JP2014175163A - 電磁継電器 - Google Patents

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Abstract

【課題】シール作業が容易で生産性が高く、均一なシール性を有する電磁継電器を提供する。
【解決手段】両端に鍔部23,24を有するスプール21を備え、かつ、前記スプール21に他の内部構成部品を組み付けた電磁石ブロック20を、ベース10に載置するとともに、前記ベース10にケース60を嵌合して前記電磁石ブロック20を被覆した電磁継電器である。特に、前記ベース10の外周縁部と前記ケース60の内側面との隙間に、シール材を注入してシールした。
【選択図】図3

Description

電磁継電器、特に、他の内部構成部品を組み付けた電磁石ブロックを、ベースとケースとで形成されるハウジング内に密封した電磁継電器に関する。
従来、内部構成部品組み付けた電磁石ブロックを、ベースとケースとで形成されるハウジング内に密封した電磁継電器としては、特許文献1の図2に示すように、第1,第2固定コンタクト支持部3,4、継鉄20、電機子22等の内部構成部品を組み付けたコイル本体1を、ハウジングキャップ26およびベース30内に収納し、シール構造としたものがある。
特表2001−521273号公報
しかしながら、前述の電磁継電器では、シール構造とするためには、その図2に示すように、例えば、前記第1フランジ12と第2フランジ13との間に、ベース板30を配置するとともに、箱形のハウジングキャップ29を嵌合する。ついで、コイル本体1に立設した第1,第2固定コンタクト支持部3,4、コンタクトばね接続ピン5、コイル接続ピン9,10の基部にシール材を注入する。さらに、前記コイル本体とベース板30との隙間、および、コイル本体1,ベース板30とハウジングキャップ29との隙間に、シール材を注入する必要がある。このため、シール作業に手間がかかるだけでなく、シール性にバラツキが生じやすいという問題点がある。
本発明は、前記問題点に鑑み、シール作業が容易で生産性が高く、均一なシール性を有する電磁継電器を提供することを課題とする。
本発明に係る電磁継電器は、前記課題を解決すべく、両端に鍔部を有するスプールを備え、かつ、前記スプールに他の内部構成部品を組み付けた電磁石ブロックを、ベースに載置するとともに、前記ベースにケースを嵌合して前記電磁石ブロックを被覆した電磁継電器であって、前記ベースの外周縁部と前記ケースの内側面との隙間に、シール材を注入してシールした構成としてある。
なお、前記内部構成部品とは、例えば、スプールに巻回したコイル、鉄芯、ヨーク等の電磁石ブロックを構成する部品、および、可動接触片や固定接触片等の接点機構部を構成する部品をいう。
本発明によれば、ケースの内側面に沿ってシール材を注入できるので、シール作業が容易であり、生産性が高いとともに、均一なシール性を有する電磁継電器が得られる。
本発明の実施形態としては、前記ベースの外周縁部と前記ケースの内側面との隙間に、前記鍔部の下端縁部に設けたシール止め用リブを、配置しておいてもよい。
本実施形態によれば、前記ベースの外周縁部と前記ケースの内側面との連続する隙間を、前記鍔部の下端縁部に設けたシール止め用リブで埋めることにより、シール材を節約できるとともに、接着面積が増大し、シール性が向上する。
本発明の他の実施形態としては、前記ベースの外周縁部に沿ってテーパ面を形成しておいてもよい。
本実施形態によれば、シール材の注入位置にバラツキがあっても、前記テーパ面を介してシール材を前記隙間に集めることができるので、シール作業を効率化できるとともに、均一なシールが可能となる。
本発明の別の実施形態としては、前記電磁石ブロックのヨークから延在した可動接点用端子部を、前記ベースの外周縁部と前記ケースの内側面との隙間から突出させてもよい。
本実施形態によれば、ヨークを可動接点用端子部に兼用でき、部品点数,組立工数が減少する。また、前記ベースの外周縁部と前記ケースの内側面との隙間を前記可動接点用端子部で埋めることにより、シール材の節約および支持強度が増大する。
本発明の異なる実施形態としては、前記ヨークの外向面に、前記ケースの内側面に当接するシール止め用突部を設けておいてもよい。
本実施形態によれば、前記シール止め用突部が、前記ヨークの外向面と前記ケースの内側面との隙間からシール材が奥深く侵入することを防止し、シール材の付着による動作不良を防止できる電磁継電器が得られるという効果がある。
図A,Bは本発明に係る電磁継電器の第1実施形態を示す斜視図および異なる角度から視た斜視図である。 図1Aで示した電磁継電器の分解斜視図である。 図1Bで示した電磁継電器の分解斜視図である。 図A,Bは図1で示した電磁継電器の縦断面図および部分横断面図である。 図A,Bは図1で示したケースの組み付け状態を示す縦断面図である。 図A,Bは図1で示した電磁継電器の動作前後を示す縦断面図である。 図A,Bは図2,3で示したベースの斜視図および異なる角度から視た斜視図である。 図A,Bは図2,3で示したスプールの斜視図および異なる角度から視た斜視図である。 図2,3で示した常開固定接点端子および常閉固定接点端子の斜視図である。 図A,Bは図2,3で示したケースの底面図および縦断面斜視図である。
本発明に係る電磁継電器の実施形態を図1ないし図10の添付図面に従って説明する。
本実施形態に係る電磁継電器は、図2に示すように、ベース10と、前記ベース10に並設される一対の電磁石ブロック20と、前記ベース10および前記電磁石ブロック20に組み付けられる接点機構部40と、ケース60とから構成されている。
前記ベース10は、図7Aに示すように、その上面中央部に突設された仕切り部11を間にして一対の位置決め用凹部12,12が形成されている。また、前記ベース10は、対向する両側縁部のうち、一方側の縁部に、後述するスプール21のシール止め用リブ23bを嵌合する一対の切り欠き部13,13を並設する。また、前記ベース10は、その他方側の縁部に、後述する常開固定接点端子50の端子部53および常閉固定接点端子55の端子部58を嵌合する切り欠き部14,15を交互に並設してある。さらに、前記ベース10は、図7Bに示すように、その裏面の外周縁部に沿って連続するテーパ面16を形成してある。
前記電磁石ブロック20は、図2に示すように、スプール21の胴部22にコイル30を巻回するとともに、前記胴部22の貫通孔22aに断面略T字形状の鉄芯31を挿入し、突出する一端部を磁極部32とする一方、突出する他端部33を略L字形状のヨーク34の垂直部35にカシメ固定したものである。前記垂直部35は、その外向面にシール止め用突部35aを突設してあるとともに、その下端縁部から面取部36a(図4,5)を備えた可動接点用端子部36を下方側に延在している。
特に、前記スプール21は、図8に示すように、前記胴部22の両端に鍔部23,24を有し、一方の鍔部23の外向面に前記ヨーク34を嵌合する凹部23aを形成するとともに、その下端縁部にシール止め用リブ23bを延在してある(図8B)。また、前記鍔部23の側端面にはコイル端子37を圧入できる圧入溝23cを設けてある(図4A)。さらに、前記スプール21は、図8Aに示すように、他方の鍔部24の外向面の両側縁部に圧入孔24a,24bを上下に設けてある。また、前記鍔部24は、その側端縁部のうち、前記圧入孔24aに隣接する位置からシール止め用リブ24cを側方に延在してある。そして、前記鍔部23,24の対向面の上方角部には係合用受け部23d,24dをそれぞれ設けてある。
接点機構部40は、図2に示すように、可動接触片41と、常開固定接点端子50と、常閉固定接点端子55とから構成されている。
前記可動接触片41は、略L字形状に屈曲した導電性板バネからなり、その一端部に可動接点42を有しているとともに、その垂直部に可動鉄片43をカシメ固定してある。そして、前記可動接触片41は、その他端部を前記ヨーク34の水平部にカシメ固定することにより、前記ヨーク34の水平部の先端縁部を支点として前記可動鉄片43および前記可動接触片41が回動可能に支持される。
前記常開固定接点端子50は、図9に示すように、カシメ固定した常開固定接点51の両側に位置する両側縁部を平行に屈曲して平面略C字形状とし、その角部から圧入部52を切り出すとともに、その一方側の縁部から端子部53を下方側に延在してある。前記圧入部52は、前記スプール21の圧入孔24aに圧接する圧入受け部52aを上下に有するとともに、前記圧入受け部52aの基部に、前記圧入孔24aからの切り屑の迫り出しを防止する迫り出し防止用リブ52bを設けてある。また、前記圧入部52は、その両側面に圧入作業を容易にするためのテーパ面52cを形成してある。
前記常閉固定接点端子55は、カシメ固定した常閉固定接点56の両側に位置する上方角部から一対の圧入部57を水平方向に平行に延在するとともに、その下方縁部の角部から端子部58を下方側に延在してある。前記圧入部57は、前記スプール21の圧入孔24bに圧接する圧入受け部57aを上下に有するとともに、前記圧入受け部57aの基部に、前記圧入孔24bからの切り屑の迫り出しを防止する迫り出し防止用リブ57bを設けてある。また、前記圧入部57は、その両側面に圧入作業を容易にするためのテーパ面57cを形成してある。
前記ケース60は、図2に示すように、前記電磁石ブロック20および接点機構部40を組み込んだベース10に嵌合可能な箱形状を有しており、その上面隅部にガス抜き孔61を有している。また、前記ケース60は、図10に示すように、その対向する内側面の中央部に絶縁用リブ62を突設するとともに、前記絶縁用リブ62の基部に位置規制用突部63を設けてある。さらに、前記ケース60は、その天井面の対向する縁部に位置規制用突部である位置規制用突条64をそれぞれ突設してある。
次に、前述の構成部品の組立て手順について説明する。
まず、スプール21の胴部22にコイル30を巻回するとともに、その引出線を前記鍔部23の圧入溝23cに圧入固定したコイル端子37のからげ部38にからげて半田付けした後、前記からげ部38を内側に折り曲げる。そして、前記スプール21の胴部22に設けた貫通孔22aに鉄芯31を挿入し、突出する他端部を前記ヨーク34の垂直部35にカシメ固定することにより、電磁石ブロック20が完成する。そして、前記ヨーク34の水平部に、可動鉄片43をカシメ固定した可動接触片41の他端部をカシメ固定する。さらに、前記電磁石ブロック20の前記鍔部24の外向面縁部に設けた圧入孔24aに常開固定接点端子50の圧入部52を鉄芯31の軸心に沿って圧入し、可動接点42を常開固定接点51に接離可能に配置する。このとき、圧入部52の圧入量によって常開固定接点端子50の常開固定接点51と可動接点42との接点間距離を調整できるので、動作電圧および復帰電圧などの動作特性を調整することが可能になる。
ついで、前記ベース10の一対の位置決め用凹部12,12に、前記電磁石ブロック20,20を前記ベース10の上面に鉄芯31の軸心が平行となるようにそれぞれ位置決めする。そして、前記ベース10の切り欠き部13にスプール21のシール止め用リブ23bを嵌合するとともに、切り欠き部14,15に常開固定接点端子50および常閉固定接点端子55の端子部53,58をそれぞれ嵌合する(図1,図4)。
さらに、前記鍔部24の圧入孔24bに常閉固定接点端子55の圧入部57を鉄芯31の軸心に沿って圧入する。このときの前記圧入部57の圧入量によって、常閉固定接点端子55の常閉固定接点56と可動接点42との接点間距離を調整できるので、動作電圧および復帰電圧などの動作特性を調整することが可能となる。
本実施形態によれば、スプール21の圧入孔24bに常閉固定接点端子55の圧入部57を圧入しつつ、動作特性を正確に調整できるので、組立作業,調整作業が容易になり、生産性および歩留まりが向上する。このため、内部構成部品に高い寸法精度を必要とせず、内部構成部品の製造が容易になる。なお、内部構成部品とは、スプールに巻回したコイル、鉄芯、ヨーク等の電磁石ブロックを構成する部品および可動接触片や固定接触片等の接点機構部を構成する部品をいう。
また、前記鍔部24の両側縁部に沿って上下に配置した圧入孔24a,24bに、圧入部52,57をそれぞれ圧入するので、常開固定接点端子50および常閉固定接点端子55の設置スペースを節約でき、床面積、特に横幅寸法の小さい電磁継電器が得られる。
なお、本実施形態では、電磁石ブロック20に近い側より、常開固定接点51、可動接点42、常閉固定接点56の順に接点を配置した構成としている(図6参照)が、常開固定接点と常閉固定接点との順序は入れ替えてもよく、また、いずれか一方の固定接点を省略してもよい。
そして、前記ベース10にケース60を嵌合することにより、絶縁用リブ62で一対の電磁石ブロック20,20を仕切るとともに(図4B)、前記ケース60に設けた位置規制用突部63および位置規制用突条64が、前記鍔部23,24の係合用受け部23d,24dに係合し、位置規制する(図5)。
本実施形態によれば、ベース10に電磁石ブロック20,20が所定の位置に正確に位置決めでき、動作特性のバラつきが小さい電磁継電器が得られる。
また、本実施形態によれば、図5Bに示すように、係合用受け部23d,24dが左右非対称となっており、不正な組立を防止できる構造となっている。
なお、本実施形態では、前記鍔部23,24に計4ヶ所の係合受け部23d,24dを設ける場合について説明したが、少なくとも1ヶ所あればよく、2ヶ所あるいは3ヶ所であってもよい。特に、2ヶ所の係合受け部を設ける場合には、対角線上に配置することが好ましい。
最後に、図1Bに示す前記ベース10の底面の周囲縁部に沿って設けたテーパ面16を介してシール材を注入,固化してシールする。
本実施形態によれば、ベース10とケース60との隙間を、前記鍔部23,24に設けたシール止め用リブ23b,24cで封鎖している。また、ヨーク34の外向面に設けたシール止め用突部35aが前記ケース60の内側面に当接している。このため、シール材のケース60内への侵入を阻止でき、シール材が可動接触片41等の内部構成部品に付着することを防止できる。
次に、本実施形態に係る電磁継電器の動作について説明する。
すなわち、図6Aに示すように、電磁石ブロック20のコイル30に電圧を印加する前には、可動接触片41のバネ力で可動接点42が常閉固定接点56に接触している。
そして、前記コイル30に電圧を印加して励磁することにより、前記可動接触片41のバネ力に抗し、可動鉄片43が鉄芯31の磁極部32に吸引されて回動する。このため、前記可動接点42が常閉固定接点56から開離して常開固定接点51に接触した後、前記可動鉄片43が前記鉄芯31の磁極部32に吸着する(図6B)。
ついで、前記コイル30に対する励磁を解除(消磁)すると、前記可動接触片41のバネ力によって可動接点42が常開固定接点51から開離し、可動鉄片43が逆方向に回動するとともに、可動接点42が常閉固定接点56に当接し、元の状態に復帰する。
前述の実施形態では、常開固定接点端子および常閉固定接点端子を備えた電磁継電器について説明したが、常開固定接点端子および常閉固定接点端子のいずれか一方を有する電磁継電器に適用してもよい。
また、一対の電磁石ブロックを設ける場合に限らず、1個の電磁石ブロックを設ける場合に適用してもよい。
さらに、前記電磁石ブロックの軸心は、前記ベースの上面に直交するように配置した電磁継電器に適用してもよいことは勿論である。
10:ベース
11:仕切り部
12:位置決め用凹部
13:切り欠き部
14,15:切り欠き部
16:テーパ面
20:電磁石ブロック
21:スプール
22:胴部
23,24:鍔部
23a:凹部
23b:シール止め用リブ
23c:圧入溝
23d:係合用受け部
24a,24b:圧入孔
24c:シール止め用リブ
24d:係合用受け部
30:コイル
31:鉄芯
32:磁極部
34:ヨーク
35:垂直部
35a:シール止め用突部
36:可動接点用端子部
40:接点機構部
41:可動接触片
42:可動接点
43:可動鉄片
50:常開固定接点端子
51:常開固定接点
52:圧入部
52a:圧入受け部
52b:迫り出し防止用リブ
52c:テーパ面
53:端子部
55:常閉固定接点端子
56:常閉固定接点
57:圧入部
57a:圧入受け部
57b:迫り出し防止用リブ
57c:テーパ面
58:端子部
60:ケース
61:ガス抜き孔
62:絶縁用リブ
63:位置規制用突部
64:位置規制用突条(位置規制用突部)

Claims (5)

  1. 両端に鍔部を有するスプールを備え、かつ、前記スプールに他の内部構成部品を組み付けた電磁石ブロックを、ベースに載置するとともに、前記ベースにケースを嵌合して前記電磁石ブロックを被覆した電磁継電器であって、
    前記ベースの外周縁部と前記ケースの内側面との隙間に、シール材を注入してシールしたことを特徴とする電磁継電器。
  2. 前記ベースの外周縁部と前記ケースの内側面との隙間に、前記鍔部の下端縁部に設けたシール止め用リブを、配置したことを特徴とする請求項1に記載の電磁継電器。
  3. 前記ベースの外周縁部に沿ってテーパ面を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の電磁継電器。
  4. 前記電磁石ブロックのヨークから延在した可動接点用端子部を、前記ベースの外周縁部と前記ケースの内側面との隙間から突出させたことを特徴とする請求項1または2に記載の電磁継電器。
  5. 前記ヨークの外向面に、前記ケースの内側面に当接するシール止め用突部を設けたことを特徴とする請求項3に記載の電磁継電器。
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