JP2013219292A - プリント配線板、プリント配線板の製造方法。 - Google Patents

プリント配線板、プリント配線板の製造方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】キャビティを備えていても破片や切削くずが浮遊する心配のない、有機材料のプリント配線板およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】厚み方向に窪んだ凹部を設けたプリント配線板であって、凹部に相当する位置に貫通開口部を有した、有機材料を含む絶縁板部材と;貫通開口部なく絶縁板部材上に積層状に位置する第1の部位と、絶縁板部材の貫通開口部の位置に相当して貫通開口部を有するように、第1の部位が位置する側とは反対の側の絶縁板部材上に積層状に位置する第2の部位と、絶縁板部材の貫通開口部の内壁面上に位置する第3の部位とを備えて、絶縁板部材の上下面上および貫通開口部の内壁面上を一体的に覆うように設けられた絶縁層と;を具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、配線パターンを備えたプリント配線板およびその製造方法に係り、特に、キャビティ(凹部)を有する形状のプリント配線板およびその製造方法に関する。
プリント配線板の表面に、高さ方向にサイズの大きな電子部品を実装して実装体を得た場合、実装体として厚さが厚くなる。実装体をできるだけ薄く構成することは、その応用される電子機器の小型化、高機能化などの目的のため、常態化した要求になっている。このような要求に応えるため、プリント配線板にキャビティと呼ばれる凹部を設け、凹部内に上記の電子部品を収めるように載置、実装する構成が利用されている。
高さ方向にサイズの大きな電子部品には、その一例として、撮像素子(CCDセンサやCMOSセンサ)や加速度センサ(MEMSで構成された加速度センサ)などがある。これらのセンサ素子は、電気的な機能のほかに光学的あるいは機械的な機能を有するため、プリント配線板に実装されたとき、それらの機能が阻害されないことが当然ながら強く求められる。
より具体的に、プリント配線板にキャビティを設けるために切削などの機械加工を行っている場合、破片や切削くずの残留が避けられない。これを洗浄で取り除いたとしても、加工で生じたマイクロクラックがその後に成長して破片が離脱し浮遊する可能性がある。微小な破片でもセンサ素子の表面にとり付くと、微細な素子の集合体であるセンサ素子にとっては致命的な欠陥になってしまう。
このような事情から、撮像素子や加速度センサなどを実装するためのキャビティを備えた配線板には、高価ではあるがマイクロクラックの成長する心配がないセラミック製の基板を利用することが多く行われている。すなわち、キャビティを設けた、有機材料のプリント配線板に、電気的な機能のほか光学的あるいは機械的な機能を有する部品を実装することはほとんど行われていない。後者を行った場合、破片や切削くずを対策する負担が大きく、生産性やコストの点で難点が残る。また、機械加工自体も生産性のよい工程ではない。
特開平10−22643号公報
本発明は、上記の事情を考慮してなされたもので、キャビティを備えていても破片や切削くずが浮遊する心配のない、有機材料のプリント配線板およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の一態様であるプリント配線板は、厚み方向に窪んだ凹部を設けたプリント配線板であって、前記凹部に相当する位置に貫通開口部を有した、有機材料を含む絶縁板部材と;貫通開口部なく前記絶縁板部材上に積層状に位置する第1の部位と、前記絶縁板部材の前記貫通開口部の位置に相当して貫通開口部を有するように、前記第1の部位が位置する側とは反対の側の前記絶縁板部材上に積層状に位置する第2の部位と、前記絶縁板部材の前記貫通開口部の内壁面上に位置する第3の部位とを備えて、前記絶縁板部材の上下面上および前記貫通開口部の内壁面上を一体的に覆うように設けられた絶縁層と;を具備することを特徴とする。
すなわち、このプリント配線板は、有機材料を含む絶縁板部材に設けられた貫通開口部が、凹部を確保するための領域になっているが、この絶縁板部材の上下面上および貫通開口部の内壁面上を一体的に覆うように絶縁層が設けられている。したがって、絶縁板部材に設けられた貫通開口部は、その内壁面が露出しておらず、絶縁板部材を由来とする破片や切削くずの浮遊は生じない。
また、本発明の別の態様であるプリント配線板の製造方法は、厚み方向に窪んだ凹部を有するプリント配線板を製造する方法であって、第1のプリプレグ層を少なくとも有する積層部材である第1の積層部材を調製する工程と、硬化された有機材料を含む絶縁板部材とプリプレグ層である第2のプリプレグ層とが積層状に位置し、かつ形成すべき前記凹部に対応する位置に貫通開口部を有する第2の積層部材を調製する工程と、金属箔と、前記第2の積層部材の前記貫通開口部に収まる大きさで該金属箔上に形成された金属片とを有する第3の積層部材を調製する工程と、前記第1の積層部材の前記第1のプリプレグ層上に前記第2の積層部材を、前記絶縁板部材の側が前記第1のプリプレグ層に対向するように積層配置し、さらに、前記第2の積層部材の前記第2のプリプレグ層上に前記第3の積層部材を、前記金属片が前記第2の積層部材の前記貫通開口部内に収まるように積層配置する工程と、前記第1、第2、第3の積層部材を積層方向に加圧、および加熱することにより、前記第1、第2のプリプレグ層に流動性を与えて、前記第3の積層部材の前記金属片の周りに該第1、第2のプリプレグ層が空隙なく密着するように該第1、第2のプリプレグ層を変形させつつ硬化して前記第1、第2、第3の積層部材を一体化する工程と、一体化された前記第1、第2、第3の積層部材において、前記第3の積層部材の前記金属片と該金属片に積層状に位置する領域の前記金属箔とを除去する工程とを具備することを特徴とする。
この製造方法は、上記のプリント配線板を製造するためのひとつの方法である。端的に言うと、凹部を形成するために、後で除去する金属片を組み込んでプリント配線板としての積層工程を行う。この積層工程では、金属片の周りに空隙なく密着するようにプリプレグ層から変化した硬化層が形成される。その後に金属片を除去することにより凹部を作る。この凹部には、絶縁板部材に形成された貫通開口部の内壁面が露出しない。したがって、絶縁板部材を由来とする破片や切削くずの浮遊は生じない。
本発明によれば、キャビティを備えていても破片や切削くずが浮遊する心配のない、有機材料のプリント配線板およびその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態であるプリント配線板の構成を模式的に示す断面図。 図1に示したプリント配線板の製造過程の一部を模式的な断面で示す工程図。 図2に示した過程の後の製造過程である、図1に示したプリント配線板の製造過程の別の一部を模式的な断面で示す工程図。 図3(a)中に示した貫通開口部13oの形状を示す平面図。 図4Aに示した貫通開口部の変形例を示す平面図。 図4Aに示した貫通開口部の別の変形例を示す平面図。 別の実施形態であるプリント配線板の構成を模式的に示す断面図。 さらに別の実施形態であるプリント配線板の構成を模式的に示す断面図。
本発明の実施態様として、前記絶縁板部材が、無機または有機材料の補強材を含有している、とすることができる。このように補強材を設ければプリント配線板として機械的強度を増すことができる。この態様の場合、補強材は絶縁板部材に含有されているので、絶縁板部材の貫通開口部には補強材の断面が現れ得る。しかし、貫通開口部の内壁面上を覆うように絶縁層が設けられているため、その内壁面は露出せず、補強材を含む絶縁板部材を由来とした破片や切削くずの浮遊が生じない点は維持される。つまりは、補強材を設けると、これを含有する絶縁板部材と補強材との間の界面が生じ、この界面付近が特に破片や切削くずを発生させる原因となりやすいが、これを問題化させることがない。
また、実施態様として、前記絶縁板部材の前記補強材が、複数の層状に設けられている、とすることができる。補強材は、絶縁板部材の厚みに応じて複数層として設けてもよい。これにより絶縁板部材の厚みに応じて機械的強度を適切に増すことができる。また、これとともに、絶縁板部材の厚みを増せば形成される凹部の深さを増すことが可能であり、凹部に載置、実装する部品の高さサイズ仕様に応じることができる。
また、実施態様として、前記絶縁板部材の前記補強材が、ガラスクロス、アラミド繊維、またはガラス不織布である、とすることができる。プリント配線板として強度を増すために、補強材としてこれらを採用することは、多くの実績があり補強の効果が高い。
また、実施態様として、前記絶縁層の前記第1の部位が、前記凹部の底面下となる領域を含めて補強材を含有する、とすることができる。このように補強材を設ければプリント配線板として機械的強度を増すことができる。特に第1の部位には、凹部に対応する位置に開口部がないため、凹部に対応する位置での機械的強度の強化にも寄与することができる。
また、実施態様として、前記絶縁板部材の前記貫通開口部が、横断面形状として、円弧が連なって構成された形状である、とすることができる。このように横断面形状が円弧の連なりである図形の場合、この貫通開口部は周知のドリリングで形成することができる。ドリリングは機械的加工として低コストで容易な工程であり、製造負担が小さい。
また、実施態様として、前記絶縁板部材と前記絶縁層の前記第1の部位とに挟まれた内層に位置する第1の配線パターンと、前記絶縁板部材と前記絶縁層の前記第2の部位とに挟まれた内層に位置する第2の配線パターンと、前記絶縁層の前記第1の部位の、前記絶縁板部材が位置する側とは反対の側上に設けられた第3の配線パターンと、前記絶縁層の前記第2の部位の、前記絶縁板部材が位置する側とは反対の側上に設けられた第4の配線パターンと、前記第1の配線パターンと前記第3の配線パターンとを電気導通させる、前記絶縁層の前記第1の部位の厚み方向に形成された第1の層間接続導体と、前記第2の配線パターンと前記第4の配線パターンとを電気導通させる、前記絶縁層の前記第2の部位の厚み方向に形成された第2の層間接続導体とをさらに具備する、とすることができる。
この構成は、プリント配線板として多層配線層化する場合に考えられるひとつの構成例である。多層に配線パターンを設ければ込み入った回路形成に対応できるという意味でニーズが高く、これに対応できる。
また、実施態様として、前記第1の層間接続導体が、前記第1の配線パターンの面と前記第3の配線パターンの面との間に、密構造の柱状に形成された導体であり、前記第2の層間接続導体が、前記第2の配線パターンの面と前記第4の配線パターンの面との間に、密構造の柱状に形成された導体である、とすることができる。このような層間接続導体は、絶縁層の厚み方向に重ねて位置させることも可能であることから、スルーホール内壁面上の層間接続導体(いわゆるスルーホール)より、高密度な配置が可能である。
また、実施態様として、前記第1、第2の層間接続導体が、導電性組成物で形成されている、とすることができる。密構造の層間接続導体を形成するために導電性組成物を用いるのは、めっきで形成したバンプを利用する場合と並んで、ひとつの採用し易い選択肢である。
また、実施態様として、前記第1、第2の層間接続導体が、柱状の軸方向に径の変化する形状である、とすることができる。このような層間接続導体は、例えば、当初ペースト状に調製された導電性組成物をスクリーン印刷して得たバンプを由来として得ることができる。スクリーン印刷を用いれば、微細で高密度配置の層間接続導体を効率的に形成することができる。
また、実施態様として、前記第1、第2の層間接続導体が、柱状の軸方向に径の変化しない形状である、とすることができる。このような層間接続導体は、例えば、当初ペースト状に調製された導電性組成物を絶縁層の第1の部位または第2の部位に形成された貫通孔に充填することで得ることができる。絶縁層に貫通孔を形成するのは、いわゆるスルーホールを形成する場合にも用いられる工程であり、特に難しさのない工程である。
また、製造方法の実施態様として、前記第3の積層部材の前記金属片が、前記金属箔との間に挟設されるように位置する、該金属箔とは異なる種の金属でできた層である金属層を有する、とすることができる。このような金属層を有することにより、金属片の部分をエッチングで形成することができる。つまり、エッチングで残存させた部分が金属片になっており、エッチングにおいて金属層はバリア層として機能したものである。
また、実施態様として、前記第3の積層部材の前記金属片が前記金属層の部分を除き銅であり、前記第3の積層部材の前記金属箔が銅である、とすることができる。このように銅を用いれば、銅箔をエッチングでパターニングして配線パターンを得る工程と類似の工程で凹部を形成することができ、低コスト、高効率である。
以上を踏まえ、以下では本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は、一実施形態であるプリント配線板の構成を模式的に示す断面図である。同図に示すように、このプリント配線板は、絶縁板部材11、絶縁層121(絶縁層の第1の部位)、絶縁板部材13、絶縁層122(絶縁層の第2の部位)、絶縁層123(絶縁層の第3の部位)、配線パターン21、22、23、24、25、層間接続導体31、32、34、スルーホール導電体33、はんだレジスト61、62を有する。このプリント配線板の厚み方向に形成された凹部は、図示するように、その底部が絶縁層121に面しており、その側壁面が絶縁層123と絶縁層122とに面している。
凹部内には、各種の電子部品、とりわけフェースアップで載置、固定されてこの配線板と電気的な接続を行う、比較的高さ方向のサイズが大の電子部品41を収容することができる。このような電子部品41の例としては、撮像素子(CCDセンサやCMOSセンサ)や加速度センサ(MEMSで構成された加速度センサ)を挙げることができる。
最外に位置する配線構造である配線パターン21には、外部接続端子21aの領域(はんだレジスト61の形成が抜けた領域)が設けられている。外部接続端子21aは、表面実装用端子であり、例えばはんだを用いてこのプリント配線板を他の配線板に表面実装するときに用いることができる。また、他方の最外に位置する配線構造である配線パターン25には、ボンディングワイヤ接続パッド25aの領域(はんだレジスト62の形成が抜けた領域)が設けられている。ボンディングワイヤ接続パッド25aは、凹部に設けられる電子部品41上に設けられた端子パッド(不図示)との間を電気的に接続するボンディングワイヤ51の、この配線板側の接続パッドである。
はんだレジスト61、62の形成が抜けた配線パターン21、25の領域(外部接続端子21a、ボンディングワイヤ接続パッド25a)には、腐食防止のためあるいはボンディング接続の信頼性向上のため、例えばNi/Auめっきの層(不図示)を形成しておくことができる。
絶縁板部材11、13、および絶縁層121、122には、それぞれ補強材11a、13a、121a、122aが含有されている。補強材11a、13a、121a、122aには、例えば、無機材料であるガラスクロスやガラス不織布、あるいは有機材料であるアラミド繊維を用いることができる。プリント配線板として強度を増すために、補強材としてこれらを採用することは、多くの実績があり補強の効果が高い。
特に絶縁板部材13には、補強材13aを複数の層状(図示では2層)に設けているが、これにより絶縁板部材13の厚みに応じて機械的強度を適切に増すことができる。絶縁板部材13の厚みを増せば形成される凹部の深さを増すことが可能であり、凹部に載置、実装する電子部品41の高さサイズ仕様に応じることができる。絶縁板部材13の厚さは、電子部品41の高さサイズに応じて、例えば、0.2mm〜0.5mm程度とすることができる。
補強材11a、13a、121a、122aは、配線板として必要な強度に応じてこれらのうちの一部を設けない構成とすることもできる。ちなみに、補強材11a、121aは、凹部の底面下となる領域を含めて補強材を含有しており、凹部に対応する位置での機械的強度の強化にも寄与している点で、これら以外の補強材13a、122aと機能的には多少異なる配置になっていると言える。
絶縁板部材11、13、および絶縁層121、122、123には、例えば、エポキシ樹脂のような有機材料を用いることができる。絶縁板部材13は、凹部に相当する領域が貫通開口部になっており、対して絶縁層121、122、123は、絶縁板部材13の上下面上と貫通開口部の内壁面上とを一体的に覆うように形成された絶縁層である。このように形成された絶縁層により、絶縁板部材13に設けられた貫通開口部は、その内壁面が凹部に対して露出していない。
この絶縁層121、122、123は、もとの形状から変形させて一体的となるように形成した絶縁層である(詳しくは後述する)。絶縁層121は、貫通開口部なく絶縁板部材13上に積層状に位置する。絶縁層122は、絶縁板部材13の貫通開口部の位置に相当して貫通開口部を有するように、絶縁層121が位置する側とは反対の側の絶縁板部材13上に積層状に位置する。絶縁層123は、絶縁板部材13の貫通開口部の内壁面上に位置する。
絶縁板部材11、絶縁層121、122の厚さは、それぞれ例えば60μm〜100μm程度とすることができる。絶縁層123の厚さ(図で横方向)は、例えば50μm〜200μm程度とすることができる(絶縁板部材13の貫通開口部の平面形状にもよる)。
絶縁板部材13に設けられた貫通開口部の内壁面が凹部に対して露出していない点は、このプリント配線板の大きな利点になっている。すなわち、絶縁板部材13に設けられた貫通開口部を由来とする、貫通開口部を機械加工で形成したときの破片や切削くずが浮遊する恐れがない。とりわけ、絶縁板部材13には補強材13aが含有されていて貫通開口部には補強材13aの切断面が現れるが、貫通開口部の内壁面上を覆うように絶縁層123が設けられているため、補強材13aを由来とした破片や切削くずの浮遊も半永久的に生じない。絶縁板部材13が補強材13aを含有していると、それらの界面付近が特に破片や切削くずを発生させるが、その場合でもそれらの浮遊の心配がなくなっている。
配線パターン21〜25は、厚さ例えば18μm〜35μmの銅箔を素材として、これを周知のフォトリソグラフィ工程を用いて所定にパターニングして得ることができる。配線パターン22は、絶縁板部材11と絶縁層121とに挟まれた内層配線パターンである。配線パターン23は、絶縁層121と絶縁板部材13とに挟まれた内層配線パターンである。配線パターン24は、絶縁板部材13と絶縁層122とに挟まれた内層配線パターンである。配線パターン21、25についてはすでに説明したとおりである。
これらの配線パターン21〜25の構成は、プリント配線板として多層配線層化する場合に考えられるひとつの例である。多層に配線層を設ければ込み入った回路形成に対応できるという意味でニーズが高く、これに対応できる。
層間接続導体31、32、34は、導電性組成物(例えば銀ペーストと呼ばれるペースト状の組成物)をスクリーン印刷して形成されたバンプを由来として得ることができる。周知なので詳細は端折るが、一通り述べると、金属箔上(またはパターニング後の配線パターン上)、スクリーン印刷で得られたバンプを乾燥、硬化させ、これを絶縁板部材11または絶縁層121、122の前駆体である半硬化状態のプリプレグ層に加圧下で貫通させその状態でプリプレグ層を熱硬化させる。これにより、絶縁板部材11または絶縁層121、122を貫通した状態の層間接続導体31、32、34が得られる。
層間接続導体31(32、34)は、配線パターン21(22、24)と配線パターン22(23、25)とを電気導通させるように、それらの面間に挟設されて、絶縁板部材11(絶縁層121、122)の厚み方向に形成されている。層間接続導体31、32、34は、当初のバンプ形状に由来して、図示のように柱状の密構造で、軸方向に径の変化する形状になる。スクリーン印刷を用いて形成するので、微細で高密度配置の層間接続導体31、32、34を効率的に形成することができる。
層間接続導体31、32、34は、配線パターンの面間に柱状に形成させた導体なので、配線板の厚み方向に重ねて位置させることも可能である。これにより、スルーホール内壁面上の層間接続導体(いわゆるスルーホール)より高密度に配置できる。この配線板は、図示上下面上にさらに多層配線層化することもでき、その場合も、同様の層間接続導体を相隣り合う配線パターンの面どうしの間に設けることができる。
密構造の層間接続導体31、32、34を形成するために導電性組成物を用いるのは、めっきで形成したバンプを利用する場合と並んで、ひとつの採用し易い選択肢である。
スルーホール導電体33は、絶縁板部材13の両面に配線パターン23、24とすべき金属箔(銅箔)が積層された状態の積層体に貫通孔を形成し、この貫通孔の内壁面上に銅のめっき層を成長させることにより形成することができる。
次に、図2は、図1に示したプリント配線板の製造過程の一部を模式的な断面で示す工程図である。図2において、図1中に示した構成と同一または同一相当のものには同一符号を付してある。この工程では、配線パターン25とすべき金属箔25Aと、絶縁板部材13の貫通開口部に収まる大きさを有してこの金属箔25A上に形成された金属片251A(および250A)とを有する積層部材(図2(e))を調製する。
まず、図2(a)に示すような構成の素材材料を用意する。この構成は、金属箔(銅箔)25A上に、この金属(銅)とは異なる金属(例えばニッケル)のバリア金属層250が積層され、さらにその上にそのバリア金属とは異なる金属の金属板(銅板)251が積層されたものである。金属箔25Aは厚さ例えば18μm〜35μm、バリア金属層250は厚さ例えば3μm、金属板251は厚さ例えば200μm〜500μmである。
次に、図2(b)に示すように、素材材料の両面にレジスト252、253の層を形成する。金属板251側のレジスト252は、作られるべき凹部の平面形状と同一の平面形状を有するようにパターニングし形成する。金属箔25A側のレジスト253は、金属箔25Aを保護するようにその全面を覆って形成する。
続いて、レジスト252をマスクとして金属板251を金属板251の金属を溶かすことができるエッチャントを用いてエッチングする。これにより、金属板251は、図2(c)に示すように、レジスト252の形状に倣ってパターン化された金属片251Aになる。
続いて、レジスト252および金属片251Aをマスクとして、バリア金属層250の金属を溶かすことができるエッチャントを用いてエッチングする。これにより、バリア金属層250は、金属片251Aに重なる領域を除いて除去され、図2(d)に示すように残留バリア金属層250Aが残るのみになる。
最後に、レジスト252、253を除去する。以上により、図2(e)に示すような、配線パターン25とすべき金属箔25Aと、絶縁板部材13の貫通開口部に収まる大きさでこの金属箔25A上に形成された金属片251A(および残留バリア金属層250A)とを有する積層部材が得られる。なお、以上の工程は、ひとつの例を説明している。他の例としては、残留バリア金属層250Aを有しない構成のものを得てもよい。これには、例えば、配線パターン25とすべき金属箔25A上に、めっきで所定パターンの金属片251Aを成長させれば得ることができる。
次に、図3は、図2に示した過程の後の製造過程である、図1に示したプリント配線板の製造過程の別の一部を模式的な断面で示す工程図である。図3において、図1、図2中に示した構成と同一または同一相当のものには同一符号を付してある。
まず、図3(a)は、図2に示した工程で得られた積層部材を用いて行う積層工程を示している。図3(a)のもっとも上側に示した積層部材が図2に示した工程で得られたものである(図示は図2(e)とは反対になっている)。図3(a)の中間に示した積層部材は、概略構成として、硬化されている絶縁板部材13の上側に、絶縁層122とすべき硬化前のプリプレグ層122Aを積層し、それらを貫通して貫通開口部13oを設けたものである。
図3(a)の中間に示した積層部材を得るための工程は、概略、例えば以下である。両面に金属箔を有した絶縁板部材13を用意し、スルーホール導電体33を設けるための貫通孔を加工、形成する。次に、貫通孔の内壁面上にめっき層を成長させてスルーホール導電体33を形成する。そして、両面の金属箔をパターニングして配線パターン23、24を形成する。次に、層間接続導体34とすべきバンプを配線パターン24上にスクリーン印刷で形成し、さらに、このバンプを貫通させるように絶縁板部材13の配線パターン24のある側の面上にプリプレグ122Aを積層する。最後に、絶縁板部材13およびプリプレグ層122Aを貫通して貫通開口部13oを形成する。
図3(a)のもっとも下側に示した積層部材は、概略構成として、硬化されている絶縁板部材11の上側に、絶縁層121とすべき硬化前のプリプレグ層121Aを積層したものである。この積層部材を得るための工程は、概略、例えば以下である。配線パターン22とすべき加工される前の金属箔上にスクリーン印刷で層間接続導体31とすべきバンプを形成し、続いて、このバンプを貫通させるようにこの金属箔上に、絶縁板部材11とすべきプリプレグ層を積層し、さらにこのプリプレグ層上に金属箔21Aを積層する。そしてこれらを加圧、加熱して一体化し両面に金属箔を有する絶縁板部材11を得る。
次に、片側にある金属箔をパターニングして配線パターン22を形成する。続いて、層間接続導体31とすべきバンプを配線パターン22上にスクリーン印刷で形成し、最後に、このバンプを貫通させるように絶縁板部材11の配線パターン22のある側の面上にプリプレグ121Aを積層する。
図3(a)に示すような配置で加熱、加圧下の、3つの積層部材の積層工程を行うと、プリプレグ層121A、122Aが熱で流動性を得て変形し、これらがスルーホール導体体33の内部および貫通開口部13oの内部に入り込む。これにより、プリプレグ層121A、122Aは、金属片251A周りに空隙が生じないように密着しつつ熱硬化し、一体化された構成の絶縁層121、122、123が形成される。絶縁層121、122、123は、絶縁板部材13の上下面上と貫通開口部の内壁面上とを一体的に覆うことになる(図3(b))。
以上の積層工程の後、金属片251Aおよび残留バリア金属層250Aとこれらに積層状に位置する領域の金属箔25Aとを除去する。この除去工程は、所定のレジストを金属箔25A上に形成して行うことができる。このときのエッチャントとしては、金属片251Aおよび金属箔25Aと残留バリア金属層250Aとを同時に溶かすことができるものを使用すると効率的である。いずれにしても、銅箔をエッチングでパターニングして配線パターンを得る工程と類似の工程である。その後、金属箔21Aおよび金属箔25Aを所定にパターニングして配線パターン21、25を形成すると図3(c)に示す状態のものが得られる。そしてさらに、はんだレジスト61、62の形成を行うことで、図1に示したプリント配線板が得られる。
以上、一実施形態であるプリント配線板について説明した。このプリント配線板の変形例としては、より薄型化したものとして以下のような構成も考えられる。すなわち、配線パターン21、絶縁板部材11、および層間接続導体31の積層部分のない構成である。この場合は、製造方法に依拠して、配線パターン22は、絶縁層121の側に沈み込まずに絶縁層121上に位置することになる。このような変形例を得るには、図3(a)に示す積層工程で、そのもっとも下側に示した積層部材として、配線パターン22とすべき金属箔上にバンプである層間接続導体31が形成され、この金属箔上に層間接続導体31を貫通させるようにプリプレグ層121Aが積層されたものを用いる。
このような変形例の場合も、絶縁板部材13の凹部に相当する領域が貫通開口部になっていて、対して絶縁層121、122、123が、絶縁板部材13の上下面上と貫通開口部の内壁面上とを一体的に覆うように形成される点はまったく変わらない。すなわち、絶縁板部材13に設けられた貫通開口部を由来とする、貫通開口部を機械加工で形成したときの破片や切削くずが浮遊する恐れはない。
次に、図3(a)中に示した貫通開口部13oの平面形状について図4Aから図4Cを参照して補足的に以下説明する。これらに図においてすでに説明した図中に示したものと同一のものには同一符号を付してある。
図4Aは、図3(a)中に示した貫通開口部13oの平面的な形状の一例を示している。金属片251Aの平面的な大きさは、ここでは例えば3mm×3mmであるとする。そこで、図示するように、これを収めるための開口部13oの形成に、ドリル加工位置13o1〜13o9でのドリリング(隣と互いに重なる3×3の並びで9箇所)を用いる。ドリリングの各径は例えば1.6mmであり、例えば参照符号の末尾が若い順にドリリングを行う。ここでの加工順は、4隅位置、中央、4辺位置の順である。このような単一の径のドリルによる開口形成によれば、ドリル刃交換が不要であり生産効率が上がる。
図4Bは、図4Aに示した貫通開口部13oの変形例を示している。ここでの金属片251Aの平面的な大きさは、例えば1.56mm×1.56mmであるとする。これを収めるための貫通開口部13oAの形成に、ドリル加工位置13oA1〜13oA5でのドリリングを用いる。ドリル加工位置13oA1〜13oA4では、それぞれ例えば0.8mmの径のドリリングを行い、ドリル加工位置13oA5では、例えば2mmの径のドリリングを行う。加工順は4隅位置、中央の順(ドリル加工位置に付した参照符号の末尾の順)である。
このような2種の径のドリルによる開口形成では、ドリル刃交換やドリル機器自体を複数用意するなどの対応が必要であり、生産負担上は単一のドリル径の場合より多少劣る。しかしながら、形成すべき凹部の大きさにより沿った開口を形成し得るため、開口への樹脂充填性をより確保し、また内層の配線形成領域をより大きく確保する上では好ましい。また、ドリリングを行う回数を少なくする効果もある。同様に、生産負担とこれらの各利点とを比較考量し、3種以上のドリルによる開口形成を採用することもできる。
図4Cは、図4Aに示した貫通開口部13oの別の変形例を示している。ここでの金属片251Aの平面的な大きさは、例えば1.66mm×1.21mmであるとする。これを収めるための貫通開口部13oBの形成に、ドリル加工位置13oB1〜13oB7でのドリリングを用いる。ドリル加工位置13oB1〜13oB4では、それぞれ例えば0.8mmの径のドリリングを行い、ドリル加工位置13oB5〜13oB7では、それぞれ例えば1.55mmの径のドリリングを行う。加工順は4隅位置、中央やや左、中央、中央やや右(ドリル加工位置に付した参照符号の末尾の順)である。
この場合も図4Bに示す場合と同様に、2種の径のドリルによる開口形成であるため生産負担上は単一のドリル径の場合より多少劣る。しかし、形成すべき凹部の大きさにより沿った開口を形成でき、開口への樹脂充填性をより確保し内層の配線形成領域をより大きく確保する上では好ましい。
図4Aから図4Cに示すように、貫通開口部が、横断面形状として、円弧が連なって構成された形状である図形として形成される場合、これを周知のドリリングで形成することができる。ドリリングは機械的加工として低コストで容易な工程であり、製造負担が小さい。
次に、別の実施形態について図5を参照して説明する。図5は、別の実施形態であるプリント配線板の構成を模式的に示す断面図である。同図においてすでに説明した図中に示したものと同一または同一相当のものには同一符号を付してある。その部分については加えて説明すべき事項がない限り説明を省略する。
この実施形態は、導電性組成物をスクリーン印刷して形成されたバンプを由来とする層間接続導体32、34に代えて、導電性組成物の貫通孔に充填して形成した層間接続導体32A、34Aを採用したものである。他の点は図1に示したものと同様である。
このような層間接続導体32A、34Aも、層間接続導体32、34と同様に、配線パターン22、23の面間、配線パターン24、25の面間に、密構造の柱状に形成された導体になっている。よって、厚み方向に重ねて位置させることも可能であることから、スルーホール内壁面上の層間接続導体(いわゆるスルーホール)より、高密度な配置が可能である。
層間接続導体32A、34Aは、その形成過程に依拠して、柱状の軸方向に径の変化しない形状になる。すなわち、このような層間接続体32A、34Aは、それぞれ、例えば、当初ペースト状に調製された導電性組成物を絶縁層121、122とすべきプリプレグ層に形成された貫通孔に充填することで得ることができる。プリプレグ層に貫通孔を形成するのは、いわゆるスルーホールを形成する場合にも用いられる工程であり、特に難しさのない工程である。
次に、さらに別の実施形態について図6を参照して説明する。図6は、さらに別の実施形態であるプリント配線板の構成を模式的に示す断面図である。同図においてすでに説明した図中に示したものと同一または同一相当のものには同一符号を付してある。その部分については、追加説明する事項がない限り説明を省略する。
この実施形態は、図1に示したものと比較して、絶縁板部材13の部分の構成を変形させている点が異なる。具体的には、絶縁板部材13の部分は、絶縁板部材131、132、133の3層の積層構成とされ、絶縁板部材131と同132との間に配線パターン235が新設され、絶縁板部材132と同133との間に配線パターン236が新設されている。これに伴い、スルーホール導電体33は設けられず、代わりに、配線パターン23の面と配線パターン235の面との間に層間接続導体331が、配線パターン235の面と配線パターン236の面との間に層間接続導体332が、配線パターン236の面と配線パターン24の面との間に層間接続導体333が、それぞれ設けられている。
層間接続導体331、332、333は、層間接続導体31、32、34と同様に、導電性組成物をスクリーン印刷して形成されたバンプを由来として形成したものである。詳しくは、層間接続導体31、32、34についての説明を参照することができる。
この実施形態の製造工程については、図3(a)中に示したその中ほどの積層部材を、上記のような絶縁板部材131〜132、配線パターン23、235、236、24、および層間接続導体331〜333を有する構成のものに置き換えることで説明することができる。プリプレグ層122Aおよび層間接続導体34については同じである。
この実施形態は、多層配線層化をさらに進めるためのひとつの方法として有力である。そして多層配線層化するのに要する絶縁板部材の厚みの増加を、形成すべき凹部の深さとして転換することができる。したがって、より複雑な回路パターンの形成に向いているとともに、より厚さの厚い電子部品41を収容、実装することが必要な場合に向いている。
11…絶縁板部材、11a…補強材、121…絶縁層(第1の部位)、121a…補強材、121A…プリプレグ層、122…絶縁層(第2の部位)、122a…補強材、122A…プリプレグ層、123…絶縁層(第3の部位)、13…絶縁板部材、13a…補強材、13o,13oA,13oB…貫通開口部、13o1,13o2,13o3,13o4,13o5,13o6,13o7,13o8,13o9…ドリル加工位置、13oA1,13oA2,13oA3,13oA4,13oA5…ドリル加工位置、13oB1,13oB2,13oB3,13oB4,13oB5,13oB6,13oB7…ドリル加工位置、131,132,133…絶縁板部材、21…配線パターン、21a…外部接続端子、21A…金属箔(銅箔)、22,23,24,25…配線パターン、235,236…配線パターン、25a…ボンディングワイヤ接続パッド、25A…金属箔(銅箔)、250…バリア金属層、250A…残留バリア金属層、251…金属板(銅板)、251A,251B…金属片(銅片)、252,253…レジスト、31,32,34…層間接続導体(導電性組成物をスクリーン印刷して形成されたバンプを由来とする)、32A,34A…層間接続導体(導電性組成物を貫通孔に充填して形成)、33…スルーホール導電体、331,332,333…層間接続導体(導電性組成物をスクリーン印刷して形成されたバンプを由来とする)、41…電子部品(撮像素子やMEMS素子)、51…ボンディングワイヤ。

Claims (10)

  1. 厚み方向に窪んだ凹部を設けたプリント配線板であって、
    前記凹部に相当する位置に貫通開口部を有した、有機材料を含む絶縁板部材と、
    貫通開口部なく前記絶縁板部材上に積層状に位置する第1の部位と、前記絶縁板部材の前記貫通開口部の位置に相当して貫通開口部を有するように、前記第1の部位が位置する側とは反対の側の前記絶縁板部材上に積層状に位置する第2の部位と、前記絶縁板部材の前記貫通開口部の内壁面上に位置する第3の部位とを備えて、前記絶縁板部材の上下面上および前記貫通開口部の内壁面上を一体的に覆うように設けられた絶縁層と
    を具備することを特徴とするプリント配線板。
  2. 前記絶縁板部材が、無機または有機材料の補強材を含有していることを特徴とする請求項1記載のプリント配線板。
  3. 前記絶縁板部材の前記補強材が、複数の層状に設けられていることを特徴とする請求項2記載のプリント配線板。
  4. 前記絶縁層の前記第1の部位が、前記凹部の底面下となる領域を含めて補強材を含有することを特徴とする請求項1記載のプリント配線板。
  5. 前記絶縁板部材の前記貫通開口部が、横断面形状として、円弧が連なって構成された形状であることを特徴とする請求項1記載のプリント配線板。
  6. 前記絶縁板部材と前記絶縁層の前記第1の部位とに挟まれた内層に位置する第1の配線パターンと、
    前記絶縁板部材と前記絶縁層の前記第2の部位とに挟まれた内層に位置する第2の配線パターンと、
    前記絶縁層の前記第1の部位の、前記絶縁板部材が位置する側とは反対の側上に設けられた第3の配線パターンと、
    前記絶縁層の前記第2の部位の、前記絶縁板部材が位置する側とは反対の側上に設けられた第4の配線パターンと、
    前記第1の配線パターンと前記第3の配線パターンとを電気導通させる、前記絶縁層の前記第1の部位の厚み方向に形成された第1の層間接続導体と、
    前記第2の配線パターンと前記第4の配線パターンとを電気導通させる、前記絶縁層の前記第2の部位の厚み方向に形成された第2の層間接続導体と
    をさらに具備することを特徴とする請求項1記載のプリント配線板。
  7. 前記第1の層間接続導体が、前記第1の配線パターンの面と前記第3の配線パターンの面との間に、密構造の柱状に形成された導体であり、
    前記第2の層間接続導体が、前記第2の配線パターンの面と前記第4の配線パターンの面との間に、密構造の柱状に形成された導体であること
    を特徴とする請求項6記載のプリント配線板。
  8. 厚み方向に窪んだ凹部を有するプリント配線板を製造する方法であって、
    第1のプリプレグ層を少なくとも有する積層部材である第1の積層部材を調製する工程と、
    硬化された有機材料を含む絶縁板部材とプリプレグ層である第2のプリプレグ層とが積層状に位置し、かつ形成すべき前記凹部に対応する位置に貫通開口部を有する第2の積層部材を調製する工程と、
    金属箔と、前記第2の積層部材の前記貫通開口部に収まる大きさで該金属箔上に形成された金属片とを有する第3の積層部材を調製する工程と、
    前記第1の積層部材の前記第1のプリプレグ層上に前記第2の積層部材を、前記絶縁板部材の側が前記第1のプリプレグ層に対向するように積層配置し、さらに、前記第2の積層部材の前記第2のプリプレグ層上に前記第3の積層部材を、前記金属片が前記第2の積層部材の前記貫通開口部内に収まるように積層配置する工程と、
    前記第1、第2、第3の積層部材を積層方向に加圧、および加熱することにより、前記第1、第2のプリプレグ層に流動性を与えて、前記第3の積層部材の前記金属片の周りに該第1、第2のプリプレグ層が空隙なく密着するように該第1、第2のプリプレグ層を変形させつつ硬化して前記第1、第2、第3の積層部材を一体化する工程と、
    一体化された前記第1、第2、第3の積層部材において、前記第3の積層部材の前記金属片と該金属片に積層状に位置する領域の前記金属箔とを除去する工程と
    を具備することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  9. 前記第3の積層部材の前記金属片が、前記金属箔との間に挟設されるように位置する、該金属箔とは異なる種の金属でできた層である金属層を有することを特徴とする請求項8記載のプリント配線板の製造方法。
  10. 前記第3の積層部材の前記金属片が前記金属層の部分を除き銅であり、前記第3の積層部材の前記金属箔が銅であることを特徴とする請求項9記載のプリント配線板の製造方法。
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