別情報との組が記憶される。ステップS06において認証に成功した認証情報と同じ認証情報を含む組がHDD116に記憶されているならば、処理をステップS08に進めるが、そうでなければ処理をステップS09に進める。
ステップS08においては、ステップS06において認証に成功した認証情報と同じ認証情報を含む組を、HDD116から読出し、読み出した組によって認証情報と関連付けられた画面識別情報を取得する。そして、取得された画面識別情報で識別される遠隔操作画面を特定し、処理をステップS10に進める。ステップS09においては、デフォルトの遠隔操作画面を特定し、処理をステップS10に進める。ステップS10においては、処理がステップS08から進む場合は、ステップS08において特定された遠隔操作画面、換言すれば、ステップS06において認証に成功した認証情報と関連付けられた遠隔操作画面を、携帯情報装置200に通信I/F112を介して送信する。また、ステップS10においては、処理がステップS09から進む場合は、ステップS09において特定されたデフォルトの遠隔操作画面を、携帯情報装置200に通信I/F112を介して送信する。
ステップS11においては、タイマーTをスタートさせる。タイマーTは、遠隔操作画面を携帯情報装置200に送信した後、最後に遠隔操作を受信してからの経過時間を計時する。
ステップS12においては、携帯情報装置200から遠隔操作を受信したか否かを判断する。遠隔操作を受信したならば処理をステップS13に進めるが、そうでなければ処理をステップS16に進める。ステップS13においては、タイマーTをリセットする。タイマーTの値を「0」に設定し、再び計時を開始させる。
次のステップS14においては、遠隔操作で特定されるコマンドが、遠隔操作を終了させる終了コマンドか否かを判断する。終了コマンドならば処理を終了するが、そうでなければ処理をステップS15に進める。ステップS15においては、遠隔操作で特定されるコマンドを実行し、処理をステップS12に戻す。
ステップS16においては、動作モードが省電力モードに切り換わったか否かを判断する。動作モードが省電力モードに切り換わったならば処理をステップS18に進めるが、そうでなければ処理をステップS17に進める。ステップS17においては、タイマーTの値が、しきい値TH以上か否かを判断する。タイマーTの値がしきい値TH以上ならば処理をステップS18に進めるが、そうでなければ処理をステップS12に戻す。すなわち、遠隔操作画面を送信した後に、しきい値THで定まる時間継続して遠隔操作を受信しない場合、換言すれば、携帯情報装置200を操作する遠隔操作ユーザーが、しきい値THの時間以上継続して遠隔操作を入力しない場合、処理をステップS18に進める。
ステップS18においては、携帯情報装置200に通信の切断を通知し、処理をステップS19に進める。通信を切断することを予告する信号を、通信I/F部112を介して携帯情報装置200に送信する。ステップS19においては、ステップS06において認証に成功した認証情報と、ステップS10において携帯情報装置200に最後に送信された遠隔操作画面を識別するための画面識別情報との組を、RAM114に一時記憶し、処理をステップS20に進める。ステップS20においては、スリープ画面を含むスリープ用遠隔操作画面を生成し、送信する。スリープ用遠隔操作画面を、通信I/F部112を介して携帯情報装置200に送信する。スリープ画面は、無地の画像を含む画面である。
次のステップS21においては、ステップS06において携帯情報装置200との間で確立した通信を切断し、処理をステップS01に戻す。
図9は、第1の実施の形態における遠隔制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。遠隔制御処理は、携帯情報装置200が備えるCPU211が、フラッシュメモリ213に記憶された遠隔制御プログラムを実行することにより、CPU211により実行される処理である。図9を参照して、CPU211は、遠隔制御指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS101)。遠隔制御指示は、遠隔制御の対象であるMFP100を指定し、遠隔制御の開始を指示するためのユーザーによる操作である。例えば、表示部216に、遠隔操作可能な1以上の装置の装置識別情報のリストを表示し、ユーザーが、リスト表示された1以上の装置識別情報のうちから1つを選択する場合に、遠隔制御指示を受け付ける。遠隔制御指示を受け付けるまで待機状態となり(ステップS101でNO)、遠隔制御指示を受け付けたならば(ステップS101でYES)、処理をステップS102に進める。
ステップS102においては、第1の認証要求を送信する。ステップS101において選択された装置識別情報で特定されるMFP100に無線LANI/F218を介して送信する。第1の認証要求は、認証用画面の送信を要求する信号であり、認証情報を含まない。第1の認証要求を受信するMFP100は、認証用画面を送信するので、次のステップS103において認証用画面を受信する。
ステップS103においては、認証用画面を受信するまで待機状態となり、認証用画面を受信すると処理をステップS104に進める。ステップS104においては、受信された認証用画面を表示部216に表示する。
次に、認証情報を受け付けたか否かを判断する(ステップS105)。携帯情報装置200を操作するユーザーが、認証用画面に従って認証情報を操作部217に入力すれば、認証情報を受け付ける。認証情報を受け付けるまで待機状態となり、認証情報を受け付けると処理をステップS106に進める。ステップS106においては、MFP100に認証情報を送信する。ここでは、ステップS105において受け付けられた認証情報で認証させる遠隔操作を、無線LANI/F218を介してMFP100に送信する。認証情報で認証させる遠隔操作を受信するMFP100は、認証情報を用いてユーザーを認証し、認証に成功する場合は遠隔操作画面を送信するが、認証に失敗する場合はエラー画面を送信する。
次のステップS107においては、MFP100から画面を受信するまで待機状態となり、画面を受信すると処理をステップS108に進める。無線LANI/F218が、遠隔操作画面またはエラー画面を受信したか否かを判断する。ステップS108においては、受信された画面によって処理を分岐する。受信された画面が遠隔操作画面ならば処理をステップS109に進めるが、エラー画面ならば処理をステップS117に進める。ステップS117においては、エラー画面を表示部216に表示し、処理を終了する。このため、携帯情報装置200を操作するユーザーは、エラー画面を見て、MFP100においてログインに失敗したことを判断することができる。
ステップS109においては、ステップS105において受け付けられた認証情報をフラッシュメモリ213に記憶し、処理をステップS110に進める。ステップS110においては、ステップS107において受信された遠隔操作画面を表示部216に表示し、処理をステップS111に進める。ステップS107において、MFP100から遠隔操作画面を受信した時点で、携帯情報装置200とMFP100との間で通信が確立する。
ステップS111においては、操作を受け付けたか否かを判断する。操作部217にユーザーが操作を入力したか否かを判断する。操作を受け付けたならば処理をステップS112に進めるが、そうでなければ処理をステップS115に進める。ステップS112においては、ステップS111において受け付けられた操作が、終了指示か否かを判断する。操作部217において、終了指示が予め割り当てられたキーが押下される場合、終了指示を受け付ける。終了指示を受け付けたならば処理をステップS113に進めるが、そうでなければ処理をステップS114に進める。ステップS113においては、MFP100に終了コマンドを送信し、処理を終了する。ここでは、終了コマンドを含む遠隔操作を、無線LANI/F218を介してMFP100に送信する。
ステップS114においては、MFP100に、ステップS111において受け付けられた操作により特定される遠隔操作を送信し、処理をステップS107に戻す。遠隔操作は、ステップS110において表示された遠隔操作画面と、操作部217において受け付けられた操作によって特定される。
ステップS115においては、切断通知を受信したか否かを判断する。無線LANI/F218がMFP100から切断通知を受信したならば処理をステップS116に進めるが、そうでなければ処理をステップS111に戻す。ステップS116においては、復帰指示処理を実行し、処理をステップS106に戻す。
図10は、第1の実施の形態における復帰指示処理の流れの一例を示すフローチャートである。復帰指示処理は、図9のステップS116で実行される処理である。図10を参照して、スリープ用遠隔操作画面を受信したか否かを判断する(ステップS151)。無線LANI/F218がMFP100からスリープ用遠隔操作画面を受信するまで待機状態となり(ステップS151でNO)、スリープ用遠隔操作画面を受信すると(ステップS151でYES)、処理をステップS152に進める。
ステップS152においては、スリープ用遠隔操作画面を表示部216に表示し、処理をステップS153に進める。ステップS153においては、操作を受け付けたか否かを判断する。操作部217にユーザーが操作を入力したか否かを判断する。操作を受け付けるまで待機状態となり(ステップS153でNO)、操作を受け付けたならば(ステップS153でYES)、処理をステップS154に進める。
ステップS154においては、受け付けられた操作が所定の操作か否かを判断する。所定の操作ならば処理をステップS155に進めるが、そうでなければ処理をステップS157に進める。所定の操作は、スリープ用遠隔操作画面が、MFP100の操作部163が備えるキーボードを模した複数のキー画像を含む場合、複数のキー画像のうちで予め定められたキー画像を指示する操作である。予め定められたキー画像は、例えば、電源キーを模したキー画像303Aである。なお、所定の操作を、操作部217が受け付けることのできる複数の操作のいずれかとしてもよい。例えば、操作部217が備える複数のハードキーのいずれかを押下する操作、タッチパネル217Aの任意の位置を指示する操作である。この場合には、ステップS154、ステップS157〜ステップS161は不要であり、ステップS153において操作を受け付ける場合に、ステップS155〜ステップS156を実行する。
ステップS155においては、フラッシュメモリ213に記憶されて認証情報を読み出す。図9に示した遠隔制御処理のステップS109においてフラッシュメモリ213に記憶された認証情報、換言すれば、携帯情報装置200を操作するユーザーが、MFP100を遠隔操作するために携帯情報装置200に入力した認証情報を読み出す。次のステップS156においては、第2の認証要求をMFP100に送信し、処理を遠隔制御処理に戻す。第2の認証要求は、ステップS155において読み出された認証情報を含む。MFP100においては、図8に示した遠隔操作実行処理のステップS01において、第2の認証要求を受信する場合、ステップS08が実行されて、スリープ用遠隔操作画面が送信される直前に送信された遠隔操作画面を送信する。このため、図9に示した遠隔制御処理において、ステップS116の復帰指示処理の次に実行されるステップS107において、スリープ用遠隔操作画面が受信される直前に受信されていた遠隔操作画面が、再度受信され、ステップS110において表示部216に表示される。このため、スリープ用遠隔操作画面が表示される前に表示されていた遠隔操作画面が表示されるので、認証用画面が表示されることなく、認証情報を再度入力する必要がない。また。遠隔操作を継続して入力することができる。
一方、ステップS157においては、第1の認証要求を送信する。MFP100に無線LANI/F218を介して第1の認証要求を送信する。第1の認証要求は、認証用の遠隔操作画面の送信を要求する送信要求であり、認証情報を含まない。第1の認証要求を受信するMFP100は、認証用画面を送信するので、次のステップS158において認証用画面を受信する。
ステップS158においては、認証用画面を受信するまで待機状態となり、認証用画面を受信すると処理をステップS159に進める。ステップS159においては、受信された認証用画面を表示部216に表示する。
次に、認証情報を受け付けたか否かを判断する(ステップS160)。認証情報を受け付けるまで待機状態となり、認証情報を受け付けると処理をステップS161に進める。ステップS161においては、MFP100に認証情報を送信する。ここでは、ステップS160において受け付けられた認証情報で認証させる遠隔操作を、無線LANI/F218を介してMFP100に送信する。認証情報で認証させる遠隔操作を受信するMFP100は、認証情報を用いてユーザーを認証し、認証に成功する場合は遠隔操作画面を送信するが、認証に失敗する場合はエラー画面を送信する。
以上説明したように第1の実施の形態における画像形成システム1において、MFP100は、携帯情報装置200に認証用画面を送信した後に携帯情報装置200から受信される認証情報で遠隔操作ユーザーを認証し、遠隔操作ユーザーが認証された後に、所定時間継続して遠隔操作を受信しない場合、または、動作モードを省電力モードに切り換える場合、携帯情報装置200に通信を切断することを通知した後、携帯情報装置との間で確立されていた通信を切断し、通信を終了する。一方、携帯情報装置200は、MFP100から受信される認証用画面に従って遠隔操作ユーザーにより入力される認証情報を受け付ける場合、認証情報を一時記憶し、その後、遠隔操作画面が表示されている状態で、MFP100から通信を切断することが通知された後に所定の操作が受け付けられることに応じて、記憶された認証情報をMFP100に送信する。このため、携帯情報装置200を操作する遠隔操作ユーザーは、認証情報を入力した後にMFP100を遠隔操作している間に、MFP100側で通信を切断する場合、携帯情報装置200に所定の操作を入力すれば、認証情報が送信される。このため、携帯情報装置200を操作する遠隔操作ユーザーは、認証情報を入力した後にMFP100を遠隔操作している間にMFP100側で通信を切断する場合、携帯情報装置200に認証情報を再度入力する必要がない。このため、MFP100でログインが許可された後に、MFP100側で通信を切断する場合に、再度ログインする操作を省略することができ、遠隔操作を容易にすることができる。
また、MFP100は、遠隔操作ユーザーのログインを許可している間に、通常モードから省電力モードに動作モードを切り換える場合、携帯情報装置200に通信を切断することを通知した後、通信を終了する。このため、MFP100が省電力モードに動作モードを切り換えた後の遠隔操作を容易にすることができる。
また、MFP100は、遠隔操作ユーザーのログインを許可した後に、携帯情報装置200から所定時間継続して遠隔操作を受信しない場合、携帯情報装置200に通信を切断することを通知した後、通信を終了する。このため、遠隔操作ユーザーが遠隔操作を入力することなく所定時間経過した後の遠隔操作を容易にすることができる。
また、MFP100は、携帯情報装置200に通信を切断することを通知する場合、スリープ画面を含む遠隔操作画面を生成し、送信するので、携帯情報装置200において、スリープ画面を含む遠隔操作画面が表示される。このため、遠隔操作ユーザーは、遠隔操作画面を見て、MFP100を遠隔操作中であることを知ることができ、スリープ画面を見て、MFP100との間の通信が切断されたことを知ることができる。
さらに、MFP100は、携帯情報装置200との間の通信を終了する直前に送信した遠隔操作画面と遠隔操作ユーザーの認証情報とを関連付け、MFP100は、携帯情報装置200から受信される認証情報に従った認証に成功する場合、携帯情報装置200から受信される認証情報と同じ認証情報と関連付けられた遠隔操作画面を携帯情報装置200に送信する。このため、MFP100と携帯情報装置200との間の通信を終了する直前に送信した遠隔操作画面を携帯情報装置200に表示させることができる。このため、MFP100と携帯情報装置200との間の通信を終了する直前の状態に戻すことができる。
また、遠隔操作画面は、MFP100が備える操作パネル160を模した画像を含むので、操作部163が含む複数の操作キーそれぞれに対応する複数のキー画像を含む。携帯情報装置200は、携帯情報装置200において表示される遠隔操作画面に含まれる複数の操作キーのうち予め定められた操作キーに対応するキー画像がユーザーにより指示されることに応じて、所定の操作を検出する。このため、携帯情報装置200とMFP100との間の通信が切断される前の状態に戻す操作を容易にすることができる。
また、携帯情報装置200は、スリープ用遠隔操作画面を表示していり間に、操作部217に任意の操作が入力されると、所定の操作を検出する。このため、携帯情報装置200とMFP100との間の通信が切断される前の状態に戻す操作を容易にすることができる。
<第2の実施の形態>
上述した第1の実施の形態における画像形成システム1においては、MFP100においてスリープ画面を含むスリープ用遠隔操作画面を生成するようにしたが、第2の実施の形態における画像形成システム1Aは、携帯情報装置200においてスリープ画面を生成し、表示する点で、第1の実施の形態における画像形成システム1と異なる。以下、第1の実施の形態における画像形成システム1と異なる点を主に説明する。
第2の実施の形態における画像形成システム1Aのシステム構成は、図1に示した第1の実施の形態における画像形成システム1のシステム構成と同じである。また、MFP100,100A,100Bのハードウエア構成は、図2に示したハードウエア構成と同じであり、携帯情報装置200のハードウエア構成は、図3に示したハードウエア構成と同じである。したがって、ここでは説明を繰り返さない。
図11は、MFPが備えるCPUが有する機能の一例を示す図である。図11に示す機能は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、EEPROM115、HDD116またはCD−ROM119Aに記憶された遠隔操作実行プログラムを実行することにより、CPU111に形成される機能である。図11を参照して、図4に示した機能と異なる点は、直前画面関連付部59およびスリープ画面生成部69が削除された点、一時停止部61および復帰部63が一時停止部61Aおよび復帰部63Aにそれぞれ変更された点である。他の機能は、図4に示した機能と同じなのでここでは説明を繰り返さない。
一時停止部61Aは、遠隔操作認証部57により遠隔操作ユーザーが認証された後に、予め定められた一時停止条件が成立すると、携帯情報装置200に通信を切断することを通知した後、携帯情報装置200との間で確立された通信を切断する。具体的には、一時停止部61Aは、遠隔操作認証部57から認証情報が入力され、遠隔操作画面送信部51から画面識別情報が入力され、遠隔操作受信部53から遠隔操作を受信したことを示す操作受信信号が入力され、動作モード切換部67から動作モードが入力される。一時停止条件は、第1の条件と第2の条件を含む。一時停止部61Aは、遠隔操作画面送信部51から画面識別情報が入力された後、所定時間継続して遠隔操作受信部53から操作受信信号が入力されない場合、第1の条件が成立したと判断する。また、一時停止部61は、動作モード切換部67から操作モードを通常モードから省電力モードに切り換える切り換え信号が入力されると、第2の条件が成立したと判断する。
一時停止部61Aは、一時停止条件が成立する場合、遠隔操作認証部57から入力される認証情報をHDD116に記憶し、通信I/F部112を制御して、携帯情報装置200に通信を切断することを通知した後、携帯情報装置200との間で確立されている通信を切断させる。
復帰部63Aは、遠隔操作認証部57から認証情報が入力される。復帰部63Aは、遠隔操作認証部57から認証情報が入力される場合、遠隔操作認証部57から入力される認証情報と同じ認証情報が、HDD116に記憶されているか否かを判断する。復帰部63Aは、遠隔操作認証部57から入力される認証情報と同じ認証情報が、HDD116に記憶されているならば、通信I/F部112を制御して携帯情報装置200との間の通信を確立する。
一方、遠隔操作認証部57によって、第2の認証要求が受信される場合、携帯情報装置200は、第2の認証要求とともに画面識別情報を送信する。このため、復帰部63Aは、通信I/F部112を制御して、携帯情報装置200が送信する画面識別情報を受信する。さらに、復帰部63Aは、携帯情報装置200から受信した画面識別情報を遠隔操作画面送信部51に出力する。遠隔操作画面送信部51は、遠隔操作認証部57から送信指示が入力されている場合であって、復帰部63Aから画面識別情報が入力される場合は、画面識別情報で特定される遠隔操作画面を、通信I/F部112を介して携帯情報装置200に送信する。
図12は、第2の実施の形態における携帯情報装置が備えるCPUが有する機能の一例を示す図である。図12に示す機能は、携帯情報装置200が備えるCPU211が、フラッシュメモリ213に記憶され、MFP100を遠隔制御するためのアプリケーションプログラムである遠隔制御プログラムを実行することにより、CPU211に形成される機能である。
図12を参照して、図7に示した機能と異なる点は、スリープ通知部263が追加された点、一時記憶部257および復帰指示部259が一時記憶部257Aおよび復帰指示部259Aにそれぞれ変更された点である。他の機能は、図7に示した機能と同じなのでここでは説明を繰り返さない。
一時記憶部257Aは、遠隔操作ユーザーにより入力される認証情報と、最後に表示された遠隔操作画面を識別するための画面識別情報とを関連付けてフラッシュメモリ213に一時記憶する。一時記憶部257Aは、操作受付部253から認証情報が入力された後に、遠隔操作画面表示部251から通信が確立したことが通知されると、操作受付部253から入力される認証情報をフラッシュメモリ213に一時記憶する。また、一時記憶部257Aは、遠隔操作画面表示部251により表示されている遠隔操作画面の画面識別情報を、フラッシュメモリ213に認証情報と関連付けて記憶する。一時記憶部257Aは、遠隔操作画面表示部251により表示される遠隔操作画面が切り換わるごとに、画面識別情報を更新する。
スリープ通知部263は、切断通知受信部261から切断通知が入力される。切断通知受信部261は、無線LANI/F218がMFP100から通信を切断することの通知を受信すると、切断通知をスリープ通知部263および復帰指示部259に出力する。スリープ通知部263は、切断通知が入力されると、スリープ画面を表示部216に表示する。表示部216には、遠隔操作画面が表示されているので、遠隔操作画面の所定の領域にスリープ画面を表示する。このため、遠隔操作ユーザーは、表示部216に表示された遠隔操作画面に含まれるスリープ画面を見て、遠隔操作中のMFP100との間で確立していた通信が切断されたことを知ることができる。
復帰指示部259Aは、遠隔操作画面表示部251から遠隔操作画面を表示していることを示す信号が入力されている状態で、切断通知受信部261から切断通知が入力された後に操作受付部253から入力される操作が所定の操作の場合、一時記憶部257によりフラッシュメモリ213に記憶された認証情報と画面識別情報との組を読み出し、認証情報を含む第2の認証要求と画面識別情報とを、無線LANI/F218を介してMFP100に送信する。
上述したように、MFP100においては、遠隔操作認証部57が第2の認証要求と画面識別情報とを受信する場合、遠隔操作画面送信部51が、画面識別情報で識別される遠隔操作画面を返信する。画面識別情報で特定される遠隔操作画面は、通信が切断される直前、換言すればMFP100において一時停止条件が成立する直前に、携帯情報装置200に送信された遠隔操作画面である。このため、遠隔操作ユーザーは、携帯情報装置200に所定の操作を入力すれば、通信が切断される直前に表示されていた遠隔操作画面が表示されるので、携帯情報装置200とMFP100との間の通信が切断される前に表示されていた遠隔操作画面に従って、遠隔操作を継続して入力することができる。
所定の操作は、遠隔操作画面が、MFP100の操作部163が備えるキーボードを模した複数のキー画像を含む場合、複数のキー画像のうちで予め定められたキー画像を指示する操作である。例えば、予め定められたキー画像は、電源キーを模したキー画像303Aである。また、所定の操作は、操作部217が受け付けることのできる複数の操作のいずれであってもよい。例えば、操作部217が備える複数のハードキーのいずれかを押下する操作、タッチパネル217Aの任意の位置を指示する操作である。
図13は、第2の実施の形態における遠隔操作実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。遠隔操作実行処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、EEPROM115、HDD116またはCD−ROM119Aに記憶された遠隔操作実行プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。図13を参照して、図8に示した第1の実施の形態における遠隔操作実行処理と異なる点は、ステップS02とステップS05との間にステップS02Aが追加された点、ステップS08およびステップS19が、ステップS08AおよびステップS19Aにそれぞれ変更された点、ステップS20が削除された点である。その他の処理は、図8に示した処理と同じなのでここでは説明を繰り返さない。
処理がステップS02Aに進む場合は、ステップS02において、ステップS01において受信された認証要求が第2の認証要求と判断される場合である。ステップS02Aにおいては、画面識別情報を受信し、処理をステップS05に進める。通信I/F部112を制御して、携帯情報装置200が送信する画面識別情報を受信する。
ステップS08Aにおいては、ステップS02Aにおいて携帯情報装置200から受信された画面識別情報で識別される遠隔操作画面を特定し、処理をステップS10に進める。ステップS10においては、処理がステップS08Aから進む場合、ステップS08Aにおいて特定された遠隔操作画面を携帯情報総理200に送信する。
ステップS19Aにおいては、ステップS06において認証に成功した認証情報を、RAM114に一時記憶し、処理をステップS21に進める。
図14は、第2の実施の形態における遠隔制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。遠隔制御処理は、携帯情報装置200が備えるCPU211が、フラッシュメモリ213に記憶された遠隔制御プログラムを実行することにより、CPU211により実行される処理である。図14を参照して、図9に示した第1の実施の形態における遠隔制御処理と異なる点は、ステップS110とステップS111との間にステップS110Aが追加された点、ステップS116がステップS116Aに変更された点である。その他の処理は、図9に示した処理と同じなのでここでは説明を繰り返さない。
ステップS110Aにおいては、ステップS110において表示された遠隔操作画面の画面識別情報を、ステップS109において記憶された認証情報と関連付けてフラッシュメモリ213に記憶し、処理をステップS111に進める。
ステップS116Aにおいては、第2の実施の形態における復帰指示処理を実行し、処理をステップS107に戻す。
図15は、第2の実施の形態における復帰指示処理の流れの一例を示すフローチャートである。第2の実施の形態における復帰指示処理は、図14のステップS116Aで実行される処理である。図15を参照して、図10に示した第1の実施の形態における復帰指示処理と異なる点は、ステップS151、ステップS152、ステップS155およびステップS156が、ステップS151A、ステップS152A、ステップS155AおよびステップS156Aにそれぞれ変更された点である。その他の処理は、図10に示した処理と同じなのでここでは説明を繰り返さない。
ステップS151Aにおいては、スリープ画面を生成する。スリープ画面は、予め定められたサイズの無地の画像を含む。例えば、MFP100から受信される遠隔操作画面にMFP100が備える表示部161の表示面を模した画像が含まれる場合、表示部161の表示面を模した画像と同じサイズの無地の画像を、スリープ画面とする。
次のステップS152Aにおいては、生成されたスリープ画面を、表示部216に表示されている遠隔操作画面に重畳して表示する。具体的には、MFP100から受信される遠隔操作画面にMFP100が備える表示部161の表示面を模した画像に重畳してスリープ画面を表示する。これにより、表示部161の表示面を模した画像が、スリープ画面に置き換えられて表示されるので、遠隔操作ユーザーは、遠隔操作画面を見てMFP100を遠隔操作中であることを知ることができ、スリープ画面を見て、MFP100との通信が切断されていることを知ることができる。
ステップS155Aにおいては、フラッシュメモリ213に記憶された認証情報と画像識別情報を読み出す。図14に示した第2の実施の形態における遠隔制御処理のステップS109においてフラッシュメモリ213に記憶された認証情報と、ステップS110Aにおいて認証情報と関連付けられた画面識別情報とを読み出す。画面識別情報は、MFP100との間の通信が切断され、スリープ画面が表示される直前に表示されていた遠隔操作画面を識別するための情報である。
ステップS156においては、第2の認証要求と画面識別情報とをMFP100に送信し、処理を遠隔制御処理に戻す。第2の認証要求は、ステップS155Aにおいて読み出された認証情報を含む。MFP100においては、図13に示した遠隔操作実行処理のステップS01において、第2の認証要求を受信する場合、ステップS08Aが実行されて、携帯情報装置200が送信した画面識別情報で識別される遠隔操作画面を送信する。このため、図14に示した第2の実施の形態における遠隔制御処理において、ステップS116Aの復帰指示処理の次に実行されるステップS107において、通信が切断される直前に受信されていた遠隔操作画面が再度受信され、ステップS110において表示部216に表示される。このため、スリープ画面が表示される前に表示されていた遠隔操作画面が表示されるので、認証用画面が表示されることなく、認証情報を再度入力する必要がない。また。遠隔操作を継続して入力することができる。
第2の実施の形態における画像形成システム1Aにおいて、携帯情報装置200は、MFP100から通信を切断することが通知される場合、表示されている遠隔操作画面の一部に予め定められたスリープ画面を表示する。このため、遠隔操作ユーザーは、遠隔操作画面を見て、MFP100を遠隔操作中であることを知ることができ、スリープ画面を見て、MFP100との間の通信が切断されたことを知ることができる。
さらに、携帯情報装置200は、MFP100との間の通信を終了する直前に受信された遠隔操作画面と遠隔操作ユーザーの認証情報とを関連付け、携帯情報装置200は、所定の操作を受け付ける場合、認証情報と、それに関連付けられた遠隔操作画面の画面識別情報とをMFP100に送信する。このため、MFP100においては、携帯情報装置200から受信される認証情報に従った認証に成功する場合、認証情報とともに受信される画面識別情報で特定される遠隔操作画面を携帯情報装置200に送信する。このため、MFP100と携帯情報装置200との間の通信を終了する直前に送信した遠隔操作画面を携帯情報装置200に表示させることができる。このため、MFP100と携帯情報装置200との間の通信を終了する直前の状態に戻すことができる。
なお、上述した実施の形態においては、画像形成システム1、1Aについて説明したが、図8または図13に示した遠隔操作実行処理をMFP100、100A,100Bに実行させ、図9および図10に示した遠隔制御処理または図14および図15に示した遠隔制御処理を携帯情報装置200に実行させる遠隔制御方法として発明を捉えることができるのは言うまでもない。さらに、図8または図13に示した遠隔操作実行処理をMFP100、100A,100Bそれぞれが備えるCPU111に実行させる遠隔操作実行プログラム、図9および図10に示した遠隔制御処理または図14および図15に示した遠隔制御処理を携帯情報装置200が備えるCPU211に実行させる遠隔制御プログラムとして発明を捉えることができるのは言うまでもない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。