JP2013218885A - 電磁継電器 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベースに接点端子を所望の支持強度で支持でき、動作特性のバラツキおよび動作不良が生じない電磁継電器を提供する。
【解決手段】ベース10に立設した絶縁壁11に設けた凹所12の開口縁部に、固定接点端子70の上端部76を載置して架け渡した電磁継電器であって、前記凹所12の開口縁部のうち、前記固定接点端子70の上端部76の直下に、断面三角形を形成するテーパ面を備えている凹状のシール溜まり部17aを設けた。
【選択図】図7

Description

本発明は電磁継電器、特に、接点端子の支持構造に関する。
従来、電磁継電器には、水平方向に延びる胴部及び該胴部の両端から下方に延びる脚部を有する略C字状の平板状継鉄と、前記胴部に取り付けられる巻胴部を有し、該巻胴部の周囲に励磁コイルを巻回した絶縁性の巻枠と、前記水平方向に延びると共に絶縁性の作動片が設けられた水平部、該水平部の一端側から前記脚部のうち一方の脚部の延出方向に延びる回動軸部、及び前記水平部の他端側から延び前記励磁コイルが励磁されたときに前記脚部のうち他方の脚部に接触する垂直部を有するアーマチュアと、前記継鉄の両脚部を支持すると共に前記アーマチュアの回動軸部の下端に形成された軸片を受容する凹部又は穴を有する絶縁性のベースハウジングと、前記励磁コイルの下方且つ前記継鉄の両脚部間に配置されて前記ベースハウジングに取り付けられ、前記作動片の押圧により互いに接触する可動接触片及び固定接触片とを具備し、前記ベースハウジングが、前記励磁コイル及び前記アーマチュア間を延びる絶縁壁を有する電磁継電器において、前記ベースハウジングは、前記可動及び固定接触片と前記アーマチュアとの間を遮断する第2絶縁壁を有し、前記作動片は、前記第2絶縁壁の略中央部に形成された孔を介して前記可動接触片を押圧することを特徴とする電磁継電器がある(特許文献1参照)。
そして、前記電磁継電器では、その図6に示すように、ベースハウジング10の後壁12に設けた段部に固定接触片22の上端部を嵌合して取り付けていた。
特開2003−115248号公報
しかしながら、前述の固定接触片22の支持構造では、シール材が流れ込みにくく、所望の支持強度を確保しにくい。このため、組立時の外力によって固定接触片22に位置ズレが生じやすく、動作特性にバラツキが生じるおそれがある。
また、外力の負荷によって剥離したシール材が固定接触片,可動鉄片に移動して付着することにより、動作不良が生じるという問題点がある。
本発明に係る電磁継電器は、前記問題点に鑑み、ベースに接点端子を所望の支持強度で支持でき、動作特性のバラツキおよび動作不良が生じない電磁継電器を提供することにある。
本発明に係る電磁継電器は、前記課題を解決すべく、ベースに立設した仕切り壁に設けた凹所の開口縁部に、接点端子の端部を載置して架け渡した電磁継電器であって、前記凹所の開口縁部のうち、前記接点端子の端部の直下に凹状のシール溜まり部を設けた構成としてある。
本発明によれば、シール溜まり部にシール材を充填,固化することにより、所望の支持強度が得られ、組立時の外力によっても位置ズレが生じないので、動作特性にバラツキが生じない。
また、シール溜まり部を設けることにより、接着面積が増大するので、シール材が固化しても剥離しにくくなり、動作不良が生じない電磁継電器が得られる。
本発明の実施形態としては、前記シール溜まり部が、断面三角形を形成するテーパ面を備えていてもよい。
本実施形態によれば、シール材がテーパ面を介して外部から流れ込みやすくなり、作業性が向上する。
本発明の異なる実施形態としては、前記シール溜まり部の巾寸法を、前記接点端子の端部の巾寸法よりも小さくしてもよい。
本実施形態によれば、凹所の開口縁部に位置決めしたままの状態でシール材を充填でき、作業性が良いとともに、バランス良く接点端子を支持できる。
本発明の他の実施形態としては、少なくとも2つの前記シール溜まり部を並設してもよい。
本実施形態によれば、シール材の接着面積が増大し、支持強度がより一層増大する。
本発明の別の実施形態としては、前記シール溜まり部を、前記凹所の開口縁部よりも一段低い位置決め用段部に設けてもよい。
本実施形態によれば、接点端子の位置決めが容易となり、作業性が向上するとともに、接点端子の側方への位置ズレを確実に防止できる。また、接続端子の端部およびシール材による不陸の発生を防止できる。
本発明の新たな実施形態としては、前記シール溜まり部に連通する通気溝を設けておいてもよい。
本実施形態によれば、通気溝が空気の逃げ道となり、シール材の充填をスムーズに行うことができ、作業性が向上するとともに、所定の支持強度を確保できるという効果がある。
図1A,1Bは本願発明に係る電磁継電器の第1実施形態を異なる角度から視た斜視図である。 図1Aと同じ視点から視た電磁継電器の分解斜視図である。 図1Bと同じ視点から視た電磁継電器の分解斜視図である。 図4Aは図1Aで示した電磁継電器の正面図、図4Bは図4AのB−B線断面図、図4Cは図4Bの部分拡大図である。 図5Aは図1で示した電磁継電器の左側面断面図、図5Bは図5Aの部分拡大図、図5Cは図1で示した電磁継電器の右側面断面図である。 図6Aは図1Bで示した電磁継電器の斜視図、図6Bは図6Aの部分拡大図である。 図7Aは図1Bで示した電磁継電器の正面図、図7Bは図7AのB−B線部分拡大断面図、図7Cは図7Bの要部拡大図である。 図8A,8Bは図1で示したベースを異なる角度から視た斜視図である。 図9A,9Bおよび9Cは図1で示したベースの正面図、上面図および背面図である。 図10Aは図1で示したベースの変形例を示す斜視図、および、図10Bは図10Aの部分拡大図である。 図11A,11Bは電磁石部の構成要素を異なる角度から視た分解斜視図である。 図12A,12Bは鉄芯に可動鉄片を組み合わせた状態を異なる角度から視た斜視図である。 図13Aないし図13Dは可動鉄片の動作を説明するための斜視図である。 図14Aおよび図14Bは押圧ポイントPに作用するバネ負荷とコイルによる磁力との関係を示すグラフ図である。 図15A,15Bは図2,3で図示したカードの斜視図である。 図16Aないし図16Dは図2,3で図示した可動接点端子の正面図、左側面図、斜視図、異なる角度から視た斜視図である。 図17Aないし図17Cは図2,3で図示した固定接点端子の正面図、斜視図、異なる角度から視た斜視図である。 図2,3で図示したケースの断面斜視図である。 図19A,19Bは図本願発明の第2実施形態を示す電磁継電器の斜視図および部分拡大斜視図である。 図20A,20Bは本願発明の第3実施形態を示す電磁継電器の斜視図および部分拡大斜視図である。 図21A,21Bは本願発明の第4実施形態を示す電磁継電器の斜視図および部分拡大斜視図である。 図22A,22Bは本願発明の第5実施形態を示す電磁継電器の斜視図および部分拡大斜視図である。 図23A,23Bは本願発明の第6実施形態を示す電磁継電器の斜視図および異なる角度から視た斜視図である。 図23Aと同じ視点から視た第6実施形態の分解斜視図である。 図23Bと同じ視点から視た第6実施形態の分解斜視図である。
本願発明に係る電磁継電器の実施形態を図1ないし図25の添付図面に従って説明する。
第1実施形態に係る電磁継電器は、図1ないし図18に図示するように、大略、ベース10と、電磁石部20と、可動鉄片40と、カード50と、接点機構部60と、および、ケース80とで形成されている。
なお、説明の便宜上、図1においてケース80は図示していない。また、本実施形態では、ベース10に電磁石部20を組み付ける側を正面側(図2)とし、前記ベース10に接点機構部60を組み付ける側を背面側(図3)とする。
前記ベース10は、図8および図9に図示するように、その上面外周縁部のうち、隣り合う辺に沿って平面略L字形状の絶縁壁11を一体成形してある。そして、前記絶縁壁11は、その一部を正面側に膨出させることにより、後述する接点機構部60を配置できる凹所12を形成してある。さらに、前記凹所12の略中央部には、後述するカード50の操作突起52を挿入できる方形の操作孔13を設けてある。
また、前記ベース10は、図9Bに示すように、絶縁壁11の正面側の基部近傍に、後述する門型鉄芯30を組み付けるために一対の圧入用凹部14,15を設けてある。前記圧入用凹部14,15は、その内側面の基部に圧壊用突部14a,15aをそれぞれ設けてある。そして、前記圧入用凹部14と隣り合う位置に後述する可動鉄片40を抜け止めする抜け止め孔16aを設けてあるとともに、前記圧入用凹部15と隣り合う位置に可動鉄片40を支持する軸受け部16bを設けてある。さらに、前記圧入用凹部14と絶縁壁11との間に後述するコイル端子37,38を挿通する端子用切り欠き部10aおよび端子用孔10bを設けてある。
一方、前記ベース10は、図9Cに示すように、既述したように絶縁壁11の背面側に設けた凹所12の略中央部に方形の操作孔13を設けてある。また、前記ベース10は、前記操作孔13の周囲に環状リブ13aを設けてあるとともに、前記操作孔13と隣り合う位置に支持突部12aを突設してある。さらに、前記ベース10は、その外周縁部のうち、前記凹所12の開口縁部に位置する領域に可動接点端子用切り欠き部18aおよび固定接点端子用切り欠き部18bを設けてある。そして、前記絶縁壁11のうち、前記凹所12の開口縁部に位置する領域に、テーパ面を備えた固定接点端子用位置決め段部17を形成してある。前記位置決め段部17の奥側隅部には、テーパ面で形成された断面略三角形のシール溜まり部17a(図7C)を並設してある。また、前記ベース10は前記凹所12と隣り合う位置に圧入溝19a,19bを設けてあるとともに、前記固定接点端子用切り欠き部18bの両側に圧入溝19c,19cを設けてある。
なお、前記シール溜まり部17には、図10A,10Bに示すように、シール材(図示せず)の注入を容易、かつ、確実にするため、通気溝17bを連通するように設けておいてもよい。
電磁石部20は、図11に示すように、スプール21に門型鉄芯30および一対のコイル端子37,38を組み付けるとともに、コイル39を巻回して構成されている。
前記スプール21は、図11Aに示すように、平行な一対の棒状連結部材22,23で一対の鍔部24,25を連結一体化してある。前記棒状連結部材23の両端には後述する門型鉄芯30を保持するための腕部23a,23bを側方に突設してある。
また、図11Bに示すように、前記鍔部24の背面側には後述するコイル端子37,38を圧入,保持するための圧入溝24a,24bを並設してある。前記圧入溝24a,24bの対向面には、断面略三角形の抜け止め用突条(図示せず)を軸心方向に沿ってそれぞれ設けてある。
さらに、図5Cに示すように、前記鍔部25の天井面には後述する可動鉄片40の軸部41を回動可能に支持するための軸受け部25aを設けてある。
門型鉄芯30は、図11に示すように、板状磁性材を門型に打ち抜いて形成したもので、両側の脚部31,32のうち、一方の脚部32の正面下方側に磁束密度を低減するための浅溝33を形成するとともに、前記脚部32の外側縁部から背面側に突出する突き出し突起34を設けてある。
なお、磁束密度を低減させる手段は、門型鉄芯30の脚部32と後述する可動鉄片40の回動軸部43との対向面のうち、いずれ一方あるいは両方に設けてもよい。特に、可動鉄片40の軸部41と後述するカード50の操作突起52の押圧ポイントPとを結ぶ線の下方側に設けることが好ましい。
コイル端子37,38は、図11に示すように、断面円形のピン形状であり、その上端部に断面正方形の絡げ部37a,38aを形成してあるとともに、その中間部にプレス加工を施して断面略方形とした回り止め部37b,38bを設けてある。
なお、前記絡げ部37a,38aは断面四角形に限らず、長方形、三角形、楕円形であってもよく、好ましくはコイル39を切断できる角部を有する形状であればよい。
そして、前記スプール21の腕部23a,23bに門型鉄芯30を組み付けるとともに、鍔部24の圧入溝24a,24bにコイル端子37,38をそれぞれ圧入し、圧入溝24a,24b内に設けた抜け止め用突条に係合して固定する。そして、前記コイル端子37,38のからげ部37a,38aを側方に折り曲げた後、前記棒状連結部22,23および門型鉄芯30にコイル39を巻回する。さらに、前記コイル39の引き出し線を前記コイル端子37,38の絡げ部37a,38aに絡げ、その角部でコイル39を切断した後、半田付けする。ついで、前記絡げ部37a,38aを曲げ起こすことにより、電磁石部20が完成する。
なお、前記ベース10に対する電磁石部20の組み付けは、可動鉄片40と同時に行う必要があるので、後述する。
可動鉄片40は、図2,3に示すように、上下端部に軸部41,42を設けた回動軸部43と、前記回動軸部43の下半分から側方に延在し、かつ、先端部から上方に延在した延在部47を有するL字形状の回動腕部44と、で構成されている。前記回動腕部44の下辺縁部には抜け止め突起45を突設してあるとともに、その背面側の先端部にプレス加工で多数の突条46を並設してある。前記突条46は、アークによって生成した粘着物質を原因とする可動鉄片40と門型鉄芯30との固着を防止するために設けられている。
なお、前記回動腕部44は必ずしもL字形状である必要はなく、前記回動腕部44の先端部が折れ曲がった形状であればよく、また、単なる短冊形状であってもよい。
そして、前記ベース10に、前記電磁石部20および前記可動鉄片40を組み付ける場合には、前記スプール21の鍔部25に設けた軸受け部25aに可動鉄片40の軸部41を位置決めし、門型鉄芯30に可動鉄片40を重ね合わせた状態とする。そして、門型鉄芯30の脚部31,32の先端部を前記ベース10の圧入用凹部14,15に圧入し、前記圧入用凹部14,15内に設けた圧壊用リブ14a,15aを押し潰す。これにより、前記脚部31,32の先端部が前記圧入用凹部14,15の内側面にそれぞれ押し付けられ、位置決めされる(図5B参照)。同時に、門型鉄芯30に設けた突き出し突起34が絶縁壁11に設けた位置決め用凹部11a(図2)に嵌合する。また、可動鉄片40の軸部42を前記ベース10の軸受け部16bに回動可能な遊嵌状態とするとともに、抜け止め突起45を前記ベース10の抜け止め孔16aに嵌合して抜け止めする。
なお、ベース10に電磁石部20を組み付けた場合には、図5A,5B,5Cに示すように、スプール21の鍔部24,25はベース10の絶縁壁11に当接しておらず、門型鉄芯30だけがベース10に当接している。このため、ベース10に対する電磁石部20の組立誤差が小さく、位置決め精度が高いので、設計通りの支持強度を確保できるとともに、動作特性の良い電磁継電器が得られるという利点がある。
カード50は、図15に示すように、前記ベース10の凹所12に収納可能な形状であり、その正面中央に設けた絶縁用凹部51の底面から操作突起52を突設してある。前記絶縁用凹部51は、前記ベース10の方形環状リブ13aに嵌合可能な外形寸法を有している(図4C)。一方、前記カード50は、その背面の上下縁部に一対の絶縁用リブ53,53を突設するとともに、前記操作突起52と同一軸心上に後述する可動接触片62に当接する突条54を設けてある。前記絶縁用リブ53は、後述する可動接触片62の上下縁部を仕切ることにより、絶縁距離を長くするためのものである(図4C)。また、前記カード50は、その片側縁部に、前記ベース10に設けた支持突部12aに嵌合する切り欠き部55を設けてある。
したがって、前記ベース10の操作孔13および支持突部12aに、前記カード50の操作突起52および切り欠き部55をそれぞれ組み付けることができる。
接点機構部60は、図2,3に図示するように、可動接点端子61と、固定接点端子70とで構成されている。
前記可動接点端子61は、図16に図示するように、その側面縁部から側方に延在した可動接触片62の自由端部に可動接点63をカシメ固定してある。前記可動接触片62の基部のうち、その上方縁部に圧入用舌片64を切り起こしてある一方、その下方縁部から圧入用舌片66を切り起こしてあるとともに、端子部66を延在してある。前記端子部66はプレス加工で打ち抜いた折り曲げ代を2つ折り重ねるとともに、前記折り曲げ代の上端縁部を曲げ起こしてシール止め部67としてある。なお、前記可動接触片62は、その先端部の角部を切り落とし、後述する固定接点端子70とのベース10の内面を介した絶縁距離を長くすることにより、絶縁特性を高めてある。
そして、前記可動接点端子61の圧入用舌片64,65をベース10の圧入溝19a,19bに圧入するとともに、その端子部66の基部を前記ベース10の可動接点端子用切り欠き部18aに嵌合する。これにより、前記可動接点端子61のシール止め部67が前記切り欠き部18aを塞ぐ(図6B)一方、可動接触片62がカード50の突条54に当接する。
固定接点端子70は、図17に図示するように、その側面縁部から側方に延在した固定接触片71の先端部に固定接点72をカシメ固定してある一方、その下方縁部から端子部73を延在するとともに、その両側縁部から圧入用リブ74,74を切り起こしてある。また、前記端子部73の基部の奥側にはシール止め部75を突き出し加工で設けてある。そして、前記固定接触片71は、その先端部を前記固定接点72の外周に沿う円弧形状とし、特に、その先端縁部を前記固定接点72と面一となるように切除してある。前記可動接点端子61とのベース10の内面を介した絶縁距離、および、コイル端子37,38との絶縁距離を長くし、絶縁特性を向上させるためである。
そして、前記固定接点端子70の圧入用舌片74,74を前記ベース10の圧入溝19c,19cに圧入し、その上端部76を絶縁壁11に設けた位置決め段部17に位置決めするとともに、端子部73の基部を前記固定接点端子用切り欠き部18bに嵌合する。ついで、前記位置決め段部17に設けたシール溜め部17aにシール材(図示せず)を注入して固化させることにより、前記固定接点端子70がベース10に固定され、固定接点72が可動接点63に接離可能に対向する。
なお、通常、接点開閉に伴って発生する接点の磨耗粉がベースの内面に付着し、溜まることにより、固定接点と可動接点とが電気的に短絡しやすくなり、絶縁劣化する。これに対し、本願発明によれば、可動接触片62の先端部および固定接触片71の先端部を切除してある。このため、固定接点72とベース10(凹所12の内面)との絶縁距離、または、可動接点63とベース10(凹所12の内面)との絶縁距離を長くでき、絶縁劣化を防止できるという利点がある。
ケース80は、図2,3に図示するように、前記ベース10に嵌合可能な箱形状を有し、その上面隅部に孔81を設けてある。また、ケース80は、図18に図示するように、その天井面隅部に、前記スプール21のテーパ部24a(図1)に当接して誤挿入を防止する位置決め用突条82を一体成形してある。さらに、前記ケース80は、その天井面の短辺側隅部に、成形時のゲートによる不具合を回避するための段部83を有している。
そして、内部構成部品を組み付けたベース10にケース80を嵌合した後、前記ベース10の底面に図示しないシール材を注入,固化してシールする。ベース10にケース80を嵌合すると、固定接点端子70のシール止め部75がケース80の内側面近傍に位置する。このため、可動接点端子61に設けたシール止め部67および固定接点端子70に設けたシール止め部75がシール材の侵入を阻止し、動作不良,接触不良の発生を防止できる。
ついで、前記ケース80の孔81を熱封止することにより、組立作業が完了する。
次に、本発明に係る電磁継電器の動作について説明する。
電磁石部20のコイル39に電圧が印加されていない場合には、可動接触片62のバネ力でカード50が絶縁壁11側に付勢されており、可動接点63が固定接点72から開離している一方、可動鉄片40の回動腕部44の先端部44aが門型鉄芯30から離れている(図13A)。
そして、前記電磁石部20のコイル39に電圧を印加して励磁すると、可動鉄片40の回動腕部44の先端部44aが吸引され、軸部41,42を中心として可動鉄片40が回動する。そして、前記回動腕部44が押圧ポイントPでカード50の操作突起52を押し込むと(図13B)、軸部41と押圧ポイントPとを結ぶ線を中心とする捩りモーメントが作用する。このため、軸部42が門型鉄芯30から離れるとともに、可動鉄片40の先端部44aから延在した延在部47の先端縁部が門型鉄芯30に接近する(図13C)。ついで、延在部47の先端縁部が門型鉄芯30に吸着して安定状態となる(図13D)。この結果、カード50が最終位置まで押し込まれ、板厚方向に変位した可動接触片62の可動接点63が固定接点72に接触する。
本実施形態では、門型鉄芯30の脚部32の下方側に磁束密度低減手段である浅溝33を設けてあるので、磁気抵抗が大きくなり、磁束密度が低下する。このため、可動鉄片40に捩りモーメントが作用すると、可動鉄片40の軸部42がストロークの初期段階で門型鉄芯30から離れる。この結果、動作電圧にバラツキがなくなり、安定した動作特性を有する電磁継電器が得られるという利点がある。
なお、磁束密度を低減させる手段としては、浅溝33に限らず、例えば、突起を設けてもよく、あるいは、遮磁板、銅メッキ等の非磁性体で構成してもよい。
また、磁束密度を低減させる手段は、前記門型鉄芯30および前記可動鉄片40の両方、または、いずれか一方に設けてもよい。
さらに、磁束密度を低減させる手段は、前述の浅溝、突起、遮磁板、非磁性体を組み合わせてもよく、例えば、門型鉄芯30に浅溝33と非磁性体とを設けて構成してもよい。
ついで、前記コイル39の電圧の印加を停止すると、可動接触片62のバネ力により、カード50が押し戻され、カード50の操作突起52が可動鉄片40の回動腕部44を押し戻すことにより、元の状態に復帰する。
本発明に係る第2実施形態は、図19に図示するように、可動接点端子61の端子部66の基部の奥側にシール止め部67を突き出し加工で形成するとともに、固定接点端子70に補強用突条77を突き出し加工で形成した場合である。
本実施形態によれば、材料の歩留まりが良く、製造しやすいという利点がある。
他は前述の実施形態と同様であるので、同一部分には同一番号を附して説明を省略する。
本発明に係る第3実施形態は、図20に図示するように、可動接点端子61の端子部66の基部の奥側縁部から切り出して折り曲げることにより、シール止め部67を形成した場合である。
本実施形態によれば、ケース80の内側面に長い前記シール止め部67が接近し、シール材の侵入をより一層確実に防止できるという利点がある。
他は前述の実施形態と同様であるので、同一部分には同一番号を附して説明を省略する。
本発明に係る第4実施形態は、図21に図示するように、可動接点端子61の端子部66の基部の奥側にシール止め部67である貫通孔を打ち抜き加工で形成した場合である。
本実施形態によれば、材料の歩留まりが良く、製造しやすいという利点がある。
本発明に係る第5実施形態は、図22に図示するように、固定接点端子70に設けた端子部73の基部よりも奥側の縁部から切り出して折り曲げることにより、ケース80の内側面に接近した長いシール止め部75を形成した場合である。
本実施形態によれば、ケース80の内側面に長い前記弾性シール止め部75が接近し、シール材の侵入をより一層確実に防止できるという利点がある。
本発明に係る第6実施形態は、図23ないし図25に図示するように、前述の第1実施形態とほぼ同様であり、異なる点はツイン接点構造とした点である。
すなわち、図24,25に図示するように、可動接触片62の先端部を巾方向に2分割して分割片62a,62aを設けるとともに、前記分割片62aの自由端部に可動接点63aをそれぞれ設けてある。一方、固定接触片71の自由端部に棒状固定接点72を設けることにより、クロスバー接点構造としてある。本実施形態によれば、接触信頼性の高い電磁継電器が得られるという利点がある。
他は前述の第1実施形態とほぼ同様であるので、同一部分には同一番号を附して説明を省略する。
本実施例に係る電磁継電器の磁気特性を測定した。測定結果を図14Aに示す。一方、従来例に係る電磁継電器の磁気特性を同様に測定した。測定結果を図14Bに示す。
なお、図14A,図14Bのグラフ図において縦軸は押圧ポイントPに負荷される荷重を示し、横軸はカードの移動量であるストロークを意味する。また、前記グラフ図の右端側はコイルに電圧が印加されていない状態、すなわち、カードが移動していない状態を示している。そして、グラフ図の左側に移動するにつれ、コイルに電圧が印加されてカードが移動した状態を示している。
本願発明では、可動鉄片40の軸部42が門型鉄芯30の脚部32から離れ、延在部47の先端縁部が門型鉄芯30の脚部31に接近する(図13C)。このため、図14Aから明らかなように、点線で示したコイルによる磁力がストロークの初期段階で急激に増大する。これに対し、図14Bに示す従来例では、磁力が急上昇するポイントが遅い。
すなわち、本願発明では、磁束密度低減手段を設けることにより、可動鉄片40の軸部42が門型鉄芯30の脚部32から離れやすくなるので、磁力をストロークの初期段階で急上昇させることができる。この結果、動作電圧のバラツキを防止でき、安定した動作特性を有する電磁継電器が得られる。
また、磁力の急上昇する位置が遅すぎると、一点鎖線で示した押圧ポイントPに作用するバネ負荷がコイルによる磁力よりも大きくなり、動作不能となるおそれがあり、これを防止できるという効果もある。
本願発明に係る電磁継電器は、前述の電磁継電器に限らず、他の電磁継電器にも適用できることは勿論である。
10:ベース
11:絶縁壁
11a:位置決め用凹部
12:凹所
12a:支持突部
13:操作孔
13a:環状リブ
14,15:圧入用凹部
14a,15a:圧壊用突部
16a:抜け止め孔
16b:軸受け部
17:固定接点端子用位置決め段部
17a:シール溜り部
17b:通気溝
18a:可動接点端子用切り欠き部
18b:固定接点端子用切り欠き部
20:電磁石部
21:スプール
22,23:棒状連結部材
24,25:鍔部
24a,24b:圧入溝
25a:軸受け部
30:門型鉄芯
31,32:脚部
33:浅溝
34:突き出し突起
37,38:コイル端子
37a,38a:絡げ部
37b,3ba:回り止め部
39:コイル
40:可動鉄片
41,42:軸部
43:回動軸部
44:回動腕部
44a:先端部
45:抜け止め突起
46:突条
47:延在部
P:押圧ポイント
50:カード
51:操作用凹部
52:操作突起
53:絶縁用リブ
54:突条
55:切り欠き部
60:接点機構部
61:可動接点端子
62:可動接触片
63:可動接点
64,65:圧入用舌片
66:端子部
67:シール止め部
70:固定接点端子
71:固定接触片
72:固定接点
73:端子部
74:圧入用リブ
75:シール止め部
76:上端部
77:補強用突条
80:ケース
81:孔
82:位置決め用突条
83:段部

Claims (6)

  1. ベースに立設した仕切り壁に設けた凹所の開口縁部に、接点端子の端部を載置して架け渡した電磁継電器であって、
    前記凹所の開口縁部のうち、前記接点端子の端部の直下に凹状のシール溜まり部を設けたことを特徴とする電磁継電器。
  2. 前記シール溜まり部が、断面三角形を形成するテーパ面を備えていることを特徴とする請求項1に記載の電磁継電器。
  3. 前記シール溜まり部の巾寸法を、前記接点端子の端部の巾寸法よりも小さくしたことを特徴とする請求項1または2に記載の電磁継電器。
  4. 少なくとも2つの前記シール溜まり部を並設したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電磁継電器。
  5. 前記シール溜まり部を、前記凹所の開口縁部よりも一段低い位置決め用段部に設けたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電磁継電器。
  6. 前記シール溜まり部に連通する通気溝を設けたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電磁継電器。
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