図1は、本実施形態のPOS(Point Of Sales)システム1の構成例を示している。この図に示すPOSシステム1は、POS端末装置(精算装置)100、ドロア200および自動釣銭機(自動釣銭装置)300を備える。ドロア200および自動釣銭機300は、それぞれ、POS端末装置100に対して接続される。
POS端末装置100の正面右側にはレシート発行部101が設けられる。このレシート発行部101は、POS端末装置100内部の印字部(図示せず)により印字したレシートなどが排出される部位である。
また、POS端末装置100の正面には液晶タッチパネル114が設けられる。液晶タッチパネル114は各種の操作画像を表示するとともに、タッチ操作を受け付ける。店員は、液晶タッチパネル114に表示される操作画像を見ながら、液晶タッチパネル114に対してタッチ操作を行う。これにより、登録モードや設定モードなどのモード切り換えやプリセットキーによる商品登録や、各種ファイル設定などを行うことができる。客側表示部115は、顧客に対して買い上げ金額、釣り銭の金額などを表示する。
キー操作部117は、テンキー、現計キー、入金、支払、釣準備、売上回収および商品登録に関する各種キーなどが配置される。
カードリーダライタ118は、プリペイドカードによる支払いのために設けられる。つまり、カードリーダライタ118に対してプリペイドカードを挿入し、例えばPOS端末装置100において備えられる対応の会計キーを操作する。これにより、POS端末装置100は、支払額分をプリペイドカードが記憶する残額から減算される。この際、カードリーダライタ118は、挿入されたプリペイドカードに記憶されている残額の読み込みを行ってPOS端末装置100に出力する。また、支払代金分を減算した残額をプリペイドカードに書き込む。
ドロア200は、棒金がその金種ごとに収納される部位である。なお、棒金とは、同じ金種の所定枚数の硬貨を棒状にまとめて包装したものである。棒金の金種としては、例えば1円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨および500円硬貨を挙げることができる。
また、自動釣銭機300は、内部にCPU(Central Processing Unit)およびメモリから成る制御部を備え、この制御部により各貨幣種の在高管理、釣銭の払出し制御などの各種制御を行う。
自動釣銭機300において、紙幣投入部303には支払いに顧客が渡した預かり金のうちの紙幣が投入され、コイン投入部304は上記預かり金のうちの硬貨が投入される。自動釣銭機300は、これらの投入された紙幣や硬貨を金種別に自動的に仕分けて収納する。
また、自動釣銭機300は、POS端末装置100から通知された買上金額と上記預かり金として紙幣投入部303とコイン投入部304に入金された入金金額とに基づいて釣銭を算出する。そして、自動釣銭機300は、この算出した釣銭についての金種ごとの枚数についての内訳を決定し、この内訳にしたがって、貨幣を紙幣払出部301とコイン払出部302に払い出す。
また、本実施形態において、自動釣銭機300は、預かり金として紙幣投入部303とコイン投入部304に入金されるのに応じて、この入金された金種ごとの枚数の内訳を示す情報(入金金種内訳情報)を生成する。そして、自動釣銭機300は、この生成した入金金種内訳情報をPOS端末装置100に対して送信する。
また、自動釣銭機300は、上記預かり金の入金に応じて釣銭を紙幣払出部301とコイン払出部302から払い出す(出金する)のに応じて、この出金された金種ごとの枚数の内訳を示す情報(出金金種内訳情報)を生成する。そして、自動釣銭機300は、この生成した出金金種内訳情報をPOS端末装置100に対して送信する。
POS端末装置100は、上記のように自動釣銭機300から送信される入金金種内訳情報とこれに対応する出金金種内訳情報を含む入出金金種内訳情報を生成し、RAMに記憶される入出金履歴情報に追加登録する。
また、自動釣銭機300は、表示部305を備える。この表示部305には、入金および出金が行われるのに応じて、また、店員が行った所定操作などに応じて所定内容の表示を行う。
図2は、POS端末装置100の構成例を示している。なお、この図において、図1と同一部分には同一符号を付している。この図に示すPOS端末装置100は、CPU111、ROM112、RAM113、液晶タッチパネル114、客側表示部115、印字部116、キー操作部117、カードリーダライタ118およびシリアル通信部119を備える。
CPU111は、ROM(Read Only Memory)112およびRAM(Random Access Memory)113とともにコンピュータを形成している。CPU111は、ROM112に記憶されているプログラムを実行することによりPOS端末装置100としての各種動作を実現する。
ROM112は、上記のようにCPU111が実行するプログラムのほか、CPU111が利用する各種のデータを記憶する。RAM113は、CPU111の作業領域として利用される。
同図では、CPU111の処理によりRAM113に記憶される情報の1つとして、取引履歴情報120と入出金履歴情報130を示している。取引履歴情報120は、取り引きごとに応じた買上商品と買上金額、預かり金額および釣銭金額などの会計情報を格納して成る情報である。また、入出金履歴情報130は、取り引きごとの入出金金種内訳情報から成る情報である。
液晶タッチパネル114は、図1にて説明したようにPOS端末装置の正面に設けられる。液晶タッチパネル114は、CPU111の制御に応じて所定の操作画像を表示する。また、液晶タッチパネル114は、タッチ操作が行われるのに応じて、そのタッチされた位置情報を出力する。CPU111は、この位置情報を操作情報として処理する。これにより、液晶タッチパネル114に対するタッチ操作に応答した動作が実現される。
客側表示部115は、CPU111の制御に応じて、前述のように、買い上げ金額、釣り銭の金額などの顧客に対して提示すべき情報を表示する。
印字部116は、取り引きごとに応じて買上商品、預かり金および釣銭などの取り引きに関連する項目を用紙に印字し、レシートとして発行する。また、印字部116は、入出金履歴情報130から検索された入出金金種内訳情報の内容を印字した入出金金種内訳レシート500の発行も行う。
キー操作部117は、前述のように、キー操作部117は、テンキー、現計キー、入金、支払、釣準備、売上回収および商品登録に関する各種キーなどが配置される部位である。キー操作部117におけるキーに対して操作が行われるのに応じて、キー操作部117からCPU111に対して操作信号が出力される。CPU111は入力した操作信号に応じて所定の処理を実行する。
カードリーダライタ118は、挿入されたプリペイドカードに記憶されている残額などの情報を読み出す。CPU111は、このように読み出された残額から支払金額を減算するなど、所定の精算処理を実行する。また、CPU111は、支払金額の減算やチャージなどにより増減させたプリペイドカードの残額をカードリーダライタ118に通知する。カードリーダライタ118は、挿入されたプリペイドカードに記憶されている残額を、通知された残額に書き換える。
シリアル通信部(通信手段)119は、所定のシリアルデータ通信方式に対応するコネクタと通信機能を備える部位である。この図では、シリアル通信部119に対してドロア200と自動釣銭機300が接続されている。これにより、ドロア200と自動釣銭機300は、それぞれ、POS端末装置100との相互通信が可能となる。
図3は、自動釣銭機300の構成例を示している。なお、この図において図1と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。この図に示す自動釣銭機300は、紙幣払出部301、コイン払出部302、紙幣投入部303、コイン投入部304、表示部305、制御部310、搬送部320、貨幣収納部330、紙幣回収部340およびコイン回収部350を備える。
制御部310は、CPU、ROM、RAMなどから成り、自動釣銭機300における各部を制御する。また、制御部310は、POS端末装置100におけるシリアル通信部119と通信を実行する。また、制御部310は、表示部305に対する表示制御を実行する。
搬送部320は、貨幣(紙幣、コイン)を搬送する部位である。この搬送部320は、紙幣投入部303に投入された紙幣と、コイン投入部304に投入されたコインを、それぞれ、貨幣収納部330に搬送する。
また、搬送部320は、制御部310により指定された金種および枚数の紙幣を貨幣収納部330から紙幣払出部301に搬送する。また、制御部310により指定された金種および枚数のコインを貨幣収納部330からコイン払出部302に搬送する。なお、本実施形態におけるPOSシステム1が扱う紙幣の金種としては、例えば1000円札、2000円札、5000円札および10000円札となり、コインの金種としては、例えば1円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨および500円硬貨となる。
また、搬送部320は、制御部310による貨幣回収の指示に応じて、指定された金種および枚数の紙幣を紙幣回収部340に搬送する。また、搬送部320は、制御部310による貨幣回収の指示に応じて、指定された金種および枚数のコインをコイン回収部350に搬送する。
また、搬送部320は、入金金種内訳検出部321と出金金種内訳検出部322を備える。入金金種内訳検出部321は、預かり金として入金された現金の入金金種内訳を検出する。つまり、入金金種内訳検出部321は、紙幣投入部303およびコイン投入部304に投入(入金)された紙幣とコインごとの金種と、金種ごとの枚数を検出する。そして、制御部310は、この検出結果を示す入金金種内訳情報を生成し、POS端末装置100に対して送信される。
制御部310は、上記預かり金として入金された金額と、POS端末装置100から通知された買上金額に基づいて釣銭の金額を算出する。そして、制御部310は、この算出された釣銭を現金として出金するにあたり、その金種と金種ごとの枚数を決定し、搬送部320に通知する。搬送部320は、通知された金種と金種ごとの枚数にしたがって、貨幣収納部330から貨幣(紙幣、コイン)を搬送し、紙幣払出部301とコイン払出部302から排出させる。
この際、出金金種内訳検出部322は、上記のように貨幣収納部330から紙幣払出部301とコイン払出部302に搬送された紙幣とコインのそれぞれについて、その金種と金種ごとの枚数を検出する。そして、制御部310は、この検出結果を示す出金金種内訳情報を生成し、POS端末装置100に対して送信する。
貨幣収納部330は、搬送部320により搬送されてきた紙幣とコインを、それぞれ金種別に収納する部位である。
図4は、POS端末装置100のRAM113に記憶される入出金履歴情報130の構造例を示している。入出金履歴情報130は、図示するように、入出金金種内訳情報131が配列されて成り、この入出金金種内訳情報131は、取引番号領域132ごとに対応して、日時領域133、入金金種内訳領域134および出金金種内訳領域135が格納されている。
取引番号領域132は、対応の取り引きに対して付された識別番号である。日時領域133は、対応の取り引きが行われたとされる日時を示す。
入金金種内訳領域134は、対応の取り引きにおいて自動釣銭機300に対して預かり金として投入(入金)された現金の金種とその金種ごとの枚数を示す。これに応じて、入金金種内訳領域134は、1円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨、500円硬貨、1000円札、2000円札、5000円札および10000円札の金種ごとに対応して入金された枚数を格納する金種領域134a〜134iを備える。さらに、入金金種内訳領域134は、入金の合計金額を示す合計金額領域134jを備える。
出金金種内訳領域135は、対応の取り引きにおいて自動釣銭機300が釣銭として排出した現金の金種とその金種ごとの枚数を示す。これに応じて、出金金種内訳領域135は、1円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨、500円硬貨、1000円札、2000円札、5000円札および10000円札の金種ごとに対応して排出した枚数を格納する金種領域135a〜135iを備える。さらに、出金金種内訳領域135は、出金の合計金額を示す合計金額領域135jを備える。
上記図4に示した入出金履歴情報130は、取り引きごとに応じて自動釣銭機300から送信される入金金種内訳情報と出金金種内訳情報に基づいて形成される。つまり、1つの取り引きに対応して自動釣銭機300が預かり金が入金されるのに応じて、自動釣銭機300は、入金金種内訳情報を送信する。入金金種内訳情報は、例えばこの預かり金の入金に応じた入金金種内訳の検出結果を示している。
POS端末装置100は、上記入金金種内訳情報を受信するのに応じて、該当の取り引きの取引番号を取引番号領域132に対して新規に追加登録し、これに対応付けられた日時領域133に現在日時を格納する。さらに、受信した入金金種内訳情報の内容が反映されるように、該当の取引番号領域132に対応付けられた入金金種内訳領域134における金種領域134a〜134iに適宜枚数を格納する。また、該当の取引番号領域132に対応付けられた合計金額領域134jに合計金額を格納する。
この後、同じ取り引きにおいて自動釣銭機300が釣銭を排出(出金)するのに応じて、自動釣銭機300は、その釣銭についての出金金種内訳情報を送信する。POS端末装置100は、受信した上記出金金種内訳情報の内容が反映されるように、該当の取り引きの取引番号領域132に対応付けられた、出金金種内訳領域135における金種領域135a〜135iに適宜枚数を格納する。また、該当の取引番号領域132に対応付けられた合計金額領域134jに合計金額を格納する。
このように、本実施形態においては、自動釣銭機300において行われた取り引きごとの預かり金(入金)と釣銭(出金)のそれぞれの金種と金種ごとの枚数の内訳を示す情報が、POS端末装置100において記憶される。
ここで、店員に対して顧客から預かり金の入金または釣銭に関するクレームがあったとする。クレーム内容としては、例えば、正しい金額の釣銭が排出されない、あるいは預かり金として入金したはずの金額とは異なる金額が表示されているなどといったものである。
このようなクレームを受けた店員は、POS端末装置100に対する所定操作によって、今回顧客から受けたクレームに対応する取り引きの入出金金種内訳情報131を入出金履歴情報130から検索するための入出金履歴検索画面を液晶タッチパネル114に表示させる。図5は、入出金履歴検索画面400の一例を示している。
この図5に示す入出金履歴検索画面400においては、取引番号入力ボックス401、入金合計金額入力ボックス402、出金合計金額入力ボックス403、日時入力ボックス404および検索ボタン405が配置されている。
取引番号入力ボックス401は、店員のPOS端末装置100に対する操作に応じて、検索キーの1つである取引番号を入力するための入力ボックスである。入金合計金額入力ボックス402は、店員のPOS端末装置100に対する操作に応じて、検索キーの1つである入金合計金額を入力するための入力ボックスである。出金合計金額入力ボックス403は、店員のPOS端末装置100に対する操作に応じて、検索キーの1つである出金合計金額を入力するための入力ボックスである。日時入力ボックス404は、店員のPOS端末装置100に対する操作に応じて、検索キーの1つである取り引きが行われた日時を入力するための入力ボックスである。検索ボタン405は、入出金履歴情報130に対する検索処理を実行させるための操作が行われるボタンである。
店員は、上記取引番号入力ボックス401、入金合計金額入力ボックス402、出金合計金額入力ボックス403および日時入力ボックス404の少なくともいずれか1つに対して入力を行う。一例として、クレームを伝えてきた顧客がそのときの取り引きに応じてPOS端末装置100から発行されたレシートを持参していたとする。このレシートには、取引番号が印字されているので、店員は、このレシートに印字されている取引番号を取引番号入力ボックス401に入力する。また、レシートには、預かり金としての入金合計金額や釣銭としての出金合計金額、さらには取り引きの日時などが印字されているので、これらの数値を入金合計金額入力ボックス402、出金合計金額入力ボックス403および日時入力ボックス404などに検索キーとして入力してもよい。
そして、店員は、上記のように検索キーを入力したうえで検索ボタン405を操作する。これにより、POS端末装置100は、RAM113に記憶されている入出金履歴情報130から、検索キーと一致する入出金金種内訳情報131を検索する。
一例として、検索キーが取引番号である場合には、この検索キーとしての取引番号と一致する取引番号を格納する取引番号領域132に対応付けられた日時、入金金種内訳および出金金種内訳の情報を検索する。また、入金合計金額が検索キーとして入力された場合には、この検索キーとしての入金合計金額と一致する値が合計金額領域134jに格納されたレコードを検索することになる。
そして、POS端末装置100は、上記のように入出金履歴情報130から入出金金種内訳情報131を検索すると、この検索した入出金金種内訳情報131の内容を視覚的に把握可能なように、液晶タッチパネル114に表示させる。また、POS端末装置100は、検索した入出金金種内訳情報131の内容が印字された入出金金種内訳レシート500を発行する。
図6は、入出金金種内訳レシート500の印字内容例を示している。この入出金金種内訳レシート500においては、日時領域501、取引番号領域502、入金金種内訳領域503および出金金種内訳領域504が配置される。
日時領域501は、検索された入出金金種内訳情報131における日時領域133に格納された日時が印字される領域である。取引番号領域502は、検索された入出金金種内訳情報131における取引番号領域132に格納された取引番号が印字される領域である。入金金種内訳領域503は、検索された入出金金種内訳情報131における入金金種内訳領域134に格納された金種ごとの枚数と入金合計金額が印字される領域である。出金金種内訳領域504は、検索された入出金金種内訳情報131における出金金種内訳領域135に格納された金種ごとの枚数と出金合計金額が印字される領域である。なお、液晶タッチパネル114には、検索結果として、上記入出金金種内訳レシート500と同様の内容が所定の態様によって表示される。
店員は、POS端末装置100の液晶タッチパネル114に表示される内容を見たり、上記のように印字された入出金金種内訳レシート500を確認することにより、入金と出金の金種ごとの枚数を確認し、顧客からのクレームに対応することができる。
なお、上記図6に示した入出金金種内訳レシート500の内容に加えて、例えば対応の取り引きにおける買上商品の内訳や買上金額などの会計情報の内容も印字することが考えられる。このために、POS端末装置100は、RAM113における取引履歴情報120から、検索された入出金金種内訳情報131と同じ取引番号に対応付けられた会計情報を検索して読み出す。そして、この読み出した会計情報において示される買上商品の内訳や買上金額を入出金金種内訳レシート500に印字すればよい。
これまでの説明から理解されるように、本実施形態においては、自動釣銭機300において取り引きに応じて入金と出金が行われるごとに、入金金種内訳情報と出金種内訳情報をPOS端末装置100に送信する。そして、POS端末装置100は、入金金種内訳情報と出金種内訳情報を受信するごとに、RAM113における入出金履歴情報130に対して登録を行うようにする。つまり、本実施形態では、自動釣銭機300における取り引きごとの入金金種と出金金種の内訳についての情報がPOS端末装置100において蓄積されていく。
これにより、POS端末装置100は、ローカル(RAM113)に記憶されている入出金履歴情報130から所望の入金金種内訳情報を検索して迅速に出力させることができる。つまり、本実施形態のPOS端末装置100側で取り引き単位の入金金種内訳情報を必要とするときには、自動釣銭機300からの読み込みを行う必要がなくなる。
図7のフローチャートは、自動釣銭機300とPOS端末装置100が入出金履歴情報130の登録のために実行する処理手順例を示している。この図に示す処理は、自動釣銭機300の制御部310と、POS端末装置100におけるCPU111がそれぞれ実行するものとしてみることができる。
自動釣銭機300において制御部310は、POS端末装置100において商品の登録が完了して買上情報が送信されるのに応じて、この買上情報を受信する(ステップS101)。買上情報には、今回の取り引きにおける買上金額が示されている。
制御部310は、上記買上情報の受信に応じて、紙幣投入部303とコイン投入部304に対して預かり金の入金が行われるのを待機する(ステップS102−NO)。そして、預かり金の入金が行われるのに応じて(ステップS102−YES)、制御部310は、入金金種内訳検出部321により入金金種の内訳を検出させる(ステップS103)。次に、制御部310は、上記検出結果が示される入金金種内訳情報を生成し、POS端末装置100に対して送信する(ステップS104)。
次に、制御部310は、買上情報において示される買上金額と、上記入金金種内訳検出部321により検出された入金金種の内訳に基づいて求められた入金合計金額とに基づいて釣銭が有るか否かについて判定する(ステップS105)。
釣銭が有ると判定した場合(ステップS105−YES)、制御部310は、出金処理を行う(ステップS106)。つまり、制御部310は、上記買上金額と入金合計金額との差分に基づいて釣銭の金額を算出し、この差釣銭を出金するにあたっての出金金種の内訳を決定する。そして、制御部310は、決定された出金金種の内訳にしたがって紙幣払出部301とコイン払出部302から紙幣とコインが排出されるように搬送部320を制御する。
また、上記の出金処理とともに、制御部310は、出金金種内訳検出部322により出金金種の内訳を検出させる(ステップS107)。次に、制御部310は、上記検出結果が示される出金金種内訳情報を生成し、POS端末装置100に対して送信する(ステップS108)。
そして、制御部310は、釣銭は無いと判定した場合(ステップS105−NO)、または、上記ステップS107による処理を終了した後、今回の取り引きに応じた会計処理が終了した旨を示す通知をPOS端末装置100に対して送信する(ステップS109)。
また、POS端末装置100にけるCPU111は、前述したように、商品の登録が行われるのに応じて買上情報を自動釣銭機300に対して送信する(ステップS201)。この後、CPU111は、自動釣銭機300から送信される入金金種内訳情報が受信されるのを待機する(ステップS202−NO)。そして、入金金種内訳情報が受信されるのに応じて(ステップS202−YES)、CPU111は、受信した入金金種内訳情報の内容を入金金種内訳領域134に反映させるように入出金履歴情報130への登録を行う。(ステップS203)
次に、CPU111は、自動釣銭機300から送信される出金金種内訳情報が受信されるのを待機するとともに(ステップS204−NO)、自動釣銭機300から送信される会計終了通知が受信されるのを待機する(ステップS206−NO)。
出金金種内訳情報が受信されるのに応じて(ステップS204−YES)、CPU111は、受信した出金金種内訳情報の内容を出金金種内訳領域135に反映させるように入出金履歴情報130への登録を行う(ステップS205)。また、会計終了通知が受信されるのに応じて(ステップS206−YES)、CPU111は、会計終了処理を実行する(ステップS207)。会計終了処理としては、例えば、今回の取り引きの内容を取引履歴情報120に登録する処理や取り引き内容を示したレシートを発行する処理などとなる。
図8のフローチャートは、入出金履歴情報130に対する入出金金種内訳情報131の検索と、検索結果の出力のためにPOS端末装置100が実行する処理手順例を示している。POS端末装置100におけるCPU111は、入出金金種内訳情報131を検索するための操作が行われるのを待機している(ステップS301−NO)。
入出金金種内訳情報131を検索するための操作が行われるのに応じて(ステップS301−YES)、CPU111は、現在において、入出金履歴情報130に対する情報の登録が途中の状態であるか否かについて判定する(ステップS302)。例えば、先に図7により説明したステップS101の処理を開始して以降において、ステップS109による会計終了通知の送信を完了していなければ、入出金履歴情報130に対する情報の登録は途中の状態であるとみなされる。
登録途中であると判定した場合(ステップS302−YES)、CPU111は、この登録途中の入出金金種内訳情報131を入出金履歴情報130から読み出す(ステップS303)。このために、CPU111は、入出金履歴情報130において最後に登録されている入出金金種内訳情報131の内容を読み出せばよい。
入出金履歴情報130に対する情報の登録途中において入出金金種内訳情報131の検索操作が行われたということは、この登録途中の取引について顧客からのクレームなどの問題が発生したものとして考えてよい。そこで、入出金履歴情報130に対する情報の登録途中において入出金金種内訳情報131の検索操作が行われた場合には、登録途中の入出金金種内訳情報131を入出金履歴情報130から読み出すこととしている。この場合、入出金履歴情報130に対する検索処理は省略されることになり、処理負荷の軽減がはかられるとともに、迅速に入出金金種内訳情報131を出力させることが可能になる。
また、登録途中ではないと判定した場合(ステップS302−NO)、CPU111は、液晶タッチパネル114に対して、図5に例示した入出金履歴検索画面400を表示させる(ステップS304)。そして、このCPU111は、入出金履歴検索画面400に対する検索キーの入力と検索ボタン405に対する操作に応じて、入出金履歴情報130から検索キーに一致する入出金金種内訳情報131を検索する(ステップS305)。
次に、CPU111は、上記ステップS303により読み出された登録途中の入出金金種内訳情報131、または、ステップS305により検索された入出金金種内訳情報131を、液晶タッチパネル114に表示させる(ステップS306)。また、CPU111は、上記ステップS303により読み出された登録途中の入出金金種内訳情報131、または、ステップS305により検索された入出金金種内訳情報131の内容が印字された入出金金種内訳レシート500を印字部116により発行させる(ステップS307)。
次に、本実施形態の変形例について説明する。POSシステムにおいては、図1に示したものの他に、セルフPOSシステムが知られている。セルフPOSシステムでは、商品登録を行う登録装置と、精算を行う精算装置とが別体とされて店舗に配置される。そして、買上商品の登録は店員が登録装置を操作して行うが、精算は、顧客自身が精算装置を操作して行う。このようなセルフPOSシステムは、登録装置において商品登録のみが行われるためにいわゆる客捌きに優れており、そのシステム自体が待ち行列の解消に有利となっている。
このようなセルフPOSシステムにおいて、顧客が精算装置により精算を行っているときに、預かり金や釣銭について問題が生じた場合には、入出金金種内訳情報131を精算装置により検索して、表示およびレシートなどとして出力させることが考えられる。なお、このためには、精算装置に入出金履歴情報130を記憶させておくことになる。
このようにセルフPOSシステムにおいて入出金金種内訳情報131を出力させるにあたっては、その操作を顧客が行うことになる。このように顧客が入出金金種内訳情報131を出力させる際には、例えばセキュリティやプライバシーなどの観点から、その顧客が行った取引のみが出力されるように制限することが必要になる。一方、店員が操作を行う場合には、上記のような制限を無くして、入出金履歴情報130における入出金金種内訳情報131のいずれも検索できるようにすることが好ましい。
図9のフローチャートは、上記のようにセルフPOSシステムの精算装置において入出金金種内訳情報131を出力するための処理手順例を示している。なお、図示による説明は省略するが、精算装置の構成としては、図2に示したPOS端末装置100から商品登録のための機能を省略するとともに、図3に示した自動釣銭機300の構成を付加したようなものとなる。
精算装置は、入出金履歴情報130から入出金金種内訳情報131を検索するための検索モードとして、顧客対応検索モードと店員対応検索モードのいずれかが設定されるのを待機している(ステップS401−NO、S402−NO)。例えば、顧客向けの案内画像にしたがって入出金金種内訳情報131を検索するための操作を行った場合に顧客対応検索モードが設定される。また、例えば顧客が行うことはない特殊な所定操作を行うことにより店員対応検索モードが設定される。
顧客対応検索モードが設定された場合(ステップS401−YES)、精算装置は表示部に対して顧客向けの入出金履歴検索画面を表示させる(ステップS403)。この顧客向けの入出金履歴検索画面においては、レシート番号など、顧客が所持しているレシートの印字内容に限定された情報(レシート印字情報)のみが検索キーとして入力可能とされている。精算装置は、顧客向けの入出金履歴検索画面に対するレシート印字情報の入力操作に応じてこれを検索キーとして入力する(ステップS404)。このように、顧客向けの入出金履歴検索画面においては、その顧客の取り引きに関連した情報のみが検索キーとして入力されることになり、この結果、その顧客の取り引きに限定された入出金金種内訳情報131のみが検索されることになる。なお、精算装置にバーコード読取機能が有る場合には、レシートに印字されているバーコードを読み取らせることにより、バーコードにおいて示されるレシート番号などの情報を検索キーとして入力させるようにしてもよい。
また、店員対応検索モードが設定された場合(ステップS402−YES)、精算装置は表示部に対して店員向けの入出金履歴検索画面を表示させる(ステップS405)。この店員向けの入出金履歴検索画面は、例えば図5に示した入出金履歴検索画面400と同様に取引番号、入金金額合計、出勤金額合計および日時などを検索キーとして入力可能とされている。精算装置は、この店員向けの入出金履歴検索画面に対する入力操作に応じて検索キーを入力する(ステップS406)。このように、店員向けの入出金履歴検索画面においては、店員が任意に取引番号、入金金額合計、出勤金額合計および日時などの検索キーを入力できる。つまり、入出金履歴情報130に格納されるすべての入出金金種内訳情報131を検索対象として検索することができる。このように、本実施形態は、顧客対応検索モードにおいては、その顧客に対応する取り引きに対応する入出金金種内訳情報131のみが検索され、店員対応検索モードでは、すべての入出金金種内訳情報131が検索可能となるように変更される。つまり、店員と顧客とに応じて検索可能範囲が変更される。これにより、セキュリティの確保とプライバシーの保護を図ることができる。
そして、精算装置は、顧客または店員が行った検索実行の指示操作に応じて、上記ステップS404またはS406により入力された検索キーに一致する入出金金種内訳情報131を入出金履歴情報130から検索する(ステップS407)。次に、精算装置は、検索された入出金金種内訳情報131を、液晶タッチパネル114に表示させる(ステップS408)。また、精算装置は、検索された入出金金種内訳情報131の内容が印字された入出金金種内訳レシート500を発行する(ステップS409)。
なお、上記のセルフPOSシステムは、商品の登録は店員が行い、精算作業のみを顧客が行う例であるが、商品の登録と精算を顧客が行うようにされたセルフPOSシステムであってもよい。
また、顧客がボタン操作などによりメニューを選択して精算を行うようにされた自動券売機や自動販売機などについても、入出金履歴情報130を記憶させておくことで、ユーザ操作または店員の操作によって入出金金種内訳情報131を出力させることができる。
また、図7から図9の各フローチャートに示した処理を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上記各処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。