JP2013218796A - 電子デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】吸湿層と基板が十分に密着し、優れた封止性能を有する電子デバイスを提供する。
【解決手段】本発明の電子デバイス70は、第1の基板71と、第1の基板71の面71a上に設けられた機能素子72と、面71aに対向する第2の基板63と、機能素子72を囲むように形成され、第1の基板71と第2の基板63とを貼り合わせる吸湿層85と、吸湿層85の外側を囲むように、第1の基板71と第2の基板63の周縁部に沿って配置され、第1の基板71と第2の基板63とを貼り合わせる第1の接着層86と、を有し、第1の接着層86は、UV硬化樹脂からなり、吸湿層85は、乾燥剤とUV硬化樹脂を含み、吸湿層85の前記乾燥剤は、アルカリ金属の酸化物及び/又はアルカリ土類金属の酸化物であり、吸湿層85の前記UV硬化樹脂は、ラジカル重合性UV硬化樹脂であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子デバイスに関する。
有機EL素子、有機薄膜太陽電池、電子ペーパー等を用いた電子デバイスは、これらの機能素子を構成する材料が有する特性から、極めて低い水蒸気透過性が求められる。
有機EL素子は陽極、有機発光層、及び陰極から成り、陽極と陰極が有機発光層を挟み込むように形成され、陰極から注入された電子、及び陽極から注入された正孔が二つの電極の間に位置する有機発光層で結合されて励起子を生成し、励起子がエネルギーを放出することによって発光する。
しかし、有機EL素子は、有機発光層又は陰極が水と反応すると、素子の劣化が起こり、素子内に発光しない領域、通称黒点(ダークスポットとも呼ばれる)が形成される。
このような問題を生じないようにするため、機能素子の各種封止方法が提案されている(特許文献1〜2参照)。
例えば、特許文献1には、水による劣化を防ぐため、有機EL素子を囲むように形成された吸湿層、及びその外側に形成された接着層により、封止を行う方法が開示されている。
また、特許文献2には、有機EL素子を囲むように乾燥剤を含有したエポキシ樹脂の吸湿層、及びさらにその外側にエポキシ樹脂の接着層を形成して封止する方法が開示されている。
特開2006−54147号公報 特開2000−311782号公報
しかしながら、特許文献1に示される方法では、吸湿層と基板との密着性は必ずしも確保されておらず、接着層として用いられる樹脂は一定の割合で水を透過するため、吸湿層と基板との間の密着していない空間、又は吸湿層と基板との界面から浸入した水が、吸湿層中の乾燥剤と反応する前に、有機EL素子と反応し、有機EL素子を劣化させてしまう可能性がある。
また、特許文献2に示される方法は、吸湿層と基板とを十分に密着させるという点で必ずしも満足のゆくものではなかった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、吸湿層と基板が十分に密着し、優れた封止性能を有する電子デバイスを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、所定の第1の接着層及び所定の吸湿層を用いることで、吸湿層と基板が十分に密着し、優れた封止性能を有する電子デバイスが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の電子デバイスは、第1の基板と、前記第1の基板の面上に設けられた機能素子と、前記第1の基板の前記面に対向する第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間にあって、前記第1の基板と前記第2の基板とを貼り合わせる吸湿層及び第1の接着層と、を有し、前記吸湿層は、前記機能素子を囲むように配置され、乾燥剤とUV硬化樹脂を含み、前記吸湿層の前記乾燥剤は、アルカリ金属の酸化物及び/又はアルカリ土類金属の酸化物であり、前記吸湿層の前記UV硬化樹脂は、ラジカル重合性UV硬化樹脂であり、前記第1の接着層は、前記吸湿層の外側を囲むように、前記第1の基板と前記第2の基板の周縁部に沿って配置され、前記第1の接着層はUV硬化樹脂からなることを特徴とする。
本発明の電子デバイスは、前記吸湿層の前記ラジカル重合性UV硬化樹脂が、ラジカル重合型光開始剤を0.5質量%以上含むことが好ましい。
本発明の電子デバイスは、前記第1の接着層が、カチオン重合性UV硬化樹脂からなることが好ましい。
本発明の電子デバイスは、前記吸湿層の内側に、前記機能素子を囲むように形成された閉曲線状の第2の接着層、又は前記機能素子を覆うように形成された面状の第2の接着層を有することが好ましい。
本発明の電子デバイスは、前記機能素子が有機EL素子、有機薄膜太陽電池、又は電子ペーパーであることが好ましい。
本発明によれば、吸湿層と基板が十分に密着し、優れた封止性能を有する電子デバイスを提供することができる。
本発明の電子デバイスの第1実施形態を示す概略図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−A線に沿う側断面図である。 本発明の電子デバイスの第2実施形態を示す側断面図である。 本発明の電子デバイスの第3実施形態を示す側断面図である。 本実施形態に用いられるガスバリア性フィルムの例を示す模式図である。 本実施形態に用いられるガスバリア性フィルム製造装置の一例を示す模式図である。 本実施形態に用いられるガスバリア性フィルムの製造時の成膜条件を求める方法の説明図である。 本実施形態に用いられるガスバリア性フィルムの製造時の成膜条件を求める方法の説明図である。
本発明の電子デバイスの実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
<第1実施形態>
図1は、本発明の電子デバイスの第1実施形態を示す概略図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−A線に沿う側断面図である。なお、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
本実施形態の電子デバイス70は、第1の基板71と、第1の基板71の面71a上に設けられた機能素子72と、面71aに対向する第2の基板63と、第1の基板71と第2の基板63との間にあって機能素子72を囲むように配置され、第1の基板71と第2の基板63とを貼り合せる吸湿層85と、第1の基板71と第2の基板63との間にあって吸湿層85の外側を囲むように、第1の基板71と第2の基板63の周縁部に沿って配置され、第1の基板71と第2の基板63とを貼り合わせる第1の接着層86と、から概略構成されている。
すなわち、電子デバイス70は、第1の基板71と第2の基板63とが、その厚み方向において、吸湿層85及び第1の接着層86を介して積層され、第1の基板71と、第2の基板63と、吸湿層85及び第1の接着層86と、によって形成される空間の内部に機能素子72が格納された構造をなしている。
≪第1の基板≫
本実施形態において、第1の基板71として、ガラス;プラスチックフィルム;金属箔等を用いることができる。
プラスチックフィルムの材質としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂;ポリカーボネート(PC)樹脂;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、環状ポリオレフィン等のポリオレフィン樹脂;ポリエーテルスルホン等のスルホン樹脂等が挙げられる。
金属箔の材質としては、アルミニウム、銅等が挙げられる。
耐湿性を高めるために、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー、ポリエーテルサルフォン等のプラスチックフィルムに、酸化珪素、酸化アルミニウム等の金属酸化物;窒化珪素、窒化アルミニウム等の金属窒化物;酸窒化珪素等の金属酸窒化物を積層したフィルムや、アルミニウム等の金属や合金を蒸着したフィルムを用いることが好ましい。即ち、基板端部から電子デバイス内部への水蒸気浸透の影響を排除し、機能素子を保護する観点から、後述するガスバリア性フィルムを用いることが好ましい。ガスバリア性フィルムを構成するバリア層は、ガスバリア性フィルムの機能素子72に面する側、即ち、面71a側に形成されていることがより好ましい。機能素子の保護機能を更に高める観点から、両面にバリア層が形成されてもよく、面71b側にもバリア層が形成されていてもよい。
≪第2の基板≫
本実施形態において、第2の基板63としては、第1の基板71に挙げた材質と同様のものを用いることができる。
中でも、フィルム端部から電子デバイス内部への水蒸気浸透の影響を排除し、機能素子を保護する観点から、後述するガスバリア性フィルムを用いることが好ましい。
≪吸湿層≫
本実施形態において、電子デバイス70の外界からの水蒸気等の影響を遮断するため、第1の基板71と第2の基板63との間にあって、機能素子72を囲むように配置され、第1の基板71と第2の基板63とを貼り合わせる吸湿層85が設けられている。
吸湿層85は、第1の接着層86から侵入してきた水蒸気を吸収する役割を果たしている。当該役割を果たすべく、吸湿層85は、第1の基板71と第2の基板63とを貼り合わせる機能を有し、後述する第1の接着層86とともに、第1の基板71と第2の基板63の両方に密着している。
吸湿層85は、乾燥剤とUV硬化樹脂を含む。UV硬化樹脂は、バインダーとして機能し、特に乾燥剤が粉体状の場合、乾燥剤を包みこむことにより、吸湿層の構造形成及び吸湿層の基板との密着性を促進する役割を果たす。
吸湿層85のUV硬化樹脂として、ラジカル重合性UV硬化樹脂が用いられる。これにより、後述する第1の接着層86と同様の硬化手法を用いることができ、電子デバイス70の製造において工程数の増加を生じない。
ラジカル重合性UV硬化樹脂としては、エポキシアクリレート化合物、ウレタンアクリレート化合物、ポリエステルアクリレート化合物、ポリエーテルアクリレートル化合物等が挙げられる。その中でも、エポキシアクリレート化合物は、光硬化性、硬度、耐熱性、電気特性を必要とする分野で、好適に使用される。ラジカル重合性UV硬化樹脂は、ラジカル型光重合開始剤を含むものである。
ラジカル重合性UV硬化樹脂は、ラジカル型光重合開始剤を0.5質量%以上含むことが好ましく、1質量%以上含むことがより好ましく、2質量%以上含むことがさらに好ましい。
吸湿層85を構成する乾燥剤は、アルカリ金属の酸化物及び/又はアルカリ土類金属の酸化物である。アルカリ金属の酸化物としては、酸化リチウム(LiO)、酸化ナトリウム(Na2O)等が挙げられ、アルカリ土類金属の酸化物としては、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)等が挙げられる。吸湿層85を構成する乾燥剤として、アルカリ金属の酸化物とアルカリ土類金属の酸化物の一方を用いてもよいし、両方を用いてもよい。また、吸湿層85を構成する乾燥剤として、1種類の上記酸化物を用いてもよく、複数種類の上記酸化物を用いてもよい。
これらの金属酸化物は、水(H2O)との反応性が高く、乾燥剤としての性能が優れている。一方、これらの金属酸化物は、水と反応した際に金属水酸化物を生成し、これらの水酸化物は、強いアルカリ性を示す。
吸湿層の乾燥剤となるアルカリ金属の酸化物またはアルカリ土類金属の酸化物と、UV硬化樹脂の混合を、乾燥N下等水分の影響を排除する環境で行っても、乾燥剤の保管中に付着する水分、作業環境下で微量に存在する水分、用いられるUV硬化樹脂や光重合開始剤等の原料に含まれる水分等を完全に排除することは難しく、乾燥剤の金属酸化物と水の反応により、乾燥剤は強アルカリ性を示す可能性がある。
例えば、吸湿層85を構成するUV硬化樹脂がカチオン重合性UV硬化樹脂であった場合、カチオン重合性UV硬化樹脂の反応においては、カチオン型光重合開始剤がUV照射により酸を発生し、硬化樹脂のモノマーが重合を開始し、重合末端に安定な陽イオン(カチオン)が生成し、さらにモノマーが重合してゆくことにより硬化が進む。
そのため、上述したように、水と反応した乾燥剤から生成したアルカリ(OH)により、光重合開始剤から酸が発生しなくなる、又は重合末端の陽イオン(カチオン)が失活するなどの現象が起こり、カチオン重合性UV硬化樹脂の硬化速度が遅くなる、又は硬化しないという事態が生じ得る。金属酸化物と微量の水分との反応から発生するアルカリによりpHは大きく増加するため、吸湿層として、カチオン重合性UV硬化樹脂を用いる限り、その影響を排除することは困難である。
一方、ラジカル重合性UV硬化樹脂の反応においては、ラジカル型光重合開始剤がUV照射によりラジカルを発生し、モノマーの重合が開始され、重合末端に安定なラジカルが生成し、さらにモノマーが重合してゆくことにより硬化が進む。ラジカル重合性UV硬化樹脂は、カチオン重合性UV硬化樹脂とは異なり、その反応はアルカリ(OH)の影響を受けにくい。
本実施形態において、吸湿層85の乾燥剤としてアルカリ金属の酸化物及び/又はアルカリ土類金属の酸化物を用い、吸湿層85のUV硬化樹脂として、ラジカル重合性UV硬化樹脂を用いる組み合わせにより、ラジカル重合性UV硬化樹脂は、UV照射により十分な速度で硬化反応が進み、吸湿層85と、第1の基板71及び第2の基板63との密着性が、水分の影響を受けずに確保することができ、高い封止性能を達成することができる。
乾燥剤とラジカル重合性UV硬化樹脂を含む吸湿層85中の乾燥剤の割合は、5質量%以上80質量%以下が好ましく、10質量%以上70質量%以下がより好ましく、20質量%以上60質量%以下がさらに好ましい。
吸湿層中の乾燥剤の割合が5質量%以上の場合、ラジカル重合性UV硬化樹脂中に残留している水分により、混合の際に乾燥剤の吸湿能力の失われる割合が高くならず、初期の吸湿層の吸湿能力が低下するおそれがなく、吸湿層は、吸湿能力に優れたものとなる。
一方、吸湿層中の乾燥剤の80質量%以下の場合、吸湿層の粘度が高くなりすぎず、吸湿層の層形成が困難となるおそれがなく、吸湿層が多孔体にならず、吸湿層は、基板との密着性に優れたものとなる。
吸湿層の乾燥剤とラジカル重合性UV硬化樹脂の混合の際、必要に応じて加温を行うことが好ましい。
吸湿層の吸湿能力は、その容積に対して吸湿し得る水分の質量で規定される。
例えば、乾燥剤の酸化バリウム単体は、自重に対して0.117(g/g)の水と反応し、その密度5.72 から、吸湿能力は669(mg/cc)となる。
また、酸化カルシウム単体の吸湿能力は1075(mg/cc)となる。
例えば、他の条件が一定であって、(i)接着層の水蒸気透過度が低いとき、 (ii)接着層の幅が広いとき、 (iii)吸湿層の幅が広いとき、又は吸湿層の面積が大きいとき、には、吸湿層の吸湿能力を低く設定することができる。
一方、(i) 接着層の水蒸気透過度が高いとき、 (ii) 接着層の幅が狭いとき、(iii)吸湿層の幅が狭いとき、又は吸湿層の面積が小さいとき、(iv)電子デバイスの寿命を長く設定するとき、には、吸湿層の吸湿能力を高く設定する必要がある。
吸湿層の吸湿能力は10mg/cc以上であることが好ましく、20mg/cc以上がより好ましく、50mg/cc以上が特に好ましく、80mg/cc以上が最も好ましい。また、吸湿層85を構成する材料は、電子デバイス70における吸湿層85が設けられる位置によって、それぞれ異なっていてもよい。
≪第1の接着層≫
本実施形態において、電子デバイス70の外界からの水蒸気等の影響を遮断するため、第1の基板71と第2の基板63との間にあって、吸湿層85の外側を囲むように、第1の基板71と第2の基板63の周縁部に沿って配置され、第1の基板71と第2の基板63とを貼り合わせる第1の接着層86が設けられている。
吸湿層と基板との密着性をさらに高めるという観点から、本実施形態においては、第1の接着層86及び吸湿層85が、互いに密接して配置されている。
第1の接着層86はUV硬化樹脂からなる。熱硬化型樹脂は、加熱によって有機EL素子などの素子を劣化させるおそれがあるため不適である。
第1の接着層86を構成するUV硬化樹脂は、耐透湿性に優れたものを選択して使用することが好ましく、カチオン重合性UV硬化樹脂、又はラジカル重合性UV硬化樹脂のいずれであってもよい。
カチオン重合性UV硬化樹脂としては、エポキシ化合物、オキセタン化合物、多官能性ビニルエーテル化合物等が挙げられる。カチオン重合性UV硬化樹脂は、カチオン型光重合開始剤を含むものである。
ラジカル重合性UV硬化樹脂としては、吸湿層85を構成するものと同様のものが挙げられる。電子デバイス70の製造工程の簡略化の観点からは、吸湿層85を構成するラジカル重合性UV硬化樹脂は、第1の接着層86を構成するものと同じであることが好ましい。
また、第1の接着層86に用いられるUV硬化樹脂は、使用する基板との接着強度が高くなるものを選択することが好ましい。一般にラジカル重合性UV硬化樹脂は、酸素による重合阻害が起こることが知られており、一方、カチオン重合性UV硬化樹脂は酸素による重合阻害を受けないことが知られている。そのため、酸素が存在する環境下では、高い接着強度が得られるという観点から、カチオン重合性UV硬化樹脂を用いることが好ましい。
吸湿層85及び第1の接着層86の基板への形成方法としては、ディスペンサを用いた方法;スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷等の印刷法を用いた方法が挙げられる。具体的には、例えば、以下の方法が挙げられる。
先ず、機能素子72が設けられた第1の基板71の面71a上に、上記いずれかの方法により、第1の基板71の周縁部に沿って、吸湿層85及び第1の接着層86に用いられるUV硬化樹脂を額縁状に形成する。次いで、面71aの上から第2の基板63を載せて積層し、光照射により、これらの樹脂を硬化させる。
吸湿層85及び第1の接着層86が形成された第1の基板71と、第2の基板63と、を貼合させるに際し、第2の基板63がフィルム、金属箔等、柔軟性の基板である場合には、ラミネーターを使用することができる。
≪機能素子≫
本実施形態の電子デバイス70は、極めて低い水蒸気透過特性を有することから、機能素子72として、有機EL素子、有機薄膜太陽電池、又は電子ペーパーが好適に挙げられる。
本実施形態によれば、吸湿層と基板が十分に密着し、優れた封止性能を有する電子デバイスを提供することができる。
<第2実施形態>
図2は、本発明の電子デバイスの第2の実施形態を示す側断面図である。なお、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
本実施形態において、第1実施形態に示されたものと同じ構成要素には、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の電子デバイス80は、第1の基板71と、第1の基板71の面71a上に設けられた機能素子72と、面71aに対向する第2の基板63と、第1の基板71と第2の基板63との間にあって機能素子72を囲むように配置され、第1の基板71と第2の基板63とを貼り合せる吸湿層85と、第1の基板71と第2の基板63との間にあって吸湿層85の外側を囲むように、第1の基板71と第2の基板63の周縁部に沿って配置され、第1の基板71と第2の基板63とを貼り合わせる第1の接着層86と、吸湿層85の内側に、機能素子72を囲むように形成された閉曲線状の第2の接着層84と、から概略構成されている。
すなわち、電子デバイス80は、第1の基板71と第2の基板63とが、その厚み方向において、第1の接着層86、吸湿層85、及び第2の接着層84を介して積層され、第1の基板71と第2の基板63と第2の接着層84とによって形成される空間の内部に機能素子72が格納された構造をなしている。
≪第2の接着層≫
本実施形態においては、閉曲線状の第2の接着層84が、吸湿層85の内側に、機能素子72を囲むように形成されている。
第2の接着層84は、機能素子72を囲むように閉曲線状に形成されていれば、その配置については、特に限定されないが、吸湿層と基板との密着性をさらに高めるという観点から、本実施形態においては、吸湿層85及び第2の接着層84が互いに密接して配置されている。
電子デバイス80において、第2の接着層84が配置されることにより、吸湿層85を構成する乾燥剤が吸湿により、例えばアルカリ性に化学変化を起こしたとしても、第2の接着層84が機能素子72と吸湿層85との接触を防いでいるため、その影響を阻止することができる。
また、電子デバイス80を長期使用した後、吸湿層85の吸湿能力が低下してきたときには、第2の接着層84が配置されていることにより、外部から機能素子72への水分の浸透を遅らせることができる。
第2の接着層84を構成する樹脂としては、特に限定されないが、第1の接着層86と同様に、UV硬化樹脂が好ましく、カチオン重合性UV硬化樹脂がより好ましい。
本実施形態によれば、第1実施形態における効果に加えて、吸湿層と基板との密着性がさらに高まり、更に優れた封止性能を有する電子デバイスを提供することができる。
<第3実施形態>
図3は、本発明の電子デバイスの第3の実施形態を示す側断面図である。なお、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
本実施形態において、第1実施形態に示されたものと同じ構成要素には、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の電子デバイス90は、第1の基板71と、第1の基板71の面71a上に設けられた機能素子72と、面71aに対向する第2の基板63と、第1の基板71と第2の基板63との間にあって機能素子72を囲むように配置され、第1の基板71と第2の基板63とを貼り合せる吸湿層85と、第1の基板71と第2の基板63との間にあって吸湿層85の外側を囲むように、第1の基板71と第2の基板63の周縁部に沿って配置され、第1の基板71と第2の基板63とを貼り合わせる第1の接着層86と、吸湿層85の内側に、機能素子72を覆うように形成された面状の第2の接着層94と、から概略構成されている。
すなわち、電子デバイス90は、第1の基板71と第2の基板63とが、その厚み方向において、第1の接着層86及び吸湿層85を介して積層され、第1の基板71と第2の基板63と吸湿層85とによって形成される空間の内部に、面状の第2の接着層94に覆われた機能素子72が格納された構造をなしている。
≪第2の接着層≫
本実施形態においては、面状の第2の接着層94が、吸湿層85の内側に、機能素子72を覆うように形成されている。
第2の接着層94を構成する樹脂としては、特に限定されないが、第1の接着層86と同様に、UV硬化樹脂が好ましく、カチオン重合性UV硬化樹脂がより好ましい。
本実施形態によれば、第2の接着層94が機能素子72と吸湿層85との接触をより効率的に防ぐことができ、外部から機能素子72への水分の浸透をより効率的に防ぐことができるため、より優れた封止性能を有する電子デバイスを提供することができる。
上述した実施形態において、第1の基板71及び第2の基板63は、ガスバリア性フィルムであることが好ましい。
以下、本実施形態において、好適に用いられるガスバリア性フィルムの詳細について説明する。
[ガスバリア性フィルム]
本実施形態の電子デバイスに用いられるガスバリア性フィルムは、フィルムと前記フィルムの少なくとも片方の面に形成された少なくとも1層のバリア層とを備え、水蒸気透過度は10−2g/m・day以下であり、前記バリア層のうちの少なくとも1層が珪素原子、酸素原子及び炭素原子を含有することが好ましい。
さらに、前記ガスバリア性フィルムの、前記バリア層の膜厚方向における前記バリア層の表面からの距離と、前記距離に位置する点の前記バリア層に含まれる珪素原子、酸素原子及び炭素原子の合計数に対する珪素原子数の比率(珪素の原子数比)、酸素原子数の比率(酸素の原子数比)、炭素原子数の比率(炭素の原子数比)との関係をそれぞれ示す珪素分布曲線、酸素分布曲線及び炭素分布曲線において、下記条件(i)〜(iii):
(i)珪素の原子数比、酸素の原子数比及び炭素の原子数比が、前記バリア層の膜厚方向における90%以上の領域において下記式(1)で表される条件を満たすこと、
(酸素の原子数比)>(珪素の原子数比)>(炭素の原子数比)・・・(1)
(ii)前記炭素分布曲線が少なくとも1つの極値を有すること、
(iii)前記炭素分布曲線における炭素の原子数比の最大値及び最小値の差の絶対値が5at%以上であること、
を全て満たし、前記炭素分布曲線から求められる前記炭素の原子数比の平均値が、3at%以上30at%以下であり、前記バリア層の平均密度が1.8g/cm以上であることがより好ましい。
以下、図4を参照しながら、説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
図4は、本実施形態に用いられるガスバリア性フィルムの一例についての模式図である。本実施形態に用いられるガスバリア性フィルムは、フィルムFの表面に、ガスバリア性を担保するバリア層Hが積層してなるものである。
バリア層Hは、バリア層Hのうちの少なくとも1層が珪素、酸素、及び炭素を含んでおり、後述する成膜ガスの完全酸化反応によって生じるSiOを多く含む第1層Ha、不完全酸化反応によって生じるSiOを多く含む第2層Hbを含み、第1層Haと第2層Hbとが交互に積層された3層構造となっている。
ただし、図4は膜組成に分布があることを模式的に示したものであり、実際には第1層Haと第2層Hbとの間は明確に界面が生じているものではなく、組成が連続的に変化している。バリア層Hは、上記3層構造を1単位として、複数単位積層していることとしてもよい。図4に示すガスバリア性フィルムの製造方法については後に詳述する。
(フィルム)
本実施形態に用いられるガスバリア性フィルムが備えるフィルムFは、可撓性を有し高分子材料を形成材料とするものである。
フィルムFの形成材料は、ガスバリア性フィルムが光透過性を有する場合、第1の基板71及び第2の基板63の形成材料として挙げたものと同様である。
また、ガスバリア性フィルムの光透過性が重要視されない場合には、フィルムFとして、例えば上記樹脂にフィラーや添加剤を加えた複合材料を用いることも可能である。
フィルムFの厚みは、ガスバリア性フィルムを製造する際の安定性等を考慮して適宜設定されるが、真空中においてもフィルムの搬送が容易であることから、5μm〜500μmであることが好ましい。さらに、プラズマ化学気相成長法(プラズマCVD法)を用いてバリア層Hを形成する場合には、フィルムFを通して放電を行うことから、フィルム Fの厚みは50μm〜200μmであることがより好ましく、50μm〜100μmであることが特に好ましい。
なお、フィルムFは、形成するバリア層との密着力を高めるために、表面を清浄するための表面活性処理を施してもよい。このような表面活性処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理が挙げられる。
(バリア層)
本実施形態に用いられるガスバリア性フィルムが備えるバリア層Hは、フィルムFの少なくとも片面に形成される層であり、少なくとも1層が珪素原子、酸素原子、及び炭素原子を含有している。また、バリア層Hは、窒素、アルミニウムを更に含有していてもよい。なお、バリア層Hは、機能素子の保護機能を更に高める観点から、フィルムFの両面に形成されることとしてもよい。
(バリア層の密度)
本実施形態に用いられるガスバリア性フィルムが備えるバリア層Hは、平均密度が1.8g/cm以上の高い密度となっている。なお、本明細書においてバリア層Hの「平均密度」は、ラザフォード後方散乱法(Rutherford Backscattering Spectrometry:RBS)で求めた珪素の原子数、炭素の原子数、酸素の原子数と、水素前方散乱法(Hydrogen Forward scattering Spectrometry:HFS)で求めた水素の原子数と、から測定範囲のバリア層の重さを計算し、測定範囲のバリア層の体積(イオンビームの照射面積と膜厚との積)で除することで求められる。
バリア層Hが1.8g/cm以上の密度を有していることにより、ガスバリア性フィルムは、高いガスバリア性を示す。バリア層Hが珪素、酸素、炭素及び水素からなる場合には、バリア層の平均密度は2.22g/cm未満である。
(バリア層内の珪素、炭素、酸素の分布)
また、バリア層Hは、バリア層Hの膜厚方向におけるバリア層Hの表面からの距離と、該距離に位置する点の珪素原子、酸素原子及び炭素原子の合計数に対する珪素原子数の比率(珪素の原子数比)、酸素原子数の比率(酸素の原子数比)及び炭素原子数の比率(炭素の原子数比)との関係をそれぞれ示す珪素分布曲線、酸素分布曲線及び炭素分布曲線において、上述した条件(i)〜(iii)の全てを満たすことが好ましい。
以下、まず各元素の分布曲線について説明し、次いで条件(i)〜(iii)について説明する。
珪素分布曲線、酸素分布曲線、炭素分布曲線、及び後述する酸素炭素分布曲線は、X線光電子分光法(XPS:X-ray Photoelectron Spectroscopy)の測定とアルゴン等の希ガスイオンスパッタとを併用することにより、試料内部を露出させつつ順次表面組成分析を行う、いわゆるXPSデプスプロファイル測定により作成することができる。
XPSデプスプロファイル測定により得られる分布曲線は、縦軸が元素の原子数比(単位:at%)、横軸がエッチング時間として求められる。このようなXPSデプスプロファイル測定に際しては、エッチングイオン種としてアルゴン(Ar)を用いた希ガスイオンスパッタ法を採用し、エッチング速度(エッチングレート)を0.05nm/sec(SiO熱酸化膜換算値)とすることが好ましい。
ただし、第2層に多く含まれるSiOは、SiO熱酸化膜よりも速くエッチングされるため、SiO熱酸化膜のエッチング速度である0.05mm/secはエッチング条件の目安として用いる。すなわち、エッチング速度である0.05mm/secと、フィルムFまでのエッチング時間との積は、厳密にはバリア層Hの表面からフィルムFまでの距離を表さない。
そこで、バリア層Hの膜厚を別途測定して求め、求めた膜厚と、バリア層Hの表面からフィルムFまでのエッチング時間とから、エッチング時間に「バリア層Hの膜厚方向におけるバリア層Hの表面からの距離」を対応させる。
これにより、縦軸を各元素の原子数比(単位:at%)とし、横軸をバリア層Hの膜厚方向におけるバリア層Hの表面からの距離(単位:nm)とする各元素の分布曲線を作成することができる。
まず、バリア層Hの膜厚は、FIB(Focused Ion Beam)加工して作製したバリア層の切片の断面をTEM観察することにより求める。
次いで、求めた膜厚と、バリア層Hの表面からフィルムFまでのエッチング時間と、から、エッチング時間に「バリア層Hの膜厚方向におけるバリア層Hの表面からの距離」を対応させる。
XPSデプスプロファイル測定においては、SiOやSiOを形成材料とするバリア層Hから、高分子材料を形成材料とするフィルムFにエッチング領域が移る際に、測定される炭素原子数比が急激に増加する。そこで、本発明においては、XPSデプスプロファイルの上記「炭素原子数比が急激に増加する」領域において、傾きが最大となる時間を、XPSデプスプロファイル測定におけるバリア層HとフィルムFとの境界に対応するエッチング時間とする。
XPSデプスプロファイル測定が、エッチング時間に対して離散的に行われる場合には、隣接する2点の測定時間における炭素原子数比の測定値の差が最大となる時間を抽出し、当該2点の中点を、バリア層HとフィルムFとの境界に対応するエッチング時間とする。
また、XPSデプスプロファイル測定が、膜厚方向に対して連続的に行われる場合には、上記「炭素原子数比が急激に増加する」領域において、エッチング時間に対する炭素原子数比のグラフの時間微分値が最大となる点を、バリア層HとフィルムFとの境界に対応するエッチング時間とする。
すなわち、バリア層の切片の断面をTEM観察から求めたバリア層の膜厚を、上記XPSデプスプロファイルにおける「バリア層HとフィルムFとの境界に対応するエッチング時間」に対応させることで、縦軸を各元素の原子数比、横軸をバリア層Hの膜厚方向におけるバリア層Hの表面からの距離とする、各元素の分布曲線を作成することができる。
バリア層Hが備える好ましい条件(i)は、バリア層Hが、珪素の原子数比、酸素の原子数比及び炭素の原子数比が、該層の膜厚の90%以上の領域において下記式(1)を満たしていることである。
(酸素の原子数比)>(珪素の原子数比)>(炭素の原子数比)・・・(1)
バリア層Hは、上記式(1)を、バリア層Hの膜厚の95%以上の領域において満たすことが好ましく、バリア層Hの膜厚の100%の領域において満たすことが特に好ましい。
バリア層Hにおける珪素の原子数比、酸素の原子数比、及び炭素の原子数比が、(i)の条件を満たす場合には、得られるガスバリア性フィルムのガスバリア性が十分なものとなる。
バリア層Hが備える好ましい条件(ii)は、バリア層Hは、炭素分布曲線が少なくとも1つの極値を有することである。
バリア層Hにおいては、炭素分布曲線が少なくとも2つの極値を有することが好ましく、少なくとも3つの極値を有することがより好ましい。炭素分布曲線が極値を有さない場合には、得られるガスバリア性フィルムを屈曲させた場合にガスバリア性が低下し不十分となる。
また、このように少なくとも3つの極値を有する場合においては、炭素分布曲線の有する1つの極値及び該極値に隣接する極値におけるバリア層Hの膜厚方向におけるバリア層Hの表面からの距離の差の絶対値がいずれも200nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましい。
なお、本明細書において「極値」とは、各元素の分布曲線において、バリア層Hの膜厚方向におけるバリア層Hの表面からの距離に対する元素の原子数比の極大値又は極小値のことをいう。
また、本明細書において「極大値」とは、バリア層Hの表面からの距離を変化させた場合に元素の原子数比の値が増加から減少に変わる点であって、且つその点の元素の原子数比の値よりも、該点からバリア層Hの膜厚方向におけるバリア層Hの表面からの距離を更に20nm変化させた位置の元素の原子数比の値が3at%以上減少する点のことをいう。
さらに、本実施形態において「極小値」とは、バリア層Hの表面からの距離を変化させた場合に元素の原子数比の値が減少から増加に変わる点であり、且つその点の元素の原子数比の値よりも、該点からバリア層Hの膜厚方向におけるバリア層Hの表面からの距離を更に20nm変化させた位置の元素の原子数比の値が3at%以上増加する点のことをいう。
バリア層Hが備える好ましい条件(iii)は、バリア層Hは、炭素分布曲線における炭素の原子数比の最大値及び最小値の差の絶対値が5at%以上であることである。
バリア層Hにおいては、炭素の原子数比の最大値及び最小値の差の絶対値が6at%以上であることが好ましく、7at%以上であることがより好ましい。絶対値が5at%未満では、得られるガスバリア性フィルムを屈曲させた場合におけるガスバリア性が不十分となる。
(バリア層の炭素の原子数比)
また、本実施形態に用いられるガスバリア性フィルムが備えるバリア層Hは、炭素分布曲線から求められる炭素の原子数比の平均値が、3at%以上30at%以下である。
ここで本明細書における「炭素分布曲線から求められる炭素の原子数比の平均値」は、下記の2点間の領域に含まれる、炭素の原子数比を平均した値を採用した。
まず、本実施形態に用いられるガスバリア性フィルムにおいては、バリア層Hが、膜厚方向にSiOを多く含む第1層Ha、SiOを多く含む第2層Hb、第1層Haという層構造を形成している。そのため、炭素分布曲線では膜表面近傍およびフィルムF近傍に、第1層Haに対応する炭素原子数比の極小値を有することが予想される。
そのため、炭素分布曲線がこのような極小値を有する場合には、上記の平均値は、炭素分布曲線において最もバリア層の表面側(原点側)にある極小値から、炭素分布曲線において「炭素原子数比が急激に増加する」領域に移る前の極小値までの領域に含まれる、炭素の原子数比を平均した値を採用した。
また、本実施形態に用いられるガスバリア性フィルムの比較対象となる他の構成の積層フィルムでは、表面側およびフィルム側のいずれか一方または両方に、上述のような極小値を有さないこともある。そのため、炭素分布曲線がこのような極小値を有さない場合には、バリア層Hの表面側およびフィルム側で、以下のようにして平均値を算出する基準点を求める。
表面側では、バリア層Hの表面からの距離を変化させた場合に炭素原子数比の値が減少している領域において、ある点(第1点)と、当該点からバリア層Hの膜厚方向におけるバリア層Hの表面からの距離を更に20nm変化させた点(第2点)との炭素原子数比の値の差の絶対値が5at%以下となるときの、第2点を基準点とした。
また、フィルム側では、バリア層とフィルムとの境界を含む領域である「炭素原子数比が急激に増加する」領域の近傍であって、バリア層Hの表面からの距離を変化させた場合に炭素原子数比の値が増加している領域において、ある点(第1点)と、当該点からバリア層Hの膜厚方向におけるバリア層Hの表面からの距離を更に20nm変化させた点(第2点)との炭素原子数比の値の差の絶対値が5at%以下となるときの、第1点を基準点とした。
炭素の原子数比の「平均」は、炭素分布曲線の作成におけるXPSデプスプロファイル測定が、膜厚方向に対して離散的に行われる場合には、各測定値を算術平均することで求める。また、XPSデプスプロファイル測定が、膜厚方向に対して連続的に行われる場合には、平均を求める領域における炭素分布曲線の積分値を求め、当該領域の長さを一辺とし積分値に相当する面積を有する矩形の他の一辺を算出することで求める。
バリア層Hにおける炭素の原子数比の平均値が、3at%以上30at%以下であると、ガスバリア性フィルムを屈曲させた後にも、高いガスバリア性を維持することが可能となる。この平均値は、5at%以上25at%以下が好ましく、11at%以上21at%以下がより好ましい。
なお、ガスバリア性フィルムが透明性を有している場合、ガスバリア性フィルムのフィルムの屈折率と、バリア層の屈折率と、の差が大きいと、フィルムとバリア層との界面で反射、散乱が生じ、透明性が低下するおそれがある。この場合、バリア層の炭素の原子数比を上記数値範囲内で調製し、フィルムとバリア層との屈折率差を小さくすることにより、ガスバリア性フィルムの透明性を改善することが可能である。
例えば、フィルムとしてPENを用いている場合、炭素の原子数比の平均値が3at%以上30at%以下であると、炭素の原子数比の平均値が30at%よりも大きい場合と比べてガスバリア性フィルムの光線透過率が高く、良好な透明性を有するものとなる。
更に、本実施形態に用いられるガスバリア性フィルムにおいては、炭素酸素分布曲線から求められる炭素及び酸素の原子数比の平均値が、63.7at%以上70.0at%以下であることが好ましい。
本明細書において、「炭素及び酸素の原子数比の平均値」は、上述した「炭素の原子数比の平均値」と同様に、炭素分布曲線において最もバリア層の表面側(原点側)にある極小値から、炭素分布曲線においてフィルムの領域に移る前の極小値までの領域に含まれる、炭素及び酸素の原子数比を算術平均した値を採用した。
また、本実施形態に用いられるガスバリア性フィルムにおいては、珪素分布曲線において、珪素の原子数比が29at%以上38at%以下の値を示す位置が、バリア層の膜厚方向における90%以上の領域を占めることが好ましい。珪素の原子数比がこの範囲に含まれていると、得られるガスバリア性フィルムのガスバリア性が向上する傾向にある。また、珪素分布曲線において、珪素の原子数比が30at%以上36at%以下の値を示す位置が、バリア層の膜厚方向における90%以上の領域を占めることがより好ましい。
このとき、バリア層の膜厚方向におけるバリア層の表面からの距離と、該距離に位置する点の珪素原子、酸素原子及び炭素原子の合計数に対する酸素原子及び炭素原子の合計数の比率(酸素及び炭素の原子数比)との関係をそれぞれ示す酸素炭素分布曲線において、酸素及び炭素の原子数比が62at%以上71at%以下の値を示す位置が、バリア層の膜厚方向における90%以上の領域を占めることが好ましい。
また、本実施形態に用いられるガスバリア性フィルムにおいては、炭素分布曲線が複数の極値を有し、極値の最大値と極値の最小値との差の絶対値が、15at%以上であることが好ましい。
また、本実施形態に用いられるガスバリア性フィルムにおいては、酸素分布曲線が少なくとも1つの極値を有することが好ましく、少なくとも2つの極値を有することがより好ましく、少なくとも3つの極値を有することが特に好ましい。酸素分布曲線が極値を有さない場合には、得られるガスバリア性フィルムを屈曲させた場合におけるガスバリア性が低下する傾向にある。
また、このように少なくとも3つの極値を有する場合においては、酸素分布曲線の有する1つの極値及び該極値に隣接する極値におけるバリア層Hの膜厚方向におけるバリア層Hの表面からの距離の差の絶対値がいずれも200nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましい。
また、本実施形態に用いられるガスバリア性フィルムにおいては、バリア層Hの酸素分布曲線における酸素の原子数比の最大値及び最小値の差の絶対値が5at%以上であることが好ましく、6at%以上であることがより好ましく、7at%以上であることが特に好ましい。絶対値が下限未満では、得られるガスバリア性フィルムを屈曲させた場合におけるガスバリア性が低下する傾向にある。
本実施形態に用いられるガスバリア性フィルムにおいては、バリア層Hの珪素分布曲線における珪素の原子数比について、最大値及び最小値の差の絶対値が5at%未満であることが好ましく、4at%未満であることがより好ましく、3at%未満であることが特に好ましい。絶対値が上限を超えると、得られるガスバリア性フィルムのガスバリア性が低下する傾向にある。
また、本実施形態に用いられるガスバリア性フィルムにおいては、酸素炭素分布曲線における酸素及び炭素の原子数比について、最大値及び最小値の差の絶対値が5at%未満であることが好ましく、4at%未満であることがより好ましく、3at%未満であることが特に好ましい。絶対値が上限を超えると、得られるガスバリア性フィルムのガスバリア性が低下する傾向にある。
また、本実施形態に用いられるガスバリア性フィルムにおいては、膜面全体において均一で且つ優れたガスバリア性を有するバリア層Hを形成するという観点から、バリア層Hが膜面方向(バリア層Hの表面に平行な方向)において実質的に一様であることが好ましい。本明細書において、バリア層Hが膜面方向において実質的に一様とは、XPSデプスプロファイル測定によりバリア層Hの膜面の任意の2箇所の測定箇所について酸素分布曲線、炭素分布曲線及び酸素炭素分布曲線を作成した場合に、その任意の2箇所の測定箇所において得られる炭素分布曲線が持つ極値の数が同じであり、それぞれの炭素分布曲線における炭素の原子数比の最大値及び最小値の差の絶対値が、互いに同じであるかもしくは5at%以内の差であることをいう。
さらに、本実施形態に用いられるガスバリア性フィルムにおいては、炭素分布曲線は実質的に連続であることが好ましい。本明細書において、炭素分布曲線が実質的に連続とは、炭素分布曲線における炭素の原子数比が不連続に変化する部分を含まないことを意味し、具体的には、バリア層Hの膜厚方向における該層の表面からの距離(x、単位:nm)と、炭素の原子数比(C、単位:at%)との関係において、下記数式(F1):
|dC/dx|≦ 0.5 ・・・(F1)
で表される条件を満たすことをいう。
29Si−固体NMRピーク面積)
また、本実施形態に用いられるガスバリア性フィルムが備えるバリア層Hは、少なくとも1層が珪素、酸素、及び水素を含んでおり、バリア層Hの29Si−固体NMR測定において求められる、Qのピーク面積に対する、Q,Q,Qのピーク面積を合計した値の比が、下記条件式(I)を満たすことが好ましい。
(Q,Q,Qのピーク面積を合計した値)/(Qのピーク面積)<10…(I)
ここで、Q,Q,Q,Qは、バリア層Hを構成する珪素原子を、該珪素原子に結合する酸素の性質により区別して示すものである。すなわち、Q,Q,Q,Qの各記号は、Si−O−Si結合を形成する酸素原子を、水酸基に対して「中性」酸素原子としたとき、珪素原子に結合する酸素原子が以下のようなものであることを示す。
:1つの中性酸素原子、及び3つの水酸基と結合した珪素原子
:2つの中性酸素原子、及び2つの水酸基と結合した珪素原子
:3つの中性酸素原子、及び1つの水酸基と結合した珪素原子
:4つの中性酸素原子と結合した珪素原子
ここで、「バリア層Hの29Si−固体NMR」を測定する場合には、測定に用いる試験片に、フィルムFが含まれていてもよい。
固体NMRのピーク面積は、例えば、以下のように算出することができる。
まず、29Si−固体NMR測定により得られたスペクトルをスムージング処理する。具体的には、29Si−固体NMR測定により得られたスペクトルをフーリエ変換し、100Hz以上の高周波を取り除いた後、逆フーリエ変換することでスムージング処理を行う(ローパスフィルタ処理)。29Si−固体NMR測定により得られたスペクトルには、ピークの信号より高い周波数のノイズが含まれているが、上記ローパスフィルタ処理によるスムージングで、これらのノイズを取り除く。
以下の説明においては、スムージング後のスペクトルを「測定スペクトル」と称する。
次に、測定スペクトルを、Q,Q,Q,Qの各ピークに分離する。すなわち、Q,Q,Q,Qのピークが、それぞれ固有の化学シフトを中心とするガウス分布(正規分布)曲線を示すこととして仮定し、Q,Q,Q,Qを合計したモデルスペクトルが、測定スペクトルのスムージング後のものと一致するように、各ピークの高さ及び半値幅等のパラメータを最適化する。
パラメータの最適化には、反復法を用いることにより行う。すなわち、反復法を用いて、モデルスペクトルと測定スペクトルとの偏差の2乗の合計が極小値に収束するようなパラメータを算出する。
次に、このようにして求めるQ,Q,Q,Qのピークをそれぞれ積分することで、各ピーク面積を算出する。このようにして求めたピーク面積を用いて、上記式(I)左辺(Q,Q,Qのピーク面積を合計した値)/(Qのピーク面積)を求め、ガスバリア性の評価指標として用いる。
本実施形態に用いられるガスバリア性フィルムは、固体NMR測定により定量したバリア層Hを構成する珪素原子のうち、約9%(1/(10+1))より大きい割合がQの珪素原子であることが好ましい。
の珪素原子は、珪素原子の周囲が4つの中性酸素原子に囲まれ、さらに4つの中性酸素原子は珪素原子と結合して網目構造を形成している。対して、Q,Q,Qの珪素原子は、1以上の水酸基と結合しているため、隣り合う珪素原子との間には共有結合が形成されない微細な空隙が存在することとなる。したがって、Qの珪素原子が多いほど、バリア層Hが緻密な層となり、高いガスバリア性を実現するガスバリア性フィルムとすることができる。
本実施形態に用いられるガスバリア性フィルムにおいては、上記式(I)に示すように(Q,Q,Qのピーク面積を合計した値)/(Qのピーク面積)が10未満であると、高いガスバリア性を示すため好ましい。
(Q,Q,Qのピーク面積を合計した値)/(Qのピーク面積)の値は、8以下が好ましく、6以下がより好ましい。
なお、フィルムFとしてシリコーン樹脂やガラスを含む材料を用いた場合には、固体NMR測定におけるフィルム中の珪素の影響を避けるために、フィルムFからバリア層Hを分離して、バリア層H中に含まれる珪素のみの固体NMRを測定するとよい。
バリア層HとフィルムFとを分離する方法としては、例えば、バリア層Hを金属製のスパチュラなどで掻き落とし、固体NMR測定における試料管に採取する方法が挙げられる。また、フィルムのみを溶解する溶媒を用いてフィルムFを除去し、残渣として残るバリア層Hを採取しても構わない。
本実施形態に用いられるガスバリア性フィルムにおいて、バリア層Hの厚みは、5nm以上3000nm以下の範囲であることが好ましく、10nm以上2000nm以下の範囲であることより好ましく、100nm以上1000nm以下の範囲であることが特に好ましい。バリア層Hの厚みが5nm以上であることで、酸素ガスバリア性、水蒸気バリア性等のガスバリア性が一層向上する。また、3000nm以下であることで、屈曲させた場合のガスバリア性の低下を抑制する一層高い効果が得られる。
また、本実施形態に用いられるガスバリア性フィルムは、(a)珪素原子、酸素原子及び炭素原子を含有し、(b)平均密度が1.8g/cm以上であり、(c)上記条件(i)〜(iii)を全て満たし、(d)炭素分布曲線から求められる炭素の原子数比の平均値が、3at%以上30at%以下であるバリア層Hを少なくとも1層備えることが好ましく、条件(a)〜(d)を全て満たすバリア層を2層以上備えていてもよい。さらに、このようなバリア層Hを2層以上備える場合には、複数のバリア層Hの材質は、同一であってもよく、異なっていてもよい。また、このようなバリア層Hを2層以上備える場合には、このようなバリア層HはフィルムFの一方の表面上に形成されていてもよく、フィルムFの両方の表面上に形成されていてもよい。また、このような複数のバリア層Hとしては、ガスバリア性を必ずしも有しないバリア層Hを含んでいてもよい。
また、本実施形態に用いられるガスバリア性フィルムが、バリア層Hを2層以上積層させた層を有する場合には、バリア層Hの厚みの合計値(バリア層Hを積層したバリア膜の膜厚)は、100nmより大きく、3000nm以下であることが好ましい。バリア層Hの厚みの合計値が100nm以上であることにより、酸素ガスバリア性、水蒸気バリア性等のガスバリア性が一層向上する。また、バリア層Hの厚みの合計値が3000nm以下であることで、屈曲させた場合のガスバリア性の低下を抑制する一層高い効果が得られる。
(その他の構成)
本実施形態に用いられるガスバリア性フィルムは、フィルムF及びバリア層Hを備えるものであるが、必要に応じて、更にプライマーコート層、ヒートシール性樹脂層、接着剤層等を備えていてもよい。このようなプライマーコート層は、ガスバリア性フィルムとの接着性を向上させることが可能な公知のプライマーコート剤を用いて形成することができる。また、このようなヒートシール性樹脂層は、適宜公知のヒートシール性樹脂を用いて形成することができる。さらに、このような接着剤層は、適宜公知の接着剤を用いて形成することができ、このような接着剤層により複数のガスバリア性フィルム同士を接着させてもよい。
本実施形態に用いられるガスバリア性フィルムは、以上のような構成となっており、その水蒸気透過度は、40℃RH90%の条件下、10−2g/m・day以下であることが好ましく、10−3g/m・day以下であることがより好ましく、10−4g/m・day以下であることが特に好ましい。
(ガスバリア性フィルムの製造方法)
次いで、上述の条件(a)〜(d)を全て満たすバリア層を有するガスバリア性フィルムの製造方法について説明する。
図5は、本実施形態に用いられるガスバリア性フィルムの製造装置の一例を示す図であり、プラズマ化学気相成長法によりバリア層を形成する装置の模式図である。なお、図5においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
図5に示す製造装置10は、送り出しロール11、巻き取りロール12、搬送ロール13〜16、第1成膜ロール17、第2成膜ロール18、ガス供給管19、プラズマ発生用電源20、電極21、電極22、第1成膜ロール17の内部に設置された磁場形成装置23、及び第2成膜ロール18の内部に設置された磁場形成装置24を備えている。
製造装置10の構成要素のうち、少なくとも第1成膜ロール17、第2成膜ロール18、ガス供給管19、磁場形成装置23、磁場形成装置24は、ガスバリア性フィルムを製造するときに、図示略の真空チャンバー内に配置される。この真空チャンバーは、図示略の真空ポンプに接続される。真空チャンバーの内部の圧力は、真空ポンプの動作により調整される。
この装置を用いると、プラズマ発生用電源20を制御することにより、第1成膜ロール17と第2成膜ロール18との間の空間に、ガス供給管19から供給される成膜ガスの放電プラズマを発生させることができ、発生する放電プラズマを用いて連続的な成膜プロセスでプラズマCVD成膜を行うことができる。
送り出しロール11には、成膜前のフィルムFが巻き取られた状態で設置され、フィルムFを長尺方向に巻き出しながら送り出しする。また、フィルムFの端部側には巻取りロール12が設けられ、成膜が行われた後のフィルムFを牽引しながら巻き取り、ロール状に収容する。
第1成膜ロール17及び第2成膜ロール18は、平行に延在して対向配置されている。両ロールは導電性材料で形成され、それぞれ回転しながらフィルムFを搬送する。第1成膜ロール17及び第2成膜ロール18は、直径が同じものを用いることが好ましく、例えば、5cm以上100cm以下のものを用いることが好ましい。
また、第1成膜ロール17と第2成膜ロール18とは、相互に絶縁されていると共に、共通するプラズマ発生用電源20に接続されている。プラズマ発生用電源20から印加すると、第1成膜ロール17と第2成膜ロール18との間の空間SPに電場が形成される。プラズマ発生用電源20は、印加電力を100W〜10kWとすることができ、且つ交流の周波数を50Hz〜500kHzとすることが可能なものであるものが好ましい。
磁場形成装置23及び磁場形成装置24は、空間SPに磁場を形成する部材であり、第1成膜ロール17及び第2成膜ロール18の内部に格納されている。磁場形成装置23及び磁場形成装置24は、第1成膜ロール17及び第2成膜ロール18と共には回転しないように(すなわち、真空チャンバーに対する相対的な姿勢が変化しないように)固定されている。
磁場形成装置23及び磁場形成装置24は、第1成膜ロール17及び第2成膜ロール18の延在方向と同方向に延在する中心磁石23a,24aと、中心磁石23a,24aの周囲を囲みながら、第1成膜ロール17及び第2成膜ロール18の延在方向と同方向に延在して配置される円環状の外部磁石23b,24bと、を有している。磁場形成装置23では、中心磁石23aと外部磁石23bとを結ぶ磁力線(磁界)が、無終端のトンネルを形成している。磁場形成装置24においても同様に、中心磁石24aと外部磁石24bとを結ぶ磁力線が、無終端のトンネルを形成している。
この磁力線と、第1成膜ロール17と第2成膜ロール18との間に形成される電界と、が交叉するマグネトロン放電によって、成膜ガスの放電プラズマが生成される。成膜ガスの放電プラズマを生じさせる。すなわち、詳しくは後述するように、空間SPは、プラズマCVD成膜を行う成膜空間として用いられ、フィルムFにおいて第1成膜ロール17、第2成膜ロール18に接しない面(成膜面)には、成膜ガスがプラズマ状態を経由して堆積したバリア層が形成される。
空間SPの近傍には、空間SPにプラズマCVDの原料ガスなどの成膜ガスGを供給するガス供給管19が設けられている。ガス供給管19は、第1成膜ロール17及び第2成膜ロール18の延在方向と同一方向に延在する管状の形状を有しており、複数箇所に設けられた開口部から空間SPに成膜ガスGを供給する。図5では、ガス供給管19から空間SPに向けて成膜ガスGを供給する様子を矢印で示している。
原料ガスは、形成するバリア膜の材質に応じて適宜選択して使用することができる。原料ガスとしては、例えば珪素を含有する有機珪素化合物を用いることができる。このような有機珪素化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ジメチルジシラザン、トリメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン、ペンタメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラザンが挙げられる。これらの有機珪素化合物の中でも、化合物の取り扱い性や得られるバリア膜のガスバリア性等の観点から、ヘキサメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンが好ましい。また、これらの有機珪素化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。さらに、原料ガスとして、上述の有機珪素化合物の他にモノシランを含有させ、形成するバリア膜の珪素源として使用することとしてもよい。
成膜ガスとしては、原料ガスの他に反応ガスを用いてもよい。このような反応ガスとしては、原料ガスと反応して酸化物、窒化物等の無機化合物となるガスを適宜選択して使用することができる。酸化物を形成するための反応ガスとしては、例えば、酸素、オゾンを用いることができる。また、窒化物を形成するための反応ガスとしては、例えば、窒素、アンモニアを用いることができる。これらの反応ガスは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができ、例えば酸窒化物を形成する場合には、酸化物を形成するための反応ガスと窒化物を形成するための反応ガスとを組み合わせて使用することができる。
成膜ガスには、原料ガスを真空チャンバー内に供給するために、必要に応じて、キャリアガスを含むこととしてもよい。さらに、成膜ガスとしては、放電プラズマを発生させるために、必要に応じて、放電用ガスを用いてもよい。このようなキャリアガス及び放電用ガスとしては、適宜公知のものを使用することができ、例えば、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン等の希ガス;水素を用いることができる。
真空チャンバー内の圧力(真空度)は、原料ガスの種類等に応じて適宜調整することができるが、空間SPの圧力が0.1Pa〜50Paであることが好ましい。気相反応を抑制する目的により、プラズマCVDを低圧プラズマCVD法とする場合、通常0.1Pa〜10Paである。また、プラズマ発生装置の電極ドラムの電力は、原料ガスの種類や真空チャンバー内の圧力等に応じて適宜調整することができるが、0.1kW〜10kWであることが好ましい。
フィルムFの搬送速度(ライン速度)は、原料ガスの種類や真空チャンバー内の圧力等に応じて適宜調整することができるが、0.1m/min〜100m/minであることが好ましく、0.5m/min〜20m/minであることがより好ましい。ライン速度が下限未満では、フィルムFに熱に起因する皺の発生しやすくなる傾向にあり、他方、ライン速度が上限を超えると、形成されるフィルムFの厚みが薄くなる傾向にある。
以上のような製造装置10においては、以下のようにしてフィルムFに対し成膜が行われる。
まず、成膜前に、フィルムFから発生するアウトガスが十分に少なくなるように事前の処理を行うとよい。フィルムFからのアウトガスの発生量は、フィルムFを製造装置に装着し、装置内(チャンバー内)を減圧したときの圧力を用いて判断することができる。例えば、製造装置のチャンバー内の圧力が、1×10−3Pa以下であれば、フィルムFからのアウトガスの発生量が十分に少なくなっているものと判断することができる。
フィルムFからのアウトガスの発生量を少なくする方法としては、真空乾燥、加熱乾燥、及びこれらの組み合わせによる乾燥、ならびに自然乾燥による乾燥方法が挙げられる。いずれの乾燥方法であっても、ロール状に巻き取ったフィルムFの内部の乾燥を促進するために、乾燥中にロールの巻き替え(巻出し及び巻き取り)を繰り返し行い、フィルムF全体を乾燥環境下に曝すことが好ましい。
真空乾燥は、耐圧性の真空容器にフィルムFを入れ、真空ポンプのような減圧機を用いて真空容器内を排気して真空にすることにより行う。真空乾燥時の真空容器内の圧力は、1000Pa以下が好ましく、100Pa以下がより好ましく、10Pa以下がさらに好ましい。真空容器内の排気は、減圧機を連続的に運転することで連続的に行うこととしてもよく、内圧が一定以上にならないように管理しながら、減圧機を断続的に運転することで断続的に行うこととしてもよい。乾燥時間は、少なくとも8時間以上であることが好ましく、1週間以上であることがより好ましく、1ヶ月以上であることがさらに好ましい。
加熱乾燥は、フィルムFを50℃以上の環境下に曝すことにより行う。加熱温度は、50℃以上200℃以下が好ましく、70℃以上150℃以下がさらに好ましい。200℃を超える温度では、フィルムFが変形するおそれがある。また、フィルムFからオリゴマー成分が溶出し表面に析出することにより、欠陥が生じるおそれがある。乾燥時間は、加熱温度や用いる加熱手段により適宜選択することができる。
加熱手段としては、常圧下でフィルムFを50℃以上200℃以下に加熱できるものであれば、特に限定されない。通常知られる装置の中では、赤外線加熱装置、マイクロ波加熱装置や、加熱ドラムが好ましく用いられる。
ここで、赤外線加熱装置とは、赤外線発生手段から赤外線を放射することにより対象物を加熱する装置である。
マイクロ波加熱装置とは、マイクロ波発生手段からマイクロ波を照射することにより対象物を加熱する装置である。
加熱ドラムとは、ドラム表面を加熱し、対象物をドラム表面に接触させることにより、接触部分から熱伝導により加熱する装置である。
自然乾燥は、フィルムFを低湿度の雰囲気中に配置し、乾燥ガス(乾燥空気、乾燥窒素)を通風させることで低湿度の雰囲気を維持することにより行う。自然乾燥を行う際には、フィルムFを配置する低湿度環境にシリカゲルなどの乾燥剤を一緒に配置することが好ましい。乾燥時間は、少なくとも8時間以上であることが好ましく、1週間以上であることがより好ましく、1ヶ月以上であることがさらに好ましい。
これらの乾燥は、フィルムFを製造装置に装着する前に別途行ってもよく、フィルムFを製造装置に装着した後に、製造装置内で行ってもよい。
フィルムFを製造装置に装着した後に乾燥させる方法としては、送り出しロールからフィルムFを送り出し搬送しながら、チャンバー内を減圧することが挙げられる。また、通過させるロールがヒーターを備えるものとし、ロールを加熱することで該ロールを上述の加熱ドラムとして用いて加熱することとしてもよい。
フィルムFからのアウトガスを少なくする別の方法として、予めフィルムFの表面に無機膜を成膜しておくことが挙げられる。無機膜の成膜方法としては、真空蒸着(加熱蒸着)、電子ビーム(Electron Beam、EB)蒸着、スパッタ、イオンプレーティングなどの物理的成膜方法が挙げられる。また、熱CVD、プラズマCVD、大気圧CVDなどの化学的堆積法により無機膜を成膜することとしてもよい。さらに、表面に無機膜を成膜したフィルムFを、上述の乾燥方法による乾燥処理を施すことにより、さらにアウトガスの影響を少なくしてもよい。
次いで、不図示の真空チャンバー内を減圧環境とし、第1成膜ロール17、第2成膜ロール18に印加して空間SPに電界を生じさせる。
この際、磁場形成装置23及び磁場形成装置24では上述した無終端のトンネル状の磁場を形成しているため、成膜ガスを導入することにより、該磁場と空間SPに放出される電子とによって、該トンネルに沿ったドーナツ状の成膜ガスの放電プラズマが形成される。この放電プラズマは、数Pa近傍の低圧力で発生可能であるため、真空チャンバー内の温度を室温近傍とすることが可能になる。
一方、磁場形成装置23及び磁場形成装置24が形成する磁場に高密度で捉えられている電子の温度は高いので、当該電子と成膜ガスとの衝突により生じる放電プラズマが生じる。すなわち、空間SPに形成される磁場と電場により電子が空間SPに閉じ込められることにより、空間SPに高密度の放電プラズマが形成される。より詳しくは、無終端のトンネル状の磁場と重なる空間においては、高密度の(高強度の)放電プラズマが形成され、無終端のトンネル状の磁場とは重ならない空間においては低密度の(低強度の)放電プラズマが形成される。これら放電プラズマの強度は、連続的に変化するものである。
放電プラズマが生じると、ラジカルやイオンを多く生成してプラズマ反応が進行し、成膜ガスに含まれる原料ガスと反応ガスとの反応が生じる。例えば、原料ガスである有機珪素化合物と、反応ガスである酸素とが反応し、有機珪素化合物の酸化反応が生じる。ここで、高強度の放電プラズマが形成されている空間では、酸化反応に与えられるエネルギーが多いため反応が進行しやすく、主として有機珪素化合物の完全酸化反応を生じさせることができる。一方、低強度の放電プラズマが形成されている空間では、酸化反応に与えられるエネルギーが少ないため反応が進行しにくく、主として有機珪素化合物の不完全酸化反応を生じさせることができる。
なお、本明細書において「有機珪素化合物の完全酸化反応」とは、有機珪素化合物と酸素との反応が進行し、有機珪素化合物が二酸化珪素(SiO)と水と二酸化炭素にまで酸化分解されることを指す。
例えば、成膜ガスが、原料ガスであるヘキサメチルジシロキサン(HMDSO:(CHSiO)と、反応ガスである酸素(O)と、を含有する場合、「完全酸化反応」であれば下記反応式(1)に記載のような反応が起こり、二酸化珪素が製造される。
Figure 2013218796
また、本明細書において「有機珪素化合物の不完全酸化反応」とは、有機珪素化合物が完全酸化反応をせず、SiOではなく構造中に炭素を含むSiO(0<x<2,0<y<2)が生じる反応となることを指す。
上述のように製造装置10では、放電プラズマが第1成膜ロール17、第2成膜ロール18の表面にドーナツ状に形成されるため、第1成膜ロール17、第2成膜ロール18の表面を搬送されるフィルムFは、高強度の放電プラズマが形成されている空間と、低強度の放電プラズマが形成されている空間と、を交互に通過することとなる。そのため、第1成膜ロール17、第2成膜ロール18の表面を通過するフィルムFの表面には、完全酸化反応によって生じるSiOを多く含む層(図4の第1層Ha)に、不完全酸化反応によって生じるSiOを多く含む層(図4の第2層Hb)が挟持されて形成される。
これらに加えて、高温の2次電子が磁場の作用でフィルムFに流れ込むのが防止され、よって、フィルムFの温度を低く抑えたままで高い電力の投入が可能となり、高速成膜が達成される。膜の堆積は、主にフィルムFの成膜面のみに起こり、成膜ロールはフィルムFに覆われて汚れにくいために、長時間の安定成膜ができる。
次に、バリア層中の炭素の原子数比の平均値を制御する方法を説明する。
上述の装置を用いて形成されるバリア層について、バリア層に含まれる炭素の原子数比の平均値を例えば、11at%以上21at%以下とするためには、例えば、以下のようにして定めた範囲で原料ガスと反応ガスとを混合した成膜ガスを用いて成膜する。
図6は、原料ガスの量に対する、バリア層に含まれる炭素の原子数比の平均値を示したグラフである。図のグラフでは、横軸に原料ガスの量(sccm:Standard Cubic Centimeter per Minute)、縦軸に炭素の原子数比の平均値(単位at%)を示しており、原料ガスとしてHMDSOを用い、反応ガスとして酸素を用いた場合の関係を示している。
図6(a)には、酸素の量を250sccmに固定した場合の、HMDSOの量に対する炭素の原子数比の平均値の関係を示すグラフ(符号O1で示す)と、酸素の量を500sccmに固定した場合の、HMDSOの量に対する炭素の原子数比の平均値の関係を示すグラフ(符号O2で示す)と、を示している。図6(b)のグラフは、各酸素量において、HMDSOの量を変えた3点について炭素の原子数比の平均値を測定してプロットした後、各点をスプライン曲線で曲線回帰させたものである。
なお、酸素及びHMDSOの量以外の成膜条件は、以下の通りである。
(成膜条件)
真空チャンバー内の真空度:3Pa
プラズマ発生用電源からの印加電力:0.8kW
プラズマ発生用電源の周波数:70kHz
フィルムの搬送速度:0.5m/min
図6(a)のグラフからは、定性的に以下のことが言える。
まず、酸素の流量が一定である場合、HMDSOの流量を増やすと、バリア層中の炭素の原子数比の平均値は増加する。これは、酸素量に対して相対的にHMDSOの量が増えるため、HMDSOが不完全酸化をする反応条件となる結果、バリア層中に含有される炭素量が増加するものとして説明できる。
また、HMDSOの流量が一定である場合、酸素の流量を増やすと、バリア層中の炭素の原子数比の平均値は減少する。これは、酸素量に対して相対的にHMDSOの量が減少するため、HMDSOが完全酸化をする反応条件に近づく結果、バリア層中に含有される炭素量が減少するものとして説明できる。
また、HMDSOと酸素との比が同じであっても、成膜ガスの全体量が多いと、バリア層中の炭素の原子数比の平均値は増加する。これは、成膜ガス全体の流量が多いと、HMDSOが放電プラズマから得るエネルギーが相対的に低減するため、HMDSOが不完全酸化をする反応条件となる結果、バリア層中に含有される炭素量が増加するものとして説明できる。
図6(b)は、図6(a)で示したグラフの一部拡大図であり、縦軸を11at%以上21at%以下としたグラフである。図6(b)におけるグラフO1と下の横軸との接点X1の座標から、酸素の流量250sccmの条件下において、炭素の原子数比の平均値が11at%である場合のHMDSOの流量が、約33sccmであることが分かる。また、グラフO1と上の横軸との接点X2から、酸素の流量250sccmの条件下において、炭素の原子数比の平均値が21at%である場合のHMDSOの流量が、約55sccmであることが分かる。すなわち、酸素の流量250sccmの条件下においては、HMDSOの流量が、約33sccm〜約55sccmであれば、炭素の原子数比の平均値が11at%以上21at%以下とすることができることが分かる。
同様に、グラフO2と上下の横軸との接点X3,X4の座標から、酸素の流量500sccmの条件下において、炭素の原子数比の平均値が11at%以上21at%以下とするためのHMDSOの流量の上限値と下限値とを読み取ることができ、それぞれ約51sccm、約95sccmであることが分かる。
図7は、図6の符号X1〜X4の点から求められたHMDSOの流量と酸素の流量との関係について、横軸にHMDSOの流量、縦軸に酸素の流量を示したグラフに変換した図である。図7において、符号X1,X2,X4,X3,X1の順に線分で接続したときの線分に囲まれた領域ARは、炭素の原子数比の平均値が11at%以上21at%以下となるHMDSOの流量と酸素の流量とを示している。すなわち、図7にプロットしたとき、領域AR内に含まれるような量にHMDSO及び酸素の流量を制御して成膜することにより、得られるバリア層の炭素の原子数比の平均値を11at%以上21at%以下とすることができる。
なお、上述した説明では、酸素流量250sccm及び500sccmを条件として例示したが、もちろん酸素流量が250sccmより少ない場合や、500sccmより多い場合のHMDSOの流量と酸素の流量との関係も、同様の操作を行うことにより求めることができる。
このようにしてHMDSO及び酸素の量を制御して反応条件を定め、炭素の原子数比の平均値を11at%以上21at%以下であるバリア層を形成することが可能となる。
なお、上述の説明では、各酸素流量に対してHMDSOの量を変えた3点についてプロットしてグラフ化したが、酸素流量に対してHMDSOの量を変えた水準が2点であっても、当該2点の炭素の原子数比の平均値がそれぞれ11at%未満であり、また21at%より大きい場合には、当該2点の結果から図6に相当するグラフを作成してもよい。もちろん、4点以上の結果から図6に相当するグラフを作成してもよい。
その他、例えば成膜ガスの量を固定した上で、第1成膜ロール17、第2成膜ロール18に印加する印加電圧を変化させたときの、当該電圧の変化に対する炭素の原子数比の平均値の関係を求め、上述の説明と同様に、所望の炭素の原子数比の平均値となる印加電圧を求めることとしてもよい。
このようにして成膜条件を規定し、放電プラズマを用いたプラズマCVD法により、フィルムの表面にバリア層の形成を行って、本実施形態に用いられるガスバリア性フィルムを製造することができる。
また、本実施形態に用いられるガスバリア性フィルムにおいては、形成されるバリア層の平均密度が1.8g/cm以上であることが好ましい。
バリア層においては、不完全酸化反応によって生じるSiOを多く含む層が、SiO(密度:2.22g/cm)の網目構造から、酸素原子を炭素原子で置換した構造を有していると考えられる。SiOを多く含む層においては、多くの炭素原子でSiOの酸素原子を置換した構造であると(すなわち、バリア層の炭素の原子数比の平均値が大きくなると)、Si−Oのsp3結合の結合長(約1.63Å)とSi−Cのsp3結合の結合長(約1.86Å)の違いから分子容積が大きくなるためにバリア層の平均密度が減少する。しかし、バリア層の炭素の原子数比の平均値が3at%以上30at%以下である場合には、バリア層の平均密度が1.8g/cm以上となる。
以上のような、条件(a)〜(d)を満たすガスバリア性フィルムにすれば、屈曲させても高いガスバリア性を維持可能なフィルムとすることができる。
第1の基板及び第2の基板の両方が、ガスバリア性フィルムであることにより、上述した実施形態の効果に加えて、可撓性を有し、且つ軽量化が図られた電子デバイスを提供することができる。
以下、参考例、実験例、及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下に限定されるものではない。
参考例、実験例、及び比較例で使用した材料を以下に示す。
(基板)ポリエチレンテレフタレート(PET) フィルム(厚さ:100μm)を2枚用意した。
(A−1)ラジカル重合性UV硬化樹脂
UV硬化樹脂 (エポキシアクリレート、25℃における粘度:7720(mPa・s)、日立化成工業(株)製、商品名「ヒタロイド7851」)
(A−2)ラジカル型光重合開始剤
光重合開始剤(2,2-ジメトキシー1,2−ジフェニルエタンー1−オン、融点:63〜67℃、BASF社製、商品名「IRGACURE651」)
(B−1)カチオン重合性UV硬化樹脂
UV硬化樹脂 (エポキシ化合物、25℃における粘度:4020(mPa・s)、DIC(株)製、商品名「タイフォース Exp.FP−1110」)
(B−2)カチオン重合性UV硬化樹脂
UV硬化樹脂 (エポキシ化合物、25℃における粘度:3500(mPa・s)、DIC(株)製、商品名「タイフォース Exp.FP−2020」)
なお、B−1、B−2のいずれもカチオン型光重合開始剤を含有している。
(C)乾燥剤
乾燥剤(酸化バリウム、BET比表面積法による平均粒子径:0.9μm)
(参考例1)
97質量%のA−1と、3質量%のA−2と、を80℃に加温して、攪拌・混合を行ない、ラジカル重合性UV硬化樹脂A−3を作製した。
第1の基板として1枚目のPETフィルムを用い、このPETフィルムの面上に、バーコーターを用いて、A−3を約250μmの厚さに塗工した。
次いで、第2の基板として2枚目のPETフィルムを用い、第1の基板におけるA−3の塗工面と、第2の基板の面と、を貼合した。
次いで、UV照射装置を用いて、貼合した面に、10mW/cmの強度で100秒間 UV照射を行った。貼合した基板を剥離し、目視で確認したところ、A−3は硬化して接着層が形成され、この接着層は、基板のPETフィルムと密着していることが確認された。参考例1の組成及び基材との密着性を表1に示す。
(参考例2)
A−3の代わりに、B−1を用いた以外は、参考例1と同様の操作を行ったところ、B−1は硬化して接着層が形成され、この接着層は、基板のPETフィルムと密着していることが確認された。参考例2の組成及び基材との密着性を表1に示す。
(参考例3)
A−3の代わりに、B−2を用いた以外は、参考例1と同様の操作を行ったところ、B−2は硬化して接着層が形成され、この接着層は、基板のPETフィルムと密着していることが確認された。参考例3の組成及び基材との密着性を表1に示す。
参考例1〜3の結果より、基板のPETフィルムは、A−3、B−1、B−2の硬化に必要な波長のUVを透過すること、A−3、B−1、B−2、それぞれの単体の硬化性、及び基板のPETフィルムとの密着性に問題ないことが確認された。
[吸湿層の基板との密着性の評価]
(実験例1)
77.6質量%のA−1と、2.4質量%のA−2と、を80℃に加温して、攪拌・混合を行ない、A−2が十分溶解した後に、Cを20質量%添加、混合し吸湿剤(以下、D−1)を得た。
A−3の代わりに、D−1を用いた以外は、参考例1と同様の操作を行ったところ、D−1は硬化して吸湿層が形成され、この吸湿層は、基板のPETフィルムと密着していることが確認された。実験例1の組成及び基材との密着性を表1に示す。
(比較例1)
実験例1のA−1及びA−2の代わりに、80質量%のB−1を用いた以外は、実験例1と同様の操作を行った。得られた吸湿剤はUV照射を行っても硬化せず、基板のPETフィルムと密着しないことが確認された。比較例1の組成及び基材との密着性を表1に示す。
(実験例2)
実験例1のA−1及びA−2を、それぞれ48.5質量%、1.5質量%用い、Cを50質量%用いた以外は、実験例1と同様の操作を行ったところ、得られた吸湿剤(以下、D−2)は硬化して吸湿層が形成され、この吸湿層は、基板のPETフィルムと密着していることが確認された。実験例2の組成及び基材との密着性を表1に示す。
(比較例2)
実験例2のA−1及びA−2の代わりに、50質量%のB−2を用いた以外は、実験例2と同様の操作を行った。得られた吸湿剤はUV照射を行っても硬化せず、基板のPETフィルムと密着しないことが確認された。比較例2の組成及び基材との密着性を表1に示す。
Figure 2013218796
[吸湿層の吸湿能力の評価]
(実験例3)
実験例2と同様の操作を行い、D−2を硬化して形成された吸湿層を、基板から剥離し、吸湿能力測定のための試料として用いた。
高温高湿対応TG/DTA測定装置(エスエスアイ・テクノロジー(株)製)を用いて、一定の温度・湿度下での、D−2を硬化して形成された吸湿層12.28(mg)の吸湿による質量増加を測定した。測定条件等を以下に示す。
なお、吸湿層の吸湿能力は、その容積に対して吸湿し得る水分の質量と規定する。
(測定条件)
50℃60%RH条件下で、試料を過飽和とし、2.5時間後に50℃0%RHの条件に切り替え、1時間以上の測定で漸近した質量増加量を試料の吸湿能力とした。
質量増加量(g)/試料量(g)x100=4.8(wt%)であり、吸湿層の比重1.85から、吸湿層は、89(mg/cc)の吸湿能力を有していることが分かった。
Cの酸化バリウムが完全に未反応であるとき、D−2を硬化して形成された吸湿層(以下、D−2の試料)の吸湿による質量増加量(g)/試料量(g)は、5.9wt%となる。測定を行なったD−2の試料の吸湿層は、その能力に対して約81%の能力を保持していることになる。
ここで実験例3のD−2の試料の吸湿能力が理論吸湿量を下回るのは、試料の調製を大気中で行なったため、吸湿能力の測定以前に試料の吸湿層が吸湿したためと考えられる。
[接着層の基板との密着性の評価]
(実験例4)
(ガスバリア性フィルム(E−1)の作製)
前述の図5に示す製造装置を用いてガスバリア性フィルムを製造した。
すなわち、2軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム(PENフィルム、厚み:100μm、幅:350mm、帝人デュポンフィルム(株)製、商品名「テオネックスQ65FA」)を基材(基材F)として用い、これを送り出しロ−ル11に装着した。
そして、第1成膜ロール17と第2成膜ロール18との間の空間に無終端のトンネル状の磁場を形成すると共に、第1成膜ロール17と第2成膜ロール18にそれぞれ電力を供給して第1成膜ロール17と第2成膜ロール18との間に放電させ、このような放電領域に成膜ガス(原料ガス(HMDSO)及び反応ガス(酸素ガス)の混合ガス)を供給して、下記条件にてプラズマCVD法による薄膜形成を行った。この工程を1回行うことにより、珪素、酸素、炭素の元素から成るSiOのバリア層が積層されたガスバリア性フィルムを得た。
(成膜条件)
原料ガスの供給量:50sccm
酸素ガスの供給量:500sccm
真空チャンバー内の真空度:3Pa
プラズマ発生用電源からの印加電力:0.8kW
プラズマ発生用電源の周波数:70kHz
フィルムの搬送速度:0.5m/min
このようにして得られたガスバリア性フィルム(以下、E−1)におけるバリア層の厚みは0.3μmであった。
(ガスバリア性フィルム(E−2)の作製)
E−1において、PENフィルムの代わりに、厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた以外は、E−1と同様の操作を行ない、厚み0.3μmのSiOのバリア層が積層されたガスバリア性フィルム(以下、E−2)を得た。
第1の基板としてE−1を用い、E−1のバリア層面上に、バーコーターを用いて、参考例1で用いたA−3を、約300μmの厚さに塗工した。
次いで、第2の基板としてE−2を用い、第1の基板におけるA−3の塗工面と、第2の基板のバリア層面と、を貼合した。
次いで、UV照射装置を用いて、E−2側から、貼合した面に、10mW/cmの強度で100秒間 UV照射を行った。A−3は硬化して接着層が形成され、試料(以下、F−1)を得た。
JIS K6854−3(接着剤 剥離接着強さ試験方法:T形剥離)に則り、F−1から25mm幅の試験片を切り出し、剥離速度10mm/分の条件で、接着層の剥離力の評価を行った。
F−1の平均剥離力は、0.04(N/25mm)であった。
(実験例5)
A−3の代わりにB−1を用いた以外は、実験例4と同様の操作を行ない、試料(以下、F−2)を得た。
F−2の平均剥離力は、0.2(N/25mm)であった。
実験例1〜3で得た吸湿層、及び実験例4〜5で得た接着層を用いて、吸湿層と基板が十分に密着し、優れた封止性能を有する電子デバイスを提供することができることが明らかである。
10…製造装置、11…送り出しロール、12…巻き取りロール、13〜16…搬送ロール、17…第1成膜ロール、18…第2成膜ロール、19…ガス供給管、20…プラズマ発生用電源、21,22…電極、23,24…磁場形成装置、63…第2の基板、70,80,90…電子デバイス、71…第1の基板、72…機能素子、84,94…第2の接着層、85…吸湿層、86…第1の接着層、F…フィルム、H…バリア層、SP…空間(成膜空間)。

Claims (5)

  1. 第1の基板と、前記第1の基板の面上に設けられた機能素子と、
    前記第1の基板の前記面に対向する第2の基板と、
    前記第1の基板と前記第2の基板との間にあって、前記第1の基板と前記第2の基板とを貼り合わせる吸湿層及び第1の接着層と、を有し、
    前記吸湿層は、前記機能素子を囲むように配置され、乾燥剤とUV硬化樹脂を含み、
    前記吸湿層の前記乾燥剤は、アルカリ金属の酸化物及び/又はアルカリ土類金属の酸化物であり、
    前記吸湿層の前記UV硬化樹脂は、ラジカル重合性UV硬化樹脂であり、
    前記第1の接着層は、前記吸湿層の外側を囲むように、前記第1の基板と前記第2の基板の周縁部に沿って配置され、
    前記第1の接着層は、UV硬化樹脂からなることを特徴とする電子デバイス。
  2. 前記吸湿層の前記ラジカル重合性UV硬化樹脂が、ラジカル重合型光開始剤を0.5質量%以上含む請求項1に記載の電子デバイス。
  3. 前記第1の接着層が、カチオン重合性UV硬化樹脂からなる請求項1又は2に記載の電子デバイス。
  4. 前記吸湿層の内側に、前記機能素子を囲むように形成された閉曲線状の第2の接着層、又は前記機能素子を覆うように形成された面状の第2の接着層を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子デバイス。
  5. 前記機能素子が、有機EL素子、有機薄膜太陽電池、又は電子ペーパーである請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子デバイス。
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